説明

通信ピアリンググリッド内の無線呼ルーティング

【課題】ピアリンググリッド内の無線トラフィックに対して専用リソースを供給する。
【解決手段】ピアリンググリッド要素は、ピアリンググリッド内で呼トラフィックの接続を容易にするように動作する。スイッチは顧客から呼トラフィックを受信し、ルーティングエンジンは呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、呼トラフィックのパラメータを分析するよう構成される。呼トラフィックの分類は、ルーティングエンジンによりアクセスされる更新無線ルーティング情報の提供を通して達成される。分類に伴い、スイッチは、無線トラフィックに対して、呼トラフィックを承認して、ピアリングパートナーに無線速度で呼トラフィックを送信し、有線トラフィックに対して、顧客に呼トラフィックを返送するか、有線速度での送信に対して呼トラフィックを承認する。有線速度は無線速度とは異なり、関連する速度は顧客に課せられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信ピアリンググリッド(peering grid)内の呼トラフィック(call traffic)を対象としたものである。詳細には、本出願は、通信ピアリンググリッド内の無線トラフィックに対して専用リソース(dedicated resources)を供給することを対象としている。
【背景技術】
【0002】
無線トラフィックの使用は増え続けており、未だだとしても、すぐに全呼トラフィックの過半数となるであろう。急速で、広範な成長に伴って、無線トラフィックに対して最適に利用されるリソースは、依然として導入されていない。例えば、通信ピアリンググリッド内において、無線トラフィックは、有線トラフィックと同一速度(rate)となり、無線通信の開始時において確立された取り決めに従う。この取り決めのため、大量の無線トラフィックを生成する顧客は、頻繁に高額の通信費に苦しめられ、彼らのビジネスから生じる大量の無線トラフィックに対する埋め合わせは行われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、無線トラフィックを処理し、管理することに関しての現状の不備を軽減するため、無線トラフィックに対して専用リソースを供給することが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ピアリング基盤(infrastructure)を介して、複数のピアリングパートナーの1つ以上と相互接続される複数の顧客を有するピアリンググリッド内において、呼をルーティング(routing)するための方法が提供される。本方法は、ピアリング基盤において、顧客からの呼トラフィックを受信するステップを含む。呼トラフィックのパラメータは、呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するために分析される。呼トラフィックが無線トラフィックとして分類される場合、呼トラフィックは、承認(accept)されて、ピアリングパートナーとの接続を介して、ピアリングパートナーに無線速度で送信される。呼トラフィックは、ピアリンググリッドのピアリングパートナーにより登録された電話番号宛に送られる。他方、呼トラフィックが有線トラフィックとして分類される場合、(i)呼トラフィックを顧客に送り返す、又は(ii)呼トラフィックを承認して、呼トラフィックを有線速度で送信する処理が実行される。有線速度は、無線速度と異なり、有線速度または無線速度は、顧客に課せられる(charged)。
【0005】
ピアリンググリッド内において呼をルーティングするためのピアリング基盤が提供される。ピアリンググリッドは、呼トラフィックを伝送するために、複数のピアリングパートナーの1つ以上と相互接続された複数の顧客を含む。ピアリング基盤は、顧客からの呼トラフィックを受信するよう構成されたスイッチ、及び呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するために呼トラフィックのパラメータを分析するよう構成されたルーティングエンジンを含む。呼トラフィックの分類に伴い、スイッチは、無線トラフィックに対しては、呼トラフィックを承認して、ピアリングパートナーとの接続を介して、ピアリングパートナーに無線速度で呼トラフィックを送信し、ここで、呼トラフィックは、ピアリンググリッドのピアリングパートナーにより登録された電話番号宛に送られ、及び有線トラフィックに対しては、(i)呼トラフィックを顧客に送り返す、又は(ii)呼トラフィックを承認して、有線速度で呼トラフィックを送信する、の一方の動作を実行するよう更に構成される。有線速度は、無線速度と異なり、その関連した速度は、顧客に課せられる。
【0006】
