説明

通信システム、クライアント通信中継プログラム、サーバ通信中継プログラム

【課題】無線チャネルの利用効率を向上させる技術を提供する。
【解決手段】クライアント処理部は、クライアント処理部及びクライアント通信中継部の間で維持されるセッションを用いて、処理要求メッセージをクライアント通信中継部へ送信し、クライアント通信中継部は、クライアント通信中継部及びサーバ通信中継部の間の第一セッションを開始し、処理要求メッセージを、第一セッションを用いてサーバ通信中継部へ送信し、第一セッションを終了し、サーバ通信中継部は、処理要求メッセージをサーバ処理部へ送信し、サーバ処理部は、処理要求メッセージで要求された処理を実行し、処理の結果を示す処理応答メッセージをサーバ通信中継部へ送信し、サーバ通信中継部は、サーバ通信中継部及びクライアント通信中継部の間の第二セッションを開始し、処理応答メッセージを、第二セッションを用いてクライアント通信中継部へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、クライアント装置とサーバ装置の間の通信を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
クライアントとサーバの間に通信セッションを確立する技術が知られている。サーバ・プッシュ型通信など、クライアントとサーバが継続して通信を行う場合において、通信セッションが長時間に亘って維持されることがある。
【0003】
クライアントがモバイル機器である場合、モバイル機器は無線通信網の固定局と無線通信を行い、この無線通信網を介してサーバに接続する。この場合も、有線通信の場合と同様、モバイル機器とサーバの間で通信セッションが確立される。
【0004】
ここで固定局は例えば、携帯電話の基地局や無線LANのアクセスポイントである。この固定局は複数のモバイル機器と無線通信を行うことができ、複数のモバイル機器の夫々に無線チャネルを割り当てる。
【0005】
関連する技術として、以下の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−201175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
モバイル機器とサーバの間の通信セッションが維持されている間、モバイル機器は無線チャネルを占有し続ける。一方、固定局が使用する無線チャネル数は有限である。従って、通信セッションが長時間に亘って維持されると、無線チャネルが不足する場合がある。この場合、別のモバイル機器が固定局に接続できないなどの問題が生じる。
【0008】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、無線チャネルの利用効率を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の通信システムは、処理を要求するための処理要求メッセージを発行するクライアント処理部と、前記クライアント処理部による通信を中継するクライアント通信中継部と、を有するクライアント装置と、前記処理要求メッセージに応じて前記処理を実行し前記処理の結果に基づいて前記クライアント処理部への処理応答メッセージを発行するサーバ処理部と、前記クライアント通信中継部と通信することにより前記サーバ処理部による通信を中継するサーバ通信中継部と、を有するサーバ装置とを備える。前記クライアント処理部は、前記クライアント処理部及び前記クライアント通信中継部の間で維持されるセッションを用いて、前記サーバ処理部向けの前記処理要求メッセージを前記クライアント通信中継部へ送信し、前記クライアント通信中継部は、前記クライアント通信中継部及び前記サーバ通信中継部の間の第一セッションを開始し、前記クライアント処理部からの前記処理要求メッセージを、前記第一セッションを用いて前記サーバ通信中継部へ送信し、前記維持されるセッションを維持したまま、前記第一セッションを終了し、前記サーバ通信中継部は、前記クライアント通信中継部からの前記処理要求メッセージを前記サーバ処理部へ送信し、前記サーバ処理部は、前記サーバ通信中継部からの前記処理要求メッセージで要求された処理を実行し、前記処理の結果を示す前記処理応答メッセージを前記サーバ通信中継部へ送信し、前記サーバ通信中継部は、前記サーバ通信中継部及び前記クライアント通信中継部の間の第二セッションを開始し、前記サーバ処理部からの前記処理応答メッセージを、前記第二セッションを用いて前記クライアント通信中継部へ送信し、前記第二セッションを終了し、前記クライアント通信中継部は、前記サーバ通信中継部からの前記処理応答メッセージを、前記維持されるセッションを用いて前記クライアント処理部へ送信する。
【0010】
実施形態のクライアント通信中継プログラムは、処理を要求するための処理要求メッセージに応じて前記処理を実行し前記処理の結果に基づいて処理応答メッセージを発行するサーバ処理部と前記サーバ処理部による通信を中継するサーバ通信中継部とを有するサーバ装置と通信するコンピュータに実行させる。更に実施形態のクライアント通信中継プログラムは、前記コンピュータ内のクライアント処理部による通信を中継するクライアント通信中継部を生成し、前記クライアント処理部が、前記クライアント処理部及び前記クライアント通信中継部の間で維持されるセッションを用いて、前記サーバ処理部向けの前記処理要求メッセージを前記クライアント通信中継部へ送信した場合、前記クライアント通信中継部及び前記サーバ通信中継部の間の第一セッションを開始し、前記クライアント処理部からの前記処理要求メッセージを、前記第一セッションを用いて前記サーバ通信中継部へ送信し、前記維持されるセッションを維持したまま、前記第一セッションを終了し、前記サーバ通信中継部が、前記クライアント通信中継部からの前記処理要求メッセージを前記サーバ処理部へ送信し、前記サーバ処理部が、前記サーバ通信中継部からの前記処理要求メッセージで要求された処理を実行し、前記処理の結果を示す前記処理応答メッセージを前記サーバ通信中継部へ送信し、前記サーバ通信中継部が、前記サーバ通信中継部及び前記クライアント通信中継部の間の第二セッションを開始し、前記サーバ処理部からの前記処理応答メッセージを、前記第二セッションを用いて前記クライアント通信中継部へ送信した場合、前記第二セッションを終了し、前記サーバ通信中継部からの前記処理応答メッセージを、前記維持されるセッションを用いて前記クライアント処理部へ送信することを前記コンピュータに実行させる。
【0011】
実施形態のサーバ通信中継プログラムは、処理を要求するための処理要求メッセージを発行するクライアント処理部と前記クライアント処理部による通信を中継するクライアント通信中継部とを有するクライアント装置と通信するコンピュータに実行させる。更に実施形態のサーバ通信中継プログラムは、前記コンピュータ内のサーバ処理部による通信を中継するサーバ通信中継部を生成し、前記クライアント処理部が、前記クライアント処理部及び前記クライアント通信中継部の間で維持されるセッションを用いて、前記サーバ処理部向けの前記処理要求メッセージを前記クライアント通信中継部へ送信し、前記クライアント通信中継部が、前記クライアント通信中継部及び前記サーバ通信中継部の間の第一セッションを開始し、前記クライアント処理部からの前記処理要求メッセージを、前記第一セッションを用いて前記サーバ通信中継部へ送信した場合、前記第一セッションを終了し、前記クライアント通信中継部からの前記処理要求メッセージを前記サーバ処理部へ送信し、前記サーバ処理部が、前記サーバ通信中継部からの前記処理要求メッセージで要求された処理を実行し、前記処理の結果を示す前記処理応答メッセージを前記サーバ通信中継部へ送信した場合、前記サーバ通信中継部及び前記クライアント通信中継部の間の第二セッションを開始し、前記サーバ処理部からの前記処理応答メッセージを、前記第二セッションを用いて前記クライアント通信中継部へ送信し、前記第二セッションを終了することを前記コンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】Webサービス・システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】比較例のWebサービス・システムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】比較例のWebサービス・システムのアプリケーション層の動作を示すシーケンス図である。
