説明

通信システム及び携帯通信装置

【課題】移動時の安全をより確実に確保することができる通信システム及び携帯通信装置を提供することにある。
【解決手段】自身の位置情報を取得する第1位置情報取得部及び他の通信装置と通信を行う第1通信部を備える少なくとも1つの携帯通信装置と、自動車に搭載され、自身の位置情報を取得する第2位置情報取得部及び他の通信装置と通信を行う第1通信部を備える少なくとも1つの車載通信装置と、携帯通信装置及び前記車載通信装置と通信を行い、取得した位置情報を記憶し、記憶した位置情報を携帯通信装置または車載通信装置の少なくとも一方に送るサーバと、を有することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の通信装置と通信を行う携帯通信装置、及び、携帯通信装置を有する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯通信装置、及び、携帯通信装置を用いた通信システムには、種々の機能が搭載されている。この機能の1つとして危険回避機能がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、国内及び現地の所定の機関から安全情報・災害情報を収集し、収集した安全情報の信用度を算出し、信用度が所定の値以上の安全情報のみをユーザーへ提供する安全情報提供装置が記載されている。また、特許文献1には、危険な領域に近づくとアラームで通知する方法も提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、携帯電話の外部接続端子に接続することで、所定の連絡先に電話を掛けることができる迷子札が記載されている。また、携帯通信装置ではないが、特許文献3には、開閉センサの信号を無線デジタル信号電波で受信装置に送信する防犯装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−59251号公報
【特許文献2】特許第3350817号公報
【特許文献3】特許第2981419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の装置は、危険な領域に近づいたらアラームで通知されるため、危険な領域に近づかないようにすることができる。しかしながら、特許文献1に記載の装置は、危険な領域が予め登録されている領域であれば、警告を行うことができるが、状況の急な変化には対応することができない。
【0007】
ここで、道路上、特に交差点では、車と人や、車と自転車とが衝突する事故が発生することがある。このような事故は、見通しの悪い交差点で発生しやすい。また、事故は、物陰から道路上に急に人、自転車、車が飛び出してくることで発生することが多い。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動時の安全をより確実に確保することができる通信システム及び携帯通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通信システムであって、自身の位置情報を取得する第1位置情報取得部及び他の通信装置と通信を行う第1通信部を備える少なくとも1つの携帯通信装置と、自身の位置情報を取得する第2位置情報取得部及び他の通信装置と通信を行う第1通信部を備える少なくとも1つの車載通信装置と、前記携帯通信装置及び前記車載通信装置と通信を行い、取得した位置情報を記憶し、記憶した位置情報を前記携帯通信装置または前記車載通信装置の少なくとも一方に送るサーバと、を有することを特徴とする。
【0010】
ここで、前記サーバは、前記携帯通信装置から送信される自身の位置情報に基づいて、前記携帯通信装置の周りの予め設定された範囲内にある前記車載通信装置の位置情報を抽出し、抽出した位置情報を前記携帯通信装置に送信し、前記携帯通信装置は、前記サーバから送信された前記車載通信装置の位置情報に基づいて、一定距離以内にあり、かつ自身に近づいてくる或いは自身の進行方向の延長線上の領域に近づいてくる前記車載通信装置がある場合は、警告処理を行うことが好ましい。
【0011】
また、前記携帯通信装置は、自身の位置情報が、予め設定された領域内にある場合のみ、前記第1通信部を介して、前記サーバに位置情報を送信することが好ましい。
【0012】
また、前記サーバは、前記車載通信装置から送信される自身の位置情報に基づいて、前記車載通信装置の周りの予め設定された範囲内にある前記携帯通信装置の位置情報を抽出し、抽出した位置情報を前記車載通信装置に送信し、前記車載通信装置は、前記サーバから送信された前記携帯通信装置の位置情報に基づいて、一定距離以内にあり、かつ自身に近づいてくる或いは自身の進行方向の延長線上の領域に近づいてくる前記携帯通信装置がある場合は、警告処理を行うことが好ましい。
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯通信装置であって、他の通信装置と通信する通信部と、自身の位置を検出する位置情報取得部と、前記位置情報取得部で取得した自身の位置の情報に基づいて、自身の周囲にある他の通信装置の位置情報を取得する周囲情報取得部と、警告処理を行う警告部と、前記周囲情報取得部で取得した情報に基づいて、警告部の動作を制御する制御部と、を有することが好ましい。
【0014】
また、前記他の通信装置は、歩行者が保有している通信装置であることが好ましい。
【0015】
また、前記他の通信装置は、車両に搭載されている通信装置であることが好ましい。
【0016】
また、前記周囲情報取得部は、前記他の通信装置の位置情報として、予め設定された範囲内にある他の通信装置の位置情報を取得し、前記制御部は、前記周囲情報取得部が取得した情報から、前記他の通信装置の移動方向を算出し、自身の位置に接近しており、かつ、距離が予め設定された範囲内にあると判定したら、警告処理を行うことが好ましい。
【0017】
また、前記周囲情報取得部は、前記他の通信装置の位置情報として、自身の位置に接近しており、かつ、距離が予め設定された範囲内にある他の通信装置の位置情報を取得し、前記制御部は、前記周囲情報取得部が情報を取得したら、警告処理を行うことが好ましい。
【0018】
また、前記制御部は、他の通信装置との距離に応じて、前記警告部で行う警告処理を切り替えることが好ましい。
【0019】
また、地図情報を取得する地図情報取得部と、画像を表示する表示部と、をさらに有し、前記制御部は、前記地図情報に、前記周囲情報取得部で取得した周囲にある他の通信装置の位置情報を重ねた画像を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0020】
また、前記地図情報取得部は、前記位置情報取得部で取得した位置情報に基づいて、当該位置情報を含む地図情報を外部の記憶装置から取得することが好ましい。
【0021】
また、前記位置情報取得部は、全地球測位システムにより、位置情報を取得することが好ましい。
【0022】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯通信装置であって、自身の周囲の情報を取得する周囲情報取得部と、警告処理を行う警告部と、前記周囲情報取得部で取得した情報に基づいて、警告部の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【0023】
また、接近を禁止する他の通信装置の情報を記憶した記憶部をさらに有し、前記周囲情報取得部は、近距離通信方式により、他の通信装置と通信し、他の通信装置の情報を取得し、前記制御部は、前記周囲情報取得部で取得した他の通信装置の情報に基づいて、接近が禁止されている他の通信装置が一定距離内にあると判定したら、前記警告部により警告処理を行うことが好ましい。
【0024】
