説明

通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新する方法及びシステム

【課題】第1の通信システムによって収集された情報又は第2の通信システムによって提供された情報又はこれら両種の情報を用いて第1の通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新する方法を提供することにより、現代の通信システムの利便性を改善する。
【解決手段】第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新する方法であって、第1通信システムにより収集された情報又は第2通信システムにより供給された情報又は両方の情報を使用するようにした方法において、使用される情報に自然言語が含まれていることを特徴とする、第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野では、様々な種類の通信サービスを提供する種々のシステム及び方法が良く知られている。このようなシステムの例として、電話交換システム、インスタントメッセージングシステム、Twitter、LinkedIn又はFacebookのようないわゆるソーシャルメディアネットワークシステムがある。これらのシステムのうちで、公衆システム、オフィスシステム又は構内システムを区別してもよい。
【0003】
これらのシステムはすべて、独特のエンドユーザ表現と各エンドユーザのデータベースとに基づいて独特のサービスを提供している。その結果が、例えば複数のプレゼンスステータスフィールドに気を配り、手動で管理しなければならないせいで使いやすさがばらばらの通信ストリームである。また、1日に何度も手動で呼やカンファレンスを開始するのは、ユーザにとっては面倒である。
【0004】
このような現代的な通信システムの使用を容易にするという目標は、非常に多くの同期化アプリケーション("Sync Apps")を配布して異なるシステムの間で情報を橋渡しすることによって取り組まれてきた。1つの例として、Facebookサービスの"TwitterApp"というアプリケーションはFacebookのステータスをユーザのTwitterのステータスと同期させることができる。しかし、あいにく、この種のアプリケーションはあるデータベースからのステータス情報を他の通信サービスのデータベースにおける各エントリーに移し替えることのみに限定されている。呼のセットアップをさらに容易にするためには、いわゆるクリック・トゥ・コール又はクリック・トゥ・カンファレンスアプリケーションを使用することができるが、これらのアプリケーションは使用されている多くの通信システムのうちのただ1つにしか常駐していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、第1の通信システムによって収集された情報又は第2の通信システムによって提供された情報又はこれら両種の情報を用いて第1の通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新する方法を提供することにより、現代の通信システムの利便性を改善することである。本発明によれば、使用される情報は自然言語を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新する方法であって、第1通信システムにより収集された情報又は第2通信システムにより供給された情報又は両方の情報を使用するようにした方法において、使用される情報に自然言語が含まれていることを特徴とする、第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新することにより解決される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1通信システムを示す。
【図2】第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を本発明の有利な実施形態に従って変更又は更新する様子を示す。
【図3】第1及び第2通信システムのコンフィギュレーション又は設定を本発明の有利な実施形態に従って変更又は更新する様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では、通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新するという表現は、情報処理システムによって少なくとも支援される、多くのケースでは情報処理システムによって完全に実行される、すべての種類の変更又は更新プロセスをカバーしている。なお、この情報処理システムは好ましくは、使いやすいインテリジェントな手段を通して、好ましくはある種のコンテクストに応じたトリガ機構を用いて異なるばらばらの通信システムを結合する。通信システムのコンフィギュレーション又は設定を自動的に変更又は更新するこのプロセスは、変更又は更新されるべき通信システムが収集した情報を用いて、又は他の通信システムが提供する情報を用いて、又は両種の情報を様々な組合せで用いて実行することができる。
