説明

通信デバイスの音声ダイヤル機能に対し同時並行的データ接続を自動確立するシステムならびに方法

【課題】音声通話の開始時に、通信デバイスと遠隔データサーバとの間の同時並行的データ接続を自動的に確立するシステムならびに方法を提供する。
【解決手段】データ接続アプリケーションは、音声通話の開始時に通信デバイスと遠隔データサーバとを同時並行的に接続すべく、通信デバイスに関連して構成することができる。ディレクトリサーバを使用し、このディレクトリサーバが記憶するデータ賦活交信番号一覧を用い、通信デバイスに関する送出交信番号を照合することができる。一致が見いだされると、通信デバイスに対し位置特定データを送信することができる。データ接続アプリケーションは、遠隔データサーバに関連する広範囲の潜在的なビジネスアプリケーションを通信デバイスに視覚的に送信すべく、遠隔データサーバとさらに通信させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、無線通信デバイスおよび無線通信技術に概ね関する。実施形態は、追加的には無線通信ネットワークを介する無線通信デバイスと遠隔サーバとの間のデータコンジットの確立に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信デバイスとネットワークが急増することで、多くの企業や他の事業組織が顧客とのデータ通信用に固有のクロスプラットフォーム・アプリケーションを生み出してきた。例えばスマートフォン等の無線通信デバイスは、高帯域外部データ接続を伴う先進的アプリケーションを提供することができる。この種の通信デバイスは通常、ネットワーク内で情報資源を検索し提示し横断(例えば、周知のインターネットへアクセス)するウェブ閲覧ソフトを含んでいる。この種の無線通信デバイスを用い、事業組織の顧客対面型ウェブサイトにアクセスしてデータをダウンロードし事業組織との簡素化された相互作用を可能にすることができる。クロスプラットフォーム・アプリケーションの存在に関する通知は、無線通信デバイスを介して事業組織ウェブサイトに対し接続を確立することでユーザに送信することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大半の先行技術の手法は、ウェブサイトを用いて顧客が通常遂行する幾種類かの相互作用を簡素化する無料のモバイルアプリケーションを提供するものである。この種の手法は、より大きな顧客対面ウェブの存在を有する事業組織に限定される。加えて、顧客が無線通信デバイスのウェブ閲覧ソフトを用いてウェブサイトを訪れない場合、この種アプリケーションの存在を顧客に通知する明示的方法は皆無である。さらに、この種の先行技術の手法は顧客が顧客管理センター(例えば、コールセンター)に電話をかける前にクロスプラットフォーム・アプリケーションの存在を宣伝するメカニズムを提供することはない。
【0004】
従来、コールセンターを運用する企業組織は、余計な待ち時間を節約し、コールセンターを運用する事業組織にかかるサービスコストを減らすべく、目的部門に顧客を経路誘導するために顧客が連絡網をナビゲートするよう強要する。この種の連絡網は瞬く間に繁雑なものとなり、その会社が顧客に関する大量の数の固有の通信先を所有する場合、顧客の体験を著しく損なうことがある。また、大半のコールセンターが、顧客管理センターのサービス担当者に到達する前に例えば口座番号や社会保障番号の最後の4桁等の識別データを顧客が提供するよう要求する。顧客に関するこの種の個人データのサービス担当者からの遮蔽は、顧客管理センターにとって執拗な難題となることがある。加えて、サービス担当者はクロスプラットフォーム・アプリケーションにアクセスするため顧客に対し音声に基づく指示を与えることしかできない。この種の先行技術の手法は、企業環境内での無線通信デバイスについてデータ接続の確立専用とはならず、もどかしく、計算集約的で、時間を浪費し、包括的となることがある。
【0005】
前記に基づき、本願明細書において下記により詳しく説明するように、音声通話の開始時に無線通信デバイスと遠隔データサーバとの間での同時並行的データ接続を自動的に確立する改善されたシステムならびに方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
音声通話の開始時に無線通信デバイスと遠隔データサーバとの間の同時並行的データ接続を自動的に確立するシステムならびに方法を、本願明細書に開示する。無線通信デバイスと企業組織の遠隔データサーバ(例えば、特定企業向けサーバ)とを同時並行的に接続すべく、無線通信デバイス(例えば、スマートフォン)に関連してデータ接続アプリケーションを構成することができる。
