説明

通信プロトコル変換クレードル及びそれに用いるアドレス変換方法並びにそのプログラム

【課題】 利用するIPアドレスの数を節約可能なデータ転送システムを提供する。
【解決手段】 携帯情報端末3がサーバ1に対してデータ送信を開始すると、クレードル2は携帯情報端末3からサーバ1へのIPパケット内のIPヘッダ内の送信元IPアドレスを携帯情報端末側IPアドレスからクレードルIPアドレスへと変換した上でサーバ1に受け渡す。サーバ1では受信したIPパケットによって、データがクレードル2から送信されてきたと判断し、クレードルに対して返信を行う。クレードル2では受信したIPパケットを携帯情報端末3に返信する必要があるため、IPヘッダ内の宛先IPアドレスを自機器のIPアドレスから携帯情報端末側IPアドレスに変換してデータ送信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ転送システム、通信プロトコル変換クレードル及びそれに用いるアドレス変換方法並びにそのプログラムに関し、特に携帯情報端末をネットワークに接続するためのアドレス変換に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用で携帯情報端末を利用する場合には、携帯情報端末とサーバとの間の通信において、携帯情報端末を物理的にコネクタ接続する際に、操作性及び堅牢性の観点から非接触方式を利用することが望まれる。その中の一つとして赤外線通信を利用したクレードルを利用することが多い。携帯情報端末をクレードルを介してサーバ等に接続する方法としては、有線接続のものもある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
通信速度や直接サーバとのデータ転送、同時接続台数の制限等からクレードルの通信方式としては、LAN(Local Area Network)の利用が高まっている。LANを利用する場合には、セキュリティやネットワークの制限から割り振り可能なIP(Internet Protocol)アドレス数の制限がある等の理由から、IPアドレスをクレードルに持たせたいという要求が高まっている。
【0004】
このIPアドレスの割り振りを自動で行うDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)における動作について図6を参照して説明する。携帯情報端末とサーバとを接続する場合、IPアドレスをどこに持たせるかが課題である。
【0005】
DHCPサーバ51の場合、携帯情報端末53からDHCPサーバ51に対してデータ送信を行うと(図6のc1,c2)、クレードル52からは自機器のMAC(Media Access Control)アドレス(=12:34:56:78:9A:BC)がDHCPサーバ51に送信される(図6のc3,c4)。
【0006】
そうすると、DHCPサーバ51では受信したMACアドレスに対してIPアドレスを付与する(図6のc5,c6)。携帯情報端末53は割り振られたIPアドレスを受信すると、そのIPアドレスを自端末のIPアドレスとしてセットする(図6のc7)。
【0007】
この環境においては、携帯情報端末53のIPアドレス設定の手間があまりかからず、かつ接続する時に携帯情報端末53側にIPアドレスが割り振られるため、DHCPサーバ51が割り振るIPアドレスの数がクレードル52の数と同数に限定される。しかしながら、セキュリティやサーバ機能からDHCPを利用することができないことがある。
【0008】
そこで、携帯情報端末にIPアドレスを持たせた場合がある。この場合の動作は図7に示す通りである。携帯情報端末63からはサーバ61のIPアドレス(=192.0.0.1)に対して直接、データ送信を行う(図7のd1,d2)。
【0009】
サーバ61では受け取ったデータから、送信元IPが携帯情報端末63のもの(IP=10.0.0.1)であると判断し、携帯情報端末63に対して応答する(図7のd3)。
【0010】
【特許文献1】特開2003−339000号公報
【特許文献2】特開2004−046302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した従来の携帯情報端末をネットワークに接続する方法では、携帯情報端末にIPアドレスを持たせた場合、接続する携帯情報端末各々が全てIPアドレスを持つことになり、クレードルが複数ある場合、IPアドレスが衝突しないよう、携帯情報端末のIPアドレスをクレードルより多くしなければならない。
【0012】
また、従来の携帯情報端末をネットワークに接続する方法では、クレードルと携帯情報端末との接続の組み合わせが固定されていない場合、携帯情報端末数分のIPアドレスを割り振らないと、IPアドレスの衝突が起きることとなる。したがって、IPアドレスの数を少なくし、かつIPアドレスの衝突を防ぐには、接続するクレードルにIPアドレスを持たせる必要がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、利用するIPアドレスの数を節約することができるデータ転送システム、通信プロトコル変換クレードル及びそれに用いるアドレス変換方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によるデータ転送システムは、通信プロトコル変換クレードルによって携帯情報端末をネットワークに接続するデータ転送システムであって、
