説明

通信ネットワーク

【課題】通信ネットワークにおいて、遠隔位置における信号の監視を簡単にするための装置及び方法を提供する。
【解決手段】ダイヤルバックループ8によりネットワークを通って試験呼を試験電話番号11へ設定し、ネットワークを通って第2の呼を必要な電話6へ設定し、ネットワーク終端部14で事前終端状況をシミュレートすることによって、ネットワークエッジの実際のシグナリングトーンは顧客構内3に存在する装置に対応する装置16により監視される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク、特にこのような通信ネットワークに取付けられた顧客構内装置に与えられる信号を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交換電話ネットワークを使って設けられる装置は複雑になり、顧客の苦情に応じて故障部分を分離するには時間がかかる。多くの場合、遠隔位置から与えられるサービスはネットワークエッジ(端縁部)の顧客接続に到達する前に複数のスイッチングセンタと集線器を通過する。
【0003】
通常の発信音電流以外の信号および/またはこのような発信音電流に付加される信号に応答する装置を含んだ顧客構内装置は複雑さが増加する。例えば、欧州特許第94302756.5号明細書では、発信音のない電話通信のためのタイプの警戒信号が開示されている。
【0004】
このような応用には、例えば家庭用装置をオンまたはオフに切換えるための遠隔測定、メッセージ送信、データ転送(遠隔制御として知られている)が含まれている。多数の装置製造業者はこのような応用で使用する装置を設計しており、ある場合、公衆交換電話回路網(PSTN)オペレータではなく製造業者がシグナリングの要求を決定する。
【0005】
生じ得る複雑なシグナリングパターンと、許容可能なウィンドウ内でこのような信号が顧客構内のライン終端点に到達するときを知ることが難しいことであるため、適切な資格をもつ保守要員を顧客構内に派遣する費用は許容できない程に高価である。しかしながら、多くはネットワーク故障が減少されるかまたはシグナリングの正確性が設けられる方法のみが存在する。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0006】
本発明は通信ネットワークにおいて遠隔位置における信号の監視(典型的であるか特別であるか)を簡単にするための装置および方法を提供する。
【0007】
本発明の一特徴にしたがって、ネットワークを通じてネットワーク終端点から遠隔監視位置への試験接続を設定する手段を含んでいる種類の通信ネットワークの監視点に接続する試験装置が設けられており、この装置は、別々の送信通路によりネットワークを通ってネットワーク終端点へ第1、第2の呼の設定を行わせる手段と、第2の呼期間中に、第1の呼により設定される伝送通路を保持し、接続ポートを経て伝送通路を信号監視装置へ接続する手段とを具備しており、監視装置はさらに、接続ポートに対するノーマルオンフック(正常状態でオンフック)および予めシグナリング状態をシミュレートする手段を含んでおり、それによって第2の呼の設定でネットワーク終端点へ送信された信号は接続された監視装置により受信されることを特徴とする。
【0008】
試験装置は信号の監視を許容する手段、例えばラインを横切って接続されている高声器手段を含んでいることが好ましい。
【0009】
装置は例えば呼者表示装置と組合わせて使用されてもよく、それによって呼を行っているラインの識別を示す信号が監視されてもよい。装置は例えばシミュレートされた遠隔測定インターフェイスと組合わせて使用され、それによって遠隔測定または制御信号が監視されるか、または短いメッセージ表示装置端末と組合わせて使用され、それによってデータまたは数字文字情報の正確性が監視される。 本発明の別の特徴によって、通信ネットワークのシグナリングを試験する方法が与えられ、この方法は、ネットワークを経て遠隔点へ第1の呼を設定し、遠隔点から監視位置へ通路が設定され、第1の呼の解除を行い、遠隔点へ第2の呼を設定し、監視位置でネットワーク状態をシミュレートし、それによってその位置に接続される装置が遠隔点へ転送されるネットワーク信号に応答するようにするステップを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の方法を使用して本発明にしたがった試験装置を含む通信ネットワークを例示として添付図面を参照して説明する。
【0011】
図面を参照すると、典型的な交換通信ネットワークが主ネットワーク1により表され、光ファイバまたは他のトランク構成により相互接続されているデジタル主交換装置を具備している。ローカルスイッチ装置(例えばスイッチ装置2)は顧客ライン回路4とローカルアクセスネットワーク接続5により顧客構内3に接続されている。
【0012】
