説明

通信プログラム、通信装置、通信システム、及び利用者装置

【課題】通信の信頼性を従来よりも向上させることができる通信プログラム、通信装置、通信システム、及び利用者装置を提供する。
【解決手段】通信網に接続された通信装置にて実行される通信プログラムであって、利用者特定情報を含む通信要求メッセージを前記通信網から受信するステップと、前記受信した通信要求メッセージに含まれる情報に基づいて前記受信した通信要求メッセージが前記利用者特定情報により特定される利用者装置に接続された通信装置から送信されたものであると判定した場合に、前記通信要求メッセージに応じた通信を行うステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信プログラム、通信装置、通信システム、及び利用者装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着端末宛呼設定メッセージ(IAM)の順方向呼表示パラメータが国際呼で、かつ発番号パラメータの表示種別が表示可である時に、着端末宛SETUPメッセージに国際呼の旨の表示情報を付与する加入者交換機が提案された(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−304126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、今後は、通信の信頼性を従来よりも向上させることが必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、通信の信頼性を従来よりも向上させることができる通信プログラム、通信装置、通信システム、及び利用者装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記課題は、次の手段により解決される。
【0007】
本発明は、通信網に接続された通信装置にて実行される通信プログラムであって、利用者特定情報を含む通信要求メッセージを前記通信網から受信するステップと、前記受信した通信要求メッセージに含まれる情報に基づいて前記受信した通信要求メッセージが前記利用者特定情報により特定される利用者装置に接続された通信装置から送信されたものであると判定した場合に、前記通信要求メッセージに応じた通信を行うステップと、を有することを特徴とする通信プログラムである。
【0008】
また、本発明は、通信網に接続された通信装置にて実行される通信プログラムであって、利用者特定情報を含む通信要求メッセージを前記通信網から受信するステップと、前記受信した通信要求メッセージに含まれる利用者特定情報に信用がある及び/又は悪意がないと判定した場合に、前記通信要求メッセージに応じた通信を行うステップと、を有することを特徴とする通信プログラムである。
【0009】
また、本発明は、前記通信要求メッセージに応じた通信を行うステップにおいて、前記利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は前記利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理、あるいは、前記利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は前記利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理を行う、ことを特徴とする上記の通信プログラムである。
【0010】
また、本発明は、前記通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理に課金レート情報を用いる、ことを特徴とする上記の通信プログラムである。
【0011】
また、本発明は、上記の通信プログラムを実行することを特徴とする通信装置である。
【0012】
また、本発明は、上記の通信装置に前記通信要求メッセージを送信することを特徴とする通信装置である。
【0013】
また、本発明は、上記の通信装置を備えた通信システムである。
【0014】
また、本発明は、上記の通信装置に接続された利用者装置であって、利用者識別子を受信する手段と、上記の通信装置から利用者特定情報を受信する手段と、前記受信した利用者識別子と利用者特定情報とを用いて認証を行う手段と、を備えたことを特徴とする利用者装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通信の信頼性を従来よりも向上させることができる通信プログラム、通信装置、通信システム、及び利用者装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信システムの第1動作例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
[通信システム]
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る通信システムは、第1通信網10と、第2通信網20と、第3通信網30と、を有している。
【0020】
第1通信網10には、通信装置11、12が接続され、通信装置11、12には利用者装置13、14がそれぞれ接続されている。また、第2通信網20には、通信装置21、22が接続され、通信装置21には利用者装置23が接続されている。また、第3通信網30には、通信装置31、32が接続され、通信装置31、32には利用者装置33、34がそれぞれ接続されている。
【0021】
(通信網)
通信網としては、例えば、加入者電話網、IP電話網、インターネット、SMS(ショートメッセージサービス)、VPN(Virtual Private Network)、ピアツーピア網(Peer to Peer網)などを用いることができる。
【0022】
(通信装置)
通信装置としては、例えば、加入者交換機、SIPプロキシサーバ(Session Initiation Protocol Proxy Server)、ルーター、サーバコンピュータなどを用いることができる。
【0023】
通信装置は、CPUや記憶手段など(図示せず)を備えており、記憶手段(図示せず)に記憶された通信プログラムを実行することにより動作する。なお、通信装置における各種の処理は、本実施形態のように通信プログラムによってソフトウェアで行うことができるが、ハードウェアで行うことも可能である。
【0024】
(利用者装置)
利用者装置としては、例えば、加入者電話機、IP電話機、携帯電話、スマートフォン、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータなどを用いることができる。
【0025】
なお、通信装置と利用者装置とは、1つの装置として構成することもできるし、別個の装置として構成することもできる。別個の装置として構成する場合、通信装置と利用者装置とは、有線アクセス網、無線アクセス網、LAN(Local Area Network)など(図示せず)で接続することができる。
【0026】
(通信要求メッセージ)
通信要求メッセージは、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、「TTC標準 JJ−90.10 相互接続共通インタフェース仕様(Inter−Carrier Interface based on ISUP)、社団法人情報通信技術委員会、第7.1版、2006年9月5日制定」に規定されたIAM(Initial Address Message)に該当する。また、SIP(Session Initiation Protocol)の場合は、INVITEメッセージなどを通信要求メッセージとして用いることができる。