【図4】比較例のWebサービス・システムの動作の具体例を示すシーケンス図である。
【図5】実施形態のWebサービス・システムの機能構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態のWebサービス・システムのアプリケーション層の動作を示すシーケンス図である。
【図7】実施形態のWebサービス・システムの動作の具体例を示すシーケンス図である。
【図8】IPアドレス変更処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
この実施の形態では、本発明の通信システムの適用例であるWebサービス・システムについて説明する。
【0015】
まず、実施形態のWebサービス・システムのハードウェア構成について説明する。
【0016】
図1は、Webサービス・システムのハードウェア構成を示すブロック図である。このWebサービス・システムは、モバイル機器3と、無線通信網5と、有線通信網7と、サーバ装置9とを有する。モバイル機器3は無線通信網5と無線通信を行う。無線通信網5は有線通信網7を介してサーバ装置9に接続されている。この構成により、モバイル機器3は無線通信網5および有線通信網7を介してサーバ装置9と通信を行う。サーバ装置9は例えば、Webサーバである。モバイル機器3は例えば、携帯電話機である。
【0017】
モバイル機器3はコンピュータであり、プロセッサ11bと記憶部12bと通信I/F(Interface)13bと入力デバイス16bと、出力デバイス17bとを有する。プロセッサ11bは記憶部12bに格納されたプログラム及びデータに従ってクライアント機能を実現する。入力デバイス16bは、ユーザにより操作されるデバイスであり、例えばポインティング・デバイスやキーボードである。出力デバイス17bは、情報を表示するデバイスであり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。通信I/F13bは無線通信により無線通信網5に接続され、無線通信網5との間でパケットの送受信を行う。通信I/F13bは例えば、SIM(Subscriber Identity Module)カードである。
【0018】
サーバ装置9はコンピュータであり、プロセッサ11aと記憶部12aと通信I/F13aとを有する。プロセッサ11aは記憶部12aに格納されたプログラム及びデータに基づいてサーバ機能を実現する。通信I/F13aは有線通信網7に接続され、有線通信網7との間でパケットの送受信を行う。通信I/F13aは例えば、NIC(Network Interface Card)である。
【0019】
クライアント装置は例えば、モバイル機器3である。クライアント処理部は例えば、クライアント・アプリケーション部34である。
【0020】
ここで、比較例として、本発明の通信システムが適用されていないWebサービス・システムの機能について説明する。
【0021】
比較例のWebサービス・システムのハードウェア構成は、実施形態のWebサービス・システムのハードウェア構成と同様である。図2は、比較例のWebサービス・システムの機能構成を示すブロック図である。この比較例においてサーバ装置9のプロセッサ11aはサーバ機能90aを実現する。この比較例においてモバイル機器3のプロセッサ11bはクライアント機能30aを実現する。
【0022】
クライアント機能30aは、通信部32と、クライアント・アプリケーション部34と、入力部36と、出力部37とを有する。
【0023】
入力部36は、入力デバイス16bのドライバである。入力部36は、ユーザによる入力デバイス16bの操作を示す情報をクライアント・アプリケーション部34へ渡す。
【0024】
出力部37は、出力デバイス17bのドライバである。出力部37は、クライアント・アプリケーション部34から渡された情報を出力デバイス17bへ表示する。
【0025】
通信部32は、通信I/F13bのドライバである。通信部32は、クライアント・アプリケーション部34から渡されるメッセージを通信I/F13bによりサーバ装置9へ送信させる。また、通信部32は、通信I/F13bにより受信されたメッセージをクライアント・アプリケーション部34へ渡す。
【0026】
クライアント・アプリケーション部34は例えば、ブラウザである。クライアント・アプリケーション部34は処理の処理要求メッセージを発行する。クライアント・アプリケーション部34は、通信部32へメッセージを渡し、通信部32からメッセージを受け取ることにより、サーバ・アプリケーション部94との通信を行う。また、クライアント・アプリケーション部34は、入力部36からの情報に基づいて、サーバ・アプリケーション部94との通信を行う。また、クライアント・アプリケーション部34は、サーバ・アプリケーション部94との通信に基づいて、情報の表示を出力部37に指示する。
【0027】
サーバ機能90aは、通信部92と、サーバ・アプリケーション部94と、データベース95とを有する。
【0028】
通信部92は、通信I/F13aのドライバである。通信部92は、サーバ・アプリケーション部94から渡されたメッセージを通信I/F13aにより送信させる。また、通信部92は、通信I/F13aにより受信されたメッセージをサーバ・アプリケーション部94へ渡す。
【0029】
サーバ・アプリケーション部94は例えば、データベース95を管理するデータベース管理アプリケーションである。サーバ・アプリケーション部94は、通信部92へメッセージを渡し、通信部92からメッセージを受け取ることにより、クライアント・アプリケーション部34との通信を行う。サーバ・アプリケーション部94は、処理要求メッセージに応じて処理を実行し処理結果に基づいて処理応答メッセージを発行する。データベース95は記憶部12aに格納されていても良いし、サーバ装置9の外部の記憶装置に格納されていても良い。
【0030】
次に、比較例のWebサービス・システムのアプリケーション層の動作について説明する。
【0031】
図3は、比較例のWebサービス・システムのアプリケーション層の動作を示すシーケンス図である。このシーケンス図は、左から順に、クライアント・アプリケーション部34、サーバ・アプリケーション部94の動作を示す。アプリケーション層のプロトコルは例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)である。
【0032】
比較例のWebサービス・システムの動作においては、クライアント・アプリケーション部34とサーバ・アプリケーション部94の間のセッションである通信セッションが確立される。モバイル機器3のユーザがモバイル機器3にクライアント・アプリケーション部34を起動させることにより、このシーケンスは開始される。
【0033】
