説明

通信システム

【課題】第1のメール送受信装置の操作を行わなくても、親局から配信情報を、第1のメール送受信装置から第3のメール送受信装置へ送信することができる通信システムを提供する。
【解決手段】配信情報を送信する親局と、親局から配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を音声で報知する子局と、第1のメール送受信装置と、第2のメール送受信装置と、複数の第3のメール送受信装置とを備え、第1のメール送受信装置は、親局から配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を第1の電子メールとして第2のメール送受信装置へ送信し、第2のメール送受信装置の操作者からの入力に基づく返信メールを受信すると、該返信メールに基づき、親局から受信した配信情報の内容を第2の電子メールとして特定の第3のメール送受信装置へ送信し、特定の第3のメール送受信装置は、第2の電子メールに含まれる配信情報の内容を表示又は音声により報知するように通信システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送機能と電子メール配信機能を備えた通信システムに関し、例えば、市町村単位に設置され地域住民へ防災等に関する情報を伝える市町村防災無線同報系システム等の防災無線用通信システムにおいて、防災情報等の屋外拡声放送を行うとともに、該屋外拡声放送を行った防災情報等の内容を、電子メールで配信する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の通信システムにおける情報の伝達方法として、例えば、市町村防災デジタル無線通信システムが知られている。この市町村防災デジタル無線通信システムにおいては、親局から、屋外に設置され拡声装置を備えた子局(屋外拡声子局)に対し、緊急情報等を送信し、該緊急情報等を受信した屋外拡声子局は、拡声装置を用いて音声通報により、地域住民へ緊急情報等を一斉通報で伝達する。また、親局から、電子メールにより緊急情報等を地域住民の携帯電話等へ通報する。
【0003】
図6は、例えば60MHz帯固定系無線システムにおける系統を示す図である。図6において、操作卓110と無線送受信装置30から親局設備が構成され、屋外子局40から子局設備が構成される。屋外子局40は、図6では1つだが、複数存在することができる。親局設備は、通常、防災センター、市役所あるいは町村役場といった行政当局の建物内に設置されている。
【0004】
親局設備には、例えばJ−ALERT(全国瞬時警報システム)等の外部の情報源からの緊急地震速報などの緊急性を要する配信情報を受信し、該配信情報に基づく起動信号を操作卓110へ出力する自動起動装置16が接続されている。自動起動装置16は、外部の情報源からの緊急情報等に基づき、予め作成(蓄積)された音声信号を、操作卓110からの応答を受けた後、操作卓110へ出力する。
【0005】
操作卓110は、操作員がマイク13を用いて緊急情報等の配信情報を作成して手動放送を行い、また、自動起動装置16を介して、J−ALERT等の外部の情報源からの配信情報を受信し、該配信情報を無線送受信装置30を介して屋外子局40へ送信し、屋外子局40において自動放送等を行うものである。
【0006】
操作卓110は、図6に示すように、操作卓制御部111と操作卓記憶部112とを備えるように構成され、更に、音声入力を受け付けるマイク13と、文字等のテキスト(文章や文字列)入力を受け付ける文字入力部14と、文字入力部14から入力されたテキストに基づき音声信号を合成する音声合成装置15と、文字入力部14から入力されたテキスト等を電子メールで送信するメール送受信装置120とを備えるように構成される。
【0007】
操作卓制御部111は、マイク13からの音声入力を受け付け、音声信号を無線送受信装置30へ出力する。また、文字入力部14からのテキスト入力を受け付け、入力されたテキストに基づき、音声合成装置15により音声信号を合成し、該合成した音声信号を、無線送受信装置30に出力する。
また、操作卓制御部111は、J−ALERT等の外部の情報源からの配信情報を受信した自動起動装置16からの起動信号や音声信号を受け付けて、該外部からの配信情報が、予め設定された重要度以上の場合は、自動起動装置16で作成された音声信号を、無線送受信装置30に出力する。
また、操作卓制御部111は、文字入力部14から入力されたテキストを、担当職員の操作により、メール送受信装置120からインターネットを介して、事前に登録された住民や職員等の関係者の携帯電話9へ送信する。
また、操作卓制御部111は、任意の屋外子局40を1台選択、又は複数台選択、あるいは全局を指定して呼出せる選択機能を持ち、また、屋外子局40からの受信情報に基づき、屋外子局40の状態が拡声放送可能であるか否か等を監視する監視機能を持つ。
【0008】
無線送受信装置30は、送受信動作を行うものであり、無線装置制御部31と親局無線部32とを備える。親局無線部32は、操作卓110から入力された音声信号を変調して、空中線33を介して屋外子局40へ送信し、また、屋外子局40から空中線33を介して受信した受信信号を復調する。また、親局無線部32は、電波の送信又は受信の状態を表示する無線表示部(不図示)を備える。
無線装置制御部31は、屋外子局40へ送信する制御信号を作成し、屋外子局40から受信した制御信号を解析し、また、親局無線部32を含め、無線送受信装置30全体を制御する。
【0009】
屋外子局40は、子局制御部41と、子局無線部42と、空中線43と、音声増幅部45と、トランペットスピーカ46と、電源部44とを備える。
電源部44は、蓄電池を備え、屋外子局40の各構成部へ電力を供給する。
子局無線部42は、親局の無線送受信装置30から空中線43を介して受信した音声信号や制御信号を復調し、無線送受信装置30へ空中線43を介して送信する制御信号を変調し、無線送受信装置30との間で無線による送受信を行う。
子局制御部41は、親局から受信した音声信号を音声増幅部45へ出力し、親局から受信した制御信号を解析し、また、屋外子局40の各構成部及び全体の制御を行う。
