説明

通信システムおよび通信方法

【課題】複数のネットワーク間での電波干渉を回避することができる通信システム等を提供する。
【解決手段】受信手段12は、他の無線通信装置から送信されたルータ広告を受信する。生成手段15は、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成する。送信手段16は、前記生成手段により生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置からチャンネルホッピングのホッピングパターンを指定するルータ広告を送信し、このルータ広告を受信した相手方通信装置と前記無線通信装置との間で、前記ルータ広告で指定された前記ホッピングパターンを用いた通信ネットワークを構築する通信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ISA100.11aにおいて、無線デバイスを無線インフラストラクチャに接続するためにネットワークパラメータおよびセキュリティパラメータの初期設定を行う作業をプロビジョニングと呼んでいる。ISA100.11aの仕様として規定されたプロビジョニングとして、ISA100.11aプロトコルを用いて行うOTA(Over the air)プロビジョニングがあり、さらにOTAプロビジョニングには、ハンドヘルドOTAプロビジョニングと、ツールレスOTAプロビジョニングの2つがある。
【0003】
このうち、ハンドヘルドOTAプロビジョニングでは、専用機器であるハンドヘルドPD(Provisioning device)を用い、ISA100.11a無線インフラストラクチャ(ターゲットネットワーク)とは物理的に隔離されたISA100.11a無線サブネット(プロビジョニングネットワーク)上で無線デバイス(DBP; Device being provisioned)の初期設定を行う。無線デバイス(DBP)はプロビジョニングネットワークでプロビジョニングが行われた後にターゲットネットワークへ接続される。
【0004】
以下、ハンドヘルドOTAプロビジョニングの手順について説明する。
【0005】
(1)ステップ1
ルーティングデバイスの機能を内包するハンドヘルドPD101から、定期的にルータ広告をブロードキャスト送信する。図8(a)に示す円は無線デバイス(DBP)102がルータ広告を受信することができる範囲を表現している。ルータ広告を受信できる範囲がプロビジョニングネットワークである。
【0006】
(2)ステップ2
ルータ広告には無線デバイス(DBP)102がプロビジョニングネットワークへ接続するために必要なネットワークパラメータが格納されており、ルータ広告圏内の無線デバイス(DBP)102は、ルータ広告を受信することでネットワークパラメータを取得し、プロビジョニングネットワークに接続することが可能となる。なお、実際の接続工程は複数のトランザクションからなる。
【0007】
(3)ステップ3
無線デバイス(DBP)102のプロビジョニングネットワークへの接続が完了すると、ハンドヘルドPDは無線デバイス(DBP)102にターゲットネットワークに接続するためのネットワークパラメータとセキュリティパラメータを設定する。なお、実際の設定工程は複数のトランザクションからなる。
【0008】
ISA100.11aでは、チャンネルホッピングを用いたTDMA(Time Division Multiple Access)で通信を行なっており、ハンドヘルドPDは上記ステップ2において、ISA100.11aで予め定義された5つのデフォルトチャンネルホッピングパターンの中から、実際に使用するホッピングパターンを無線デバイス(DBP)に通知している。
【0009】
チャンネルホッピングは国際原子時のゼロ点を基点に絶対時刻で管理されており、ハンドヘルドPDが送信するルータ広告には国際原子時のゼロ点におけるホッピングのオフセットがパラメータとして含まれている。また、ホッピングは等間隔で行われており、ルータ広告には各々のホッピングの間隔もパラメータとして含まれている。
【0010】
ISA100.11aでは、ハンドヘルドPDがルータ広告をIEEE802.15.4のチャンネル15またはチャンネル25で送信することを示唆している。無線デバイス(DBP)は起動時にチャンネル15またはチャンネル25をスキャンすることでルータ広告を受信し、用いられているホッピングパターン、オフセット、および間隔を取得することで、無線デバイス(DBP)のホッピングパターンをハンドヘルドPDに同期することができる。
【0011】