上記の概要と以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むことにより、より良く理解される。典型的な例が図面に示される。しかし、当然のことであるが、これらの例は、ここに記載される特定の方式、及び手段に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】無線トラフィックリソースが実装されるピアリンググリッドを説明するブロックダイアグラムである。
【図2】ピアリング基盤を表すブロックダイアグラムである。
【図3】ピアリンググリッド内で呼をルーティングするためのデータフローを説明するスイムレーン図である。
【図4】ピアリンググリッド内で呼をルーティングするための方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示されるように、顧客120とピアリングパートナー130の間で呼トラフィックの接続を容易にするため、Media Peering GridTMなどのピアリンググリッド100が提供される。顧客120は、例えば、国際電話サービス・プロバイダー、ケーブル会社、地域電話会社(local exchange carrier: LEC)、及び呼トラフィックを生成するエンタープライズ会社を含むことができる。ピアリングパートナー130は、例えば、複数の無線可能な通信装置140に無線サービスを提供する無線サービス・プロバイダーとすることができる。様々なその他の種類の会社、個人、ネットワーク、及びサービス・プロバイダーが、ピアリンググリッド100内の顧客120又はピアリングパートナー130とすることができる。
【0009】
ピアリング基盤110は、ピアリング基盤とピアリングパートナーの間で設立された接続135を介して、顧客トラフィック(即ち、顧客120からの通信呼)の直接ルーティングをピアリングパートナー130に供給する処理エンジンである。ピアリング基盤110は、無線トラフィックに対する専用リソースを供給するよう動作する。
【0010】
呼トラフィックは、1つ以上の顧客120から発生し、セッション開始プロトコル(session initiation protocol: SIP)線125を通してピアリング基盤110により受信される。ピアリング基盤110とピアリングパートナー130の間の接続135は、専用SIP幹線(trunk line)とすることができる。あるいは、接続135は、時分割多重(TDM)接続とすることができる。接続135は、ピアリングパートナー130が呼トラフィックを適切に処理できるようにピアリングパートナー130の装備にアクセスするためのリンクを提供する。ピアリングパートナー130は、ピアリング基盤110に登録することができ、登録済みピアリングパートナーとなって接続135を確立する。ピアリング基盤110への登録において、ピアリングパートナー130は、1つ以上の電話番号、及び1つ以上のネットワークアドレスに関連した情報をピアリング基盤110に供給することができ、各ネットワークアドレスは、1つ以上の電話番号と相互に関連する。ピアリングパートナー130は、例えば、ピアリングパートナーの末端ルーティング装置のインターネットプロトコル(IP)アドレス、又はピアリングパートナー130に割当てられた無線可能通信装置140へのアクセスを許容するその他のアドレスなど、ルーティング情報と共に、電話番号をピアリング基盤110に登録することができる。個々は、ソフトフォンなどの無線可能通信装置140をピアリング基盤110に登録することもできる。
【0011】
ピアリンググリッド100は、無線データソース(source)150もまた含む。その他のデータソース(図示されていない)は、ピアリンググリッド100の一部分とすることができる、又はピアリンググリッド100に接続されることができる。無線データソース150は、無線番号(wireless number)と無線サービス・プロバイダーに関連したデータを有し、当該データをピアリング基盤110に供給するソースである。例えば、無線データは、(任意のタイプの無線可能通信装置140に対する)無線電話番号、及びサービス・プロバイダーなど、無線可能通信装置140に無線サービスを提供する対応するピアリングパートナー130を含むことができる。無線データは、市外局番(Numbering Plan Area Code)中央局(交換機)コード(NPANXX)番号を含む無線ルーティング情報の形式とすることができ、及び無線データソース150は、地域電話ルーティングガイド(Local Exchange Routing Guide: LERG)とすることができる。この例において、無線データは、NPANXX番号、及び関連したピアリングパートナー130(サービス・プロバイダー)を含むことができる。
【0012】
無線データは、例えば、30日ごとに1回など、規則的な予定に基づき、無線データソース150からピアリング基盤110に供給される。あるいは、無線データは、その他の時間周期で、又は要求により、又はピアリング基盤110からのコマンドで供給される。LERGは、例えば、1ヶ月を基準として、マッピング及び階層構造の形式で無線データを発行して、再読み込みし、これは産業的に承認されている規格である。無線データソース150は、1より多い個別のソースとすることができ、様々なソースからのデータを含むことができる。以下に更に記載するように、無線データは、呼トラフィック分類およびルーティング決定のためにピアリング基盤110で利用される。
