説明

通信システム、通信装置及び通信方法

【課題】非接触通信を利用して著作権管理されたコンテンツのやり取りを行なう。
【解決手段】キオスク端末は、ライセンス管理サーバーにネットワーク接続するとともに、複数の非接触通信部を備える。各非接触通信部は、互いに混信せずに独立して通信が可能な通信範囲を持つ。キオスク端末は、第1の非接触通信部によって第1のモバイル端末からコンテンツ・ファイルを取り込み、第2の非接触通信部によって第2のモバイル端末に転送する。また、キオスク端末は、第2の非接触通信部によって第2のモバイル端末との間で課金及び認証を行ない、ライセンス管理サーバーから取得したライセンス鍵を第2のモバイル端末に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信を行なう通信システム、通信装置及び通信方法に係り、特に、非接触通信を利用して著作権管理されたコンテンツのやり取りを行なう通信システム、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触通信は、0〜数十cm程度の伝送距離でデータ伝送を行う無線技術であり、周辺に存在する反射物からの反射波が小さいため干渉の影響が少ない、伝送路上でハッキングの防止や秘匿性の確保を考慮する必要がない、といった利点がある。非接触通信方法には、静電結合方式、電磁誘導方式、電波通信方式などが挙げられる。
【0003】
高速通信に適用可能な非接触通信技術として、微弱なUWB(Ultra Wide Band)信号を用いた近接無線転送「TransferJet(登録商標)」(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照のこと)を挙げることができる。この近接無線転送技術(TransferJet)は、基本的に、誘導電界の結合作用を利用して信号を伝送する方式であり、その通信装置は、高周波信号の処理を行なう通信回路部と、グランドに対しある程度の高さで離間して配置された結合用電極と、結合用電極に高周波信号を効率的に供給する共振部で構成される。結合用電極、又は結合用電極と共振部を含んだ部品のことを、本明細書では「高周波結合器」とも呼ぶ。
【0004】
非接触通信は、モバイル端末などに搭載され、認証情報や電子マネーその他の価値情報のメディアとして広く利用されてきた。最近では、通信速度の向上と相俟って、非接触通信のさらなるアプリケーションとして、動画像や音楽などコンテンツ・ファイルのダウンロードやストリーミングといった大容量データ伝送への適用が検討されている。
【0005】
非接触通信を利用して、モバイル端末間でさまざまなデータの交換を行なうことができれば便利である。ところが、多くのディジタル・コンテンツは暗号化などにより著作権保護が施されており、単にデータを移動又は複製しただけでは、転送先のモバイル端末でコンテンツを利用することができない。すなわち、モバイル端末間でディジタル著作権管理されたコンテンツを非接触通信によりやり取りした後、コンテンツを受け取った側のモバイル端末では、別途セルラーネットワークやインターネットなどの広域ネットワークを介してライセンス管理サーバーからライセンス鍵データを取得しなければ、コンテンツを再生することができず、実用性がよくない。
【0006】
すなわち、モバイル端末は、近隣のモバイル端末からコンテンツ自体のデータを非接触通信で受け取ることはできても、ネットワークに接続する機能がないとライセンス鍵を取得できないので、有料コンテンツを再生することはできない。
【0007】
また、非接触通信機能を搭載したモバイル端末を所持する友人同士で有料コンテンツを薦めるといった利用形態が考えられる。その際、誰が誰に薦めたのかをシステム側で管理する仕組みがないので、薦めた人にポイントを還付するなどのインセンティブを与えたりして、友人知人にコンテンツを薦めるモチベーションを高めることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4345851号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】www.transferjet.org/en/index.html(平成22年9月1日現在)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、非接触通信を利用して著作権管理されたコンテンツのやり取りを好適に行なうことができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願は、上記課題を参酌してなされたものであり、請求項1に記載の発明は、
コンテンツのライセンス鍵を管理するライセンス管理サーバーにネットワーク経由で接続された第1の通信装置と、前記第1の通信装置と第1の非接触通信を行なう第2の通信装置と、前記第1の通信装置と第2の非接触通信を行なう第3の通信装置で構成され、
前記第1の通信装置は、
前記第1の非接触通信により前記第2の通信装置から著作権管理されたコンテンツを受け取るとともに、前記コンテンツを前記第2の非接触通信により前記第3の通信装置に転送し、
前記ネットワーク経由で前記ライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得して、前記第2の非接触通信により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送する、