【0007】
ディレクトリサーバを用い、無線通信デバイスについての送出交信番号をディレクトリサーバが記憶するデータ賦活交信番号一覧と照合することができる。一致が見いだされると、遠隔データサーバに関する関連メタデータと共に位置特定データ(例えば、IPアドレスおよび/またはURL)を通信デバイスに送信することができる。データ接続アプリケーションは、遠隔データサーバに関連する可能性のある広範囲のビジネスアプリケーションを無線通信デバイスに視覚的に送信すべく、遠隔データサーバとさらに通信させることができる。
【0008】
別の選択肢として、データ接続アプリケーションは同時並行的な送出呼を開始させることができる。データ接続アプリケーションは、ユーザの相互作用および/または遠隔データサーバからのデータに基づき、送出呼の交信番号を特定する。遠隔データサーバは、呼が開始され、適切な措置を開始できることを通知される。
【0009】
遠隔データサーバに関するビジネスアプリケーションは、音声通話の開始時に無線通信デバイスのユーザインタフェースに表示することができる。無線通信デバイスの交信番号は、構内交換機へ送信することができる。無線通信デバイスと遠隔データサーバとの間のデータコンジットに関する音声警告を顧客に提供すべく、無線通信デバイスに対する特定の音声接続を発呼者識別を介して位置特定することができる。通信デバイス内のグラフィカル・ナビゲーションメニューは、遠隔データサーバに対する選択肢の提示に必要な全体の時間を減らすべく、例えば顧客の音声通話に対する様々な選択肢を視覚的に表示することができる。無線通信デバイスと遠隔データサーバとの間で安全な通信を提供すべく、前記顧客に関する認証情報をグラフィカル・ナビゲーションメニューにて提供することができる。
【0010】
可能性のあるビジネスアプリケーションに関する情報を視覚的に表現すべく、視覚的エイドを無線通信デバイスにリアルタイムで送信することができる。無線通信デバイスと遠隔データサーバとの間にデータコンジットが確立されると、ボイス・オーバー・インターネット・プロトコルを処理することができる。
【0011】
無線通信デバイスに対する不可逆性ハッシュを遂行することができ、この不可逆ハッシュをディレクトリサーバが記憶するデータ賦活交信番号と照合することができる。一致した交信番号はそこで無線通信デバイスへ送信され、無線通信デバイスに関連する交信番号の守秘義務を維持すべく、一致した交信番号をデータ賦活交信と局所的に比較対照することができる。この種の手法は、広範囲のビジネスアプリケーション内で移動顧客に対する接続を効果的に提供し管理する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】開示実施形態に従うコンピュータシステムの概略図を示す。
【図2】開示実施形態に従うデータ接続アプリケーションモジュールとオペレーティングシステムとユーザインタフェースとを含むソフトウェアシステムの概略図を示す。
【図3】開示実施形態に従う自動化ビジネス管理システムの図解表現を示す。
【図4】開示実施形態に従う無線通信デバイスの音声ダイヤル時の並列データ通信を自動的に確立する方法の論理的操作ステップを示す操作の高位フローチャートを示す。
【図5】開示実施形態に従う携帯通信デバイスについての視覚的連絡網を図解するGUIを示す。
【図6】開示実施形態に従う携帯通信デバイスについての機密保全認証を図解するGUIを示す。
【図7】開示実施形態に従う携帯通信デバイスについての実時間視覚エイドを図解するGUIを示す。
【図8】開示実施形態に従う携帯通信デバイスについてのボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(VOIP)を図解するGUIを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1と図2は、本発明の実施形態を実装するデータ処理環境の例示的な図を提供するものである。図1と図2が例示に過ぎず、開示実施形態の態様あるいは実施例を実装する環境に関するどのような限定も主張もしくは意味する意図のないことは、理解されたい。開示された実施形態の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、図示の環境に対する多くの修正が可能である。
【0014】