前記ネットワークに接続するための端末側のIP(Inter Protocol)アドレスを保持する第1の保持手段と、前記ネットワーク側のIPアドレスを保持する第2の保持手段と、前記携帯情報端末のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信しかつ前記ネットワーク側のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する手段とを前記通信プロトコル変換クレードルに備えている。
【0015】
本発明による通信プロトコル変換クレードルは、携帯情報端末をネットワークに接続する通信プロトコル変換クレードルであって、前記ネットワークに接続するための端末側のIP(Inter Protocol)アドレスを保持する第1の保持手段と、前記ネットワーク側のIPアドレスを保持する第2の保持手段と、前記携帯情報端末のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信しかつ前記ネットワーク側のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する手段とを備えている。
【0016】
本発明によるアドレス変換方法は、通信プロトコル変換クレードルによって携帯情報端末をネットワークに接続するデータ転送システムに用いるアドレス変換方法であって、前記通信プロトコル変換クレードル側に、前記携帯情報端末のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信する処理と、前記ネットワーク側のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する処理とを備えている。
【0017】
本発明によるアドレス変換方法のプログラムは、通信プロトコル変換クレードルによって携帯情報端末をネットワークに接続するデータ転送システムに用いるアドレス変換方法であって、前記通信プロトコル変換クレードル側に、前記携帯情報端末のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信する処理と、前記ネットワーク側のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する処理とを実行させている。
【0018】
すなわち、本発明の通信プロトコル変換クレードルは、プロトコル変換アダプタとも呼ばれ、携帯情報端末をネットワーク接続する場合、非接触方式のIrDA(Infrared Data Association)による赤外線通信を利用し、携帯情報端末を有線のイーサネット(登録商標)環境に接続している。
【0019】
この場合、本発明の通信プロトコル変換クレードルでは、ネットワークに接続するための端末側IPアドレスを搭載し、携帯情報端末側にIPアドレスを持っていた場合でも、そのIPアドレスを変換することで、サーバからはクレードルと通信しているかのように携帯情報端末とデータ通信を行うことが可能となり、携帯情報端末からはサーバと直接通信しているかのように擬似通信させることが可能となる。
【0020】
より具体的に説明すると、本発明の通信プロトコル変換クレードルでは、データパケットの送信元、送信先をIPヘッダ内にある宛先IPアドレス及び送信元IPアドレスから判断し、送信時に送信元IPアドレスを変換することで、送信元のなりすましが可能となる。また、なりすました先へのデータ送信において、相手先はパケット内の送信元IPアドレスに対して返信を行うことになるため、返信データにおける宛先IPアドレスをもともとの送信元IPアドレスに戻すことで、なりすましがなかったかのように応答を返すことが可能となる。
【0021】
本発明の通信プロトコル変換クレードルでは、クレードルにIPアドレスを持たせることで、サーバ側から管理するべきIPアドレスの数がクレードル数に依存することとなる。通常、クレードルに接続する携帯情報端末台数はクレードルに対して多いため、本発明によって利用するIPアドレスの数を節約することが可能となる。
【0022】
また、本発明の通信プロトコル変換クレードルでは、携帯情報端末側に持たせるIPアドレスがどのようなものでもよいので、離れた営業所等で利用している携帯情報端末を予備機として共有している場合でも、携帯情報端末でのIPアドレス切り替えを行う必要がなく、システム管理者の手間が削減可能となり、かつ設定を行う必要がないことから導入時間が節約可能となる。
【0023】
さらに、本発明の通信プロトコル変換クレードルでは、IPアドレス、IP通信を利用することで、通信のセキュリティを保つことが可能となる。
【0024】
さらにまた、本発明の通信プロトコル変換クレードルでは、携帯情報端末がIPアドレスを持っている従来型の端末の場合、そのままIrDAとLAN(Local Area Network)とを変換する通常の手順(IrLAN)が利用可能となる。
【0025】
一方、本発明の通信プロトコル変換クレードルでは、携帯情報端末がIPアドレスを持っていないクレードル、IPアドレスを持たせたクレードルが意識することなく利用可能となり、クレードルを端末毎に分ける必要がなく、導入コストや運用管理コストが削減可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以下に述べるような構成及び動作とすることで、利用するIPアドレスの数を節約することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例によるデータ転送システムの構成を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例によるデータ転送システムはサーバ1と、サーバ1に有線領域101にて接続されるクレードル2と、クレードル2に無線領域102にて接続される携帯情報端末3とから構成されている。
【0028】
