説明

通信システム及び帯域制御装置

【課題】複数の帯域制御装置が連携して、ユーザ毎のトラフィックの帯域を制御する。
【解決手段】複数の帯域制御装置を備え、無線通信端末へのトラフィックの帯域を制御する通信システムであって、前記帯域制御装置は、前記無線通信端末を使用するユーザの通信の帯域を制御する帯域制御装置の情報を含む接続管理情報を保持し、前記無線通信端末のトラフィック量が変化する際に、当該無線通信端末のユーザのトラフィックを制御している帯域制御装置を特定し、前記特定された帯域制御装置に、当該無線通信端末のトラフィックの変化の情報を送信し、前記トラフィックの変化の情報を受信した場合、前記受信した情報に基づいて、前記接続管理情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯域制御技術に関し、特に、移動体端末等によるインターネット接続サービス等のデータ通信のトラフィックの帯域をユーザ毎に制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット技術及び移動体通信技術の発達に伴い、ネットワークトラフィック量が増大している。また、ネットワークを利用するユーザの利用頻度には差があり、利用頻度の高い一部のヘビーユーザのトラフィックが、無線基地局、ルータ等のネットワークリソースを占有しており、一般ユーザとネットワークリソースの利用の公平性が保たれていない問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、ヘビーユーザのトラフィックの利用を抑制する帯域制御方法が提案されている。例えば、帯域制御装置単位にユーザのトラフィックを分類し、該分類単位に帯域を管理する方法や、帯域制御装置毎にユーザ毎の帯域を管理する方法が提案されている。
【0004】
また、帯域制御の負荷分散には、例えば、特許文献1に記載されるように、トラフィックを処理するサーバの台数及び性能に応じて、サービス単位にトラフィックを分散する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−175889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に説明した背景技術には、以下の課題がある。すなわち、ヘビーユーザのトラフィックの利用を抑制する帯域制御装置では、ユーザの分類によってユーザ間で公平さが欠ける場合がある。
【0007】
また、多くのトラフィックを処理するために複数の帯域制御装置を有するシステムにおいて、帯域制御装置毎にユーザ毎の帯域を管理する方法を適用し、複数の帯域制御装置にトラフィックが分散した場合に、ユーザ毎の帯域を管理することができなかった。例えば、ユーザが複数の端末の利用する場合、又は、複数のIPアドレスが割り当てられた一つの端末から同時に複数の通信をする場合、帯域制御装置毎に帯域を制御するので、複数の帯域制御装置を連携させてユーザ毎に帯域を制御できない課題がある。
【0008】
本発明は、複数の帯域制御装置を有するシステムにおいて、ユーザ毎にトラフィックの帯域を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、無線通信端末と接続する複数の基地局を含む移動通信網と、上流側ネットワークと接続するゲートウェイと、前記移動体通信網と前記ゲートウエィトとの間に設けられ、前記無線通信端末へのトラフィックの帯域を制御する複数の帯域制御装置とを備える通信システムであって、前記帯域制御装置は、前記無線通信端末を使用するユーザの通信の帯域を制御する帯域制御装置の情報を含む接続管理情報を保持し、前記無線通信端末のトラフィック量が変化する際に、当該無線通信端末のユーザのトラフィックを制御している帯域制御装置を特定し、前記特定された帯域制御装置に、当該無線通信端末のトラフィックの変化の情報を送信し、前記トラフィックの変化の情報を受信した場合、前記受信した情報に基づいて、前記接続管理情報を更新する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の代表的な実施の形態によれば、複数の帯域制御装置を有するシステムにおいても、ユーザ毎にトラフィックの帯域を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態の帯域制御システムに関する全体構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の帯域制御管理情報の構成の例を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態のユーザ接続管理情報の構成の例を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態のユーザとアドレスの対応情報の構成の例を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態のユーザと帯域の対応情報の構成の例を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態の帯域制御処理を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施形態の帯域制御装置よる帯域制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に関する実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態の帯域制御システムに関する全体構成の一例を示す図である。