通信システムである。
【0012】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0013】
また、本願の請求項2に記載の発明は、
第1及び第2の非接触通信部とネットワーク通信部を備え、
前記第1の非接触通信部により第2の通信装置から著作権管理されたコンテンツを受け取るとともに、前記コンテンツを前記第2の非接触通信部により第3の通信装置に転送し、
前記ネットワーク通信部によりライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得して、前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送する、
通信装置である。
【0014】
本願の請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の通信装置は、前記第3の通信装置に対し前記第2の非接触通信部により課金及び認証処理を行なった後に、前記ライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得して、前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送するように構成されている。
【0015】
本願の請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の通信装置は、前記第3の通信装置に対して課金したことに応じて、前記第2の通信装置に対して前記第1の非接触通信部によりポイントを支払うように構成されている。
【0016】
本願の請求項5に記載の発明によれば、請求項2に記載の通信装置の第1又は第2の非接触通信部のうち少なくとも一方は、データを伝送する高周波信号の処理を行なう通信回路部と、前記通信回路部に接続される高周波信号の伝送路と、グランドと、前記グランドに対向して前記高周波信号の波長に対して無視し得る高さだけ離間するように支持される結合用電極と、前記伝送路を介して前記結合用電極に流れ込む電流を大きくするための共振部を備え、前記結合用電極に蓄えられた前記電荷の中心と前記グランドに蓄えられた鏡像電荷の中心を結ぶ線分からなる微小ダイポールを形成し、前記微小ダイポールの方向となす角θがほぼ0度となるように対向して配置された通信相手に向けて前記高周波信号を伝送するように構成されている。
【0017】
また、本願の請求項6に記載の発明は、第1及び第2の非接触通信部とネットワーク通信部を備えた通信装置の通信方法であって、
前記第1の非接触通信部により前記第2の通信装置から著作権管理されたコンテンツを受け取るステップと、
前記コンテンツを前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に転送するステップと、
前記ネットワーク通信部によりライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得するステップと、
前記第3の通信装置に対し前記第2の非接触通信部により課金及び認証処理を行なうステップと、
前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送するステップと、
を有する通信方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、非接触通信を利用して著作権管理されたコンテンツのやり取りを好適に行なうことができる、優れた通信システム、通信装置及び通信方法を提供することができる。
【0019】
本願の請求項1、2、3、6に記載の発明によれば、キオスク端末(第1の通信装置)の介在により、店頭やネットワークを介さずに、モバイル端末(第1、第2の通信装置)を所持するユーザー間で著作権管理されたコンテンツを流通させることができ、施設やネットワーク・インフラの負荷を低減することができる。
【0020】
また、本願の請求項1に記載の発明によれば、第2の通信装置(モバイル端末)は潜在的にコンテンツの販売員になり得るので、販売の窓口が広がり、コンテンツの流通を促進することができる。本願の請求項4に記載の発明によれば、ユーザー(第2の通信装置)がキオスク端末(第1の通信装置)からポイントを受け取る仕組みが提供されるので、各ユーザーは友人知人にコンテンツを薦めるモチベーションが高まり、その結果としてコンテンツの流通を促進することができる。本願の請求項2、3、6に記載の通信装置は、例えばキオスク端末として動作して、モバイル端末間でのコンテンツの転送を中継するとともに、コンテンツの転送先のモバイル端末に代わってライセンス管理サーバーにアクセスして、ライセンス鍵を取得し、モバイル端末に転送することができる。
【0021】
本願の請求項5に記載の発明によれば、非接触通信に微弱なUWB信号を用いた近接無線転送「TransferJet(登録商標)」を適用することで、100Mbps程度の超高速データ伝送を実現することができる。この結果、キオスク端末を中継したモバイル端末間のコンテンツの転送を短時間で行なうことができる。
