説明

通信システム、通信装置、及び通信方法

【課題】通信装置間のデータ送信を円滑に行いながら、そのデータ送信に対する制御信号を確実に送信することができる通信システム、通信装置又は通信方法を提供する。
【解決手段】他方の通信装置との間でデータを送受信する通信装置において、操作入力部は他方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力し、通信処理部は前記他方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信したデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を送信し、通信制御部は前記制御信号の入力後、少なくとも予め設定された第1の時間が少なくとも経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋内にある端末装置と屋外に設置された端末装置間で音声や映像等で利用者間の意思疎通を図る通信システム(例えば、インタホン、ドアホン)が提案されていた。かかる通信システムでは、端末装置は同じ無線周波数帯域を用いてデータの送受信を行う。
例えば、特許文献1に記載のハンズフリーインターホン装置は、門扉、または玄関に設置された玄関子機と、玄関子機からの呼出音に対して応答/通話を行うハンズフリーインターホン親機で構成されるハンズフリーインターホン装置において、ハンズフリーインターホン親機には、玄関子機と通話を行うための親機音響部と、ハンズフリーインターホン親機と玄関子機の双方向通話路を形成する通話路切替部とで構成され、通話路切替部には、室内の送話雑音平均値を算出する送話雑音算出部と、玄関子機からの受話信号を親機音響部からの送話信号から送話雑音平均値を減算した値と比較する比較部と、比較部によって送話受話の切り替えを行う切替部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−232993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、送信先の端末装置からデータの中断要求を受信したとき、次のデータ送信を停止することがある。しかしながら、例えば、1フレーム毎にデータ送信の継続要求又は中断要求を通知する場合、その通知の待ち時間によっては映像等のデータを送信できる容量が小さくなる。そのため、かかる通信システムでは、映像を円滑に送信できなくなる。
また、この場合に送信元の端末装置が中断要求を待たずにデータを送信すると、送信元端末装置から送信されたデータと送信先端末装置の制御信号が衝突する頻度が増加し、中断要求が送信側に届かないおそれがある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、通信装置間のデータ送信を円滑に行うとともにデータ送信を確実に停止できる通信システム、通信装置又は通信方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、複数の通信装置を備え、前記複数の通信装置のうち一方の通信装置と前記一方の通信装置とは異なる他方の通信装置との間でデータを送受信する通信システムであって、前記一方の通信装置は、前記他方の通信装置から現時刻のデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を受信した後、次時刻のデータを前記他方の通信装置に送信する通信処理部と、少なくとも予め設定された第1の時間に、前記受信確認信号が継続して受信されないとき前記データの送信を停止する通信制御部を備え、前記他方の通信装置は、前記一方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する操作入力部と、前記一方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信確認信号を送信する通信処理部と、前記制御信号の入力後、少なくとも前記第1の時間が経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する通信制御部とを備えること、を特徴とする通信システムである。
【0007】
(2)本発明のその他の態様は、前記通信システムにおいて、前記一方の通信装置が備える通信処理部は、前記現時刻のデータを送信した後、前記第1の時間よりも短い第2の時間内に、前記受信確認信号を受信しないとき、前記現時刻のデータを前記他方の通信装置に再送することを特徴とする。
【0008】
(3)本発明のその他の態様は、前記他方の通信装置が備える通信制御部は、少なくとも前記第1の時間が経過した後、前記制御信号の前記一方の通信装置への送信を開始することを特徴とする。
【0009】
(4)本発明のその他の態様は、前記一方の通信装置が備える通信処理部は、少なくとも前記第1の時間が経過した後、前記制御信号を前記他方の通信装置から受信することを特徴とする。
【0010】
(5)本発明のその他の態様は、他方の通信装置との間でデータを送受信する通信装置であって、前記他方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する操作入力部と、前記他方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信したデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を送信する通信処理部と、前記制御信号の入力後、少なくとも予め設定された第1の時間が少なくとも経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する通信制御部とを備えることを特徴とする通信装置である。
【0011】