【0014】
本実施形態の帯域制御システムは、複数の帯域制御装置109、110及びユーザ情報管理装置112を備える。なお、図1では、3台の帯域制御装置109、110及び111を図示するが、これ以外の数の帯域制御装置が備わってもよい。
【0015】
帯域制御装置109、110、111は、移動体通信網107に接続されており、ユーザ(端末)が通信に使用する帯域(ネットワークリソース)を制御する。また、帯域制御装置109、110、111は、ゲートウェイ(図示省略)を介して上流側のネットワーク(例えば、インターネット)113に接続されている。
【0016】
帯域制御装置109、110、111は、各々、プロセッサ、メモリ、記憶装置及び通信インターフェースを有する計算機で、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって、帯域制御処理を行う。
【0017】
各帯域制御装置109、110、111の記憶装置には、帯域制御管理情報200、ユーザ接続管理情報300及びユーザと帯域の対応情報500が格納される。
【0018】
帯域制御管理情報200は、ユーザ毎に使用できる帯域幅の上限値及び使用中の帯域幅を管理するための情報であり、その詳細は図2に示す。ユーザ接続管理情報300は、ユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置を管理するための情報であり、その詳細は図3に示す。ユーザと帯域の対応情報500は、端末に許可される帯域幅を管理するための情報であり、その詳細は図5に示す。
【0019】
本実施の形態の帯域制御装置109、110、111は、他の帯域制御装置に格納されたユーザ接続管理情報200を相互に参照し、更新することによって、ユーザ識別子ごとにユーザが使用できる帯域幅を計算し、トークンバケットアルゴリズムを用いて、端末103等が使用する帯域を計算された帯域幅に制御する。
【0020】
ユーザ情報管理装置112は、プロセッサ、メモリ、記憶装置及び通信インターフェースを有する計算機であり、ユーザ情報管理装置112と帯域制御装置109、110、111とは、例えば管理ネットワークを介して、接続されている。
【0021】
ユーザ情報管理装置112の記憶装置には、ユーザとアドレスの対応情報400が格納される。ユーザとアドレスの対応情報400は、トラフィックのアドレスに対応したユーザを特定するために用いられる情報であり、その詳細は図4に示す。
【0022】
なお、ユーザ情報管理装置112が、端末にアドレスを割り当てる機能を有してもよい。
【0023】
移動体通信網107は、複数の基地局(図示省略)を含む。該基地局はユーザが使用する端末(例えば、ユーザA101が使用する端末103、104、ユーザB102が使用する端末105)と接続し、これらの端末を収容する。
【0024】
端末103、104は、各々、一つのIPアドレスが割り当てられており、基地局に接続して通信する。端末105は二つのIPアドレスが割り当てられており、各IPアドレスを用いて、基地局に接続して通信する。
【0025】
なお、本発明は、一人のユーザ(例えば、ユーザA)が複数の端末103、104を使用することにより複数のアドレスを持つ場合のや、1台の端末105に複数のアドレスが割り当てられる場合にも適用できる。すなわち、本発明は、一人のユーザが複数のアドレスを持つ場合に適用できる。
【0026】
ネットワーク113には、サーバ114が接続されている。サーバ114は、プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを有する計算機で、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって、端末103等から要求された処理を実行し、処理の結果(例えば、格納されたコンテンツ)を端末103等に送信する。
【0027】
各端末は、移動体通信網107、及び帯域制御装置109、110又は111を経由して、インターネット113に接続されたサーバ114へアクセスする。
【0028】
図2は、本発明の実施形態の帯域制御管理情報200の構成の例を説明する図である。
【0029】
帯域制御管理情報200は、帯域制御装置109、110及び111に格納されており、ユーザ識別子201、上限帯域値202及び使用帯域値203を含む。
【0030】
ユーザ識別子201は、ユーザを一意に識別する識別子である。上限帯域値202は、このユーザが通信に使用できる帯域幅の上限値である。使用帯域値203は、このユーザが通信に使用している帯域幅である。
【0031】
図3は、本発明の実施形態のユーザ接続管理情報300の構成の例を説明する図である。
【0032】
ユーザ接続管理情報300は、帯域制御装置109、110及び111に格納されており、ユーザ識別子301及び帯域制御装置の識別子302を含む。
【0033】
ユーザ識別子301は、ユーザを一意に識別する識別子であり、帯域制御管理情報200(図2)のユーザ欄201と同じ識別子が用いられる。帯域制御装置の識別子302は、このユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置の識別子である。
【0034】