まずモバイル機器3においてユーザは、入力デバイス16bを操作することによりコマンドとそのコマンドのパラメータとをモバイル機器3へ入力する。入力部36は、入力デバイス16bからコマンド及びパラメータを取得してクライアント・アプリケーション部34へ渡す。コマンド及びパラメータを受けたクライアント・アプリケーション部34は、コマンド及びパラメータの表示を出力部37に指示する。その指示を受けた出力部37は、出力デバイス17bに表示させる。
【0034】
この例においてコマンドは検索コマンドであり、例えばブラウザ上の検索ボタンを用いて入力される。実施形態においてパラメータは検索キーワードであり、例えばブラウザ上のテキストボックスを用いて入力される。
【0035】
次にクライアント・アプリケーション部34は、通信セッションを用いて、サーバ・アプリケーション部94に処理を要求するための処理要求メッセージを生成し、サーバ・アプリケーション部94へ送信する(S12a)。
【0036】
次にサーバ装置9において処理要求メッセージを受信したサーバ・アプリケーション部94は、処理要求メッセージを受信したことを示す処理要求受信メッセージをクライアント・アプリケーション部34へ送信する(S22a)。更にサーバ・アプリケーション部94は、処理要求メッセージからコマンド及びパラメータを抽出し、抽出されたコマンド及びパラメータに従って要求された処理を実行する(S20)。
【0037】
サーバ・アプリケーション部94から処理要求受信メッセージを受信したクライアント・アプリケーション部34は、サーバ・アプリケーション部94からの応答を待機する(S30)
【0038】
次にサーバ・アプリケーション部94は、処理を完了すると、通信セッションを用いて、処理結果を含む処理応答メッセージを生成し、クライアント・アプリケーション部34へ送信する(S32a)。
【0039】
次にモバイル機器3において処理応答メッセージを受信したクライアント・アプリケーション部34は、処理応答メッセージを受信したことを示す処理応答受信メッセージをサーバ・アプリケーション部94へ送信する(S42a)。
【0040】
次にサーバ装置9においてサーバ・アプリケーション部94がクライアント・アプリケーション部34からの処理応答受信メッセージを受信することにより、このシーケンスは終了する。
【0041】
次に、比較例のWebサービス・システムの動作の具体例について説明する。この具体例は、アプリケーション層の他にトランスポート層の動作を含む。
【0042】
図4は、比較例のWebサービス・システムの動作の具体例を示すシーケンス図である。このシーケンス図は、左から順に、クライアント・アプリケーション部34、通信部32、通信部92、サーバ・アプリケーション部94の動作を示す。トランスポート層のプロトコルは例えばTCP(Transmission Control Protocol)である。
【0043】
アプリケーション層の動作で説明されたように、入力部36からコマンド及びパラメータを受けたクライアント・アプリケーション部34は、通信セッションを開始する(オープンする)ための通信開始要求メッセージを発行し、その要求メッセージの送信を通信部32に指示する(S112a)。その指示を受けた通信部32は、通信開始要求メッセージをサーバ装置9へ送信する(S134a)。
【0044】
通信開始要求メッセージは、サーバ・アプリケーション部94がメッセージをクライアント・アプリケーション部34へ送信するためのクライアント通信情報を含む。クライアント通信情報は、例えばモバイル機器3に割り当てられたIPアドレスとクライアント・アプリケーション部34に割り当てられたポート番号とである。また、通信開始要求メッセージは、必要に応じて次の情報を含む。通信セッションが認証を必要とする場合、通信開始要求メッセージはモバイル機器3又はモバイル機器3のユーザの認証情報を含む。認証情報は、サーバ・アプリケーション部94がクライアント・アプリケーション部34を認証するための情報であり、例えばモバイル機器3のユーザに割り当てられたユーザIDおよびパスワードを含む。また、通信セッションが暗号化通信を必要とする場合、通信開始要求メッセージは暗号化通信情報を含む。暗号化通信情報は、サーバ・アプリケーション部94とクライアント・アプリケーション部34の間の暗号化通信のための情報であり、例えば暗号化方式を含む。
【0045】
サーバ装置9において通信開始要求メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージをサーバ・アプリケーション部94へ渡す(S136a)。通信開始要求メッセージを受けたサーバ・アプリケーション部94は、通信セッションの開始に必要な通信セッション開始処理を行った後、そのメッセージに含まれたクライアント通信情報を記憶部12aに書き込む。
【0046】
ここで、通信セッションが認証を必要とする場合、通信セッション開始処理は認証情報による認証の手続きを含む。また、通信セッションが暗号化通信を必要とする場合、通信セッション開始処理は暗号化通信情報による暗号化通信の手続きを含む。
【0047】
次にサーバ・アプリケーション部94は、通信セッションを識別するための通信セッション情報を生成して記憶部12aへ書き込む。通信セッション情報は例えば、サーバ・アプリケーション部94により生成されるセッションIDである。次にサーバ・アプリケーション部94は、通信開始要求メッセージの応答であって通信セッション情報を含む通信開始応答メッセージを生成し、そのメッセージの送信を通信部92に指示する(S142a)。その指示を受けた通信部92は、通信開始応答メッセージをモバイル機器3へ送信する(S144a)。
【0048】
ここで、認証の手続きが行われる場合、通信開始応答メッセージは認証の結果に基づいて認証の成功又は失敗を示す。また、暗号化通信の手続きが行われる場合、通信開始応答メッセージは暗号化通信情報を含む。この暗号化通信情報は、例えば暗号化方式、証明書、公開鍵などである。
【0049】
モバイル機器3において通信開始応答メッセージを受信した通信部32は、そのメッセージをクライアント・アプリケーション部34へ渡す(S146a)。通信開始応答メッセージを受けたクライアント・アプリケーション部34は、そのメッセージに含まれた通信セッション情報を記憶部12bへ書き込む。これにより、通信セッションは開始される。
【0050】
次にクライアント・アプリケーション部34は、通信セッションを用いて、サーバ・アプリケーション部94に処理を要求するための処理要求メッセージを発行する。ここで処理要求メッセージは、通信セッション情報、コマンド及びパラメータを含む。次にクライアント・アプリケーション部34は、通信セッションによるそのメッセージの送信を通信部32に指示する(S152a)。その指示を受けた通信部32は処理要求メッセージをサーバ装置9へ送信する(S154a)。
【0051】
サーバ装置9において処理要求メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージをサーバ・アプリケーション部94へ渡す(S156a)。処理要求メッセージを受けたサーバ・アプリケーション部94は、処理要求メッセージを受信したことを示す処理要求受信メッセージ(受信確認、Acknowledge)を通信部92へ送信する(S182a)。処理要求受信メッセージを受けた通信部92は、そのメッセージをモバイル機器3へ送信する(S184a)。
【0052】
モバイル機器3において処理要求受信メッセージを受信した通信部32は、そのメッセージをクライアント・アプリケーション部34へ渡す(S186a)。
【0053】
更にサーバ装置9においてサーバ・アプリケーション部94は、処理要求メッセージに含まれた通信セッション情報と記憶部12aに格納された通信セッション情報とに基づいて、そのメッセージが通信セッションに属することを認識し、そのメッセージからコマンド及びパラメータを抽出する。次にサーバ・アプリケーション部94は、抽出されたコマンド及びパラメータに従って処理を実行する(S212)。