【0022】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、ネットワーク接続されたキオスク端末を経由して、非接触通信によりモバイル端末間で著作権管理されたコンテンツをやり取りする通信システムの構成例を示した図である。
【図2】図2は、図1に示した通信システム10において、著作権管理されたモバイル端末間で転送する際の動作シーケンスを示した図である。
【図3】図3は、図1に示した通信システム10において、キオスク端末11として動作することができる通信装置の構成例を模式的に示した図である。
【図4】図4は、図1に示した通信システム10において、モバイル端末12又は13として動作することができる通信装置の構成例を模式的に示した図である。
【図5】図5は、近接無線転送に用いられる高周波結合器の構成例を模式的に示した図である。
【図6】図6は、微小ダイポールによる電界を表した図である。
【図7】図7は、図1に示した通信システムにおいて、図2に示した動作シーケンスを行なう際に、第1のモバイル端末12が実行する処理手順を示したフローチャートである。
【図8】図8は、図1に示した通信システムにおいて、図2に示した動作シーケンスを行なう際に、キオスク端末11が実行する処理手順を示したフローチャートである。
【図9】図9は、図1に示した通信システムにおいて、図2に示した動作シーケンスを行なう際に、第2のモバイル端末13が実行する処理手順を示したフローチャート
【図10】図10は、ネットワーク接続されたキオスク端末を中継してモバイル端末が有料コンテンツを購入する通信システム100の構成例を模式的に示した図である。
【図11】図11は、ディジタル・コンテンツを購入する際の流れ(従来例)を説明するための図である。
【図12】図12は、モバイル端末間でコンテンツのやり取りを行なう際の流れ(従来例)を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
店頭やネットワークを介さずに、ユーザー同士でコンテンツを流通させることができれば、施設やネットワーク・インフラの負荷を低減することができる。潜在的にすべてのユーザーがコンテンツの販売員になり得る、ということで、販売の窓口が広がり、コンテンツの流通を促進することができる。また、コンテンツ販売したユーザーにポイントなどのインセンティブを与える仕組みがあれば、友人知人にコンテンツを薦めるモチベーションが高まり、その結果としてコンテンツの流通を促進することができる。
【0026】
一方、有料コンテンツの多くは、不正コピーによる無制限な利用を防止するために、ディジタル著作権管理(Digital Right Management:DRM)が施されている。著作権管理されたコンテンツを再生するためは、コンテンツ本体のデータに加えて、ライセンス鍵が必要である。コンテンツの不正利用を防止するという目的から、一般には、ユーザー間でコンテンツ本体のデータをやり取りできてもライセンス鍵をコピーして使用することはできない。このため、コンテンツを再生したいユーザーは、少なくとも一度はネットワークに接続してライセンス管理サーバーからライセンス鍵を取得する必要がある。言い換えれば、ネットワークに接続する機能がないと、有料コンテンツを再生することはできない。
【0027】
図11には、ディジタル・コンテンツを購入する際の流れ(従来例)を図解している。IP(Internet Protocol)ネットワークに接続されたPC(Personal Computer)は、ネットワークを通じて、コンテンツ提供サーバーからコンテンツをダウンロードするとともに、ライセンス管理サーバーとの間で課金及び認証処理を行なった後に、ライセンス鍵を取得する。PC上では、ダウンロードしたコンテンツを、ライセンス鍵を用いて再生することができる。
【0028】
また、図12には、モバイル端末間でコンテンツのやり取りを行なう際の流れ(従来例)を図解している。第1のモバイル端末及び第2のモバイル端末がともに非接触通信機能を搭載している場合、非接触通信を利用して第1のモバイル端末から第2のモバイル端末へコンテンツ・ファイルを移動又はコピーすることができる。しかしながら、コンテンツの不正利用を防止するという目的から、ライセンス鍵を第1のモバイル端末から第2のモバイル端末へ転送することはできないため、第2のモバイル端末側でコンテンツを再生することはできない。第2のモバイル端末は、別途セルラーネットワークなどを介してIPネットワークに接続して、ライセンス管理サーバーとの間で課金及び認証処理を行ない、ライセンス鍵を取得する必要がある。このような手順よりも、むしろ第2のモバイル端末はネットワーク接続してコンテンツをダウンロードする方が簡単で済む。モバイル端末間でコンテンツ・ファイルをやり取りするメリットがなく、言い換えれば、ユーザーはコンテンツの販売員にはなり得ず、コンテンツの流通が進まない。
【0029】
そこで、本発明者は、ネットワーク接続されたキオスク端末を中継して、非接触通信によりモバイル端末間で有料の(すなわち、著作権管理された)コンテンツをやり取りする通信システムを提案する。図1には、この通信システム10の構成例を模式的に示している。
【0030】