音声増幅部45は、受信した音声信号をトランペットスピーカ46で拡声放送するための音量増幅を行い、トランペットスピーカ46は、音声増幅部45で増幅された音声信号の拡声放送を行うものである。
【0010】
親局から屋外子局40へ通報を行う際は、操作卓110のマイク13から入力された音声信号、又は自動起動装置16からの音声信号、あるいは文字入力部14から入力した文字を音声合成装置7にて合成音声化した音声信号を、無線送受信装置30の空中線33から電波として送出し、該電波を屋外子局40の空中線43で受信し、子局無線部42にて復調して、音声増幅部45にて増幅した音声をトランペットスピーカ46より拡声し、付近住民に放送内容を知らせる。
また、拡声通報した通報内容は、担当職員の操作により、メール送受信装置120から、事前に登録された宛先である住民や職員等の携帯電話9へ、電子メールにてテキスト配信を行う。メール送受信装置120は、例えば、メールを送受信できるメールサーバで構成される。
【0011】
下記の特許文献1には、監視対象設備の警報を電子メールで配信する際に、警報内容に対応するガイダンス文を添付する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002-324286公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述の従来方式では、屋外拡声する内容を関係者である住民や職員等へ電子メールで配信する事が可能であるが、担当職員によるメール送受信装置の操作が必須であった。そのため、地震情報や気象情報など即時性が問われる事象が発生した場合、屋外拡声音声は自動起動装置の指示により送信できるが、関係者へのテキストメール配信は、担当職員が不在のためメール送受信装置の操作ができない場合、配信が行えないという課題があった。
本発明は、上述したような従来の課題を解決するために為されたもので、担当職員が直接的にメール送受信装置の操作を行わなくても、担当職員からの電子メールによる指示に基づき、関係者へのテキストメール配信を行うことができる通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための、本願発明の代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
配信情報を送信する親局と、前記親局から前記配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を音声で報知する子局と、第1のメール送受信装置と、第2のメール送受信装置と、複数の第3のメール送受信装置とを備える通信システムであって、
前記第1のメール送受信装置は、前記親局から配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を第1の電子メールとして前記第2のメール送受信装置へ送信し、前記第2のメール送受信装置からの返信メールを受信すると、該返信メールに基づき、前記親局から受信した配信情報の内容を第2の電子メールとして、前記複数の第3のメール送受信装置のうち特定の第3のメール送受信装置へ送信し、
前記第2のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第1の電子メールを受信すると、当該第2のメール送受信装置の操作者からの入力に基づき作成した返信メールを、前記第1のメール送受信装置へ送信し、
前記特定の第3のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第2の電子メールを受信すると、該第2の電子メールに含まれる前記配信情報の内容を、表示又は音声により報知するものである通信システム。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、第1のメール送受信装置の操作を行わなくても、第2のメール送受信装置の操作者の指示に基づき、親局からの配信情報を、第1のメール送受信装置から第3のメール送受信装置へ送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態における通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における送信テキストテーブルの例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における配信先アドレステーブルの例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例におけるメール送信時の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例におけるメール送信時の動作を示すフローチャートである。
【図6】従来例における通信システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態の一例である通信システムについて、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態における通信システムの構成を示す図であり、例えば、市町村防災行政無線システムの構成例を示す図である。図1において、図6に示した従来例と同じ構成には同符号を付しており、既に説明したものについては適宜説明を省略する。
【0018】
本実施形態の通信システムの構成の概要を説明する。図1の通信システムにおいて、操作卓10と無線送受信装置30から親局が構成され、屋外子局40から子局が構成される。屋外子局40は、図1では1つだが、複数存在することができる。操作卓10には、外部の情報源からの配信情報を受信すると操作卓10を自動的に起動する自動起動装置16と、第1のメール送受信装置20とが接続されている。第1のメール送受信装置20は、インターネット等の通信網を介して、第2のメール送受信装置8や第3のメール送受信装置9と接続されている。