【0027】
(利用者特定情報)
利用者特定情報としては、例えば、電話番号や文字列などを用いることができる。
【0028】
(通信料金)
通信料金としては、例えば、電話料金などを用いることができる。
【0029】
(利用者識別子)
利用者識別子としては、例えば、文字列からなるアカウントIDなどを用いることができる。
【0030】
[本発明の実施形態に係る通信システムの第1動作例]
図2は、本発明の実施形態に係る通信システムの第1動作例を示す図である。
【0031】
本発明の実施形態に係る通信システムの第1動作例では、第1通信網10に接続された利用者装置13と第1通信網10に接続された利用者装置14との間で通話が行われる。以下、図2を参照しつつ、詳細に説明する。
【0032】
(ステップS101)
まず、利用者装置13が、通信装置11に対して、利用者装置14の電話番号を送信する。
【0033】
(ステップS102)
次に、通信装置11が、利用者装置14の電話番号に基づき、利用者装置14に接続された通信装置12に対して、通信要求メッセージを送信する。この通信要求メッセージには、利用者装置13の電話番号や利用者装置14の電話番号などが含まれる。
【0034】
(ステップS103)
次に、通信装置12が、通信要求メッセージを受信し、通信装置11に対して、応答メッセージを送信する。この応答メッセージは、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、ACM(Address Complete Message)に該当する。応答メッセージには、「TTC標準 JJ−90.10 相互接続共通インタフェース仕様(Inter−Carrier Interface based on ISUP)、社団法人情報通信技術委員会、第7.1版、2006年9月5日制定」に規定された課金情報遅延などが含まれる。
【0035】
(ステップS104)
次に、通信装置12が、通信要求メッセージに含まれる情報に基づいて通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものであるか否かを判定する。この判定は、例えば、通信要求メッセージに含まれる情報が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0036】
より具体的に説明すると、通信装置12は、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、通信要求メッセージとしてのIAM(Initial Address Message)に含まれる情報(メッセージ種別、接続特性表示、順方向呼表示、発ユーザ種別、中継網選択、通信路要求表示、着番号、発番号、オプション順方向呼表示、転送元番号、着信転送情報、第一着番号、ユーザ・ユーザ情報、アクセス転送、ユーザサービス情報、汎用番号、料金区域情報、契約者番号、PHS端末識別番号、発信者番号非通知理由、国内用リダイレクション理由、付加ユーザ種別、事業者情報転送、リダイレクション能力、着ディレクトリ番号、リダイレクション回数、リダイレクション順方向情報、オプションパラメータ終了表示など)の全部または一部が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0037】
(ステップS105)
通信装置12は、通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものでないと判定した場合、通信装置11に対して、通話不可メッセージを送信する。
【0038】
(ステップS106)
通信装置11は、通話不可メッセージを受信した場合、利用者装置13に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置13の電話番号に問題があるため利用者装置14との通話が不可とされたことを警告するメッセージである。例えば、「この電話番号からは掛けられません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0039】
(ステップS107)
他方、通信装置12は、通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものであると判定した場合、利用者装置14に対して、呼出メッセージを送信する。
【0040】
(ステップS108)
利用者装置14が呼出メッセージに応じた場合、通信装置12は、通信装置11に対して、応答メッセージを送信し、利用者装置14が電話に出たことを通知する。
【0041】
(ステップS109)
次に、通信装置11と利用者装置13との間で音声データの送受信が可能となり、利用者装置13と利用者装置14との間で通話が開始される。
【0042】
以上、本発明の実施形態に係る通信システムの第1動作例について説明したが、この第1動作例によれば、通信装置12は、通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものであると判定した場合に、通信要求メッセージに応じた通信を行う。
【0043】
したがって、本発明の実施形態に係る通信システムの第1動作例によれば、通信装置12により、利用者装置13以外の装置から利用者装置13になりすまして通信を行うことが阻止されるため、通信の信頼性を従来よりも向上させることが可能となる。
【0044】
[本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例]
図3は、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例を示す図である。
【0045】
本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例では、第1通信網10に接続された利用者装置13から、第2通信網20に接続された利用者装置23へ、電話料金を用いた送金が行われる。以下、図3を参照しつつ、詳細に説明する。
【0046】
(ステップS201)
まず、利用者装置13が、通信装置11に対して、通信装置21の電話番号を送信する。
【0047】
(ステップS202)
次に、通信装置11が、通信装置21の電話番号に基づき、通信装置21に対して、通信要求メッセージを送信する。この通信要求メッセージには、利用者装置13の電話番号などが含まれる。
【0048】
(ステップS203)
次に、通信装置21が、通信要求メッセージを受信し、通信装置11に対して、応答メッセージを送信する。この応答メッセージは、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、ACM(Address Complete Message)に該当する。応答メッセージには、「TTC標準 JJ−90.10 相互接続共通インタフェース仕様(Inter−Carrier Interface based on ISUP)、社団法人情報通信技術委員会、第7.1版、2006年9月5日制定」に規定された課金情報遅延などが含まれる。
【0049】
(ステップS204)