図4は、本発明の実施形態のユーザとアドレスの対応情報400の構成の例を説明する図である。
【0035】
ユーザとアドレスの対応情報400は、ユーザ情報管理装置112に格納されており、ユーザ識別子401、端末識別子402及びアドレス403を含む。
【0036】
ユーザ識別子401は、ユーザを一意に識別する識別子であり、帯域制御管理情報200(図2)のユーザ欄201と同じ識別子が用いられる。端末識別子402は、このユーザが通信に使用している端末の識別子であり、例えば、電話番号やPINを用いることができる。アドレス403は、この端末に割り当てられたアドレスであり、例えば、IPアドレスを用いることができる。
【0037】
図5は、本発明の実施形態のユーザと帯域の対応情報500の構成の例を説明する図である。
【0038】
ユーザと帯域の対応情報500は、帯域制御装置109、110及び111に格納されており、アドレス501、ユーザ識別子502及び許可帯域値503を含む。
【0039】
アドレス501は、端末に割り当てられたアドレスであり、ユーザとアドレスの対応情報400(図4)のアドレス欄403と同じ識別子が格納される。ユーザ識別子502は、このアドレスを使用しているユーザの識別子であり、帯域制御管理情報200(図2)のユーザ欄201と同じ識別子が格納される。許可帯域値503は、このアドレスが割り当てられた端末が、この帯域制御装置において端末に許可される帯域幅である。
【0040】
図6は、本発明の実施形態の帯域制御処理を示すシーケンス図である。
【0041】
まず、ユーザAの端末103は、サーバ114へアクセスを要求するトラフィックを送信する。この信号は、帯域制御装置A109に到達する(601)。
【0042】
帯域制御装置A109は、サーバ114へのアクセス要求を受信すると、このアクセス要求を送信した端末103のアドレスを受信したアクセス要求から抽出し、当該アドレスを使用しているユーザをユーザ情報管理装置112に問い合わせる(602)。
【0043】
ユーザ情報管理装置112は、問い合わせを受信すると、格納されているユーザとアドレスの対応情報400を参照し、当該問い合わせに含まれるアドレスを使用しているユーザの識別子を返信する(603)。なお、このユーザの識別子の問い合わせに、アドレスではなく、アクセス元の端末の電話番号を用いてもよい。
【0044】
次に、帯域管理装置109は、ユーザ情報管理装置112から当該ユーザの識別子を受信すると、受信したユーザ識別子をキーとしてユーザ接続管理情報300を検索し、当該ユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置を特定し、特定された帯域制御装置B110にユーザ接続管理情報300の参照要求を送信する(604)。なお、当該ユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置が複数あれば、当該複数の帯域制御装置に、参照要求が送信される。
【0045】
帯域管理装置110は、ユーザ接続管理情報300の参照要求を受信すると、格納されているユーザ接続管理情報300を参照し、受信した参照要求に含まれるユーザ識別子によって特定されるユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置の識別子の一覧を返信する(605)。
【0046】
帯域制御装置A109は、帯域管理装置110から帯域制御装置の識別子の一覧を受信すると、受信した帯域制御装置の一覧に自装置109の識別子を追加するように、ユーザ接続管理情報300の更新を他の帯域制御装置B110に指示する(606)。
【0047】
帯域管理装置110は、ユーザ接続管理情報300の更新指示を受信すると、格納されているユーザ接続管理情報300の当該ユーザのエントリに帯域制御装置A109の識別子を追加する。
【0048】
次に、帯域制御装置A109は、帯域制御装置の一覧(ユーザ接続管理情報300)の更新を全ての帯域制御装置110及び111に通知する(607)。この更新の通知には、更新に係るユーザ識別子が含まれる。なお、当該ユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置のみに通知してもよい。
【0049】
更新の通知を受信した帯域制御装置B110及び帯域制御装置C111は、更新されたユーザ接続情報300に従った帯域制御を開始する(図7のステップ706以後参照)。
【0050】
次に、帯域制御装置A109は、先に取得した当該ユーザのユーザ識別子をキーとして、当該ユーザの帯域制御管理情報200を保持する帯域制御装置を特定し、特定された帯域制御装置C111に帯域制御管理情報200の参照要求を送信する(608)。なお、当該ユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置が複数あれば、当該複数の帯域制御装置に、参照要求が送信される。
【0051】
帯域管理装置111は、帯域制御管理情報200の参照要求を受信すると、格納されている帯域制御管理情報200を参照し、受信した参照要求に含まれるユーザ識別子の上限帯域値202及び使用帯域値203を返信する(609)。
【0052】
帯域制御装置A109は、当該ユーザの上限帯域値202及び使用帯域値203を受信すると、受信した上限帯域値202及び使用帯域値203に基づいて、端末に許可する帯域値を計算する。そして、帯域制御管理情報200の使用帯域値203を計算された許可帯域値に更新するよう、全ての帯域制御装置110及び111に指示する(610)。この帯域値の更新指示には、更新後の帯域値、更新後の空き帯域値、帯域値の変化量の少なくと一つが含まれていればよい。