図1に示す如く、開示実施形態はデータ処理システム100において実装することができ、同システムは、例えば中央プロセッサ101とメインメモリ102と入/出力コントローラ103とキーボード104と入力デバイス105(例えば、マウスやトラックボールやペンデバイス等のポインティングデバイス)と表示デバイス106と大容量記憶装置107(例えば、ハードディスク)とUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)周縁接続部111とを含むものである。撮像ユニット108(例えば、カメラなど)等の追加の入/出力デバイスに、例えば所望に応じてデータ処理システム100を関連付けることができる。図示の如く、データ処理システム100の様々な構成要素はシステムバス110あるいは類似のアーキテクチャを介して電子的に通信することができる。システムバス110は、一例として、例えばデータ処理システム100内のコンピュータ構成要素どうしあるいは他のデータ処理デバイスや構成要素やコンピュータ等との間でデータを伝送するサブシステムとすることができる。データ処理システム100が、設計上の配慮に従って、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や、例えば無線通信デバイス(例えば、スマートフォンや携帯デバイスやラップトップ型コンピュータ等)および/または有線通信デバイス等の通信デバイスとして実装できることは、理解することができる。通信デバイスの一例を利用することができる。何故ならシステム100は図3について本願明細書に説明する通信デバイス225だからである。
【0015】
図2は、図1に表わしたデータ処理システム100の動作を指示するコンピュータ・ソフトウェアシステム150を示す。メインメモリ102と大容量記憶装置107が記憶するソフトウェアアプリケーション154には、一般に中核部分すなわちオペレーティングシステム151と外殻部分すなわちインタフェース153とが含まれる。ソフトウェアアプリケーション154等の1以上のアプリケーションプログラムを「ロード」(すなわち、大容量記憶装置107からメインメモリ102へ転送)し、データ処理システム100により実行することができる。データ処理システム100は、ユーザインタフェース153を介してユーザコマンドとデータとを受信し、これらの入力はそこでオペレーティングシステムモジュール151および/またはソフトウェアアプリケーション154からの指示に従いデータ処理システム100により働きかけることができる。
【0016】
下記の説明は、本システムならびに方法を実装することのできる適当な計算環境の簡潔で一般的な説明を提供することを意図するものである。要求されたわけではないが、単一のコンピュータにより実行するプログラムモジュール等のコンピュータが実行可能な指示の一般的な状況にて開示実施形態を説明することにする。大半の事例では、「モジュール」はソフトウェアアプリケーションで構成される。
【0017】
一般に、プログラムモジュールには、これらの限定はされないが、特定のタスクを遂行しあるいは特定のアブストラクトデータ種や命令を実行するルーチンやサブルーチンやソフトウェアアプリケーションやプログラムやオブジェクトや構成要素やデータ構造等が含まれる。さらに、開示された方法ならびにシステムが、例えば手持ちデバイスやマルチプロセッサシステムやデータネットワークやマイクロプロセッサ準拠すなわちプログラム可能な家電機器やネットワーク化されたPCやミニコンピュータやメインフレームコンピュータやサーバ等の他のコンピュータシステムの構成を用いて実施できることを、当業者は理解しよう。
【0018】
本願明細書に使用する用語モジュールが特定のタスクを遂行しあるいは特定のアブストラクトデータ種を実行するルーチンならびにデータ構造の収集体を指すことに、留意されたい。モジュールは、2部分で構成することができ、すなわち定数やデータ種や変数、さらに他のモジュールやルーチンがアクセスできるルーチンを一覧掲載するインタフェースと、通常個人向け(そのモジュールにのみアクセス可能)で、そのモジュール内にルーチンを実際に実装するソースコードを含む実装体とである。用語モジュールは、単純には文書作成処理や会計やインベントリ管理等の特定のタスクの遂行を支援するよう設計されたコンピュータプログラム等のアプリケーションもまた意味するものである。
【0019】