次に、通信装置21が、通信要求メッセージに含まれる情報に基づいて、通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものであるか否かを判定する。この判定は、例えば、通信要求メッセージに含まれる情報が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0050】
より具体的に説明すると、通信装置21は、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、通信要求メッセージとしてのIAM(Initial Address Message)に含まれる情報(メッセージ種別、接続特性表示、順方向呼表示、発ユーザ種別、中継網選択、通信路要求表示、着番号、発番号、オプション順方向呼表示、転送元番号、着信転送情報、第一着番号、ユーザ・ユーザ情報、アクセス転送、ユーザサービス情報、汎用番号、料金区域情報、契約者番号、PHS端末識別番号、発信者番号非通知理由、国内用リダイレクション理由、付加ユーザ種別、事業者情報転送、リダイレクション能力、着ディレクトリ番号、リダイレクション回数、リダイレクション順方向情報、オプションパラメータ終了表示など)の全部または一部が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0051】
(ステップS205)
通信装置21は、通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものでないと判定した場合、通信装置11に対して、送金不可メッセージを送信する。
【0052】
(ステップS206)
通信装置11は、送金不可メッセージを受信した場合、利用者装置13に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置13の電話番号に問題があるため利用者装置23への送金が不可とされたことを警告するメッセージである。例えば、「この電話番号からは送金できません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0053】
(ステップS207)
他方、通信装置21は、通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものであると判定した場合、利用者装置13の電話番号に対応付けられた履歴データ(送金履歴や返済履歴など)を通信装置21が備える記憶手段(図示せず)や通信網上の他の装置などから読み出し、この読み出した履歴データ(送金履歴や返済履歴など)に基づいて利用者装置13の電話番号に信用があるか否かを判定する。この判定は、例えば、読み出した履歴データ(送金履歴や返済履歴など)の中に、所定の履歴データ(送金履歴や返済履歴など)が含まれているか否かを判定することにより行う。
【0054】
(ステップS208)
通信装置21は、利用者装置13の電話番号に信用がないと判定した場合、通信装置11に対して、送金不可メッセージを送信する。
【0055】
(ステップS209)
通信装置11は、送金不可メッセージを受信した場合、利用者装置13に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置13の電話番号に問題があるため利用者装置23への送金が不可とされたことを警告するメッセージである。例えば、「この電話番号からは送金できません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0056】
(ステップS210)
他方、通信装置21は、利用者装置13の電話番号に信用があると判定した場合、利用者装置13の電話番号に対応付けられた履歴データ(送金履歴など)を通信装置21が備える記憶手段(図示せず)や通信網上の他の装置などから読み出し、この読み出した履歴データ(送金履歴など)に基づいて利用者装置13の電話番号に悪意があるか否かを判定する。この判定は、例えば、読み出した履歴データ(送金履歴など)の中に、所定の履歴データ(送金履歴など)が含まれているか否かを判定することにより行う。
【0057】
(ステップS211)
通信装置21は、利用者装置13の電話番号に悪意があると判定した場合、通信装置11に対して、送金不可メッセージを送信する。
【0058】
(ステップS212)
通信装置11は、送金不可メッセージを受信した場合、利用者装置13に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置13の電話番号に問題があるため利用者装置23への送金が不可とされたことを警告するメッセージである。例えば、「この電話番号からは送金できません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0059】
(ステップS213)
他方、通信装置21は、利用者装置13の電話番号に悪意がないと判定した場合、通信装置11に対して、承諾メッセージを送信する。この承諾メッセージは、利用者装置13との通信を承諾することを示すメッセージである。
【0060】
(ステップS214)
次に、通信装置11が、利用者装置13に対して、準備完了メッセージを送信する。この準備完了メッセージは、通信装置21との通信の準備が完了したことを示すメッセージである。
【0061】
(ステップS215)
次に、利用者装置13が、通信装置11に対し、利用者装置23の電話番号と送金額とを送信する。
【0062】
(ステップS216)
次に、通信装置11が、通信装置21に対し、利用者装置23の電話番号と送金額とを送信する。
【0063】
(ステップS217)
次に、通信装置21が、利用者装置23の電話番号に対応付けられた電話料金から送金額を減算するとともに、通信装置11に対し、送金額を含む課金レート情報を送信する。この課金レート情報に基づいて、通信装置11は、利用者装置13の電話番号に対応付けられた電話料金に送金額を加算する。
【0064】
なお、通信装置21は、ステップS216で通信装置11から利用者装置23の電話番号と送金額とを受信した後、利用者装置23の電話番号に基づいて利用者装置13の電話番号に悪意がないか否かを判定し、利用者装置13の電話番号に悪意がないと判定した場合に、ステップS217の処理を実行してもよい。
【0065】
また、通信装置21は、ステップS216で通信装置11から利用者装置23の電話番号と送金額とを受信した後に、信用の判定を行うことができる。
【0066】
この場合、通信装置21は、利用者装置13の電話番号に対応付けられた履歴データ(送金履歴や返済履歴など)を通信装置21が備える記憶手段(図示せず)や通信網上の他の装置などから読み出し、この読み出した履歴データ(送金履歴や返済履歴など)に基づいて、通信装置11から受信した利用者装置23の送金額を送金する信用が利用者装置13の電話番号にあるか否かを判定する。
【0067】
このようにすれば、通信装置21は、例えば利用者装置13の電話番号には3万円以下の送金を行う信用があり、送金額が3万円以下であれば通信要求メッセージに応じた処理を行うが、そうでなければ送金不可メッセージを送信するというような処理を行うことが可能となる。
【0068】
(ステップS218)
次に、通信装置21が、利用者装置23に対して、入金メッセージを送信する。この入金メッセージは、例えば、利用者装置23の留守番電話に録音したりSMS(ショートメッセージサービス)により通知したり、することができる。