第1のメール送受信装置20は、例えばメールサーバで構成され、第2のメール送受信装置8や第3のメール送受信装置9は、例えば携帯電話などの端末装置で構成される。本実施形態では、第2のメール送受信装置8は、担当職員の携帯電話であり、第3のメール送受信装置9は、複数の住民等の携帯電話である。
【0019】
本実施形態の通信システムの動作概要を説明する。操作卓10は、自動起動装置16を介して、例えばJ−ALERT(全国瞬時警報システム)等の外部の情報源からの緊急地震速報などの緊急性を要する配信情報を受信し、該配信情報を無線送受信装置30を介して屋外子局40へ送信し、屋外子局40において上記配信情報の自動放送等を行う。ここまでは従来と同様であるが、本実施形態の通信システムの特徴として、上記配信情報の内容であるテキストを第1の電子メールとして、インターネット等の通信網を介して、第1のメール送受信装置20から、担当職員の携帯電話8(第2のメール送受信装置)へメール送信し、担当職員からの返信メールに基づき、上記配信情報の内容であるテキストを第2の電子メールとして、住民等の携帯電話9(第3のメール送受信装置)へメール送信するものである。
【0020】
本実施形態の通信システムの構成の詳細を説明する。
自動起動装置16は、外部の情報源からの配信情報を受信すると起動信号を後述する操作卓制御部11へ出力して操作卓制御部11を自動的に起動するとともに、上記外部の情報源からの配信情報を音声信号として操作卓制御部11へ送信する。
【0021】
操作卓10は、図1に示すように、操作卓制御部11と、操作卓記憶部12と、音声入力を受け付けるマイク13と、文字等のテキスト入力を受け付ける文字入力部14と、文字入力部14から入力されたテキストに基づき音声信号を合成する音声合成装置15とを備えるように構成される。操作卓記憶部12とマイク13と文字入力部14と音声合成装置15は、操作卓制御部11に接続されている。なお、自動起動装置16や第1のメール送受信装置20を、操作卓10あるいは親局として組み込み、一体構成とすることもできる。
【0022】
操作卓記憶部12には、電子メールにより送信するための送信テキストが、1つ又は複数格納された送信テキストテーブル2Aが記憶されている。図2に、送信テキストテーブル2Aの例を示す。図2は、本発明の実施形態における送信テキストテーブルの例を示す図である。図2の例では、送信テキストテーブル2Aには、各テキスト番号に対応するように、送信テキスト「AAA」、「BBB」、・・・と、第1の電子メールの送信先アドレスである第1の電子メールアドレス「a111」、「a112」・・・が格納されている。
第1の電子メールアドレスは、操作卓10が外部の情報源からの配信情報を受信したときに、該外部からの配信情報に基づき、操作卓記憶部12の送信テキストテーブル2Aに予め記憶された送信テキストを、第1の電子メールとして送信する際の送信先であり、第2のメール送受信装置である担当職員の携帯電話8のメールアドレスである。図2の例では、第1の電子メールアドレスが「a111」、「a112」の2つ存在する、つまり担当職員が2人存在する。
【0023】
図2の送信テキストテーブル2Aにおいて、例えば、テキスト番号「1」に対応して、送信テキスト「AAA」と、第1の電子メールアドレス「a111」が格納されている。送信テキストの内容は、例えば防災情報であり、具体的には、送信テキスト「AAA」は「○○で地震発生、至急避難してください。」の地震情報であり、送信テキスト「BBB」は「○○で火災発生しました。」の火災情報である。
これらの情報は、操作入力部としての文字入力部14から入力、更新することができる。
【0024】
操作卓制御部11は、マイク13からの音声入力を受け付け、音声信号を無線送受信装置30へ出力する。また、文字入力部14からのテキスト入力を受け付け、入力されたテキストに基づき、音声合成装置15により音声信号を合成し、該合成した音声信号を、無線送受信装置30に出力する。
また、操作卓制御部11は、外部の情報源からの配信情報を受信した自動起動装置16からの起動信号や音声信号を受け付けて、該自動起動装置16からの音声信号を、無線送受信装置30に出力する。
無線送受信装置30は、操作卓制御部11からの音声信号を屋外子局40へ送信する。
【0025】
また、操作卓制御部11は、文字入力部14から入力されたテキストを、第1のメール送受信装置20へ出力する。
また、操作卓制御部11は、外部の情報源からの配信情報を受信した自動起動装置16からの起動信号や配信情報を受け付けて、該外部からの配信情報に基づき、操作卓記憶部12の送信テキストテーブル2Aに予め記憶された複数の送信テキストから適切な内容の送信テキスト選択し、該選択された送信テキストに対応するテキスト番号および第1の電子メールアドレスとともに、第1のメール送受信装置20へ送信する。
第1のメール送受信装置20は、操作卓制御部11から受信したテキスト等を、インターネットを介して外部へ電子メールで送信する。
【0026】
また、操作卓制御部11は、任意の屋外子局40を1台選択、又は複数台選択、あるいは全局を指定して呼出せる選択機能を持ち、また、屋外子局40からの受信情報に基づき、屋外子局40の状態が拡声放送可能であるか否か等を監視する監視機能を持つ。
操作卓制御部11は、ハードウエア構成としては、CPU(Central Processing Unit)と操作卓制御部11の動作プログラム等を格納するメモリを備えており、CPUは、この動作プログラムに従って動作する。
無線送受信装置30は、無線装置制御部31と親局無線部32とを備えており、操作卓制御部11と無線装置制御部31を総称して、親局制御部と呼ぶ。
【0027】
第1のメール送受信装置20は、文字入力部14から入力されたテキストや、操作卓記憶部12に予め記憶された送信テキストを、インターネットを介して外部へ電子メールで送信し、また、インターネットを介して外部から電子メールを受信する。
第1のメール送受信装置20は、図1に示すように、制御部21と記憶部22とを備える。
記憶部22には、パスワードと、第2の電子メールアドレスとが記憶されている。これらの情報は、操作入力部としての文字入力部14や、あるいは、第1のメール送受信装置20の操作入力部(不図示)から入力、更新することができる。
【0028】