インタフェース153は、好ましくはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)であるが、結果を表示するのに役立てることができ、そのときにユーザは追加の入力を供給でき、あるいは特定のセッションを終了させることができる。幾つかの実施形態では、オペレーティングシステム151とインタフェース153は「ウィンドウズ」システムで実装することができる。無論、他種のシステムが可能であることも理解されたい。例えば、従来の「ウィンドウズ」システムではなく、例えば無線システムにより一般に用いられているリアル・タイム・オペレーティング・システム(RTOS)等の他のオペレーションシステムもまたオペレーティングシステム151とインタフェース153とに対し用いることができる。ソフトウェアアプリケーション154には、例えば音声通話の開始時に無線通信デバイスと遠隔データサーバとの間に並列データコンジットを確立するデータ接続モジュールを含めることができる。データ通信モジュール154には、図4について本願明細書に説明する方法300に含まれるような指示を含めることができる。
【0020】
図1と図2はかくして一例として意図するものであり、特定の実施形態に対する設計上の限定を意図するものではない。しかしながら、この種実施形態はいずれの特定のアプリケーションやいずれの特定の計算あるいはデータ処理環境にも限定はされない。その代りに、開示システムならびに方法を様々なシステムならびにアプリケーションソフトウェアに都合よく適用できることを当業者は理解しよう。さらに、本発明はMacintoshやUNIXやLINUX等を含む様々な異なる計算プラットフォーム上で実現することができる。
【0021】
図3は、開示実施形態に従う自動化ビジネス管理システム200の図解表現を示す。図1〜図8では、同一あるいは類似のブロックが概ね同一の参照符号で示される点に留意されたい。自動化されたビジネス管理システム200を用い、例えば企業や事務所や教育や他のアプリケーション等の広範囲の企業組織の顧客105に対し利用可能なビジネスアプリケーションを効果的に通信することができる。システム200は一般に、通信デバイス225と遠隔データサーバ275とディレクトリサーバ250とPBX(構内交換機)ユニット290とを含み、それらは音声通話234の開始時に通信デバイス225と遠隔データサーバ275との間に同時並行的なデータコンジットを確立すべく、ネットワーク240に関連して作動可能に構成される。通信デバイス225が例えばスマートフォンや手持ち通信デバイスやラップトップ型コンピュータ等の無線通信デバイスとすることができることに、留意されたい。
【0022】
通信デバイス225は、メモリ102とプロセッサ101とローカルインタフェース235に結合されたユーザインタフェース230を含むよう構成することができる。ローカルインタフェース235は、例えば付随する制御/アドレスバスを有するデータバスとすることができる。他の無線デバイスおよび/または無線ネットワークとの無線通信を容易にすべく、無線インタフェース218を用いることができる。メモリ102は、プロセッサ101が実行可能な幾つかの構成要素を記憶する。構成要素には、例えばオペレーティングシステム151や1以上のアプリケーション214やデータ接続アプリケーションモジュール154が含まれる。通信デバイス225が例えばスマートフォンやアイフォンおよび/またはブラックベリー等のデータ処理システム100とすることができることに、留意されたい。通信デバイス225には、データと音声両方の通信機能と他種の通信とが含まれる。通信デバイス225は、ネットワーク240を介して他のデバイスと通信するよう構成することができる。例えば個人向けデジタル情報端末やラップトップ型コンピュータ等の1以上の他の携帯デバイス225もまた企業組織の遠隔データサーバ275と通信するよう構成できることに、留意されたい。
【0023】
通信デバイス225に関連するデータ接続アプリケーションモジュール154は、ネットワーク240内で通信デバイス225と遠隔データサーバ275を同時並行的に接続する。本願明細書に開示する遠隔データサーバ275は、ネットワーク240内で特定かつ/または複数のビジネスアプリケーションに対するビジネスアプリケーションを提供する特定ビジネス向けサーバとすることができる。ビジネス管理システム200のディレクトリサーバ250は通常、通信デバイス225に関する送出交信番号をディレクトリサーバ250のデータベース260が記憶するデータ賦活交信番号一覧285と照合する。一致が見いだされると、ディレクトリサーバ250は、遠隔データサーバ275の関連メタデータ265と共に、例えばIP(インターネットプロトコル)アドレスおよび/またはURL(ユニフォーム・リソース・ロケータ)等の位置特定データ280を通信デバイス225に送信する。通信デバイス225に関連するデータ接続アプリケーションモジュール154はさらに、遠隔データサーバ275に関連する利用可能なビジネスアプリケーションを通信デバイス225に視覚的に送信すべく、遠隔データサーバ275と通信する。