図示の通信システム10は、ネットワーク接続部と第1及び第2の非接触通信部を備えるキオスク端末11と、コンテンツの転送元となる第1のモバイル端末12と、コンテンツの転送先となる第2のモバイル端末13で構成される。キオスク端末11は、ネットワーク接続して、ライセンス管理サーバー14からコンテンツのライセンス鍵を取得することができる。また、第1の非接触通信部と第2の非接触通信部は、互いに干渉せずに独立して動作することができるものとする。
【0031】
第1のモバイル端末12と第2のモバイル端末13は、それぞれ非接触通信部を備えている。各モバイル端末の非接触通信部は同じ通信方式である必要はないが、以下では、キオスク端末11の第1の非接触通信部は、第1のモバイル端末12の非接触通信部と同じ通信方式であり、キオスク端末11の第2の非接触通信部は、第2のモバイル端末13の非接触通信部と同じ通信方式であるとする。また、キオスク端末11の第1の非接触通信部と第2の非接触通信部は、互いに干渉しないように十分な距離をへだてて設置される。したがって、キオスク端末11は、第1のモバイル端末12及び第2のモバイル端末13とは、互いに混信せずに同時に通信することができる。
【0032】
なお、キオスク端末11は、チケットのオンライン販売や、カメラ画像のプリント、銀行のATMサービスなど、キオスク端末本来の機能を装備してもよいが、コンテンツ転送の中継には関連しないその他の機能は本発明の要旨でないので、本明細書では説明を省略する。
【0033】
まず、キオスク端末11の第1の非接触通信部に第1のモバイル端末12を、キオスク端末11の第2の非接触通信部に第2のモバイル端末13を、同時にかざす。
【0034】
そして、第1の非接触通信部を介して、第1のモバイル端末12内のコンテンツ・ファイルをキオスク端末11に移動(又はコピー)すると、続いて、第2の非接触通信部によって、キオスク端末11から第2のモバイル端末12にコンテンツ・ファイルを移動する。
【0035】
第2のモバイル端末13は、第2の非接触通信部(又はその他の課金認証手段、例えば「FeliCa(登録商標)」)を使って、キオスク端末11を経由して課金認証とライセンス鍵の取得を行なう。したがって、第2のモバイル端末13が別途、自らネットワーク上のライセンス管理サーバー14に接続しなくても、有料コンテンツを再生することができる。
【0036】
第1のモバイル端末12は、第2のモバイル端末13へコンテンツ・ファイルを提供するので、潜在的にコンテンツの販売者になり得る。第1のモバイル端末1がコンテンツ・ファイルを提供したことに伴って、キオスク端末11は、第1の非接触通信部(又はその他の課金認証手段、例えば「FeliCa(登録商標)」)を使って、第1のモバイル端末12に対し、コンテンツ販売の見返りとして手数料の支払いを行なうか若しくはこれに相当するポイントを還付する。このようなポイントの還付は、モバイル端末のユーザーにとって、友人知人にコンテンツを薦めるモチベーションとなる。コンテンツを薦めるユーザーが増えると、コンテンツ販売の窓口が広がるので、コンテンツの流通を促進することができる。
【0037】
図2には、図1に示した通信システム10において、著作権管理されたモバイル端末間で転送する際の動作シーケンスを示している。キオスク端末11の第1の非接触通信部に第1のモバイル端末12を、キオスク端末11の第2の非接触通信部に第2のモバイル端末13を、それぞれかざしているとする。
【0038】
まず、第1のモバイル端末12内のコンテンツ・ファイルが、第1の非接触通信部を介して、キオスク端末11に転送される。
【0039】
キオスク端末11は、ライセンス管理サーバー14とネットワーク接続して、第1のモバイル端末12から受け取ったコンテンツ・ファイルについてのライセンス鍵の取得を依頼する。これに対し、ライセンス管理サーバー14は、依頼されたライセンス鍵を、ネットワーク経由でキオスク端末11に送信する。
【0040】
続いて、キオスク端末11は、第1のモバイル端末12から受け取ったコンテンツとそのライセンス鍵を、第2のモバイル端末13に転送する。図2では、詳細な手続を省略して描いたが、ライセンス鍵を転送する際には、キオスク端末11は、第2のモバイル端末13との間で課金及び認証処理を行なう。
【0041】
そして、キオスク端末11は、第2のモバイル端末13から転送完了通知を受信すると、第1のモバイル端末12に対し、手数料の支払いやポイントの還付などのコンテンツ販売の見返りとして成功報酬を送信する。
【0042】
図1に示した通信システム10では、容量の大きなコンテンツ・ファイルのやり取りは、非接触通信というローカルの通信手段を用いて行なわれ、課金及び認証処理やライセンス鍵の取得など容量の小さいデータのやり取りのみ公共のネットワークを用いるので、ネットワーク・インフラの負荷を軽減することができる。
【0043】
第1のモバイル端末12と第2のモバイル端末13の間で著作権管理されたコンテンツをやり取りするが、受け取り側となる第2のモバイル端末13は、別途自らネットワークに接続しなくても、キオスク端末11の中継によりコンテンツのやり取りと同時にライセンス鍵を取得して、コンテンツを再生することができる。
【0044】
また、コンテンツのやり取りには必ずキオスク端末11が中継することから、誰から誰にコンテンツが渡されたのか(言い換えれば、コンテンツの販売員となったユーザーは誰か)がキオスク端末11で明確になる。したがって、上述したように、キオスク端末11は、コンテンツを提供した第1のモバイル端末12に対して、コンテンツ販売の手数料若しくはこれに相当するポイントを還付するようなサービスを行なうことができる。