【0013】
図2を参照すると、ピアリング基盤110の例としての構造のブロックダイアグラムが示される。ピアリング基盤110は、通信インターフェース210、記憶装置要素220、ルーティングエンジン230、及びスイッチ240を含み、これらは共に、無線トラフィックに対する専用リソースを含む、顧客呼トラフィックの直接ルーティングをピアリングパートナー130に供給するように機能する。
【0014】
ピアリング基盤110の1つ以上の要素210、220、230、及び240は、1以上の要素/装置を含み、それらの少なくとも1つは、命令を格納するためのメモリと命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサを有し、命令の実行により、要素は以下に更に詳細に記載されるように機能する。そのような要素/装置は、サーバー、パソコン、携帯コンピュータ装置、ルーター、機器、ハードウェア、及び/又は、その他のコンピュータ装置を含むことができるが、これらに限定はされない。
【0015】
通信インターフェース210は、無線データソース150とその他のノード又はエンジン(図示されていない)など、その他のノード又はエンジンと通信するため、ピアリング基盤110に対して機能性を提供する。通信インターフェース210は、例えば、SIP(セッション開始プロトコル)インターフェース、及び/又は、SUA(SCCP(シグナリング接続制御部)ユーザ適合レイヤ)インターフェースを有することができ、SIP又はSUAプロトコルでノード又はエンジンとの通信を行う。その他タイプのインターフェースを組み込むこともできる。
【0016】
記憶装置要素220は、ピアリング基盤110と分離しているが、アクセス可能な要素である。あるいは、記憶装置要素220は、ピアリング基盤110の内蔵要素とすることができる。記憶装置要素220は、登録済みピアリングパートナー130と関連するなど、例えば、登録済みの電話番号とルーティング情報を含む情報を格納することが可能な任意のタイプのメモリ要素とすることができる。
【0017】
ルーティングエンジン230は、呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、呼トラフィックのパラメータを分析するよう構成された処理装置である。以下に詳細に記載されるように、呼トラフィックの分類は、ルーティング目的地の決定をもたらす。
【0018】
スイッチ240は、顧客120から呼トラフィックを受信するよう構成される。スイッチ240は、呼トラフィックを受領するか、又は拒絶するよう更に構成される。呼トラフィックの受領では、スイッチ240は、呼トラフィックをピアリングパートナー130に、又はトランクグループかその他の要素に送信する。呼トラフィックの拒絶では、スイッチ240は、呼トラフィックを顧客120へ返送する。
【0019】
ルーティングエンジン230とスイッチ240は、結合された要素とすることができ、又は別個の要素とすることができる。ルーティングエンジン230は、呼トラフィック(即ち、顧客120からの呼申込み(call offer))内で要求された目的地に到達するための経路を計算し、スイッチ240は、呼トラフィックをその目的地に向けて移動させるために必要なスイッチ操作を実行する。スイッチ240は、終点(endpoint)に電話をかける(dial)、呼の区間(call leg)に橋渡しする、及び自動音声応答(Integrated Voice Response: IVR)交換を容易にするなど、パケット交換ネットワーク上の様々な通信タスクを実行するよう動作可能なソフトスイッチ、又は仮想PBXとすることができる。例えば、スイッチ240は、第1の電気通信プロトコルと第2の電気通信プロトコルの間を変換するためのロジックを含むことができる。
【0020】
図3を参照すると、スイムレーン(swim-lane)ダイアグラムは、図1に示されるピアリンググリッド100などのピアリンググリッド内で呼トラフィックをルーティングするためのデータフローを示す。無線ルーティング情報は、無線データソース150からピアリング基盤110に、特に記憶装置要素220に供給される(320)。無線ルーティング情報は、無線番号と無線サービス・プロバイダーに関連した無線データとすることができる。例えば、無線ルーティング情報は、NPANXX番号、及び関連したピアリングパートナー130(即ち、サービス・プロバイダー)を含むことができる。
【0021】
その後、呼トラフィックが顧客120から生成され、ピアリング基盤110に送信され、具体的には、スイッチ240が、呼トラフィックを受信する(322)。スイッチ240は、ルーティングエンジン230に呼トラフィックパラメータを伝送する(324)。例えば、呼トラフィックは、発呼番号(calling number)、被呼番号(called number)、及び被呼番号と関連したトランクグループを含むシグナリング情報を含むことができる。その他の情報(即ち、呼トラフィックパラメータ)を、シグナリング情報に含めることができる。