また、前記他の通信装置は、進入禁止エリアに配置されていることが好ましい。
【0025】
また、前記他の通信装置は、車両に搭載されている通信装置であることが好ましい。
【0026】
また、前記警告部は、警告処理として、音声を出力する、においを発生させる、振動を発生させる、電流を流す、画像を表示させる、温度を変化させる、のうち少なくとも1つを行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかる通信システム及び携帯通信装置は、移動時の安全をより確実に確保することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の携帯通信装置を有する本発明の通信システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、図1に示す本発明の携帯通信装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】図3は、図2に示す携帯通信装置の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1に示す車載通信装置の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図6】図6は、携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図7】図7は、携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図8】図8は、通信システムの処理動作の一例を説明するための説明図である。
【図9】図9は、携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図10】図10は、通信システムの処理動作の他の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯通信装置の一例として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、通話機能を備える種々の通信機器に用いることができる。例えば、携帯通信装置としては、PHS(Personal Handyphone System)、PDA等に対しても本発明は適用できる。また、本実施形態の車載通信装置も携帯通信装置の一例となる。また、本発明の機能のみで構成された(つまり、電話機としての機能や、情報端末(いわゆるパソコン)としての機能を備えない)携帯通信装置も用いることができる。
【0030】
図1は、本発明の携帯通信装置を有する本発明の通信システムの概略構成を示す説明図である。図1に示す通信システム1は、GPS衛星2と、通信網3と、サーバ6と、複数の携帯通信装置10、10a、10bと、複数の車載通信装置40、40aで構成されている。なお、車載通信装置40は、自動車7に搭載され、車載通信装置40aは、自動車7aに搭載されている。
【0031】
GPS衛星2は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の通信機能を備える通信装置(通信端末、通信機器)に、該通信機器の位置情報を送信(提供)する衛星である。なお、図1でGPS衛星2を1つのみ示したが、GPS衛星2は、通信装置の位置を特定するために必要な数(主として3つ、4つ)が配置されている。複数のGPS装置2は、それぞれ通信装置に位置情報を送信する。
【0032】
通信網3は、複数の基地局や、交換機や、有線の通信回線で構成されている。通信網3は、有線、無線の通信回線を用いて通信装置と他の通信装置との間での情報通信を行う。通信網3は、通信装置間で通信を行うことができれば、種々の通信方法を用いることができる。例えば、衛星回線を利用して通信を行ってもよい。
【0033】
サーバ6は、地図情報、各通信装置を特定する情報(電話番号、アドレス)種々のデータを有し、通信網3を介して通信装置と通信し、種々の情報を供給する。また、サーバ6は、通信装置から情報を受信し、その情報に基づいて、他の通信装置に情報を通信する、情報の中継も行う。つまり、サーバ6は、各通信装置から送られてくる情報を集約して記憶し、集約した情報を必要に応じて通信装置に供給(提供)する。なお、サーバ6は、集約した情報を加工(処理)して通信装置に供給することもできる。
【0034】
携帯通信装置10、10a、10bは、通信網3との間で無線通信を行う通信端末である。携帯通信装置10、10a、10bは、音声信号等の信号を通信網3に送信し、通信網3から音声信号等の信号を受信する。また、それぞれの携帯通信端末には、固有の電話番号、端末番号が割り当てられ、記憶されている。携帯通信装置10、10a、10bの構成については、後ほど説明する。
【0035】
車載通信装置40、40aは、通信網3との間で無線通信を行う通信端末である。車載通信装置40、40aは、種々の情報を通信網3に送信し、通信網3から種々の情報を受信する。また、それぞれの携帯通信端末には、固有の端末番号(IPアドレス等)が割り当てられ、記憶されている。なお、車載通信装置40は、自動車7に搭載され、位置検出機能と、通信機能を備えており、かつ自動車7、7aに搭載されていればよい。車載通信装置40としては、例えば、カーナビゲーション装置や、自動車7の情報(運転履歴等)を外部に送信する通信装置など、いわゆる高度道路交通システム(ITS、Intelligent Transport Systems)の機能を備える装置を用いることができる。また、車載通信装置40は、本発明の機能専用の通信装置として設けてもよい。なお、車載通信装置40、40aの構成については、後ほど説明する。
【0036】
通信システム1は、以上のような構成である。通信システム1は、通信網3を介して情報の送受信を行うことで、携帯通信装置10間でデータ通信を行う。また、通信システム1は、携帯通信装置10間の情報通信だけでなく、携帯通信装置10とサーバ6との間、また、車載通信装置40とサーバ6との間でも通信を行うことができる。なお、通信システム1は、通信装置間での通信として、データの送受信に加え、音声通信(いわゆる電話)も行うことができる。また、携帯通信装置10及び車載通信装置40は、GPS衛星2から位置情報を取得することもできる。さらに、携帯通信装置10同士、車載通信装置40同士、また、携帯通信装置10と車載通信装置40との間では、通信網3を介さずに近距離通信方式で通信することもできる。また、図1では、サーバ6を1つのみ、携帯通信装置10は、3つ(10、10a、10b)、車載通信装置40は、2つ(40、40a)を図示しているが、通信システム1は、多数の、サーバ6と、携帯通信装置10と、車載通信装置40で構成することができる。
【0037】
次に、携帯通信装置10、10a、10bについて説明する。なお、携帯通信装置10と、携帯通信装置10aと、携帯通信装置10bとは、同様の装置構成であるので、以下、携帯通信装置10を用いて説明する。図2は、図1に示す携帯通信装置の概略構成を示す正面図である。携帯通信装置10は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯通信装置10は、筐体10Cが第1筐体10CAと第2筐体10CBとで開閉可能に構成された、折り畳み式の携帯電話機である。なお、図2は、携帯通信装置10を開いた状態である。なお、本実施形態では、携帯通信装置10の筐体10Cを折り畳み式としたが、筐体の形状は特に限定されない。筐体は種々の形態とすることができ、例えば、スライド式、サクロイド式、リボルバー式、ストレート式等でもよい。
【0038】
