説明

通信システム、移動局装置、基地局装置、通信方法および集積回路

【課題】基地局装置と移動局装置間で制御情報を含む信号を効率的に送受信することを可能にする。
【解決手段】制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域とが、設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動局装置と基地局装置から構成される通信システムにおいて、制御情報を含む信号が配置される可能性のある領域を効率的に設定し、基地局装置が移動局装置に対して効率的に制御情報を含む信号を送信することができ、移動局装置は基地局装置から効率的に制御情報を含む信号を受信することができる通信システム、移動局装置、基地局装置、通信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワークの進化(以下、「Long Term Evolution (LTE)」、または、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (EUTRA)」と呼称する。)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project: 3GPP)において仕様化されている。LTEでは、基地局装置から移動局装置への無線通信(下りリンク; DLと呼称する。)の通信方式として、マルチキャリア送信である直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing: OFDM)方式が用いられる。また、LTEでは、移動局装置から基地局装置への無線通信(上りリンク; ULと呼称する。)の通信方式として、シングルキャリア送信であるSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)方式が用いられる。LTEでは、SC−FDMA方式としてDFT−Spread OFDM(Discrete Fourier Transform-Spread OFDM)方式が用いられる。
【0003】
その要求を実現するためにLTE−AではLTEと同一のチャネル構造を少なくともサポートすることが検討されている。チャネルとは、信号の送信に用いられる媒体を意味する。物理層で用いられるチャネルは物理チャネル、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層で用いられるチャネルは論理チャネルと呼称する。物理チャネルの種類としては、下りリンクのデータおよび制御情報の送受信に用いられる物理下りリンク共用チャネル(Physical Downlink Shared CHannel: PDSCH)、下りリンクの制御情報の送受信に用いられる物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel: PDCCH)、上りリンクのデータおよび制御情報の送受信に用いられる物理上りリンク共用チャネル(Physical Uplink Shared CHannel: PUSCH)、制御情報の送受信に用いられる物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel: PUCCH)、下りリンクの同期確立のために用いられる同期チャネル(Synchronization CHannel: SCH)、上りリンクの同期確立のために用いられる物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel: PRACH)、下りリンクのシステム情報の送信に用いられる物理報知チャネル(Physical Broadcast CHannel: PBCH)等がある。移動局装置、または基地局装置は、制御情報、データなどから生成した信号を各物理チャネルに配置して、送信する。物理下りリンク共用チャネル、または物理上りリンク共用チャネルで送信されるデータは、トランスポートブロックと呼称する。
【0004】
物理上りリンク制御チャネルに配置される制御情報は、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)と呼称する。上りリンク制御情報は、受信された物理下りリンク共用チャネルに配置されたデータに対する肯定応答(Acknowledgement: ACK)または否定応答(Negative Acknowledgement: NACK)を示す制御情報(受信確認応答; ACK/NACK)、または上りリンクのリソースの割り当ての要求を示す制御情報(Scheduling Request: SR)、または下りリンクの受信品質(チャネル品質とも呼称する)を示す制御情報(Channel Quality Indicator: CQI)である。
【0005】
<協調通信>
LTE−Aでは、セル端領域の移動局装置に対する干渉を軽減または抑圧するために、または受信信号電力を増大させるために、隣接セル間で互いに協調して通信を行なうセル間協調通信(Cooperative Multipoint: CoMP通信)が検討されている。なお、例えば、基地局装置が任意の1つの周波数帯域を用いて通信する形態のことを「セル(Cell)」と呼称する。例えば、セル間協調通信として、複数のセルで異なる重み付け信号処理(プリコーディング処理)が信号に適用され、複数の基地局装置がその信号を協調して同一の移動局装置に送信する方法(Joint Processing、Joint Transmissionとも称す)などが検討されている。この方法では、移動局装置の信号電力対干渉雑音電力比を向上することができ、移動局装置における受信特性を改善することができる。例えば、セル間協調通信として、複数のセルで協調して移動局装置に対してスケジューリングを行う方法(Coordinated Scheduling: CS)が検討されている。この方法では、移動局装置の信号電力対干渉雑音電力比を向上することができる。例えば、セル間協調通信として、複数のセルで協調してビームフォーミングを適用して移動局装置に信号を送信する方法(Coordinated beamforming:CB)が検討されている。この方法では、移動局装置の信号電力対干渉雑音電力比を向上することができる。例えば、セル間協調通信として、一方のセルでのみ所定のリソースを用いて信号を送信し、一方のセルでは所定のリソースで信号を送信しない方法(Blanking, Muting)が検討されている。この方法では、移動局装置の信号電力対干渉雑音電力比を向上することができる。
【0006】
なお、協調通信に用いられる複数のセルに関して、異なるセルは異なる基地局装置により構成されてもよいし、異なるセルは同じ基地局装置に管理される異なるRRH(Remote Radio Head、基地局装置より小型の屋外型の無線部、Remote Radio Unit: RRUとも称す)により構成されてもよいし、異なるセルは基地局装置とその基地局装置に管理されるRRHにより構成されてもよいし、異なるセルは基地局装置とその基地局装置とは異なる基地局装置に管理されるRRHにより構成されてもよい。
【0007】
カバレッジの広い基地局装置は、一般的にマクロ基地局装置と呼称する。カバレッジの狭い基地局装置は、一般的にピコ基地局装置、またはフェムト基地局装置と呼称する。RRHは、一般的に、マクロ基地局装置よりもカバレッジが狭いエリアでの運用が検討されている。マクロ基地局装置と、RRHにより構成され、マクロ基地局装置によりサポートされるカバレッジがRRHによりサポートされるカバレッジの一部または全部を含んで構成される通信システムのような展開は、ヘテロジーニアスネットワーク展開と呼称する。そのようなヘテロジーニアスネットワーク展開の通信システムにおいて、マクロ基地局装置とRRHが、お互いに重複したカバレッジ内に位置する移動局装置に対して、協調して信号を送信する方法が検討されている。ここで、RRHは、マクロ基地局装置により管理され、送受信が制御されている。なお、マクロ基地局装置とRRHは、光ファイバ等の有線回線や、リレー技術を用いた無線回線により接続されている。このように、マクロ基地局装置とRRHがそれぞれ一部または全部が同一の無線リソースを用いて協調通信を実行することで、マクロ基地局装置が構築するカバレッジのエリア内の総合的な周波数利用効率(伝送容量)が向上できる。
【0008】
移動局装置は、マクロ基地局装置またはRRHの付近に位置している場合、マクロ基地局装置またはRRHとシングルセル通信することができる。つまり、ある移動局装置は、協調通信を用いずに、マクロ基地局装置またはRRHと通信を行い、信号の送受信を行なう。例えば、マクロ基地局装置は、自装置に距離的に近い移動局装置からの上りリンクの信号を受信する。例えば、RRHは、自装置に距離的に近い移動局装置からの上りリンクの信号を受信する。さらに、移動局装置は、RRHが構築するカバレッジの端付近(セルエッジ)に位置する場合、マクロ基地局装置からの同一チャネル干渉に対する対策が必要になる。マクロ基地局装置とRRHとのマルチセル通信(協調通信)として、隣接基地局間で互いに協調するCoMP方式を用いることにより、セルエッジ領域の移動局装置に対する干渉を軽減または抑圧する方法が検討されている。
【0009】
また、移動局装置は、下りリンクでは、協調通信を用いて、マクロ基地局装置とRRHの双方から送信された信号を受信し、上りリンクでは、マクロ基地局装置、またはRRHの何れかに対して適した形で信号を送信することが検討されている。例えば、移動局装置は、マクロ基地局装置で信号が受信されるのに適した送信電力で上りリンクの信号を送信する。例えば、移動局装置は、RRHで信号が受信されるのに適した送信電力で上りリンクの信号を送信する。これにより、上りリンクの不必要な干渉を低減し、周波数利用効率を向上できる。
【0010】
移動局装置において、データ信号の受信処理に関して、データ信号に用いられる変調方式、符号化率、空間多重数、送信電力調整値、リソースの割り当てなどを示す制御情報を取得する必要がある。LTE−Aでは、データ信号に関する制御情報の新しい制御チャネルを導入することが検討されている(非特許文献1)。例えば、全体の制御チャネルのキャパシティを改善することが検討されている。例えば、新しい制御チャネルに対して周波数領域での干渉コーディネーションをサポートすることが検討されている。例えば、新しい制御チャネルに対して空間多重をサポートすることが検討されている。例えば、新しい制御チャネルに対してビームフォーミングをサポートすることが検討されている。例えば、新しい制御チャネルに対してダイバーシチをサポートすることが検討されている。例えば、新しい制御チャネルを新しいタイプのキャリアで用いることが検討されている。例えば、新しいタイプのキャリアでは、セル内の全ての移動局装置に対して共通である参照信号の送信を行わないことが検討されている。例えば、新しいタイプのキャリアでは、セル内の全ての移動局装置に対して共通である参照信号の送信頻度を従来よりも減らすことが検討されている。例えば、新しいタイプのキャリアでは、移動局装置に対して固有の参照信号を用いて制御情報等の信号を復調することが検討されている。
【0011】
例えば、ビームフォーミングの適用として、新しい制御チャネルに対して協調通信、複数アンテナ送信を適用することが検討されている。具体的には、LTE−Aに対応した複数の基地局装置、複数のRRHが、新しい制御チャネルの信号に対してプリコーディング処理を適用し、その新しい制御チャネルの信号を復調するための参照信号(Reference Signal: RS)に対しても同じプリコーディング処理を適用することが検討されている。具体的には、LTE−Aに対応した複数の基地局装置、複数のRRHが、同じプリコーディング処理が適用される新しい制御チャネルの信号とRSを、LTEにおいてはPDSCHが配置されるリソースの領域に配置し、送信することが検討されている。LTE−Aに対応した移動局装置は、受信したRSであって、プリコーディング処理が行われたRSを用いて、同じプリコーディング処理が行われた新しい制御チャネルの信号を復調し、制御情報を取得することが検討されている。この方法では、基地局装置と移動局装置間で新しい制御チャネルの信号に適用したプリコーディング処理に関する情報をやり取りする必要がなくなる。
【0012】
例えば、ダイバーシチの適用として、周波数領域で離れたリソースを用いて新しい制御チャネルの信号を構成して、周波数ダイバーシチの効果を得る方法が検討されている。一方、ビームフォーミングが新しい制御チャネルに適用される場合は、周波数領域で離れていないリソースを用いて新しい制御チャネルの信号を構成する方法が検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】3GPP TSG RAN1 #66bis、Zhuhai、China、10-14、October、2011、R1-113589“Way Forward on downlink control channel enhancements by UE-specific RS”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
基地局装置が、ビームフォーミングを新しい制御チャネルに適用する際、適したプリコーディングの判断に十分な情報を含むチャネル状態情報が移動局装置より通知されなければ、移動局装置に適したプリコーディング処理を実現することは困難である。例えば、通信システムには、複数の移動局装置が存在し、リソースの枯渇を原因として、基地局装置はある移動局装置に対して上りリンクのリソースを十分に設定することができず、その結果、十分なチャネル状態情報がその移動局装置から基地局装置に通知されない場合がある。例えば、干渉などの要因により、チャネル状態情報を含む上りリンクの信号の信頼性が低く、基地局装置が受信したチャネル状態情報を使用することができない場合がある。例えば、スケジューリング要求などの情報の送信がチャネル状態情報の送信より優先され、移動局装置がチャネル状態情報を送信せず、基地局装置がチャネル状態情報を受け取ることができない場合がある。例えば、ある周波数領域毎に順にチャネル状態情報が移動局装置から基地局装置に通知される場合、他の移動局装置を考慮したスケジューリングの結果、チャネル状態情報が移動局装置から長い期間送信されていない周波数領域のリソースを用いて新しい制御チャネルの信号を送信しなければいけない場合がある。
【0015】
その一方、できる限り、新しい制御チャネルに対してビームフォーミングを適用し、受信特性を改善して、1つの新しい制御チャネルに用いるリソースの量を抑え、システム全体の制御チャネルのキャパシティを増大することが望ましい。
【0016】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の移動局装置と基地局装置から構成される通信システムにおいて、制御情報を含む信号が配置される可能性のある領域を効率的に設定し、基地局装置が移動局装置に対して効率的に制御情報を含む信号を送信することができ、移動局装置は基地局装置から効率的に制御情報を含む信号を受信することができ、移動局装置は基地局装置から受信した信号を復調することができる通信システム、移動局装置、基地局装置、通信方法および集積回路に関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の通信システムは、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置および前記複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置から構成される通信システムであって、前記基地局装置は、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定する第二の無線リソース制御部と、第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成する下りリンクパイロットチャネル処理部と、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重する多重部と、を有し、前記移動局装置は、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を前記参照信号と前記第一の初期化を実行して生成された系列とを用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を前記参照信号と前記第二の初期化を実行して生成された系列とを用いて復調する第一の受信処理部と、を有することを特徴とする。
【0018】
(2)また、本発明の通信システムにおいて、前記第一の初期化の入力変数には移動局識別子と、セル識別子と、スロット番号が用いられ、前記第二の初期化の入力変数にはセル識別子と、スロット番号が用いられることを特徴とする。
【0019】
(3)また、本発明の通信システムにおいて、前記参照信号に用いられる系列は擬似ランダム系列であることを特徴とする。
【0020】
(4)また、本発明の通信システムにおいて、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域の制御チャネルにはプリコーディング処理が適用され、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域の制御チャネルにはプリコーディング処理が適用されないことを特徴とする。
【0021】
(5)また、本発明の移動局装置は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、基地局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う移動局装置であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、が前記基地局装置より設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調する第一の受信処理部と、を有することを特徴とする。
【0022】
(6)また、本発明の基地局装置は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定する第二の無線リソース制御部と、第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成する下りリンクパイロットチャネル処理部と、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重する多重部と、を有することを特徴とする。
【0023】
(7)また、本発明の通信方法は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、基地局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う移動局装置に用いられる通信方法であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、が前記基地局装置より設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0024】
(8)また、本発明の通信方法は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置に用いられる通信方法であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定するステップと、第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成するステップと、前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0025】
(9)また、本発明の集積回路は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、基地局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う移動局装置に実装される集積回路であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、が前記基地局装置より設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調する第一の受信処理部と、を有することを特徴とする。
【0026】
(10)また、本発明の集積回路は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置に実装される集積回路であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定する第二の無線リソース制御部と、第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成する下りリンクパイロットチャネル処理部と、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重する多重部と、を有することを特徴とする。
【0027】
本明細書では、移動局装置に対して制御チャネルが配置される可能性のある領域が基地局装置より設定される通信システム、移動局装置、基地局装置、通信方法および集積回路の改良という点において本発明を開示するが、本発明が適用可能な通信方式は、LTEまたはLTE−AのようにLTEと上位互換性のある通信方式に限定されるものではない。例えば、本発明はUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)にも適用することができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、基地局装置が移動局装置に対して効率的に制御情報を含む信号を送信することができ、移動局装置は基地局装置から効率的に制御情報を含む信号を受信することができ、移動局装置は基地局装置から受信した信号を復調することができ、更に効率的な通信システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局装置3の送信処理部107の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基地局装置3の受信処理部101の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る移動局装置5の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る移動局装置5の受信処理部401の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る移動局装置5の送信処理部407の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE−specific RSを用いて第二のPDCCHの復調を行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る基地局装置3のUE−specific RSを生成して送信する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る通信システムの全体像についての概略を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る基地局装置3、またはRRH4から移動局装置5への下りリンクの時間フレームの概略構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る通信システム1の下りリンクサブフレーム内の下りリンク参照信号の配置の一例を示す図である。
【図12】8アンテナポート用のCSI−RS(伝送路状況測定用参照信号)がマッピングされたDL PRB pairを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る移動局装置5から基地局装置3、RRH4への上りリンクの時間フレームの概略構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る通信システム1の第一のPDCCHとCCEの論理的な関係を説明する図である。
【図15】本発明の実施形態に係る通信システム1の下りリンク無線フレームにおけるリソースエレメントグループの配置例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る通信システム1において第二のPDCCHが配置される可能性のある領域の概略構成の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る通信システム1の第二のPDCCHとVRBの論理的な関係を説明する図である。