【0045】
コンテンツ・ファイルのような大容量のデータは、公共のネットワークを介することなく、第1のモバイル端末12、キオスク端末11、第2のモバイル端末13の3者間だけのローカルな通信により行なわれ、ライセンス鍵などのデータ量の少ない情報のみネットワークでやり取りするので、ネットワーク・インフラに対する負荷を低減することができる。
【0046】
キオスク端末11が持ち歩き可能で且つネットワーク接続機能を備えた小型の通信装置で構成される場合、第1のモバイル端末12にダウンロードした有料のコンテンツを、ネットワーク接続機能のないカーオーディオなどにも転送して再生することができる。
【0047】
なお、著作権管理されたコンテンツの多くは、コピー回数が制限されている。図1に示した通信システム10では、規定の回数を使い切ったコンテンツであっても、キオスク端末11を経由する場合に限りモバイル端末間で追加のコピーを許容しても、コンテンツの著作権を保護することができる。追加のコピーを行なう際には、キオスク端末11は、コピー先のモバイル端末に対してコピー手数料を徴収するようにすることもできる。
【0048】
図3には、図1に示した通信システム10において、キオスク端末11として動作することができる通信装置30の構成例を模式的に示している。
【0049】
通信装置30は、第1の非接触通信部31と、第2の非接触通信部32と、ネットワーク接続部33と、制御部34を備えている。
【0050】
第1の非接触通信部31と第2の非接触通信部32は、互いに干渉せずに独立して動作することができる。第1の非接触通信部31と第2の非接触通信部32は、同じ通信方式である必要はないが、第1の非接触通信部31は第1のモバイル端末12(コンテンツの転送元)の非接触通信部と同じ通信方式であり、第2の非接触通信部32は第2のモバイル端末13(コンテンツの転送先)の非接触通信部と同じ通信方式である。
【0051】
ネットワーク接続部33は、TCP/IPなどの通信プロトコルに従って、インターネットなどの公共のネットワークに接続することができる。通信装置30は、ネットワーク接続部33を通じて、公共のネットワーク上のライセンス管理サーバー14からコンテンツのライセンス鍵を取得することができる。
【0052】
制御部34は、通信装置30の動作を統括的にコントロールする。本実施形態では、制御部34は、第1の非接触通信部31及び第2の非接触通信部32で通信するモバイル端末間でのコンテンツ転送を中継するコンテンツ転送機能と、モバイル端末間で転送されるコンテンツのライセンス鍵をライセンス管理サーバーから取得するライセンス鍵取得機能、コンテンツ及びライセンス鍵をコンテンツ転送先のモバイル端末に送信する際に課金及び認証処理を行なう課金・認証処理機能、コンテンツの転送元のモバイル端末に対しコンテンツを提供したことの見返りとしてポイントの還付などのポイント管理機能を実現する。
【0053】
図4には、図1に示した通信システム10において、モバイル端末12又は13として動作することができる通信装置40の構成例を模式的に示している。
【0054】
通信装置40は、非接触通信部41と、制御部42と、コンテンツ蓄積部43と、コンテンツ再生部44と、ユーザー・インターフェース45を備えている。
【0055】
非接触通信部41は、通信装置40をキオスク端末にかざしたときに非接触通信による接続を確立し、コンテンツ・ファイルやライセンス鍵などのデータ通信が可能になる。
【0056】
コンテンツ蓄積部43は、他のモバイル端末からキオスク端末経由で転送されたコンテンツや、その他の手段により取得したコンテンツを蓄積する。コンテンツ再生部44は、コンテンツ蓄積部43に蓄積されているコンテンツを、キオスク端末から取得したライセンス鍵を用いて再生処理する。
【0057】
ユーザー・インターフェース45は、再生コンテンツやその他の画面データを出力する表示画面や、ユーザー操作を受け付ける操作部などを備えている。
【0058】
制御部42は、非接触通信部41、コンテンツ蓄積部43、コンテンツ再生部44、ユーザー・インターフェース45など、通信装置40内部の動作を統括的にコントロールする。
【0059】
なお、キオスク端末とモバイル端末間で行なう非接触通信は特定の通信方式に限定されず、静電結合方式、電磁誘導方式、電波通信方式などのうちいずれでもよい。微弱なUWB信号を用いた近接無線転送「TransferJet(登録商標)」を用いると、キオスク端末で中継したモバイル端末間のコンテンツ転送において、100Mbps程度の超高速データ伝送を実現することができる。近接無線転送技術の原理について、説明しておく。
【0060】
近接無線転送には、アンテナ・エレメントとして、図5に示すような高周波結合器が用いられる。高周波結合器は、平板状の結合用電極51と、直列インダクター52並びに並列インダクター53からなる共振部を備え、高周波信号伝送路55を介して通信回路部56に接続される。
【0061】