第1筐体10CAには、表示部として、図2に示すメインディスプレイ12Mが設けられる。メインディスプレイ12Mは、所定の画像として、携帯通信装置10が受信を待機している状態のときに待ち受け画面を表示したり、携帯通信装置10の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。また、図2に示すように、第1筐体10CAには、携帯通信装置10の通話時に音声を発するレシーバ16が設けられている。
【0039】
第2筐体10CBには、通話する相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー13が複数設けられ、また、メインディスプレイ12Mに表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための方向及び決定キー14が設けられる。なお、操作キー13、及び方向及び決定キー14は、携帯通信装置10の操作部28(図3参照)を構成する。また、第2筐体10CBには、携帯通信装置10の通話時に音声を受け取るマイク15が設けられる。
【0040】
また、第1筐体10CAと第2筐体10CBとは、ヒンジ18で連結されている。これによって、第1筐体10CA及び第2筐体10CBは、ヒンジ18を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向に回動できるように構成される。第1筐体10CAと第2筐体10CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯通信装置10が開き、第1筐体10CAと第2筐体10CBとが互いに接近する方向に回動すると携帯通信装置10が閉じる。
【0041】
次に、携帯通信装置10の機能と制御部との関係を説明する。図3は、図2に示す携帯通信装置の機能の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように携帯通信装置10は、主制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、表示制御部33と、GPS通信部34と、近距離通信部36とを有する。
【0042】
主制御部22は、携帯通信装置10の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯通信装置10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯通信装置10の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示部32等の動作を制御する。主制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、主制御部22は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。
【0043】
記憶部24には、主制御部22での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。具体的には、アプリケーションのプログラムとして、発信、着信、通話処理を行うアプリケーションのプログラム、自身の位置情報をサーバに送信するアプリケーションのプログラムや、周囲情報に基づいて警告処理を行うアプリケーションのプログラムや、メールの送受信を行うアプリケーションのプログラム等が保存されている。また、データとしては、画像データ、音声データ、文字変換のための辞書データ、アドレス帳データ等が記憶されている。
【0044】
通信部26は、上述した通信網3によって割り当てられるチャネルを介し、通信網3との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、通信網3との間で電話通信及び情報通信を行う。このため、ユーザーは、通信部26による通信により所望の相手とのデータの送受信、また、通話が可能となる。
【0045】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー13と、方向及び決定キー14とで構成される。操作部28は、これらのキーがユーザーの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザーの指示として主制御部22へ入力される。
【0046】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号の処理を実行する。
【0047】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル(上述したメインディスプレイ12M等)を備え、主制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。
【0048】
GPS通信部34は、GPS衛星2から発信されるGPS信号を受信する通信部である。また、GPS通信部34は、受信したGSP信号から携帯通信装置10の緯度経度を算出し、算出した緯度経度の情報を主制御部22に送る。
【0049】
近距離通信部36は、近距離無線通信技術を用いて、他の通信装置と通信を行う通信部である。なお、近距離無線通信技術としては、Bluetoothや、小電力無線通信(RFID、Radio Frequency Identification)技術、を用いることができる。例えば、近距離通信部36は、小電力無線通信技術を用いる場合、自身を特定するICタグと、他の通信装置が有するICタグを読み取る読取部とを有する。
【0050】
次に、図4を用いて、車載通信装置40、40aについて説明する。なお、車載通信装置40と、車載通信装置40aとは、同様の装置構成であるので、以下、車載通信装置40を用いて説明する。ここで、図4は、車載通信装置の機能の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように車載通信装置40は、主制御部42と、記憶部44と、通信部46と、操作部48と、音声処理部50と、表示部52と、表示制御部53と、GPS通信部54と、近距離通信部56とを有する。なお、主制御部42と、記憶部44と、通信部46と、操作部48と、音声処理部50と、表示部52と、表示制御部53と、GPS通信部54と、近距離通信部56は、携帯通信装置10の各部と、基本的に同様の構成である。そこで、同様の構成の部分については、簡単な説明とし、以下、車載通信装置40に特有の点について詳細に説明する。
【0051】
主制御部42は、車載通信装置40の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。記憶部44は、主制御部42での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。なお、記憶部44は、自身の位置情報をサーバに送信するアプリケーションのプログラムや、周囲情報に基づいて警告処理を行うアプリケーションのプログラムに加え、必要に応じてナビゲーションを行うアプリケーションのプログラムを記憶している。また、記憶部44は、データとして地図情報等も記憶しておくことができる。
【0052】
通信部46は、上述した通信網3を介して他の通信装置と通信を行う。操作部48は、ユーザーによる操作を検出し、入力された操作を信号として主制御部42に入力する。音声処理部50は、スピーカ58と接続され、主制御部42から送られる音声データを音声信号に変換し、スピーカ58から出力させる。表示部52は、主制御部42から表示制御部53を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。
【0053】
GPS通信部54は、GPS衛星2から発信されるGPS信号を受信する通信部である。また、GPS通信部54は、受信したGSP信号から車載通信装置40の緯度経度を算出し、算出した緯度経度の情報を主制御部42に送る。
【0054】