【図18】第二のPDCCH領域の第一の物理リソースマッピングを説明する図である。
【図19】第二のPDCCH領域の第二の物理リソースマッピングを説明する図である。
【図20】1つの第二のPDCCHが1つ以上のVRB pairから構成される場合の、第二のPDCCH領域の第一の物理リソースマッピングを説明する図である。
【図21】1つの第二のPDCCHが1つ以上のVRB pairから構成される場合の、第二のPDCCH領域の第二の物理リソースマッピングを説明する図である。
【図22】本発明の実施形態に係る移動局装置5の第二のPDCCHのモニタリングの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書で述べられる技術は、符号分割多重アクセス(CDMA)システム、時分割多重アクセス(TDMA)システム、周波数分割多重アクセス(FDMA)システム、直交FDMA(OFDMA)システム、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)システム、及びその他のシステム等の、種々の無線通信システムにおいて使用され得る。用語「システム」及び「ネットワーク」は、しばしば同義的に使用され得る。CDMAシステムは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)やcdma2000(登録商標)等のような無線技術(規格)を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA)及びCDMAのその他の改良型を含む。cdma2000は、IS−2000、IS−95、及びIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))のような無線技術を実装し得る。OFDMAシステムは、Evolved UTRA(E−UTRA)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash‐OFDM(登録商標)などのような無線技術を実装し得る。UTRA及びE−UTRAは、汎用移動通信システム(UMTS)の一部である。3GPP LTE(Long Term Evolution)は、ダウンリンク上でOFDMAを、アップリンク上でSC−FDMAを採用するE−UTRAを使用するUMTSである。LTE−Aは、LTEを改良したシステム、無線技術、規格である。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE−A及びGSMは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)と名付けられた機関からのドキュメントで説明されている。cdma2000及びUMBは、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)と名付けられた機関からのドキュメントで説明されている。明確さのために、本技術のある側面は、LTE、LTE−Aにおけるデータ通信について以下では述べられ、LTE用語、LTE−A用語は、以下の記述の多くで用いられる。
【0031】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図9〜図21を用いて、本実施形態に係る通信システムの全体像、および無線フレームの構成などについて説明する。図1〜図6を用いて、本実施形態に係る通信システムの構成について説明する。図7〜図8、図22を用いて、本実施形態に係る通信システムの動作処理について説明する。
【0032】
図9は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体像についての概略を説明する図である。この図が示す通信システム1は、基地局装置(eNodeB、NodeB、BS: Base Station、AP: Access Point; アクセスポイント、マクロ基地局とも呼称する。)3と、複数のRRH(Remote Radio Head、基地局装置より小型の屋外型の無線部を有する装置、Remote Radio Unit: RRUとも称す)(リモートアンテナ、分散アンテナとも呼称する。)4A、4B、4Cと、複数の移動局装置(UE: User Equipment、MS: Mobile Station、MT: Mobile Terminal、端末、端末装置、移動端末とも呼称する)5A、5B、5Cとが通信を行なう。以下、本実施形態において、RRH4A、4B、4CをRRH4と呼び、移動局装置5A、5B、5Cを移動局装置5と呼び、適宜説明を行なう。通信システム1では、基地局装置3とRRH4が協調して、移動局装置5と通信を行う。図9では、基地局装置3とRRH4Aとが移動局装置5Aと協調通信を行い、基地局装置3とRRH4Bとが移動局装置5Bと協調通信を行い、基地局装置3とRRH4Cとが移動局装置5Cと協調通信を行う。
【0033】
なお、RRHは、基地局装置の特殊な形態とも言える。例えば、RRHは信号処理部のみを有し、他の基地局装置によってRRHで用いられるパラメータの設定、スケジューリングの決定などが行われる基地局装置と言うことができる。よって、以降の説明では、基地局装置3という表現は、適宜RRH4を含むことに注意すべきである。
【0034】
<協調通信>
本発明の実施形態に係る通信システム1では、複数のセルを用いて協調して信号の送受信が行なわれる協調通信(Cooperative Multipoint: CoMP通信)が用いられうる。なお、例えば、基地局装置が任意の1つの周波数帯域を用いて通信する形態のことを「セル(Cell)」と呼称する。例えば、協調通信として、複数のセル(基地局装置3とRRH4)で異なる重み付け信号処理(プリコーディング処理)が信号に適用され、基地局装置3とRRH4がその信号を協調して同一の移動局装置5に送信する。例えば、協調通信として、複数のセル(基地局装置3とRRH4)で協調して移動局装置5に対してスケジューリングを行う(Coordinated Scheduling: CS)。例えば、協調通信として、複数のセル(基地局装置3とRRH4)で協調してビームフォーミングを適用して移動局装置5に信号を送信する(Coordinated Beamforming: CB)。例えば、協調通信として、一方のセル(基地局装置3、またはRRH4)でのみ所定のリソースを用いて信号を送信し、一方のセル(基地局装置3、またはRRH4)では所定のリソースで信号を送信しない(Blanking, Muting)。
【0035】
なお、本発明の実施形態では説明を省略するが、協調通信に用いられる複数のセルに関して、異なるセルは異なる基地局装置3により構成されてもよいし、異なるセルは同じ基地局装置3に管理される異なるRRH4により構成されてもよいし、異なるセルは基地局装置3とその基地局装置とは異なる基地局装置3に管理されるRRH4により構成されてもよい。
【0036】
なお、複数のセルは物理的には異なるセルとして用いられるが、論理的には同一のセルとして用いられてもよい。具体的には、共通のセル識別子(物理セルID:Physical cell ID)が各セルに用いられる構成でもよい。複数の送信装置(基地局装置3とRRH4)が同一の周波数帯域を用いて同一の受信装置に対して共通の信号を送信する構成を単一周波数ネットワーク(SFN; Single Frequency Network)と呼称する。
【0037】
本発明の実施形態の通信システム1の展開は、ヘテロジーニアスネットワーク展開を想定する。通信システム1は、基地局装置3と、RRH4により構成され、基地局装置3によりサポートされるカバレッジがRRH4によりサポートされるカバレッジの一部または全部を含んで構成される。ここで、カバレッジとは、要求を満たしつつ通信を実現することができるエリアのことを意味する。通信システム1では、基地局装置3とRRH4が、お互いに重複したカバレッジ内に位置する移動局装置5に対して、協調して信号を送信する。ここで、RRH4は、基地局装置3により管理され、送受信が制御されている。なお、基地局装置3とRRH4は、光ファイバ等の有線回線や、リレー技術を用いた無線回線により接続されている。
【0038】
移動局装置5は、基地局装置3またはRRH4の付近に位置している場合、基地局装置3またはRRH4とシングルセル通信を用いてもよい。つまり、ある移動局装置5は、協調通信を用いずに、基地局装置3またはRRH4と通信を行い、信号の送受信を行なってもよい。例えば、基地局装置3は、自装置に距離的に近い移動局装置5からの上りリンクの信号を受信してもよい。例えば、RRH4は、自装置に距離的に近い移動局装置5からの上りリンクの信号を受信してもよい。また、例えば、基地局装置3とRRH4の両方が、RRH4が構築するカバレッジの端付近(セルエッジ)に位置する移動局装置5からの上りリンクの信号を受信してもよい。
【0039】
また、移動局装置5は、下りリンクでは、協調通信を用いて、基地局装置3とRRH4の双方から送信された信号を受信し、上りリンクでは、基地局装置3、またはRRH4の何れかに対して適した形で信号を送信してもよい。例えば、移動局装置5は、基地局装置3で信号が受信されるのに適した送信電力で上りリンクの信号を送信する。例えば、移動局装置5は、RRH4で信号が受信されるのに適した送信電力で上りリンクの信号を送信する。
【0040】
通信システム1では、基地局装置3、またはRRH4から移動局装置5への通信方向である下りリンク(DL: Downlinkとも呼称する。)が、下りリンクパイロットチャネル、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control CHannelとも呼称する。)、および物理下りリンク共用チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared CHannelとも呼称する。)を含んで構成される。PDSCHは、協調通信が適用されたり、適用されなかったりする。PDCCHは、第一のPDCCHと、第二のPDCCH(E−PDCCH:Enhanced‐PDCCH)とにより構成される。下りリンクパイロットチャネルは、PDSCH、第一のPDCCHの復調に用いられる第一のタイプの参照信号(後述するCRS)と、PDSCH、第二のPDCCHの復調に用いられる第二のタイプの参照信号(後述するUE−specific RS)と、第三のタイプの参照信号(後述するCSI‐RS)とにより構成される。
【0041】
なお、1つの観点から見ると、第一のPDCCHは、第一のタイプの参照信号と同じ送信ポート(アンテナポート、送信アンテナ)が用いられる物理チャネルである。また、第二のPDCCHは、第二のタイプの参照信号と同じ送信ポートが用いられる物理チャネルである。移動局装置5は、第一のPDCCHにマッピングされる信号に対して、第一のタイプの参照信号を用いて復調し、第二のPDCCHにマッピングされる信号に対して、第二のタイプの参照信号を用いて復調する。第一のタイプの参照信号は、セル内の全移動局装置5に共通の参照信号であって、ほぼすべてのリソースブロックに挿入されており、いずれの移動局装置5も使用可能な参照信号である。このため、第一のPDCCHは、いずれの移動局装置5も復調可能である。一方、第二のタイプの参照信号は、割り当てられたリソースブロックのみに基本的に挿入されうる参照信号である。第二のタイプの参照信号には、データと同じように適応的にプリコーディング処理が適用されうる。
【0042】
なお、1つの観点から見ると、第一のPDCCHは、PDSCHが配置されないOFDMシンボルに配置される制御チャネルである。また、第二のPDCCHは、PDSCHが配置されるOFDMシンボルに配置される制御チャネルである。なお、1つの観点から見ると、第一のPDCCHは、基本的に下りリンクシステム帯域の全てのPRBに亘って信号が配置される制御チャネルであり、第二のPDCCHは、下りリンクシステム帯域内の基地局装置3より構成されたPRBに亘って信号が配置される制御チャネルである。なお、詳細は後述するが、1つの観点から見ると、第一のPDCCHと第二のPDCCHは異なる信号構成が用いられる。第一のPDCCHは後述するCCE構造が信号構成に用いられ、第二のPDCCHは後述するVRB(第一の要素)構造が信号構成に用いられる。言い換えると、第一のPDCCHと第二のPDCCHとで、1つの制御チャネルの構成に用いられるリソースの最小単位(要素)が異なり、各制御チャネルはそれぞれの最小単位を1つ以上含んで構成される。また、第二のPDCCHでは、1つの第二のPDCCHの構成に用いられるリソースの最小単位であるVRBを用いた信号構成は共通だが、1つのVRBを構成するリソースのマッピングが複数用いられうる。
【0043】
また、通信システム1では、移動局装置5から基地局装置3、またはRRH4への通信方向である上りリンク(UL: Uplinkとも呼称する)が、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH: PhysicalUplink Shared CHannelとも呼称する。)、上りリンクパイロットチャネル(上りリンク参照信号; UL RS: Uplink Reference Signal、SRS: Sounding Reference Signal、DM RS: Demodulation Reference Signal)、および物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control CHannelとも呼称する。)を含んで構成される。チャネルとは、信号の送信に用いられる媒体を意味する。物理層で用いられるチャネルは物理チャネル、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層で用いられるチャネルは論理チャネルと呼称する。
【0044】
また、本発明は、例えば下りリンクに協調通信が適用される場合、例えば下りリンクに複数アンテナ送信が適用される場合の通信システムに適用可能であり、説明の簡略化のため、上りリンクにおいては協調通信が適用されない場合、上りリンクにおいては複数アンテナ送信が適用されない場合について説明するが、そのような場合に本発明は限定されない。
【0045】
PDSCHは、下りリンクのデータおよび制御情報(PDCCHで送信される制御情報とは異なる)の送受信に用いられる物理チャネルである。PDCCHは、下りリンクの制御情報(PDSCHで送信される制御情報とは異なる)の送受信に用いられる物理チャネルである。PUSCHは、上りリンクのデータおよび制御情報(下りリンクで送信される制御情報とは異なる)の送受信に用いられる物理チャネルである。PUCCHは、上りリンクの制御情報(上りリンク制御情報; Uplink Control Information: UCI)の送受信に用いられる物理チャネルである。UCIの種類としては、PDSCHの下りリンクのデータに対する肯定応答(Acknowledgement: ACK)、または否定応答(Negative Acknowledgement: NACK)を示す受信確認応答(ACK/NACK)と、リソースの割り当てを要求するか否かを示すスケジューリング要求(Scheduling request: SR)等が用いられる。その他の物理チャネルの種類としては、下りリンクの同期確立のために用いられる同期チャネル(Synchronization CHannel: SCH)、上りリンクの同期確立のために用いられる物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel: PRACH)、下りリンクのシステム情報(SIB: System Information Blockとも呼称する。)の送信に用いられる物理報知チャネル(Physical Broadcast CHannel: PBCH)等が用いられる。また、PDSCHは下りリンクのシステム情報の送信にも用いられる。
【0046】
移動局装置5、基地局装置3、またはRRH4は、制御情報、データなどから生成した信号を各物理チャネルに配置して、送信する。PDSCH、またはPUSCHで送信されるデータは、トランスポートブロックと呼称する。また、基地局装置3、またはRRH4が管轄するエリアのことをセルと呼ぶ。
【0047】
<下りリンクの時間フレームの構成>
図10は、本発明の実施形態に係る基地局装置3、またはRRH4から移動局装置5への下りリンクの時間フレームの概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。下りリンクの時間フレームは、リソースの割り当てなどの単位であり、下りリンクの予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなるリソースブロック(RB)(物理リソースブロック; PRB: Physical Resource Blockとも呼称する。)のペア(物理リソースブロックペア; PRB pairと呼称する。)から構成される。1個の下りリンクのPRB pair(下りリンク物理リソースブロックペア; DL PRB pairと呼称する。)は下りリンクの時間領域で連続する2個のPRB(下りリンク物理リソースブロック; DL PRBと呼称する。)から構成される。
【0048】
また、この図において、1個のDL PRBは、下りリンクの周波数領域において12個のサブキャリア(下りリンクサブキャリアと呼称する。)から構成され、時間領域において7個のOFDM(直交周波数分割多重; Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルから構成される。下りリンクのシステム帯域(下りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3、またはRRH4の下りリンクの通信帯域である。例えば、下りリンクのシステム帯域幅(下りリンクシステム帯域幅と呼称する。)は、20MHzの周波数帯域幅から構成される。
【0049】
なお、下りリンクシステム帯域では下りリンクシステム帯域幅に応じて複数のDL PRBが配置される。例えば、20MHzの周波数帯域幅の下りリンクシステム帯域は、110個のDL PRBから構成される。
【0050】
また、この図が示す時間領域においては、7個のOFDMシンボルから構成されるスロット(下りリンクスロットと呼称する。)、2個の下りリンクスロットから構成されるサブフレーム(下りリンクサブフレームと呼称する。)がある。なお、1個の下りリンクサブキャリアと1個のOFDMシンボルから構成されるユニットをリソースエレメント(Resource Element: RE)(下りリンクリソースエレメント)と呼称する。各下りリンクサブフレームには少なくとも、情報データ(トランスポートブロック; Transport Blockとも呼称する。)の送信に用いられるPDSCH、PDSCHに対する制御情報の送信に用いられる第一のPDCCH、第二のPDCCHが配置される。この図においては、第一のPDCCHは下りリンクサブフレームの1番目から3番目までのOFDMシンボルから構成され、PDSCH、第二のPDCCHは下りリンクサブフレームの4番目から14番目までのOFDMシンボルから構成される。なお、PDSCHと第二のPDCCHは異なるDL PRBに配置される。なお、第一のPDCCHを構成するOFDMシンボルの数と、PDSCH、第二のPDCCHを構成するOFDMシンボルの数は、下りリンクサブフレーム毎に変更されてもよい。なお、第二のPDCCHを構成するOFDMシンボルの数は、固定としてもよい。例えば、第一のPDCCHを構成するOFDMシンボルの数や、PDSCHを構成するOFDMシンボルの数に関わらず、第二のPDCCHが下りリンクサブフレームの4番目から14番目までのOFDMシンボルから構成されてもよい。
【0051】
この図において図示は省略するが、下りリンクの参照信号(Reference signal: RS)(下りリンク参照信号と呼称する。)の送信に用いられる下りリンクパイロットチャネルが複数の下りリンクリソースエレメントに分散して配置される。ここで、下りリンク参照信号は、少なくとも異なるタイプの第一のタイプの参照信号と第二のタイプの参照信号と第三のタイプの参照信号から構成される。例えば、下りリンク参照信号は、PDSCHおよびPDCCH(第一のPDCCH、第二のPDCCH)の伝搬路変動の推定に用いられる。第一のタイプの参照信号は、PDSCH、第一のPDCCHの復調に用いられ、Cell specific RS:CRSとも呼称する。第二のタイプの参照信号は、PDSCH、第二のPDCCHの復調に用いられ、UE‐specific RSとも呼称する。例えば、第三のタイプの参照信号は、伝搬路変動の推定のみに用いられ、Channel State Information RS:CSI−RSとも呼称する。下りリンク参照信号は、通信システム1において既知の信号である。なお、下りリンク参照信号を構成する下りリンクリソースエレメントの数は、基地局装置3、RRH4において移動局装置5への通信に用いられる送信アンテナ(アンテナポート)の数に依存してもよい。以降の説明では、第一のタイプの参照信号としてCRS、第二のタイプの参照信号としてCSI−RS、第三のタイプの参照信号としてUE‐specific RSが用いられる場合について説明する。なお、UE‐specific RSは、協調通信が適用されるPDSCH、協調通信が適用されないPDSCHの復調にも用いられうる。なお、UE‐specific RSは、協調通信(プリコーディング処理)が適用される第二のPDCCH、協調通信が適用されない第二のPDCCHの復調にも用いられうる。
【0052】
PDCCH(第一のPDCCH、または第二のPDCCH)は、PDSCHに対するDL PRBの割り当てを示す情報、PUSCHに対するUL PRBの割り当てを示す情報、移動局識別子(Radio Network Temporary Identifier: RNTIと呼称する。)、変調方式、符号化率、再送パラメータ、空間多重数、プリコーディング行列、送信電力制御コマンド(TPC command)を示す情報などの制御情報から生成された信号が配置される。PDCCHに含まれる制御情報を下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)と呼称する。PDSCHに対するDL PRBの割り当てを示す情報を含むDCIは下りリンクアサインメント(Downlink assignment: DL assignment、またDownlink grantとも呼称する。)と呼称し、PUSCHに対するUL PRBの割り当てを示す情報を含むDCIは上りリンクグラント(Uplink grant: UL grantと呼称する。)と呼称する。なお、下りリンクアサインメントは、PUCCHに対する送信電力制御コマンドを含む。なお、上りリンクアサインメントは、PUSCHに対する送信電力制御コマンドを含む。なお、1個のPDCCHは、1個のPDSCHのリソースの割り当てを示す情報、または1個のPUSCHのリソースの割り当てを示す情報しか含まず、複数のPDSCHのリソースの割り当てを示す情報、または複数のPUSCHのリソースの割り当てを示す情報を含まない。
【0053】
更に、PDCCHで送信される情報として、巡回冗長検査CRC(Cyclic Redundancy Check)符号がある。PDCCHで送信される、DCI、RNTI、CRCの関係について詳細に説明する。予め決められた生成多項式を用いてDCIからCRC符号が生成される。生成されたCRC符号に対してRNTIを用いて排他的論理和(スクランブリングとも呼称する)の処理が行われる。DCIを示すビットと、CRC符号に対してRNTIを用いて排他的論理和の処理が行われて生成されたビット(CRC masked by UE IDと呼称する)を変調した信号が、PDCCHで実際に送信される。
【0054】
PDSCHのリソースは、時間領域において、そのPDSCHのリソースの割り当てに用いられた下りリンクアサインメントを含むPDCCHのリソースが配置された下りリンクサブフレームと同一の下りリンクサブフレームに配置される。
【0055】
下りリンク参照信号の配置について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る通信システム1の下りリンクサブフレーム内の下りリンク参照信号の配置の一例を示す図である。説明の簡略化のため、図11では、1個のPRB pair内の下りリンク参照信号の配置について説明するが、基本的に下りリンクシステム帯域内の全てのPRB pairにおいて共通した配置方法が用いられる。