第2の電子メールアドレスは、第1の電子メールを第1のメール送受信装置20から担当職員の携帯電話8(第2のメール送受信装置)へ送信した後、該担当職員の携帯電話8からの返信メールを第1のメール送受信装置20が受信し、上記返信メールに基づき、第1の電子メールで送信した送信テキスト、又は担当職員の携帯電話8から指定された送信テキストを、第1のメール送受信装置20が第2の電子メールとして送信する際の送信先であり、住民等の携帯電話9(第3のメール送受信装置)のメールアドレスである。
【0029】
第2の電子メールアドレスは、図3に示すように、配信先アドレステーブル3Aとして記憶されている。図3は、本発明の実施形態における配信先アドレステーブルの例を示す図である。図3の例では、配信先アドレステーブル3Aには、複数の配信先番号のそれぞれに対応して複数の配信先アドレスが格納されている。例えば、配信先番号「1」に対応して、配信先アドレス「aaaa」と配信先アドレス「bbbb」の2つのメールアドレスが格納されている。配信先アドレス「aaaa」や配信先アドレス「bbbb」は、事前に登録された関係職員や住民等の携帯電話9のアドレスである。
これにより、担当職員の携帯電話8からの返信メールにおいて、配信先番号を指定することで、通報内容に応じた配信先を選択することができるようになっている。
【0030】
パスワードは、第1の電子メールに対する担当職員の携帯電話8からの返信メールが、正当なものか否かを判断するためのものである。担当職員の携帯電話8からの返信メールにおいて、予め定められた所定のパスワードが、例えば、担当職員によりメール本文内に入力され設定される。返信メールのパスワードは、第1のメール送受信装置20の記憶部22に予め格納されたパスワードと照合され、両者が一致すると、返信メールが正当なものと判断される。
【0031】
第1のメール送受信装置20の制御部21は、操作卓制御部11から受信したテキストを、第1の電子メールアドレスを有する担当職員の携帯電話8に対して、第1の電子メールの本文として送信する。
また、制御部21は、第1の電子メールに対する担当職員の携帯電話8からの返信メールを受信すると、上述したパスワードの照合を行い、返信メール中のパスワードが正しかった場合に、配信先アドレステーブル3Aに記憶されている第2の電子メールアドレスを送信先として、第1の電子メールで送信した送信テキスト、あるいは、送信テキストテーブル2Aに予め記憶された送信テキストのうち担当職員の携帯電話8により指定された送信テキストを、第2の電子メールの本文として送信する。
【0032】
詳しくは、例えば、担当職員の携帯電話8からの返信メールには、第2の電子メールを送信することの可否と、第2の電子メールの送信先つまり図3に示す配信先番号と、パスワードが入力され指定されている。第1のメール送受信装置20の制御部21は、返信メール中のパスワードが正しく、かつ、第2の電子メールを送信することが可とされている場合に、返信メール中の配信先番号に基づいて、配信先アドレステーブル3Aに記憶されている第2の電子メールアドレスを送信先とし、第1の電子メールで送信した送信テキスト、あるいは、送信テキストテーブル2Aに予め記憶された送信テキストのうち担当職員の携帯電話8により指定された送信テキストを、第2の電子メールとして送信する。
なお、担当職員の携帯電話8からの返信メールに、第2の電子メールを送信することの可否情報を設定することを省略するシステムとすることも可能である。この場合は、返信メールを受信すると、必ず第2の電子メールを送信することになる。
【0033】
制御部21は、ハードウエア構成としては、CPU(Central Processing Unit)と制御部21の動作プログラム等を格納するメモリを備えており、CPUは、この動作プログラムに従って動作する。
【0034】
(第1実施例)
次に、図1に示す通信システムにおける第1実施例の動作について、図4と図5を用いて説明する。図4と図5は、本発明の第1実施例におけるメール送信時の動作を示すフローチャートである。第1実施例においては、第1のメール送受信装置20はメールサーバであり、第2のメール送受信装置8は担当職員の携帯電話であり、第3のメール送受信装置9は住民の携帯電話である。
図4において、まず、自動起動装置16から、屋外子局40で屋外拡声する緊急情報と同じ内容の緊急情報が、操作卓制御部11へ配信される(ステップS11)。操作卓制御部11では、自動起動装置16からの緊急情報の重要度を判定する(ステップS12)。緊急情報の重要度が、住民等の携帯電話9へ配信すべきレベルより低い場合は処理を終了し、配信すべきレベル以上の場合は、自動起動装置16からの緊急情報の内容に応じて、第1の電子メールのテキスト内容と宛先(担当職員の宛先)を指定して(ステップS13及びS14)、メール配信要求をメールサーバ20へ出力する(ステップS15)。例えば、図2のテキスト番号「1」を指定し、テキスト内容として「AAA」、担当職員の宛先として「a111」を指定する。
このように、操作卓制御部11は、自動起動装置16からの外部情報を解析し、該外部情報に基づき、送信テキストテーブル2Aの中からテキスト番号「1」のテキスト「AAA」と宛先「a111」を選択し、テキスト番号「1」とテキスト「AAA」と宛先「a111」とをメールサーバ20へ送信する。
【0035】
ここで、第1実施例においては、送信テキストテーブル2Aのテキスト番号と、配信先アドレステーブル3Aの配信先番号が対応するようにしている。つまり、送信テキストテーブル2Aのテキスト番号「1」のテキストの、第2の電子メールにおける配信先(住民等の携帯電話9に対する配信先)は、配信先アドレステーブル3Aの配信先番号「1」の第2の電子メールの配信先メールアドレスである。同様に、テキスト番号「2」のテキストの配信先は、配信先番号「2」の第2の電子メールの配信先メールアドレスである。
したがって、メールサーバ20では、操作卓制御部11から受信したテキスト「AAA」と、該テキスト「AAA」に対応する住民等の携帯電話9のメールアドレス「aaaa」と「bbbb」を、第1の電子メールの本文として設定し(ステップS21)、メールアドレス「a111」である担当職員の携帯電話8へ送信する(ステップS22)。つまり、操作卓制御部11から受信した配信情報の内容と、該配信情報の内容に対応する第2の電子メールの配信先を、第1の電子メールとして第2のメール送受信装置へ送信する。