【0054】
一方、モバイル機器3において処理要求受信メッセージを受けたクライアント・アプリケーション部34は、サーバ・アプリケーション部94からの応答を待機する(S218)。
【0055】
その後、サーバ装置9においてサーバ・アプリケーション部94は、処理を完了すると、記憶部12aに格納されたクライアント通信情報に基づき、通信セッションを用いて、処理結果を含む処理応答メッセージを発行する。次にサーバ・アプリケーション部94は、処理応答メッセージの送信を通信部92に指示する(S322a)。その指示を受けた通信部92は、処理応答メッセージをモバイル機器3へ送信する(S364a)。
【0056】
モバイル機器3において処理応答メッセージを受信した通信部32は、そのメッセージをクライアント・アプリケーション部34へ渡す(S366a)。処理応答メッセージを受けたクライアント・アプリケーション部34は、処理応答メッセージから処理結果を抽出し、抽出された処理結果の表示を出力部37に指示する。その指示を受けた出力部37は、抽出された処理結果を出力デバイス17bに表示させる。
【0057】
更にクライアント・アプリケーション部34は、処理応答メッセージを受信したことを示す処理応答受信メッセージ(受信確認、Acknowledge)を発行し、そのメッセージの送信を通信部32に指示する(S392a)。その指示を受けた通信部32は、処理応答受信メッセージをサーバ装置9へ送信する(S394a)。
【0058】
サーバ装置9において処理応答受信メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージをサーバ・アプリケーション部94へ渡す(S396a)。処理応答受信メッセージを受けたサーバ・アプリケーション部94は、通信セッションを終了する(クローズする)。
【0059】
以上で、このシーケンスは終了する。
【0060】
比較例のモバイル機器3は、このシーケンスの最初から最後まで無線チャネルを占有する。
【0061】
次に、前述の比較例のWebサービス・システムの動作において、通信セッションが中断する場合について説明する。
【0062】
比較例において、クライアント・アプリケーション部34がサーバ・アプリケーション部94からの応答を待機する間に、モバイル機器3と無線通信網5の間の無線通信の品質低下などのために、無線チャネルが切断される場合がある。このとき、モバイル機器3において通信部32は、無線チャネルの切断を認識してクライアント・アプリケーション部34へ通知する。この通知を受けたクライアント・アプリケーション部34は、通信セッションが切断されたと認識し、このシーケンスを中断する。一方、サーバ装置9においてサーバ・アプリケーション部94は、処理応答メッセージの送信がエラーになること、又は通信セッションがタイムアウトになることにより、通信セッションが切断されたと認識し、このシーケンスを中断する。
【0063】
更に処理を継続させる場合、クライアント・アプリケーション部34及びサーバ・アプリケーション部94は再度、このシーケンスの最初から処理の実行までの処理を行う必要がある。従ってその後、正常に動作が完了するまでに大幅な遅延が生じる。
【0064】
次に、実施形態のWebサービス・システムの機能について説明する。
【0065】
図5は、実施形態のWebサービス・システムの機能構成を示すブロック図である。比較例のWebサービス・システムの機能構成と実施形態のWebサービス・システムの機能構成とにおいて、同じ符号で示された構成要素は同一物又は相当物を示している。比較例に対し実施形態のWebサービス・システムの機能構成は、クライアント機能30aの代わりにクライアント機能30bを有し、サーバ機能90aの代わりにサーバ機能90bを有する。クライアント機能30aと比較するとクライアント機能30bは、新たに中継部33を有する。サーバ機能90aと比較するとサーバ機能90bは、新たに中継部93を有する。
【0066】
中継部33は、通信部32と同様のインタフェースをクライアント・アプリケーション部34へ提供し、クライアント・アプリケーション部34に対してサーバのように振る舞い、通信部32に対してクライアント・アプリケーション部34のように振る舞う。これにより、クライアント・アプリケーション部34は、通信部32へメッセージを渡す代わりに中継部33へメッセージを渡し、通信部32からメッセージを受け取る代わりに中継部33からメッセージを受け取る。モバイル機器3がスマートフォンのようにソフトウェアの自由度が高い場合、中継部33は例えば常駐するアプリケーションとして実現される。モバイル機器3が携帯電話機のようにソフトウェアの自由度が低い場合、中継部33は例えば通信ライブラリとして実現され、クライアント・アプリケーション部34によって通信部32の代わりに呼び出される。
【0067】
通信部32は、中継部33から渡されるメッセージを通信I/F13bによりサーバ装置9へ送信させる。また、通信部32は、通信I/F13bにより受信されたメッセージを中継部33へ渡す。
【0068】
中継部93は、通信部92と同様のインタフェースをサーバ・アプリケーション部94へ提供し、サーバ・アプリケーション部94に対してクライアントのように振る舞い、通信部92に対してサーバ・アプリケーション部94のように振る舞う。これにより、サーバ・アプリケーション部94は、通信部92へメッセージを渡す代わりに中継部93へメッセージを渡し、通信部92からメッセージを受け取る代わりに中継部93からメッセージを受け取る。
【0069】
通信部92は、中継部93から渡されたメッセージを通信I/F13aにより送信させる。また、通信部92は、中継部93により受信されたメッセージをサーバ・アプリケーション部94へ渡す。
【0070】
クライアント通信中継部は例えば、中継部33である。サーバ処理部及びサーバ処理は例えば、サーバ・アプリケーション部94である。サーバ通信中継部は例えば、中継部93である。
【0071】
次に、実施形態のWebサービス・システムのアプリケーション層の動作について説明する。
【0072】
図6は、実施形態のWebサービス・システムのアプリケーション層の動作を示すシーケンス図である。このシーケンス図は、左から順に、クライアント・アプリケーション部34、中継部33、中継部93、サーバ・アプリケーション部94の動作を示す。
【0073】
比較例のWebサービス・システムの動作と実施形態のWebサービス・システムの動作とにおいて、同じ符号で示された処理は同一処理又は相当処理を示している。実施形態のWebサービス・システムの動作においては、クライアント・アプリケーション部34とサーバ・アプリケーション部94の間の通信セッションを実現するために、中継部32と中継部92の間のセッションである中継セッションが確立される。以下、最初の中継セッションを第一中継セッションと呼び、第一中継セッションの終了後に開始される中継セッションを第二中継セッションと呼ぶ。更に、クライアント・アプリケーション部34と中継部33の間のセッションであるクライアント内部セッションが確立され、サーバ・アプリケーション部94と中継部93の間のセッションであるサーバ内部セッションが確立される。クライアント・アプリケーション部34は、クライアント内部セッションを通信セッションと見なして動作する。サーバ・アプリケーション部94は、サーバ内部セッションを通信セッションと見なして動作する。
【0074】