【0056】
網掛けした下りリンクリソースエレメントのうち、R0〜R1は、それぞれアンテナポート0〜1のCRSを示す。ここで、アンテナポートとは、信号処理で用いる論理的なアンテナを意味し、1個のアンテナポートは複数の物理的なアンテナから構成されてもよい。同一のアンテナポートを構成する複数の物理的なアンテナは、同一の信号を送信する。同一のアンテナポート内で、複数の物理的なアンテナを用いて、遅延ダイバーシチ、またはCDD(Cyclic Delay Diversity)を適用することはできるが、その他の信号処理を用いることはできない。ここで、図11においては、CRSが2つのアンテナポートに対応する場合について示すが、本実施形態の通信システムは異なる数のアンテナポートに対応してもよく、例えば、1つのアンテナポートや4つのアンテナポートに対するCRSが下りリンクのリソースにマッピングされてもよい。CRSは、下りリンクシステム帯域内の全てのDL PRB内に配置される。
【0057】
網掛けした下りリンクリソースエレメントのうち、D1はUE‐specific RSを示す。複数のアンテナポートを用いてUE‐specific RSが送信される場合、各アンテナポートで異なる符号が用いられる。つまり、UE‐specific RSにCDM(Code Division Multiplexing)が適用される。ここで、UE‐specific RSは、そのPRB pairにマッピングされる制御信号やデータ信号に用いられる信号処理のタイプ(アンテナポートの数)に応じて、CDMに用いられる符号の長さやマッピングされる下りリンクリソースエレメントの数が変えられてもよい。例えば、基地局装置3、RRH4において、UE‐specific RSの送信に用いられるアンテナポートの数が2本の場合、符号の長さが2である符号を用いて、同じ周波数領域(サブキャリア)で連続する時間領域(OFDMシンボル)の2個の下りリンクリソースエレメントを一単位(CDMの単位)としてUE‐specific RSが多重されて、配置される。言い換えると、この場合、UE‐specific RSの多重にCDMが適用される。例えば、基地局装置3、RRH4においてUE‐specific RSの送信に用いられるアンテナポートの数が4本の場合、UE‐specific RSがマッピングされる下りリンクリソースエレメントの数が2倍に変えられ、2本のアンテナポート毎に異なる下りリンクリソースエレメントにUE‐specific RSが多重されて、配置される。言い換えると、この場合、UE‐specific RSの多重にCDMとFDM(Frequency Division Multiplexing)が適用される。例えば、基地局装置3、RRH4においてUE‐specific RSの送信に用いられるアンテナポートの数が8本の場合、UE‐specific RSがマッピングされる下りリンクリソースエレメントの数が2倍に変えられ、符号の長さが4である符号を用いて、4個の下りリンクリソースエレメントを一単位としてUE‐specific RSが多重されて、配置される。言い換えると、この場合、UE‐specific RSの多重に異なる符号長のCDMが適用される。UE‐specific RSは、UE‐specific RSを用いることが設定された移動局装置5に割り当てられたPDSCH、第二のPDCCHのDL PRB内に配置(多重)される。
【0058】
また、基地局装置3およびRRH4はそれぞれ、異なる下りリンクリソースエレメントにCRSの信号を割り当てる場合もあるし、同じ下りリンクリソースエレメントにCRSの信号を割り当てる場合もある。基地局装置3およびRRH4から通知されるセルIDが異なる場合には、異なる下りリンクリソースエレメントにCRSの信号が割り当てられる場合がある。別の例では、基地局装置3のみが一部の下りリンクリソースエレメントにCRSの信号を割り当て、RRH4は何れの下りリンクリソースエレメントにもCRSの信号を割り当てない場合がある。基地局装置3からのみセルIDが通知される場合には、前述のようにCRSの信号が割り当てられる場合がある。別の例では、基地局装置3およびRRH4が同じ下りリンクリソースエレメントにCRSの信号を割り当て、同じ系列を基地局装置3およびRRH4から送信する場合がある。基地局装置3およびRRH4から通知されるセルIDが同じ場合には、前述のようにCRSの信号が割り当てられる場合がある。
【0059】
図12は、8アンテナポート用のCSI−RS(伝送路状況測定用参照信号)がマッピングされたDL PRB pairを示す図である。図12は、基地局装置3およびRRH4において用いられるアンテナポート数(CSIポート数)が8の場合のCSI−RSがマッピングされる場合を示している。なお、図12において、CRS、UE‐specific RS、PDCCH、PDSCH等の記載は、説明の簡略化のため、省略している。
【0060】
CSI−RSは、それぞれのCDMグループにおいて、2チップの直交符号(Walsh符号)が用いられ、それぞれの直交符号にCSIポート(CSI−RSのポート(アンテナポート、リソースグリッド))が割り当てられ、2CSIポート毎に符号分割多重される。さらに、それぞれのCDMグループが周波数分割多重される。4つのCDMグループを用いて、CSIポート1〜8(アンテナポート15〜22)の8アンテナポートのCSI−RSがマッピングされる。例えば、CSI−RSのCDMグループC1では、CSIポート1および2(アンテナポート15および16)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。CSI−RSのCDMグループC2では、CSIポート3および4(アンテナポート17および18)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。CSI−RSのCDMグループC3では、CSIポート5および6(アンテナポート19および20)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。CSI−RSのCDMグループC4では、CSIポート7および8(アンテナポート21および22)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。
【0061】
基地局装置3およびRRH4のCSI−RSのアンテナポート数が8の場合、基地局装置3およびRRH4はPDSCHに適用するレイヤー数(ランク数、空間多重数)を最大8とすることができる。また、基地局装置3およびRRH4は、CSI−RSのアンテナポート数が1、2または4の場合のCSI−RSを送信することができる。基地局装置3およびRRH4は、1アンテナポート用または2アンテナポート用のCSI−RSを、図12で示すCSI−RSのCDMグループC1を用いて、送信することができる。基地局装置3およびRRH4は、4アンテナポート用のCSI−RSを、図12で示すCSI−RSのCDMグループC1、C2を用いて、送信することができる。
【0062】
また、基地局装置3およびRRH4はそれぞれ、異なる下りリンクリソースエレメントにCSI−RSの信号を割り当てる場合もあるし、同じ下りリンクリソースエレメントにCSI−RSの信号を割り当てる場合もある。例えば、基地局装置3およびRRH4はそれぞれ、異なる下りリンクリソースエレメントおよび、または異なる信号系列をCSI−RSに割り当てる場合がある。移動局装置5においては、基地局装置3から送信されるCSI−RS、RRH4から送信されるCSI−RSは、それぞれ異なるアンテナポートに対応するCSI−RSと認識される。例えば、基地局装置およびRRH4が同じ下りリンクリソースエレメントをCSI−RSに割り当て、同じ系列を基地局装置3およびRRH4から送信する場合がある。
【0063】
CSI−RSの構成(CSI−RS−Config−r10)は、基地局装置3、RRH4から移動局装置5に通知される。CSI−RSの構成としては、CSI−RSに設定されるアンテナポートの数を示す情報(antennaPortsCount−r10)、CSI−RSが配置される下りリンクサブフレームを示す情報(subframeConfig−r10)、CSI−RSが配置される周波数領域を示す情報(ResourceConfig−r10)が少なくとも含まれる。CSI−RSのアンテナポートの数は、例えば、1,2,4,8の値の何れかが用いられる。CSI−RSが配置される周波数領域を示す情報として、アンテナポート15(CSIポート1)に対応するCSI−RSが配置されるリソースエレメントの中で、先頭のリソースエレメントの位置を示すインデックスが用いられる。アンテナポート15に対応するCSI−RSの位置が決まれば、他のアンテナポートに対応するCSI−RSは予め決められたルールに基づき一意に決まる。CSI−RSが配置される下りリンクサブフレームを示す情報として、CSI−RSが配置される下りリンクサブフレームの位置と周期がインデックスにより示される。例えば、subframeConfig−r10のインデックスが5であれば、10サブフレーム毎にCSI−RSが配置されることを示し、10サブフレームを単位とする無線フレーム中ではサブフレーム0(無線フレーム内のサブフレームの番号)にCSI−RSが配置されることを示す。また、別の例では、例えばsubframeConfig−r10のインデックスが1であれば、5サブフレーム毎にCSI−RSが配置されることを示し、10サブフレームを単位とする無線フレーム中ではサブフレーム1と6にCSI−RSが配置されることを示す。
【0064】
<上りリンクの時間フレームの構成>
図13は、本発明の実施形態に係る移動局装置5から基地局装置3、RRH4への上りリンクの時間フレームの概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。上りリンクの時間フレームは、リソースの割り当てなどの単位であり、上りリンクの予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックのペア(上りリンク物理リソースブロックペア; UL PRB pairと呼称する。)から構成される。1個のUL PRB pairは、上りリンクの時間領域で連続する2個の上りリンクのPRB(上りリンク物理リソースブロック; UL PRBと呼称する。)から構成される。
【0065】
また、この図において、1個のUL PRBは、上りリンクの周波数領域において12個のサブキャリア(上りリンクサブキャリアと呼称する。)から構成され、時間領域において7個のSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルから構成される。上りリンクのシステム帯域(上りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3、RRH4の上りリンクの通信帯域である。上りリンクのシステム帯域幅(上りリンクシステム帯域幅と呼称する。)は、例えば、20MHzの周波数帯域幅から構成される。
【0066】
なお、上りリンクシステム帯域では上りリンクシステム帯域幅に応じて複数のUL PRBが配置される。例えば、20MHzの周波数帯域幅の上りリンクシステム帯域は、110個のUL PRBから構成される。また、この図が示す時間領域においては、7個のSC−FDMAシンボルから構成されるスロット(上りリンクスロットと呼称する。)、2個の上りリンクスロットから構成されるサブフレーム(上りリンクサブフレームと呼称する。)がある。なお、1個の上りリンクサブキャリアと1個のSC−FDMAシンボルから構成されるユニットをリソースエレメント(上りリンクリソースエレメントと呼称する。)と呼称する。
【0067】
各上りリンクサブフレームには、少なくとも情報データの送信に用いられるPUSCH、上りリンク制御情報(UCI: Uplink Control Information)の送信に用いられるPUCCH、PUSCHとPUCCHの復調(伝搬路変動の推定)のためのUL RS(DM RS)が配置される。また、図示は省略するが、何れかの上りリンクサブフレームには、上りリンクの同期確立のために用いられるPRACHが配置される。また、図示は省略するが、何れかの上りリンクサブフレームには、チャネル品質、同期ずれの測定等に用いられるUL RS(SRS)が配置される。PUCCHは、PDSCHを用いて受信されたデータに対する肯定応答(ACK: Acknowledgement)または否定応答(NACK: Negative Acknowledgement)を示すUCI(ACK/NACK)、上りリンクのリソースの割り当てを要求するか否かを少なくとも示すUCI(SR: Scheduling Request; スケジューリング要求)、下りリンクの受信品質(チャネル品質とも呼称する。)を示すUCI(CQI: Channel Quality Indicator; チャネル品質指標)を送信するために用いられる。
【0068】
なお、移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求することを基地局装置3に示す場合に、移動局装置5はSRの送信用のPUCCHで信号を送信する。基地局装置3は、SRの送信用のPUCCHのリソースで信号を検出したという結果から移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求していることを認識する。移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求しないことを基地局装置3に示す場合に、移動局装置5は予め割り当てられたSRの送信用のPUCCHのリソースで何も信号を送信しない。基地局装置3は、SRの送信用のPUCCHのリソースで信号を検出しなかったという結果から移動局装置5が上りリンクのリソースの割り当てを要求していないことを認識する。
【0069】
また、PUCCHは、ACK/NACKからなるUCIが送信される場合と、SRからなるUCIが送信される場合と、CQIからなるUCIが送信される場合とで異なる種類の信号構成が用いられる。ACK/NACKの送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 1a、またはPUCCH format 1bと呼称する。PUCCH format 1aでは、ACK/NACKに関する情報を変調する変調方式としてBPSK(二位相偏移変調; Binary Phase Shift Keying)が用いられる。PUCCH format 1aでは、1ビットの情報が変調信号から示される。PUCCH format 1bでは、ACK/NACKに関する情報を変調する変調方式としてQPSK(四位相偏移変調; Quadrature Phase Shift Keying)が用いられる。PUCCH format 1bでは、2ビットの情報が変調信号から示される。SRの送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 1と呼称する。CQIの送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 2と呼称する。CQIとACK/NACKの同時送信に用いられるPUCCHをPUCCH format 2a、またはPUCCH format 2bと呼称する。PUCCH format 2bでは、上りリンクパイロットチャネルの参照信号(DM RS)にACK/NACKの情報から生成された変調信号が乗算される。PUCCH format 2aでは、ACK/NACKに関する1ビットの情報とCQIの情報が送信される。PUCCH format 2bでは、ACK/NACKに関する2ビットの情報とCQIの情報が送信される。
【0070】
なお、1個のPUSCHは1個以上のUL PRBから構成され、1個のPUCCHは上りリンクシステム帯域内において周波数領域に対称関係にあり、異なる上りリンクスロットに位置する2個のUL PRBから構成され、1個のPRACHは6個のUL PRB pairから構成される。例えば、図13において、上りリンクサブフレーム内において、1番目の上りリンクスロットの最も周波数が低いUL PRBと、2番目の上りリンクスロットの最も周波数が高いUL PRBと、により、PUCCHに用いられるUL PRB pairの1個が構成される。なお、移動局装置5は、PUSCHとPUCCHの同時送信を行なわないように設定されている場合、同一上りリンクサブフレームでPUCCHのリソースとPUSCHのリソースが割り当てられた場合は、PUSCHのリソースのみを用いて信号を送信する。なお、移動局装置5は、PUSCHとPUCCHの同時送信を行なうように設定されている場合、同一上りリンクサブフレームでPUCCHのリソースとPUSCHのリソースが割り当てられた場合は、基本的にPUCCHのリソースとPUSCHのリソースの両方を用いて信号を送信することができる。
【0071】
UL RSは、上りリンクパイロットチャネルに用いられる信号である。UL RSは、PUSCHおよびPUCCHの伝搬路変動の推定に用いられる復調参照信号(DM RS: Demodulation Reference Signal)と、基地局装置3、RRH4のPUSCHの周波数スケジューリングおよび適応変調のためのチャネル品質の測定、基地局装置3、RRH4と移動局装置5間の同期ずれの測定に用いられるサウンディング参照信号(SRS: Sounding Reference Signal)とから構成される。なお、説明の簡略化のため、図13において、SRSは図示されていない。DM RSは、PUSCHと同じUL PRB内に配置される場合と、PUCCHと同じUL PRB内に配置される場合とで、異なるSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、PUSCHおよびPUCCHの伝搬路変動の推定に用いられる、通信システム1において既知の信号である。
【0072】
DM RSは、PUSCHと同じUL PRB内に配置される場合、上りリンクスロット内の4番目のSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、ACK/NACKを含むPUCCHと同じUL PRB内に配置される場合、上りリンクスロット内の3番目と4番目と5番目のSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、SRを含むPUCCHと同じUL PRB内に配置される場合、上りリンクスロット内の3番目と4番目と5番目のSC−FDMAシンボルに配置される。DM RSは、CQIを含むPUCCHと同じUL PRB内に配置される場合、上りリンクスロット内の2番目と6番目のSC−FDMAシンボルに配置される。
【0073】
SRSは、基地局装置3が決定したUL PRB内に配置され、上りリンクサブフレーム内の14番目のSC−FDMAシンボル(上りリンクサブフレームの2番目の上りリンクスロットの7番目のSC−FDMAシンボル)に配置される。SRSは、セル内において基地局装置3が決定した周期の上りリンクサブフレーム(調査参照信号サブフレーム; SRS subframeと呼称する。)のみに配置され得る。SRS subframeに対して、基地局装置3は移動局装置5毎にSRSを送信する周期、SRSに割り当てるUL PRBを割り当てる。
【0074】
図13では、PUCCHが上りリンクシステム帯域の周波数領域で最も端のUL PRBに配置された場合を示しているが、上りリンクシステム帯域の端から2番目、3番目などのUL PRBがPUCCHに用いられてもよい。
【0075】
なお、PUCCHにおいて周波数領域での符号多重、時間領域での符号多重が用いられる。周波数領域での符号多重は、サブキャリア単位で符号系列の各符号が上りリンク制御情報から変調された変調信号に乗算されることにより処理される。時間領域での符号多重は、SC−FDMAシンボル単位で符号系列の各符号が上りリンク制御情報から変調された変調信号に乗算されることにより処理される。複数のPUCCHが同一のUL PRBに配置され、各PUCCHは異なる符号が割り当てられ、割り当てられた符号により周波数領域、または時間領域において符号多重が実現される。ACK/NACKを送信するために用いられるPUCCH(PUCCH format 1a、またはPUCCH format 1bと呼称する。)においては、周波数領域及び時間領域での符号多重が用いられる。SRを送信するために用いられるPUCCH(PUCCH format 1と呼称する。)においては、周波数領域及び時間領域での符号多重が用いられる。CQIを送信するために用いられるPUCCH(PUCCH format 2、またはPUCCH format 2a、またはPUCCH format 2bと呼称する。)においては、周波数領域での符号多重が用いられる。なお、説明の簡略化のため、PUCCHの符号多重に係る内容の説明は適宜省略する。
【0076】
PUSCHのリソースは、時間領域において、そのPUSCHのリソースの割り当てに用いられた上りリンクグラントを含むPDCCHのリソースが配置された下りリンクサブフレームから所定の数(例えば、4)後の上りリンクサブフレームに配置される。
【0077】
PDSCHのリソースは、時間領域において、そのPDSCHのリソースの割り当てに用いられた下りリンクアサインメントを含むPDCCHのリソースが配置された下りリンクサブフレームと同一の下りリンクサブフレームに配置される。
【0078】
<第一のPDCCHの構成>
第一のPDCCHは、複数の制御チャネルエレメント(CCE: Control Channel Element)により構成される。各下りリンクシステム帯域で用いられるCCEの数は、下りリンクシステム帯域幅と、第一のPDCCHを構成するOFDMシンボルの数と、通信に用いる基地局装置3(または、RRH4)の送信アンテナの数に応じた下りリンクパイロットチャネルの下りリンク参照信号の数に依存する。CCEは、後述するように、複数の下りリンクリソースエレメントにより構成される。
【0079】
図14は、本発明の実施形態に係る通信システム1の第一のPDCCHとCCEの論理的な関係を説明する図である。基地局装置3(または、RRH4)と移動局装置5間で用いられるCCEには、CCEを識別するための番号が付与されている。CCEの番号付けは、予め決められた規則に基づいて行なわれる。ここで、CCE tは、CCE番号tのCCEを示す。第一のPDCCHは、複数のCCEからなる集合(CCE Aggregation)により構成される。この集合を構成するCCEの数を、以下、「CCE集合数」(CCE aggregation number)と称す。第一のPDCCHを構成するCCE aggregation numberは、第一のPDCCHに設定される符号化率、第一のPDCCHに含められるDCIのビット数に応じて基地局装置3において設定される。また、n個のCCEからなる集合を、以下、「CCE aggregation n」という。
【0080】
例えば、基地局装置3は、1個のCCEにより第一のPDCCHを構成したり(CCE aggregation 1)、2個のCCEにより第一のPDCCHを構成したり(CCE aggregation 2)、4個のCCEにより第一のPDCCHを構成したり(CCE aggregation 4)、8個のCCEにより第一のPDCCHを構成したりする(CCE aggregation 8)。例えば、基地局装置3はチャネル品質の良い移動局装置3に対しては第一のPDCCHを構成するCCEの数が少ないCCE aggregation numberを用い、チャネル品質の悪い移動局装置3に対しては第一のPDCCHを構成するCCEの数が多いCCE aggregation numberを用いる。また、例えば、基地局装置3はビット数の少ないDCIを送信する場合、第一のPDCCHを構成するCCEの数が少ないCCE aggregation numberを用い、ビット数の多いDCIを送信する場合、第一のPDCCHを構成するCCEの数が多いCCE aggregation numberを用いる。
【0081】
図14において、斜線で示されるものは、第一のPDCCH候補を意味する。第一のPDCCH候補(PDCCH candidate)とは、移動局装置5が第一のPDCCHの復号検出を行う対象であり、CCE aggregation number毎に独立に第一のPDCCH候補が構成される。CCE aggregation number毎に構成される第一のPDCCH候補は、それぞれ異なる1つ以上のCCEから構成される。CCE aggregation number毎に、独立に第一のPDCCH候補の数が設定される。CCE aggregation number毎に構成される第一のPDCCH候補は、番号の連続するCCEから構成される。移動局装置5は、CCE aggregation number毎に設定された数の第一のPDCCH候補に対して第一のPDCCHの復号検出を行う。なお、移動局装置5は、自装置宛ての第一のPDCCHを検出したと判断した場合、設定された第一のPDCCH候補の一部に対して第一のPDCCHの復号検出を行わなくてもよい(停止してもよい)。