【0036】
第1の電子メールを受信した携帯電話8の担当職員は、受信した内容を判断し、そのメール内容であるテキスト「AAA」を、第2の電子メールとして住民等の携帯電話9へ送付する必要があるか否かの判断を行う(ステップS31)。第2の電子メール(テキスト「AAA」)を住民等へ送付する必要がない場合は、メールサーバ20へ返信することなく処理を終了する(ステップS39)。第2の電子メール(テキスト「AAA」)を送付する必要がある場合は、第2の電子メールの配信先(メールアドレス「aaaa」と「bbbb」)を変更する必要があるか否かを判定する(ステップS32)。
【0037】
第2の電子メールの配信先を変更要の場合は、携帯電話8の担当職員は、第2の電子メールの配信先として、配信先アドレステーブル3Aの配信先番号、例えば「2」を携帯電話8へ入力し(ステップS33)、次のステップS34へ移り、第2の電子メールの配信先を変更不要の場合は、そのまま次のステップS34へ移る。
このとき、配信先アドレステーブル3Aと同じ内容のテーブルを携帯電話8の記憶部に予め記憶させておき、第2の電子メールの配信先を携帯電話8へ入力する際に、携帯電話8の表示部に表示させるようにすることが好ましい。配信先アドレステーブル3Aと同じ内容のテーブルを携帯電話8の記憶部に記憶させていない場合は、携帯電話8の担当職員は、例えば、配信先アドレステーブル3Aの内容の印刷物を参照するようにすればよい。
【0038】
次のステップS34において、携帯電話8の担当職員は、パスワードを携帯電話8へ入力し(ステップS34)、第2の電子メールを送付する必要がある旨のフラグ情報(例えば送付フラグON)を携帯電話8へ入力し(ステップS35)、メールサーバ20へ返信メールを送信する(ステップS36)。
このとき、携帯電話8へ入力するパスワードやフラグ情報は、例えば、メール本文の先頭か末尾、あるいは、メール件名欄に入力するように取り決めておくことが好ましい。このようにすると、メールサーバ20においてパスワードやフラグ情報を読み出すことが容易となる。
【0039】
図5に示すように、メールサーバ20では、携帯電話8からの返信メールを所定の時間内に受信したか否かを判定し(ステップS23)、所定の時間内に受信できなかった場合は、操作卓制御部11から受信した緊急情報の内容を破棄し処理を終了する(ステップS28)。
携帯電話8からの返信メールを所定の時間内に受信した場合は、制御部21で返信メールの内容を解析する。解析の結果、第2の電子メールを住民等の携帯電話9へ送付する必要がある(送付フラグON)場合で、かつ、パスワードが正しかった場合は、携帯電話8からの返信メールにより指定された配信先、例えば、住民等の携帯電話9のアドレス「aaaa」、アドレス「bbbb」を第2の電子メールの配信先として設定するとともに、第1の電子メールで送信したテキスト「AAA」を第2の電子メールの送信内容として設定する(ステップS24)。
【0040】
次に、メールサーバ20では、ステップS21において操作卓制御部11から受信したテキスト「AAA」を、住民等の携帯電話9へ送信するのが1回目であるか否かを判定し(ステップS25)、2回目以降である場合は、既にテキスト「AAA」を配信済みなので、テキスト「AAA」を送信することなく処理を終了する(ステップS29)。1回目である場合は、テキスト「AAA」を、担当職員の携帯電話8へ送信する(ステップS26)とともに住民等の携帯電話9へ送信し(ステップS27)、処理を終了する。担当職員の携帯電話8では、メールサーバ20から受信したテキスト「AAA」を確認し(ステップS37)、処理を終了する。また、住民等の携帯電話9では、メールサーバ20から受信したテキスト「AAA」を確認し(ステップS38)、処理を終了する。
【0041】
テキスト「AAA」を担当職員の携帯電話8へ送信することは必須ではないが、上述のように、テキスト「AAA」を、住民等の携帯電話9へ送信するだけでなく、担当職員の携帯電話8へも送信することが好ましい。このようにすると、テキスト「AAA」が住民等の携帯電話9へ送信されたことを、担当職員が容易に確認することができる。また、担当職員が複数存在する場合に、該複数の担当職員のうちいずれかの担当職員が第1の電子メールに対する返信メールを送信したことを、他の担当職員が容易に知ることができ、同じ内容の返信メールを無駄に送信することを防止できる。
また、上述したように、メールサーバ20では、操作卓制御部11から受信したテキスト「AAA」を住民等の携帯電話9へ送信するのが、1回目であるか否かを判定しているので、担当職員が複数存在する場合に、該複数の担当職員から複数の返信メールを受信したとしても、同じ内容のテキスト「AAA」を住民等の携帯電話9へ重複して送信することが防止でき、無用の混乱を防止できる。
かくして、メールサーバ20では、操作卓制御部11から受信した配信情報の内容を、第2の電子メールとして住民等の携帯電話9へ送信する。
【0042】
第1実施例によれば、屋外拡声放送する内容を関係者へメール配信する場合、市役所等に設置されているメールサーバ20を直接操作しなくても、放送内容をメール配信することができる。すなわち、担当職員は市役所等に登庁することなく、遠隔地から携帯電話を操作することにより、放送内容をメール配信することができる。その結果、震度情報や気象情報など即時性が問われる内容の事象が発生した場合において、担当職員が携帯電話を操作することにより、放送内容を聞き逃していた関係職員や住民等への通報が行え、被害軽減に役立てることができる。
また、第1の電子メールを受信した携帯電話8の担当職員が、第2の電子メールの配信先を指定することができるので、状況や日時に応じて、第2の電子メールの配信先を変更することができ、システム使用上の利便性を向上することができる。
【0043】