(6)本発明のその他の態様は、複数の通信装置を備え、前記複数の通信装置のうち一方の通信装置と前記一方の通信装置とは異なる他方の通信装置との間でデータを送受信する通信システムにおける通信方法であって、前記一方の通信装置は、前記他方の通信装置から現時刻のデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を受信した後、次時刻のデータを前記他方の通信装置に送信する手順と、少なくとも予め設定された第1の時間に、前記受信確認信号が継続して受信されないとき前記データの送信を停止する手順を有し、前記他方の通信装置は、前記一方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する手順と、前記一方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信確認信号を送信する手順と、前記制御信号の入力後、少なくとも前記第1の時間が経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する手順を有すること、を特徴とする通信方法である。
【0012】
(7)本発明のその他の態様は、他方の通信装置との間でデータを送受信する一方の通信装置における通信方法であって、前記一方の通信装置は、前記他方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する手順と、前記他方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信したデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を送信する手順と、前記制御信号の入力後、少なくとも予め設定した第1の時間が経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する手順と、を有することを特徴とする通信方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、通信装置間のデータ送信を円滑に行いながら、そのデータ送信に対する制御信号を確実に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る端末装置の構成を示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る端末装置の構成を示す概略図である。
【図4】本実施形態に係る端末装置が行う送信処理の一例を表すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る端末装置が行う受信処理の一例を表すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る端末装置間で送受信されるデータの流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成を示す概略図である。
通信システム1は、端末装置11、12及びネットワーク13を含んで構成される。端末装置11、12は、相互に映像信号及び音声信号を送受信する構内通信端末装置、例えばインターホン(ドアホンともいう)である。
【0016】
端末装置11と端末装置12との間でデータを送受信する。端末装置11は、端末装置12から現時刻のデータが正常に受信したことを表す受信確認信号(ACK)を受信した後、次時刻のデータを端末装置12に送信する。端末装置11は、その後少なくとも予め設定された第1の時間に、受信確認信号が継続して受信されないときにはデータの送信を停止する。端末装置12は、少なくとも第1の時間が経過するまで、受信確認信号の送信を停止することを特徴とする。
【0017】
ネットワーク13は、端末11、12間で信号を無線で送受信する小規模のネットワーク、例えば、IEEE802.15.4で規格化されている無線パーソナルネットワーク(WPAN、Wireless Personal Area Network)である。このようなネットワークを用いることで送受信チャネルを多数確保して経済的に通信システム1を構成することができる。
【0018】
次に端末装置11、12の構成について説明する。
本実施形態では、端末装置11がデータを送信し、端末装置12がデータを受信する場合を例にとって各部の機能について説明する。端末装置12がデータを送信し、端末装置11がデータを受信する場合には、端末装置11、12を入れ替えればよい。
【0019】
図2は、本実施形態に係る端末装置11の構成を示す概略図である。
端末装置11は、無線処理部(通信処理部、無線モジュール)101、通信制御部(CPU)102、アンテナ103、コーデック104、RAM105、操作入力部106、タイマー部107、入出力インタフェース108、撮影部109、映像表示部110、動作表示部111及び汎用入出力部112を含んで構成される。
【0020】
端末装置11の無線処理部101は、端末装置12から現時刻のデータブロックが正常に受信したことを表す受信確認信号(ACK)又は正常に受信できなかったことを表す受信失敗信号(NACK)を端末装置12から受信する。
無線処理部101は、受信確認信号を受信した後、通信制御部102にデータブロックの送信が可能であることを表すデータ送信可能信号(ready)を出力する。
無線処理部101は、通信制御部102から次時刻のデータブロックを入力され、入力された次時刻のデータブロックをアンテナ103から電波を用いて端末装置12に送信する。
【0021】
無線処理部101は、現時刻のデータブロックを予め設定された時間T2の間、受信確認信号を受信しなかった場合、又は受信失敗信号を受信した場合、現時刻のデータブロックを再送する。但し、再送回数が予め定めた最大再送回数(例えば、3回)を越えた後、無線処理部101は、送信が失敗したと判断し、通信制御部102にデータ送信可能信号を出力する。その後、無線処理部101は、通信制御部102から次時刻のデータブロックを入力され、入力された次時刻のデータブロックを端末装置12に送信する。無線処理部101は、データブロックを送信する際、誤り検出符号を付加して送信する。これにより、端末装置12が受信したデータブロックを正常に受信できたか否かを判断できるようにする。
【0022】
