説明

通信システム

【課題】非常時接続回線網において、要求発生時に迅速に通信処理を開始するとともに、通信エラーを発生させることなく処理を完結するための技術を提供する。
【解決手段】通信端末10が装置50に対してUDPパケットを送信すると(S101)、中継装置30が装置50に制御信号を送信する(S102)。装置50はダイヤルアップを行って中継装置30との間でPPPセッションを確立し(S104,105)、TCPコネクションを確立する(S106)。通信端末10は、バッチモードを指定して、装置50に検査指示ファイルを送信する(S107,108)。装置50は、TCPコネクションを切断(S109)し、検査指示ファイルに従って検査を行い、検査結果ファイルを作成する。再び、ダイヤル発呼、PPPセッションを確立し、TCPコネクションを確立すると(S114〜116)、検査結果ファイルを通信端末10に返送する(S117)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常時接続の端末を含む通信システムにおける通信処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
端末がネットワークに接続する形態には、常時接続と非常時接続とがある。端末がネットワークに常時接続している場合には、その端末に対して固定のIPアドレスを付与することができる。したがって、常時接続している端末を含む通信システムにおいては、当該端末に対して任意のタイミングでTCPコネクションを確立して通信を行うことが可能である。
【0003】
これに対して、端末がネットワークに非常時接続している場合には、端末のIPアドレスが固定ではないので、当該端末に対して通信を行うためには工夫が必要である。たとえば、端末がダイヤルアップすることによってネットワークに接続している場合、その端末には、ダイヤルアップ接続を行うたびに、ダイヤルアップサーバからIPアドレスが付与される。したがって、この端末に対して任意のタイミングでTCPコネクションを確立することはできない。
【0004】
特許文献1は、情報システムの中にIPアドレスが固定でない端末が含まれている場合にも、迅速にデータ通信を行うための技術を提案するものである。具体的には、特許文献1において、IPアダプタ40には常時固定したIPアドレスは付与されていない。このIPアダプタ40は、定期的にサーバ42にUDPパケットを送信し、定期的に、自装置のIPアドレスを通知するようにしている。そして、携帯電話44からサーバ42に対して制御要求信号が発生すると、サーバ42は、IPアダプタ40のIPアドレスが分かっているので、即座にIPアダプタ40と接続することが可能である。これにより、携帯電話44から処理のトリガが発生すると、迅速にサーバ42、IPアダプタ40を介したデータ通信を行うことが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−210575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、非常時接続を行っている端末が通信システムに含まれている場合、その端末に対する接続には工夫が必要である。上記特許文献1によれば、受信側の端末(IPアダプタ40)が定期的にサーバに対してUDPパケットを発信することによって、自装置のIPアドレスを常時通知するようにしている。
【0007】
しかし、非常時接続回線網を利用する場合には、別の問題がある。非常時接続の回線網においては、長時間、特定の端末が接続状態を維持することが困難な場合がある。たとえば、多くのユーザにサービスの提供を行うため、所定の時間、トラフィックが発生しない接続が切断されるような場合がある。ダイヤルアップルータなどにも、所定時間パケットの送信が行われない場合には、回線との接続を切断するものがある。
【0008】
このように、非常時接続の端末を含む通信システムにおいては、まず、迅速に通信可能な状態にするための工夫が必要であり、さらに、必要な情報の送受信が終わるまでの間、接続状態が維持されるための工夫が必要である。データの送受信の途中で、通信エラーなどが発生すると、リカバリー処理が必要となるなど、処理が煩雑となるからである。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、非常時接続の端末を含む通信システムにおいて、通信の要求発生時に迅速かつ効率的に通信処理を開始するとともに、通信を正常に完了させるための技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、第1通信装置と中継装置とが常時接続され、前記中継装置と第2通信装置とが前記第2通信装置からの接続要求によって確立される通信網で接続されるシステムであって、前記第2通信装置は、前記中継装置に接続要求を行って通信網を確立した後、前記第1通信装置に対してTCP接続要求を送信する手段、備え、前記第1通信装置は、前記第2通信装置からのTCP接続要求により前記第2通信装置との間でTCPコネクションを確立した後、返信モードを指定して送信ファイルを前記第2通信装置に送信する手段、を備え、前記第2通信装置は、返信モードとして第1のモードが指定されている場合には、送信ファイルの受信時に利用したTCPコネクションを維持したまま返信ファイルを送信し、第2のモードが指定されている場合には、前記中継装置との間の通信網を切断し、再び、前記中継装置との間の通信網を確立した