説明

通信システム、通信方法及びコネクションサーバ

【課題】NAT機能やファイアウォール機能を有する装置の配下に第2端末が設けられている場合であっても、第2端末から第1端末にデータを中継する負荷を軽減しながら、第2端末から第1端末にデータを中継することを可能とする通信システム、通信方法及びコネクションサーバを提供する。
【解決手段】コネクションサーバ30は、第1端末が第2端末にアクセスするための接続情報と、複数のゲートウェイ20間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理する管理部33と、論理距離情報に基づいて、第2端末に格納されたデータを第1端末に中継する複数の中継経路を選択する選択部34と、複数の中継経路上に設けられるリレーノードに接続情報を通知する通信部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第2端末に格納されたデータを第1端末に中継するための通信システム、通信方法及びコネクションサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットなどのネットワークを介して、第2端末に格納されたデータを第2端末から第1端末が取得する通信システムが知られている。
【0003】
(1)NAT
グローバルIPアドレス(例えば、IPv4)の枯渇を解消するために、IPアドレスの変更を行う技術(NAT;Network Address Translation)が知られている。
【0004】
ここで、NAT機能を有する装置(ルータやゲートウェイなど)の配下に第2端末が設けられている場合には、第2端末のローカルIPアドレスが変更されてしまうため、第2端末のローカルIPアドレスを第1端末が把握することができず、第1端末が第2端末にアクセスできなくなってしまう。
【0005】
このような事態を解消するために、DDNS(Dynamic Domain Name System)などの技術が提案されている。DDNSでは、第2端末にアクセスするための接続情報(ローカルIPアドレス)を管理する装置に対して、第2端末の接続情報を定期的に送信することによって、第2端末の接続情報が更新される。これによって、第1端末は、現在の第2端末の接続情報を取得し、第2端末にアクセスできる。
【0006】
(2)ファイアウォール
不正なアクセスを抑制するために、ファイアウォール機能を有する装置(ルータやゲートウェイなど)の配下に第2端末が設けられている場合には、第1端末が第2端末に自由にアクセスできない。
【0007】
このような事態を解消するために、PP(Port Punching)などの技術が提案されている。PPでは、第1端末の認証が成功した場合に、第1端末は、第2端末にアクセスするための接続情報(ポート番号)を取得し、第2端末にアクセスできる。
【0008】
(3)リレーノード
上述したシステムにおいて、第1端末と第2端末との間でデータを中継するリレーノードも提案されている(例えば、特許文献1)。詳細には、第1端末によって選択されたリレーノードを識別する情報が仲介サーバを介して第2端末に送信される。これによって、第1端末と第2端末との間でデータを中継するリレーノードが第1端末及び第2端末によって共有されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−135591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、1回のセッションにおいて第2端末から第1端末に送信されるデータ(例えば、1つのファイル)の量が大きいケースでは、1つのリレーノードがデータを中継すると、1つのリレーノードの負荷が増大する。特に、第2端末から第1端末に送信されるデータが画像や音声などである場合に、1つのリレーノードの負荷が著しく増大する。
【0011】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、NAT機能やファイアウォール機能を有する装置の配下に第2端末が設けられている場合であっても、第2端末から第1端末にデータを中継する負荷を軽減しながら、第2端末から第1端末にデータを中継することを可能とする通信システム、通信方法及びコネクションサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の特徴に係る通信システムは、複数のリレーノードと、前記複数のリレーノードを管理するコネクションサーバとを有しており、前記複数のリレーノードのうち、第2リレーノードの配下に設けられる第2端末に格納されたデータを、前記複数のリレーノードのうち、第1リレーノードの配下に設けられる第1端末に中継する。前記コネクションサーバであって、前記第1端末が前記第2端末にアクセスするための接続情報と、前記複数のリレーノード間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理する管理部と、前記論理距離情報に基づいて、前記第2端末に格納されたデータを前記第1端末に中継する複数の中継経路を選択する選択部と、前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードに前記接続情報を通知する通知部とを有する。前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードのそれぞれは、前記接続情報を用いて、前記第2端末に格納されたデータを構成する複数の断片データのうち、割り当てられた断片データを前記第1端末に中継する。
【0013】
第1の特徴において、前記コネクションサーバは、前記第1端末から前記第2端末へのアクセスを認証する認証部を有する。前記選択部は、前記第1端末から前記第2端末へのアクセスが許可された場合に、前記複数の中継経路を選択する。