通信制御部102は、コーデック104から入力されたデータ信号を分割してデータブロックを生成し、生成したデータブロックを入力された時刻の順序でRAM105に一時的に記憶する。通信制御部102は、無線処理部101からデータ送信可能信号が入力された場合、RAM105から次時刻のデータブロックを読み出し、読み出したデータブロックを無線処理部101に出力(ライト)する。通信制御部102は、データ送信可能信号が最後に入力されてから次に入力される経過時間をタイマー部107に計測させる。通信制御部102は、計測させた経過時間(送信時間)をRAM105に記憶する。
【0023】
通信制御部102は、データ送信可能信号が最後に入力されてから予め設定した時間T1(T1>T2)、継続して受信しないとき無線処理部101からのデータブロックの送信が中断したと判断する。時間T1は、例えば、1個のデータブロックの送信にかかる最大値(例えば、20ms)の2倍、送信に失敗したときのデータブロック間の平均処理時間間隔(例えば、30ms)のうち、いずれか大きい値と設定しておく。
通信制御部102は、データブロックの送信が中断したと判断した場合、無線処理部101へのデータブロックの出力を停止する。これにより、無線処理部101からのデータブロックの送信が停止する。その後、通信制御部102は、端末装置12から受信した制御信号を無線処理部101から入力される。
【0024】
なお、通信制御部102と無線処理部101の接続において、例えばSPI(Serial Peripheral Interface)等のシリアル通信用のバスや、バスの両端にUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の通信モジュールを用いてもよい。これにより無線処理部101と通信制御部102間で、高速のデータ伝送を実現することができる。
【0025】
タイマー部107は、通信制御部102から時間の計測を要求する時間計測開始信号を入力された時点からの経過時間を計測する。タイマー部107は、通信制御部102から時間の計測を停止する時間計測停止信号を入力されたとき、計測した経過時間を表す経過時間情報を通信制御部102に出力する。
入出力インタフェース108は、端末装置11が備える他の機能部との間を接続し、データの入出力を媒介する。入出力インタフェース108は、アンテナ103、操作入力部106、撮影部109、映像表示部110、動作表示部111と接続する端子を備える。
撮影部109は、端末装置11の周囲の映像を撮影し、撮影した映像を現す映像信号をコーデック104に出力する。
【0026】
映像表示部110は、コーデック104から出力された映像信号を表す映像を表示する。映像表示部110は、例えばLCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)である。
動作表示部111は、端末装置11の動作状態を発光して表示する。動作表示部11は、例えばLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)である。動作表示部111は、例えば、操作入力部106から制御信号が入力されたときや、対向の端末装置12から通信開始を要求する発信要求信号が入力されたとき、赤色の光線を予め定めた時間(例えば、3秒)点滅表示する。
汎用入出力(GPIO、General Purpose Input/Output)部112は、外部機器と接続する端子を備え、当該機器とデータの入出力を媒介する。
【0027】
図3は、本実施形態に係る端末装置12の構成を示す概略図である。
端末装置12の構成は、端末装置11の構成と同様である。端末装置12は、無線処理部121、通信制御部122、アンテナ123、コーデック124、RAM125及び操作入力部126、タイマー部127、入出力インタフェース128、撮影部129、映像表示部130、動作表示部131及び汎用入出力部132を含んで構成される。
【0028】
無線処理部121は、端末装置11から受信したデータブロックを、アンテナ123から入力される。無線処理部121は、入力されたデータブロックが正常に受信されたか否かを、例えば、データブロックに付加した誤り検出符号を用いて判断する。無線処理部121は、受信されたデータブロックが正常に受信されたと判断した場合、受信確認信号を、アンテナ123から電波を用いて端末装置11に送信する。無線処理部121は、受信されたデータブロックが正常に受信されなかったと判断した場合、又は、一定時間以上受信されなかったと判断した場合、受信確認信号と同様に受信失敗信号を端末装置11に送信する。
【0029】
操作入力部126は、利用者の操作により制御信号が入力されるボタンで構成される。入力される制御信号は、端末装置11との通信を制御する制御信号であり、例えば、端末装置11からのデータの送信の中断を指示する中断要求信号である。
通信制御部122は、通信チャネルを待機チャネルに変更することにより、無線処理部121がデータブロックを受信しなくなる。結果として、受信確認信号(ACK)又は受信失敗信号(NACK)は、端末装置11の無線処理部101に送信されなくなる。その場合、無線処理部101が、受信確認信号(ACK)又は受信失敗信号(NACK)を受信しなくなってから時間T2が経過してデータブロックを再送する。無線処理部121がデータブロックを受信しない状況が続くと、無線処理部101が、受信確認信号(ACK)又は受信失敗信号(NACK)を受信しない状況が続く。
【0030】
このことにより、通信制御部122は、操作入力部126から制御信号を入力された後の経過時間が、時間T1を越えるまで受信確認信号又は受信失敗信号の送信を停止する。ここで、通信制御部122は、制御信号を入力されたとき、受信確認信号又は受信失敗信号の送信を停止することを表す送信停止信号を、無線処理部121に出力する。経過時間が時間T1を越えた後、通信制御部122は、制御信号を入力されたとき、送信開始信号を無線処理部121に出力する。送信開始信号とは、受信確認信号又は受信失敗信号の送信の開始を許可することを表す信号である。通信制御部122は、無線処理部121に時間T1が経過するまで受信確認信号又は受信失敗信号の送信を停止させる。