後、新たなTCPコネクションを確立して返信ファイルを送信することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の通信システムにおいて、前記第2通信装置は、前記中継装置との間の通信網を切断した後、返信ファイルの送信準備ができたところで再び通信網を確立することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の通信システムにおいて、前記第2通信装置は、返信モードとして前記第1のモードが指定されている場合であっても、返信ファイルの返信処理に要する時間が所定の条件に該当すると判断した場合には、前記中継装置との間の通信網を切断し、再び、前記中継装置との間の通信網を確立した後、新たなTCPコネクションを確立して返信ファイルを送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の通信システムでは、第1通信装置が送信ファイルを送信するときに利用するTCPコネクションと、同じコネクションを利用して第2通信装置が返信ファイルを送信するのか、あるいは一旦回線を切断した後、新たなTCPコネクションを利用して返信ファイルを送信するのかを指定する。これにより、第2通信端末において、返信ファイルの処理に時間を要し、返信処理中に回線が切断されて、処理が煩雑となることを防止できる。たとえば、予め返信ファイルの作成に時間を要することが分かっている場合には、一旦、回線を切断するようモード設定することで、処理がスムーズに行われる。
【0014】
また、送信ファイルの送信時のTCPコネクションを維持して返信ファイルを返信するよう第1通信装置から指定されている場合であっても、第2通信装置は、返信ファイルの処理が所定の条件に該当する場合には、一旦、通信網を切断する。これにより、予め想定されていない状況においても、返信処理に時間を要する場合には、通信網の再接続が行われるので、処理エラーを発生させることなく、正常状態のまま処理を完了させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るリモート診断システムのシステム構成図である。このリモート診断システムは、センタ1に設置される通信端末10と、中継装置30と、工場5内に設置されている装置50,50・・・とを備えて構成される。通信端末10と中継装置30とは、インターネット2を介して接続されている。また、中継装置30と各装置50とは公衆電話回線網4を介して接続されている。
【0016】
このリモート診断システムは、工場5の中にある装置50を、遠隔地にあるセンタ1からリモート診断するシステムである。具体的には、センタ1の通信端末10から、検査指示ファイル61をネットワーク経由で装置50に送信し、装置50において実施された検査結果が、検査結果ファイル62として、装置50からネットワーク経由で通信端末10に返送されるシステムである。これにより、遠隔地にいるセンタ1において、工場5内の装置50の状態を診断することができるのである。
【0017】
ここで、通信端末10と中継装置30とは、インターネット2に対して常時接続している。つまり、通信端末10および中継装置30には、固定のIPアドレスが付与されている。したがって、通信端末10と中継装置30とは、通信を行う必要性が生じた場合には、どちらの端末(装置)からでもTCP接続要求を発行して、TCPコネクションを確立することが可能である。
【0018】
これに対して、中継装置30と各装置50,50・・・とは物理的には公衆電話回線網4で接続されているが、装置50から中継装置30に対してダイヤルアップ接続を行うことで、初めて通信可能な状態となる。逆に、中継装置30からは装置50に対してダイヤルアップ接続を行うことができない。つまり、中継装置30と装置50とが通信を行うためには、装置50からダイヤルアップ接続を行う必要がある。
【0019】
図2は、通信端末10と、中継装置30と、装置50の機能ブロック図である。通信端末10は、検査指示ファイル作成部11、通信部12、操作部13、モニタ14、装置データベース15、検査開始要求部16を備えている。
【0020】
検査指示ファイル作成部11は、装置50に対する検査項目や検査指示コマンドが記述された検査指示ファイル61を作成する処理部である。また、検査指示ファイル作成部11は、検査指示ファイル61のヘッダに返信モード情報を設定する処理も行う。通信端末10のオペレータは、操作部13を操作して、検査指示ファイル作成部11に指示を行い、検査指示ファイル61を作成するのである。オペレータは、モニタ14に表示される検査内容を確認しながら検査指示ファイル61を作成する。
【0021】
返信モードとは、装置50が検査結果ファイル62を通信端末10に対して返信する際のモードである。このモードには、インタラクティブモードとバッチモードとが存在する。インタラクティブモードにおいて、装置50は、検査指示ファイ61を受信するときに利用したTCPコネクションをそのまま維持して検査結果ファイル62を送信する。バッチモードにおいて、装置50は、検査指示ファイル61を受信するときに利用したTCPコネクションを切断し、それとは別のTCPコネクションを確立して検査結果ファイル62を送信する。より具体的には、バッチモードにおいては、装置50は、検査指示ファイル61を受信した後、一旦、ダイヤルアップ接続を切断する。そして、検査結果ファイル62の送信準備ができたところで、再び、ダイヤルアップ接続をし、さらに、新たなTCPコネクションを確立して、検査結果ファイル62を送信するのである。