【0009】
通信システムの設定のコンフィギュレーションを変更又は更新するために使用される情報は、任意の種類又は任意の形態の自然言語、例えば音響信号をサンプリングしディジタル領域に変換することによって記録された人間の音声、又は例えばテキストファイル、Eメール、ショートメッセージサービスもしくはこの種の情報エンティティのようなシンボルシーケンス形式の自然言語を含む。また、ディジタル音声、テキストメッセージまたはこれらの一部などのような、他の種類の自然言語を組み合わせてもよい。
【0010】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、第1通信システムは、少なくとも1つの第2通信システムが使用する少なくとも1つのサーバからステータス情報又はステータス変更情報を集めることにより情報を収集する。例えば、通信システムのFacebookは「ステータス更新」と呼ばれる機能(単に「ステータス」とも呼ばれる)を有しており、この機能のおかげでユーザは友達全員に読んでもらうためのメッセージをポストすることができる。一方、友達はコメントで返事をすることができ、また「いいね!」ボタンを押すことで、楽しんでメッセージを読んだことを示すことができる。ユーザの最新のステータス更新はプロフィールのトップに表示され、ユーザの友達リストの「最近の更新」セクションにも表示される。
【0011】
元々、この機能の目的は、自分自身のことを三人称で呼ぶ(例えば「ジョージはいまハッピー」や「ジョンはロバートと家にいる」)ことによって、ユーザが自分の現在の「ステータス」(すなわち、現在の気分、どこにいるか、又は行動)を友達に知らせることができるようにすることにあった。しかし今はもう、三人称で書くことは要求されていない。
【0012】
Facebookは元々「ユーザ名は...です」でステータス更新の入力要求をし、Facebookユーザが残りの部分を記入していた。後に、ステータス更新を「です」で開始するという要件は取り去られた。そして、「今何してる?」という質問が導入された。2009年3月には、ステータス更新の質問が「今何してる?」から「今何考えてる?」に変更された。
【0013】
後に、Facebookは、自分のステータス更新の中で友達の名前の前に@マークを付けることで特定の友達(又はグループ等)をタグ付けし、友達の名前を彼らのプロフィールへのリンクに変え、友達の壁にメッセージを含めるという機能を追加した。2009年には、通信システムのMyspaceも新しいステータス更新機能を追加した。MyspaceユーザがTwitterのアカウントを持っていれば、ツイートがMyspaceのステータスも更新する。Facebook、Myspace、LinkedInおよびXINGなどの他の主導的なソーシャルネットワーキングウェブサイトも、マイクロブロギングとしても知られる独自のステータス更新機能を有している。
【0014】
マイクロブロギングの使用が増えるにつれて、多くのユーザは複数のソーシャルネットワークでプレゼンスを維持したいと思っている。LifestreamやProfilacticのようなサービスは複数のソーシャルネットワークからのマイクロブログを集めて1つのリストにする。Ping.fmのようなサービスは自分のマイクロブログを複数のソーシャルネットワークに送る。Facebookも似たような機能を有している。しかしFacebookでは、ユーザ又は管理者が相応の同期アクションによって2つのアカウントを同期させる(シンクアップ(synched up together)する)必要がある。本発明によれば、通信システムの設定のコンフィギュレーションを変更又は更新するために使用される情報は、任意の種類又は任意の形態の自然言語、例えば音響信号をサンプリングしディジタル領域に変換することによって記録された人間の音声、又は例えばテキストファイル、Eメール、ショートメッセージサービスもしくはこの種の情報エンティティのようなシンボルシーケンス形式の自然言語を含む。また、ディジタル音声、テキストメッセージまたはこれらの一部などのような、他の種類の自然言語を組み合わせてもよい。
【0015】
本発明の別の有利な実施形態によれば、第1通信システムは第1通信システムのユーザが使用する少なくとも1つの端末装置で実行されている少なくともキーストロークリスナを利用して情報を収集する。なお、この実施形態を本発明の他の実施形態と組み合わせてもよい。
【0016】