【0082】
CCEを構成する複数の下りリンクリソースエレメントは、複数のリソースエレメントグループ(REG、mini-CCEとも称す)により構成される。リソースエレメントグループは複数の下りリンクリソースエレメントから構成される。例えば、1個のリソースエレメントグループは4個の下りリンクリソースエレメントから構成される。図15は、本発明の実施形態に係る通信システム1の下りリンク無線フレームにおけるリソースエレメントグループの配置例を示す図である。ここでは、第一のPDCCHに用いられるリソースエレメントグループについて示し、関連しない部分(PDSCH、第二のPDCCH、UE‐specific RS、CSI−RS)についての図示および説明は省略する。ここでは、第一のPDCCHが1番目から3番目までのOFDMシンボルにより構成され、2本の送信アンテナ(アンテナポート0、アンテナポート1)のCRSに対応する下りリンク参照信号(R0、R1)が配置される場合について示す。この図において、縦軸は周波数領域、横軸は時間領域を表わしている。
【0083】
図15の配置例では、1個のリソースエレメントグループは周波数領域の隣接する4個の下りリンクリソースエレメントにより構成される。図15において、第一のPDCCHの同一の符号が付された下りリンクリソースエレメントは、同一のリソースエレメントグループに属することを示す。なお、下りリンク参照信号が配置されたリソースエレメントR0(アンテナポート0の下りリンク参照信号)、R1(アンテナポート1の下りリンク参照信号)は飛ばされて、リソースエレメントグループが構成される。図15では、周波数が最も低く、1番目のOFDMシンボルのリソースエレメントグループから番号付け(符号「1」)が行なわれ、次に周波数が最も低く、2番目のOFDMシンボルのリソースエレメントグループに番号付け(符号「2」)が行なわれ、次に周波数が最も低く、3番目のOFDMシンボルのリソースエレメントグループに番号付け(符号「3」)が行なわれることを示す。また、図15では、次に下りリンク参照信号が配置されない2番目のOFDMシンボルの番号付け(符号「2」)が行なわれたリソースエレメントグループの周波数の隣接するリソースエレメントグループに番号付け(符号「4」)が行なわれ、次に下りリンク参照信号が配置されない3番目のOFDMシンボルの番号付け(符号「3」)が行なわれたリソースエレメントグループの周波数の隣接するリソースエレメントグループに番号付け(符号「5」)が行なわれることを示す。さらに、図15では、次に1番目のOFDMシンボルの番号付け(符号「1」)が行なわれたリソースエレメントグループの周波数の隣接するリソースエレメントグループに番号付け(符号「6」)が行なわれ、次に2番目のOFDMシンボルの番号付け(符号「4」)が行なわれたリソースエレメントグループの周波数の隣接するリソースエレメントグループに番号付け(符号「7」)が行なわれ、次に3番目のOFDMシンボルの番号付け(符号「5」)が行なわれたリソースエレメントグループの周波数の隣接するリソースエレメントグループに番号付け(符号「8」)が行なわれることを示す。以降のリソースエレメントグループに対しても同様の番号付けが行なわれる。
【0084】
CCEは、図15に示す、複数のリソースエレメントグループにより構成される。例えば、1個のCCEは、周波数領域及び時間領域に分散した9個の異なるリソースエレメントグループにより構成される。具体的には、第一のPDCCHに用いられるCCEにおいては、下りリンクシステム帯域全体に対して、図15に示すように番号付けされた全てのリソースエレメントグループに対してブロックインタリーバを用いてリソースエレメントグループ単位でインタリーブが行なわれ、インタリーブ後の番号の連続する9個のリソースエレメントグループにより1個のCCEが構成される。
【0085】
<第二のPDCCHの構成>
図16は、本発明の実施形態に係る通信システム1において第二のPDCCHが配置される可能性のある領域(説明の簡略化のため、以降、第二のPDCCH領域と称す。)の概略構成の一例を示す図である。基地局装置3は、下りリンクシステム帯域内に複数の第二のPDCCH領域(第二のPDCCH領域1、第二のPDCCH領域2、第二のPDCCH領域3)を構成(設定、配置)することができる。1個の第二のPDCCH領域は、1個以上のPRBから構成される。1個の第二のPDCCH領域が複数のPRBにより構成される場合、周波数領域で分散するPRBにより構成されてもよいし、周波数領域で連続するPRBにより構成されてもよい。例えば、基地局装置3は、複数の移動局装置5毎に第二のPDCCH領域を構成することができる。
【0086】
第二のPDCCH領域のそれぞれに対して、配置される信号に異なる送信方法が設定される。例えば、ある第二のPDCCH領域に対して、配置される信号にプリコーディング処理が適用される。例えば、ある第二のPDCCH領域に対して、配置される信号にプリコーディング処理が適用されない。なお、配置される信号にプリコーディング処理が適用される第二のPDCCH領域では、PRB内において第二のPDCCHと、UE−specific RSとは、同一のプリコーディング処理が適用される。なお、配置される信号にプリコーディング処理が適用される第二のPDCCH領域では、第二のPDCCHと、UE−specific RSとに適用されるプリコーディング処理は、異なるPRB間では異なるプリコーディング処理(適用されるプリコーディングベクトルが異なる)(適用されるプリコーディング行列が異なる)が適用されてもよい。
【0087】
1つの第二のPDCCHは、1つ以上のVRB:Virtual Resource Block(第一の要素)から構成される。図17は、本発明の実施形態に係る通信システム1の第二のPDCCHとVRBの論理的な関係を説明する図である。基地局装置3(または、RRH4)と移動局装置5間で用いられるVRBには、VRBを識別するための番号が付与されている。VRBの番号付けは、予め決められた規則に基づいて行なわれる。ここで、VRB tは、VRB番号tのVRBを示す。第二のPDCCHは、複数のVRBからなる集合(VRB Aggregation)により構成される。この集合を構成するVRBの数を、以下、「VRB集合数」(VRB aggregation number)と称す。例えば、第二のPDCCHを構成するVRB aggregation numberは、第二のPDCCHに設定される符号化率、第二のPDCCHに含められるDCIのビット数に応じて基地局装置3において設定される。また、n個のVRBからなる集合を、以下、「VRB aggregation n」という。
【0088】
例えば、基地局装置3は、1個のVRBにより第二のPDCCHを構成したり(VRB aggregation 1)、2個のVRBにより第二のPDCCHを構成したり(VRB aggregation 2)、4個のVRBにより第二のPDCCHを構成したり(VRB aggregation 4)、8個のVRBにより第二のPDCCHを構成したりする(VRB aggregation 8)。例えば、基地局装置3はチャネル品質の良い移動局装置3に対しては第二のPDCCHを構成するVRBの数が少ないVRB aggregation numberを用い、チャネル品質の悪い移動局装置3に対しては第二のPDCCHを構成するVRBの数が多いVRB aggregation numberを用いる。また、例えば、基地局装置3はビット数の少ないDCIを送信する場合、第二のPDCCHを構成するVRBの数が少ないVRB aggregation numberを用い、ビット数の多いDCIを送信する場合、第二のPDCCHを構成するVRBの数が多いVRB aggregation numberを用いる。
【0089】
図17において、斜線で示されるものは、第二のPDCCH候補を意味する。第二のPDCCH候補(PDCCH candidate)とは、移動局装置5が第二のPDCCHの復号検出を行う対象であり、VRB aggregation number毎に独立に第二のPDCCH候補が構成される。VRB aggregation number毎に構成される第二のPDCCH候補は、それぞれ異なる1つ以上のVRBから構成される。VRB aggregation number毎に、独立に第二のPDCCH候補の数が設定される。VRB aggregation number毎に構成される第二のPDCCH候補は、番号の連続するVRBから構成される。移動局装置5は、VRB aggregation number毎に設定された数の第二のPDCCH候補に対して第二のPDCCHの復号検出を行う。なお、移動局装置5は、自装置宛ての第二のPDCCHを検出したと判断した場合、設定された第二のPDCCH候補の一部に対して第二のPDCCHの復号検出を行わなくてもよい(停止してもよい)。
【0090】
第二のPDCCH領域で構成されるVRBの数は、第二のPDCCH領域を構成するPRBの数と等しい。1つのVRBが対応するリソースの量(リソースエレメントの数)は、1つのPRB内で第二のPDCCHの信号に用いることが可能なリソース(下りリンク参照信号、第一のPDCCHに用いられるリソースエレメントは除く)の量とほぼ等しい。第二のPDCCH領域は、下りリンクサブフレーム内の1番目のスロットと、2番目のスロットで、それぞれ独立に構成されてもよい。また、1つの第二のPDCCH領域は、複数のPRB pairにより構成されてもよい。言い換えると、1つの第二のPDCCHは、下りリンクサブフレーム内の1番目のスロットのリソース(PRB)と、2番目のスロットのリソース(PRB)との両方から構成されてもよい。なお、本発明の実施形態では、説明の簡略化のため、第二のPDCCH領域は、下りリンクサブフレーム内の1番目のスロットの複数のPRBから構成される場合について主に説明するが、本発明がそのような場合に限定されるということではない。
【0091】
第二のPDCCH領域のそれぞれに対して、異なる物理リソースマッピング(第一の物理リソースマッピング、第二の物理リソースマッピング)が適用される。具体的には、1つのVRBを構成するリソースの構成が異なる。図18は、第二のPDCCH領域の第一の物理リソースマッピングを説明する図である。ここでは、第二のPDCCHに用いられるリソースについて示し、関連しない部分(PDSCH、第一のPDCCH)についての図示および説明は省略する。ここでは、第二のPDCCHが下りリンクサブフレームの1番目のスロットの4番目から7番目までのOFDMシンボルにより構成され、2本の送信アンテナ(アンテナポート0、アンテナポート1)に対するCRS(R0、R1)、1本の送信アンテナ(アンテナポート7、図示せず)に対するUE‐specific RS(D1)が配置される場合について示す。この図において、縦軸は周波数領域、横軸は時間領域を表わしている。第一の物理リソースマッピングでは、1つのVRBを構成するリソースは1つのPRBから構成される。1つのPRB内の第二のPDCCHの信号に用いることが可能なリソースにより、1つのVRBと対応するリソースが構成される。第二のPDCCH領域を構成する複数のPRBにおいて、第二のPDCCH領域内のPRBの番号の昇順(または降順)で再度番号付けを行ったPRBが、そのままVRBとして用いられる。例えば、第二のPDCCH領域として、PRB1とPRB4とPRB5とPRB10が構成される場合、VRB1はPRB1と対応し、VRB2はPRB4と対応し、VRB3はPRB5と対応し、VRB4はPRB10と対応する。第一の物理リソースマッピングでは、1つのVRBは周波数領域で連続なリソース(連続なサブキャリア)から構成される。
【0092】
図19は、第二のPDCCH領域の第二の物理リソースマッピングを説明する図である。ここでは、第二のPDCCHに用いられるリソースについて示し、関連しない部分(PDSCH、第一のPDCCH)についての図示および説明は省略する。ここでは、第二のPDCCHが下りリンクサブフレームの1番目のスロットの4番目から7番目までのOFDMシンボルにより構成され、2本の送信アンテナ(アンテナポート0、アンテナポート1)に対するCRS(R0、R1)、1本の送信アンテナ(アンテナポート7、図示せず)に対するUE‐specific RS(D1)が配置される場合について示す。この図において、縦軸は周波数領域、横軸は時間領域を表わしている。第二の物理リソースマッピングでは、1つのVRBを構成するリソースは複数のPRBのリソースから構成される。各PRBで第二のPDCCHの信号に用いることが可能なリソースを分割したリソース(第二の要素)をまとめたリソースにより、1つのVRBと対応するリソースが構成される。
【0093】
図19では、1つのPRBが4つのリソースに分割され、4つの分割リソースで、それぞれの分割リソースが異なるPRBの分割リソースから1つのVRBが構成される。例えば、第二のPDCCH領域を構成する複数のPRBは、第二のPDCCH領域内のPRBの番号の昇順(または降順)で再度番号付けが行われ、再度番号付けが行われた番号が連続する複数のPRBのリソースを用いて、1つのVRBが構成される。第二のPDCCH領域を構成するPRBの数と同様のVRBが用いられる。再度番号付けが行われた番号が連続する複数のPRB単位で、その数と同数のVRBに対する物理リソースマッピングが実行される。分割されたリソースの周波数が最も低い分割リソースをまとめたものからある番号のVRBが構成され、次に周波数が低い分割リソースをまとめたものから次の番号のVRBが構成され、次に周波数が低い分割リソースをまとめたものから次の番号のVRBが構成され、次に周波数が低い、言い換えると周波数が最も高い分割リソースをまとめたものから次の番号のVRBが構成される。以上のような、物理リソースマッピングが、再度番号付けが行われた番号が連続する複数のPRB単位で、番号が最も小さいPRBを含む複数のPRB単位から順に行われる。第二の物理リソースマッピングでは、1つのVRBは周波数領域で非連続なリソース(非連続なサブキャリア)から構成される。ここで、周波数領域で非連続なリソースから構成されるということは、その意図するところが周波数領域で全て非連続な複数のサブキャリアから構成されるということに限定されず、少なくとも一部のサブキャリアが非連続であるということを意味する。
【0094】
なお、図19では、第二の物理リソースマッピングの一例を説明しただけであり、1つのPRBが4個とは異なる数で分割され、複数の分割リソースにより1つのVRBが構成されてもよい。なお、第二の物理リソースマッピングでは、第二のPDCCH領域内で再度番号付けが行われた番号が非連続な複数のPRBで、その数と同数のVRBに対して物理リソースマッピングが実行されてもよい。例えば、再度番号付けが行われた後の番号がPRB1と、PRB3と、PRB5と、PRB7とを用いて、4つのVRBに対して第二の物理リソースマッピングが実行されてもよい。なお、第二の物理リソースマッピングでは、1つのVRBを構成する分割リソースのそれぞれのPRB内での周波数位置が異なる分割リソースからVRBが構成されてもよい。例えば、再度番号付けが行われた後の番号がPRB1内で周波数が最も低い分割リソースと、再度番号付けが行われた後の番号がPRB2内で周波数が2番目に低い分割リソースと、再度番号付けが行われた後の番号がPRB3内で周波数が3番目に低い分割リソースと、再度番号付けが行われた後の番号がPRB4内で周波数が4番目に低い分割リソースとから、1つのVRBが構成されてもよい。
【0095】
また、1つの第二のPDCCHが、1つ以上のVRB pairから構成される場合にも本発明は適用できる。VRB pairとは、下りリンクサブフレームの1番目のスロットに対するVRBと、2番目のスロットに対するVRBとのセットを意味する。言い換えると、第二のPDCCHを構成するリソースの最小単位がVRB pairであっても本発明は適用できる。図20は、1つの第二のPDCCHが1つ以上のVRB pairから構成される場合の、第二のPDCCH領域の第一の物理リソースマッピングを説明する図である。図21は、1つの第二のPDCCHが1つ以上のVRB pairから構成される場合の、第二のPDCCH領域の第二の物理リソースマッピングを説明する図である。
【0096】
また、1つの第二のPDCCHは、1つ以上のVRBから構成され(第二のPDCCHを構成するリソースの最小単位がVRB)、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域において、1つのVRBを構成する分割リソースは、図21に示すように、PRB pair(1番目のスロットのPRBと2番目のスロットのPRB)を分割したリソースであってもよい。また、第二のPDCCH領域に構成されたPRB内で、第一のPDCCHと下りリンク参照信号を除く全てのリソース(下りリンクリソースエレメント)が第二のPDCCHの信号に用いられるのではなく、一部のリソース(下りリンクリソースエレメント)には信号が配置されない(ヌル)構成でもよい。
【0097】
基本的に、プリコーディング処理が適用される第二のPDCCH領域では第一の物理リソースマッピングが適用され、プリコーディング処理が適用されない第二のPDCCH領域では第二の物理リソースマッピングが適用される。第二の物理リソースマッピングでは、1つのVRBは周波数領域で非連続なリソースから構成されるので、周波数ダイバーシチ効果が得られる。
【0098】
移動局装置5は、基地局装置3より1つ以上の第二のPDCCH領域が構成される。例えば、移動局装置5は、第一の物理リソースマッピングが適用され、プリコーディング処理が適用される第二のPDCCH領域と、第二の物理リソースマッピングが適用され、プリコーディング処理が適用されない第二のPDCCH領域との2つの第二のPDCCH領域が構成される。例えば、移動局装置5は、第二の物理リソースマッピングが適用され、プリコーディング処理が適用されない第二のPDCCH領域だけが構成される。移動局装置5は、基地局装置3より構成された第二のPDCCH領域において第二のPDCCHを検出する処理(モニタリング)を行うように指定(設定、構成)される。第二のPDCCHのモニタリングの指定は、第二のPDCCH領域が移動局装置5に構成されることにより、自動的に(暗黙的に)なされてもよいし、第二のPDCCH領域の構成を示すシグナリングとは異なるシグナリングによりなされてもよい。複数の移動局装置5が、同じ第二のPDCCH領域が基地局装置3より指定されうる。
【0099】
第二のPDCCH領域の構成(指定、設定)を示す情報は、第二のPDCCHを用いた通信を開始する前に、基地局装置3と移動局装置5間でやり取りが行われる。例えば、その情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを用いて行われる。具体的には、移動局装置5は、基地局装置3より第二のPDCCH領域のPRBの位置(割り当て)を示す情報を受信する。また、第二のPDCCH領域のそれぞれに対して、VRBの物理リソースマッピングの種類(第一の物理リソースマッピング、第二の物理リソースマッピング)を示す情報が、基地局装置3から移動局装置5に通知される。なお、明示的にVRBの物理リソースマッピングの種類を示す情報ではなく、他の情報が基地局装置3から移動局装置5に通知され、その情報に基づき暗黙的にVRBの物理リソースマッピングの種類が移動局装置5で認識される構成でもよい。例えば、各第二のPDCCH領域での第二のPDCCHの送信方法を示す情報が基地局装置3から移動局装置5に通知され、プリコーディング処理が適用される送信方法が示された場合はその第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングは第一の物理リソースマッピングであると移動局装置5が認識し、プリコーディング処理が適用されない送信方法が示された場合はその第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングは第二の物理リソースマッピングであると移動局装置5が認識する。また、デフォルトとして、何れかのVRBの物理リソースマッピングが予め第二のPDCCH領域に設定されており、その設定と異なる物理リソースマッピングが用いられる場合にのみ、その旨を示す情報が基地局装置3から移動局装置5に通知される構成でもよい。移動局装置5は、基地局装置3より設定された第二のPDCCH領域内で受信したUE‐specific RSを用いて、第二のPDCCHの信号の復調を行い、自装置宛ての第二のPDCCHを検出する処理を行なう。例えば、移動局装置5は、第二のPDCCHの信号の復調を、復調を行なうリソースが属するPRB内のUE‐specific RSを用いて行う。
【0100】
以下では、第二のPDCCHにマッピングされる制御信号について説明する。第二のPDCCHにマッピングされる制御信号は、1つの移動局装置5に対する制御情報毎に処理され、データ信号と同様に、スクランブル処理、変調処理、レイヤーマッピング処理、プレコーディング処理等が行われうる。ここで、レイヤーマッピング処理とは、第二のPDCCHに複数アンテナ送信が適用される場合に行われる、MIMO信号処理の一部を意味する。例えば、プレコーディング処理が適用される第二のPDCCH、プレコーディング処理は適用されないが、送信ダイバーシチが適用される第二のPDCCHに対してレイヤーマッピング処理が実行される。また、第二のPDCCHにマッピングされる制御信号は、UE−specific RSと共に、共通のプレコーディング処理が行われうる。そのとき、プレコーディング処理は、移動局装置5単位に好適なプレコーディング重みにより行われることが好ましい。
【0101】
図22は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の第二のPDCCHのモニタリングの一例を説明する図である。移動局装置5に対して、複数の第二のPDCCH領域(第二のPDCCH領域1、第二のPDCCH領域2)が構成される。移動局装置5は、各第二のPDCCH領域においてSearch spaceが設定される。Search spaceとは、移動局装置5が第二のPDCCH領域内で第二のPDCCHの復号検出を行なう論理的な領域を意味する。Search spaceは、複数の第二のPDCCH候補から構成される。第二のPDCCH候補とは、移動局装置5が第二のPDCCHの復号検出を行う対象である。VRB aggregation number毎に、異なる第二のPDCCH候補は異なるVRB(1つのVRB、複数のVRBを含む)から構成される。Search spaceの複数の第二のPDCCH候補を構成するVRBは、VRB番号の連続する複数のVRBから構成される。第二のPDCCH領域内でSearch spaceに用いられる最初のVRB番号が移動局装置5毎に設定される。例えば、移動局装置5に割り当てられた識別子(移動局識別子)を用いたランダム関数により、Search spaceに用いられる最初のVRB番号が設定される。例えば、基地局装置3がRRCシグナリングを用いて、Search spaceに用いられる最初のVRB番号を移動局装置5に通知する。
【0102】
複数の第二のPDCCH領域が構成される移動局装置5には、複数のSearch space(第一のSearch space、第二のSearch space)が設定される。移動局装置5に構成される複数の第二のPDCCH領域の一部の第二のPDCCH領域(第二のPDCCH領域1)には第一の物理リソースマッピングが適用され、異なる一部の第二のPDCCH領域(第二のPDCCH領域2)には第二の物理リソースマッピングが適用される。
【0103】