【0022】
通信部12は、TCP/IPなどのプロトコルを利用して、他のコンピュータとデータの送受信を行う処理部である。通信部12は、インターネット2を介して中継装置30との間でデータの送受信を行う。あるいは、装置50がダイヤルアップ接続している場合には、通信部12は、インターネット2、公衆電話回線網4を介して装置50との間でデータの送受信を行う。
【0023】
装置データベース15は、工場5に設置されている装置50,50・・・に関するデータベースである。具体的には、装置50の装置名称とIPアドレスとを対応付けて管理している。工場5内に多数の装置50が設置されている。装置データベース15には、これら全ての装置50に関する装置名称とIPアドレスが対応付けて管理されている。
【0024】
検査開始要求部16は、装置50の検査を開始するときに、検査対象である装置50に対するUDPパケットを送出する処理部である。上述したように、オペレータは、検査指示ファイル作成部11に対して指示を行い、検査指示ファイル61を作成するが、このとき、オペレータは、検査対象の装置50を選択する操作を行う。この選択操作がされると、検査指示ファイル作成部11は、装置データベース15を参照して、選択された装置50のIPアドレスを取得する。そして、検査指示ファイル作成部11は、検査指示ファイル61内に、診断対象である装置50の装置名称とIPアドレスを記述するようにしている。したがって、検査開始要求部16は、検査指示ファイル61を参照することで、診断対象である装置50のIPアドレスを知ることができ、当該IPアドレスを宛先としたUDPパケットを送出するのである。
【0025】
中継装置30は、通信部31、制御信号送信部32、PPP接続部33、装置データベース34を備えている。通信部31は、TCP/IPなどのプロトコルを利用して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う処理部である。通信部31は、インターネット2を介して通信端末10との間でデータの送受信を行う。また、装置50がダイヤルアップ接続を行っている場合には、通信部31は、公衆電話回線網4を介して装置50との間でデータの送受信を行う。
【0026】
制御信号送信部32は、装置50に対して制御信号63を送信する処理部である。この実施の形態においては、制御信号送信部32は、公衆電話回線網4を利用し、データ通信と干渉しないような特定の周波数帯を利用して、装置50に制御信号63を送信する。これ以外にも、たとえば、無線を利用して制御信号63を送信する形態であってもよい。あるいは、電話回線とは別の回線を利用してもよい。
【0027】
具体的には、制御信号送信部32が送信する制御信号63は、装置50に対する接続開始要求信号である。つまり、公衆電話回線網4に対してダイヤルアップ接続していない装置50に対してダイヤルアップ接続を要求する信号である。
【0028】
PPP接続部33は、装置50からのダイヤルアップ接続およびPPP(Point to Point)セッションの確立要求を受けて、ダイヤルアップ接続およびPPPセッションの確立を行う処理部である。
【0029】
装置データベース34は、工場5に設置されている装置50に関するデータベースである。具体的には、装置50の装置名称と、装置50の識別情報(つまり、制御信号63の送信先として指定される装置識別情報)と、IPアドレスとを対応付けて管理している。工場5内に多数の装置50,50・・・が設置されている。装置データベース34には、これら全ての装置50,50・・・に関する装置名称と、装置識別情報と、IPアドレスとが対応付けて管理されている。
【0030】
装置識別情報とは、制御信号送信部32が制御信号63を送信する送信先を特定する情報である。装置識別情報は、各装置50を一意に特定できるよう各装置50にユニークな情報が付与されている。工場5内には多数の装置50が設置されている。したがって、中継装置30は、検査対象の装置50を特定して制御信号63を送信する必要がある。そこで、この装置識別情報を利用するのである。具体的には、制御信号63に装置識別情報が埋め込まれる。受信した装置50は、自装置の装置識別情報が一致すれば制御信号63を受信するのである。
【0031】
この装置データベース34にも、装置50の装置名称とIPアドレスが登録されているが、これは、通信端末10の装置データベース15に登録されているIPアドレスと一致している。つまり、中継装置30は、ダイヤルアップ接続を行った装置50に対して、予め割り当てるIPアドレスを予約しているのである。つまり、どの装置50にどのIPアドレスを付与するかの対応が予め決められている。そして、その対応情報を通信端末10の装置データベース15にも反映させているのである。
【0032】
装置50は、検査結果ファイル作成部51、通信部52、制御信号受信部53、PPP接続部54を備えている。検査結果ファイル作成部51は、装置50に対する検査を実施した後、検査結果を記述した検査結果ファイル62を作成する処理部である。具体的には、通信端末10から受信した検査指示ファイル61に記述された検査項目あるいは検査指示コマンドに基づき装置50に対する検査を実施し、その結果を検査結果ファイル62として通信端末10に返送するのである。
【0033】