【0069】
(ステップS219)
次に、通信装置11が、利用者装置13に対して、送金完了メッセージを送信する。この送金完了メッセージは、例えば、利用者装置13の留守番電話に録音したりSMS(ショートメッセージサービス)により通知したり、することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例について説明したが、この第2動作例によれば、第1通信網10に接続された利用者装置13から、第2通信網20に接続された利用者装置23に対して、電話料金を用いた送金が可能となる。
【0071】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例によれば、通信装置21は、通信要求メッセージが利用者装置13に接続された通信装置11から送信されたものであると判定した場合に、通信要求メッセージに応じた通信を行う。
【0072】
したがって、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例によれば、通信装置21により、利用者装置13以外の装置から利用者装置13になりすまして利用者装置13の電話番号に対応付けられた電話料金を用いた送金を行うことが阻止されるため、通信の信頼性を従来よりも向上させることが可能となる。
【0073】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例によれば、利用者装置13の電話番号に信用がある場合に限り、利用者装置23への送金が行われるようになるため、利用者装置13の電話料金から利用者装置23の電話料金へ送金された送金額を、後日、利用者装置13の電話料金から安全に徴収することが可能となる。
【0074】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例によれば、利用者装置13の電話番号に悪意がない場合に限り、利用者装置23への送金が行われるようになるため、利用者装置13の電話料金から利用者装置23の電話料金への送金がマネーロンダリングなどに利用されることを防止することが可能となる。
【0075】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例によれば、電話料金に対して所定の金額(すなわち、送金額)を加算したり減算したりする処理を、通信装置に課金レート情報を送信することにより行う。
【0076】
したがって、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例によれば、複数の通信網(第1通信網10、第2通信網20)が異なる事業者により運営される場合であっても、通信システム上で、電話料金を相殺することによって送金を行うことが可能となる。
【0077】
より具体的に説明すると、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例では、例えば、課金レート情報(TTC標準 JT−Q764 ISUP信号手順(ISUP signalling procedures)、社団法人情報通信技術委員会、第12版、2002年5月30日制定、付属資料a)に含まれる課金情報パラメータ(TTC標準 JT−Q763 ISUPフォーマットおよびコード(ISUP formats and codes)、社団法人情報通信技術委員会、第21.1版、2006年9月5日制定)内の単位料金に、「送金額÷通話時間」により算出した値を代入し、相手方事業者(ユーザ料金請求事業者)に送信することにより、擬似的に送金額と同等の通話料金を発生させる。
【0078】
このため、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例によれば、既存の複数の事業者からなる電話網システムを、ほとんど改変すること無く送金網システムに変換することができる。この場合、通信装置の運営事業者は、ユーザ料金決定事業者となる。
【0079】
なお、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例では、通信要求メッセージが利用者特定情報により特定される利用者装置に接続された通信装置から送信されたものであると判定され、さらに、利用者特定情報に信用があり、且つ利用者特定情報に悪意がないと判定された場合に、通信要求メッセージに応じた通信が行われる形態の一例について説明した。
【0080】
しかしながら、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例では、利用者特定情報に信用があり及び/又は利用者特定情報に悪意がないと判定された場合に、通信要求メッセージに応じた通信が行われるようにしてもよい。
【0081】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例では、利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理が行われる形態の一例について説明した。
【0082】
しかしながら、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例では、例えば、利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理を行ってもよい。
【0083】
[本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例]
図4は、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例を示す図である。
【0084】
本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例では、第1通信網10に接続された利用者装置13から、第2通信網20に接続された通信装置22を介して、第3通信網30に接続された利用者装置33へ請求が行われ、第3通信網30に接続された利用者装置33から、第2通信網20に接続された通信装置22を介して、第1通信網10に接続された利用者装置13へ、電話料金を用いた送金が行われる。以下、図4を参照しつつ、詳細に説明する。
【0085】
(ステップS301)
まず、利用者装置13が、通信装置11に対して、通信装置22の電話番号と、利用者装置33の電話番号と、請求額と、を送信する。
【0086】
(ステップS302)
次に、通信装置11が、通信装置22の電話番号に基づき、通信装置22に対して、通信要求メッセージを送信する。この通信要求メッセージには、利用者装置13の電話番号や利用者装置33の電話番号や請求額などが含まれる。
【0087】
(ステップS303)
次に、通信装置22が、利用者装置33の電話番号に基づき、通信装置31に対して、通信要求メッセージを送信する。この通信要求メッセージには、利用者装置13の電話番号や利用者装置33の電話番号や請求額などが含まれる。
【0088】
(ステップS304)
次に、通信装置31が、利用者装置33の電話番号に基づき、利用者装置33に対して、請求メッセージを送信する。この請求メッセージは、通信装置22から受信した通信要求メッセージに含まれる請求額の請求が利用者装置13からなされた旨を示すメッセージである。請求メッセージは、例えば、利用者装置33の留守番電話に録音したりSMS(ショートメッセージサービス)により通知したり、することができる。