【0022】
ルーティングエンジン230は、呼トラフィックパラメータが、無線データソース150から以前に供給された無線ルーティング情報に一致するかどうかを判定するために、記憶装置要素220に問合せる(326)。
【0023】
呼トラフィックパラメータと問合せの結果により、ルーティングエンジン230は、呼トラフィックに対する分類を決定し、分類により、呼トラフィックのルーティング目的地が生成される(328)。ルーティングエンジン230は、呼トラフィックパラメータが、記憶装置要素220内に含まれる何らかの無線ルーティング情報に一致するがどうかを決定することにより、問合せを通して呼トラフィックに対する分類を決定することができる。呼トラフィックが無線ルーティング情報、又はそのサブセットに合致する場合、ルーティングエンジン230は、呼トラフィックを無線トラフィックとして特定する。しかし、呼トラフィックが、記憶装置要素220内に含まれた任意の無線ルーティング情報に合致しない場合、ルーティングエンジン230は、呼トラフィックを有線トラフィックとして特定する。記憶装置要素220への問合せは、例えば、受信された呼トラフィックに対するNPANXX番号と記憶装置要素220内に格納されたNPANXX番号との間で一致が存在するかどうかを決定するため、格納された無線ルーティング情報を探索することを含むことができる。
【0024】
ルーティング目的地を決定することに関して、呼トラフィックが無線トラフィックとして分類される場合、ルーティングエンジン230は、記憶装置要素220に対する問合せに基づいて、呼トラフィックが向かう電話番号を登録しているピアリングパートナー130を決定する。ピアリングパートナー130は、NPANXX番号のような、目的地アドレス、又はその他の識別アドレス若しくはパラメータ(即ち、呼トラフィックパラメータ)と関連付けられる。この関連情報は、記憶装置要素220内に格納された登録エントリーの一部とすることができ、無線データソース150により記憶装置要素220に供給された無線ルーティング情報を含む更新情報から生じる。
【0025】
その他の例として、呼トラフィックが有線トラフィックの場合、ルーティングエンジン230は、呼トラフィックが顧客120に返送されるべきか、又は顧客120と関連したトランクグループ314に送信されるべきかを決定する。有線トラフィックに関係したこの決定は、呼トラフィックを生成する顧客120との事前設定された条件(term)に基づくことができ、顧客120と関連したルーティングロジック、及びトランクグループ314の目的地アドレスを含む、この条件は、記憶装置要素220に格納される。
【0026】
ルーティングエンジン230が、呼トラフィックに対する分類とルーティング目的地を決定すると、ルーティングエンジン230は、適切な送信のために、スイッチ240に分類、及び/又はルーティング目的地を提供する(330)。ルーティング目的地は、例えば、目的地アドレスの形式とすることができる。これに応じて、スイッチ240は、呼トラフィックを、無線速度で対応するピアリングパートナー130に(332a)、有線速度で顧客120に関連したトランクグループ314に(332b)、又は顧客120に(332c)送信する。顧客120と関連したトランクグループ314は、広帯域幹線を通してピアリング基盤110に接続することができる。無線トラフィックに対して、ピアリングパートナー130は、例えば、専用セッション開始プロトコル(SIP)幹線、又は時分割多重(TDM)接続を通してピアリング基盤110に接続することができる。
【0027】
有線速度、又は無線速度は、顧客120に課せられる。有線速度は、無線速度と異なることができる。例えば、有線速度は、無線速度より高い速度とすることができ、これにより、ピアリンググリッド100上で無線トラフィックをルートする利益を顧客120に提供する。更に、無線速度は、顧客120から送られた無線トラフィックの量に基づくものとすることができ、より多くの無線トラフィックの送信はより低い速度をもたらし、顧客120に、ピアリンググリッド100上で無線トラフィックを送信するための更なる動機付けを与える。このように、無線トラフィックは、有線トラフィックと同じ速度に依存しない。
【0028】
顧客120により生成された呼トラフィックをルーティングするための適切な速度を顧客120に課す(charge)ことに関して、ピアリング基盤110は、請求(billing)を目的として、ピアリング基盤110により滞りなくルートされる呼トラフィックに関連した詳細の経過を記録することができる。ルーティングエンジン230、その他の専用エンジン(図示されない)、又は外部請求モジュール(図示されない)は、例えば、無線又は有線であろうが、滞りなくルートされた呼トラフィックの分(minute)数、又は呼数を追跡することができ、そしてあらかじめ決められた請求期間の終わりに、又はその他の決められた間隔で、それぞれの顧客120に呼の詳細記録を送ることができる。