第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数は、第二のSearch spaceの第二のPDCCHの候補の数と異なりうる。第二のPDCCH候補の数が増えると、移動局装置5の処理不可が増大すると共に、第二のPDCCHの検出精度が劣化するため、第二のPDCCH候補の数を適した数に抑えつつ、第一のSearch spaceと第二のSearch spaceに効率的に配分することが望ましい。例えば、基本的にプリコーディング処理が適用される第二のPDCCHが用いられ、適したプリコーディング処理の実現が基地局装置3において困難な場合にプリコーディング処理が適用されず、周波数ダイバーシチ効果を有する第二のPDCCHが用いられるような制御を行うためには、第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数を第二のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数より多くすることが有効である。例えば、第一のSearch spaceのVRB aggregation 1の第二のPDCCHの候補の数と、第二のSearch spaceのVRB aggregation 1の第二のPDCCHの候補の数が異なる。例えば、第一のSearch spaceのVRB aggregation 1の第二のPDCCHの候補の数の方が第二のSearch spaceのVRB aggregation 1の第二のPDCCHの候補の数より多い。
【0104】
また、あるVRB集合数では、第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数と第二のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数が同じで、異なるVRB集合数では、第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数と第二のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数が異なりうる。また、あるVRB集合数では、第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数が第二のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数より多く、異なるVRB集合数では、第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数と第二のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数が少ないとすることもできる。適したチャネル状態情報が移動局装置5から基地局装置3に通知される場合に実現されるプリコーディング処理によるゲインは、周波数ダイバーシチによるゲインより一般的に大きい。つまり、ある程度適したチャネル状態情報が移動局装置5から基地局装置3に通知されることが想定される場合、プリコーディング処理が適用される、第一の物理リソースマッピングの第二のPDCCHは、プリコーディング処理が適用されない、第二の物理リソースマッピングの第二のPDCCHよりも一般的に品質が良い。よって、制御情報の要求品質を満たすために必要なVRB集合数は、第一の物理リソースマッピングの第二のPDCCHよりも第二の物理リソースマッピングの第二のPDCCHの方が大きい場合がある。そのような場合、小さい値のVRB集合数では、第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数を第二のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数より多くし、大きい値のVRB集合数では、第一のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数を第二のSearch spaceの第二のPDCCH候補の数より少なくすることにより、第二のPDCCHを用いた効率的なスケジューリングを実現することが可能となる。
【0105】
また、あるVRB集合数の第二のPDCCH候補が、一方の第二のPDCCH領域のSearch spaceには設定され、異なる一方の第二のPDCCH領域のSearch spaceには設定されないとすることもできる。適したチャネル状態情報が移動局装置5から基地局装置3に通知される場合に実現されるプリコーディング処理によるゲインは、周波数ダイバーシチによるゲインより一般的に大きい。つまり、ある程度適したチャネル状態情報が移動局装置5から基地局装置3に通知されることが想定される場合、プリコーディング処理が適用される、第一の物理リソースマッピングの第二のPDCCHは、プリコーディング処理が適用されない、第二の物理リソースマッピングの第二のPDCCHよりも一般的に品質が良い。よって、制御情報の要求品質を満たすために必要なVRB集合数は、第一の物理リソースマッピングの第二のPDCCHよりも第二の物理リソースマッピングの第二のPDCCHの方が大きい場合がある。そのような場合、小さい値のVRB集合数では、第一のSearch spaceにのみ第二のPDCCH候補を設定し、第二のSearch spaceには第二のPDCCH候補を設定せず、大きい値のVRB集合数では、第二のSearch spaceにのみ第二のPDCCH候補を設定し、第一のSearch spaceには第二のPDCCH候補を設定しないことにより、第二のPDCCHを用いた効率的なスケジューリングを実現することが可能となる。
【0106】
また、移動局装置5に構成される第二のPDCCH領域の数に応じて、1つの第二のPDCCH領域内のSearch spaceの第二のPDCCH候補数を変動させるようにすることができる。例えば、移動局装置5に構成される第二のPDCCH領域の数が増えるにつれ、1つの第二のPDCCH領域内のSearch spaceの第二のPDCCH候補数を少なくする。これにより、移動局装置5の処理不可を抑えつつ、第二のPDCCHの検出精度が劣化することを回避しつつ、基地局装置3による第二のPDCCH領域の設定の柔軟性を増すことができる。
【0107】
<UE−specific RSの系列生成および第二のPDCCHの信号の復調>
第二のPDCCHが配置されるPRBには、基地局装置3によって、UE−specific RSが多重される。移動局装置5は、受信したUE−specific RSを用いて第二のPDCCHの信号の復調処理を行う。UE−specific RSには、擬似ランダム系列(Pseudo−Random sequence)が用いられる。擬似ランダム系列は、系列長が31のGold系列によって定義され、2つのM系列によって定義される。擬似ランダム系列の生成には初期化が実行される。初期化は、各下りリンクサブフレームの最初に実行される。2種類の初期化(第一の初期化、第二の初期化)が用いられる。第一の初期化は入力変数(パラメータ)にRNTIが用いられ、第二の初期化は入力変数にRNTIが用いられない。より詳細には、第一の初期化は入力変数にセルIDと、スロット番号(サブフレームの1番目のスロットはスロット番号0、サブフレームの2番目のスロットはスロット番号1)とRNTIとが用いられ、第二の初期化は入力変数にセルIDと、スロット番号とだけが用いられる。
【0108】
第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で第二のPDCCHが配置されたPRB内のUE−specific RSには、第一の初期化が行われる。基地局装置3は、第一の初期化を用いて生成したUE−specific RSと、第一の物理リソースマッピングが適用された第二のPDCCHの信号を、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のPRBを用いて移動局装置5に送信する。移動局装置5は、第一の初期化を用いて生成したUE−specific RSを用いて、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space内の受信した第二のPDCCHの信号の復調を行う。
【0109】
第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で第二のPDCCHが配置されたPRB内のUE−specific RSには、第二の初期化が行われる。基地局装置3は、第二の初期化を用いて生成したUE−specific RSと、第二の物理リソースマッピングが適用された第二のPDCCHの信号を、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のPRBを用いて移動局装置5に送信する。移動局装置5は、第二の初期化を用いて生成したUE−specific RSを用いて、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space内の受信した第二のPDCCHの信号の復調を行う。
【0110】
また、第二のPDCCH、UE−specific RSに対して、複数のアンテナポート(アンテナポート7〜14)の一部または全部が用いられてもよい。複数のアンテナポートが用いられる場合、基地局装置3は、第二のPDCCHの信号に対して複数のアンテナポートを用いてMIMO送信することができる。
【0111】
例えば、第二のPDCCHの復調に用いられるUE−specific RSは、予め規定されたアンテナポートを用いて送信される。具体的には、第二のPDCCHの復調に用いられるUE−specific RSは、予め規定されたアンテナポート7を用いて送信される。
【0112】
また、例えば、第二のPDCCHの復調に用いられるUE−specific RSは、PDSCHを用いたRRCシグナリングまたは第一のPDCCHを用いたシグナリングを通じて通知されるアンテナポートを示す情報を用いて生成される。具体的には、第二のPDCCHの復調に用いられるUE−specific RSに対して用いられるアンテナポートを示す情報として、PDSCHを用いたRRCシグナリングまたは第一のPDCCHを用いたシグナリングを通じて、アンテナポート7またはアンテナポート8のいずれかが通知される。
【0113】
<基地局装置3の全体構成>
以下、図1、図2、図3を用いて、本実施形態に係る基地局装置3の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、基地局装置3は、受信処理部(第二の受信処理部)101、無線リソース制御部(第二の無線リソース制御部)103、制御部(第二の制御部)105、および、送信処理部(第二の送信処理部)107を含んで構成される。
【0114】
受信処理部101は、制御部105の指示に従い、受信アンテナ109により移動局装置5から受信した、PUCCH、PUSCHの受信信号をUL RSを用いて復調し、復号して、制御情報、情報データを抽出する。受信処理部101は、自装置が移動局装置5にPUCCHのリソースを割り当てた上りリンクサブフレーム、UL PRBに対してUCIを抽出する処理を行なう。受信処理部101は、何れの上りリンクサブフレーム、何れのUL PRBに対してどのような処理を行なうかを制御部105から指示される。例えば、受信処理部101は、ACK/NACK用のPUCCH(PUCCH format 1a、PUCCH format 1b)の信号に対して時間領域での符号系列の乗算と合成、周波数領域での符号系列の乗算と合成を行う検出処理を制御部105から指示される。また、受信処理部101は、PUCCHからUCIを検出する処理に用いる周波数領域の符号系列および/または時間領域の符号系列を制御部105から指示される。受信処理部101は、抽出したUCIを制御部105に出力し、情報データを上位層に出力する。受信処理部101の詳細については、後述する。
【0115】
また、受信処理部101は、制御部105の指示に従い、受信アンテナ109により移動局装置5から受信したPRACHの受信信号から、プリアンブル系列を検出(受信)する。また、受信処理部101は、プリアンブル系列の検出と共に、到来タイミング(受信タイミング)の推定も行う。受信処理部101は、自装置がPRACHのリソースを割り当てた上りリンクサブフレーム、UL PRBに対してプリアンブル系列を検出する処理を行う。受信処理部101は、推定した到来タイミングに関する情報を制御部105に出力する。
【0116】
また、受信処理部101は、移動局装置5から受信したSRSを用いて1個以上のUL PRBのチャネル品質を測定する。また、受信処理部101は、移動局装置5から受信したSRSを用いて上りリンクの同期ずれを検出(算出、測定)する。受信処理部101は、何れの上りリンクサブフレーム、何れのUL PRBに対してどのような処理を行うかを制御部105から指示される。受信処理部101は、測定したチャネル品質、検出した上りリンクの同期ずれに関する情報を制御部105に出力する。受信処理部101の詳細については、後述する。
【0117】
無線リソース制御部103は、PDCCH(第一のPDCCH、第二のPDCCH)に対するリソースの割り当て、PUCCHに対するリソースの割り当て、PDSCHに対するDL PRBの割り当て、PUSCHに対するUL PRBの割り当て、PRACHに対するリソースの割り当て、SRSに対するリソースの割り当て、各種チャネルの変調方式・符号化率・送信電力制御値・プリコーディング処理に用いる位相回転量(重み付け値)、UE−specific RSのプリコーディング処理に用いる位相回転量(重み付け値)などを設定する。なお、無線リソース制御部103は、PUCCHに対する周波数領域の符号系列、時間領域の符号系列なども設定する。また、無線リソース制御部103は、複数の第二のPDCCH領域を設定し、それぞれの第二のPDCCH領域に用いるDL PRBを設定する。また、無線リソース制御部103は、それぞれの第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを設定する。無線リソース制御部103で設定された情報の一部は送信処理部107を介して移動局装置5に通知され、例えば第二のPDCCH領域のDL PRBを示す情報、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す情報(第一の物理リソースマッピング、または第二の物理リソースマッピングを示す情報)が移動局装置5に通知される。
【0118】
また、無線リソース制御部103は、受信処理部101においてPUCCHを用いて取得され、制御部105を介して入力されたUCIに基づいてPDSCHの無線リソースの割り当てなどを設定する。例えば、無線リソース制御部103は、PUCCHを用いて取得されたACK/NACKが入力された場合、ACK/NACKでNACKが示されたPDSCHのリソースの割り当てを移動局装置5に対して行なう。
【0119】
無線リソース制御部103は、各種制御信号を制御部105に出力する。例えば、制御信号は、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す制御信号、第二のPDCCHのリソースの割り当てを示す制御信号、プリコーディング処理に用いる位相回転量を示す制御信号などである。
【0120】
制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PDSCHに対するDL PRBの割り当て、PDCCHに対するリソースの割り当て、PDSCHに対する変調方式の設定、PDSCHおよびPDCCHに対する符号化率の設定、PDSCHおよびPDCCHおよびUE−specific RSに対するプリコーディング処理の設定などの制御を送信処理部107に対して行なう。また、制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PDCCHを用いて送信されるDCIを生成し、送信処理部107に出力する。PDCCHを用いて送信されるDCIは、下りリンクアサインメント、上りリンクグラントなどである。また、制御部105は、第二のPDCCH領域を示す情報、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す情報などを、送信処理部107を介して、移動局装置5にPDSCHを用いて送信するように制御を行なう。
【0121】
制御部105は、無線リソース制御部103から入力された制御信号に基づき、PUSCHに対するUL PRBの割り当て、PUCCHに対するリソースの割り当て、PUSCHおよびPUCCHの変調方式の設定、PUSCHの符号化率の設定、PUCCHに対する検出処理、PUCCHに対する符号系列の設定、PRACHに対するリソースの割り当て、SRSに対するリソースの割り当てなどの制御を受信処理部101に対して行なう。また、制御部105は、移動局装置5によってPUCCHを用いて送信されたUCIが受信処理部101より入力され、入力されたUCIを無線リソース制御部103に出力する。
【0122】
また、制御部105は、受信処理部101より、検出されたプリアンブル系列の到来タイミングを示す情報、受信されたSRSから検出された上りリンクの同期ずれを示す情報が入力され、上りリンクの送信タイミングの調整値(TA: Timing Advance、Timing Adjustment、Timing Alignment)(TA value)を算出する。算出された上りリンクの送信タイミングの調整値を示す情報(TA command)は、送信処理部107を介して移動局装置5に通知される。
【0123】
送信処理部107は、制御部105から入力された制御信号に基づき、PDCCH、PDSCHを用いて送信する信号を生成して、送信アンテナ111を介して送信する。送信処理部107は、無線リソース制御部103から入力された、第二のPDCCH領域を示す情報、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す情報、上位層から入力された情報データ等を、PDSCHを用いて移動局装置5に対して送信し、制御部105から入力されたDCIをPDCCH(第一のPDCCH、第二のPDCCH)を用いて移動局装置5に対して送信する。また、送信処理部107は、CRS、UE−specific RS、CSI−RSを送信する。送信処理部107は、無線リソース制御部103から入力された、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す情報に基づき、UE−specific RSの生成に関して第一の初期化、または第二の初期化を実行して、UE−specific RSの生成を行う。なお、説明の簡略化のため、以降、情報データは数種の制御に関する情報を含むものとする。送信処理部107の詳細については、後述する。
【0124】
<基地局装置3の送信処理部107の構成>
以下、基地局装置3の送信処理部107の詳細について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の送信処理部107の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、送信処理部107は、複数の物理下りリンク共用チャネル処理部201−1〜201−M(以下、物理下りリンク共用チャネル処理部201−1〜201−Mを合わせて物理下りリンク共用チャネル処理部201と表す)、複数の物理下りリンク制御チャネル処理部203−1〜203−M(以下、物理下りリンク制御チャネル処理部203−1〜203−Mを合わせて物理下りリンク制御チャネル処理部203と表す)、下りリンクパイロットチャネル処理部205、プリコーディング処理部231、多重部207、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform; 高速逆フーリエ変換)部209、GI(Guard Interval; ガードインターバル)挿入部211、D/A(Digital/Analog converter; ディジタルアナログ変換)部213、送信RF(Radio Frequency; 無線周波数)部215、および、送信アンテナ111を含んで構成される。なお、各物理下りリンク共用チャネル処理部201、各物理下りリンク制御チャネル処理部203は、それぞれ、同様の構成および機能を有するので、その一つを代表して説明する。なお、説明の簡略化のため、送信アンテナ111は、複数のアンテナポートをまとめたものとする。
【0125】
また、この図に示すように、物理下りリンク共用チャネル処理部201は、それぞれ、ターボ符号部219、データ変調部221およびプリコーディング処理部229を備える。また、この図に示すように、物理下りリンク制御チャネル処理部203は、畳み込み符号部223、QPSK変調部225およびプリコーディング処理部227を備える。物理下りリンク共用チャネル処理部201は、移動局装置5への情報データをOFDM方式で伝送するためのベースバンド信号処理を行なう。ターボ符号部219は、入力された情報データを、制御部105から入力された符号化率で、データの誤り耐性を高めるためのターボ符号化を行ない、データ変調部221に出力する。データ変調部221は、ターボ符号部219が符号化したデータを、制御部105から入力された変調方式、例えば、QPSK(四位相偏移変調; Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16値直交振幅変調; 16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64値直交振幅変調; 64 Quadrature Amplitude Modulation)のような変調方式で変調し、変調シンボルの信号系列を生成する。データ変調部221は、生成した信号系列を、プリコーディング処理部229に出力する。プリコーディング処理部229は、データ変調部221から入力された信号に対してプリコーディング処理(ビームフォーミング処理)を行い、多重部207に出力する。ここで、プリコーディング処理は、移動局装置5が効率よく受信できるように(例えば、受信電力が最大になるように、干渉が最小になるように)、生成する信号に対して位相回転などを行うことが好ましい。なお、プリコーディング処理部229は、データ変調部221から入力された信号に対してプリコーディング処理を行わない場合は、データ変調部221から入力された信号をそのまま多重部207に出力する。
【0126】
物理下りリンク制御チャネル処理部203は、制御部105から入力されたDCIを、OFDM方式で伝送するためのベースバンド信号処理を行なう。畳み込み符号部223は、制御部105から入力された符号化率に基づき、DCIの誤り耐性を高めるための畳み込み符号化を行なう。ここで、DCIはビット単位で制御される。また、畳み込み符号部223は、制御部105から入力された符号化率に基づき、畳み込み符号化の処理を行なったビットに対して出力ビットの数を調整するためにレートマッチングも行なう。畳み込み符号部223は、符号化したDCIをQPSK変調部225に出力する。QPSK変調部225は、畳み込み符号部223が符号化したDCIを、QPSK変調方式で変調し、変調した変調シンボルの信号系列を、プリコーディング処理部227に出力する。プリコーディング処理部227は、QPSK変調部225から入力された信号に対してプリコーディング処理を行い、多重部207に出力する。なお、プリコーディング処理部227は、QPSK変調部225から入力された信号に対してプリコーディング処理を行わず、多重部207に出力することができる。
【0127】
下りリンクパイロットチャネル処理部205は、移動局装置5において既知の信号である下りリンク参照信号(CRS、UE−specific RS、CSI−RS)を生成し、プリコーディング処理部231に出力する。下りリンクパイロットチャネル処理部205は、無線リソース制御部103から入力された、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す情報に基づき、UE−specific RSの生成に関して第一の初期化、または第二の初期化を実行して、UE−specific RSの生成を行う。下りリンクパイロットチャネル処理部205は、第一の物理リソースマッピングを示す情報が入力された場合、UE−specific RSの生成に関して第一の初期化を実行して、UE−specific RSの生成を行う。下りリンクパイロットチャネル処理部205は、第二の物理リソースマッピングを示す情報が入力された場合、UE−specific RSの生成に関して第二の初期化を実行して、UE−specific RSの生成を行う。
【0128】