結合用電極51には、高周波の通信信号が流れ込んで、電荷を蓄える。このとき、直列インダクター52及び並列インダクター53からなる共振部の共振作用によって、伝送路を介して結合用電極51に流れ込む電流は増幅され、より大きな電荷が蓄えられる。また、結合用電極51に電荷が蓄えられると、グランド54には鏡像電荷が蓄えられる。平面導体の外部に点電荷Qを置くと、平面導体内には(表面電荷分布を置き換えた仮想的な)鏡像電荷−Qが配置されるが、このことは、例えば溝口正著「電磁気学」(裳華房、第54頁乃至第57頁)にも記載されているように、当業界で周知である。
【0062】
上述のように点電荷Q及び鏡像電荷−Qが蓄えられた結果、結合用電極51に蓄えられた電荷の中心とグランド54に蓄えられた鏡像電荷の中心を結ぶ線分からなる微小ダイポールが形成される。厳密に言うと、電荷Qと鏡像電荷−Qは体積を持ち、微小ダイポールが電荷の中心と鏡像電荷の中心を結ぶように形成される。ここで言う「微小ダイポール」は、「電気ダイポールの電荷間の距離が非常に短いもの」を指す。例えば虫明康人著「アンテナ・電波伝搬」(コロナ社、16頁〜18頁)にも、「微小ダイポール」が記載されている。そして、微小ダイポールによって、電界の横波成分Eθ、電界の縦波成分ER、微小ダイポール回りの磁界Hφが発生する。
【0063】
図6には、微小ダイポールによる電界を表している。図示のように、電界の横波成分Eθは伝搬方向と垂直な方向に振動し、電界の縦波成分ERは伝搬方向と平行な向きに振動する。また、微小ダイポール回りには磁界Hφが発生する。下式(1)〜(3)は微小ダイポールによって生成される電磁界を表している。同式中、距離Rの3乗に反比例する成分は静電磁界、距離Rの2乗に反比例する成分は誘導電磁界、距離Rに反比例する成分は放射電磁界である。
【0064】
【数1】

【0065】
周辺システムへの妨害波を抑制するには、放射電界の成分を含む横波Eθを抑制しながら、放射電界の成分を含まない縦波ERを利用することが好ましいと考えられる。何故ならば、上式(1)、(2)から分かるように、電界の横波成分Eθは距離に反比例する(すなわち、距離減衰の小さい)放射電界を含むのに対して、縦波成分ERは放射電界を含まないからである。
【0066】
上式(2)から、縦波ER成分は微小ダイポールの方向となす角θ=0度で極大となることが分かる。したがって、電界の縦波ERを効率的に利用して非接触通信を行なうには、微小ダイポールの方向となす角θがほぼ0度となるように対向して通信相手側の高周波結合器を配置して、高周波の電界信号を伝送することが好ましい。また、直列インダクター52と並列インダクター53からなる共振部によって、結合用電極51に流れ込む高周波信号の電流をより大きくすることができる。この結果、結合用電極51に蓄積される電荷とグランド側の鏡像電荷によって形成される微小ダイポールのモーメントを大きくすることができ、微小ダイポールの方向となす角θがほぼ0度となる伝搬方向に向かって、縦波ERからなる高周波の電界信号を効率的に放出することができる。
【0067】
続いて、図1に示した通信システム10において、キオスク端末11及び各モバイル端末12、13が実行する処理動作について説明する。
【0068】
図7には、図1に示した通信システムにおいて、図2に示した動作シーケンスを行なう際に、第1のモバイル端末12が実行する処理手順をフローチャートの形式で示している。図示の処理手順は、第1のモバイル端末12として動作する通信装置40において制御部42が所定のプログラム・コードを実行することで実現することができる。
【0069】
まず、第1のモバイル端末12を所持するユーザーが、購入済みのコンテンツ(コンテンツ蓄積部43に蓄積されているコンテンツ)のうち、友人知人に薦めるコンテンツを、ユーザー・インターフェース45を介して選択する(ステップS71)。
【0070】
第1のモバイル端末12は、ユーザーが選択したコンテンツ・ファイルを、非接触通信部41を通じてキオスク端末11に転送する(ステップS72)。
【0071】
ここで、友人知人は第2のモバイル端末13を所持し、これをキオスク端末11にかざしているとする。第2のモバイル端末13側では、ユーザーは、転送したコンテンツ・ファイルを受け取ることもあれば、受け取りすなわち購入を拒否することもある。コンテンツの受け取りを拒否する場合には、そのまま本処理ルーチンを終了する。
【0072】
第2のモバイル端末13がコンテンツを受け取ったときには(ステップS73のYes)、コンテンツを薦めたことに対する成功報酬に相当するポイントの還付若しくは手数料を受領して(ステップS74)、本処理ルーチンを終了する。
【0073】
図8には、図1に示した通信システムにおいて、図2に示した動作シーケンスを行なう際に、キオスク端末11が実行する処理手順をフローチャートの形式で示している。図示の処理手順は、キオスク端末11として動作する通信装置30において制御部34が所定のプログラム・コードを実行することで実現することができる
【0074】
キオスク端末11は、第1の非接触通信部31で第1のモバイル端末12からコンテンツ・ファイルを受信すると(ステップS81)、これを一時保存し、このコンテンツのライセンス鍵をライセンス管理サーバー14から取得することができるかどうかをチェックする(ステップS82)。該当するライセンス鍵を取得できないときには(ステップS82のNo)、第1のモバイル端末12から受け取り、一時保存しておいたコンテンツ・ファイルを消去して(ステップS88)、本処理ルーチンを終了する。
【0075】