通信部52は、TCP/IPなどのプロトコルを利用して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う処理部である。装置50がダイヤルアップ接続を行っている場合には、通信部52は、公衆電話回線網4を介して中継装置30との間でデータの送受信を行う。
【0034】
制御信号受信部53は、制御信号送信部32から送信された制御信号63を受信する。制御信号受信部53は、送信されてきた制御信号63に含まれる装置識別情報と自装置の識別情報が一致する場合、当該制御信号63が自装置に対する信号であると判断し、当該制御信号63の受信処理を行う。
【0035】
PPP接続部54は、中継装置30に対してダイヤルアップ接続の要求とPPPセッションの確立要求を行う処理部である。装置50は、中継装置50から自装置の識別情報と一致する制御信号63を受信すると、中継装置50に対してダイヤルアップ接続およびPPPセッションの確立要求を行うのである。
【0036】
以上説明したリモート診断システムの処理シーケンスについて説明する。図3および図4は、通信端末10、中継装置30、装置50との間の処理シーケンスを示す図である。このうち、図3は、返信モードとして通信端末10によりバッチモードが指定された場合の処理シーケンスである。図4は、返信モードとして通信端末10によりインタラクティブモードが指定された場合の処理シーケンスである。
【0037】
先に図3のバッチモード時の処理シーケンスについて説明する。まず、オペレータが通信端末10を操作して、検査開始の指示を行う。具体的には、オペレータは、操作部13を操作して、検査対象の装置50を指定する操作、検査項目を指定する操作を行う。この操作に応答して、検査指示ファイル作成部11が、検査指示ファイル61を作成する。また、検査項目が指定されることにより、この検査項目に応じた返信モードが設定される。あるいは、オペレータが、明示的に返信モードを指定する形態であってもよい。さらに、検査開始要求部16が、指定された装置50に対してUDPパケットを送信する(ステップS101)。
【0038】
上述したように、検査開始要求部16は、検査指示ファイル61を参照することで、送信先である装置50のIPアドレスを取得することができるので、当該IPアドレスに対してUDPパケットを送出するのである。また、検査開始要求部16は、待ち受けTCPポートのポート番号をUDPパケットにおいて指定する。待ち受けTCPポートのポート番号は定められている番号を利用すればよい。
【0039】
検査開始要求部16は、たとえば1秒間隔など、所定の間隔をあけて複数回UDPパケットを送出する。検査開始要求部16により、所定回数UDPパケットが送出されると、通信端末10は、タイマーの計時を開始し、TCP接続の待ち受け待機状態に遷移する。
【0040】
次に、通信端末10から送出されたUDPパケットを中継装置30が中継受信する。そして、中継装置30は、UDPパケットの送信先IPアドレスに対応する装置50に対して制御信号63を送信するのである(ステップS102)。中継装置30は、UDPパケットから送信先のIPアドレスを取得し、装置データベース34を参照することで、そのIPアドレスが付与される装置50を特定することができる。また、装置データベース34を参照することで、その装置50の装置識別情報を得ることができる。そこで、中継装置30は、特定の周波数帯を利用して、装置識別情報を指定した制御信号63を各装置50に送信するのである。ここで、中継装置30は、制御信号63に、送信元である通信端末10のIPアドレスとポート番号の情報を含めるようにする。
【0041】
次に、指定された装置識別番号と一致する装置識別番号を持った装置50が制御信号63を受信する。そして、その装置50は、受信した制御信号63から、送信元である通信端末10のIPアドレスとポート番号を取得する(ステップS103)。
【0042】
次に、PPP接続部54がダイヤル発呼を行って、ダイヤルアップ回線網の確立処理を行う。このダイヤル発呼に中継装置30のPPP接続部33が応答し、ダイヤルアップ回線網が確立され(ステップS104)、さらに、PPP接続部54がPPPセッションの確立要求を行うと、装置50と中継装置30との間でPPPセッションが確立される(ステップS105)。
【0043】
PPPセッションが確立されると、続いて、装置50の通信部52が通信端末10の通信部12に対してTCPコネクションの接続要求を行う。通信部52は、ステップS103において、通信端末10のIPアドレスとポート番号を取得しているので、それらをターゲットとしてTCP接続要求を行う。そして、3ウェイハンドシェイクが行われ(ステップS106)、装置50と通信端末10との間でTCPコネクションが確立される。
【0044】
このように、本実施の形態のリモート診断システムはUDPパケットにより接続要求を受けた装置50からPPPセッションを確立し、続いて、同じ装置50が、TCPコネクションを確立するので、PPPセッションを確立した時点で、即座にTCPコネクションを確立することが可能である。
【0045】
装置50と通信端末10との間にTCPコネクションが確立されると、検査指示ファイル作成部11が、検査指示ファイル61のヘッダに返信モード情報を設定する。ここでは、バッチモードが指定される(ステップS107)。検査指示ファイル61は、中継装置30を経由して、装置50に送信される(ステップS108)。
【0046】