【0024】
PBX(構内交換機)290は、データコンジットに関し顧客205に警告することができる。通信デバイス225は、遠隔データサーバ275に対し顧客205の交信番号を送信することができる。遠隔データサーバ275はさらに、通信デバイス225と遠隔データサーバ275との間のデータコンジットの確立を確認すべく、顧客205に関連する交信番号をPBX290へ送信することができる。加えて、PBX290は発呼者IDを介して遠隔地の顧客205を位置特定し、企業組織内の代替的な記録を介してデータコンジットの確立を検証することができる。
【0025】
図4は、開示実施形態に従う携帯通信デバイス225に対する同時並行的データ接続を確立する方法300の論理処理工程を示す操作の高位フローチャートを示すものである。本方法300が、例えばモジュールあるいはモジュール群を含むプログラム製品を含むコンピュータが利用可能な媒体で実装できることに、留意されたい。ブロック310に示す如く、通信デバイス225と遠隔データサーバ275との間の同時並行的なデータコンジットを確立すべく、通信デバイス225に対しデータ接続アプリケーション154を自動的に構成することができる。
【0026】
通信デバイス225に関する送出交信番号は、ブロック320に示す如く、ディレクトリサーバ250のデータベース260が記憶するデータ賦活交信番号一覧285と照合することができる。ブロック330に示す如く、一致した交信番号を有する通信デバイス225に遠隔データサーバ275の関連メタデータと共に位置特定データを送信することができる。データ接続アプリケーション154と遠隔データサーバ275との間に、ブロック340に示す如く、同時並行的なデータコンジットを自動的に確立することができる。通信デバイス225には、ブロック350に示す如く、データサーバ275に関連する変形種の潜在的なビジネスアプリケーションを視覚的に送信することができる。
【0027】
図5〜図8は、開示実施形態に従う無線通信システム225に対する様々なビジネスアプリケーション232のGUI400,450,500,550を示す。図示の図面中、本願明細書では、グラフィカルウィンドウ400,450,500,550は一般にGUI「ウィンドウ」で実装される。計算時に、GUI「ウィンドウ」が一般に何らかの種のユーザインタフェースを含む視覚領域となることに、留意されたい。この種の「ウィンドウ」は通常(必ずとは限らないが)矩形形状を有し、1以上のプロセスに対する出力を表示し、そこへの入力を可能にすることができる。この種のウィンドウは主にグラフィカルディスプレイに関連付けられており、ここではそれらは例えば図1に示す入力デバイス105等のマウスカーソルを用いて操作することができる。その主要「メタファー」の1つとしての「ウィンドウ」を使用するGUIは、しばしばウィンドウ化システムと呼ばれる。
【0028】
通信デバイス225に対するビジネスアプリケーション232は、音声通話234の開始時に通信デバイス225のユーザインタフェース230に表示することができる。遠隔データサーバ275に対するビジネスアプリケーション232は、例えばグラフィカル・ナビゲーションメニュー(例えば、連絡網)や機密保全ユーザ認証や実時間視覚エイドやボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(VOIP)経路誘導等とすることができる。図5は、開示実施形態に従う通信デバイス225に関するグラフィカル・ナビゲーションメニュー410を表わすGUI400を示すものである。
【0029】
通信デバイス225に関するグラフィカル・ナビゲーションメニュー410は、遠隔データサーバ275に対する選択肢の提示に必要な全体の時間を減らすべく、例えば顧客205の音声通話234に関する差引残額問い合わせ選択肢や金銭振り込み選択肢やサービス担当者選択肢等の様々な選択肢を視覚的に表示する。企業環境内で安全な認証を取得すべく、グラフィカル・ナビゲーションメニュー410に対し個人情報を提供することができる。認識能力に基づき顧客205に対する選択肢を表示するのに必要な全体の時間を調整すべく、無作為にナビメニュー410にアクセスすることができる。顧客は通常、通信デバイス225に関する自分のアクセス能力に基づき、ナビメニュー410をざっと見ることができる。
【0030】