近距離通信部56は、近距離無線通信技術を用いて、他の通信装置と通信を行う通信部である。車載通信装置40は、以上のような構成である。
【0055】
次に、図5から図8を用いて、携帯通信装置10、車載通信装置40の動作について説明する。なお、携帯通信装置10と、車載通信装置40とは、携帯通信装置10が歩行者等に保持され、車載通信装置40が自動車に保持されている点を除いて、処理動作は同様である。そこで、以下では、代表して、携帯通信装置10の動作について説明する。なお、後述するが、携帯通信装置10と、車載通信装置40とは、処理動作は同様であるが、歩行者に保持されているか、自動車に保持されているか、で処理対象となるデータ(情報)は異なる。
【0056】
まず、図5を用いて、携帯通信装置10の動作について説明する。ここで、図5は、携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。より具体的には、携帯通信装置10の自身の位置情報をサーバに送信するアプリケーションの処理動作を示すフロー図である。まず、携帯通信装置10は、記憶部24に記憶されている自身の位置情報をサーバに送信するアプリケーションのプログラムを主制御部22に読み出し、自身の位置情報をサーバに送信するアプリケーションを実行することで処理を開始する。
【0057】
まず、主制御部22は、ステップS12として、位置情報を取得する。具体的には、主制御部22は、GPS通信部34を用いてGPS衛星2から位置情報を取得し、取得した位置情報を自身の位置情報とする。主制御部22は、ステップS12で位置情報を取得したら、ステップS14として、位置情報を送信する。具体的には、主制御部22は、ステップS12で取得した位置情報を、通信部26、通信網3を介してサーバ6に送る。
【0058】
その後、主制御部22は、ステップS16として、一定時間が経過したかを判定する。つまり、主制御部22は、閾値時間<経過時間、つまり、経過時間が閾値時間より長いかを判定する。なお、経過時間とは、ステップS12で位置情報を取得してからの経過時間である。主制御部22は、ステップS16で閾値時間<経過時間である(Yes)、つまり、経過時間が閾値時間より長いと判定したら、ステップS12に進み、再び位置情報を取得する。
【0059】
また、主制御部22は、ステップS16で閾値時間≧経過時間である(No)、つまり、経過時間が閾値時間以下であると判定したら、ステップS18として、電源OFF指示があるかを判定する。ここで、電源OFF指示とは、各部への電力供給を停止し、携帯通信装置10の機能を停止させる指示である。なお、電源OFF指示は、ユーザーの操作や、設定により入力される。主制御部22は、ステップS18で電源OFF指示なし(No)と判定したら、ステップS16に進み、閾値時間<経過時間であるかを判定する。つまり、主制御部22は、経過時間が閾値時間以下の時間で、かつ、電源OFF指示が入力されていない場合は、ステップS16とステップS18の処理を繰り返す。
【0060】
主制御部22は、ステップS18で電源OFF指示あり(Yes)と判定すると、ステップS20として、電源OFF処理、つまり、各部への電力供給を停止し、携帯通信装置10の機能を停止させる処理を行い、処理を終了する。
【0061】
このように、携帯通信装置10は、電源がOFFとなるまで、一定時間(閾値時間)が経過する毎に位置情報を取得し、その情報をサーバ6に送る。また、通信網3上の多数の携帯通信装置10は、同様の処理を行う。したがって、サーバ6は、多数の携帯通信装置10から送られてきた位置情報を保有している。また、多数の車載通信装置40も同様の処理を行う。このため、サーバ6は、多数の車載通信装置40から送られてきた位置情報を保有している。また、サーバ6は、携帯通信装置10または車載通信装置40から位置情報が送られてくる毎に、保有している当該携帯通信装置10または車載通信装置40の位置情報を更新する。以上より、サーバ6は、携帯通信装置10と車載通信装置40の位置情報を示すマップ、つまり、どの通信装置がどこにいるかの情報を示す地図情報を保持する。
【0062】
次に、図6及び図7を用いて、携帯通信装置10の動作について説明する。ここで、図6及び図7は、携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。より具体的には、図6は、主制御部22による周囲情報に基づいて警告処理を行うアプリケーションの処理動作を示すフロー図である。図7は、図6の処理動作中に実行される警戒モードの処理動作を示すフロー図である。まず、携帯通信装置10は、記憶部24に記憶されている周囲情報に基づいて警告処理を行うアプリケーションのプログラムを主制御部22に読み出し、周囲情報に基づいて警告処理を行うアプリケーションを実行することで処理を開始する。
【0063】
主制御部22は、ステップS22として、位置情報を取得する。なお、位置情報は、上述したステップS12と同様の方法で取得することができる。また、ステップS12で取得した位置情報が利用可能な場合は、GPS通信部34で新たに取得する必要はなく、取得済みの位置情報を利用すればよい。
【0064】
主制御部22は、ステップS22で位置情報を取得したら、ステップS23として、周囲情報を取得する。ここで、周囲情報とは、携帯通信装置10の周りの一定距離以内にある他の通信装置の情報である。主制御部22は、サーバ6と通信を行い、周囲情報として、サーバ6が記憶している携帯通信装置10と車載通信装置40の位置情報を示すマップのうち、携帯通信装置10の周りの一定距離以内にある他の通信装置の情報を取得する。なお、本実施形態では、主制御部22は、携帯通信装置10の周りの一定距離以内にある車載通信装置40の位置情報を取得する。また、主制御部22は、ステップS22で取得した位置情報を基準として周囲情報を取得する。
【0065】
主制御部22は、ステップS23で周囲情報を取得したら、ステップS24として、警戒対象があるかを判定する。具体的には、主制御部22は、ステップS23で取得した周囲情報に基づいて、警戒の対象となる車載通信装置40があるかを判定する。なお、警戒対象となるか否かを判定する基準は、種々の条件で設定することができる。例えば、主制御部22は、一定距離以内に車載通信装置40があるかを基準としても、携帯通信装置10の進行方向、かつ、一定距離以内に車載通信装置40があるかを基準としてもよく、携帯通信装置10に向かって移動する車載通信装置40があるかを基準としてもよく、一定距離以内にあり、かつ、自身の進行方向の延長線上の領域に近づいてくる車載通信装置40があるかを基準としてもよい。
【0066】
主制御部22は、ステップS24で警戒対象がない(No)と判定したら、ステップS22に進み、再び位置情報検出を行う。つまり、主制御部22は、ステップS24で警戒対象を検出する(ありと判定する)まで、ステップS22からステップS24の処理を繰り返す。
【0067】
主制御部22は、ステップS24で警戒対象がある(Yes)と判定したら、ステップS26として、警戒モードとし、警戒モードの処理を実行する。以下、図7を用いて警戒モードの処理について説明する。
【0068】
主制御部22は、警戒モードとなると、ステップS40として、位置情報を取得する。なお、位置情報は、上述したステップS12と同様の方法で取得することができる。主制御部22は、ステップS40で位置情報を取得したら、ステップS42として、周囲情報を取得する。なお、周囲情報は、上述したステップS23と同様の方法で取得することができる。また、主制御部22は、ステップS40とステップS42の処理により、最新の位置情報と周囲情報を取得する。
【0069】