【0029】
図4は、ピアリンググリッド内で呼をルーティングするための方式を説明するフローチャートであり、ピアリンググリッドは、複数の顧客120がピアリング基盤110を介して1以上のピアリングパートナー130と相互接続されるピアリンググリッド100などである。ピアリングパートナー130は、専用SIP幹線、又はTDM接続を介してピアリング基盤110に接続され、顧客120は、SIP接続を通してピアリング基盤110に接続される。
【0030】
405において、無線情報は、例えば、無線データソース150から受信される。無線情報は、無線番号と無線サービス・プロバイダーに関連した更新情報を示すことができる。更新情報は、無線電話番号が登録されるピアリングパートナー130を示す無線ルーティング情報を含むことができる。無線情報は、登録エントリーの形式とすることができ、1つの登録エントリーは、NPANXX番号、及び関連したピアリングパートナー130に対応する。その他の情報は、例えば、請求情報、ユーザ情報、顧客同意情報、及びユーザ嗜好などの登録エントリーに含めることができる。
【0031】
410において、無線情報は、ピアリング基盤110により、例えば、ピアリング基盤110の記憶装置要素220(即ち、メモリ)内に格納される。無線情報は、呼トラフィックを無線又は有線トラフィックに分類するため、呼トラフィックのパラメータを分析することに使用できる。
【0032】
415において、顧客120からの呼トラフィックは、ピアリング基盤110により受信される。例えば、ピアリング基盤110のスイッチ240は、呼トラフィックを受信し、ルーティングエンジン230に呼トラフィックパラメータを伝送することができる。
【0033】
420において、呼トラフィックのパラメータは、呼トラフィックを無線又は有線トラフィックに分類するため、例えば、ルーティングエンジン230により分析される。呼トラフィックは、例えば、呼トラフィックと関連した目的地ルーティング情報を含むシグナリング情報を有することができる。呼トラフィックパラメータの分析は、目的地ルーティング情報を分析すること、そして、目的地ルーティング情報と記憶装置要素220に格納された無線電話番号に関連した更新情報の間で一致が存在するかどうかを判定することを含む。
【0034】
405と410それぞれにおける無線情報の受信と格納は、415と420それぞれにおける顧客からの特定の呼トラフィックの受信又は分析のどちらか一方より先の任意の時点において、任意の回数生じる。例えば、新しく更新された無線情報は、月1回、又はLERGにより発行されるようなその他の規則的な期間で供給される。
【0035】
420において、呼トラフィックの分析は、呼トラフィックの分類をもたらす。分類は、呼トラフィックが有線トラフィック(即ち、固定電話(landline telephone)専用のトラフィック)、又は無線トラフィック(即ち、無線装置専用のトラフィック)であるかを示す。そのような分類は、呼トラフィックのルーティングと評価(rating)を決定するために使われる。例えば、呼トラフィックの分析が、目的地ルーティング情報と更新情報の間に一致が存在することを示す場合、呼トラフィックは、無線トラフィックとして分類される。一方、一致が存在しない場合、呼トラフィックは、有線トラフィックとして分類される。あるいは、呼トラフィックを生成した顧客120と関連したトランクグループ314の目的地アドレスを示すように、一致が存在する。そのような一致がピアリングパートナー130を示さない場合、呼トラフィックは、有線トラフィックとして分類される。
【0036】
425において、無線トラフィックに対して、呼トラフィックが承認される。430において、呼トラフィックは、対応するピアリングパートナー130に無線速度で送信され、呼トラフィックは、ピアリンググリッド100のピアリングパートナー130により登録された電話番号に向かう。
【0037】
呼トラフィックが有線トラフィックとして分類される場合、例えば、呼トラフィックを生成する顧客120とあらかじめ設定した条件に依存して、異なる動作を行うことができる。435において、有線トラフィックに対して、呼トラフィックが承認される。呼トラフィックの承認、そしてそれ故に、ピアリング基盤110による呼トラフィックをルートするための合意は、顧客120との合意に基づくことができる。440において、承認された有線の呼トラフィックは、有線速度で送信され、これは、顧客120と関連したトランクグループ314との接続を介して呼トラフィックを送信すること、及び顧客120に関連する有線速度を課すことを含む。
【0038】
上記のように、有線速度又は無線速度は、顧客120に課せられ、有線速度は、無線速度と異なる。例えば、有線速度は、無線速度より高い速度とすることができ、それゆえに顧客120にピアリンググリッド100上で無線トラフィックをルートするための動機を提供する。更に、顧客120当たりの呼トラフィックの量が増加するに従い、速度は減少する。