なお、非特許文献1の9.1節 (P.249-P.314)には、デフォルトホッピングパターン等のチャンネルホッピングに関する定義が、9.3節 (P.317-P.338)には、用いるチャンネルホッピング設定をルータ広告で無線サブネット内に広告することが、14章 (P.666-P.693)には、プロビジョニングに関する定義が、それぞれ記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】ISA-100.11a-2009, Wireless systems for industrial automation: Process control and related applications, 9.1節 (P.249-P.314)、9.3節 (P.317-P.338)、14章 (P.666-P.693)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ハンドヘルドOTAプロビジョニングにおいて、ハンドヘルドPDは各々が独立したデバイスであるため、各々のハンドヘルドPDはチャンネルホッピングに関して任意のパラメータを用いることができる。したがって、複数のハンドヘルドPDが同じホッピングパターンを同じ間隔、同じオフセットで用いる可能性がある。また、ハンドヘルドPD間でホッピングパターンが異なっていても、同一時刻に同一チャンネルが重なり合う可能性もある。その場合、図8(b)に示すように、各々のハンドヘルドPD101,101Aが構成するプロビジョニングネットワークが互いに電波干渉を引き起こすため、ハンドヘルドPD101,101Aと無線デバイス(DBP)間の相互接続性が失われる。
【0014】
本発明の目的は、複数のネットワーク間での電波干渉を回避することができる通信システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の通信システムは、無線通信装置からチャンネルホッピングのホッピングパターンを指定するルータ広告を送信し、このルータ広告を受信した相手方通信装置と前記無線通信装置との間で、前記ルータ広告で指定された前記ホッピングパターンを用いた通信ネットワークを構築する通信システムにおいて、前記無線通信装置は、他の無線通信装置から送信されたルータ広告を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
この通信システムによれば、受信されたルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成するので、複数のネットワーク間での電波干渉を回避することができる。
【0016】
前記生成手段は、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一周期のホッピングパターンを生成してもよい。
【0017】
前記生成手段は、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一の繰り返しパターンで時刻方向のオフセットの異なるホッピングパターンを生成してもよい。
【0018】
前記生成手段は、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンが使用していない時刻帯のみを使用するホッピングパターンを生成してもよい。
【0019】
ユーザインタフェースを介する指示に従ってホッピングパターンを生成するとともに、前記指示に従って生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を送信する手段を備えてもよい。
【0020】
前記無線通信装置は、プロビジョニングに使用するハンドヘルドデバイスであってもよい。
【0021】
本発明の通信方法は、無線通信装置からチャンネルホッピングのホッピングパターンを指定するルータ広告を送信し、このルータ広告を受信した相手方通信装置と前記無線通信装置との間で、前記ルータ広告で指定された前記ホッピングパターンを用いた通信ネットワークを構築する通信方法において、一の無線通信装置において、他の無線通信装置から送信されたルータ広告を受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成する生成ステップと、前記生成ステップにより生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を、前記一の無線通信装置から送信する送信ステップと、を備えることを特徴とする。
この通信方法によれば、受信されたルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成するので、複数のネットワーク間での電波干渉を回避することができる。
【0022】
前記生成ステップでは、前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一周期のホッピングパターンを生成してもよい。
【0023】
前記生成ステップでは、前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一の繰り返しパターンで時刻方向のオフセットの異なるホッピングパターンを生成してもよい。
【0024】
前記生成ステップでは、前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンが使用していない時刻帯のみを使用するホッピングパターンを生成してもよい。
【0025】
ユーザインタフェースを介する指示に従ってホッピングパターンを生成するとともに、前記指示に従って生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を送信するステップを備えてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の通信システムによれば、受信されたルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成するので、複数のネットワーク間での電波干渉を回避することができる。