主制御部22は、ステップS42で周囲情報を取得したら、ステップS44として、警告を出力するかを判定する。主制御部22は、警告を出力するかの判定も周囲情報に基づいて判定する。なお、警告を出力する基準は、種々の設定とすることができる。また、出力する警告も、周囲状況に応じて切り替える。例えば、警告を音声で出力する場合は、「前方の道路から自動車が近づいてきています。」、「自動車にぶつかる可能性があります。」、「危険、衝突注意」という音声をレシーバ16または別途設けたスピーカ等から出力する設定とすることができる。また、警告を画像で出力する場合は、表示部32に「自動車が近づいてきています。」を表示させるとともに背景を黄色にした画面を表示させる、「自動車にぶつかる可能性があります。」を表示させるとともに背景を赤色にした画面を表示させる、「危険、衝突注意」を表示させるともに背景を赤色のフラッシング画像にする等を設定することができる。
【0070】
また、主制御部22は、上述したように出力する警告を、周囲状況に応じて切り替えることができる。例えば、警戒対象の車載通信装置との距離が30m以上の場合は、「自動車が近づいてきています。」の音声を出力し、警戒対象の車載通信装置との距離が20m以上30m未満の場合は、「自動車にぶつかる可能性があります。」の音声を出力し、警戒対象の車載通信装置との距離が20m未満の場合は、「危険、衝突注意」の音声を出力するように設定することもできる。なお、自動車は、一般道路の走行中時、危険を察知してから停止行動(ブレーキの押下等)を行った際に完全に停止するまで約20mが必要となるといわれている。
【0071】
主制御部22は、ステップS44で警告を出力する(Yes)と判定したら、つまり、周囲情報が、警告を出力する条件を満たしていると判定したら、ステップS46として、警告動作を行う。つまり、ステップS44で出力すると判定した警告を出力する。その後、主制御部22は、警戒モードの動作を終了する。
【0072】
また、主制御部22は、ステップS44で、警告を出力しない(No)と判定したら、つまり、周囲情報が、警告を出力する条件を満たしていないと判定したら、そのまま警戒モードの動作を終了する。
【0073】
図6に戻り、主制御部22の動作の説明を続ける。主制御部22は、ステップS26で警戒モードの動作を行ったら、ステップS28として、警戒モードを解除するかを判定する。ここで、警戒モードを解除するかの判定も種々の設定とすることができる。例えば、警戒対象となる車載通信装置が検出されなかったら、警戒モードを解除する設定とすることができる。なお、周囲情報は、警戒モードのステップS26(より具体的には、ステップS42)の処理により更新されている。
【0074】
主制御部22は、ステップS28で警戒モードを解除しない(No)、つまり、警戒モードを続行すると判定したら、ステップS26に進む。つまり、主制御部22は、警戒モードを解除するまで、上述した図7の処理を繰り返す。
【0075】
主制御部22は、ステップS28で警戒モードを解除する(Yes)と判定したら、ステップS30として、通常モードとする。ここで、通常モードとは、図7の処理を行わないモードである。主制御部22は、ステップS30で通常モードにしたら、ステップS32として、電源OFF指示があるかを判定する。主制御部22は、ステップS32で電源OFF指示なし(No)と判定したら、ステップS22に進み、位置情報を取得する。主制御部22は、電源OFFの指示が入力されるまで、ステップS22からステップS32の処理を繰り返す。
【0076】
主制御部22は、ステップS32で電源OFF指示あり(Yes)と判定すると、ステップS34として、電源OFF処理、つまり、各部への電力供給を停止し、携帯通信装置10の機能を停止させる処理を行い、処理を終了する。
【0077】
通信システム1及び携帯通信装置10は、周囲情報に基づいて、警告を出力することで、ユーザー(携帯通信装置10の所持者)に危険が迫っていることを事前に通知することができる。より具体的には、携帯通信装置10は、走行している自動車(車載通信装置40が搭載された自動車)が近づいていることを事前に察知し、ユーザーに警告することができる。これにより、ユーザーが事故にあう可能性を低減することができる。より具体的には、携帯通信装置10の所持者と車載通信装置40が搭載された自動車とが、見通しの悪い交差点等に差し掛かり、出会いがしらでぶつかる危険性がある場合も、事前に警告を出力することができる。これにより、携帯通信装置10の所持者は、自動車を認知することができ、減速する、止まる等の対応を取ることができ、事故にあう恐れを低減することができる。
【0078】
また、上記実施形態では、携帯通信装置10の場合として説明したが、車載通信装置40の場合も同様の処理をすることができる。車載通信装置40の場合も、警告を出力する基準は、種々の設定とすることができる。また、出力する警告も、周囲状況に応じて切り替える。例えば、警告を音声で出力する場合は、「左の道路から歩行者が近づいてきています。」、「10m以内の前方で、歩行者にぶつかる可能性があります。」、「危険、事故注意」という音声をスピーカ58等から出力する設定とすることができる。また、警告を画像で出力する場合は、表示部52に「歩行者が近づいてきています。」を表示させるとともに背景を黄色にした画面を表示させる、「歩行者にぶつかる可能性があります。」を表示させるとともに背景を赤色にした画面を表示させる、「危険、事故注意」を表示させるともに背景を赤色のフラッシング画像にする等を設定することができる。
【0079】
また、主制御部42は、上述したように出力する警告を、周囲状況に応じて切り替えることができる。例えば、警戒対象の携帯通信装置との距離が30m以上の場合は、「歩行者が近づいてきています。」の音声を出力し、警戒対象の携帯通信装置との距離が20m以上30m未満の場合は、「歩行者にぶつかる可能性があります。」の音声を出力し、警戒対象の携帯通信装置との距離が20m未満の場合は、「危険、事故注意」の音声を出力するように設定することもできる。
【0080】
このように、車載通信装置40の場合も歩行者が近くに居ることを事前に知ることができれば、対応(減速、クラクションを鳴らす、注意して走行する等)を取ることができる。これにより、事故を発生させる恐れを低減することができる。
【0081】
なお、通信システム1としては、少なくとも一方の種類の通信装置の位置情報を取得し、他方の種類の通信装置に周囲情報として提供することで、自動車と歩行者の事故を抑制することはできるが、双方の通信装置の位置情報を取得し、双方に周囲情報を提供し、上記処理を行うようにすることが好ましい。これにより、自動車側も歩行者側も相手の存在に気づくことができ、事故の発生の恐れをより低減でき、交通の安全をより向上させることができる。
【0082】
ここで、サーバ6が携帯通信装置10及び/または車載通信装置40に送る周囲情報は、周囲の通信装置の位置に関する情報であればよく、種々の状態の情報を用いることができる。例えば、周囲情報を一定範囲内にある全ての通信装置の位置情報としてもよい。また、周囲情報を、警戒の対象となる条件を満たす位置にある通信装置の位置情報のみとしてもよい。つまり、サーバ6で、携帯通信装置10の進行方向を検出し、その進行方向において一定距離以内にある車載通信装置の位置情報のみを抽出して周囲情報を送るようにしてもよい。さらに、サーバ6で、各通信装置の移動方向を検出し、携帯通信装置10に向かって移動する車載通信装置40の位置情報を抽出して周囲情報を送るようにしてもよい。また、周囲情報として、警戒モードに入る必要があるか否か、また、どの段階の警告を出力する必要があるかを示す情報を送るようにしてもよい。
【0083】
このように、サーバ6が送る周囲情報をより加工(処理)した情報、具体的には、危険や警告を通知する信号(危険情報信号)を直接制御信号として送ることで、携帯通信装置10、車載通信装置40で行う処理を少なくすることができる。これにより、電池の消耗を抑制することができる。なお、周囲情報の情報量が多い場合は、主制御部22、42での処理量が多くなるが、各通信装置の設定に応じた処理を行うことができる。これにより、必要な情報をより早く取得することも可能となる。