その後、通信制御部122は、入力された制御信号を無線処理部121に出力し、無線処理部121は、通信制御部122から入力された制御信号を端末装置11に送信する。
【0031】
次に、端末装置11から12へ送受信されるデータが映像信号である場合を例にとって、無線処理部101、121、通信制御部102、122及びコーデック104、124
が行う処理について、より詳細に説明する。
【0032】
図2において、端末装置11のコーデック104は、撮影部109から入力された映像信号をフレーム毎に符号化して映像フレームデータFn(nは、フレーム時刻を表す整数)と1枚の画像の大きさを表すフレームサイズ情報を生成する。コーデック104は、生成した映像フレームとフレームサイズ情報をRAM105に記憶する。コーデック1104が用いる符号化方法は、例えばITU−T H.264に規定された符号化方法である。フレームとは、ある時刻における1枚の映像を表す映像信号の単位である。コーデック104が1秒間に生成する映像フレームの数(フレームレート)は、例えば30フレーム/秒である。
【0033】
通信制御部102は、データを処理するチャネルとして通信チャネルを設定することを表す通信チャネル設定信号(チャネル番号N)を生成する。通信チャネルとは、無線処理部101が通信制御部102から入力されたデータを端末装置12に送信し、又は端末装置12から受信したデータを通信制御部102に出力する動作形態である。通信制御部102は、無線処理部101に対して通信チャネル設定信号を出力(設定)する。
【0034】
通信制御部102は、RAM105から映像フレームデータFnを読み出す。通信制御部102は、読み出した映像フレームデータFnを予め定めた個数m(mは、1又は1よりも大きい自然数)に分割して予め定めた情報量のデータブロックDn,1〜Dn,mを生成する。但し、通信制御部102は、各映像フレームデータに基づく先頭のデータブロックDn,1に、予め定めたヘッダ情報を付加する。付加するヘッダ情報は、例えばブロックに分割した個数mを表す分割数情報とRAM105に記憶したフレームサイズ情報を含む。通信制御部102は、生成したデータブロックDn,1〜Dn,mをRAM105に記憶する。
【0035】
通信制御部102は、無線処理部101からデータ読込可能信号(ready)が入力されたとき、RAM105からデータブロックDn,1〜Dn,mを、フレーム及びブロックの順に読み出す。データ読込可能信号とは、データの読み込みが可能であることを表す信号である。通信制御部102は、読み出したデータブロックDn,1〜Dn,mを無線処理部104に出力(ライト)する。
通信制御部102は、データ読込可能信号が入力されたとき、タイマー部107に時間計測停止信号を出力し、その直後、時間計測開始信号を出力する。通信制御部102は、タイマー部107から経過時間情報を入力され、入力された経過時間情報をRAM105に記憶する。この経過時間情報は、データブロック毎の送信時間情報を表す。
【0036】
無線処理部101は、通信制御部102から入力されたデータブロックに予め定めたヘッダ情報と誤り訂正符号を付加して送信データパケットを生成する。無線処理部101は、生成した送信データパケットを表す信号をアップコンバートした無線周波数帯域信号を生成する。無線処理部101は、生成した無線周波数帯域信号をアンテナ103から電波で、端末装置12に送信する。
他方、無線処理部101は、端末装置12からアンテナ103を用いて受信した無線周波数帯域信号を基底周波数帯域にダウンコンバートして受信データパケットを生成する。無線処理部101は、生成した受信データパケットから受信確認信号を抽出し、抽出した受信確認信号を通信制御部102に出力する。
【0037】
図3に示す端末装置12の無線処理部121は、端末装置12からアンテナ123を用いて受信した無線周波数帯域信号を基底周波数帯域にダウンコンバートして受信データパケットを生成し、生成した受信データパケットから誤り検出符号とデータブロックを抽出する。無線処理部121は、抽出した誤り検出符号に基づいて抽出したデータブロックが正常に受信されたか否かを判断する。無線処理部121は、正常に受信されたと判断したとき受信確認信号又は受信失敗信号を生成し、抽出したデータブロックを送信時における映像フレーム及びデータブロックの順序でRAM125に記憶する。
【0038】
他方、無線処理部121は、生成した受信確認信号に予め定めたヘッダ情報を付加して送信データパケットを生成し、生成した送信データパケットを表す信号をアップコンバートした無線周波数帯域信号を生成する。無線処理部121は、生成した無線周波数帯域信号を、アンテナ123を用いて電波で端末装置11に送信する。無線処理部121は、通信制御部122から制御信号が入力された場合、入力された制御信号を、受信確認信号や受信失敗信号と同様にして端末装置11に送信する。
【0039】
但し、無線処理部121は、後述するように通信制御部122から、データを処理するチャネルとして待機チャネルを設定することを表す待機チャネル設定信号(チャネル番号M)が入力された場合、受信確認信号又は受信失敗信号の生成、送信を停止する。ここで、待機チャネルとは、無線処理部121が通信制御部122から入力されたデータを端末装置11に送信せず、端末装置11から受信したデータを通信制御部122に出力しない動作形態である。
【0040】
通信制御部122は、RAM125からデータブロックDn,1〜Dn,mを読み出し、読み出したデータブロックのうち各フレームにおいて先頭のデータブロックDn,1からヘッダ情報を抽出する。通信制御部122は、読み出したデータブロックDn,1〜Dn,mから、抽出したヘッダ情報に含まれる分割数情報mとフレームサイズ情報に基づいて映像フレームデータFnを合成する。通信制御部122は、合成した映像フレームデータFnを順次RAM125に記憶する。
他方、通信制御部122は、操作入力部126から制御信号が入力された場合、待機チャネル設定信号を生成し、生成した待機チャネル設定信号を無線処理部121に出力する。これにより、通信制御部122は、受信したデータブロックの読み出しを停止する。さらに時間T1が経過した後、通信制御部122は、制御信号を無線処理部121に出力する。