装置50は、検査指示ファイル61を受信すると、検査指示ファイル61のヘッダから返信モード情報を取得する。ここでは、バッチモードが指定されているので、装置50は、通信端末10に対してTCPコネクションの切断要求を送信する。そして、3ウェイハンドシェイクが行われ、装置50と通信端末10との間のTCPコネクションが切断される(ステップS109)。
【0047】
装置50と通信端末10との間のTCPコネクションが切断されると、PPP接続部54が、PPP接続部33との間のPPPセッション切断処理を行い(ステップS110)、ダイヤルアップ回線網の切断処理を行う(ステップS111)。このようにして、装置50は、検査指示ファイル61を受信した後、一旦、TCPコネクション、ダイヤルアップ接続を切断するのである。
【0048】
次に、装置50は、検査指示ファイル61の内容を解析する(ステップS112)。つまり、検査項目あるいは検査指示コマンドの内容を解析する。そして、検査指示ファイル61に記載されている検査項目あるいは検査指示コマンドに従い検査を実施する。たとえば、装置50のモータ回転数、装置50の装置温度、装置50のメモリ残量などを計測する。そして、装置50は、実施した検査の結果を記録した検査結果ファイル62を作成する(ステップS113)。
【0049】
装置50は、検査結果ファイル62の送信準備が整ったところで、再度、通信端末10との間のTCPコネクションの確立を行う。具体的には、検査結果ファイル62を作成すると、PPP接続要求部54が再びダイヤル発呼を行って、ダイヤルアップ回線網を確立し(ステップS114)、さらに、装置50と中継装置30との間でPPPセッションを確立する(ステップS115)。つまり、検査結果ファイル62を作成した後、装置50は、制御信号63を受信することなく、自らダイヤル発呼を行ってダイヤルアップ接続を行う。
【0050】
続いて、装置50は、通信端末10に対してTCPコネクションの接続要求を行い、3ウェイハンドシェイクを行ってTCPコネクションを確立する(ステップS116)。このようにして、新たなTCPコネクションを確立すると、装置50は、新たに確立されたTCPコネクションを利用して検査結果ファイル62を通信端末10に送信するのである(ステップS117)。通信端末10では、検査結果ファイル62を受信すると、モニタ14に検査結果が表示される。
【0051】
検査結果ファイル62を送信した後、装置50は、通信端末10に対してTCPの切断要求を行う。そして、3ウェイハンドシェイクが行われ、TCPコネクションが切断される(ステップS118)。
【0052】
装置50と通信端末10との間のTCPコネクションが切断されると、PPP接続部54が、PPP接続部33との間のPPPセッション切断処理を行い(ステップS119)、ダイヤルアップ回線網の切断処理を行う(ステップS120)。このようにして、検査結果ファイル62の送信後、TCPコネクションが切断され、さらに、ダイヤルアップ接続が切断される。このように、所要時間の長い検査項目などについては、バッチモードを利用することで、通信中に回線が切断されるなどの問題を回避し、正常状態のまま処理を終了できるようにしている。
【0053】
続いて、図4を参照しながら、インタラクティブモードの処理シーケンスについて説明する。図4において、ステップS201〜S206は、図3で示すステップS101〜S106と同様である。つまり、ステップS201〜S206により、装置50と通信端末10との間にTCPコネクションが確立される。
【0054】
次に、検査指示ファイル作成部11が、検査指示ファイル61内に返信モード情報を設定する。ここでは、インタラクティブモードが指定される(ステップS207)。検査指示ファイル61は、中継装置30を経由して、装置50に送信される(ステップS208)。
【0055】
装置50は、検査指示ファイル61を受信すると、検査指示ファイル61のヘッダから返信モード情報を取得する。ここでは、インタラクティブモードが指定されているので、装置50は、TCPコネクションを維持したまま、検査指示ファイル61の内容を解析し(ステップS209)、検査指示ファイル61に記載されている検査項目あるいは検査指示コマンドに従い検査を実施する。そして、装置50は、実施した検査の結果を記録した検査結果ファイル62を作成する(ステップS210)。
【0056】
検査結果ファイル62を作成すると、装置50は、既に確立されているTCPコネクションを維持したまま検査結果ファイル62を通信端末10に送信する(ステップS211)。つまり、検査指示ファイル61を受信したときに利用したTCPコネクションをそのまま維持して、検査結果ファイル62を送信する。通信端末10では、検査結果ファイル62を受信すると、モニタ14に検査結果が表示される。このように、処理時間の短い検査項目などについては、インタラクティブモードを利用することで、TCPコネクションを維持したまま短時間でレスポンスを得ることが可能である。
【0057】
検査結果ファイル62を送信した後、装置50は、通信端末10に対してTCPの切断要求を行う。そして、3ウェイハンドシェイクが行われ、TCPコネクションが切断される(ステップS212)。さらに、PPPセッション切断処理を行い(ステップS213)、ダイヤルアップ回線網の切断処理を行う(ステップS120)。このようにして、検査結果ファイル62の送信後、TCPコネクションが切断され、さらに、ダイヤルアップ接続が切断される。
【0058】