【0084】
また、警告モードを実行するかの判定、警告を出力するかの判定は、上述したように、距離に加え、移動方向にも基づいて判定することが好ましい。以下、図8を用いて説明する。ここで、図8は、通信システムの処理動作の一例を説明するための説明図である。図8に示す例は、道路70に道路72が接続されたT字路となっている。道路70には、車載通信装置40を搭載した自動車7と、車載通信装置40aを搭載した自動車7aとが同じ方向に走行している。自動車7は、道路72との連結部に差し掛かっている。自動車7aは、道路72との連結部を通過している。
【0085】
また、道路70の道路72と接続している側とは反対側の側道には、携帯通信装置10aが自動車7の移動方向とは反対側の向きで、かつ、自動車7から離れるように移動している。また、道路72には、道路70との連結部に向かって移動している携帯通信装置10がある。
【0086】
携帯通信装置10、10aと、車載通信装置40、40aが以上のような位置関係の場合、携帯通信装置10は、警戒の対象となる範囲80を、進行方向側が進行方向とは反対側よりも大きくなるように設定する。これにより、警戒すべき車載通信装置をより的確に判断することができる。なお、携帯通信装置10は、範囲80の内側に自動車7があるため、警戒モードとなる。
【0087】
次に、車載通信装置40も、警戒の対象となる範囲82を、進行方向側が進行方向とは反対側よりも大きくなるように設定する。これにより、警戒すべき携帯通信装置をより的確に判断することができる。なお、車載通信装置40は、範囲82の内側に携帯通信装置10、10aの両方があるが、携帯通信装置10は、警戒の対象とし、既にすれ違っている携帯通信装置10aは警戒の対象からはずすようにすることが好ましい。このように、範囲82に含まれる場合でも、衝突する可能性が少ない通信装置は、警戒の対象からはずすように制御することで、より的確な制御を行うことができる。なお、移動方向は、位置情報の変化から算出することができる。また、通信システム1は、移動速度に応じて、警戒の対象とする範囲(距離)を変化させるようにしてもよい。
【0088】
また、サーバ6及び/または車載通信装置40は、建物内にある携帯通信装置10は、警戒の対象外とすることが好ましい。つまり、サーバ6及び/または車載通信装置40は、位置情報に基づいて、携帯通信装置10が建物内にいるか、道路上にいるかを、判定し、道路上にいる携帯通信装置10のみを周囲情報の対象とすることが好ましい。これにより、不要な警告を発生させることを抑制することができ、より的確な警告を出力することができる。
【0089】
また、携帯通信装置10は、自身が建物内にいると判定したら、警戒モードに移行しない設定とすることが好ましい。これにより、不要な警告を発生させることを抑制することができ、より的確な警告を出力することができる。つまり、安全な状態である場合にも警告を出力してしまい、ユーザーに不快な思いをさせることを抑制することができる。
【0090】
また、通信システム1は、上記処理を特定の領域、地域のみを対象とすることが好ましい。つまり、見通しの悪い道路のみに適用し、見通しの良い道路、幹線道路では、上述した処理を行わないようにすることが好ましい。これにより、事故の発生しやすい領域で的確に処理を行うことができ、また、システム全体の処理の負荷を低減することができる。
【0091】
また、バスや、電車等の公共の交通機関には、近距離通信部36を設け、交通機関の内(車両の中)にある携帯通信装置10の近距離通信部36と通信を行い、警戒モードの処理を行わない指示を入力する設定とすることが好ましい。これにより、交通機関の内にある携帯通信装置10が道路上を走行する車両を検出して、警告を発生させることを抑制することができる。
【0092】
また、通信システム1は、上述したように、移動速度に基づいて警戒の対象、基準となる通信機器を切り替えるようにすることが好ましく、移動していない通信装置は、対象からはずすことがより好ましい。移動していない通信装置を対象からはずすことで、交差点で止まっている、携帯通信装置、車載通信装置がある場合や、駐車中の自動車の車載通信装置がある場合に、警告を出力してしまうことを抑制することができる。なお、急な飛び出しの可能性もあるため、止まっている場合も警戒、警告の対象とするようにしてもよい。
【0093】
また、通信システム1は、車載通信装置40が高速道路、自動車専用道路を走行している場合も、警戒の対象からはずすことが好ましい。これにより、歩行者と衝突する可能性がない場合まで、警告を出力してしまうことを抑制することができる。
【0094】
また、通信システム1は、サーバ6と、携帯通信装置10、車載通信装置40との通信を回線交換(SMS、Circuit Switching)で行うことが好ましい。特に、警戒モードで周囲情報を送信する通信は、回線交換で行うことが好ましく、危険情報信号を直接送信する場合は、回線交換で行うことがより好ましい。これにより、より早く情報を送信することができ、情報伝達が遅れる恐れを低減することができる。
【0095】
また、車載通信装置40は、警戒モードとして、フロントビューカメラや、サイドビューカメラで画像を取得し、より具体的には警戒の対象がいる方向の画像を取得し、取得した画像を表示させることが好ましい。これにより、人が出てきた場合でもより早く認識することができ、事故を発生しにくくすることができる。
【0096】
また、通信システム1は、自動車が走行している(車載通信装置40のある)車線に基づいて、警戒モードの設定や、警告の基準値を異なる設定としてもよい。つまり、歩道に近い側にいる場合は、設定や基準値をより厳しい設定(警告や警戒になりやすい状態)とし、車道中央(中央分離帯等に近い)側にいる場合は、設定や基準値をより緩やかな設定(警告や警戒になりにくい状態)としてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、車載通信装置40を、自動車に備え付けの装置としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、取り外し可能な通信装置としてもよい。また、携帯通信装置10を持って自動車に乗っている場合は、携帯通信装置10を車載通信装置として用いてもよい。なお、この場合は、携帯通信装置10の移動モードを設定できるようにしておき、自動車で移動している場合は、車載モードとして、徒歩で移動している場合は、徒歩モードとすればよい。また、移動速度に基づいて自動的に判定するようにしてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、自動車(車両)と徒歩としたが、本発明はこれに限定されない。移動手段が、自転車、バイク(自動二輪車)等の場合も適用することはできる。また、同一の移動手段同士でも適用することができる。つまり、自転車で移動している携帯通信装置は、自転車で移動している他の携帯通信装置を周囲情報の対象としてもよい。なお、車両には、エンジン、モータによって走行する種々の車(二輪車、四輪車、トラック)が含まれる。
【0099】
なお、上記実施形態の通信システム1は、サーバ6を介して供給される各通信装置の位置情報を周囲情報として判定を行ったが、近距離通信部36、56を用いて、相対的な位置情報を取得し、周囲情報として用いてもよい。例えば、通信システム1は、上述と同様にサーバ6から周囲情報を取得し、警戒モードとなったら、近距離通信部36、56を起動させ、通信可能な通信装置を検出し、情報を交換したり、電波の強度の変化を検出したりして、相対的な位置関係を検出するようにしてもよい。このように直接交換した情報を用いることで、より短時間で情報を取得することができる。
【0100】