【0041】
コーデック124は、映像フレームデータFnを順次RAM125から読み出し、読み出した映像フレームデータFnに基づいて、符号化の際に用いた符号化方式に対応する復号方式で映像信号を復号する。コーデック124は、復号した映像信号を映像表示部130に出力する。
映像表示部130は、コーデック124から入力された映像信号が表す映像を表示する。
【0042】
次に、端末装置11が端末装置12へ映像信号を送信する処理について説明する。
図4は、本実施形態に係る端末装置11が行う送信処理の一例を表すフローチャートである。
【0043】
(ステップS101)通信制御部102は、通信チャネル設定信号を生成し、生成した通信チャネル設定信号を無線処理部101に設定する。その後、ステップS102に進む。
(ステップS102)コーデック104は、撮影部109から入力された映像信号の入力があるか否か判断する。コーデック104が、映像信号の入力があると判断した場合(ステップS102 Y)、ステップS103に進む。コーデック104が、映像信号の入力がないと判断した場合(ステップS102 N)、ステップS102を繰り返す。
(ステップS103)コーデック104は、入力された映像信号をフレーム毎に符号化して映像フレームFnを生成し、生成した映像フレームをRAM105に記憶する。その後、ステップS104に進む。
【0044】
(ステップS104)通信制御部102は、RAM105から映像フレーム信号Fnを読み出し、読み出した映像フレームデータFnを予め定めた個数mに分割してデータブロックDn,1〜Dn,mを生成する。但し、通信制御部102は、先頭のデータブロックDn1に、分割数情報とフレームサイズ情報を含むヘッダ情報を付加する。通信制御部102は、生成したデータブロックDn,1〜Dn,mをRAM105に記憶する。その後、ステップS105に進む。
【0045】
(ステップS105)通信制御部102は、RAM105に記憶した送信時間情報が記憶されている場合、記憶されている送信時間情報を削除する。その後、ステップS106に進む。
(ステップS106)通信制御部102は、タイマー部107に時間計測開始信号を出力し、送信時間の計測を開始させる。その後、ステップS107に進む。
(ステップS107)通信制御部102は、RAM105からデータブロックDn,1〜Dn,mを、フレーム及びブロックの順に読み出し、無線処理部104に出力する。その後、ステップS108に進む。
【0046】
(ステップS108)無線処理部101は、通信制御部102から入力されたデータブロックに予め定めたヘッダ情報と誤り訂正符号を付加して送信データパケットを生成し、生成した送信データパケットを電波で端末装置12に送信する。
無線処理部101は、通信制御部102−1からのデータブロックの入力が可能か否かを判断する。無線処理部101は、この判断を行うために、時間T2の間、端末装置12から受信確認信号もしくは受信失敗信号を受信したか否か、又は再送回数が予め設定した回数を越えたか否かによって判断する。無線処理部101は、通信制御部102からのデータブロックの入力が可能と判断した場合(ステップS108 Y)、通信制御部102にデータ読込可能信号を出力してステップS109に進む。無線処理部101は、通信制御部102からのデータブロックの入力が可能ではない判断した場合(ステップS108 N)、生成した送信データパケットを電波で端末装置12に送信してステップS109に進む。
【0047】
(ステップS109)通信制御部102は、無線処理部101からデータ読込可能信号が入力されたとき、タイマー部107に時間計測停止信号を出力し、送信時間の計測を停止させる。これにより、通信制御部102は、タイマー部107から送信時間情報が入力される。その後、ステップS110に進む。
(ステップS110)通信制御部102は、入力された送信時間情報をRAM105に記憶する。その後、ステップS111に進む。
【0048】
(ステップS111)通信制御部102は、無線処理部101からのデータブロックの送信が中断されたか否か判断する。通信制御部102は、RAM105から送信時間情報を読み出し、読み出した送信時間情報が時間T1よりも大きいか否かによって、送信が中断されたか否か判断する。通信制御部102は、無線処理部101からのデータブロックの送信が中断されたと判断した場合(ステップS111 Y)、処理を終了する。通信制御部102は、無線処理部101からのデータブロックの送信が中断されていないと判断した場合(ステップS111 N)、ステップS112に進む。
【0049】
(ステップS112)通信制御部102は、RAM105を参照して未送信のデータブロックがあるか否かを判断する。通信制御部102は、未送信のデータブロックがあると判断した場合(ステップS112 Y)、ステップS106に進む。通信制御部102は、未送信のデータブロックがないと判断した場合(ステップS112 N)、ステップS102に進む。
【0050】
次に、端末装置12が端末装置11から映像信号を受信する際の通信処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る端末装置12が行う受信処理の一例を表すフローチャートである。
【0051】
(ステップS201)通信制御部122は、通信チャネル設定信号を生成し、生成した通信チャネル設定信号を無線処理部121に出力する。その後、ステップS202に進む。
(ステップS202)無線処理部121は、端末装置11から受信した送信データパケットから誤り検出符号とデータブロックを抽出する。無線処理部121は、抽出した誤り検出符号に基づいて抽出したデータブロックが正常に受信されたか否かを判断する。無線処理部121は、正常に受信されたと判断したとき受信確認信号を生成する。無線処理部121は、抽出したデータブロックを送信時における映像フレーム及びデータブロックの順序でRAM125に記憶する。無線処理部121は、データブロックを正常に受信されなかったと判断したとき受信失敗信号を生成する。