【0089】
(ステップS305)
次に、利用者装置33が、通信装置31に対して、応答メッセージを送信する。応答メッセージは、利用者装置13からの請求に応じる旨を示すメッセージである。
【0090】
(ステップS306)
次に、通信装置31が、通信装置22に対して、通信要求メッセージを送信する。この通信要求メッセージには、利用者装置33の電話番号などが含まれる。
【0091】
(ステップS307)
次に、通信装置22が、通信要求メッセージを受信し、通信装置31に対して、応答メッセージを送信する。この応答メッセージは、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、ACM(Address Complete Message)に該当する。応答メッセージには、「TTC標準 JJ−90.10 相互接続共通インタフェース仕様(Inter−Carrier Interface based on ISUP)、社団法人情報通信技術委員会、第7.1版、2006年9月5日制定」に規定された課金情報遅延などが含まれる。
【0092】
(ステップS308)
次に、通信装置22が、通信要求メッセージに含まれる情報に基づいて、通信要求メッセージが利用者装置33に接続された通信装置31から送信されたものであるか否かを判定する。この判定は、例えば、通信要求メッセージに含まれる情報が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0093】
より具体的に説明すると、通信装置22は、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、通信要求メッセージとしてのIAM(Initial Address Message)に含まれる情報(メッセージ種別、接続特性表示、順方向呼表示、発ユーザ種別、中継網選択、通信路要求表示、着番号、発番号、オプション順方向呼表示、転送元番号、着信転送情報、第一着番号、ユーザ・ユーザ情報、アクセス転送、ユーザサービス情報、汎用番号、料金区域情報、契約者番号、PHS端末識別番号、発信者番号非通知理由、国内用リダイレクション理由、付加ユーザ種別、事業者情報転送、リダイレクション能力、着ディレクトリ番号、リダイレクション回数、リダイレクション順方向情報、オプションパラメータ終了表示など)の全部または一部が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0094】
(ステップS309)
通信装置22は、通信要求メッセージが利用者装置33に接続された通信装置31から送信されたものでないと判定した場合、通信装置31に対して、支払不可メッセージを送信する。
【0095】
(ステップS310)
通信装置31は、支払不可メッセージを受信した場合、利用者装置33に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置33の電話番号に問題があるため利用者装置13への支払いが不可とされたことを警告するメッセージである。例えば、「この電話番号からは支払いできません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0096】
(ステップS311)
他方、通信装置22は、通信要求メッセージが利用者装置33に接続された通信装置31から送信されたものであると判定した場合、利用者装置33の電話番号に対応付けられた履歴データ(送金履歴や返済履歴など)を通信装置22が備える記憶手段(図示せず)や通信網上の他の装置などから読み出し、この読み出した履歴データ(送金履歴や返済履歴など)に基づいて利用者装置33の電話番号に信用があるか否かを判定する。この判定は、例えば、読み出した履歴データ(送金履歴や返済履歴など)の中に、所定の履歴データ(送金履歴や返済履歴など)が含まれているか否かを判定することにより行う。
【0097】
なお、通信装置22は、利用者装置33の電話番号に対応付けられた履歴データ(送金履歴や返済履歴など)を通信装置22が備える記憶手段(図示せず)や通信網上の他の装置などから読み出し、この読み出した履歴データ(送金履歴や返済履歴など)に基づいて、通信装置11から受信した請求額を送金する信用が利用者装置33の電話番号にあるか否かを判定することができる。
【0098】
このようにすれば、通信装置22は、例えば利用者装置33の電話番号には3万円以下の送金を行う信用があり、送金額が3万円以下であれば通信要求メッセージに応じた処理を行うが、そうでなければ送金不可メッセージを送信するというような処理を行うことが可能となる。
【0099】
(ステップS312)
通信装置22は、利用者装置33の電話番号に信用がないと判定した場合、通信装置31に対して、支払不可メッセージを送信する。
【0100】
(ステップS313)
通信装置31は、支払不可メッセージを受信した場合、利用者装置33に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置33の電話番号に問題があるため利用者装置13への支払いが不可とされたことを警告するメッセージである。例えば、「この電話番号からは支払いできません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0101】
(ステップS314)
他方、通信装置22は、利用者装置33の電話番号に信用があると判定した場合、利用者装置33の電話番号に対応付けられた履歴データ(送金履歴など)を通信装置22が備える記憶手段(図示せず)や通信網上の他の装置などから読み出し、この読み出した履歴データ(送金履歴など)に基づき利用者装置33の電話番号に悪意があるか否かを判定する。この判定は、例えば、読み出した履歴データ(送金履歴など)の中に、所定の履歴データ(送金履歴など)が含まれているか否かを判定することにより行う。なお、通信装置22は、さらに、利用者装置13の電話番号に基づいて利用者装置33の電話番号に悪意がないか否かを判定してもよい。
【0102】
(ステップS315)
通信装置22は、利用者装置33の電話番号に悪意があると判定した場合、通信装置31に対して、支払不可メッセージを送信する。
【0103】
(ステップS316)
通信装置31は、支払不可メッセージを受信した場合、利用者装置33に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置33の電話番号に問題があるため利用者装置13への支払いが不可とされたことを警告するメッセージである。例えば、「この電話番号からは支払いできません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0104】
(ステップS317)
他方、通信装置22は、利用者装置33の電話番号に悪意がないと判定した場合、通信装置31に対し、通信装置11から受信した通信要求メッセージに含まれる請求額を含む課金レート情報を送信する。これにより、通信装置31は、利用者装置33の電話番号に対応付けられた電話料金に請求額を加算する。
【0105】
(ステップS318)
次に、通信装置31が、利用者装置33に対して、支払完了メッセージを送信する。この支払完了メッセージは、例えば、利用者装置33の留守番電話に録音したりSMS(ショートメッセージサービス)により通知したり、することができる。