なお、上述の第1実施例においては、送信テキストテーブル2Aを操作卓記憶部12に設けたが、操作卓記憶部12に設けるのではなく、送信テキストテーブル2Aを第1の電子メールサーバ20の記憶部22に設けるようにしてもよい。
この場合、例えば、操作卓制御部11は、自動起動装置16からの緊急情報を解析し、適切な送信テキストテーブル2Aのテキスト番号を選択して、メールサーバ20へ送信し、メールサーバ20は、操作卓制御部11から受信したテキスト番号に対応するテキストと第1の電子メールの送信先を、記憶部22の送信テキストテーブル2Aから抽出し、該抽出したテキストと配信先アドレステーブル3Aから抽出した第2の電子メールの配信先を、上記抽出した第1の電子メールの送信先である担当職員の携帯電話8へ送信するようにする。
あるいは、操作卓制御部11は、自動起動装置16からの緊急情報を解析し、地震、津波、火災等の通報種別と災害レベルとを示す番号等のデータをメールサーバ20へ送信し、メールサーバ20は、操作卓制御部11から受信した通報種別と災害レベルとを示す番号等のデータに対応するテキストと第1の電子メールの送信先を、記憶部22の送信テキストテーブル2Aから抽出し、該抽出したテキストと配信先アドレステーブル3Aから抽出した第2の電子メールの配信先を、上記抽出した第1の電子メールの送信先である担当職員の携帯電話8へ送信するようにする。
【0044】
また、上述の第1実施例においては、操作卓記憶部12の送信テキストテーブル2Aに、テキスト番号に対応する第1の電子メールの送信先アドレスを設け、第1の電子メールの送信先を、操作卓制御部11からメールサーバ20へ通知した。しかし、第1の電子メールの送信先である携帯電話8の担当職員は、通常は1人又は少人数に限定されるので、第1の電子メールの送信先アドレスを、送信テキストテーブル2Aのテキスト番号に関係なく固定して設けるようにしてもよく、さらに、該固定した第1の電子メールの送信先アドレスを、操作卓記憶部12に設けるのではなく、メールサーバ20の記憶部22に設けるようにしてもよい。
【0045】
また、上述の第1実施例においては、第1の電子メール中に、緊急情報のテキスト(「AAA」)と第2の電子メールの配信先(住民等の携帯電話9のアドレス「aaaa」、アドレス「bbbb」)を設定したが、携帯電話8の担当職員が、緊急情報のテキストに対応した第2の電子メールの配信先を別の方法(例えば印刷物)により認識できる場合や、第2の電子メールの配信先が固定されている場合は、第1の電子メール中への第2の電子メールの配信先の設定を省略することもできる。
【0046】
(第2実施例)
次に、第2実施例を説明する。上述の第1実施例においては、メールサーバ20から携帯電話8の担当職員へ送信される第1の電子メールのテキストと、メールサーバ20から住民等の携帯電話9へ送信される第2の電子メールのテキストが同じ「テキストAAA」であったが、第2実施例では、第1の電子メール(テキストAAA)を受信した携帯電話8の担当職員が、第2の電子メールとして送信されるテキストを、送信テキストテーブル2Aの中から任意のテキストを選択して、メールサーバ20へ返信メールを送信することにより、メールサーバ20が、上記携帯電話8の担当職員が選択したテキストを、第2の電子メールのテキストとして、住民等の携帯電話9へ送信するものである。
第2実施例においては、送信テキストテーブル2Aは、メールサーバ20の記憶部22にも記憶され、好ましくは、携帯電話8にも記憶される。したがって、記憶部22には、送信テキストテーブル2A内にある第1の電子メールアドレスも記憶されている。他の点は、第1実施例と同様である。
【0047】
第2実施例においては、例えば、第1の電子メール(テキストAAA)を受信した携帯電話8の担当職員が、携帯電話8に表示した送信テキストテーブル2Aの中からテキスト番号「3」のテキスト「CCC」を選択し、携帯電話8へテキスト番号の「3」を入力して、メールサーバ20へ返信メールを送信する。返信メールを受信したメールサーバ20では、返信メールの内容を解析し、第2の電子メールの配信先(配信先アドレステーブル3Aの配信先番号)や、第2の電子メールの送信テキストとすべきテキスト番号の「3」などを読み取る。
【0048】
例えば、返信メール中に記載された配信先番号が「1」の場合は、第2の電子メールの配信先は、配信先アドレス「aaaa」と配信先アドレス「bbbb」の2つのメールアドレスであり、返信メール中に記載されたテキスト番号が「3」の場合は、第2の電子メールのテキスト内容は、「CCC」となる。したがって、この場合は、第2の電子メールは、テキスト内容「CCC」で、メールアドレスが「aaaa」の携帯電話9と「bbbb」の携帯電話9の2つの携帯電話9へ送信されることになる。
【0049】
第2実施例によれば、第1実施例と同様に、担当職員がメールサーバ20を直接操作しなくても、子局での放送内容を、携帯電話等へメール配信することができる。さらに、第2実施例によれば、第1の電子メール(テキストAAA)を受信した携帯電話8の担当職員が、メールサーバ20から第2の電子メールとして配信されるテキストを選択でき、また、第2の電子メールの配信先を選択できるので、状況に応じて、第2の電子メールのテキスト内容と配信先を適切なものに設定することができる。
なお、第2実施例においては、第2の電子メールのテキストとして、第1の電子メールで送信したテキスト「AAA」の代わりに、例えばテキスト「CCC」を指定するようにしたが、テキスト「CCC」を追加指定する、すなわち第1の電子メールで送信したテキスト「AAA」とともにテキスト「CCC」を第2の電子メールのテキストとするようにしてもよい。
【0050】
(第3実施例)
次に、第3実施例を説明する。上述の第1実施例においては、第1の電子メール(テキスト「AAA」)を受信した携帯電話8の担当職員が、第2の電子メールを送付する必要があるか否か(送付フラグON又はOFF)や、第2の電子メールの配信先を変更する必要があるか否か等を判断したが、第3実施例では、第1の電子メール(テキスト「AAA」)を受信した携帯電話8の担当職員が、第2の電子メールを送付する必要があるか否か(送付フラグON又はOFF)のみを判断し、送付フラグON又はOFFを含む返信メールをメールサーバ20へ送信することにより、メールサーバ20が、返信メール中の送付フラグONの場合のみ、第2の電子メールとして、配信先アドレス「aaaa」と配信先アドレス「bbbb」の携帯電話9へ、第1の電子メールで送信したテキスト「AAA」を送信するものである。したがって、第3実施例では、第2の電子メールの配信先の指定や、パスワードの入力は行わない。他の点は、第1実施例と同様である。