なお、通信システム1は、より多くの情報を用いた方が、より正確な判定が可能となるが、警戒モードとなったら、サーバ6から周囲情報を取得せずに、近距離通信部36、56で取得した情報のみを周囲情報をして用い、警告の有無の判定を行っても良い。
【0101】
また、上記通信システム1は、GPS衛星2と通信網3を介したサーバ6を用いて、位置情報と周囲情報を取得したが、本発明はこれに限定されない。例えば、GPS等を利用した基準座標に基づいた位置情報を取得せずに、近距離通信部36、56を用いて取得した周囲情報のみで、上述と同様の処理を行うようにしてもよい。
【0102】
以下、図9を用いて、通信システム1の携帯通信装置10の動作として説明する。なお、車載通信装置40の場合も同様の処理となる。ここで、図9は、携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。まず、携帯通信装置10の主制御部22は、ステップS50として、周囲情報を取得する。ここで、本実施形態は、主制御部22は、近距離通信部36を駆動し、通信可能な他の近距離通信部を検索する。主制御部22は、検索した結果に基づいて周囲情報を取得する。具体的には、通信可能な近距離通信部を検出した場合は、その近距離通信部が所有している情報したり、電波の強度や、信号のタイムラグに基づいて相対的な位置関係を検出したりすることで、周囲情報を検出する。また、主制御部22は、通信可能な近距離通信部を検出しない場合は、警戒、警告の必要なしと判定すればよい。
【0103】
主制御部22は、ステップS50で周囲情報を取得したら、ステップS52として警告を出力するかを判定する。なお、警告を出力するかの判定は、ステップS44の処理と同様である。
【0104】
主制御部22は、ステップS52で警告を出力する(Yes)と判定したら、つまり、周囲情報が、警告を出力する条件を満たしていると判定したら、ステップS54として、警告動作を行う。つまり、ステップS52で出力すると判定した警告を出力する。なおステップS54の処理は、上述したステップS46の処理と同様の処理である。その後、主制御部22は、処理を終了する。
【0105】
また、主制御部22は、ステップS52で、警告を出力しない(No)と判定したら、つまり、周囲情報が、警告を出力する条件を満たしていないと判定したら、そのまま警戒モードの動作を終了する。なお、主制御部22は、ステップS50からステップS54の処理を一定時間毎に繰り返すことが好ましい。
【0106】
携帯通信装置10は、以上のように、近距離通信部36で取得した周囲情報のみを用いても、周囲の状況を判定し、警告を出力するかを判定することができる。また、近距離通信部36で一定の範囲の情報を取得することができるため、危険が迫っていることを予め検出し、ユーザーに警告することができる。これにより、相手の存在に気づくことができ、事故の発生の恐れをより低減でき、交通の安全をより向上させることができる。
【0107】
また、上記実施形態では、移動時に発生する事故を抑制するために、通信装置を互いに移動する携帯通信装置としたが、本発明はこれに限定されない。本発明の通信システム、携帯通信装置は、近距離通信部の通信により、周囲情報として、固定された通信装置の情報も取得し、禁止したエリア(地域)に近づいたら、また禁止したエリアに入ったら警告を出力するようにしてもよい。
【0108】
以下、図10を用いて一例を説明する。ここで、図10は、通信システムの処理動作の他の例を説明するための説明図である。図10に示すように、携帯通信装置10の周りには、通信装置90a、90b、90c、90d、90e、90f、90g、90hが配置されている。携帯通信装置10は、近距離通信部36の通信可能範囲が、範囲80となっている。ここで、通信装置90aから通信装置90hは、それぞれ、近距離通信部を備えており、通信することで位置情報を出力する。ここで、通信装置90a、90b、90c、90d、90eは、禁止エリアではないエリアに配置されている。また、通信装置90f、90gは、禁止エリア92aに配置されている。また、通信装置90hは、禁止エリア92bに配置されている。
【0109】
ここで、図10に示すように携帯通信装置10は、禁止エリア92aにいると、範囲80内に含まれる、通信装置90c、90b、90e、90fと通信可能となる。携帯通信装置10は、近距離通信部36を用いて、通信可能な通信装置と通信を行い、周囲情報として、通信装置90c、90b、90e、90fから情報を取得する。
【0110】
携帯通信装置10は、取得した情報のうち、通信装置90fに含まれる情報から禁止エリア92a内にいることを検出する。携帯通信装置10は、禁止エリア92a内に居ることを検出したら、警告を出力すると判定して、警告動作を行う。なお、これらの処理は上述した図9の処理動作で実行することができる。
【0111】
このように、通信システム1、携帯通信装置10は、周囲情報を取得する通信装置を場所に固定された通信装置とすることで、禁止エリアに進入した場合は警告を出力する制御を行うことも可能となる。これにより、携帯通信装置10を、子供、ペット、家畜に持たせることで、禁止エリアへの移動を抑制することができ、危険に巻き込まれる恐れを低減することができる。また、ペットや、家畜をしつけることもできる。なお、電化製品、調度品等の屋内の物品に近距離通信部を設置し、周囲情報として屋内の情報を取得することで、屋内で触ってはいけない物品に触ろうとしたら、警告を出力することも可能となる。
【0112】
また、通信システム1は、通信装置の近距離通信部が出力する情報として、位置情報に加え、場所の特性(川、繁華街、公園、廃墟、店の種類等)や、物品の特性(割れ物、危険物等)の情報を用いることが好ましい。これにより、警告の出力の条件を位置だけではなく、特性に基づいて判定させることができる。これにより、未知の地域に行った場合も適切に警告を出力することが可能となる。
【0113】
なお、上記実施形態では、警告の出力を、音声で出力する場合と、画像で出力する場合で説明したが、これに限定されない。例えば、警告の出力として、特定のにおいを発生させるようにしてもよい。具体的には、携帯通信装置10に、においディスプレイ等のにおいを出力させることができるにおい発生源を設ける。なお、におい発生源は、複数のにおいを発生できるようにすることが好ましい。携帯通信装置10は、警告の出力指示が入力されたら、決定された匂いを発生させる。これにより、においで、警告が発生したことに気づくことができる。なお、においとしては、気づきやすいように刺激臭とすることが好ましい。また、禁止エリアへ進入したら、警告を発生させる場合は、携帯通信装置10の所有者が、嫌がるにおいを発生させる。例えば、子供が所有者の場合は、大人は平気だが、子供は嫌いなにおいを発生させれば、子供のみ抑止することも可能になる。なお、ペットの場合も同様である。
【0114】
また、警告の出力として、電流を流すようにしてもよい。これにより、体感的に警告が出力されていることを認識することができる。また、禁止エリアへの侵入に対して警告を出力する場合は、禁止エリアに侵入する毎に、電流が流れ、痛みを感じることになる。これにより、ペットや家畜が禁止エリアに侵入することを抑制することができる。
【0115】
また、警告の出力として、装置を振動させてもよい。装置を振動させることで、体感的に警告が出力されていることを認識することができる。また、禁止エリアへの侵入に対して警告を出力する場合は、例えばペットの首輪に実装することで、禁止エリアに侵入すると首輪が振動し、ペットの行動を抑止することが可能になる。
【0116】
また、警告の出力として、装置の温度を変化させてもよく、例えば、装置を発熱させるようにしてもよい。なお、発熱させる場合は、人体には影響がない範囲の熱を発生させる。端末の温度が変化することで、警告が出力されていることを認識することができる。また、禁止エリアへの進入に対して警告を出力する場合は、温度が変化した装置を持ったユーザーは不快になり、禁止エリアからの移動を促すことができる。