【0039】
445において、何らのタイプの合意に至っていない顧客120からの有線トラフィックに対して、又はその顧客120又は呼トラフィックにおける特定の状況が一致していない場合、呼トラフィックは顧客120に返送される。この時点において、顧客120は、希望するならば、他のグリッドを通して、又は他の手段によって、トラフィックをルートすることを試みることができる。
【0040】
顧客120とピアリングパートナー130のピアリンググリッド100に含まれるピアリング基盤110は、それ故に、顧客120により生成された受信呼トラフィックが無線呼トラフィックであるかを分析して、決定することを有利に実行する。ピアリング基盤110は、顧客120に課せられた無線速度において、呼トラフィックと関連したピアリングパートナー130に無線呼トラフィックを送信する。無線速度の使用は、顧客120に、ピアリング基盤110にそれらの呼トラフィックを向けるように促す。
【0041】
上記の例は、単に説明を目的として示されたものであり、制限するものとして解釈されるものではない。様々な例に対する参照が示されているが、ここで使用される用語は、制限の用語ではなく、記載と説明の用語である。更に、特定の手段、材料、及び例に対する参照が示されているが、ここで記載された個々の事項に制限はない。むしろ、添付の請求項の範囲内にあるように、例は、全ての機能的に同等な構造物、方法、及び使用に及ぶ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピアリンググリッド内で呼をルーティングするための方法であって、該ピアリンググリッドは、ピアリング基盤を介して複数のピアリングパートナーの1つ以上と相互接続された複数の顧客を有し、該方法は、
前記ピアリング基盤において、顧客からの呼トラフィックを受信するステップと、
前記呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、前記呼トラフィックのパラメータを分析するステップと、
無線トラフィックに対して、前記呼トラフィックを承認し、ピアリングパートナーとの接続を介して、該ピアリングパートナーに、無線速度で前記呼トラフィックを送信するステップであって、前記呼トラフィックは、前記ピアリンググリッドの前記ピアリングパートナーにより登録された電話番号を目的地とするステップと、
有線トラフィックに対して、(i)前記呼トラフィックを前記顧客に返送する、又は(ii)前記呼トラフィックを承認し、有線速度で前記呼トラフィックを送信する、のうちの1つの処理を実行するステップと、
を有し、
前記有線速度は、前記無線速度と異なり、前記有線速度又は無線速度は、前記顧客に課せられ、
前記受信する、分析する、承認する、及び送信するステップは、前記ピアリング基盤における処理装置により実行され、前記処理装置は、メモリー装置からの命令にアクセスし、該命令の実施により、上記受信する、分析する、承認する、及び送信するステップのそれぞれが実行される、方法。
【請求項2】
有線トラフィックに対する処理を実行する前記ステップは、前記呼トラフィックを生成する前記顧客との事前設定条件に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピアリングパートナーとの前記接続は、専用セッション開始プロトコル(SIP)幹線、又は時分割多重(TDM)接続を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
有線速度で前記呼トラフィックを送信する前記ステップは、前記顧客と関連したトランクグループとの接続を介して、前記呼トラフィックを送信するステップ、及び関連する有線速度を前記顧客に課するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
無線電話番号に関連した更新情報を受信するステップを更に有し、該更新情報は無線ルーティング情報を有し、該無線ルーティング情報は前記無線電話番号が登録されている前記ピアリングパートナーを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、前記呼トラフィックのパラメータを分析する前記ステップは、
前記呼トラフィックに関連した目的地ルーティング情報を分析するステップと、
前記目的地ルーティング情報と無線電話番号に関連した前記更新情報の間で一致が存在するかを決定するステップと、
一致が存在する場合、前記呼トラフィックを無線トラフィックとして分類するステップと、
一致が存在しない場合、前記呼トラフィックを有線トラフィックとして分類するステップと、