第一中継セッションが開始されてから、第一中継セッションが終了され、第二中継セッションが開始され、第二中継セッションが終了されるまで、クライアント内部セッション及びサーバ内部セッションは維持される。これにより、クライアント・アプリケーション部34とサーバ・アプリケーション部94は、比較例と同様に振舞うことができるだけでなく、途中で無線チャネルが切断されても通信セッションを維持することができる。
【0075】
第一セッションは例えば、第一中継セッションである。第二セッションは例えば、第二中継セッションである。維持されるセッションは例えば、クライアント内部セッションである。
【0076】
まずモバイル機器3において、比較例と同様に入力部36からコマンド及びパラメータを受けたクライアント・アプリケーション部34は、サーバ・アプリケーション部94の間で通信セッションを開始する。これにより、クライアント・アプリケーション部34は、中継部33との間でクライアント内部セッションを開始する。次にクライアント・アプリケーション部34は、クライアント内部セッションを用いて、サーバ・アプリケーション部94に処理を要求するための(サーバ・アプリケーション部94向けの)処理要求メッセージを生成し、中継部33へ送信する(S12b)。
【0077】
クライアント・アプリケーション部34から処理要求メッセージを受信した中継部33は、中継部93との間で第一中継セッションを開始し、受信された処理要求メッセージを、第一中継セッションを用いて中継部93へ送信する(S13b)。
【0078】
次にサーバ装置9において、中継部93が中継部33からの処理要求メッセージを受信しることにより、第一中継セッションは終了される。このとき、クライアント内部セッションは維持される。中継部33から処理要求メッセージを受信した中継部93は、サーバ・アプリケーション部94との間でサーバ内部セッションを開始し、受信された処理要求メッセージをサーバ・アプリケーション部94へ送信する(S17b)。
【0079】
中継部93から処理要求メッセージを受信したサーバ・アプリケーション部94は、処理要求メッセージを受信したことを示す処理要求受信メッセージを中継部93へ送信する(S22b)。更にサーバ・アプリケーション部94は、受信した処理要求メッセージからコマンド及びパラメータを抽出し、抽出されたコマンド及びパラメータに従って要求された処理を実行する(S20)。
【0080】
サーバ・アプリケーション部94から処理要求受信メッセージを受信した中継部93は、その処理要求受信メッセージを中継部33へ送信する(S23b)。
【0081】
次にモバイル機器3において、中継部93から処理要求受信メッセージを受信した中継部33は、その処理要求受信メッセージをクライアント・アプリケーション部34へ送信する(S27b)。なお、このS27bは省かれても良い。中継部33から処理要求受信メッセージを受信したクライアント・アプリケーション部34は、サーバ・アプリケーション部94からの応答を待機する(S30)
【0082】
次にサーバ装置9において、サーバ・アプリケーション部94が要求された処理を完了すると、サーバ・アプリケーション部94は通信セッションを用いて、処理結果を含む(クライアント・アプリケーション部34向けの)処理応答メッセージを生成し、中継部93へ送信する(S32b)。
【0083】
サーバ・アプリケーション部94から処理応答メッセージを受信した中継部93は、中継部93及び中継部33の間の第二中継セッションを開始し、サーバ・アプリケーション部94から受信した処理応答メッセージを、第二中継セッションを用いて中継部33へ送信する(S33b)。
【0084】
次にモバイル機器3において、中継部93から処理応答メッセージを受信した中継部33は、その処理応答メッセージを、クライアント内部セッションを用いてクライアント・アプリケーション部34へ送信する(S37b)。
【0085】
中継部33から処理応答メッセージを受信したクライアント・アプリケーション部34は、処理応答メッセージを受信したことを示す処理応答受信メッセージをクライアント内部セッションを用いて中継部33へ送信する(S42b)。なお、このS42bは省かれても良い。
【0086】
中継部33がクライアント内部セッションを用いてクライアント・アプリケーション部34から処理応答受信メッセージを受信することにより、クライアント内部セッションは終了される。更に中継部33は、第二中継セッションを用いてその処理応答受信メッセージを中継部93へ送信する(S43b)。なお、中継部33は、このS43bを前述のS37bより前に行っても良い。
【0087】
次にサーバ装置9において中継部93が中継部33から処理応答受信メッセージを受信することにより、第二中継セッションは終了される。更に中継部93は、中継部33から受信した処理応答受信メッセージをサーバ・アプリケーション部94へ送信する(S47b)。
【0088】
サーバ・アプリケーション部94が中継部93から処理応答受信メッセージを受信することにより、サーバ内部セッションは終了される。これにより、通信セッションは終了される。
【0089】
以上で、このシーケンスは終了される。
【0090】
次に、実施形態のWebサービス・システムの動作の具体例について説明する。この具体例は、アプリケーション層の他にトランスポート層の動作を含む。
【0091】
図7は、実施形態のWebサービス・システムの動作の具体例を示すシーケンス図である。このシーケンス図は、左から順に、クライアント・アプリケーション部34、中継部33、通信部32、通信部92、中継部93、サーバ・アプリケーション部94の動作を示す。
【0092】
まずモバイル機器3において、比較例と同様にコマンド及びパラメータを取得したクライアント・アプリケーション部34は、比較例と同様にして通信セッションを開始するための通信開始要求メッセージを生成し、そのメッセージの送信を中継部33に指示する(S112b)。その指示を受けた中継部33は、通信要求メッセージをカプセル化してクライアント中継情報を付加することにより、中継セッションを開始するための通信開始要求中継メッセージを生成し、そのメッセージの送信を通信部32に指示する(S133b)。以下、この中継セッションを第一中継セッションと呼ぶ。その指示を受けた通信部32は、通信開始要求中継メッセージをサーバ装置9へ送信する(S134b)。
【0093】
ここでクライアント中継情報は、モバイル機器3に割り当てられているIPアドレスと、中継部33に割り当てられているポート番号と、第一中継セッションとそれに続く第二中継セッションとを関連付けるための中継セッション情報とを含む。中継セッション情報は例えば、モバイル機器3に固有のIDである端末IDである。端末IDは例えば、通信I/F13bのSIMカードに割り当てられたSIMカードIDである。なお、中継セッション情報は、通信セッションのセッションIDであっても良い。
【0094】
サーバ装置9において通信開始要求中継メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージを中継部93へ渡す(S136b)。通信開始要求中継メッセージを受けた中継部93は、そのメッセージからクライアント中継情報と通信開始要求メッセージとを抽出する。次に中継部93は、抽出されたクライアント中継情報に基づいて中継セッションの開始に必要な中継セッション開始処理を行った後、クライアント中継情報を記憶部12aに書き込む。次に中継部93は、抽出された通信開始要求メッセージをサーバ・アプリケーション部94へ渡す(S137b)。通信開始要求メッセージを受けたサーバ・アプリケーション部94は、通信セッションの開始に必要な通信セッション開始処理を行った後、そのメッセージに含まれたクライアント通信情報を記憶部12aへ書き込む。
【0095】
ここで、中継セッションが認証を必要とする場合、中継セッション開始処理は認証の手続きを含む。また、中継セッションが暗号化通信を必要とする場合、中継セッション開始処理は暗号化通信の手続きを含む。