【0014】
第1の特徴において、前記選択部は、前記第2端末から前記第1端末に中継すべきデータの量に基づいて、前記複数の中継経路を選択する。
【0015】
第1の特徴において、前記選択部は、前記第2端末から前記第1端末に中継すべきデータの種別に基づいて、前記複数の中継経路を選択する。
【0016】
第1の特徴において、前記第2リレーノードがIPアドレスの変換機能を有している場合に、前記接続情報は、前記第2端末のローカルIPアドレス情報である。前記第2リレーノードがファイアウォール機能を有している場合に、前記接続情報は、前記第2端末のポート番号である。
【0017】
第2の特徴に係る通信方法は、複数のリレーノードを有する通信システムにおいて、前記複数のリレーノードのうち、第2リレーノードの配下に設けられる第2端末に格納されたデータを、前記複数のリレーノードのうち、第1リレーノードの配下に設けられる第1端末に中継するための方法である。通信方法は、前記第1端末が前記第2端末にアクセスするための接続情報と、前記複数のリレーノード間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理するステップAと、前記論理距離情報に基づいて、前記第2端末に格納されたデータを前記第1端末に中継する複数の中継経路を選択するステップBと、前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードに前記接続情報を通知するステップCと、前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードのそれぞれが、前記接続情報を用いて、前記第2端末に格納されたデータを構成する複数の断片データのうち、割り当てられた断片データを前記第1端末に中継するステップDとを備える。
【0018】
第3の特徴に係るコネクションサーバは、複数のリレーノードを有しており、前記複数のリレーノードのうち、第2リレーノードの配下に設けられる第2端末に格納されたデータを、前記複数のリレーノードのうち、第1リレーノードの配下に設けられる第1端末に中継する通信システムに設けられる。コネクションサーバは、前記第1端末が前記第2端末にアクセスするための接続情報と、前記複数のリレーノード間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理する管理部と、前記論理距離情報に基づいて、前記第2端末に格納されたデータを前記第1端末に中継する複数の中継経路を選択する選択部と、前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードに前記接続情報を通知する通知部とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本願によれば、NAT機能やファイアウォール機能を有する装置の配下に第2端末が設けられている場合であっても、第2端末から第1端末にデータを中継する負荷を軽減しながら、第2端末から第1端末にデータを中継することを可能とする通信システム、通信方法及びコネクションサーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、第1実施形態に係る通信システムを示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るコネクションサーバ30を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る接続情報を説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る論理距離情報を説明するための図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る通信方法を説明するための図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る通信方法を説明するための図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る通信方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、本発明の実施形態に係る通信システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0022】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0023】
[実施形態の概要]
実施形態に係る通信システムは、複数のリレーノードと、前記複数のリレーノードを管理するコネクションサーバとを有しており、前記複数のリレーノードのうち、第2リレーノードの配下に設けられる第2端末に格納されたデータを、前記複数のリレーノードのうち、第1リレーノードの配下に設けられる第1端末に中継する。前記コネクションサーバであって、前記第1端末が前記第2端末にアクセスするための接続情報と、前記複数のリレーノード間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理する管理部と、前記論理距離情報に基づいて、前記第2端末に格納されたデータを前記第1端末に中継する複数の中継経路を選択する選択部と、前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードに前記接続情報を通知する通知部とを有する。前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードのそれぞれは、前記接続情報を用いて、前記第2端末に格納されたデータを構成する複数の断片データのうち、割り当てられた断片データを前記第1端末に中継する。