【0027】
また、本発明の通信方法によれば、受信されたルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成するので、複数のネットワーク間での電波干渉を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】一実施形態の通信システムとしてのハンドヘルドPDの構成を示すブロック図。
【図2】ハンドヘルドPDの動作を示すフローチャート。
【図3】デフォルトのホッピングパターンを示す図。
【図4】デフォルトのホッピングパターンを示す図。
【図5】ホッピングパターンの間隔およびオフセットの概念を示す図。
【図6】受信されたチャンネルホッピングパターンと、生成されたチャンネルホッピングパターンとの関係を例示する図。
【図7】チャンネルホッピングパターンを生成する別のアルゴリズムを示す図。
【図8】ハンドヘルドOTAプロビジョニングの手順を示す図であり、(a)はプロビジョニングネットワークを示す図、(b)はプロビジョニングネットワークが重なり合う状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明による通信システムの実施形態について説明する。
【0030】
図1は、本実施形態の通信システムとしてのハンドヘルドPD(Provisioning device)1の構成を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、ハンドヘルドPD1は、デフォルトのホッピングパターンを格納するデフォルトパターン格納部11と、他のハンドヘルドPDから送信されたルータ広告を受信するルータ広告受信部12と、ルータ広告受信部12で受信されたルータ広告を解析することで、そのルータ広告が指定するホッピングパターンを抽出するパターン解析部13と、パターン解析部13により抽出されたホッピングパターンを記憶するパターン記憶部14と、デフォルトパターン格納部11に格納されたデフォルトのホッピングパターンを用いて、ハンドヘルドPD1が使用するホッピングパターンを生成するパターン生成部15と、パターン生成部15により生成されたホッピングパターンを指定するルータ広告を送信するルータ広告送信部16と、を備える。
【0032】
次に、ハンドヘルドPD1の動作について説明する。
【0033】
図2は、ハンドヘルドPD1の動作を示すフローチャートである。
【0034】
図2のステップS1では、ルータ広告受信部12により、他のハンドヘルドPDがプロビジョニングネットワーク20(図1)上にブロードキャスト送信するルータ広告の捕捉を試みる。ここでは、無線デバイス(DBP; Device being provisioned)の起動時と同様に、IEEE802.15.4におけるチャンネル15またはチャンネル25をスキャンすることでルータ広告を受信することができる。
【0035】
次に、ステップS2では、ステップS1においてルータ広告が捕捉されたか否か判断し、判断が肯定されればステップS3へ進み、判断が否定されればステップS6へ進む。
【0036】
ステップS3では、パターン解析部13は、ルータ広告受信部12により捕捉されたルータ広告から、使用されているチャンネルホッピングパターンのホッピングパターン、オフセットおよび間隔を特定する。
【0037】
次に、ステップS4では、パターン解析部13は、ステップS3において特定されたホッピングパターン、オフセットおよび間隔をパターン記憶部14に記憶する。
【0038】
次に、ステップS5では、パターン生成部15は、ステップS3において特定されたホッピングパターン、すなわち他のハンドヘルドPDが使用しているチャンネルホッピングパターンと衝突しないようなチャンネルホッピングパターンを生成する。
【0039】
具体的には、パターン生成部15は、ステップS3において特定されたホッピングパターンと同一のホッピングパターンを選択する。
【0040】
図3および図4は、ISA100.11aで定義された5つのデフォルトのホッピングパターン(ホッピングパターン1〜5)を示している。これらは各パターンの一周期を示しており、実際には各パターンを周期的に繰り返すことにより継続的な通信が可能となる。これらのホッピングパターンはデフォルトパターン格納部11に格納されており、パターン生成部15は、デフォルトパターン格納部11から、ステップS3において特定されたホッピングパターンと同一のホッピングパターンを選択する。例えば、ステップS3において、ホッピングパターン1(図3)が特定された場合、パターン生成部15はホッピングパターン1を選択する。
【0041】
次に、パターン生成部15はステップS3において特定された間隔と同一の間隔を選択する。また、パターン生成部15はステップS3において特定されたオフセットとは異なるオフセットを選択する。そして、パターン生成部15は、選択されたホッピングパターン、間隔およびオフセットを組み合わせたチャンネルホッピングパターンを生成する。
【0042】
図5は、ホッピングパターンの間隔およびオフセットの概念を示す図である。図5に示すように、「間隔Δ」はホッピングパターンの中で1つのチャンネルが使用されている時間を示す。また、間隔Δはデフォルトの各ホッピングパターンにおける周期を規定することになり、同一のホッピングパターン間において間隔Δが同一であれば周期も同一となる。図5の例では、周期は「16×Δ」となる。