以上、通信端末10、中継装置30、装置50を含むリモート診断システム全体の処理シーケンスについて説明した。次に、通信端末10に注目して、装置50に対するリモート診断処理の流れを説明する。図5および図6は、通信端末10におけるリモート診断処理のフローチャートである。
【0059】
前段階として、オペレータ操作により検査指示ファイル61が作成される。検査指示ファイル作成部11は、装置データベース15を参照し、オペレータによって指定された診断対象である装置50のIPアドレスを取得して、当該IPアドレスを検査指示ファイル61に記述する。
【0060】
この状態で、まず、検査開始要求部16は、検査指示ファイル61が作成されているかどうかをチェックし(ステップS301)、作成されている場合には、検査指示ファイル61から診断対象である送信先のIPアドレスを読み出す(ステップS302)。
【0061】
次に、検査指示ファイル61に登録されている検査項目から返信モードが決定され、設定メモリなどに記録される(ステップS303)。通信端末10は、各検査項目と返信モード(バッチモードorインタラクティブモード)を対応付けた条件設定ファイルを備えており、その条件設定ファイルに従って、返信モードを決定する。たとえば、検査に時間を要する検査項目についてはバッチモードが対応付けられている。あるいは、オペレータにより明示的にモードが選定される形態でもよい。つまり、検査項目などから自動的に返信モードが設定されてもよいし、オペレータの手動操作により返信モードが設定されてもよい。
【0062】
次に、検査開始要求部16が、図示せぬ記憶部に格納されているUDP送信定義ファイルから、UDP送信回数、UDP送信間隔の情報を取得し(ステップS304)、その情報に従って、ステップS302で取得されたIPアドレスをターゲットとしてUDPパケットを送信する(ステップS305)。たとえば、1秒間隔で5回など、UDPパケットを送信する。
【0063】
定められた回数だけUDPパケットを送信すると、通信端末10は、TCP接続の待ち受けポート(ここでは、図に示すようにポート番号N番とする。)をオープンし、TCP接続要求の待機状態に遷移する(ステップS306)。これにより、装置50からのTCP接続要求が発生した時点で即座にTCPコネクションが確立できるように準備される。
【0064】
そして、TCP接続要求を受信しない場合(ステップS307でNO)には、タイマーの計時を開始し(ステップS308)、所定時間経過するまでTCP接続要求を監視する(ステップS309)。そして、所定時間経過してもTCP接続要求を受信しない場合には、検査指示ファイル61の送信エラー処理を行う(ステップS310)。たとえば、モニタ14に、「検査指示ファイルの送信に失敗しました。」というメッセージが表示される。
【0065】
ステップS307でTCP接続要求を受信した場合には、TCPコネクションを確立後、検査指示ファイル61にモード指定を行う(ステップS311)。つまり、ステップS303で設定された返信モードの情報を、検査指示ファイル61のヘッダに書き込むのである。そして、検査指示ファイル61を装置50に対して送信する(ステップS312)。検査指示ファイル61を送信すると、返信モードとしてインタラクティブモードが設定されている場合(ステップS313でYES)、データを受信するかどうかの待機状態となり(ステップS314)、データを受信しない場合には、タイマーの計時を開始し(ステップS315)、所定時間経過するまでデータ受信の待機状態となる(ステップS316)。そして、所定時間経過しても、データを受信しない場合には、インタラクティブモードを指定しているものの、装置50側でバッチモードに切替えられた可能性があるので、図6のバッチモードの処理に移行する。
【0066】
ステップS314においてデータを受信すると、検査結果ファイル62の受信処理を行う(ステップS318)。つまり、装置50から返送されてきた検査結果ファイル62の受信処理を行う。次に、TCPの切断処理を行う(ステップS319)。受信した検査結果ファイル62に記録されている検査結果の内容は、たとえばモニタ14に表示される。このようにして、通信端末10は、検査結果を得ることができるのである。
【0067】
返信モードとしてバッチモードが指定されている場合(ステップS313でNO)、装置50からの切断要求を受けて、TCPコネクションを切断する(ステップS320)。これにより、図6のステップS321に移行する。あるいは、図5のステップS316において所定時間が経過した後、図示せぬステップにおいて装置50からのTCP切断要求を受けると(インタラクティブモードからバッチモードへの変更)、TCPコネクションを切断し、その後、図6のステップS321に移行する。
【0068】
続いて、図6のバッチモードに関わる処理のフローチャートを説明する。通信端末10は、検査指示ファイル61を送信したときのTCPポート番号に1加算したポート番号を用いてTCP接続の待ち受け状態に遷移する(ステップS321)。つまり、ステップS306においては、ポート番号Nを利用して待ち受けを行ったが、ここでは、ポート番号N+1のTCPポートをOPENして待ち受け状態となる。バッチモード時にポート番号に1を加算するルールは、装置50との間で予め定められ、設定ファイルなどに記載されている。
【0069】
そして、装置50からのTCP接続要求を待ち(ステップS322)、TCP接続要求を受信しない場合には、タイマーの計時を開始する(ステップS323)。そして、所定時間経過するまで接続要求を受信しない場合(ステップS324でYES)には、検査指示ファイル61の送信エラー処理を行う(ステップS325)。たとえば、モニタ14に、「検査指示ファイルの送信に失敗しました。」というメッセージが表示される。