【0106】
(ステップS319)
次に、通信装置22が、通信装置11に対し、通信装置11から受信した通信要求メッセージに含まれる請求額を含む課金レート情報を送信する。これにより、通信装置11は、利用者装置13の電話番号に対応付けられた電話料金から請求額を減算する。
【0107】
(ステップS320)
次に、通信装置11が、利用者装置13に対して、入金メッセージを送信する。この入金メッセージは、例えば、利用者装置13の留守番電話に録音したりSMS(ショートメッセージサービス)により通知したり、することができる。
【0108】
以上、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例について説明したが、この第3動作例によれば、第1通信網10に接続された利用者装置13からの請求に応じて、第3通信網30に接続された利用者装置33から、第1通信網10に接続された利用者装置13に対し、電話料金を用いた送金が可能となる。
【0109】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例によれば、通信装置22は、通信要求メッセージが利用者装置33に接続された通信装置31から送信されたものであると判定した場合に、通信要求メッセージに応じた通信を行う。
【0110】
したがって、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例によれば、通信装置22により、利用者装置33以外の装置から利用者装置33になりすまして利用者装置33の電話番号に対応付けられた電話料金を用いた送金を行うことが阻止されるため、通信の信頼性を従来よりも向上させることが可能となる。
【0111】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例によれば、利用者装置33の電話番号に信用がある場合に限り、利用者装置13への送金が行われるようになるため、利用者装置33の電話料金から利用者装置13の電話料金へ送金された送金額を、後日、利用者装置33の電話料金から安全に徴収することが可能となる。
【0112】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例によれば、利用者装置33の電話番号に悪意がない場合に限り、利用者装置13への送金が行われるようになるため、利用者装置33の電話料金から利用者装置13の電話料金への送金がマネーロンダリングなどに利用されることを防止することが可能となる。
【0113】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例によれば、電話料金に対して所定の金額(すなわち、送金額)を加算したり減算したりする処理を、通信装置に課金レート情報を送信することにより行う。
【0114】
したがって、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例によれば、複数の通信網(第1通信網10、第2通信網20、第3通信網30)が異なる事業者により運営される場合であっても、通信システム上で、電話料金を相殺することによって送金を行うことが可能となる。
【0115】
より具体的に説明すると、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例では、例えば、課金レート情報(TTC標準 JT−Q764 ISUP信号手順(ISUP signalling procedures)、社団法人情報通信技術委員会、第12版、2002年5月30日制定、付属資料a)に含まれる課金情報パラメータ(TTC標準 JT−Q763 ISUPフォーマットおよびコード(ISUP formats and codes)、社団法人情報通信技術委員会、第21.1版、2006年9月5日制定)内の単位料金に、「送金額÷通話時間」により算出した値を代入し、相手方事業者(ユーザ料金請求事業者)に送信することにより、擬似的に送金額と同等の通話料金を発生させる。
【0116】
このため、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例によれば、既存の複数の事業者からなる電話網システムを、ほとんど改変すること無く送金網システムに変換することができる。この場合、通信装置の運営事業者は、ユーザ料金決定事業者となる。
【0117】
なお、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例では、通信要求メッセージが利用者特定情報により特定される利用者装置に接続された通信装置から送信されたものであると判定され、さらに、利用者特定情報に信用があり、且つ利用者特定情報に悪意がないと判定された場合に、通信要求メッセージに応じた通信が行われる形態の一例について説明した。
【0118】
しかしながら、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例では、利用者特定情報に信用があり及び/又は利用者特定情報に悪意がないと判定された場合に、通信要求メッセージに応じた通信が行われるようにしてもよい。
【0119】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例では、利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理が行われる形態の一例について説明した。
【0120】
しかしながら、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例では、例えば、利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理を行ってもよい。
【0121】
[本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例]
図5は、本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例を示す図である。
【0122】
本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例では、第3通信網30に接続された利用者装置33が第3通信網30に接続された利用者装置34へログインするに当たり、第2通信網20に接続された利用者装置23が用いられる。以下、図5を参照しつつ、詳細に説明する。
【0123】
(ステップS401)
まず、利用者装置33が、通信装置31に対して、利用者識別子を送信する。
【0124】
(ステップS402)
次に、通信装置31が、通信装置32に対して、利用者識別子を送信する。
【0125】
(ステップS403)
次に、通信装置32が、利用者装置34に対して、利用者識別子を送信する。
【0126】
(ステップS404)
次に、利用者装置23が、通信装置21に対して、利用者装置34の電話番号を送信する。
【0127】
(ステップS405)
次に、通信装置21が、利用者装置34の電話番号に基づき、通信装置32に対して、通信要求メッセージを送信する。この通信要求メッセージには、利用者装置23の電話番号や利用者装置34の電話番号などが含まれる。
【0128】
(ステップS406)
次に、通信装置32が、通信要求メッセージを受信し、通信装置21に対して、応答メッセージを送信する。