【0053】
その後、帯域制御装置A109は、601で受信した、端末103からのサーバ114へのアクセスを、サーバ114に転送する(611)。
【0054】
サーバ114は、端末103からのアクセスを受信すると、要求された処理を行い、その結果(例えば、要求されたコンテンツ)を端末103宛に返信する(612)。
【0055】
帯域制御装置A109は、サーバ114からの応答を受信すると、当該応答を、計算された帯域幅に制御しつつ、端末103に転送する(613)。
【0056】
当該トラフィックが終了すると、帯域制御装置A109は、当該トラフィックで使用していた帯域を0にするように、全ての帯域制御装置110及び111に帯域制御管理情報200の更新を指示する(614)。なお、当該ユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置のみに帯域制御管理情報200の更新を指示してもよい。
【0057】
さらに、帯域制御装置A109は、帯域制御装置の一覧(ユーザ接続管理情報300)の更新を全ての帯域制御装置110及び111に通知する(615)。この更新の通知には、当該トラフィックで通信をしていたユーザのユーザ識別子が含まれる。なお、当該ユーザのトラフィックを処理している帯域制御装置のみに通知してもよい。
【0058】
なお、図6に示すシーケンス図は、端末からのアクセス開始時及び終了時の処理について説明したが、アクセス中に帯域を変化させる場合にも同様の処理によって、複数の帯域制御装置が連携した帯域制御を実現することができる。
【0059】
図7は、本発明の実施形態の帯域制御装置よる帯域制御処理のフローチャートである。図7に示す帯域制御処理は、帯域制御装置のプロセッサによって実行される。なお、図7では、端末103からサーバ114へのアクセス要求を受信した帯域制御装置A109の処理の例について説明する。
【0060】
まず、帯域制御装置A109は、サーバ114へのアクセスを要求するトラフィックを、端末103から受信する(701、601)。その後、帯域制御装置A109は、ユーザ情報管理装置114にアクセスし、端末103からのトラフィックのIPアドレスをキーとして、ユーザとアドレスの対応情報400を検索し、当該IPアドレスに対応したユーザ識別子をユーザ情報管理装置114から取得する(702、602、603)。
【0061】
帯域制御装置A109は、ユーザ情報管理装置112からユーザ識別子を取得すると、取得したユーザ識別子をキーとしてユーザ接続管理情報300を検索し、当該ユーザのトラフィックを処理している、すなわち、該当ユーザの接続管理情報を含むユーザ接続管理情報300を保持する帯域制御装置を特定する。そして、特定された帯域制御装置B110にアクセスし、当該ユーザのトラフィックを処理中の帯域制御装置の一覧を取得する(703、604、605)。
【0062】
さらに、帯域制御装置A109は、取得した帯域制御装置の一覧に自装置の識別子を追加し、その情報を追加するように、自装置109に格納されたユーザ接続管理情報300を更新する。さらに、取得した帯域制御装置の一覧に自装置の識別子を追加する指示を、他の帯域制御装置B110に送信し、他の帯域制御装置B110に格納されたユーザ接続管理情報300を更新する(704、606)。
【0063】
次に、帯域制御装置A109は、更新に係るユーザ識別子を全ての帯域制御装置に通知することによって、帯域制御装置の一覧(ユーザ接続管理情報300)の更新を通知する(705、607)。
【0064】
次に、帯域制御装置A109は、ステップ702で取得したユーザ識別子をキーとして、当該ユーザの帯域制御管理情報200を保持する帯域制御装置を特定し、特定された帯域制御装置C111にアクセスし、ユーザ識別子の上限帯域値202及び使用帯域値203を取得する(706、608、609)。その後、帯域制御装置A109は、取得した上限帯域値202及び使用帯域値203に基づいて、当該端末に許可する帯域値を計算し、ユーザと帯域の対応情報500の許可帯域値503及び帯域制御管理情報200の当該ユーザの使用帯域値203を更新する(707)。
【0065】
さらに、帯域制御装置A109は、計算された許可帯域値を用いて、他の帯域制御装置C111に保持される帯域制御管理情報200の当該ユーザの使用帯域値203を更新する(708、610)。
【0066】
その後、帯域制御装置A109は、端末103からのサーバ114へのアクセスを、サーバ114に転送し、サーバ114からの応答を、計算された帯域幅に制御しつつ、端末103に転送する(709、611〜613)。
【0067】
その後、帯域制御装置A109は、他の帯域制御装置からの使用帯域値を更新を受信した場合、ステップ706に戻り、更新された使用帯域値を用いて、当該ユーザへ許可する帯域を計算し、この帯域でトラフィックを制御する。
【0068】
一方、サーバ114から転送されるトラフィックにターミネータが含まれている等、当該端末へのトラフィックが終了する場合、当該トラフィックで使用していた帯域を解放するために、ステップ710に進む。
【0069】