【0070】
ステップS322においてTCP接続要求を受けると、検査結果ファイル62の受信処理を行う(ステップS326)。つまり、装置50から返送されてきた検査結果ファイル62の受信処理を行う。次に、TCPの切断処理を行う(ステップS327)。受信した検査結果ファイル62に記録されている検査結果の内容は、たとえばモニタ14に表示される。このようにして、通信端末10は、検査結果を得ることができるのである。
【0071】
図7および図8は、装置50に着目したリモート診断の処理フローチャートである。装置50は、中継装置30から制御信号63を受信する待機状態にある(ステップS401)。制御信号63を受信すると、制御信号63にIPアドレスとポート番号が含まれているかどうかをチェックする(ステップS402)。このIPアドレスは、検査指示ファイル61の送信元である通信端末10のIPアドレスであり、ポート番号は、通信端末10がTCP接続要求を待ち受けているポート番号(この例ではポート番号N)である。IPアドレスやポート番号が含まれていない場合は、別の制御信号であるので、その他の処理(図示省略)を実行し、再び制御信号63の受信待機状態となる。
【0072】
制御信号63にIPアドレスとポート番号が含まれている場合、PPP接続部54が、中継装置30のPPP接続部33に対してダイヤルを発呼し、ダイヤルアップ回線網を確立する(ステップS403)。そして、ダイヤルアップ接続上で、PPPセッションを確立する(ステップS404)。
【0073】
続いて、通信部52が、ステップS302で取得したIPアドレスとポート番号(ポート番号N)を用いて、通信端末10に対してTCP接続要求を行う(ステップS405)。そして、TCPコネクションが確立されるのを待ち(ステップS406)、TCPコネクションが確立されると、検査指示ファイル61の受信処理を行う(ステップS407)。装置50は、受信した検査指示ファイル61のヘッダから返信モードの情報を取得し、返信モードを判定する(ステップS408)。
【0074】
返信モードとしてインタラクティブモードが指定されていた場合(ステップS408でYES)、検査指示ファイル61に記述されている検査項目あるいは検査指示コマンドを解析し(ステップS409)、その検査項目あるいは検査指示コマンドに従って検査を実施する。検査を実施すると、検査結果を記述した検査結果ファイル62の作成を開始する。そして、検査結果ファイル62の作成が完了したかどうかをチェックする(ステップS410)。
【0075】
検査結果ファイル62の作成が、まだ完了していない場合には、タイマーの計時を開始し(ステップS414)、所定時間経過するまで検査結果ファイル62の完成を待つ(ステップS415)。所定時間経過しても、検査結果ファイル62が完成しない場合には、図8のステップに移行する。つまり、インタラクティブモードが指定されていたが、検査の実施に多くの時間を要したため、バッチモードへ移行するのである。
【0076】
検査結果ファイル62の作成に成功した場合(ステップS410でYES)には、検査結果ファイル62を通信端末10に送信する(ステップS411)。つまり、検査指示ファイル61の転送に利用されたTCPコネクションをそのまま維持して検査結果ファイル62を返送するのである。
【0077】
検査結果ファイル62の送信を終了すると、TCPの切断処理を行う(ステップS412)。そして、PPPセッションの切断処理を行い、最後に、ダイヤルアップ回線網の切断を行う(ステップS413)。
【0078】
ステップS408でバッチモードと判定された場合(つまり、通信端末10からバッチモードが指定されていた場合)、あるいは、ステップS415で所定時間が経過した場合(つまり、通信端末10からはインタラクティブモードが指定されていたが、検査時間に多くの時間を要した場合)、図8のバッチモードの処理に移行する。
【0079】
まず、装置50は、通信端末10のTCP切断要求を行い、TCPコネクションの切断処理を行う(ステップS416)、続いて、PPPセッションを切断し、ダイヤルアップ回線を切断する(ステップS417)。
【0080】
回線を切断した状態で、装置50は、検査指示ファイル61の内容を解析し(ステップS418)、内容に従って検査項目を実施する。そして、検査結果ファイル62を作成する(ステップS419)。
【0081】
検査結果ファイル62の作成が完了し、検査結果ファイル62の送信準備が整うと、装置50は、制御信号63の受信を待つことなく、中継装置30に対してダイヤル発呼を行って、ダイヤルアップ回線を確立し(ステップS420)、PPPセッションを確立する(ステップS421)。
【0082】
そして、検査指示ファイル61を受信するときに利用したTCPポート(ポート番号N)に1加算し、ポート番号N+1のTCPポートを指定して通信端末10に対してTCP接続要求を送信する(ステップS422)。通信端末10は、図6のステップS321で示すように、ポート番号N+1のTCPポートをOPENして待ち受け状態にある。これにより、TCP接続が確立されると(ステップS423)、このTCPコネクションを利用して、装置50は、検査結果ファイル62を送信する(ステップS424)。ファイル送信が終了すると、TCP切断を行い(ステップS425)、PPPセッション、ダイヤルアップ回線を切断する(ステップS426)。