顧客構内3では、ローカルアクセスネットワーク接続はソケット、または顧客が電話7等の適切な承認された通信装置を接続している他のネットワーク終端装置(NTE)6で終端する。顧客、ネットワークオペレータまたは他のサービス提供者により与えられる遠隔測定インターフェイス装置等の他の装置がNTE6に接続されてもよい。また、例えば短いテキストメッセージを表示するために使用されるショートメッセージ表示装置端末20も示されている。例えばネットワークベースの呼返答サービスでは、メッセージを待機するメッセージは発信音のない呼によってSMDS20へ送信され、それによって返答サービスから待機情報を集めることを顧客に気づかせる。
【0013】
試験ステーションまたは顧客サービスセンタ(その一部のみが示されている)がローカルスイッチ装置2Aによりネットワークに接続されている。これらのセンタには顧客構内3でエンジニアによる補助を必要とすることなく、顧客ループと他の装置の試験を可能にするための種々の装置が設けられている。
【0014】
このようなアクセススイッチングを許容するために、ネットワーク1を横切って制御能力が与えられる。したがって顧客ライン回路4内で、ライン5を分割し、ネットワークを経て遠隔監視位置へ並列接続を設定することが可能である。
【0015】
したがって、ローカル交換装置では、補助スイッチング装置7が顧客ライン回路4からダイヤルバック回路8へのリンクを接続することに使用され、例えばこれは主ネットワーク1を通ってローカルスイッチ装置2を経てダイヤルバックライン10として表される予め定められたまたは予め選択された電話番号へ呼を設定するようにプログラムされている。呼出された電話番号は世界中の任意の場所で有効であり、試験リンクを設定する時間で選択されることに留意すべきである。したがって予め定められたまたは予め選択されたという表現は永久的に予め設定されていることを必ずしも意味するわけではない。
【0016】
ダイヤルバックライン10は通常の電話ラインと同様にネットワーク終端部11に接続されている。本発明では、特別な監視装置12がNTE11に接続されており、遠隔顧客ライン回路4の管理を可能にする。
【0017】
監視装置12はNTE6と同一種類の接続部14を含んでおり、そこに利用可能な顧客構内装置が接続されている。本発明の目的とその構成をより良好に理解するために、発信音のない情報または予め音を発信する情報をNTE(例えば6)へ提供するために使用されるシグナリングプロトコルを理解することが必要である。 発信音のない呼シグナリングの幾つかの例が1995年4月12日出願のPCT特許出願の英国特許第95/853号明細書に開示されている。このタイプのシグナリングは典型的に電話線に接続されている他の装置を妨害することなく遠隔測定インターフェイス装置8によって計量情報の読取りを遠隔位置で行い、あるいは家庭用装置の制御を行うために使用される。
【0018】
予め音を発信するシグナリングが使用されてもよい。予めリング音を発信するシグナリングを使用した本発明により与えられる1つのサービスは“呼者表示装置”サービスである。このサービスでは、リング音電流をNTE6へ転送する前に、ネットワーク1はDCライン反転(リバーサル)と、警戒音の転送と、その後に続く現在の呼源を示す周波数シフトキー(FSK)信号の転送とを行う。呼者表示装置15を有する顧客は呼に返答する前に呼を行っている人を知ることができる。
【0019】
シグナリングが転送されようとしている呼者表示装置15を警戒するために、ライン反転がネットワーク1によりNTE6に対して行われる。ライン反転を検出したとき、呼者表示装置15は送信される警戒音と、その後に続くFSK信号のためにラインを5秒まで監視する。
【0020】
呼者表示装置15が正確ではない(または作動していない)というという苦情を顧客が出し、ライン試験を要求したならば、FSKシグナリングの到着の正確なタイミングを知ることはできないので、遠隔で機能を監視するのに幾つかの問題が生じる。それ故、呼者表示装置15と呼者表示装置16に対する識別装置が監視装置12の“NTE”14へ接続されている。
【0021】
それぞれのNTE21により接続されている別の電話17を使用して、オペレータはネットワーク1を通じて顧客ライン回路4へ試験ネットワーク呼を設定する。試験ネットワーク制御機能9は顧客ライン回路の分割を行わせ、呼がネットワークを経てNTE11と監視装置12へ戻されるようにする。監視装置12は第1の呼がクリアされたときにも、顧客ライン回路4に対するダイヤルバック接続を保持するために使用される。したがってライン回路4で受信された警報トーン、FSK、発信音またはスピーチ信号は並列接続により監視することができる。
【0022】
疑問を生じないようにするため、試験ネットワーク制御機能が交換スイッチシステムの試験ネットワークに内蔵されるか、ネットワークの広く分配されたコンピュータ装置により制御される種類の所有するライン試験装置に存在してもよい。 したがって、オペレータがネットワーク1を通じて第2の呼を設定したならば、通常のシグナリング状況が適用され、FSK信号がライン回路4を通ってNTE6へ送信され、また監視装置12でも受信される。しかしながら、顧客の電話番号の最終的な数字を送信する直前に、オペレータは監視装置12が“NTE”に対してライン反転を行わせるキーを使用し、したがってシグナリングを受信する前に呼者表示装置15、16により通常予期される状態をシミュレートする。したがって警報トーンとFSK信号が顧客の呼者表示装置15へ送信されるとき、対応して設けられている呼者表示装置16も同じような方法でその信号に応答する。これによってネットワークエッジにおける信号は顧客構内3に付属的な手段を必要とすることなく正確性について試験することが可能である。