図6は、開示実施形態に従う携帯通信デバイス225に対する安全な認証460を表わすGUI450を示す。顧客205に関する安全な認証460は通常、通信デバイス225に対するユーザ本位のプロンプトを開始し、ここで顧客は安全上の脆弱性を伴うことなく、社会保障番号やクレジットカード番号や個人口座番号等の認証情報を提供することができる。図7は、開示実施形態に従う携帯通信デバイス225に関する実時間視覚エイド510を図解するGUI500を示すものである。遠隔データサーバ275に関する説明詳細レベルを高めるべく、テキスト情報や説明画像や画面写真や他の動画等の実時間視覚エイド510を通信デバイスに送信することができる。視覚的エイド510は、パーツの組立法を示す簡単な動画および/または特定の製品に対する保守管理を記述するストリーミングビデオ等の明確に示される適当な対話型構成要素と共に、ソフトウェアメニューの画面写真として提供することができる。
【0031】
図8は、開示実施形態に従う携帯通信デバイス225に対するVOIP経路誘導560を表わすGUI550を示すものである。従来の音声接続に関連するコストを低減すべく、VOIP経路誘導560を処理することができる。VOIP技術は、ネットワークIP(インターネットプロトコル)を用いた実時間の双方向通話送信を提供すべく、アナログ音声信号をデジタルデータパケットに変換する。
【0032】
ディレクトリサーバ290が記憶する交信285と照合して安全な認証を提供すべく、送出交信番号に対し不可逆性ハッシュを遂行し、遠隔データサーバ275へ送信することができる。一致が見いだされると、データ賦活交信一覧285とのさらなる比較対照用にハッシュに一致する全ての交信を通信デバイス225へ送信することができる。こうして、ユーザのプライバシーはさらに守られる。何故ならディレクトリサーバは送出交信番号を要求された情報は受信せず、要求されたハッシュに一致する幾つかの情報だけを受信するからである。
【0033】
前記に基づき、幾つかの筋書きが可能であることを理解することができる。例えば、1つの筋書きではスマートフォンのユーザは彼または彼女のスマートフォン上にロードされた本願明細書に開示する如きアプリケーションを有する。ユーザは、例えば彼または彼女が最近購入したウィジェットの手助けを求め、「ACME Widget」コールセンターに電話をかける。アプリケーションは、送出電話番号に関連するデータサーバの存在の有無を特定するために、ユーザが電話をかけてディレクトリサーバ250に連絡をとることを気づく。この場合、存在することが判ると、アプリケーションはデータサーバに対する接続を行なう。ユーザの顧客体験はそれ故に連絡網を視覚的にナビゲートし、安全な情報を入力し、オペレータがユーザに示したいと願う視覚情報を視認する等の改善された能力のお陰で向上する。
【0034】
代替的な筋書きでは、ユーザは、例えば「App Store」等の特定のサイトを訪れ、「ACME Widget」ヘルプアクセレータ・アプリケーションを見つけだし、そこでこの特定のアプリケーションを彼または彼女のスマートフォンにロードすることができる。このような場合、ユーザは「ACME Widget」コールセンターからの助力を必要とすることがあり、まさにそのアプリケーションを実行しえ、これは或る時点で電話をかけさせることになるが、しばらくは本願明細書に記載する同時並行的な接続を確立させることができる。何故ならそれ(すなわち、アプリケーション)はその中に「ACME Widget」ヘルプデスクサーバのアドレスの情報を有するからである。この種の筋書きでは、ユーザは「ACME Widget」コールセンターの電話番号を認識し、ユーザが電話をかけるかあるいかアプリケーションが電話をかけうるときに、しかるべき措置を開始することができる。換言すれば、同時並行的な接続はその前あるいは後で行なうことができる。
【0035】
本願明細書に開示したシステムと方法は、顧客に対し製品情報を効果的に提供すべく、例えば顧客管理センターや製品準拠産業や他種の産業等の広範囲の企業組織に用いることができる。ディレクトリサーバは、通常、会員契約に基づきディレクトリサーバのデータベース内に索引付けされたクライアントサーバに対する継続的更新料金を回収することで収益を生むことができる。ディレクトリサーバは、交信番号とネットワークサービスとの間でのマッピングを提供することができる。本システムならびに方法は、それ故に広範囲のビジネスアプリケーション内で移動顧客に対し管理された接続を効果的に提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データと音声の同時並行的な接続を自動的に確立する方法であって、