プリコーディング処理部231は、下りリンクパイロットチャネル処理部205より入力されたCRS、CSI−RS、一部のUE−specific RSに対してはプリコーディング処理を行わず、多重部207に出力する。プリコーディング処理部231で、プリコーディング処理が行われないUE−specific RSは、第二の物理リソースマッピングの第二のPDCCH領域で第二のPDCCHに用いられるDL PRB内のUE−specific RSである。プリコーディング処理部231は、下りリンクパイロットチャネル処理部205より入力された一部のUE−specific RSに対してプリコーディング処理を行ない、多重部207に出力する。プリコーディング処理部231で、プリコーディング処理が行われるUE−specific RSは、第一の物理リソースマッピングの第二のPDCCH領域で第二のPDCCHに用いられるDL PRB内のUE−specific RSである。プリコーディング処理部231は、プリコーディング処理部229においてPDSCHに行われる処理、および/またはプリコーディング処理部227において第二のPDCCHに行なわれる処理と同様の処理を一部のUE−specific RSに対して行なう。そのため、移動局装置5においてプリコーディング処理が適用された第二のPDCCHの信号を復調するに際し、UE−specific RSは、下りリンクにおける伝搬路(伝送路)の変動とプレコーディング処理部227による位相回転が併さった等化チャネルを推定することができる。すなわち、基地局装置3は、移動局装置5に対して、プレコーディング処理部227によるプレコーディング処理の情報(位相回転量)を通知する必要が無く、移動局装置5はプレコーディング処理された信号を復調することができる。なお、UE−specific RSを用いて伝搬路補償などの復調処理が行われるPDSCHにプリコーディング処理が用いられない場合などは、プリコーディング処理部231は、UE−specific RSに対してプリコーディング処理を行わず、多重部207に出力する。
【0129】
多重部207は、下りリンクパイロットチャネル処理部205から入力された信号と、物理下りリンク共用チャネル処理部201各々から入力された信号と、物理下りリンク制御チャネル処理部203各々から入力された信号とを、制御部105からの指示に従って、下りリンクサブフレームに多重する。無線リソース制御部103によって設定されたPDSCHに対するDL PRBの割り当て、PDCCH(第一のPDCCH、第二のPDCCH)に対するリソースの割り当て、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングに関する制御信号が制御部105に入力され、その制御信号に基づき、制御部105は多重部207の処理を制御する。多重部207は、多重化した信号を、IFFT部209に出力する。
【0130】
IFFT部209は、多重部207が多重化した信号を高速逆フーリエ変換し、OFDM方式の変調を行ない、GI挿入部211に出力する。GI挿入部211は、IFFT部209がOFDM方式の変調を行なった信号に、ガードインターバルを付加することで、OFDM方式におけるシンボルからなるベースバンドのディジタル信号を生成する。周知のように、ガードインターバルは、伝送するOFDMシンボルの先頭または末尾の一部を複製することによって生成される。GI挿入部211は、生成したベースバンドのディジタル信号をD/A部213に出力する。D/A部213は、GI挿入部211から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、送信RF部215に出力する。送信RF部215は、D/A部213から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去する。次に、送信RF部215は、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナ111を介して、移動局装置5に送信する。
【0131】
<基地局装置3の受信処理部101の構成>
以下、基地局装置3の受信処理部101の詳細について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の受信処理部101の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、受信処理部101は、受信RF部301、A/D(Analog/Digital converter; アナログディジタル変換)部303、シンボルタイミング検出部309、GI除去部311、FFT部313、サブキャリアデマッピング部315、伝搬路推定部317、PUSCH用の伝搬路等化部319、PUCCH用の伝搬路等化部321、IDFT部323、データ復調部325、ターボ復号部327、物理上りリンク制御チャネル検出部329、プリアンブル検出部331、およびSRS処理部333を含んで構成される。
【0132】
受信RF部301は、受信アンテナ109で受信された信号を、適切に増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調する。受信RF部301は、直交復調したアナログ信号を、A/D部303に出力する。A/D部303は、受信RF部301が直交復調したアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換したディジタル信号をシンボルタイミング検出部309およびGI除去部311に出力する。
【0133】
シンボルタイミング検出部309は、A/D部303より入力された信号に基づいて、シンボルのタイミングを検出し、検出したシンボル境界のタイミングを示す制御信号を、GI除去部311に出力する。GI除去部311は、シンボルタイミング検出部309からの制御信号に基づいて、A/D部303より入力された信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、残りの部分の信号を、FFT部313に出力する。FFT部313は、GI除去部311から入力された信号を高速フーリエ変換し、DFT−Spread−OFDM方式の復調を行ない、サブキャリアデマッピング部315に出力する。なお、FFT部313のポイント数は、後述する移動局装置5のIFFT部のポイント数と等しい。
【0134】
サブキャリアデマッピング部315は、制御部105から入力された制御信号に基づき、FFT部313が復調した信号を、DM RSと、SRSと、PUSCHの信号と、PUCCHの信号とに分離する。サブキャリアデマッピング部315は、分離したDM RSを伝搬路推定部317に出力し、分離したSRSをSRS処理部333に出力し、分離したPUSCHの信号をPUSCH用の伝搬路等化部319に出力し、分離したPUCCHの信号をPUCCH用の伝搬路等化部321に出力する。
【0135】
伝搬路推定部317は、サブキャリアデマッピング部315が分離したDM RSと既知の信号を用いて伝搬路の変動を推定する。伝搬路推定部317は、推定した伝搬路推定値を、PUSCH用の伝搬路等化部319と、PUCCH用の伝搬路等化部321に出力する。PUSCH用の伝搬路等化部319は、サブキャリアデマッピング部315が分離したPUSCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部317から入力された伝搬路推定値に基づいて等化する。ここで、等化とは、信号が無線通信中に受けた伝搬路の変動を元に戻す処理のことを表す。PUSCH用の伝搬路等化部319は、調整した信号をIDFT部323に出力する。
【0136】
IDFT部323は、PUSCH用の伝搬路等化部319から入力された信号を離散逆フーリエ変換し、データ復調部325に出力する。データ復調部325は、IDFT部323が変換したPUSCHの信号の復調を行ない、復調したPUSCHの信号をターボ復号部327に出力する。この復調は、移動局装置5のデータ変調部で用いられる変調方式に対応した復調であり、変調方式は制御部105より入力される。ターボ復号部327は、データ復調部325から入力され、復調されたPUSCHの信号から、情報データを復号する。符号化率は、制御部105より入力される。
【0137】
PUCCH用の伝搬路等化部321は、サブキャリアデマッピング部315で分離されたPUCCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部317から入力された伝搬路推定値に基づいて等化する。PUCCH用の伝搬路等化部321は、等化した信号を物理上りリンク制御チャネル検出部329に出力する。
【0138】
物理上りリンク制御チャネル検出部329は、PUCCH用の伝搬路等化部321から入力された信号を復調、復号し、UCIを検出する。物理上りリンク制御チャネル検出部329は、周波数領域、および/または時間領域で符号多重された信号を分離する処理を行なう。物理上りリンク制御チャネル検出部329は、送信側で用いられた符号系列を用いて周波数領域、および/または時間領域で符号多重されたPUCCHの信号からACK/NACK、SR、CQIを検出するための処理を行う。具体的には、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、周波数領域での符号系列を用いた検出処理、つまり周波数領域で符号多重された信号を分離する処理として、PUCCHのサブキャリア毎の信号に対して符号系列の各符号を乗算した後、各符号を乗算した信号を合成する。具体的には、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、時間領域での符号系列を用いた検出処理、つまり時間領域での符号多重された信号を分離する処理として、PUCCHのSC−FDMAシンボル毎の信号に対して符号系列の各符号を乗算した後、各符号を乗算した信号を合成する。なお、物理上りリンク制御チャネル検出部329は、制御部105からの制御信号に基づき、PUCCHの信号に対する検出処理を設定する。
【0139】
SRS処理部333は、サブキャリアでマッピング部315から入力されたSRSを用いて、チャネル品質を測定し、UL PRBのチャネル品質の測定結果を制御部105に出力する。SRS処理部333は、どの上りリンクサブフレーム、どのUL PRBの信号に対して移動局装置5のチャネル品質の測定を行うかが制御部105より指示される。また、SRS処理部333は、サブキャリアでマッピング部315から入力されたSRSを用いて、上りリンクの同期ずれを検出し、上りリンクの同期ずれを示す情報(同期ずれ情報)を制御部105に出力する。なお、SRS処理部333は、時間領域の受信信号から上りリンクの同期ずれを検出する処理を行うようにしてもよい。具体的な処理は、後述するプリアンブル検出部331で行われる処理と同等の処理を行うようにしてもよい。
【0140】
プリアンブル検出部331は、A/D部303より入力された信号に基づいて、PRACHに相当する受信信号に対して送信されたプリアンブルを検出(受信)する処理を行う。具体的には、プリアンブル検出部331は、ガードタイム内の様々なタイミングの受信信号に対して、送信される可能性のある、各プリアンブル系列を用いて生成したレプリカの信号との相関処理を行う。例えば、プリアンブル検出部331は、相関値が予め設定された閾値よりも高かった場合、相関処理に用いられたレプリカの信号の生成に用いられたプリアンブル系列と同一の信号が、移動局装置5より送信されたと判断する。そして、プリアンブル検出部331は、最も相関値の高いタイミングをプリアンブル系列の到来タイミングと判断する。そして、プリアンブル検出部331は、検出したプリアンブル系列を示す情報と、到来タイミングを示す情報を少なくとも含むプリアンブル検出情報を生成し、制御部105に出力する。
【0141】
制御部105は、基地局装置3が、移動局装置5にPDCCHを用いて送信した制御情報(DCI)、及びPDSCHを用いて送信した制御情報(RRCシグナリング)に基づいて、サブキャリアデマッピング部315、データ復調部325、ターボ復号部327、伝搬路推定部317、および物理上りリンク制御チャネル検出部329の制御を行なう。また、制御部105は、基地局装置3が移動局装置5に送信した制御情報に基づき、各移動局装置5が送信した(送信した可能性のある)PRACH、PUSCH、PUCCH、SRSがどのリソース(上りリンクサブフレーム、UL PRB、周波数領域の符号系列、時間領域の符号系列)により構成されているかを把握している。
【0142】
<移動局装置5の全体構成>
以下、図4、図5、図6を用いて、本実施形態に係る移動局装置5の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、移動局装置5は、受信処理部(第一の受信処理部)401、無線リソース制御部(第一の無線リソース制御部)403、制御部(第一の制御部)405、送信処理部(第一の送信処理部)407を含んで構成される。
【0143】
受信処理部401は、基地局装置3から信号を受信し、制御部405の指示に従い、受信信号を復調、復号する。受信処理部401は、自装置宛てのPDCCH(第一のPDCCH、第二のPDCCH)の信号を検出した場合は、PDCCHの信号を復号して取得したDCIを制御部405に出力する。例えば、受信処理部401は、基地局装置3から指定された第二のPDCCH領域内のSearch Spaceにおいて自装置宛ての第二のPDCCHを検出する処理を行う。例えば、受信処理部401は、基地局装置3から指定された第二のPDCCH領域内のUE−specific RSを用いて伝搬路の推定を行い、第二のPDCCHの信号の復調を行ない、自装置宛ての制御情報を含む信号を検出する処理を行う。受信処理部401は、制御部405の指示に従って初期化を制御したUE−specific RSを用いて第二のPDCCHの信号の復調を行う。受信処理部401は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の第二のPDCCHの信号に対しては、第一の初期化を実行して生成したUE−specific RSを用いて復調を行う。受信処理部401は、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の第二のPDCCHの信号に対しては、第二の初期化を実行して生成したUE−specific RSを用いて復調を行う。
【0144】
また、受信処理部401は、PDCCHに含まれるDCIを制御部405に出力した後の制御部405の指示に基づき、自装置宛てのPDSCHを復号して得た情報データを、制御部405を介して上位層に出力する。PDCCHに含まれるDCIの中で下りリンクアサインメントがPDSCHのリソースの割り当てを示す情報を含む。また、受信処理部401は、PDSCHを復号して得た基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報を制御部405に出力し、また制御部405を介して自装置の無線リソース制御部403に出力する。例えば、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報は、第二のPDCCH領域のDL PRBを示す情報、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す情報(第一の物理リソースマッピング、または第二の物理リソースマッピングを示す情報)を含む。
【0145】
また、受信処理部401は、PDSCHに含まれる巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check: CRC)符号を制御部405に出力する。基地局装置3の説明では省略したが、基地局装置3の送信処理部107は情報データからCRC符号を生成し、情報データとCRC符号をPDSCHで送信する。CRC符号は、PDSCHに含まれるデータが誤っているか、誤っていないかを判断するために使われる。例えば、移動局装置5において予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報と、基地局装置3において生成され、PDSCHで送信されたCRC符号とが同じ場合はデータが誤っていないと判断され、移動局装置5において予め決められた生成多項式を用いてデータから生成された情報と、基地局装置3において生成され、PDSCHで送信されたCRC符号とが異なる場合はデータが誤っていると判断される。
【0146】
また、受信処理部401は、下りリンクの受信品質(RSRP: Reference Signal Received Power; 参照信号受信電力)を測定し、測定結果を制御部405に出力する。受信処理部401は、制御部405からの指示に基づき、CRS、またはCSI−RSからRSRPを測定(計算)する。受信処理部401の詳細については後述する。
【0147】
制御部405は、PDSCHを用いて基地局装置3から送信され、受信処理部401より入力されたデータを確認し、データの中で情報データを上位層に出力し、データの中で基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報に基づいて、受信処理部401、送信処理部407を制御する。また、制御部405は、無線リソース制御部403からの指示に基づき、受信処理部401、送信処理部407を制御する。例えば、制御部405は、無線リソース制御部403から指示された第二のPDCCH領域のDL PRB内の信号に対して第二のPDCCHを検出する処理を行なうように受信処理部401を制御する。例えば、制御部405は、無線リソース制御部403から指示された第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングを示す情報に基づき、第二のPDCCH領域の物理リソースのデマッピングを行なうように受信処理部401を制御する。ここで、第二のPDCCH領域の物理リソースのデマッピングとは、例えば、図18、図19に示すように、第二のPDCCH領域内の信号から1つのVRBを構成(形成、構築、作成)する処理のことを意味する。また、制御部405は、第二のPDCCH領域内で第二のPDCCHを検出する処理を実行する領域を受信処理部401に対して制御する。具体的には、制御部405は、それぞれの第二のPDCCH領域に対して、第二のPDCCH領域内で第二のPDCCHを検出する処理を実行する最初のVRBの番号、第二のPDCCH候補の数を、それぞれのVRB集合数毎に受信処理部401に指示(設定)する。また、制御部405は、無線リソース制御部403から指示された第二のPDCCH領域に対して第一の初期化、または第二の初期化を実行してUE−specific RSを生成し、生成したUE−specific RSと受信したUE−specific RSに相当する信号から伝搬路変動を推定し、推定した伝搬路推定値を用いて第二のPDCCHの信号を復調する処理を行うように受信処理部401を制御する。
【0148】
また、制御部405は、PDCCHを用いて基地局装置3から送信され、受信処理部401より入力されたDCIに基づいて、受信処理部401、送信処理部407を制御する。具体的には、制御部405は検出された下りリンクアサインメントに主に基づき受信処理部401を制御し、検出された上りリンクグラントに主に基づき送信処理部407を制御する。また、制御部405は下りリンクアサインメントに含まれるPUCCHの送信電力制御コマンドを示す制御情報に基づき送信処理部407を制御する。制御部405は、受信処理部401より入力されたデータから予め決められた生成多項式を用いて生成した情報と、受信処理部401より入力されたCRC符号とを比較し、データが誤っているか否かを判断し、ACK/NACKを生成する。また、制御部405は、無線リソース制御部403からの指示に基づき、SR、CQIを生成する。また、制御部405は、基地局装置3から通知された上りリンクの送信タイミングの調整値等に基づいて、送信処理部407の信号の送信タイミングを制御する。
【0149】
無線リソース制御部403は、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成され、基地局装置3より通知された制御情報を記憶して保持すると共に、制御部405を介して受信処理部401、送信処理部407の制御を行なう。つまり、無線リソース制御部403は、各種パラメータなどを保持するメモリの機能を備える。例えば、無線リソース制御部403は、第二のPDCCH領域のDL PRB、第二のPDCCH領域の物理リソースマッピングに関する情報を保持し、各種制御信号を制御部405に出力する。無線リソース制御部403は、PUSCH、PUCCH、SRS、PRACHの送信電力に関連するパラメータを保持し、基地局装置3より通知されたパラメータを用いるように制御信号を制御部405に出力する。
【0150】
無線リソース制御部403は、PUCCH、PUSCH、SRS、PRACHなどの送信電力に関連するパラメータの値を設定する。無線リソース制御部403において設定された送信電力の値は、制御部405により送信処理部407に対して出力される。なお、PUCCHと同じUL PRB内のリソースより構成されるDM RSは、PUCCHと同じ送信電力制御が行なわれる。なお、PUSCHと同じUL PRBのリソースより構成されるDM RSは、PUSCHと同じ送信電力制御が行なわれる。無線リソース制御部403は、PUSCHに対して、PUSCHに割り当てられるUL PRBの数に基づくパラメータ、予め基地局装置3より通知されたセル固有、および移動局装置固有のパラメータ、PUSCHに用いられる変調方式に基づくパラメータ、推定されたパスロスの値に基づくパラメータ、基地局装置3より通知された送信電力制御コマンドに基づくパラメータなどの値を設定する。無線リソース制御部403は、PUCCHに対して、PUCCHの信号構成に基づくパラメータ、予め基地局装置3より通知されたセル固有、および移動局装置固有のパラメータ、推定されたパスロスの値に基づくパラメータ、通知された送信電力制御コマンドに基づくパラメータなどの値を設定する。
【0151】
なお、送信電力に関連するパラメータとして、セル固有、および移動局装置固有のパラメータはPDSCHを用いて基地局装置3より通知され、送信電力制御コマンドはPDCCHを用いて基地局装置3より通知される。PUSCHに対する送信電力制御コマンドは上りリンクグラントに含まれ、PUCCHに対する送信電力制御コマンドは下りリンクアサインメントに含まれる。なお、基地局装置3より通知された、送信電力に関連する各種パラメータは無線リソース制御部403において適宜記憶され、記憶された値が制御部405に入力される。
【0152】
送信処理部407は、制御部405の指示に従い、情報データ、UCIを符号化および変調した信号をPUSCH、PUCCHのリソースを用いて、基地局装置3に送信アンテナ411を介して送信する。また、送信処理部407は、制御部405の指示に従い、PUSCH、PUCCH、SRS、DM RS、PRACHの送信電力を設定する。送信処理部407の詳細については後述する。
【0153】
<移動局装置5の受信処理部401>
以下、移動局装置5の受信処理部401の詳細について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の受信処理部401の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、受信処理部401は、受信RF部501、A/D部503、シンボルタイミング検出部505、GI除去部507、FFT部509、多重分離部511、伝搬路推定部513、PDSCH用の伝搬路補償部515、物理下りリンク共用チャネル復号部517、PDCCH用の伝搬路補償部519、物理下りリンク制御チャネル復号部521、下りリンク受信品質測定部531、およびPDCCHデマッピング部533を含んで構成される。また、この図に示すように、物理下りリンク共用チャネル復号部517は、データ復調部523、および、ターボ復号部525、を備える。また、この図に示すように、物理下りリンク制御チャネル復号部521は、QPSK復調部527、および、ビタビデコーダ部529、を備える。
【0154】
受信RF部501は、受信アンテナ409で受信した信号を、適切に増幅し、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調する。受信RF部501は、直交復調したアナログ信号を、A/D部503に出力する。
【0155】
A/D部503は、受信RF部501が直交復調したアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換したディジタル信号を、シンボルタイミング検出部505と、GI除去部507と、に出力する。シンボルタイミング検出部505は、A/D部503が変換したディジタル信号に基づいて、シンボルのタイミングを検出し、検出したシンボル境界のタイミングを示す制御信号を、GI除去部507に出力する。GI除去部507は、シンボルタイミング検出部505からの制御信号に基づいて、A/D部503の出力したディジタル信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、残りの部分の信号を、FFT部509に出力する。FFT部509は、GI除去部507から入力された信号を高速フーリエ変換し、OFDM方式の復調を行ない、多重分離部511に出力する。