【0096】
次にサーバ・アプリケーション部94は、通信開始要求メッセージの応答であって通信セッション情報を含む通信開始応答メッセージを生成し、そのメッセージの送信を中継部93に指示する(S142b)。これにより、サーバ内部セッションは開始される。その指示を受けた中継部93は、通信開始応答メッセージをカプセル化して通信開始要求中継メッセージの応答を示す情報を付加することにより、通信開始応答中継メッセージを生成し、そのメッセージの送信を通信部92に指示する(S143b)。その指示を受けた通信部92は、通信開始応答中継メッセージをモバイル機器3へ送信する(S144b)。
【0097】
モバイル機器3において通信開始応答中継メッセージを受信した通信部32は、そのメッセージを中継部33へ渡す(S146b)。通信開始応答中継メッセージを受けた中継部33は、中継セッション情報を記憶部12bへ書き込む。これにより、第一中継セッションは開始される。次に中継部33は、通信開始応答中継メッセージから通信開始応答メッセージを抽出する。次に中継部33は、抽出された通信開始応答メッセージをクライアント・アプリケーション部34へ渡す(S147b)。通信開始応答メッセージを受けたクライアント・アプリケーション部34は、そのメッセージから通信セッション情報を抽出して記憶部12bへ書き込む。これにより、クライアント内部セッションは開始され、通信セッションは開始される。
【0098】
まずクライアント・アプリケーション部34は、クライアント内部セッションを用いて、取得されたコマンド及びパラメータと記憶部12bに格納された通信セッション情報から、サーバ・アプリケーション部94に処理を要求するための処理要求メッセージを生成する。次にクライアント・アプリケーション部34は、クライアント内部セッションを用いて、そのメッセージの送信を中継部33に指示する(S152b)。その指示を受けた中継部32は、処理要求メッセージをカプセル化して端末IDを付加することにより処理要求中継メッセージを生成し、第一中継セッションを用いて、そのメッセージの送信を通信部32に指示する(S153b)。その指示を受けた通信部32は処理要求中継メッセージをサーバ装置9へ送信する(S154b)。
【0099】
サーバ装置9において処理要求中継メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージを中継部93へ渡す(S156b)。処理要求中継メッセージを受けた中継部93は、そのメッセージから中継セッション情報と処理要求メッセージとを抽出する。次に中継部93は、抽出された中継セッション情報と記憶部12aに格納されたクライアント中継情報とに基づいて、処理要求中継メッセージが第一中継セッションに属することを認識する。次に中継部93は、抽出された処理要求メッセージを、サーバ内部セッションを用いてサーバ・アプリケーション部94へ渡す(S157b)。
【0100】
処理要求メッセージを受けたサーバ・アプリケーション部94は、サーバ内部セッションを用いて、処理要求メッセージを受信したことを示す処理要求受信メッセージの送信を中継部93に指示する(S182b)。その指示を受けた中継部93は、処理要求受信メッセージをカプセル化して処理要求受信中継メッセージを生成し、第一中継セッションを用いて、そのメッセージの送信を通信部92へ指示する(S183b)。その指示を受けた通信部92は、そのメッセージをモバイル機器3へ送信する(S184b)。
【0101】
モバイル機器3において処理要求受信中継メッセージを受信した通信部32は、そのメッセージを中継部33へ渡す(S186b)。処理要求受信中継メッセージを受けた中継部33は、そのメッセージから処理要求受信メッセージを抽出し、抽出されたメッセージを、クライアント内部セッションを用いてクライアント・アプリケーション部34へ渡す(S187b)。これにより、第一中継セッションは終了される。
【0102】
ここで中継部33は、第一中継セッションの終了のために、第一中継セッションを放置する。この場合、中継部33は例えば、無線通信網5から第一中継セッションに関する問い合わせを受信しても応答しない。これにより、無線通信網5は、モバイル機器3に割り当てられた無線チャネルを解放することができ、その無線チャネルを別のモバイル機器に割り当てることができる。これにより実施形態は、比較例と比べて無線チャネルの利用効率を向上させることができる。
【0103】
次にサーバ装置9において処理要求メッセージを受けたサーバ・アプリケーション部94は、記憶部12aに格納された通信セッション情報に基づいて、そのメッセージが通信セッションに属することを認識し、そのメッセージからコマンド及びパラメータを抽出する。次にサーバ・アプリケーション部94は、抽出されたコマンド及びパラメータに従って処理を実行する(S212)。
【0104】
一方、モバイル機器3において処理要求受信メッセージを受信したクライアント・アプリケーション部34は、サーバ・アプリケーション部94からの応答を待機する(S218)。このとき、中継セッションは切断されているが、クライアント内部セッション及びサーバ内部セッションは維持される。これにより、通信セッションは維持される。
【0105】
サーバ装置9においてサーバ・アプリケーション部94は、要求された処理を完了する。次にサーバ・アプリケーション部94は、記憶部12aに格納されたクライアント通信情報に基づいて処理結果を含む処理応答メッセージを生成し、サーバ内部セッションを用いて、そのメッセージの送信を中継部93に指示する(S322b)。
【0106】
この指示を受けた中継部93は、記憶部12aに格納されたクライアント中継情報に基づいて、サーバ中継情報を含み新たな中継セッションを開始するための中継開始要求メッセージを生成し、そのメッセージの送信を通信部92に指示する(S343)。以下、この中継セッションを第二中継セッションと呼ぶ。その指示を受けた通信部92は、中継開始要求メッセージをモバイル機器3へ送信する(S344)。
【0107】
ここでサーバ中継情報は、サーバ装置9に割り当てられているIPアドレスと、中継部93に割り当てられているポート番号と、中継セッション情報とを含む。
【0108】
モバイル機器3において中継開始要求メッセージを受信した通信部32は、そのメッセージを中継部33へ渡す(S346)。中継開始要求メッセージを受けた中継部33は、そのメッセージからサーバ中継情報を抽出する。次に中継部93は、抽出されたサーバ中継情報と記憶部12bに格納された中継セッション情報とに基づいて、中継セッションの開始に必要な中継セッション開始処理を行う。次に中継部93は、サーバ中継情報に基づいて、中継開始要求メッセージに対する応答である中継開始応答メッセージを生成し、そのメッセージの送信を通信部32に指示する(S353)。その指示を受けた通信部32は、中継開始応答メッセージをサーバ装置9へ送信する(S354)。
【0109】
サーバ装置9において中継開始応答メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージを中継部93へ渡す(S356)。中継部93が中継開始応答メッセージを受けることにより、第二中継セッションは開始される。
【0110】
中継開始応答メッセージを受けた中継部93は、記憶部12aに格納されたクライアント中継情報に基づいて、サーバ・アプリケーション部94からの処理応答メッセージをカプセル化することにより、処理応答中継メッセージを生成する。処理応答中継メッセージは例えば、POSTメソッドにより実現される。次に中継部93は、第二中継セッションを用いて、そのメッセージの送信を通信部92に指示する(S363b)。その指示を受けた通信部92は、処理応答中継メッセージをモバイル機器3へ送信する(S364b)。