【0024】
実施形態では、選択部が、第2端末に格納されたデータを第1端末に中継する複数の中継経路を選択する。第2端末から第1端末にデータを中継する負荷が軽減される。
【0025】
また、通知部が、複数の中継経路上に設けられるリレーノードに接続情報を通知する。従って、NAT機能やファイアウォール機能を有する装置の配下に設けられる第2端末から第1端末にデータを中継することができる。
【0026】
なお、第2リレーノードがIPアドレスの変換機能(NAT機能)を有している場合に、接続情報は、第2端末のローカルIPアドレス情報である。第2リレーノードがファイアウォール機能を有している場合に、接続情報は、第2端末のポート番号である。
【0027】
[第1実施形態]
以下において、第1実施形態に係る通信システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る通信システム100を示す図である。
【0028】
通信システム100は、ゲートウェイ20と、コネクションサーバ30とを有する。ゲートウェイ20及びコネクションサーバ30は、インターネットなどの広域通信網40に接続される。ゲートウェイ20の配下には、複数の端末10が設けられる。
【0029】
端末10は、パーソナルコンピュータや携帯電話などの端末である。端末10は、ゲートウェイ20の配下に設けられており、有線LAN又は無線LANでゲートウェイ20に接続される。
【0030】
第1実施形態では、ゲートウェイ20Aの配下には、端末10A、端末10A及び端末10Aが端末10として設けられている。ゲートウェイ20Bの配下には、端末10B、端末10B、端末10B、端末10B31及び端末10B32が端末10として設けられている。ゲートウェイ20Cの配下には、端末10C、端末10C及び端末10Cが端末10として設けられている。ゲートウェイ20Dの配下には、端末10D、端末10D及び端末10Dが端末10として設けられている。
【0031】
ゲートウェイ20は、複数の端末10を管理する装置である。ゲートウェイ20は、複数の端末10と広域通信網40とを相互に接続する機能を有する。ゲートウェイ20は、IPアドレスの変換機能(NAT機能)やファイアウォール機能を有する。
【0032】
ここで、ゲートウェイ20は、ゲートウェイ20の配下に設けられる端末10へのアクセスを行うための機能を有していてもよい。例えば、端末10へのアクセスを行うための機能は、例えば、DDNS(Dynamic Domain Name System)などの機能であり、ゲートウェイ20は、端末10の接続情報(ローカルIPアドレス)をコネクションサーバ30に定期的に送信する。或いは、端末10へのアクセスを行うための機能は、例えば、PP(Port Punching)などの機能であり、ゲートウェイ20は、端末10の接続情報(ポート番号)をコネクションサーバ30に送信する。
【0033】
第1実施形態では、ゲートウェイ20として、ゲートウェイ20A、ゲートウェイ20B、ゲートウェイ20C及びゲートウェイ20Dが設けられる。また、ゲートウェイ20は、一の端末10(第2端末)に格納されたデータを他の端末10(第1端末)に中継するリレーノードとしても機能する。
【0034】
コネクションサーバ30は、複数のゲートウェイ20を管理する装置である。例えば、コネクションサーバ30は、一の端末10(第2端末)に格納されたデータを他の端末10(第1端末)に中継する複数の中継経路を選択する機能を有する。なお、コネクションサーバ30の詳細については後述する。
【0035】
第1実施形態では、第1端末として、ゲートウェイ20A(第1リレーノード)の配下に設けられる端末10Aを例示する。第2端末として、ゲートウェイ20B(第1リレーノード)の配下に設けられる端末10B32を例示する。すなわち、第1実施形態では、端末10Aは、端末10B32にアクセスして、端末10B32に格納されたデータを取得する。また、端末10B32に格納されたデータは、複数の中継経路を経由して端末10Aに中継される。
【0036】
(コネクションサーバ)
以下において、第1実施形態に係るコネクションサーバについて説明する。図2は、第1実施形態に係るコネクションサーバ30を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、コネクションサーバ30は、通信部31と、認証部32と、管理部33と、選択部34とを有する。
【0038】
通信部31は、広域通信網40に設けられる装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部31は、ゲートウェイ20と通信を行う機能を有する。通信部31は、ゲートウェイ20の配下に設けられる端末10へのアクセスを行うための機能の種別をゲートウェイ20から取得する。通信部31は、ゲートウェイ20の配下に設けられる端末10の接続情報(ローカルIPアドレスやポート番号)を取得する。通信部31は、複数のゲートウェイ20間の論理的な距離を示す論理距離情報をゲートウェイ20から取得する。
【0039】
認証部32は、第1端末(ここでは、端末10A)から第2端末(ここでは、端末10B32)へのアクセスを認証する。例えば、認証部32は、ユーザIDやパスワードなどの認証情報を第1端末から取得して、第1端末から第2端末へのアクセスを許可するか否かを判定する。
【0040】
管理部33は、第2端末(ここでは、端末10B32)に格納されたデータを第1端末(ここでは、端末10A)に中継するために必要な情報を管理する。
【0041】