ライセンス鍵を取得可能なときには(ステップS82のYes)、このコンテンツを第2のモバイル端末13が受け取るかどうかを、第2の非接触通信部32を通じてチェックする(ステップS83)。第2のモバイル端末13側でコンテンツの受け取りを拒否する場合には(ステップS83のNo)、第1のモバイル端末12から受け取り、一時保存しておいたコンテンツ・ファイルを消去して(ステップS88)、本処理ルーチンを終了する。
【0076】
第2のモバイル端末13がコンテンツを受け取るときには(ステップS83のYes)、キオスク端末11は、ネットワーク通信部33を通じてライセンス管理サーバー14に接続してライセンス鍵を取得するとともに(ステップS84)、第2の非接触通信部32を通じて第2のモバイル端末13に対して課金及び認証処理を行ない(ステップS85)、第2のモバイル端末13にコンテンツ・ファイルを送信する(ステップS86)。
【0077】
また、キオスク端末11は、第1のモバイル端末12に対しては、第1の非接触通信部31を通じて、コンテンツを薦めたことに対する成功報酬に相当するポイントの還付又は手数料の支払いを行なう(ステップS87)。
【0078】
そして、キオスク端末11は、第1のモバイル端末12から受け取り、一時保存しておいたコンテンツ・ファイルをメモリーから消去して(ステップS88)、本処理ルーチンを終了する。
【0079】
図9には、図1に示した通信システムにおいて、図2に示した動作シーケンスを行なう際に、第2のモバイル端末13が実行する処理手順をフローチャートの形式で示している。図示の処理手順は、第2のモバイル端末13として動作する通信装置40において制御部42が所定のプログラム・コードを実行することで実現することができる
【0080】
第2のモバイル端末13側では、ユーザーは、ユーザー・インターフェース45を介して、薦められたコンテンツを受け取るかどうかを選択する(ステップS91)。選択した結果は、非接触通信部31を通じてキオスク端末11に伝えられる。
【0081】
そして、ユーザーがコンテンツを受け取ることを選択したときには(ステップS91のYes)、第2のモバイル端末13は、非接触通信部31を通じて、キオスク端末11を中継してコンテンツ・ファイルを受け取るとともに(ステップS92)、キオスク端末11との間で課金及び認証処理を行ない(ステップS93)、受け取ったコンテンツ・ファイルのライセンス鍵を取得して(ステップS94)、本処理ルーチンを終了する。その後、第2のモバイル端末13では、取得したライセンス鍵を用いてコンテンツの再生が可能になる。また、ユーザーがコンテンツを受け取ることを拒否したときには(ステップS91のNo)、そのまま本処理ルーチンを終了する。
【0082】
なお、これまでの説明では、キオスク端末が2台のモバイル端末間で有料コンテンツのやり取りを中継する実施形態について説明してきたが、キオスク端末はモバイル端末による有料コンテンツの購入を中継することもできる。この場合も、モバイル端末は、自らネットワークに接続することなしに、ネットワーク上のコンテンツ提供サーバーが提供するコンテンツを受け取り、ライセンス管理サーバーからライセンス鍵を購入することができる。
【0083】
図10には、ネットワーク接続されたキオスク端末を中継してモバイル端末が有料コンテンツを購入する通信システム100の構成例を模式的に示している。
【0084】
図示の通信システム100は、ネットワーク接続部と非接触通信部を備えるキオスク端末101と、非接触通信部を備え、コンテンツを購入するモバイル端末102で構成される。キオスク端末101及びモバイル端末102の非接触通信部は同じ通信方式とする。キオスク端末101、モバイル端末102は、それぞれ図3、図4に示した装置構成を備えるものとする。
【0085】
まず、モバイル端末102をキオスク端末101にかざす。モバイル端末102は、直接は非接触通信を通じてキオスク端末101と接続するのみであるが、キオスク端末101は公共のネットワークに接続されており、ネットワーク上のサーバーとのやり取りを中継することができる。
【0086】
モバイル端末102のユーザーは、ユーザー・インターフェース45を介して、購入したいコンテンツを選択すると、この選択結果は非接触通信を通じてキオスク端末101に伝えられる。または、ユーザーは、キオスク端末101のディスプレイに表示されたコンテンツの中から、購入したいものを選択する。キオスク端末101は、選択されたコンテンツ・ファイルをコンテンツ提供サーバー104からネットワーク経由で取得すると、非接触通信によりモバイル端末102に転送する。
【0087】
続いて、キオスク端末101は、コンテンツのライセンス鍵を提供するライセンス管理サーバー105とモバイル端末102との間の課金及び認証処理を中継する。
【0088】
モバイル端末102は、この課金及び認証処理を経て、コンテンツのライセンス鍵をキオスク端末101の中継により取得することができる。その後、モバイル端末102は、ライセンス鍵を用いて、取得したコンテンツを再生することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳細に説明してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0090】