【0111】
モバイル機器3において処理応答中継メッセージを受信した通信部32は、そのメッセージを中継部32へ渡す(S366b)。処理応答中継メッセージを受けた中継部32は、そのメッセージから処理応答メッセージを抽出し、その処理応答メッセージを、クライアント内部セッションを用いてクライアント・アプリケーション部34へ渡す(S367b)。処理応答メッセージを受けたクライアント・アプリケーション部34は、そのメッセージから処理結果を抽出し、抽出された処理結果の表示を出力部37に指示する。その指示を受けた出力部37は、抽出された処理結果を出力デバイス17bに表示させる。
【0112】
更にクライアント・アプリケーション部34は、処理応答メッセージを受信したことを示す処理応答受信メッセージを発行し、クライアント内部セッションを用いて、そのメッセージの送信を中継部33に指示する(S392b)。中継部33がその指示を受けることにより、クライアント内部セッションは終了される。その指示を受けた中継部33は、処理応答受信メッセージをカプセル化することにより処理応答受信中継メッセージを生成する。次に中継部33は、第二中継セッションを用いて、処理応答受信中継メッセージの送信を通信部32に指示する(S393b)。その指示を受けた通信部32は、処理応答受信中継メッセージをサーバ装置9へ送信する(S394b)。
【0113】
サーバ装置9において処理応答受信中継メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージを中継部93へ渡す(S396b)。中継部93が処理応答受信中継メッセージを受けることにより、第二中継セッションは終了される。処理応答受信中継メッセージを受けた中継部93は、そのメッセージから処理応答受信メッセージを抽出し、その処理応答受信メッセージを、サーバ内部セッションを用いてサーバ・アプリケーション部94へ渡す(S397b)。サーバ・アプリケーション部94が処理応答受信メッセージを受けることにより、サーバ内部セッションは終了される。これにより、通信セッションは終了される。
【0114】
以上で、このシーケンスは終了する。
【0115】
なお、通信セッションの開始、第一中継セッションの開始、第二中継セッションの開始において、中継部33と中継部93との間で、認証や暗号化の手続きのためにこのシーケンスより多くのメッセージが送信されても良い。
【0116】
実施形態のモバイル機器3は、第一中継終了要求メッセージの受信(S184)から中継開始要求メッセージの受信(S344)まで無線チャネルを占有しない。言い換えれば、クライアント・アプリケーション部34がサーバ・アプリケーション部94からの応答を待機する間、中継セッションは切断され、無線チャネルは解放されている。従って、この状態で比較例のようにモバイル機器3と無線通信網5の間の無線通信の品質低下などが生じたとしても、このシーケンスの最初から処理の実行までの処理を再度行う必要はない。
【0117】
前述のように、クライアント・アプリケーション部34とサーバ・アプリケーション部94の間のメッセージが中継部33及び中継部93をトンネリングすることにより、クライアント・アプリケーション部34とサーバ・アプリケーション部94は比較例と同様の動作を行うことができる。つまり、比較例のWebサービス・システムを実施形態のWebサービス・システムに変更する場合、比較例のWebサービス・システムに中継部33及び中継部93を追加することにより、クライアント・アプリケーション部34及びサーバ・アプリケーション部94を変更する必要がない。これにより、有線通信だけを用いるWebサービス・システムのクライアント・アプリケーション及びサーバ・アプリケーションをそのまま、無線通信を用いるWebサービス・システムに適用することができる。
【0118】
次に、無線通信網5によりモバイル機器3のIPアドレスが変更される場合の、モバイル機器3及びサーバ装置9によるIPアドレス変更処理について説明する。
【0119】
図8は、IPアドレス変更処理を示すシーケンス図である。このシーケンス図は、左から順に、クライアント・アプリケーション部34、中継部33、通信部32、通信部92、中継部93、サーバ・アプリケーション部94の動作を示す。
【0120】
ここで中継セッションが切断されている期間に、即ちクライアント・アプリケーション部34がサーバ・アプリケーション部94からの処理応答メッセージを待機している間に、無線通信網5によりモバイル機器3のIPアドレスが変更されたとする。
【0121】
このとき、通信部32は通信I/F13bによりIPアドレスの変更と新たなIPアドレスを検出し、新たなIPアドレスを中継部33へ通知する(S416)。その通知を受けた中継部33は、新たなIPアドレスを含む中継情報を生成し、その中継情報を含むIPアドレス変更メッセージを生成し、そのメッセージの送信を通信部32に指示する(S423)。その指示を受けた通信部32は、IPアドレス変更メッセージをサーバ装置9へ送信する(S424)。
【0122】
サーバ装置9においてIPアドレス変更メッセージを受信した通信部92は、そのメッセージを中継部93へ渡す(S426)。IPアドレス変更メッセージを受けた中継部93は、そのメッセージに含まれた中継情報に基づいて記憶部12aに格納された中継情報を変更する。これにより、中継部93は第二中継セッションの開始時にモバイル機器3の新たなIPアドレスを用いることができる。
【0123】
以上のIPアドレス変更処理によれば、モバイル機器3のIPアドレスが変更された場合でも、再び中継セッションを開始し、通信セッションを継続することができる。
【0124】
プロセッサ11bに中継部33の機能を実行させるクライアント通信中継プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていても良い。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ディスクや半導体メモリを含む。その形態は、モバイル機器3の内部に設けられた記憶部12b、モバイル機器3の外部に設けられた記憶装置、可搬型記録媒体、他のコンピュータの記憶装置を含む。例えば、可搬型記録媒体がクライアント通信中継プログラムを格納し、モバイル機器3がこの可搬型記録媒体の読み取り装置を有する場合、モバイル機器3はこの記録媒体からクライアント通信中継プログラムを読み取っても良い。あるいは、他のコンピュータがクライアント通信中継プログラムを格納し、モバイル機器3の通信I/F13bが他のコンピュータに接続されている場合、モバイル機器3は他のコンピュータからクライアント通信中継プログラムを受信しても良い。
【0125】
プロセッサ11aに中継部93の機能を実行させるサーバ通信中継プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていても良い。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ディスクや半導体メモリを含む。その形態は、サーバ装置9の内部に設けられた記憶部12a、サーバ装置9の外部に設けられた記憶装置、可搬型記録媒体、他のコンピュータの記憶装置を含む。例えば、可搬型記録媒体がサーバ通信中継プログラムを格納し、サーバ装置9がこの可搬型記録媒体の読み取り装置を有する場合、サーバ装置9はこの記録媒体からサーバ通信中継プログラムを読み取っても良い。あるいは、他のコンピュータがサーバ通信中継プログラムを格納し、サーバ装置9の通信I/F13aが他のコンピュータに接続されている場合、サーバ装置9は他のコンピュータからサーバ通信中継プログラムを受信しても良い。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる、これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