【0083】
このように、本実施の形態のリモート診断システムによれば、検査を開始するときに、検査指示ファイル61を送信する側の通信端末10からUDPパケットを送出する。そして、UDPパケットを送信した通信端末10は、TCP接続の待ち受け状態となる。そして、UDPパケットに基づいて送信された制御信号63を受信した装置50からダイヤルアップ回線の接続とTCPの接続要求を行う。したがって、装置50がダイヤルアップ接続により回線網を確立した時点で、すぐにTCPコネクションを確立することが可能である。
【0084】
また、通信端末10は、検査指示ファイル61送信時のTCPコネクションをそのまま維持して検査結果ファイル62を受信するのか、一旦、回線網を切断した後、別のTCPコネクションを新たに確立して検査結果ファイルを受信するかを指定する。これにより、検査の実施や検査結果ファイル62の作成に多くの時間を要する場合に、途中で、通信が切断されるという問題を回避するようにしている。
【0085】
つまり、本実施の形態のように、装置50と中継装置30がダイヤルアップ接続などの非常時接続である場合、所定時間データの送受信が検知されなければ、回線網が切断される場合がある。通信端末10が、検査結果ファイル62の受信を待機している状態で、このような回線異常が発生すると、そのリカバリー処理などが煩雑となる。そこで、予め時間のかかる検査などを定めておき、そのような検査項目を含む検査指示については、バッチモードを適用させるようにするのである。これにより、装置50は、検査指示ファイル61の受信後、回線を切断し、検査結果ファイル62の送信準備が整ったところで、再度回線を確立することになる。したがって、一連の処理の途中で回線異常エラーが発生することを防止しているのである。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、中継装置30と装置50との間は電話回線に限るものではなく、無線網であってもよい。つまり、装置50と中継装置30との間が非常時接続であり、装置50からのみ回線を確立可能であるようなネットワーク一般に本発明は適用可能である。また、通信端末10と中継装置30との間は常時接続であることが条件であり、インターネット以外にも専用線などを利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施の形態に係るリモート診断システムのシステム構成図である。
【図2】リモート診断システムを構成する各装置のブロック図である。
【図3】リモート診断システムのバッチモード時における全体処理シーケンスを示す図である。
【図4】リモート診断システムのインタラクティブモード時における全体処理シーケンスを示す図である。
【図5】通信端末の処理フローチャートである。
【図6】通信端末の処理フローチャートである。
【図7】工場内の装置の処理フローチャートである。
【図8】工場内の装置の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 センタ
2 インターネット
4 公衆電話回線網
10 通信端末
30 中継装置
50 装置
61 検査指示ファイル
62 検査結果ファイル
63 制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信装置と中継装置とが常時接続され、前記中継装置と第2通信装置とが前記第2通信装置からの接続要求によって確立される通信網で接続されるシステムであって、
前記第2通信装置は、
前記中継装置に接続要求を行って通信網を確立した後、前記第1通信装置に対してTCP接続要求を送信する手段、
備え、
前記第1通信装置は、
前記第2通信装置からのTCP接続要求により前記第2通信装置との間でTCPコネクションを確立した後、返信モードを指定して送信ファイルを前記第2通信装置に送信する手段、
を備え、
前記第2通信装置は、返信モードとして第1のモードが指定されている場合には、送信ファイルの受信時に利用したTCPコネクションを維持したまま返信ファイルを送信し、第2のモードが指定されている場合には、前記中継装置との間の通信網を切断し、再び、前記中継装置との間の通信網を確立した後、新たなTCPコネクションを確立して返信ファイルを送信することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記第2通信装置は、前記中継装置との間の通信網を切断した後、返信ファイルの送信準備ができたところで再び通信網を確立することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記第2通信装置は、返信モードとして前記第1のモードが指定されている場合であっても、返信ファイルの返信処理に要する時間が所定の条件に該当すると判断した場合には、前記中継装置との間の通信網を切断し、再び、前記中継装置との間の通信網を確立した後、新たなTCPコネクションを確立して返信ファイルを送信することを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−329563(P2007−329563A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157332(P2006−157332)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】