第1に、管理部33は、第1端末(ここでは、端末10A)が第2端末(ここでは、端末10B32)にアクセスするための接続情報を管理する。例えば、管理部33は、図3に示すように、端末、ゲートウェイ、アクセス機能種別及び接続情報を対応付ける情報を管理する。ここで、アクセス機能種別は、上述したように、例えば、DDNS(Dynamic Domain Name System)やPP(Port Punching)などである。例えば、ゲートウェイ20がNAT機能及びDDNS機能を有している場合に、接続情報は、端末10のローカルIPアドレスである(例えば、ゲートウェイ20A)。ゲートウェイ20がファイアウォール機能及びPP機能を有している場合に、接続情報は、端末10のポート番号である(例えば、ゲートウェイ20B)。ゲートウェイ20がNAT機能、DDNS機能、ファイアウォール機能及びPP機能を有している場合に、接続情報は、端末10のローカルIPアドレス及びポート番号である(例えば、ゲートウェイ20D)。
【0042】
第2に、管理部33は、複数のゲートウェイ20間の論理的な距離を示す論理距離情報を管理する。例えば、管理部33は、図4に示すように、1対のゲートウェイ20の組合せ、論理距離情報を対応付ける情報を管理する。ここで、論理距離情報は、例えば、ゲートウェイ20間の信号の往復に必要な時間などに基づいて取得することが可能である。なお、論理距離情報は、図4に示すように、係数で表されていてもよい。
【0043】
選択部34は、論理距離情報に基づいて、第2端末(ここでは、端末10B32)に格納されたデータを第1端末(ここでは、端末10A)に中継する複数の中継経路を選択する。詳細には、選択部34は、第1端末(ここでは、端末10A)から第2端末(ここでは、端末10B32)へのアクセスが許可された場合に、複数の中継経路を選択する。
【0044】
ここで、選択部34は、第2端末から第1端末に中継すべきデータの量に基づいて、複数の中継経路を選択してもよい。具体的には、選択部34は、中継データの量に応じて、中継経路の数を選択する。すなわち、選択部34は、中継データの量が多いほど、多くの中継経路を選択する。
【0045】
或いは、選択部34は、第2端末から第1端末に中継すべきデータの種別に基づいて、複数の中継経路を選択してもよい。具体的には、選択部34は、中継データのリアルタイム性に応じて、中継経路を選択する。すなわち、選択部34は、中継データのリアルタイム性が高いほど、論理距離が短い中継経路を選択する。
【0046】
なお、選択部34は、ゲートウェイ20の負荷に基づいて、複数の中継経路を選択してもよい。具体的には、選択部34は、ゲートウェイ20の負荷が平準化するように中継経路を選択する。
【0047】
第1実施形態において、上述した通信部31は、複数の中継経路上に設けられるゲートウェイ20に接続情報(第1端末及び第2端末の接続情報)を通知する通知部を構成することに留意すべきである。
【0048】
(通信方法)
以下において、第1実施形態に係る通信方法について説明する。図5〜図7は、第1実施形態に係る通信方法を説明するための図である。
【0049】
図5〜図7では、上述したように、第1端末として、ゲートウェイ20A(第1リレーノード)の配下に設けられる端末10Aを例示する。第2端末として、ゲートウェイ20B(第1リレーノード)の配下に設けられる端末10B32を例示する。
【0050】
図5に示すように、端末10Aは、ユーザIDやパスワードなどの認証情報をコネクションサーバ30に送信する。コネクションサーバ30は、認証情報に基づいて、端末10Aから端末10B32へのアクセスを許可するか否かを判定する。ここでは、端末10Aから端末10B32へのアクセスが許可されたものとして説明を続ける。
【0051】
図6に示すように、コネクションサーバ30は、複数の中継経路を選択して、複数の中継経路上に設けられるゲートウェイ20に接続情報を通知する。
【0052】
ここでは、ゲートウェイ20B及びゲートウェイ20Aを経由する中継経路(1)、ゲートウェイ20B、ゲートウェイ20C及びゲートウェイ20Aを経由する中継経路(2)、ゲートウェイ20B、ゲートウェイ20D及びゲートウェイ20Aを経由する中継経路(3)が選択されたものとして説明を続ける。
【0053】
例えば、コネクションサーバ30は、端末10B32の接続情報を、ゲートウェイ20A、ゲートウェイ20C及びゲートウェイ20Dに通知する。また、コネクションサーバ30は、端末10Aの接続情報を、ゲートウェイ20B、ゲートウェイ20C及びゲートウェイ20Dに通知する。
【0054】
図7に示すように、複数の中継経路上に設けられるゲートウェイ20のそれぞれは、接続情報を用いて、端末10B32に格納されたデータを構成する複数の断片データのうち、割り当てられた断片データを端末10Aに中継する。
【0055】
(作用及び効果)
第1実施形態では、選択部34が、第2端末に格納されたデータを第1端末に中継する複数の中継経路を選択する。第2端末から第1端末にデータを中継する負荷が軽減される。
【0056】
また、通信部31が、複数の中継経路上に設けられるリレーノードに接続情報を通知する。従って、NAT機能やファイアウォール機能を有する装置の配下に設けられる第2端末から第1端末にデータを中継することができる。
【0057】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0058】
実施形態では、リレーノードとしてゲートウェイ20を例示したが、リレーノードは、広域通信網40に設けられる他の装置(サーバなど)であってもよい。
【0059】
実施形態では、端末10へのアクセスを行うための機能として、DDNS機能及びPP機能を例示したが、端末10へのアクセスを行うための機能は、他の公知の機能であってもよい。
【0060】