本発明のさらに別の有利な実施形態によれば、使用される自然言語データに表現マッチングが行われる。なお、この実施形態も本発明の他の実施形態と組み合わせてよい。このようにして、表現又はこのような表現のグループを使用される自然言語データの中から検出し、このような表現に対応付けられた後続するアクションの制御に用いることができる。
【0017】
本発明の別の有利な実施形態によれば、使用される自然言語データから変更又は更新情報を抽出するステップと、抽出した変更又は更新情報に従って第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を変更又は更新するステップは、本発明による方法の最中に行われる。なお、この実施形態も本発明の他の実施形態と組み合わせてよい。このようにして、マッチングステップで検出された表現又は後続のアクションに関連するかもしれない他の表現、例えば変更又は更新情報を、使用される自然言語データから抽出し、第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を抽出した変更又は更新情報に従って変更又は更新することができる。
【0018】
本発明のさらに別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの通信アクションが第1通信システムによって実行される。ただしこのアクションは第1通信システムが使用している自然言語を含む情報に従った第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定の変更又は更新により引き起こされる。なお、この実施形態も本発明の他の実施形態と組み合わせてよい。
【0019】
本発明の別の有利な実施形態によれば、本発明による方法の一部として、少なくとも1つの第1又は第2通信システムの少なくとも1人のユーザの相関する行動の監視に基づいた学習アルゴリズムが使用される。この実施形態も本発明の他の実施形態と組み合わせてよい。当業者には、この文脈で使用しうる様々な種類の学習アルゴリズムが知られている。このような学習アルゴリズムの例としては、いわゆるルールベース学習アルゴリズムや、少なくとも1つの第1又は第2通信システムの少なくとも1人のユーザの行動を監視することによって観察されるユーザの行動における相関に適応する他の種類の適応アルゴリズムが挙げられる。
【0020】
本発明の別の有利な実施形態によれば、学習アルゴリズムは、少なくとも1つの第1又は第2通信システムの使いやすさの少なくとも或る側面を表す目的関数の最大化を目的とする離散最適化アルゴリズムを含む。なお、この実施形態も本発明の他の実施形態と組み合わせてよい。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態によれば、離散最適化アルゴリズムは確率的最適化アルゴリズムである。この実施形態も本発明の他の実施形態と組み合わせてよい。確率的最適化(SO)法は、問題データ(目的関数、制約条件など)又はアルゴリズムそのもののいずれか、又はこれら両方に確率的(ランダム)要素を取り入れた最適化アルゴリズムである。確率的最適化の考えは、目的関数の値が正確であり、計算もそれまでにサンプリングされた値によって完全に決定されると仮定する決定論的最適化法とは対照的である。
【0022】
部分的にランダムな入力データは、リアルタイム推定及び制御、実システムの推定量としてモンテカルロシミュレーションを実行するシミュレーションに基づく最適化、基準の測定に実験的(ランダムな)誤差が存在する問題などの分野で生じる。このようなケースでは、関数値がランダム「雑音」によって汚染されることが知られているので、関数の「真の」値を推定する統計的な推論ツールを使用する及び/又は次のステップに関して統計的に最適もしくは準最適な決定をするアルゴリムに自然と導かれる。この範疇の方法には、確率的近似法、確率的勾配降下法などが含まれる。
【0023】
その一方で、データが正確な場合には、収束を速め、アルゴリズムをモデル化誤差に対してよりロバストにする手段として、探索プロセスに故意にランダム性を導入することが有益である場合もある。さらに、導入されたランダム性が、大域的最適値を探索しているときに局所解から離れるのに必要な推進力を与えることもある。この種の確率的最適化法には、焼きなまし法、確率的山登り法、進化的アルゴリズム、遺伝的アルゴリズムなどが含まれる。
【0024】
遺伝的アルゴリズム(GA)は、最適化及び探索の問題に対する正確な(最適な)又は近似的な(準最適な)解を見つけるためにコンピューティングにおいて益々使用されるようになってきている探索技術である。遺伝的アルゴリズムは大域的な発見的探索法に分類される。遺伝的アルゴリズムは、遺伝、突然変異、淘汰及び交差など、進化生物学に触発された技術を使用する進化的アルゴリズムの特殊なサブグループと見なすこともできる。遺伝的アルゴリズムは、最適化問題に対する解の候補(「個体」、「生物」又は「表現型」と呼ばれる)の抽象的表現(「染色体」又は「ゲノムの遺伝子型」と呼ばれることもある)の集団が「より良い」解へと進化していくコンピュータシミュレーションにおいて実現することができる。