【0156】
多重分離部511は、制御部405から入力された制御信号に基づき、FFT部509が復調した信号を、PDCCH(第一のPDCCH、第二のPDCCH)の信号と、PDSCHの信号とに分離する。多重分離部511は、分離したPDSCHの信号を、PDSCH用の伝搬路補償部515に出力し、また、分離したPDCCHの信号を、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。例えば、多重分離部511は、自装置に指定された第二のPDCCH領域の第二のPDCCHの信号をPDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。また、多重分離部511は、下りリンク参照信号が配置される下りリンクリソースエレメントを分離し、下りリンク参照信号(CRS、UE−specific RS)を、伝搬路推定部513に出力する。例えば、多重分離部511は、自装置に指定された第二のPDCCH領域のUE−specific RSを伝搬路推定部513に出力する。また、多重分離部511は、下りリンク参照信号(CRS、CSI‐RS)を下りリンク受信品質測定部531に出力する。
【0157】
伝搬路推定部513は、多重分離部511が分離した下りリンク参照信号と既知の信号とを用いて伝搬路の変動を推定し、伝搬路の変動を補償するように、振幅および位相を調整するための伝搬路補償値を、PDSCH用の伝搬路補償部515と、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。伝搬路推定部513は、CRSとUE−specific RSをそれぞれ用いて独立に伝搬路の変動を推定し、伝搬路補償値を出力する。例えば、伝搬路推定部513は、自装置に指定された第二のPDCCH領域内の複数のDL PRBに配置されたUE−specific RSを用いて推定した伝搬路推定値から伝搬路補償値を生成し、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。例えば、伝搬路推定部513は、自装置に割り当てられ、PDSCHに割り当てられた複数のDL PRBに配置されたUE−specific RSを用いて推定した伝搬路推定値から伝搬路補償値を生成し、PDSCH用の伝搬路補償部515に出力する。例えば、伝搬路推定部513は、CRSを用いて推定した伝搬路推定値から伝搬路補償値を生成し、PDCCH用の伝搬路補償部519に出力する。例えば、伝搬路推定部513は、CRSを用いて推定した伝搬路推定値から伝搬路補償値を生成し、PDSCH用の伝搬路補償部515に出力する。
【0158】
伝搬路推定部513は、制御部405からの指示に基づき、第一の初期化、または第二の初期化を実行してUE−specific RSを生成し、生成したUE−specific RSを既知の信号として用いて伝搬路の変動を推定する。伝搬路推定部513は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の伝搬路の変動の推定に用いるUE−specific RSは第一の初期化を用いて生成し、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の伝搬路の変動の推定に用いるUE−specific RSは第二の初期化を用いて生成する。
【0159】
PDSCH用の伝搬路補償部515は、多重分離部511が分離したPDSCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部513から入力された伝搬路補償値に従って調整する。例えば、PDSCH用の伝搬路補償部515は、あるPDSCHの信号に対して伝搬路推定部513でUE−specific RSに基づいて生成された伝搬路補償値に従って調整し、異なるPDSCHの信号に対して伝搬路推定部513でCRSに基づいて生成された伝搬路補償値に従って調整する。PDSCH用の伝搬路補償部515は、伝搬路を調整した信号を物理下りリンク共用チャネル復号部517のデータ復調部523に出力する。
【0160】
物理下りリンク共用チャネル復号部517は、制御部405からの指示に基づき、PDSCHの復調、復号を行ない、情報データを検出する。データ復調部523は、伝搬路補償部515から入力されたPDSCHの信号の復調を行ない、復調したPDSCHの信号をターボ復号部525に出力する。この復調は、基地局装置3のデータ変調部221で用いられる変調方式に対応した復調である。ターボ復号部525は、データ復調部523から入力され、復調されたPDSCHの信号から情報データを復号し、制御部405を介して上位層に出力する。なお、PDSCHを用いて送信された、基地局装置3の無線リソース制御部103で生成された制御情報等も制御部405に出力され、制御部405を介して無線リソース制御部403にも出力される。なお、PDSCHに含まれるCRC符号も制御部405に出力される。
【0161】
PDCCH用の伝搬路補償部519は、多重分離部511が分離したPDCCHの信号の振幅および位相を、伝搬路推定部513から入力された伝搬路補償値に従って調整する。例えば、PDCCH用の伝搬路補償部519は、第二のPDCCHの信号に対して伝搬路推定部513でUE−specific RSに基づいて生成された伝搬路補償値に従って調整し、第一のPDCCHの信号に対して伝搬路推定部513でCRSに基づいて生成された伝搬路補償値に従って調整する。PDCCH用の伝搬路補償部519は、調整した信号をPDCCHデマッピング部533に出力する。
【0162】
PDCCHデマッピング部533は、PDCCH用の伝搬路補償部519より入力された信号に対して、第一のPDCCH用のデマッピング、または第二のPDCCH用のデマッピングを行う。更に、PDCCHデマッピング部533は、PDCCH用の伝搬路補償部519より入力された第二のPDCCHの信号に対して、第一の物理リソースマッピングに対するデマッピング、または第二の物理リソースマッピングに対するデマッピングを行う。PDCCHデマッピング部533は、入力された第一のPDCCHの信号に対して、物理下りリンク制御チャネル復号部521において、図14に示すCCE単位で処理が行われるように、図15を用いて説明したように、入力された第一のPDCCHの信号をCCE単位の信号に変換する。PDCCHデマッピング部533は、入力された第二のPDCCHの信号に対して、物理下りリンク制御チャネル復号部521において、図17に示すVRB単位で処理が行われるように、入力された第二のPDCCHの信号をVRB単位の信号に変換する。PDCCHデマッピング部533は、入力された、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の第二のPDCCHの信号を、図18を用いて説明したように、VRB単位の信号に変換する。PDCCHデマッピング部533は、入力された、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の第二のPDCCHの信号を、図19を用いて説明したように、VRB単位の信号に変換する。PDCCHデマッピング部533は、変換した信号を物理下りリンク制御チャネル復号部521のQPSK復調部527に出力する。
【0163】
物理下りリンク制御チャネル復号部521は、以下のように、PDCCH用の伝搬路補償部519から入力された信号を復調、復号し、制御データを検出する。QPSK復調部527は、PDCCHの信号に対してQPSK復調を行ない、ビタビデコーダ部529に出力する。ビタビデコーダ部529は、QPSK復調部527が復調した信号を復号し、復号したDCIを制御部405に出力する。ここで、この信号はビット単位で表現され、ビタビデコーダ部529は、入力ビットに対してビタビデコーディング処理を行なうビットの数を調整するためにレートデマッチングも行なう。
【0164】
先ず、第一のPDCCHに対する検出処理について説明する。移動局装置5は、複数のCCE aggregation numberを想定して、自装置宛てのDCIを検出する処理を行なう。移動局装置5は、想定するCCE aggregation number(符号化率)毎に異なる復号処理を第一のPDCCHの信号に対して行ない、DCIと一緒に第一のPDCCHに付加されるCRC符号に誤りが検出されなかった第一のPDCCHに含まれるDCIを取得する。このような処理をブラインドデコーディングと称す。なお、移動局装置5は、下りリンクシステム帯域の全てのCCE(REG)の信号(受信信号)に対して第一のPDCCHを想定したブラインドデコーディングを行なうのではなく、一部のCCEに対してのみブラインドデコーディングを行なう。ブラインドデコーディングが行なわれる一部のCCE(CCEs)をSearch space(第一のPDCCH用のSearch space)と呼称する。また、CCE aggregation number毎に異なるSearch space(第一のPDCCH用のSearch space)が定義される。本発明の実施形態の通信システム1では、第一のPDCCHに対して、それぞれ異なるSearch space(第一のPDCCH用のSearch space)が移動局装置5において設定される。ここで、各移動局装置5の第一のPDCCHに対するSearch space(第一のPDCCH用のSearch space)は、全く異なるCCE(CCEs)により構成されてもよいし、全く同じCCE(CCEs)により構成されてもよいし、一部が重複するCCE(CCEs)により構成されてもよい。
【0165】
次に、第二のPDCCHに対する検出処理について説明する。移動局装置5は、複数のVRB aggregation numberを想定して、自装置宛てのDCIを検出する処理を行なう。移動局装置5は、想定するVRB aggregation number(符号化率)毎に異なる復号処理を第二のPDCCHの信号に対して行ない、DCIと一緒に第二のPDCCHに付加されるCRC符号に誤りが検出されなかった第二のPDCCHに含まれるDCIを取得する。このような処理をブラインドデコーディングと称す。なお、移動局装置5は、基地局装置3から構成された第二のPDCCH領域のVRBの信号(受信信号)に対して第二のPDCCHを想定したブラインドデコーディングを行なうのではなく、一部のVRBに対してのみブラインドデコーディングを行なう。ブラインドデコーディングが行なわれる一部のVRB(VRBs)をSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)と呼称する。また、VRB aggregation number毎に異なるSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)が定義される。複数の第二のPDCCH領域が構成された移動局装置5は、それぞれの構成された第二のPDCCH領域にSearch spaceが設定(構成、定義)される。移動局装置5は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域と、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域とのそれぞれに対して、Search spaceが設定される。複数の第二のPDCCH領域が構成された移動局装置5は、ある下りリンクサブフレームにおいて同時に複数のSearch spaceが設定される。
【0166】
本発明の実施形態の通信システム1では、第二のPDCCHに対して、それぞれ異なるSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)が移動局装置5において設定される。ここで、同じ第二のPDCCH領域が構成された各移動局装置5の第二のPDCCHに対するSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)は、全く異なるVRB(VRBs)により構成されてもよいし、全く同じVRB(VRBs)により構成されてもよいし、一部が重複するVRB(VRBs)により構成されてもよい。
【0167】
複数の第二のPDCCH領域が構成された移動局装置5は、各第二のPDCCH領域においてSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)が設定される。Search space(第二のPDCCH用のSearch space)とは、移動局装置5が第二のPDCCH領域内で第二のPDCCHの復号検出を行なう論理的な領域を意味する。Search space(第二のPDCCH用のSearch space)は、複数の第二のPDCCH候補から構成される。第二のPDCCH候補とは、移動局装置5が第二のPDCCHの復号検出を行う対象である。VRB aggregation number毎に、異なる第二のPDCCH候補は異なるVRB(1つのVRB、複数のVRBを含む)から構成される。Search space(第二のPDCCH用のSearch space)の複数の第二のPDCCH候補を構成するVRBは、VRB番号の連続する複数のVRBから構成される。第二のPDCCH領域内でSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)に用いられる最初のVRB番号が移動局装置5毎に設定される。例えば、移動局装置5に割り当てられた識別子(移動局識別子)を用いたランダム関数により、Search space(第二のPDCCH用のSearch space)に用いられる最初のVRB番号が設定される。例えば、基地局装置3がRRCシグナリングを用いて、Search space(第二のPDCCH用のSearch space)に用いられる最初のVRB番号を移動局装置5に通知する。
【0168】
複数の第二のPDCCH領域のそれぞれのSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)では、第二のPDCCHの候補の数と異なってもよい。第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数を、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数より多くする。例えば、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)のVRB aggregation 1の第二のPDCCHの候補の数と、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)のVRB aggregation 1の第二のPDCCHの候補の数より多くする。
【0169】
あるVRB集合数では、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数と、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数とが同じで、異なるVRB集合数では、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数と、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数とが、異なってもよい。例えば、あるVRB集合数では、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数が、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数より多く、異なるVRB集合数では、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数が、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数より少ない。例えば、小さい値のVRB集合数では、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数が、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数より多く、大きい値のVRB集合数では、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数が、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補の数より少ない。
【0170】
また、あるVRB集合数の第二のPDCCH候補が、一方の第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)には設定され、異なる一方の第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)には設定されなくてもよい。例えば、小さい値のVRB集合数では、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)にのみ第二のPDCCH候補を設定し、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)には第二のPDCCH候補を設定せず、大きい値のVRB集合数では、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)にのみ第二のPDCCH候補を設定し、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)には第二のPDCCH候補を設定しない。
【0171】
また、移動局装置5に構成される第二のPDCCH領域の数に応じて、1つの第二のPDCCH領域内のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補数を変動させてもよい。例えば、移動局装置5に構成される第二のPDCCH領域の数が増えるにつれ、1つの第二のPDCCH領域内のSearch space(第二のPDCCH用のSearch space)の第二のPDCCH候補数を少なくする。
【0172】
なお、制御部405は、ビタビデコーダ部529より入力されたDCIが誤りなく、自装置宛てのDCIかを判定し、誤りなく、自装置宛てのDCIと判定した場合、DCIに基づいて多重分離部511、データ復調部523、ターボ復号部525、および送信処理部407、を制御する。例えば、制御部405は、DCIが下りリンクアサインメントである場合、受信処理部401にPDSCHの信号を復号するように制御する。なお、PDCCHにおいてもPDSCHと同様にCRC符号が含まれており、制御部405はCRC符号を用いてPDCCHのDCIが誤っているか否かを判断する。
【0173】
下りリンク受信品質測定部531は、下りリンク参照信号(CRS、CSI‐RS)を用いてセルの下りリンクの受信品質(RSRP)を測定し、測定した下りリンクの受信品質情報を制御部405に出力する。また、下りリンク受信品質測定部531は、移動局装置5において基地局装置3に通知するCQIの生成のための、瞬時的なチャネル品質の測定も行う。下りリンク受信品質測定部531は、測定したRSRP等の情報を制御部405に出力する。
【0174】
<移動局装置5の送信処理部407>
図6は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の送信処理部407の構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、送信処理部407は、ターボ符号部611、データ変調部613、DFT部615、上りリンクパイロットチャネル処理部617、物理上りリンク制御チャネル処理部619、サブキャリアマッピング部621、IFFT部623、GI挿入部625、送信電力調整部627、ランダムアクセスチャネル処理部629、D/A部605、送信RF部607、および、送信アンテナ411を含んで構成される。送信処理部407は、情報データ、UCIに対して符号化、変調を行ない、PUSCH、PUCCHを用いて送信する信号を生成し、PUSCH、PUCCHの送信電力を調整する。送信処理部407は、PRACHを用いて送信する信号を生成し、PRACHの送信電力を調整する。送信処理部407は、DM RS、SRSを生成し、DM RS、SRSの送信電力を調整する。
【0175】
ターボ符号部611は、入力された情報データを、制御部405から指示された符号化率で、データの誤り耐性を高めるためのターボ符号化を行ない、データ変調部613に出力する。データ変調部613は、ターボ符号部611が符号化した符号データを、制御部405から指示された変調方式、例えば、QPSK、16QAM、64QAMのような変調方式で変調し、変調シンボルの信号系列を生成する。データ変調部613は、生成した変調シンボルの信号系列を、DFT部615に出力する。DFT部615は、データ変調部613が出力した信号を離散フーリエ変換し、サブキャリアマッピング部621に出力する。
【0176】
物理上りリンク制御チャネル処理部619は、制御部405から入力されたUCIを伝送するためのベースバンド信号処理を行なう。物理上りリンク制御チャネル処理部619に入力されるUCIは、ACK/NACK、SR、CQIである。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、ベースバンド信号処理を行ない、生成した信号をサブキャリアマッピング部621に出力する。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、UCIの情報ビットを符号化して信号を生成する。
【0177】
また、物理上りリンク制御チャネル処理部619は、UCIから生成される信号に対して周波数領域の符号多重および/または時間領域の符号多重に関連する信号処理を行なう。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、ACK/NACKの情報ビット、またはSRの情報ビット、またはCQIの情報ビットから生成されるPUCCHの信号に対して周波数領域の符号多重を実現するために制御部405から指示された符号系列を乗算する。物理上りリンク制御チャネル処理部619は、ACK/NACKの情報ビット、またはSRの情報ビットから生成されるPUCCHの信号に対して時間領域の符号多重を実現するために制御部405から指示された符号系列を乗算する。
【0178】
上りリンクパイロットチャネル処理部617は、基地局装置3において既知の信号であるSRS、DM RSを制御部405からの指示に基づき生成し、サブキャリアマッピング部621に出力する。
【0179】
サブキャリアマッピング部621は、上りリンクパイロットチャネル処理部617から入力された信号と、DFT部615から入力された信号と、物理上りリンク制御チャネル処理部619から入力された信号とを、制御部405からの指示に従ってサブキャリアに配置し、IFFT部623に出力する。
【0180】
IFFT部623は、サブキャリアマッピング部621が出力した信号を高速逆フーリエ変換し、GI挿入部625に出力する。ここで、IFFT部623のポイント数はDFT部615のポイント数よりも多く、移動局装置5は、DFT部615、サブキャリアマッピング部621、IFFT部623を用いることにより、PUSCHを用いて送信する信号に対してDFT−Spread−OFDM方式の変調を行なう。GI挿入部625は、IFFT部623から入力された信号に、ガードインターバルを付加し、送信電力調整部627に出力する。
【0181】
ランダムアクセスチャネル処理部629は、制御部405から指示されたプリアンブル系列を用いて、PRACHで送信する信号を生成し、生成した信号を送信電力調整部627に出力する。
【0182】
送信電力調整部627は、GI挿入部625から入力された信号、またはランダムアクセスチャネル処理部629から入力された信号に対して、制御部405からの制御信号に基づき送信電力を調整してD/A部605に出力する。なお、送信電力調整部627では、PUSCH、PUCCH、DM RS、SRS、PRACHの平均送信電力が上りリンクサブフレーム毎に制御される。
【0183】
D/A部605は、送信電力調整部627から入力されたベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、送信RF部607に出力する。送信RF部607は、D/A部605から入力されたアナログ信号から、中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去する。次に、送信RF部607は、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送信アンテナ411を介して、基地局装置3に送信する。