【0023】
この方法で試験システムを使用することによりネットワークシグナリングの送信の正確性だけでなく送信内容も設定されることに留意する。これによって、データエラーの検出は管理されたサービスインフラストラクチャのコンピュータ素子にまた戻されることができる。これはまた例えば通信回路で故障ラインカードを識別する。
【0024】
所有者の呼者表示装置サービスを参照して本発明を説明したが、システムは標準的な端末に接続可能な任意の種類の装置に転送される試験シグナリングにも同等に適していることが認識されよう。例えば、遠隔測定インターフェイス装置8のシグナリングは顧客サービスセンタの対応する装置28を接続することによって試験されてもよい。したがってネットワークエッジの“NTE”14における事前のシグナリング状態(事前に発信音を出すまたは発信音のないシグナリング)のシミュレーションを可能にすることによって、ネットワーク1によるシグナリングの正確性は遠隔位置で監視されることができる。同様に、ショートメッセージ表示装置端末20では、対応する試験端末29が接続され、数字符号またはその他のデータメッセージの監視を可能にする。
【0025】
図2を参照すると、特に監視装置12は電話18の接続点および、例えば呼者表示装置16、TIU28、SMDS29等の補助装置の接続点を有する。電話18がノーマルモードまたはライン保持モードで使用されることを可能にするような切換えがスイッチ30により行われ、ライン保持が付勢されるとき、指示31が照射される。 前述したように、一度呼が電話17から行われ、遠隔測定またはショートメッセージシグナリングがアレンジされると、補助警報キー32はライン反転させるように動作され、または既知の回路によって適切な事前に発信音をシグナリングする状況を補助装置16へ与えるように動作される。
【0026】
ネットワークを通る呼の進行の自動監視を可能にするために、高声器33が既知の方法で設けられて再度ライン間に接続される。
【0027】
例えばショートメッセージ表示イシステム20により呼者へ情報を提供する帯域外のトーンを監視するため呼が電話7で進行中であるときの、監視装置12の使用が認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を使用した通信ネットワークの概略ブロック図。
【図2】図1の監視装置のさらに詳細部の説明図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通ってネットワーク終端点から遠隔監視位置への試験接続を設定する手段を含んでいる種類の通信ネットワークにおける監視点に接続する試験装置であって、
別々の送信通路によりネットワークを通ってネットワーク終端点へ第1、第2の呼の設定を行わせる手段と、
第2の呼期間中に、第1の呼により設定される送信通路を保持し、接続ポートを経て送信通路を信号監視装置へ接続する手段とを具備している試験装置において、
監視装置はさらに、接続ポートに対するノーマルオンフック状態および予めシグナリングされた状態をシミュレートする手段を含んでおり、それによって第2の呼の設定でネットワーク終端点へ送信された信号が接続された監視装置により受信されることを特徴とする試験装置。
【請求項2】
監視装置と組合わせて使用され、呼を行っているラインの識別子を表示する請求項1記載の試験装置。
【請求項3】
遠隔測定信号またはその他の制御信号に応答する装置と組合わせて使用される請求項1記載の試験装置。
【請求項4】
ショートメッセージ表示イシステムと組合わせて使用され、数字符号データシグナリングを監視する請求項1記載の試験装置。
【請求項5】
送信通路におけるシグナリングの自動監視を可能にする手段をさらに含んでいる請求項1乃至4のいずれか1項記載の試験装置。
【請求項6】
ネットワークを経て遠隔点へ第1の呼を設定し、遠隔点から監視位置へ通路を設定させ、第1の呼を解除し、遠隔点へ第2の呼を設定し、監視位置でネットワーク状態をシミュレートし、その位置に接続された装置によって遠隔点へ転送されるネットワーク信号に応答させるようにするステップを有する通信ネットワークのシグナリングを試験する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−306762(P2008−306762A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208595(P2008−208595)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【分割の表示】特願平9−528271の分割
【原出願日】平成9年2月4日(1997.2.4)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】