データ接続アプリケーションに通信デバイスを関連付け、前記通信デバイスと遠隔データサーバを企業組織に対し同時並行的に接続する工程と、
音声通話を配置する工程と、
前記データ接続アプリケーションと前記遠隔データサーバとの間に同時並行的なデータコンジットを自動的に確立する工程とを含む、方法。
【請求項2】
前記音声通話の開始時に、前記データ接続に前記通信デバイスを関連付け、前記通信デバイスと前記遠隔データサーバとを前記企業組織に対し同時並行的に接続する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ディレクトリサーバと協議し、該ディレクトリサーバが記憶する複数のデータ賦活交信番号を更新する工程と、
その後に前記遠隔データサーバの位置特定データを前記データ接続アプリケーションに送信すべく、前記通信デバイスに関する送出交信番号を前記ディレクトリサーバが記憶する前記複数のデータ賦活交信番号と照合する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記遠隔データサーバを介して前記通信デバイスの交信番号を構内交換機に送信する工程と、
前記通信デバイスと前記遠隔データサーバとの間の前記データコンジットについて顧客に警告を提供すべく、発呼者識別を介して前記通信デバイスを位置特定する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通信デバイスのユーザインタフェースのグラフィカル・ナビゲーションメニューを介して前記音声通話に関する少なくとも1つの選択肢を視覚的に表示する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
データ接続を自動的に確立するシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合したデータバスと、
コンピュータコードを実現するコンピュータに使用可能な媒体で、前記媒体が前記データバスに接続され、前記コンピュータプログラムコードが前記プロセッサが実行可能な命令を含み、
音声通話の開始時に、通信デバイスをデータ接続アプリケーションに関連付け、前記通信デバイスと遠隔データサーバを企業組織に対し同時並行的に接続し、
その後に前記遠隔データサーバの位置特定データを前記データ接続アプリケーションに送信すべく、前記通信デバイスに関する送出交信番号をディレクトリサーバが記憶する複数のデータ賦活交信番号と照合させ、
前記データ接続アプリケーションと前記遠隔データサーバとの間に同時並行的なデータコンジットを自動的に確立するよう構成した前記媒体とを備える、システム。
【請求項7】
前記命令はさらに、
前記遠隔データサーバを介して構内交換機へ前記通信デバイスの交信番号を送信し、
前記通信デバイスと前記遠隔データサーバとの間の前記データコンジットについて顧客に警告を提供すべく、発呼者識別を介して前記通信デバイスを位置特定する構成とした、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
データ接続を自動的に確立するシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合したデータバスと、
コンピュータコードを実現するコンピュータに使用可能な媒体で、前記媒体が前記データバスに接続され、前記コンピュータプログラムコードが前記プロセッサが実行可能な命令を含み、
音声通話の開始時に、無線通信デバイスをデータ接続アプリケーションに関連付け、前記無線通信デバイスと遠隔データサーバを企業組織に対し同時並行的に接続し、
その後に前記遠隔データサーバの位置特定データを前記データ接続アプリケーションに送信すべく、前記無線通信デバイスに関する送出交信番号をディレクトリサーバが記憶する複数のデータ賦活交信番号と照合させ、
前記データ接続アプリケーションと前記遠隔データサーバとの間に同時並行的なデータコンジットを自動的に確立するよう構成した前記媒体とを備える、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−105262(P2012−105262A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238044(P2011−238044)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
2.UNIX
3.Linux
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】