【0129】
(ステップS407)
次に、通信装置32が、通信要求メッセージに含まれる情報に基づいて、通信要求メッセージが利用者装置23に接続された通信装置21から送信されたものであるか否かを判定する。この判定は、例えば、通信要求メッセージに含まれる情報が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0130】
より具体的に説明すると、通信装置32は、例えば、ISUP(ISDN User Part)の場合、通信要求メッセージとしてのIAM(Initial Address Message)に含まれる情報(メッセージ種別、接続特性表示、順方向呼表示、発ユーザ種別、中継網選択、通信路要求表示、着番号、発番号、オプション順方向呼表示、転送元番号、着信転送情報、第一着番号、ユーザ・ユーザ情報、アクセス転送、ユーザサービス情報、汎用番号、料金区域情報、契約者番号、PHS端末識別番号、発信者番号非通知理由、国内用リダイレクション理由、付加ユーザ種別、事業者情報転送、リダイレクション能力、着ディレクトリ番号、リダイレクション回数、リダイレクション順方向情報、オプションパラメータ終了表示など)の全部または一部が正常か否か(例えば、予め定められた値であるか否かなど)を判定することにより行う。
【0131】
(ステップS408)
通信装置32は、通信要求メッセージが利用者装置23に接続された通信装置21から送信されたものでないと判定した場合、通信装置21に対して、ログイン不可メッセージを送信する。
【0132】
(ステップS409)
通信装置21は、ログイン不可メッセージを受信した場合、利用者装置23に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置23の電話番号に問題があるため利用者装置34へのログインが不可とされたことを警告するメッセージである。例えば「この電話番号からはログインできません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0133】
(ステップS410)
他方、通信装置32は、通信要求メッセージが利用者装置23に接続された通信装置21から送信されたものであると判定した場合、利用者装置34に対して、利用者装置23の電話番号を送信する。
【0134】
(ステップS411)
次に、利用者装置34は、利用者識別子と電話番号とが利用者装置34が備える記憶手段(図示せず)に対応付けて記憶されているか否かを判定する。
【0135】
(ステップS412)
利用者装置34は、利用者識別子と電話番号とが利用者装置34が備える記憶手段(図示せず)に対応付けて記憶されていない場合、通信装置32に対し、ログイン不可メッセージを送信する。
【0136】
(ステップS413)
通信装置32は、ログイン不可メッセージを受信した場合、通信装置31に対して、ログイン不可メッセージを送信する。
【0137】
(ステップS414)
通信装置31は、ログイン不可メッセージを受信した場合、利用者装置33に対して、警告メッセージを送信する。この警告メッセージは、利用者装置34へのログインが不可とされたことを警告するメッセージである。例えば「ログインできません」などのメッセージは、警告メッセージの一例である。
【0138】
(ステップS415)
他方、利用者装置34は、利用者識別子と電話番号とが利用者装置34が備える記憶手段(図示せず)に対応付けて記憶されている場合、通信装置32に対して、ログイン完了メッセージを送信する。
【0139】
(ステップS416)
通信装置32は、ログイン完了メッセージを受信した場合、通信装置31に対して、ログイン完了メッセージを送信する。
【0140】
(ステップS417)
通信装置31は、ログイン完了メッセージを受信した場合、利用者装置33に対して、ログイン完了メッセージを送信する。
【0141】
以上、本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例について説明したが、この第4動作例によれば、第3通信網30に接続された利用者装置33から第3通信網30に接続された利用者装置34へログインするに際して、第2通信網20に接続された利用者装置23の電話番号を用いることができる。
【0142】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例によれば、通信装置32は、通信要求メッセージが利用者装置23に接続された通信装置21から送信されたものであると判定した場合に、通信要求メッセージに応じた通信を行う。
【0143】
したがって、本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例によれば、通信装置32により、利用者装置23以外の装置から利用者装置23になりすまして利用者装置34に電話を掛け利用者装置34にログインすることが阻止されるため、通信の信頼性を従来よりも向上させることが可能となる。
【0144】
なお、本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例では、利用者装置34が、通信装置32から利用者特定情報と利用者識別子とを受信する形態について説明したが、利用者装置34は、通信装置32以外の通信装置から利用者識別子を受信することができる。この場合は、例えば、通信装置32と通信装置32以外の通信装置とを利用者装置34に接続する。
【0145】
また、本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例では、利用者特定情報と利用者識別子とを用いて認証を行う形態の一例について説明したが、利用者特定情報と利用者識別子とパスワードなどの利用者特定情報及び利用者識別子以外のデータとを用いた場合も、利用者特定情報と利用者識別子とを用いており、利用者特定情報と利用者識別子とを用いて認証を行う形態の一例となる。このようにすれば、より一層、通信の信頼性を向上させることができる。もっとも、利用者特定情報を用いれば、パスワードなどを用いなくても、なりすまし等を効果的に防止することができ、通信の信頼性を従来よりも向上させることが可能となる。
【0146】
次に、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0147】
本発明の実施例1では、本発明の実施形態に係る通信システムの第1動作例の一例として、振り込め詐欺やオレオレ詐欺などの迷惑電話やいたずら電話などを防止する形態について説明する。
【0148】
例えば、詐欺師が、あるお年寄りの携帯電話に、このお年寄りの孫の携帯電話の電話番号になりすまして電話を掛けたとする。この場合、通信システム上、詐欺師による電話は、孫の携帯電話の電話番号でないと見破られる。このため、詐欺師による電話は、お年寄りの携帯電話に着信することすらなく、詐欺師の試みは阻止される。
【実施例2】
【0149】
本発明の実施例2では、本発明の実施形態に係る通信システムの第2動作例の一例として、家庭内で電話料金を利用した送金を行う形態について説明する。
【0150】
この場合、例えば、親が、親の携帯電話の翌月の電話料金から、子供の携帯電話の翌月の電話料金へ、子供の翌月の学費に相当する金額を送金することが可能となる。
【0151】