通信制御部122は、RAM125から各フレームの先頭のデータブロックDn1のヘッダ情報から分割数情報とフレームサイズ情報を抽出する。その後、ステップS203に進む。
【0052】
(ステップS203)通信制御部122は、操作入力部126から制御信号が入力されたか否か判断する。操作入力部126から制御信号が入力されたと判断された場合(ステップS203 Y)、ステップS204に進む。
(ステップS204)通信制御部122は、待機チャネル設定信号を生成し、生成した待機チャネル設定信号を無線処理部121に出力する。その後、ステップS205に進む。
(ステップS205)通信制御部122は、抽出した分割数情報が表す分割数のデータブロックDn1〜DnmをRAM125から読み出す。その後、ステップS206に進む。
【0053】
(ステップS206)通信制御部122は、データブロックの読み出し開始からの経過時間が予め定められた時間T1を越えたか否か判断する。経過時間が時間T1を越えたと判断された場合(ステップS206 Y)、ステップS210に進む。経過時間が時間T1を越えていないと判断された場合(ステップS206 N)、ステップS207に進む。
(ステップS207)通信制御部122は、RAM125を参照して未受信のデータブロックがあるか否かを判断する。未受信のデータブロックがあると判断された場合(ステップS207 Y)、ステップS203に進む。未受信のデータブロックがないと判断された場合(ステップS207 N)、ステップS208に進む。
【0054】
(ステップS208)通信制御部122は、読み出したデータブロックDn1〜Dnmから、抽出した分割数情報mに基づいて映像フレームデータFnを合成する。通信制御部122は、合成した映像フレームデータFnと抽出したフレームサイズ情報を順次RAM125に記憶する。その後、ステップS209に進む。
(ステップS209)コーデック124は、映像フレームデータFnとフレームサイズ情報を順次RAM125から読み出す。コーデック124は、読み出した映像フレームデータFnとフレームサイズ情報に基づいて、映像信号を復号する。コーデック124は、復号した映像信号を映像表示部130に出力する。その後、ステップS202に進む。
【0055】
(ステップS210)無線処理部121は、通信制御部122から入力された待機チャネル設定信号が設定されているか否か判断する。待機チャネル設定信号が設定されていると判断された場合(ステップS210 Y)、ステップS211に進む。待機チャネル設定信号が設定されていないと判断された場合(ステップS210 N)、ステップS207に進む。
(ステップS211)通信制御部122は、通信チャネル設定信号を無線処理部121に出力して再設定する。その後、ステップS212に進む。
(ステップS212)通信制御部122は、入力された制御信号を無線処理部121に出力する。無線処理部121は、通信制御部122から入力された制御信号を、端末装置11に送信する。その後、処理を終了する。
【0056】
続いて、端末装置11から12へ映像信号を送信する場合を例にとって、端末装置11、12の間で送受信されるデータの流れについて説明する。
図6は、本実施形態に係る端末装置11、12間で送受信されるデータの流れの一例を示すシーケンス図である。
図6は、最左列から右側へ順に、端末装置11の通信制御部102、無線処理部101、端末装置12の無線処理部121、通信制御部122を表す。以下の説明では、それ以外の構成部が行う処理については省略する。
図6において、実線は各装置内におけるデータの流れを示し、破線は装置間のデータブロックの流れを示し、一点破線は装置間の受信確認信号の流れを示す。
【0057】
端末装置11の通信制御部102は、無線処理部101に対して通信チャネル設定信号を出力し、通信チャネル(N)を設定する。
端末装置12の通信制御部122も同様に、無線処理部121に対して通信チャネル設定信号を出力し、通信チャネル(N)を設定する。
【0058】
端末装置11の通信制御部122は、ある映像フレームデータFn+1に係るデータブロックDn,1を無線処理部101に出力する。無線処理部101は通信制御部122から入力されたデータブロックDn,1を端末装置122に送信する。
【0059】
端末装置122の無線処理部121がデータブロックDn,1を正常に受信した場合、受信したデータブロックDn,1を通信制御部122に出力する。無線処理部121は受信確認信号(ACK)を端末装置11に送信する。
端末装置11の無線処理部101は、データブロックDn,1を送信してからの経過時間が時間T2の間に、端末装置12から受信確認信号(ACK)を受信したとき、データ送信可能信号(ready)を通信制御部102に出力する。
その後、無線処理部101は、その他のデータブロックDn,1〜Dn,mを順次、端末装置12に送信し、端末装置12が正常に受信したことを示す受信確認信号(ACK)を受信する。
ここで、通信制御部102は、データブロックDn,1〜Dn,mを各々送信してからデータ送信可能信号(ready)を入力されるまでの送信時間情報tn,1〜tn,mをRAM105に記憶する。
【0060】
その後、端末装置12の通信制御部122が、操作入力部126から制御信号が入力されたとき、待機チャネル設定信号を無線処理部121に出力し、待機チャネル(M)を設定する。無線処理部121は、待機チャネル設定信号が入力されてからの経過時間が時間T1を越えるまで、端末装置11への信号(例えば、受信確認信号(ACK))の送信を停止する。これに伴い、通信制御部122は無線処理部121からのデータブロックの入力が停止する。
【0061】
端末装置11の通信制御部102は、次の映像フレームデータFn+1に係るデータブロックDn+1,1を無線処理部101に出力する。無線処理部101は通信制御部102から入力されたデータブロックDn+1,1を端末装置12に送信する。端末装置11の無線処理部101は、データブロックDn+1,1の送信後の経過時間が時間T2を越えても、端末装置11−2から受信確認信号(ACK)を受信しない。そこで、無線処理部101は、データブロックDn+1,1を再送する。再送後の経過時間が時間T2を越えても受信確認信号(ACK)を受信しない場合には、無線処理部101は、データブロックDn+1,1の再送を繰り返す。無線処理部101、再送回数が予め定めた回数を越えると、データ送信可能信号(ready)を通信制御部102に出力する。