【0025】
解は0と1のストリングとしてバイナリ形式で表現されることが多いが、他の符号化も可能であり、一般に用いられている。通常、進化はランダムに生成された個体の集団から出発し、ふつう数世代にわたって生じる。各世代において、集団内の各個体の「適応度」が評価され、複数の個体が(適応度に基づいて)現在の集団からランダムに選択され、新たな集団を形成するように変更される(組換えられ、ことによるとランダムに突然変異する)。そして、新たな集団がアルゴリズムの次の繰り返しで使用される。一般にアルゴリズムは最大数の世代が生成されるか、集団にとって十分な適応度レベルに達したかしたときに終了する。アルゴリズムが世代の最大数に達したために終了しても、満足な解に達している場合もあれば、達していない場合もある。
【0026】
本発明の別の側面によれば、本発明の開示された実施形態の1つに従った方法を実行する又はこの方法によって使用されるシステム、設備、装置又はデバイスが提供される。
【0027】
1つの有利な実施形態によれば、本発明は、使いやすいインテリジェントな手段を通して、特に自然言語を手段として、異なるばらばらの通信システムを結合する文脈依存型のトリガ機構を提供する。本発明は良く知られた2つの通信システム、すなわちTwitterとOpenScapeに基づいた例によってさらに説明される。
【0028】
1つの例では、ユーザがTwitterの投稿(「ツイート」)で「私は今ランチで外出しています」とタイプした場合、文脈依存型トリガ機構によるアクションはOpenScapeのワンナンバーサービスをボイスメールに変えること、例えば、ユーザからそれ以上のやり取りを要求せずにユーザの電話を自動的にユーザのボイスメールに変えることである。
【0029】
別の例では、数人にツイートで返事する場合に、ユーザは「この問題については本当に電話会議が必要です」とポストするかもしれない。この場合、文脈依存型トリガ機構によるアクションは、OpenScape上で、返事を宛てたすべての人を含んだ電話会議を自動的にセットアップすることである。ユーザは今や会議を開始するために「スタート」をクリックするだけでよい。ユーザが「...はいま会議をする必要がある」又は「2pmに会議を...」とタイプしたのであれば、文脈依存型トリガ機構はそれ以上ユーザとのやり取りをせずに電話会議を直ちに開始するか、2pmの会議のためにEメールを送るようにOpenScapeをトリガするだろう。
【0030】
別の例では、例えば「今ちょうどボストンに着いた」とツイートすると、文脈依存型トリガ機構がトリガされ、OpenScape内の特定のロール・プロファイルがアクティベートされ、この場合、正しい時間帯に従うように時刻ルーティング規則が適合される。
【0031】
本明細書の意味での文脈依存型トリガ機構は好ましくは以下の要素を使用する。
【0032】
第1の有用な要素は通信システムによって使用されているサーバからの既存のステータス変更情報を収集することである。
【0033】
文脈依存型トリガ機構は、ほとんどの通信システムが提供するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)、つまり、例えばTwitterのRESTful APIや、FacebookのAPIや、MyspaceのAPIや、その他のブログステータスAPIを通して、それぞれの通信システムにおける任意の活動又は投稿を呼び出したり、それらについて通知を受ける。このリスニングプロセス又はサービスはユーザのパーソナルコンピュータ(PC)上でローカルに走らせることもできるし、集中的に例えばOpenScapeサーバなどのサーバ上で走らせることもできる。
【0034】
所望の情報を収集する代替的な、しかし同時に好ましくもある方法は、ユーザのPCにインストールされているキーストロークリスナを利用することである。これにより、通信システム外部の情報を含めて、ユーザによって入力された情報のすべてを捕捉することができるという利点がもたらされる。その一方で、コンピュータを使用せずにポストされた情報、例えば携帯電話からSMSを介してポストされたツイートは捕捉されない。それゆえ、ある状況では、両方の種類の情報を捕捉するために両方の方法を組み合わせることが好ましい。
【0035】
別の有用な要素は、収集した情報の中の特定のキーワードのある種の反復的な表現マッチングである。
【0036】