【0184】
図7は、本発明の実施形態に係る移動局装置5のUE−specific RSを用いて第二のPDCCHの復調を行う処理の一例を示すフローチャートである。移動局装置5は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の受信信号に対して復調を行うか否かを判定する(ステップS101)。移動局装置5は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の受信信号に対して復調を行うと判断した場合(ステップS101:YES)、第一の初期化を用いてUE−specific RSを生成する(ステップS102)。移動局装置5は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の受信信号に対して復調を行わないと判断した場合(ステップS101:NO)、言い換えると、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域の受信信号に対して復調を行うと判断した場合、第二の初期化を用いてUE−specific RSを生成する(ステップS103)。次に、UE−specific RSを生成した移動局装置5は、生成したUE−specific RSを用いて受信信号の復調を行う(ステップS104)。ステップS101の処理を言い換えると、第二のPDCCHのブラインドデコーディングを行う第二のPDCCH領域に第一の物理リソースマッピングが適用されているか否かを判定する。ここで、第二のPDCCHのブラインドデコーディングを行う第二のPDCCH領域に第一の物理リソースマッピングが適用されていないということは、第二のPDCCHのブラインドデコーディングを行う第二のPDCCH領域に第二の物理リソースマッピングが適用されているということを意味する。
【0185】
図8は、本発明の実施形態に係る基地局装置3のUE−specific RSを生成して送信する処理の一例を示すフローチャートである。基地局装置3は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で第二のPDCCHを送信するか否かを判定する(ステップT101)。基地局装置3は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で第二のPDCCHを送信すると判断した場合(ステップT101:YES)、第一の初期化を用いてUE−specific RSを生成する(ステップT102)。基地局装置3は、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で第二のPDCCH信号を送信しないと判断した場合(ステップT101:NO)、言い換えると、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で第二のPDCCH信号を送信すると判断した場合、第二の初期化を用いてUE−specific RSを生成する(ステップT103)。次に、UE−specific RSを生成した基地局装置3は、生成したUE−specific RSと第二のPDCCHの信号を送信する(ステップT104)。ステップS101の処理を言い換えると、送信する第二のPDCCHの信号が第一の物理リソースマッピングが適用された信号か否かを判定する。ここで、送信する第二のPDCCHの信号が第一の物理リソースマッピングが適用された信号ではないということは、送信する第二のPDCCHの信号が第二の物理リソースマッピングが適用された信号であるということを意味する。
【0186】
以上のように、本発明の実施形態では、通信システム1において、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で送受信されるUE−specific RSは第一の初期化を用いて生成し、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で送受信されるUE−specific RSは第二の初期化を用いて生成し、生成したUE−specific RSを送信し、受信したUE−specific RSと生成したUE−specific RSを用いて受信した第二のPDCCHの信号の復調を行うことにより、第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域では第二のPDCCHに対してMU(Multi-User)−MIMOを効率的にサポートすることができつつ、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域では第二のPDCCHに対して周波数ダイバーシチを効率的にサポートすることができる。例えば、MU−MIMOは、複数の送信アンテナを用いた基地局装置3のエリア内の異なる位置(例えば、エリアA、エリアB)に存在する複数の移動局装置5に対して、プリコーディング技術等を用いて、各移動局装置5に対する第二のPDCCHの信号に対してビームを制御することにより、周波数領域および時間領域で同一のリソースを用いた場合であっても、移動局装置5間の信号に対して互いに直交性の維持または同一チャネル干渉の低減を行う技術である。空間的に移動局装置5間の信号を多重分離することから、SDMA(Space Division Multiple Access)とも呼称する。
【0187】
第一の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で送受信されるUE−specific RSは基本的に移動局装置5毎に個別の系列が用いられるようになるので、MU−MIMOが適用された信号の復調を各移動局装置5が行うことができる。第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域で送受信されるUE−specific RSは基本的に複数の移動局装置5に共通の系列が用いられるようになるので、1つのPRBが分割されたリソースを用いて送信される信号の復調を各移動局装置5が行うことができる。
【0188】
また、移動局装置5とは、移動する端末に限らず、固定端末に移動局装置5の機能を実装することなどにより本発明を実現しても良い。
【0189】
また、本発明の実施形態では、第二の初期化の入力変数にセル識別子と、スロット番号が用いられる場合について示したが、移動局識別子(RNTI)とは異なる、その他のパラメータが追加で第二の初期化の入力変数に用いられてもよい。例えば、新たなパラメータ(パラメータ1)が定義され、RRCシグナリングにより、移動局装置5に通知されてもよい。例えば、基地局装置3は、第二の物理リソースマッピングが適用される第二のPDCCH領域毎に対してパラメータ1に共通の値を設定し、共通の値を設定したパラメータ1を、同じ第二のPDCCH領域を設定した複数の移動局装置5に対して通知する。このように、RRCシグナリングは個別に移動局装置5毎に通知されるが、実質的なパラメータ1の値は移動局装置固有ではなく、第二のPDCCH領域固有となるような構成でもよい。つまり、第二の初期化の入力変数には移動局装置固有の値のパラメータが用いられ、第一の初期化の入力変数には移動局装置固有の値のパラメータが用いられない。
【0190】
以上説明した本発明の特徴的な手段は、集積回路に機能を実装し、制御することによっても実現することができる。すなわち、本発明の集積回路は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、基地局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う移動局装置に実装される集積回路であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、が前記基地局装置より設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調する第一の受信処理部と、を有することを特徴とする。
【0191】
また、本発明の集積回路は、制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置に実装される集積回路であって、1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定する第二の無線リソース制御部と、第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成する下りリンクパイロットチャネル処理部と、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重する多重部と、を有することを特徴とする。
【0192】
本発明の実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明に関わる移動局装置5および基地局装置3で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0193】
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送することができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置5および基地局装置3の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置5および基地局装置3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。移動局装置5および基地局装置3の各機能ブロックは、複数の回路により実現してもよい。
【0194】
情報及び信号が、種々の異なるあらゆる技術及び方法を用いて示され得る。例えば上記説明を通して参照され得るチップ、シンボル、ビット、信号、情報、コマンド、命令、及びデータは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光粒子、またはこれらの組み合わせによって示され得る。
【0195】
本明細書の開示に関連して述べられた種々の例示的な論理ブロック、処理部、及びアルゴリズムステップが、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアとのこの同義性を明瞭に示すために、種々の例示的な要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、概してその機能性に関して述べられてきた。そのような機能性がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、個々のアプリケーション、及びシステム全体に課された設計の制約に依存する。当業者は、各具体的なアプリケーションにつき種々の方法で、述べられた機能性を実装し得るが、そのような実装の決定は、この開示の範囲から逸脱するものとして解釈されるべきではない。
【0196】
本明細書の開示に関連して述べられた種々の例示的な論理ブロック、処理部は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって、実装または実行され得る。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されても良い。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。
【0197】
本明細書の開示に関連して述べられた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または本分野で既知のあらゆる形態の記録媒体内に存在し得る。典型的な記録媒体は、プロセッサが情報を記録媒体から読み出すことが出来、また記録媒体に情報を書き込むことが出来るように、プロセッサに結合され得る。別の方法では、記録媒体はプロセッサに一体化されても良い。プロセッサと記録媒体は、ASIC内にあっても良い。ASICは、移動局装置(ユーザ端末)内にあり得る。あるいは、プロセッサ及び記録媒体は、ディスクリート要素として移動局装置5内にあっても良い。
【0198】
1つまたはそれ以上の典型的なデザインにおいて、述べられた機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらを組み合わせたもので実装され得る。もしソフトウェアによって実装されるのであれば、機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。記録媒体は、汎用または特殊用途のコンピュータによってアクセスされることが可能な市販のいずれの媒体であって良い。一例であってこれに限定するものではないものとして、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CDROMまたはその他の光ディスク媒体、磁気ディスク媒体またはその他の磁気記録媒体、または汎用または特殊用途のコンピュータまたは汎用または特殊用途のプロセッサによりアクセス可能とされ且つ命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコード手段を持ち運びまたは保持するために使用可能な媒体を含むことが出来る。また、あらゆる接続が、適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、もしソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外、無線、またマイクロ波のような無線技術を用いて、ウェブサイト、サーバ、またはその他の遠隔ソースから送信される場合には、これらの同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外、無線、またマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光学ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、ブルーレイディスク、を含み、ディスク(disk)は、一般的に、磁気的にデータを再生する一方で、ディスク(disc)はレーザによって光学的にデータを再生する。上記のものを組み合わせたものもまた、コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるべきである。
【0199】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0200】
3 基地局装置
4(A〜C) RRH
5(A〜C) 移動局装置
101 受信処理部
103 無線リソース制御部
105 制御部
107 送信処理部
109 受信アンテナ
111 送信アンテナ
201 物理下りリンク共用チャネル処理部
203 物理下りリンク制御チャネル処理部
205 下りリンクパイロットチャネル処理部
207 多重部
209 IFFT部
211 GI挿入部
213 D/A部
215 送信RF部
219 ターボ符号部
221 データ変調部
223 畳み込み符号部
225 QPSK変調部
227 プリコーディング処理部(PDCCH用)
229 プリコーディング処理部(PDSCH用)
231 プリコーディング処理部(下りリンクパイロットチャネル用)
301 受信RF部
303 A/D部
309 シンボルタイミング検出部
311 GI除去部
313 FFT部
315 サブキャリアデマッピング部
317 伝搬路推定部
319 伝搬路等化部(PUSCH用)
321 伝搬路等化部(PUCCH用)
323 IDFT部
325 データ復調部
327 ターボ復号部
329 物理上りリンク制御チャネル検出部
331 プリアンブル検出部
333 SRS処理部
401 受信処理部
403 無線リソース制御部
405 制御部
407 送信処理部
409 受信アンテナ
411 送信アンテナ
501 受信RF部
503 A/D部
505 シンボルタイミング検出部
507 GI除去部
509 FFT部
511 多重分離部
513 伝搬路推定部
515 伝搬路補償部(PDSCH用)
517 物理下りリンク共用チャネル復号部
519 伝搬路補償部(PDCCH用)
521 物理下りリンク制御チャネル復号部
523 データ復調部
525 ターボ復号部
527 QPSK復調部
529 ビタビデコーダ部
531 下りリンク受信品質測定部
533 PDCCHデマッピング部
605 D/A部
607 送信RF部
611 ターボ符号部
613 データ変調部
615 DFT部
617 上りリンクパイロットチャネル処理部
619 物理上りリンク制御チャネル処理部
621 サブキャリアマッピング部
623 IFFT部
625 GI挿入部
627 送信電力調整部
629 ランダムアクセスチャネル処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置および前記複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置から構成される通信システムであって、
前記基地局装置は、
1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定する第二の無線リソース制御部と、
第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成する下りリンクパイロットチャネル処理部と、
前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重する多重部と、を有し、
前記移動局装置は、
前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を前記参照信号と前記第一の初期化を実行して生成された系列とを用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を前記参照信号と前記第二の初期化を実行して生成された系列とを用いて復調する第一の受信処理部と、を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第一の初期化の入力変数には移動局識別子と、セル識別子と、スロット番号が用いられ、前記第二の初期化の入力変数にはセル識別子と、スロット番号が用いられることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記参照信号に用いられる系列は擬似ランダム系列であることを特徴とする請求項2記載の通信システム。
【請求項4】
前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域の制御チャネルにはプリコーディング処理が適用され、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域の制御チャネルにはプリコーディング処理が適用されないことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項5】
制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、基地局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う移動局装置であって、
1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、が前記基地局装置より設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調する第一の受信処理部と、を有することを特徴とする移動局装置。
【請求項6】
制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置であって、
1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定する第二の無線リソース制御部と、
第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成する下りリンクパイロットチャネル処理部と、
前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重する多重部と、を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項7】
制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、基地局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う移動局装置に用いられる通信方法であって、
1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、が前記基地局装置より設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする通信方法。
【請求項8】
制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置に用いられる通信方法であって、
1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定するステップと、
第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成するステップと、
前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする通信方法。
【請求項9】
制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、基地局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う移動局装置に実装される集積回路であって、
1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、が前記基地局装置より設定され、前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第一の初期化を実行して生成された系列を用いて復調し、前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内の信号を第二の初期化を実行して生成された系列を用いて復調する第一の受信処理部と、を有することを特徴とする集積回路。
【請求項10】
制御チャネルが配置される可能性のある領域である制御チャネル領域として複数の物理リソースブロックが構成され、制御チャネルは1個以上の第一の要素から構成され、複数の移動局装置と前記制御チャネルを用いて通信を行う基地局装置に実装される集積回路であって、
1つの前記第一の要素が1つの物理リソースブロックのリソースから構成される第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、1つの物理リソースブロックを分割したリソースである第二の要素であり、1つの前記第一の要素が複数の異なる物理リソースブロックの前記第二の要素から構成される第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域と、を前記移動局装置に対して設定する第二の無線リソース制御部と、
第一の初期化、または第二の初期化を実行して、参照信号に用いられる系列を生成する下りリンクパイロットチャネル処理部と、
前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第一の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第一の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重し、前記下りリンクパイロットチャネル処理部において前記第二の初期化を実行して生成された前記参照信号を前記第二の物理リソースマッピングが適用される制御チャネル領域内に多重する多重部と、を有することを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−102320(P2013−102320A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244311(P2011−244311)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】