【0051】
すなわち、メールサーバ20は、第1の電子メールでテキスト番号「1」のテキスト「AAA」と、テキスト番号「1」に対応する配信先番号「1」の配信先アドレス「aaaa」と配信先アドレス「bbbb」を、携帯電話8へ送信した後、携帯電話8から送付フラグONの返信メールを受信すると、第2の電子メールとして、テキスト「AAA」を、メールアドレスが「aaaa」の携帯電話9と「bbbb」の携帯電話9へ送信する。
【0052】
第3実施例によれば、メールサーバ20から第1の電子メール(テキスト「AAA」)を受信した携帯電話8の担当職員は、住民等の携帯電話9へ第2の電子メールを送付する必要があるか否かのみを判断し携帯電話8へ入力すればよいので、操作が簡易となり、担当職員の手間を省くことができ、住民等の携帯電話9への通報に要する時間を短縮できる。
【0053】
なお、第3実施例においては、携帯電話8の担当職員が、送付フラグON又はOFFを含む返信メールをメールサーバ20へ送信するようにしたが、送付フラグON又はOFFを含まない、メール本文なしの単なる返信メールをメールサーバ20へ送信するようにしてもよい。この場合は、メールサーバ20は、所定時間内に返信メールを受信すると、第2の電子メールとして、テキスト「AAA」を、メールアドレスが「aaaa」の携帯電話9と「bbbb」の携帯電話9へ配信する。所定時間内に返信メールを受信しないときは、第2の電子メールを配信せずに処理を終了する。
このように、携帯電話8の担当職員が、メール本文なしの単なる返信メールをメールサーバ20へ送信することにより、メールサーバ20が第2の電子メールを配信するようにすると、さらに担当職員の手間を省くことができ、住民等の携帯電話9への通報に要する時間をさらに短縮できる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、親局と子局とを無線により接続したが、有線により接続することもできる。
また、上述の実施形態では、パスワードを用いたが、適宜、パスワードを省略するシステムとすることも可能である。
また、上述の実施形態では、第1のメール送受信装置20を親局とは別に設けたが、親局と一体になるように設けてもよい。
また、上述の実施形態では、第2のメール送受信装置を担当職員の携帯電話とし、第3のメール送受信装置を住民等の携帯電話としたが、これに限られるものではなく、いずれも電子メールを送受信できる装置であればよい。
また、上述の第1実施例や第2実施例において、第3実施例と同様に、第2の電子メールの配信先を、携帯電話8の担当職員が変更することを不可とし、第1の電子メールで送信するテキスト内容に対応して自動的に決定されるメールアドレスとすることもできる。また、第1実施例ないし第3実施例において、第2の電子メールの配信先を、常に一定の固定メールアドレス、例えば関係者である職員や住民の全てのメール送受信装置とすることもできる。
【0055】
また、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。
【0056】
本明細書には、少なくとも次の発明が含まれる。すなわち、第1の発明は、
配信情報を送信する親局と、前記親局から前記配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を音声で報知する子局と、第1のメール送受信装置と、第2のメール送受信装置と、複数の第3のメール送受信装置とを備える通信システムであって、
前記第1のメール送受信装置は、前記親局から配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を第1の電子メールとして前記第2のメール送受信装置へ送信し、前記第2のメール送受信装置からの返信メールを受信すると、該返信メールに基づき、前記親局から受信した配信情報の内容を第2の電子メールとして、前記複数の第3のメール送受信装置のうち特定の第3のメール送受信装置へ送信し、
前記第2のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第1の電子メールを受信すると、当該第2のメール送受信装置の操作者からの入力に基づき作成した返信メールを、前記第1のメール送受信装置へ送信し、
前記特定の第3のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第2の電子メールを受信すると、該第2の電子メールに含まれる前記配信情報の内容を、表示又は音声により報知するものである通信システム。
このようにすると、第1のメール送受信装置の操作を行わなくても、第2のメール送受信装置の操作者の指示に基づき、親局からの配信情報を、第1のメール送受信装置から第3のメール送受信装置へ送信することができる。
【0057】
第2の発明は、上記第1の発明の通信システムであって、
前記第2のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第1の電子メールを受信すると、前記複数の第3のメール送受信装置のうち特定の第3のメール送受信装置を前記第2の電子メールの送信先に指定した返信メールを、前記第1のメール送受信装置へ送信し、
前記第1のメール送受信装置は、前記第2のメール送受信装置からの返信メールを受信すると、該返信メールで指定された前記第2の電子メールの送信先に従って、前記特定の第3のメール送受信装置を前記第2の電子メールの送信先に設定し、前記親局から受信した配信情報の内容を、第2の電子メールとして前記特定の第3のメール送受信装置へ送信するものである通信システム。
このようにすると、第2のメール送受信装置の操作者が、第2の電子メールの送信先として、特定の第3のメール送受信装置を指定することができる。