【0043】
また、「オフセット」はデフォルトのホッピングパターンからの時間的なずれを示し、間隔Δの整数倍の値をとる。図5に示す例では、デフォルトのホッピングパターン1(図3)からのオフセットが間隔Δの4倍とされているチャンネルホッピングパターンを示している。図3に示すホッピングパターン1と図5に示すチャンネルホッピングパターンを比較すると明らかなように、図5に示すチャンネルホッピングパターンでは、時刻t0を基点とするホッピングパターン1(図3)に対し、間隔Δの4倍に相当するオフセット「4×Δ」だけ遅れたパターンが示されている。
【0044】
このように、パターン生成部15は、他のハンドヘルドPDから受信されたルータ広告に示されるチャンネルホッピングパターンに対し、そのホッピングパターンと間隔が同一で、かつオフセットのみが異なるチャンネルホッピングパターンを選択し、生成する。この手順により、他のハンドヘルドPDとの間で、同一時刻に同一チャンネルを使用することが回避され、他のハンドヘルドPDとの衝突を避けることができる。
【0045】
図6は、他のハンドヘルドPDが使用しているチャンネルホッピングパターン(受信されたチャンネルホッピングパターン)と、パターン生成部15により生成されたチャンネルホッピングパターン(生成されたチャンネルホッピングパターン)との関係を例示する図である。図6の例では、受信されたチャンネルホッピングパターンに対し、オフセットが間隔の2倍だけ異なるチャンネルホッピングパターンを生成することで、同一時刻に同一チャンネルが重ならず、電波干渉が回避できる様子が示されている。なお、パターン生成部15においてオフセットを定めるアルゴリズムは任意である。
【0046】
次に、ステップS7では、以上の手順で生成されたチャンネルホッピングパターンを指定するルータ広告を、ルータ広告送信部16によりプロビジョニングネットワーク20(図1)上にブロードキャスト送信し、処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS6では、例えば、予め規定されているチャンネルホッピングパターンをデフォルトパターン格納部11から選択し、ステップS7では、このチャンネルホッピングパターンを指定するルータ広告を、ルータ広告送信部16によりプロビジョニングネットワーク20上にブロードキャスト送信し、処理を終了する。この場合(すなわち、ステップS2の判断が否定されている場合)、他のハンドヘルドPDとの衝突はないため、従来のアルゴリズムに従って、チャンネルホッピングパターンを選択することができる。
【0048】
図7は、チャンネルホッピングパターンを生成する別のアルゴリズムを示す図である。
【0049】
図7に示す例では、デフォルトのホッピングパターンを2つのハンドヘルドPDに振り分けている。図7では、図3に示すホッピングパターン1のうちの1/2の時間帯を個々のハンドヘルドPDが使用しており、これにより、他のハンドヘルドPDが使用しているチャンネルホッピングパターン(受信されたチャンネルホッピングパターン)と、パターン生成部15により生成されたチャンネルホッピングパターン(生成されたチャンネルホッピングパターン)との重複を回避している。
【0050】
ISA100.11aではチャンネルホッピングを用いたTDMAで通信を行う際に、IEEE802.15.4のチャンネル11から26を占有し常に通信を行なっている訳ではない。ルータ広告ではチャンネルホッピングパターンに加え、そのチャンネルホッピングパターン内において送受信を行うタイミング(リンク情報)も無線デバイス(DBP)に通知している。したがって、受信されたルータ広告のリンク情報を参照し、使用されていないタイミングを送受信に用いることにより、実質的に既定のホッピングパターンを2分割して、互いに電波干渉を起こさない2つのホッピングパターンを得ることができる。図7の例では、別のハンドヘルドPDで使用されていない送受信タイミングを使用する旨のリンク情報を含むルータ広告を送信することで、電波干渉を回避できる。
【0051】
上記実施形態では、無線デバイス(DBP)に対するルータ広告を利用してチャンネルホッピングパターンを調整する例を示しているが、ハンドヘルドPD同士における別の通信手段を用いてチャンネルホッピングパターンの折衝を行う機能を付加してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、ハンドヘルドPDが、自らが使用するホッピングパターンのオフセットを自律的に決定しているが、ハンドヘルドPDから、他のハンドヘルドPDがすでに使用しているチャンネルホッピングパターンを、ユーザインタフェースを介してユーザに通知するようにしてもよい。この場合、ユーザインタフェースを介してユーザによるオフセットの指定を受け付けることで、ユーザがオフセットを任意に設定できる。
【0053】
また、上記実施形態では、受信されたルータ広告が1つの場合を示しているが、2つ以上のルータ広告が受信される場合には、複数のルータ広告が指定する複数のチャンネルホッピングパターンのいずれとも衝突しないチャンネルホッピングパターンを生成し、これを使用すればよい。この場合、すべてのハンドヘルドPDにおいて使用可能なホッピングパターンおよび間隔(周期)を制限したうえで、各ハンドヘルドPDで使用するホッピングパターンのオフセットを調整することで、多数のハンドヘルドPDのプロビジョニングネットワークが互いに重なり合うような場合でも電波干渉を回避可能となる。