実施形態では、複数の中継経路をコネクションサーバ30が選択するが、第1端末が複数の中継経路を選択してもよい。このようなケースでは、第1端末は、第2端末に格納されたデータを第1端末に中継するために必要な情報をコネクションサーバ30から取得する。また、第1端末が、複数の中継経路上に設けられるリレーノードに接続情報を通知してもよい。
【0061】
実施形態では、第1端末が第2端末にアクセスするための接続情報は、第1端末の接続情報及び第2端末の接続情報である。しかしながら、NAT機能やファイアウォール機能を有する装置の配下に第1端末が設けられていない場合には、第1端末が第2端末にアクセスするための接続情報は、第2端末の接続情報のみであってもよい。
【符号の説明】
【0062】
10…端末、20…ゲートウェイ、30…コネクションサーバ、31…通信部、32…認証部、33…管理部、34…選択部、40…広域通信網、100…通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリレーノードと、前記複数のリレーノードを管理するコネクションサーバとを有しており、前記複数のリレーノードのうち、第2リレーノードの配下に設けられる第2端末に格納されたデータを、前記複数のリレーノードのうち、第1リレーノードの配下に設けられる第1端末に中継する通信システムであって、
前記コネクションサーバは、
前記第1端末が前記第2端末にアクセスするための接続情報と、前記複数のリレーノード間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理する管理部と、
前記論理距離情報に基づいて、前記第2端末に格納されたデータを前記第1端末に中継する複数の中継経路を選択する選択部と、
前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードに前記接続情報を通知する通知部とを有しており、
前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードのそれぞれは、前記接続情報を用いて、前記第2端末に格納されたデータを構成する複数の断片データのうち、割り当てられた断片データを前記第1端末に中継することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記コネクションサーバは、前記第1端末から前記第2端末へのアクセスを認証する認証部を有しており、
前記選択部は、前記第1端末から前記第2端末へのアクセスが許可された場合に、前記複数の中継経路を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記選択部は、前記第2端末から前記第1端末に中継すべきデータの量に基づいて、前記複数の中継経路を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記選択部は、前記第2端末から前記第1端末に中継すべきデータの種別に基づいて、前記複数の中継経路を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第2リレーノードがIPアドレスの変換機能を有している場合に、前記接続情報は、前記第2端末のローカルIPアドレス情報であり、
前記第2リレーノードがファイアウォール機能を有している場合に、前記接続情報は、前記第2端末のポート番号であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
複数のリレーノードを有する通信システムにおいて、前記複数のリレーノードのうち、第2リレーノードの配下に設けられる第2端末に格納されたデータを、前記複数のリレーノードのうち、第1リレーノードの配下に設けられる第1端末に中継するための通信方法であって、
前記第1端末が前記第2端末にアクセスするための接続情報と、前記複数のリレーノード間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理するステップAと、
前記論理距離情報に基づいて、前記第2端末に格納されたデータを前記第1端末に中継する複数の中継経路を選択するステップBと、
前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードに前記接続情報を通知するステップCと、
前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードのそれぞれが、前記接続情報を用いて、前記第2端末に格納されたデータを構成する複数の断片データのうち、割り当てられた断片データを前記第1端末に中継するステップDとを備えることを特徴とする通信方法。
【請求項7】
複数のリレーノードを有しており、前記複数のリレーノードのうち、第2リレーノードの配下に設けられる第2端末に格納されたデータを、前記複数のリレーノードのうち、第1リレーノードの配下に設けられる第1端末に中継する通信システムに設けられるコネクションサーバであって、
前記第1端末が前記第2端末にアクセスするための接続情報と、前記複数のリレーノード間の論理的な距離を示す論理距離情報とを管理する管理部と、
前記論理距離情報に基づいて、前記第2端末に格納されたデータを前記第1端末に中継する複数の中継経路を選択する選択部と、
前記複数の中継経路上に設けられるリレーノードに前記接続情報を通知する通知部とを備えることを特徴とするコネクションサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−98676(P2013−98676A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238318(P2011−238318)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】