収集された情報、好ましくは上で説明したように収集された情報は、好ましくは次のようにして、表現マッチングアルゴリズムを通して連続的にスキャンされる。例えば「会議」、「電話」、「外出」、「ランチ」などのキーワードに従ってメインコンテンツを検索するトップレベルマッチングが行われる。そして、見つかったトップレベルマッチに依存して、特定文脈向けのマッチングが適用される。例えば、「会議」の場合、会議の時間や参加する人などのような、より詳細な情報が決定される。
【0037】
さらに別の有用な要素は、決定されたアクションを他の通信システムにおけるユーザの通信表現にマッピングする又は前記アクションをトリガすることである。
【0038】
会議の自動セットアップなどの所望のアクションは好ましくは、例えば以下のようにして文脈依存型トリガ機構によってトリガされる:
−好ましくは上記開示に従って、収集された情報を提供した通信システムから所望のアクションが実行されるべき目標通信システムのユーザデータベースの中のユーザ表現へとユーザデータをマッピングする。
−目標通信システムによって提供されるインタフェースを介してアクションをトリガする。
【0039】
本発明の1つの有利な実施形態では、(ユーザのセットアップ時に)最初に行われるべき、通信ユーザデータベースのソーシャルネットワークによる拡張が含まれていてよい。本発明の他の有利な実施形態はメタユーザデータベースサービスを含んでいてよい。
【0040】
トップレベルにおけるキーワード、又は検討されるべき以下の文脈依存する探索レベルにおけるキーワードは、管理者によって構成されるものとしてよい。文脈トリガルールのこのようなコンフィギュレーションは様々に行われうる:
−事前定義されたマッチリストをデフォルトで文脈依存型トリガ機構に含めてもよい。例えば、文脈依存型トリガ機構の開発者が前もってプログラムしておいてもよい。
−ユーザがセルフコンフィギュレーションのオプションを有していてもよい。この場合、ユーザはトリガルールを追加、変更又は削除することができる。
−自己学習文脈依存型トリガ機構がユーザの通信行動における統計的な相関を自動的に検出し、この情報に基づいて新たなトリガルールを自律的に提示又は作成するようにしてよい。例えば、TwitterとOpenScape UCの場合には、以下のシナリオを適用することができる。人物XをフォローするようにTwitterを設定した後に必ずこの同じ人物を自分のUC連絡リストにも追加するユーザには、どのTwitterフォロワー設定アクションもUC連絡リストへの追加を自動的にトリガすると規定する新しい文脈依存トリガルールを決めるためのオプションが文脈依存型トリガ機構によって提示される。
【0041】
2つの異なるアカウントと関連する通信システムにおける同一の物理的なユーザのユーザデータベースエントリとをマッピングするために、文脈依存型トリガ機構は今までばらばらだったこれらの情報を橋渡ししなければならない。そのために、文脈依存型トリガ機構は異なる通信システムの間でユーザデータの連合を実行しなければならない。それゆえ、文脈依存型トリガ機構は好ましくは共通の一意識別子としてEメールアドレスを使用し、提供されるAPIを通してそれぞれのデータベースを定期的にスキャンする。
【0042】
以上に開示した本発明の利点のうち、以下の点に特に注意を払うべきである。本発明は、マシンコマンドの代わりに自然言語でのトリガ、又は先進的インターネット(ウェブ2.0)サービスもしくはソーシャルネットワーキングサービスからのステータス情報からのトリガ、又は個人的なTwitterポストや同様の通信サービスからのトリガを用いて通信アクションの生成の自動化を促進する。
【0043】
好ましくは、文脈依存型トリガ機構はある1つの通信システムからの1つの情報を他の通信システムに転送するだけでなく、その情報をまずインテリジェンスに基づいて解釈し、他の通信システム上で関連する正しい行動をトリガする。
【0044】
以下では、図面を参照して実施例により本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0045】
図1に示されているように、ユーザ20は情報4,5を第1通信システム1に入力したり、このような情報をこの通信システムから受け取る。ユーザが入力又は受け取った情報にはどのような種類の情報が含まれていてもよく、テキスト5や他のディジタル情報、例えば音声データ、ディジタル画像なども含むが、これらに限定されない。第1通信システム1との間で授受された情報は一般にディジタル記憶手段2に格納される(6)。また、一般にある種のコンフィギュレーション又は設定情報も、ステータス情報や他のユーザ固有の情報を含むある種の情報レコード3の形式で第1通信システム1の何らかのディジタル記憶手段2に格納される。
【0046】