本発明に適用される非接触通信システムは、コンテンツ・データを転送可能な容量や通信速度を備えていれば、特定の通信方式に限定されるものではなく、微弱なUWB信号を用いた近接無線転送「TransferJet(登録商標)」や、静電結合方式、電磁誘導方式、電波通信方式などの非接触通信技術であってもよい。
【0091】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【符号の説明】
【0092】
10…通信システム
11…キオスク端末
12…第1のモバイル端末
13…第2のモバイル端末
14…ライセンス管理サーバー
30…通信装置(キオスク端末)
31…第1の非接触通信部
32…第2の非接触通信部
33…ネットワーク接続部
34…制御部
40…通信装置(モバイル端末)
41…非接触通信部
42…制御部
42…コンテンツ蓄積部
44…コンテンツ再生部
45…ユーザー・インターフェース
51…結合用電極
52…直列インダクター
53…並列インダクター
54…グランド
55…高周波信号伝送路
56…通信回路部
100…通信システム
101…キオスク端末
102…モバイル端末
104…コンテンツ提供サーバー
105…ライセンス管理サーバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツのライセンス鍵を管理するライセンス管理サーバーにネットワーク経由で接続された第1の通信装置と、前記第1の通信装置と第1の非接触通信を行なう第2の通信装置と、前記第1の通信装置と第2の非接触通信を行なう第3の通信装置で構成され、
前記第1の通信装置は、
前記第1の非接触通信により前記第2の通信装置から著作権管理されたコンテンツを受け取るとともに、前記コンテンツを前記第2の非接触通信により前記第3の通信装置に転送し、
前記ネットワーク経由で前記ライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得して、前記第2の非接触通信により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送する、
通信システム。
【請求項2】
第1及び第2の非接触通信部とネットワーク通信部を備え、
前記第1の非接触通信部により第2の通信装置から著作権管理されたコンテンツを受け取るとともに、前記コンテンツを前記第2の非接触通信部により第3の通信装置に転送し、
前記ネットワーク通信部によりライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得して、前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送する、
通信装置。
【請求項3】
前記第3の通信装置に対し前記第2の非接触通信部により課金及び認証処理を行なった後に、前記ライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得して、前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第3の通信装置に対して課金したことに応じて、前記第2の通信装置に対して前記第1の非接触通信部によりポイントを支払う、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記第1又は第2の非接触通信部のうち少なくとも一方は、
データを伝送する高周波信号の処理を行なう通信回路部と、
前記通信回路部に接続される高周波信号の伝送路と、
グランドと、
前記グランドに対向して前記高周波信号の波長に対して無視し得る高さだけ離間するように支持される結合用電極と、
前記伝送路を介して前記結合用電極に流れ込む電流を大きくするための共振部と、
を具備し、
前記結合用電極に蓄えられた前記電荷の中心と前記グランドに蓄えられた鏡像電荷の中心を結ぶ線分からなる微小ダイポールを形成し、前記微小ダイポールの方向となす角θがほぼ0度となるように対向して配置された通信相手に向けて前記高周波信号を伝送する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
第1及び第2の非接触通信部とネットワーク通信部を備えた通信装置の通信方法であって、
前記第1の非接触通信部により前記第2の通信装置から著作権管理されたコンテンツを受け取るステップと、
前記コンテンツを前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に転送するステップと、
前記ネットワーク通信部によりライセンス管理サーバーから前記コンテンツのライセンス鍵を取得するステップと、
前記第3の通信装置に対し前記第2の非接触通信部により課金及び認証処理を行なうステップと、
前記第2の非接触通信部により前記第3の通信装置に前記ライセンス鍵を転送するステップと、
を有する通信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−60555(P2012−60555A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204039(P2010−204039)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】