なお、子供が、親に無断で、子供の携帯電話などから親の携帯電話の電話番号になりすまして親の携帯電話の翌月の電話料金から子供の携帯電話の翌月の電話料金へ送金することを試みたとしても、通信システム上、この子供による電話は、親の携帯電話からの電話でないと見破られ、子供の試みは阻止される。
【実施例3】
【0152】
本発明の実施例3では、本発明の実施形態に係る通信システムの第3動作例の一例として、電気やガスなどの公共料金、ECサイトで購入した商品の代金、タクシーの運賃、レストランでの飲食代などを翌月の電話料金で決済する形態について説明する。
【0153】
この場合、例えば、電力会社やガス会社などへは予め、ECサイトへは商品の購入時に、またタクシー会社やレストランへはサービスの利用後に、利用者の携帯電話の電話番号を口頭または非接触ICチップなどにより伝えておく。
【0154】
電力会社、ガス会社、ECサイト、タクシー会社、またはレストランは、自己の電話番号と利用者の電話番号と請求額とを請求代行サーバへ送信し、請求代行サーバは、利用者の電話番号に基づき、利用者に請求が入ったことを電話やSMSなどにより通知する。
【0155】
そして、利用者は、自己の携帯電話から請求代行サーバに電話を掛け、自己の携帯電話の翌月の電話料金により商品の代金やサービスの利用料などを決済する。
【0156】
なお、利用者が、電力会社などへ他人の携帯電話の電話番号を伝え、他人に請求の通知がなされたとの情報を何らかの方法により入手し、利用者の携帯電話などから他人の携帯電話の電話番号になりすまして請求代行サーバに電話を掛けることにより、商品の代金やサービスの利用料などを他人の携帯電話の電話料金により決済することを試みたとしても、通信システム上、請求代行サーバにより、この利用者による電話は、他人の携帯電話からの電話でないと見破られ、利用者の試みは阻止される。
【実施例4】
【0157】
本発明の実施例4では、本発明の実施形態に係る通信システムの第4動作例の一例として、オンラインバンキングでのなりすましを防止する形態について説明する。
【0158】
例えば、不正者が、オンラインバンキングの利用者になりすまし、オンラインバンキングのWebサーバ上で、不正行為を行うことを試みたとする。不正者は、不正者の携帯電話などからオンラインバンキングの利用者の携帯電話の電話番号になりすましてWebサーバへ電話を掛け、オンラインバンキングのWebサーバへログインしようとしている。
【0159】
この場合、通信システム上、不正者による電話は、オンラインバンキングの利用者の携帯電話の電話番号でないと見破られる。このため、不正者による電話は、Webサーバに着信することすらなく、不正者の試みは阻止される。
【0160】
[比較例1]
比較例1では、本発明の実施形態に係る通信システムを用いない場合の一例について説明する。
【0161】
比較例1では、詐欺師が、お年寄りの携帯電話へ、お年寄りの孫の携帯電話の電話番号でもって孫になりすました電話を掛けることができる。詐欺に騙されないか否かは、お年寄りの判断次第となる。
【0162】
また、比較例1では、子供が、親に無断で、親の携帯電話の翌日の電話料金から子供の携帯電話の翌日の電話料金へ送金することが可能となる。このような無断の送金を行うか行わないかは、子供の判断次第となる。
【0163】
また、比較例1では、他人の携帯電話の翌日の電話料金により、電気代やガス代などを決済することが可能となる。このような他人の電話料金による決済を行うか行わないかは、利用者の判断次第となる。
【0164】
また、比較例1では、不正者が、オンラインバンキングのWebサーバに、他人になりすましてログインすることが可能となる。このようななりすましたログインを行うか行わないかは、不正者の判断次第となる。
【0165】
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、これらの説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらの説明によって何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0166】
10 第1通信網
20 第2通信網
30 第3通信網
11、12、21、22、31、32 通信装置
13、14、23、33、34 利用者装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続された通信装置にて実行される通信プログラムであって、
利用者特定情報を含む通信要求メッセージを前記通信網から受信するステップと、
前記受信した通信要求メッセージに含まれる情報に基づいて前記受信した通信要求メッセージが前記利用者特定情報により特定される利用者装置に接続された通信装置から送信されたものであると判定した場合に、前記通信要求メッセージに応じた通信を行うステップと、
を有することを特徴とする通信プログラム。
【請求項2】
通信網に接続された通信装置にて実行される通信プログラムであって、
利用者特定情報を含む通信要求メッセージを前記通信網から受信するステップと、
前記受信した通信要求メッセージに含まれる利用者特定情報に信用がある及び/又は悪意がないと判定した場合に、前記通信要求メッセージに応じた通信を行うステップと、
を有することを特徴とする通信プログラム。
【請求項3】
前記通信要求メッセージに応じた通信を行うステップにおいて、
前記利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は前記利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理、あるいは、
前記利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理及び/又は前記利用者装置以外の利用者装置の利用者特定情報に対応付けられた口座に対して所定の金額を加算又は減算する処理を行う、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信プログラム。
【請求項4】
前記通信料金に対して所定の金額を加算又は減算する処理に課金レート情報を用いる、ことを特徴とする請求項3に記載の通信プログラム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の通信プログラムを実行することを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の通信装置に前記通信要求メッセージを送信することを特徴とする通信装置。
【請求項7】
請求項5及び/又は請求項6に記載の通信装置を備えた通信システム。
【請求項8】
請求項5に記載の通信装置に接続された利用者装置であって、
利用者識別子を受信する手段と、
請求項5に記載の通信装置から利用者特定情報を受信する手段と、
前記受信した利用者識別子と利用者特定情報とを用いて認証を行う手段と、
を備えたことを特徴とする利用者装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−175204(P2012−175204A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32758(P2011−32758)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(511044010)株式会社ICTストラテジー総合研究所 (1)
【Fターム(参考)】