3 モバイル機器
5 無線通信網
7 有線通信網
9 サーバ装置
30b クライアント機能
32 通信部
33 中継部
34 クライアント・アプリケーション部
36 入力部
37 出力部
90b サーバ機能
92 通信部
93 中継部
94 サーバ・アプリケーション部
95 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理を要求するための処理要求メッセージを発行するクライアント処理部と、前記クライアント処理部による通信を中継するクライアント通信中継部と、を有するクライアント装置と、
前記処理要求メッセージに応じて前記処理を実行し前記処理の結果に基づいて前記クライアント処理部への処理応答メッセージを発行するサーバ処理部と、前記クライアント通信中継部と通信することにより前記サーバ処理部による通信を中継するサーバ通信中継部と、を有するサーバ装置と、
を備え、
前記クライアント処理部は、前記クライアント処理部及び前記クライアント通信中継部の間で維持されるセッションを用いて、前記サーバ処理部向けの前記処理要求メッセージを前記クライアント通信中継部へ送信し、
前記クライアント通信中継部は、前記クライアント通信中継部及び前記サーバ通信中継部の間の第一セッションを開始し、前記クライアント処理部からの前記処理要求メッセージを、前記第一セッションを用いて前記サーバ通信中継部へ送信し、前記維持されるセッションを維持したまま、前記第一セッションを終了し、
前記サーバ通信中継部は、前記クライアント通信中継部からの前記処理要求メッセージを前記サーバ処理部へ送信し、
前記サーバ処理部は、前記サーバ通信中継部からの前記処理要求メッセージで要求された処理を実行し、前記処理の結果を示す前記処理応答メッセージを前記サーバ通信中継部へ送信し、
前記サーバ通信中継部は、前記サーバ通信中継部及び前記クライアント通信中継部の間の第二セッションを開始し、前記サーバ処理部からの前記処理応答メッセージを、前記第二セッションを用いて前記クライアント通信中継部へ送信し、前記第二セッションを終了し、
前記クライアント通信中継部は、前記サーバ通信中継部からの前記処理応答メッセージを、前記維持されるセッションを用いて前記クライアント処理部へ送信する、
通信システム。
【請求項2】
前記サーバ通信中継部は、前記クライアント通信中継部からの前記処理要求メッセージを受信した場合、前記処理要求メッセージの受信を示す応答を前記クライアント通信中継部へ送信し、
前記クライアント通信中継部は、前記サーバ通信中継部からの前記処理応答メッセージを受信した場合、前記処理応答メッセージの受信を示す応答を前記サーバ通信中継部へ送信する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記クライアント通信中継部は、前記クライアント処理部から送信された前記処理要求メッセージへ前記第一セッションを示す情報を付加し、前記第一セッションを示す情報を付加されたメッセージを、前記第一セッションを用いて前記サーバ通信中継部へ送信し、
前記サーバ通信中継部は、前記クライアント通信中継部から送信されたメッセージから前記処理要求メッセージを抽出して前記サーバ処理部へ送信し、
前記サーバ通信中継部は、前記サーバ処理部から送信された前記処理応答メッセージへ前記第二セッションを示す情報を付加し、前記第二セッションを示す情報を付加されたメッセージを、前記第二セッションを用いて前記クライアント通信中継部へ送信し、
前記クライアント通信中継部は、前記サーバ通信中継部から送信されたメッセージから前記処理応答メッセージを抽出して前記クライアント処理部へ送信する、
請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
処理を要求するための処理要求メッセージに応じて前記処理を実行し前記処理の結果に基づいて処理応答メッセージを発行するサーバ処理部と前記サーバ処理部による通信を中継するサーバ通信中継部とを有するサーバ装置と通信するコンピュータに実行させるクライアント通信中継プログラムであって、
前記コンピュータ内のクライアント処理部による通信を中継するクライアント通信中継部を生成し、
前記クライアント処理部が、前記クライアント処理部及び前記クライアント通信中継部の間で維持されるセッションを用いて、前記サーバ処理部向けの前記処理要求メッセージを前記クライアント通信中継部へ送信した場合、前記クライアント通信中継部及び前記サーバ通信中継部の間の第一セッションを開始し、
前記クライアント処理部からの前記処理要求メッセージを、前記第一セッションを用いて前記サーバ通信中継部へ送信し、
前記維持されるセッションを維持したまま、前記第一セッションを終了し、
前記サーバ通信中継部が、前記クライアント通信中継部からの前記処理要求メッセージを前記サーバ処理部へ送信し、前記サーバ処理部が、前記サーバ通信中継部からの前記処理要求メッセージで要求された処理を実行し、前記処理の結果を示す前記処理応答メッセージを前記サーバ通信中継部へ送信し、前記サーバ通信中継部が、前記サーバ通信中継部及び前記クライアント通信中継部の間の第二セッションを開始し、前記サーバ処理部からの前記処理応答メッセージを、前記第二セッションを用いて前記クライアント通信中継部へ送信した場合、前記第二セッションを終了し、
前記サーバ通信中継部からの前記処理応答メッセージを、前記維持されるセッションを用いて前記クライアント処理部へ送信する
ことを前記コンピュータに実行させるクライアント通信中継プログラム。
【請求項5】
処理を要求するための処理要求メッセージを発行するクライアント処理部と前記クライアント処理部による通信を中継するクライアント通信中継部とを有するクライアント装置と通信するコンピュータに実行させるサーバ通信中継プログラムであって、
前記コンピュータ内のサーバ処理部による通信を中継するサーバ通信中継部を生成し、
前記クライアント処理部が、前記クライアント処理部及び前記クライアント通信中継部の間で維持されるセッションを用いて、前記サーバ処理部向けの前記処理要求メッセージを前記クライアント通信中継部へ送信し、前記クライアント通信中継部が、前記クライアント通信中継部及び前記サーバ通信中継部の間の第一セッションを開始し、前記クライアント処理部からの前記処理要求メッセージを、前記第一セッションを用いて前記サーバ通信中継部へ送信した場合、前記第一セッションを終了し、
前記クライアント通信中継部からの前記処理要求メッセージを前記サーバ処理部へ送信し、
前記サーバ処理部が、前記サーバ通信中継部からの前記処理要求メッセージで要求された処理を実行し、前記処理の結果を示す前記処理応答メッセージを前記サーバ通信中継部へ送信した場合、前記サーバ通信中継部及び前記クライアント通信中継部の間の第二セッションを開始し、前記サーバ処理部からの前記処理応答メッセージを、前記第二セッションを用いて前記クライアント通信中継部へ送信し、
前記第二セッションを終了する
ことを前記コンピュータに実行させるサーバ通信中継プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−191542(P2012−191542A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55008(P2011−55008)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】