【0117】
ここで、禁止エリアへの進入に対して警告を出力し、かつ上述したように音声で警告を発生させる場合、音声としてメッセージではなく、大音量の音声を出力するようにしてもよい。また、携帯通信装置の所有者が子供の場合、子供に聞こえ、大人には聞こえない高周波の音(モスキート音等)を出力するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上のように、本発明にかかる通信システム及び携帯通信装置は、危険回避機能を備える通信装置として用いることに有用である。
【符号の説明】
【0119】
1 通信システム
2 GPS衛星
3 通信網
6 サーバ
7 自動車
10、10a、10b 携帯通信装置
10C 筐体
10CA 第1筐体
10CB 第2筐体
12M メインディスプレイ
13 操作キー
14 方向及び決定キー
15 マイク
16 レシーバ
22、42 主制御部
24、44 記憶部
26、46 通信部
28、48 操作部
30、50 音声処理部
32、52 表示部
33、53 表示制御部
34、54 GPS通信部
36、56 近距離通信部
58 スピーカ
40 車載通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の位置情報を取得する第1位置情報取得部及び他の通信装置と通信を行う第1通信部を備える少なくとも1つの携帯通信装置と、
自身の位置情報を取得する第2位置情報取得部及び他の通信装置と通信を行う第1通信部を備える少なくとも1つの車載通信装置と、
前記携帯通信装置及び前記車載通信装置と通信を行い、取得した位置情報を記憶し、記憶した位置情報を前記携帯通信装置または前記車載通信装置の少なくとも一方に送るサーバと、を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記携帯通信装置から送信される自身の位置情報に基づいて、前記携帯通信装置の周りの予め設定された範囲内にある前記車載通信装置の位置情報を抽出し、抽出した位置情報を前記携帯通信装置に送信し、
前記携帯通信装置は、前記サーバから送信された前記車載通信装置の位置情報に基づいて、一定距離以内にあり、かつ自身に近づいてくる或いは自身の進行方向の延長線上の領域に近づいてくる前記車載通信装置がある場合は、警告処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記携帯通信装置は、自身の位置情報が、予め設定された領域内にある場合のみ、前記第1通信部を介して、前記サーバに位置情報を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記車載通信装置から送信される自身の位置情報に基づいて、前記車載通信装置の周りの予め設定された範囲内にある前記携帯通信装置の位置情報を抽出し、抽出した位置情報を前記車載通信装置に送信し、
前記車載通信装置は、前記サーバから送信された前記携帯通信装置の位置情報に基づいて、一定距離以内にあり、かつ自身に近づいてくる或いは自身の進行方向の延長線上の領域に近づいてくる前記携帯通信装置がある場合は、警告処理を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
他の通信装置と通信する通信部と、
自身の位置を検出する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部で取得した自身の位置の情報に基づいて、自身の周囲にある他の通信装置の位置情報を取得する周囲情報取得部と、
警告処理を行う警告部と、
前記周囲情報取得部で取得した情報に基づいて、警告部の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯通信装置。
【請求項6】
前記他の通信装置は、歩行者が保有している通信装置であることを特徴とする請求項5に記載の携帯通信装置。
【請求項7】
前記他の通信装置は、車両に搭載されている通信装置であることを特徴とする請求項5に記載の携帯通信装置。
【請求項8】
前記周囲情報取得部は、前記他の通信装置の位置情報として、予め設定された範囲内にある他の通信装置の位置情報を取得し、
前記制御部は、前記周囲情報取得部が取得した情報から、前記他の通信装置の移動方向を算出し、自身の位置に接近しており、かつ、距離が予め設定された範囲内にあると判定したら、警告処理を行うことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項9】
前記周囲情報取得部は、前記他の通信装置の位置情報として、自身の位置に接近しており、かつ、距離が予め設定された範囲内にある他の通信装置の位置情報を取得し、
前記制御部は、前記周囲情報取得部が情報を取得したら、警告処理を行うことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項10】
前記制御部は、他の通信装置との距離に応じて、前記警告部で行う警告処理を切り替えることを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項11】
地図情報を取得する地図情報取得部と、
画像を表示する表示部と、をさらに有し、
前記制御部は、前記地図情報に、前記周囲情報取得部で取得した周囲にある他の通信装置の位置情報を重ねた画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項12】
前記地図情報取得部は、前記位置情報取得部で取得した位置情報に基づいて、当該位置情報を含む地図情報を外部の記憶装置から取得することを特徴とする請求項11に記載の携帯通信装置。
【請求項13】
前記位置情報取得部は、全地球測位システムにより、位置情報を取得することを特徴とする請求項5から12のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項14】
自身の周囲の情報を取得する周囲情報取得部と、
警告処理を行う警告部と、
前記周囲情報取得部で取得した情報に基づいて、警告部の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする携帯通信装置。
【請求項15】
接近を禁止する他の通信装置の情報を記憶した記憶部をさらに有し、
前記周囲情報取得部は、近距離通信方式により、他の通信装置と通信し、他の通信装置の情報を取得し、
前記制御部は、前記周囲情報取得部で取得した他の通信装置の情報に基づいて、接近が禁止されている他の通信装置が一定距離内にあると判定したら、前記警告部により警告処理を行うことを特徴とする請求項14に記載の携帯通信装置。
【請求項16】
前記他の通信装置は、進入禁止エリアに配置されていることを特徴とする請求項15に記載の携帯通信装置。
【請求項17】
前記他の通信装置は、車両に搭載されている通信装置であることを特徴とする請求項15に記載の携帯通信装置。
【請求項18】
前記警告部は、警告処理として、音声を出力する、においを発生させる、振動を発生させる、電流を流す、画像を表示させる、温度を変化させる、のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項5から17のいずれか1項に記載の携帯通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−154567(P2011−154567A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16051(P2010−16051)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】