第1通信システム1のコンフィギュレーション又は設定の自動変更又は自動更新には、図1及び2に示されているように例えば第1通信システムが収集した情報9が、又は図3に示されているように第2通信システム1’が提供する情報12が、又は両種の情報が使用され、使用される情報には自然言語が含まれている。自動変更又は自動更新は、何らかの情報処理手段7、例えば関連する通信システムのうちの1つのプロセッサによって、又は関連する通信システムのうちの1つに接続されたユーザデバイスのプロセッサによって行われる。情報処理手段7は好ましくは使用される自然言語データに表現マッチングを行い、好ましくは使用される自然言語データから変更又は更新情報を抽出することによって自然言語情報を解析する。
【0047】
通信ストリーム9,12の中にトリガイベントが検出されると、文脈依存型トリガ機構は好ましくは、関連する通信システム1,1’のうちの少なくとも1つのストレージデバイス2,2’のうちの少なくとも1つにおいて相応の情報レコードの内容を適切に変更することにより、コンフィギュレーション3,3’の更新又は設定をトリガする(10,10’)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信システム(1)のコンフィギュレーション(3)又は設定を自動的に変更又は更新する方法であって、第1通信システムにより収集された情報(9)又は第2通信システム(1’)により供給された情報(12)又は両方の情報を使用するようにした方法において、使用される情報に自然言語が含まれていることを特徴とする、第1通信システム(1)のコンフィギュレーション(3)又は設定を自動的に変更又は更新する方法。
【請求項2】
第1通信システムは、少なくとも1つの第2通信システムが使用する少なくとも1つのサーバからステータス情報又はステータス変更情報を集めることにより情報を収集する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第1通信システムは第1通信システムのユーザが使用する少なくとも1つの端末装置で実行されている少なくともキーストロークリスナを利用して情報を収集する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
使用する自然言語データに表現マッチングを行う、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
使用する自然言語データから変更又は更新情報を抽出し、抽出された変更又は更新情報に従って第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定を変更又は更新する、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
第1通信システムにより少なくとも1つの通信アクションを実行する、ただし当該アクションは第1通信システムが使用している自然言語を含む情報に従った第1通信システムのコンフィギュレーション又は設定の変更又は更新により引き起こされる、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの第1又は第2通信システムの少なくとも1人のユーザの相関する行動の監視に基づいた学習アルゴリズムを使用する、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記学習アルゴリズムは、少なくとも1つの第1又は第2通信システムの使いやすさの少なくとも或る側面を表す目的関数の最大化を目的とする離散最適化アルゴリズムを含んでいる、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記離散アルゴリズムは確率的最適化アルゴリズムである、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項記載の方法を実行する又は利用するシステム、設備、機器又は装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−96259(P2011−96259A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244157(P2010−244157)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(507366083)シーメンス エンタープライズ コミュニケーションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (9)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Enterprise Communications GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hofmannstrasse 51, D−81379 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】