を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記呼トラフィックは、シグナリング情報を有し、該シグナリング情報は、前記目的地ルーティング情報を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記更新情報は、地域電話ルーティングガイド(LERG)により提供され、前記無線ルーティング情報は、市外局番中央局(交換機)コード(NPANXX)番号を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
無線電話番号に関連した前記更新情報を格納するステップを更に有し、前記格納された更新情報は、前記呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、前記呼トラフィックの前記パラメータを分析するために使用される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
ピアリンググリッド内で呼をルーティングするためのピアリング基盤であって、該ピアリンググリッドは、顧客とピアリングパートナーとの間で呼トラフィックを伝送するため、複数のピアリングパートナーの1つ以上と相互接続された複数の顧客を有し、該ピアリング基盤は、
顧客からの呼トラフィックを受信するよう構成されたスイッチと、
前記呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、前記呼トラフィックのパラメータを分析するよう構成されたルーティングエンジンと、
を有し、前記スイッチは、
無線トラフィックに対して、前記呼トラフィックを承認し、ピアリングパートナーとの接続を介して、該ピアリングパートナーに、無線速度で前記呼トラフィックを送信し、前記呼トラフィックは、前記ピアリンググリッドの前記ピアリングパートナーにより登録された電話番号を目的地とし、
有線トラフィックに対して、(i)前記呼トラフィックを前記顧客に返送する、又は(ii)前記呼トラフィックを承認し、有線速度で前記呼トラフィックを送信する、のうちの1つの処理を実行する、
よう更に構成され、
前記有線速度は、前記無線速度と異なり、前記有線速度又は無線速度は、前記顧客に課せられる、ピアリング基盤。
【請求項11】
有線トラフィックに対する処理を実行するよう構成された前記スイッチは、前記呼トラフィックを生成する前記顧客との事前設定条件に従う、請求項10に記載のピアリング基盤。
【請求項12】
前記ピアリングパートナーとの前記接続は、専用セッション開始プロトコル(SIP)幹線、又は時分割多重(TDM)接続を有する、請求項10に記載のピアリング基盤。
【請求項13】
有線速度で前記呼トラフィックを送信するよう構成された前記スイッチは、前記顧客と関連したトランクグループとの接続を介して、前記呼トラフィックを送信し、関連する有線速度を前記顧客に課するスイッチを有する、請求項10に記載のピアリング基盤。
【請求項14】
無線電話番号に関連した更新情報を受信するよう構成された通信インタフェースを更に有し、該更新情報は無線ルーティング情報を有し、該無線ルーティング情報は前記無線電話番号が登録されている前記ピアリングパートナーを示す、請求項10に記載のピアリング基盤。
【請求項15】
前記呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、前記呼トラフィックのパラメータを分析するよう構成された前記ルーティングエンジンは、
前記呼トラフィックに関連した目的地ルーティング情報を分析し、
前記目的地ルーティング情報と無線電話番号に関連した前記更新情報の間で一致が存在するかを決定し、
一致が存在する場合、前記呼トラフィックを無線トラフィックとして分類し、
一致が存在しない場合、前記呼トラフィックを有線トラフィックとして分類するルーティングエンジンを有する、請求項14に記載のピアリング基盤。
【請求項16】
前記呼トラフィックは、シグナリング情報を有し、該シグナリング情報は、前記目的地ルーティング情報を有する、請求項15に記載のピアリング基盤。
【請求項17】
前記更新情報は、地域電話ルーティングガイド(LERG)により提供され、前記無線ルーティング情報は、市外局番中央局(交換機)コード(NPANXX)番号を有する、請求項14に記載のピアリング基盤。
【請求項18】
無線電話番号に関連した前記更新情報を格納するよう構成された記憶装置を更に有し、前記格納された更新情報は、前記呼トラフィックを無線又は有線トラフィックとして分類するため、前記呼トラフィックの前記パラメータを分析するために使用される、請求項14に記載のピアリング基盤。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−100263(P2012−100263A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237080(P2011−237080)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(510175609)インテレピア,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】