その後、無線処理部101はフレームnに基づくそれ以降のデータブロックを順次、端末装置12に再送する。
ここで、通信制御部102は、データブロックDn+1,1等を各々送信してからデータ送信可能信号(ready)を入力されるまでの送信時間情報tn+1,1等をRAM105に記憶する。
【0062】
通信制御部102は、RAM105に記憶された送信時間情報tn+1,1等が時間T1を越えた場合、無線処理部101へのデータ書き込みを停止する。それにより、無線処理部101は、データブロックの送信を停止する。但し、この時点では無線処理部101は、端末装置12から信号を受信することができる。
【0063】
他方、通信制御部122は、無線処理部121が受信したデータブロックの読み出し開始からの経過時間が時間T1を越えた場合、通信制御部122は、無線処理部121に対して通信チャネル設定信号を出力し、通信チャネル(N)を設定する。これにより、無線処理部1121は、端末装置11との間で信号を送受信することができる状態になるが、上述のように端末装置11はデータブロックの送信を停止する。従って、無線処理部121は端末装置11から送信される信号による干渉を受けずに端末装置12への信号の送信を行うことができる。
【0064】
その後、通信制御部122は、入力された制御信号を無線処理部121に出力し、無線処理部121は通信制御部122から入力された制御信号を端末装置11の無線処理部101に送信する。
無線処理部101は、端末装置12から受信した制御信号を通信制御部102に出力し、受信確認信号(ACK)を端末装置12に送信する。
端末装置12の無線処理部121は、端末装置11から受信確認信号を受信し、通信制御部122にデータ送信可能信号(ready)を出力する。
【0065】
その後、端末装置11の通信制御部102は、無線処理部101から入力された制御信号が表す処理を実行する。例えば、入力された制御信号が通信を停止することを表す中断信号である場合には、通信制御部102は、待機チャネル設定信号を無線処理部101に出力してもよい。その場合、無線処理部101は信号の送受信を停止してもよい。その他、制御信号が継続信号である場合には、通信制御部102は、送信再開信号を無線処理部101に出力する。継続信号とは、通信を継続することを表す信号である。送信再開信号とは、データの送信を再開することを表す信号である。無線処理部101は、通信制御部102から送信再開信号が入力された後、通信制御部102にデータ送信可能信号(ready)を出力する。無線処理部101は、通信制御部102から新たなデータブロックが入力され、端末装置12に入力されたデータブロックを送信する。
【0066】
上述の端末装置11、12間で送受信されるデータの流れでは、無線処理部121が、待機チャネル設定信号が入力されてからの経過時間が時間T1を越えるまで送信を停止する信号の一例が、受信確認信号である例について説明した。本実施形態では、送信を停止する信号に、受信失敗信号を含んでいてもよい。
上述の端末装置11、12間で送受信されるデータの流れでは、端末装置11から端末装置12へ映像信号を送信する場合を例にとって説明した。本実施形態では、端末装置12から端末装置11へ映像信号を送信する場合には、端末装置11、12の機能を入れ替えればよい。
【0067】
上述のネットワークでは端末装置相互間におけるデータの送受信の同期が保証されていない。そのため、関連技術では、端末装置11、12から同時にデータや信号が送信されるために、これらのデータや信号の衝突を回避できなかった。また、上述のネットワークでは伝送帯域幅が狭いため、関連技術では、端末装置間で送受信されるデータと干渉するために、映像信号のように実時間性が要求されるデータを円滑に送受信することが困難であった。
しかし、本実施形態では、上述の構成を備えることで、端末装置11はデータの送信を停止する。そのため、端末装置12が送信する制御信号を、送信信号と衝突することなく端末装置11は受信することができる。また、データの送信が停止されるまでは端末装置11は、そのデータを端末装置に送信することができる。
【0068】
以上、説明したように、本実施形態は、一方の通信装置は、他方の通信装置から現時刻のデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を受信した後、次時刻のデータを他方の通信装置に送信し、少なくとも予め設定された第1の時間に、受信確認信号が継続して受信されないときデータ信号の送信を停止し、他方の通信装置は、一方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力し、一方の通信装置から逐次に前記データを受信し、受信確認信号を送信し、制御信号の入力後、少なくとも第1の時間が経過するまで、受信確認信号の送信を停止する。
そのため、他方の通信装置から送信される制御信号は、一方の通信装置により送信するデータと衝突せずに受信されると同時に、送信が停止されるまでは、一方の通信装置は逐次にデータを円滑に送信することができる。一方の通信装置により送信されるデータを必要以上に待機させることがないため、送信されるデータが映像信号のように実時間で再生される信号である場合に好適である。
【0069】
なお、上述では、端末装置間で送受信されるデータが、映像信号である場合を例に挙げたが、音声信号、又は音声信号ならびに映像信号の組み合わせであってもよい。
【0070】