【0058】
第3の発明は、上記第1の発明又は第2の発明の通信システムであって、
前記第2のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第1の電子メールを受信すると、前記第2の電子メールの配信情報の内容を指定した返信メールを、前記第1のメール送受信装置へ送信し、
前記第1のメール送受信装置は、前記第2のメール送受信装置からの返信メールを受信すると、該返信メールで指定された配信情報の内容を、第2の電子メールとして前記特定の第3のメール送受信装置へ送信するものである通信システム。
このようにすると、第2のメール送受信装置の操作者が、第2の電子メールで送信する配信情報の内容を指定することができる。
【0059】
第4の発明は、上記第1の発明ないし第3の発明の通信システムであって、
前記第2のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第1の電子メールを受信すると、パスワードを入力した返信メールを前記第1のメール送受信装置へ送信し、
前記第1のメール送受信装置は、前記第2のメール送受信装置からの返信メールを受信すると、該返信メール中のパスワードが正しい場合に、前記親局から受信した配信情報の内容を、第2の電子メールとして前記特定の第3のメール送受信装置へ送信するものである通信システム。
このようにすると、第2のメール送受信装置からの返信メールが正当なものであることを確認することができる。
【0060】
第5の発明は、上記第1の発明ないし第4の発明の通信システムであって、
前記第2のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第1の電子メールを受信すると、前記第2の電子メールを前記第3のメール送受信装置へ送信する必要があるか否かを示す送付フラグが入力された返信メールを、前記第1のメール送受信装置へ送信し、
前記第1のメール送受信装置は、前記第2のメール送受信装置からの返信メールを受信すると、該返信メール中の前記送付フラグが送信要を示す場合に、前記親局から受信した配信情報の内容を、第2の電子メールとして前記特定の第3のメール送受信装置へ送信するものである通信システム。
このようにすると、親局からの配信情報を第3のメール送受信装置へ送信する必要があるか否かを、第2のメール送受信装置で指定することができる。
【0061】
第6の発明は、上記第1の発明ないし第5の発明の通信システムであって、
前記第2のメール送受信装置において、前記返信メールに入力されるパスワードは、メール本文の先頭又は末尾、あるいはメール件名欄に入力されるものである通信システム。
このようにすると、第1のメール送受信装置において、返信メールのパスワードを確認することが容易となる。
【0062】
第7の発明は、上記第1の発明の通信システムであって、
前記第2のメール送受信装置において、当該第2のメール送受信装置の操作者からの入力に基づき作成した返信メールは、データが入力されていないメールである通信システム。
このようにすると、第2のメール送受信装置の操作者の指示を簡単にすることができる。
【0063】
第8の発明は、上記第1の発明ないし第7の発明の通信システムであって、
前記通信システムは、市町村防災デジタル無線通信システムであり、前記親局と前記子局の間は無線通信で接続されるものであり、前記第2のメール送受信装置と前記第3のメール送受信装置は携帯電話装置である通信システム。
このようにすると、市町村防災デジタル無線通信システムにおいて、第2のメール送受信装置と第3のメール送受信装置を、携帯電話装置により容易に構成することができる。
【符号の説明】
【0064】
2A…送信テキストテーブル、3A…配信先アドレステーブル、8…担当職員の携帯電話(第2のメール送受信装置)、9…住民等の携帯電話(第3のメール送受信装置)、10…操作卓、11…操作卓制御部、12…操作卓記憶部、13…マイク、14…文字入力部、15…音声合成装置、16…自動起動装置、20…第1のメール送受信装置、21…制御部、22…記憶部、30…無線送受信装置、31…無線装置制御部、32…親局無線部、33…空中線、40…屋外子局、41…子局制御部、42…子局無線部、43…空中線、44…電源部、45…音声増幅部、46…トランペットスピーカ、120…メール送受信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信情報を送信する親局と、前記親局から前記配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を音声で報知する子局と、第1のメール送受信装置と、第2のメール送受信装置と、複数の第3のメール送受信装置とを備える通信システムであって、
前記第1のメール送受信装置は、前記親局から配信情報を受信し、該受信した配信情報の内容を第1の電子メールとして前記第2のメール送受信装置へ送信し、前記第2のメール送受信装置からの返信メールを受信すると、該返信メールに基づき、前記親局から受信した配信情報の内容を第2の電子メールとして、前記複数の第3のメール送受信装置のうち特定の第3のメール送受信装置へ送信し、
前記第2のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第1の電子メールを受信すると、当該第2のメール送受信装置の操作者からの入力に基づき作成した返信メールを、前記第1のメール送受信装置へ送信し、
前記特定の第3のメール送受信装置は、前記第1のメール送受信装置から前記第2の電子メールを受信すると、該第2の電子メールに含まれる前記配信情報の内容を、表示又は音声により報知するものである通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−173797(P2012−173797A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32323(P2011−32323)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】