【0054】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、無線通信装置からチャンネルホッピングのホッピングパターンを指定するルータ広告を送信し、このルータ広告を受信した相手方通信装置と前記無線通信装置との間で、前記ルータ広告で指定された前記ホッピングパターンを用いた通信ネットワークを構築する通信システム等に対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 ハンドヘルドPD
12 ルータ広告受信部(受信手段)
15 パターン生成部(生成手段)
16 ルータ広告送信部(送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置からチャンネルホッピングのホッピングパターンを指定するルータ広告を送信し、このルータ広告を受信した相手方通信装置と前記無線通信装置との間で、前記ルータ広告で指定された前記ホッピングパターンを用いた通信ネットワークを構築する通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、
他の無線通信装置から送信されたルータ広告を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記生成手段は、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一周期のホッピングパターンを生成することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一の繰り返しパターンで時刻方向のオフセットの異なるホッピングパターンを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記受信手段により受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンが使用していない時刻帯のみを使用するホッピングパターンを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項5】
ユーザインタフェースを介する指示に従ってホッピングパターンを生成するとともに、前記指示に従って生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を送信する手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記無線通信装置は、プロビジョニングに使用するハンドヘルドデバイスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
無線通信装置からチャンネルホッピングのホッピングパターンを指定するルータ広告を送信し、このルータ広告を受信した相手方通信装置と前記無線通信装置との間で、前記ルータ広告で指定された前記ホッピングパターンを用いた通信ネットワークを構築する通信方法において、
一の無線通信装置において、他の無線通信装置から送信されたルータ広告を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンに対し、同一時刻において同一のチャンネルを使用することのないホッピングパターンを生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を、前記一の無線通信装置から送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項8】
前記生成ステップでは、前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一周期のホッピングパターンを生成することを特徴とする請求項7に記載の通信方法。
【請求項9】
前記生成ステップでは、前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンと同一の繰り返しパターンで時刻方向のオフセットの異なるホッピングパターンを生成することを特徴とする請求項7または8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記生成ステップでは、前記受信ステップにより受信された前記ルータ広告が指定するホッピングパターンが使用していない時刻帯のみを使用するホッピングパターンを生成することを特徴とする請求項7または8に記載の通信方法。
【請求項11】
ユーザインタフェースを介する指示に従ってホッピングパターンを生成するとともに、前記指示に従って生成された前記ホッピングパターンを指定するルータ広告を送信するステップを備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−98703(P2013−98703A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238828(P2011−238828)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】