なお、上述した実施形態における端末装置11、12の一部、例えば、通信制御部102及びコーデック104をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、端末装置11、12に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における端末装置11、12の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。端末装置11、12の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0071】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…通信システム、11、12…端末装置、13…ネットワーク、
101、121…無線処理部、102、122…通信制御部、
103、123…アンテナ、104、124…コーデック、
105、125…RAM、106、126…操作入力部、
107、127…タイマー部、
108、128…入出力インタフェース、
109、129…撮影部、110、130…映像表示部、
111、131…動作表示部、112、132…汎用入出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置を備え、前記複数の通信装置のうち一方の通信装置と前記一方の通信装置とは異なる他方の通信装置との間でデータを送受信する通信システムであって、
前記一方の通信装置は、
前記他方の通信装置から現時刻のデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を受信した後、次時刻のデータを前記他方の通信装置に送信する通信処理部と、
少なくとも予め設定された第1の時間に、前記受信確認信号が継続して受信されないとき前記データの送信を停止する通信制御部を備え、
前記他方の通信装置は、
前記一方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する操作入力部と、
前記一方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信確認信号を送信する通信処理部と、
前記制御信号の入力後、少なくとも前記第1の時間が経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する通信制御部とを備えること、
を特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記一方の通信装置が備える通信処理部は、前記現時刻のデータを送信した後、前記第1の時間よりも短い第2の時間内に、前記受信確認信号を受信しないとき、前記現時刻のデータを前記他方の通信装置に再送することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記他方の通信装置が備える通信制御部は、少なくとも前記第1の時間が経過した後、前記制御信号の前記一方の通信装置への送信を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記一方の通信装置が備える通信処理部は、少なくとも前記第1の時間が経過した後、前記制御信号を前記他方の通信装置から受信することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
他方の通信装置との間でデータを送受信する通信装置であって、
前記他方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する操作入力部と、
前記他方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信したデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を送信する通信処理部と、
前記制御信号の入力後、少なくとも予め設定された第1の時間が少なくとも経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する通信制御部とを備えること、
を特徴とする通信装置。
【請求項6】
複数の通信装置を備え、前記複数の通信装置のうち一方の通信装置と前記一方の通信装置とは異なる他方の通信装置との間でデータを送受信する通信システムにおける通信方法であって、
前記一方の通信装置は、
前記他方の通信装置から現時刻のデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を受信した後、次時刻のデータを前記他方の通信装置に送信する手順と、
少なくとも予め設定された第1の時間に、前記受信確認信号が継続して受信されないとき前記データの送信を停止する手順を有し、
前記他方の通信装置は、
前記一方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する手順と、
前記一方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信確認信号を送信する手順と、
前記制御信号の入力後、少なくとも前記第1の時間が経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する手順を有すること、
を特徴とする通信方法。
【請求項7】
他方の通信装置との間でデータを送受信する一方の通信装置における通信方法であって、
前記一方の通信装置は、
前記他方の通信装置との通信を制御する制御信号を入力する手順と、
前記他方の通信装置から逐次に前記データを受信し、前記受信したデータが正常に受信したことを表す受信確認信号を送信する手順と、
前記制御信号の入力後、少なくとも予め設定した第1の時間が経過するまで、前記受信確認信号の送信を停止する手順と、を有すること、
を特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−74443(P2013−74443A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211716(P2011−211716)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(302069930)NECエンベデッドプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】