ステップ710では、帯域制御装置A109は、当該トラフィックで使用していた帯域を0にするように、帯域制御管理情報200の当該ユーザの使用帯域値203を更新し、さらに、他の帯域制御装置C111に保持される帯域制御管理情報200の当該ユーザの使用帯域値203を更新する(710、614)。
【0070】
さらに、帯域制御装置A109は、当該トラフィックで通信をしていたユーザのユーザ識別子を全ての帯域制御装置に通知することによって、帯域制御装置の一覧(ユーザ接続管理情報300)の更新を通知する(711、615)。
【0071】
以上説明したように、本発明の実施の形態では、前記無線通信端末のトラフィックが変化する際に、帯域制御装置が、当該無線通信端末のユーザのトラフィックを制御している帯域制御装置を特定し、当該無線通信端末のトラフィックの変化の情報を前記特定された帯域制御装置に送信するので、複数の帯域制御装置を有するシステムにおいても、ユーザ毎にトラフィックの帯域を制御することができる。これにより、ヘビーユーザによるネットワークリソースの占有を抑制することができ、ネットワークの公平利用を実現できる。
【符号の説明】
【0072】
103 ユーザAの端末
104 ユーザAの端末
105 ユーザBの端末
107 移動体通信網
109 帯域制御装置A
110 帯域制御装置B
111 帯域制御装置C
112 ユーザ情報管理装置
113 ネットワーク
114 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末と接続する複数の基地局を含む移動通信網と、上流側ネットワークと接続するゲートウェイと、前記移動体通信網と前記ゲートウエィトとの間に設けられ、前記無線通信端末へのトラフィックの帯域を制御する複数の帯域制御装置とを備える通信システムであって、
前記帯域制御装置は、
前記無線通信端末を使用するユーザの通信の帯域を制御する帯域制御装置の情報を含む接続管理情報を保持し、
前記無線通信端末のトラフィック量が変化する際に、当該無線通信端末のユーザのトラフィックを制御している帯域制御装置を特定し、前記特定された帯域制御装置に、当該無線通信端末のトラフィックの変化の情報を送信し、
前記トラフィックの変化の情報を受信した場合、前記受信した情報に基づいて、前記接続管理情報を更新することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信システムは、前記無線通信端末のユーザと、当該無線通信端末に割り当てられたアドレスとの対応情報を保持するユーザ情報管理装置を備え、
前記帯域制御装置は、前記対応情報を参照して、前記無線通信端末のトラフィック量を前記ユーザ毎に管理することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記帯域制御装置は、少なくとも、前記無線通信端末のトラフィックの開始時、終了時又は帯域が変化する場合、前記トラフィックの変化の情報を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記帯域制御装置は、前記トラフィックの変化の情報として、前記無線通信端末の変化後のトラフィック量、前記無線通信端末の変化後のトラフィックの空き容量、及び、前記無線通信端末のトラフィックの変化量、の少なくとも一つを送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項5】
無線通信端末へのトラフィックの帯域を制御する帯域制御装置であって、
前記無線通信端末と接続する複数の基地局を含む移動通信網と接続され、に、ゲートウェイを介して上流側ネットワークと接続されており、
前記無線通信端末を使用するユーザの通信の帯域を制御する帯域制御装置の情報を含む接続管理情報を保持し、
前記無線通信端末のトラフィック量が変化する際に、当該無線通信端末のユーザのトラフィックを制御している帯域制御装置を特定し、前記特定された帯域制御装置に、当該無線通信端末のトラフィックの変化の情報を送信し、
前記トラフィックの変化の情報を受信した場合、前記受信した情報に基づいて、前記接続管理情報を更新することを特徴とする帯域制御装置。
【請求項6】
前記帯域制御装置は、
前記無線通信端末のユーザと、当該無線通信端末に割り当てられたアドレスとの対応情報を保持するユーザ情報管理装置を備え、
前記対応情報を参照して、前記無線通信端末のトラフィック量を前記ユーザ毎に管理することを特徴とする請求項5に記載の帯域制御装置。
【請求項7】
前記帯域制御装置は、少なくとも、前記無線通信端末のトラフィックの開始時、終了時又は帯域が変化する場合、前記トラフィックの変化の情報を送信することを特徴とする請求項5又は6に記載の帯域制御装置。
【請求項8】
前記帯域制御装置は、前記トラフィックの変化の情報として、前記無線通信端末の変化後のトラフィック量、前記無線通信端末の変化後のトラフィックの空き容量、及び、前記無線通信端末のトラフィックの変化量、の少なくとも一つを送信することを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載の帯域制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−151723(P2012−151723A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9597(P2011−9597)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】