図2は図1のクレードル2の構成を示すブロック図である。図2において、クレードル2はIP(Internet Protocol)アドレス変換部21と、設定オン/オフ回路22と、運用IPアドレス保持領域23と、初期設定IPアドレス保持領域24と、MAC(Media Access Control)アドレス保持領域25と、IPアドレスメモリ(#1)26と、IPアドレスメモリ(#2)27と、記録媒体28とから構成されている。
【0029】
記録媒体28はコンピュータで実行可能なプログラムを格納しており、クレードル2が図示せぬCPU(中央処理装置)とRAM(ランダムアクセスメモリ)とを含むコンピュータで構成されている場合、上記の各回路の制御等の動作はCPUが記録媒体28のプログラムを実行することで実現される。
【0030】
図3は本発明の一実施例による移動通信ネットワークにおいて用いるIPパケットの構成例を示す図である。図3において、IPパケットはフレームヘッダ[イーサネット(登録商標)ヘッダ]Aと、IPヘッダBと、実データ部Cとから構成されている。
【0031】
フレームヘッダAは宛先MACアドレスA1と送信元MACアドレスA2とからなり、IPヘッダBは宛先IPアドレスB1と送信元IPアドレスB2とからなり、実データ部Cは任意データC1からなっている。
【0032】
データパケットではIPヘッダB内にある宛先IPアドレスB1と送信元IPアドレスB2とから送信元と送信先とが判断される。これに対して、データパケットの送信時には送信元IPアドレスB2を変換することで、送信元のなりすましが可能となる。
【0033】
また、なりすました先へのデータ送信において、相手先はデータパケット内の送信元IPアドレスB2に対して返信を行うことになるため、返信データにおける宛先IPアドレスB1をもともとの送信IPアドレスに戻すことで、なりすましがなかったかのように応答が返ってくる。
【0034】
これら図1〜図3を参照してクレードル2について説明する。クレードル2はサーバ1と携帯情報端末3とを接続する媒体であり、データがサーバ1側のデータ(#1)201と携帯情報端末3側のデータ(#2)202との間で流れるものとする。
【0035】
クレードル2では自装置のIPアドレスである運用IPアドレス保持領域23の運用IPアドレスと、サーバ1側のIPアドレスと、携帯情報端末2側のIPアドレスとの計3つのIPアドレスを管理する必要があり、IPアドレスメモリ(#1)26がサーバ1側のIPアドレスを管理し、IPアドレスメモリ(#2)27が携帯情報端末3側のIPアドレスを管理している。
【0036】
このIPアドレスをデータ(#1)201とデータ(#2)202との間でやりとりする場合には、IPヘッダBの宛先IPアドレスB1と送信元IPアドレスB2とをIPアドレスメモリ(#1)26のIPアドレスとIPアドレスメモリ(#2)27のIPアドレスとに変換することで、サーバ1自身はクレードル2が持つ運用IPアドレス保持領域23の運用IPアドレスと通信するかのように動作可能となる。
【0037】
これによって、携帯情報端末側のIPアドレスはどのように割り振られていてもよく、サーバ1として管理が必要なIPアドレスはクレードル2に割り振られる運用IPアドレスだけとなり、IPアドレスの数量を限定することができる。
【0038】
図4は本発明の一実施例によるデータ転送システムの動作を示すシーケンスチャートである。これら図1〜図4を参照して本発明の一実施例によるデータ転送システムの動作について説明する。尚、図4に示す動作において、クレードル2の処理はCPUが記録媒体28のプログラムを実行することで実現される。
【0039】
また、サーバ1のIPアドレスは「サーバIPアドレス=192.0.0.1」と設定され、クレードル2のIPアドレスは「クレードルIPアドレス=192.0.0.1」と設定され、携帯情報端末3のIPアドレスは「携帯情報端末側IPアドレス=10.0.0.1」と設定されている。
【0040】
携帯情報端末3がサーバ1に対してデータ送信を開始し(図4のa1)、クレードル2が携帯情報端末3からサーバ1へのIPパケットを受信すると(図4のa2)、クレードル2はIPパケット内のIPヘッダB内の送信元IPアドレスB2を「携帯情報端末側IPアドレス=10.0.0.1」から「クレードルIPアドレス=192.0.0.2」へ変換した上で、IPパケットをサーバ1に受け渡す(図4のa3,a4)。
【0041】
サーバ1では受信したIPパケットによって、データがクレードル2から送信されてきたと判断し、「クレードルIPアドレス=192.0.0.2」に対して返信を行う(図4のa5,a6)。クレードル2では受信したIPパケットを携帯情報端末3に返信する必要があるため、IPヘッダB内の宛先IPアドレスB1を自機器の「クレードルIPアドレス=192.0.0.2」から「携帯情報端末側IPアドレス=10.0.0.1」に変換してデータ送信を行う(図4のa7,a8)。
【0042】
携帯情報端末3では受け取ったIPパケットからIPヘッダB内の送信元IPアドレスB2が「サーバIPアドレス=192.0.0.1」であることから、データがサーバ1からのものであると判断する(図4のa9)。これによって、携帯情報端末3側のIPアドレスはどのようなものでもかまわないこととなる。
【0043】
このように、本実施例では、クレードル2がIPアドレスを持つことで、サーバ1側から管理するべきIPアドレスの数がクレードル2の数に依存することとなる。通常、クレードル2に接続する携帯情報端末3の台数は、クレードル2に対して多いため、本実施例では、利用するIPアドレスの数を節約することができる。
【0044】
また、本実施例では、携帯情報端末3側に持たせるIPアドレスがどのようなものでもよいので、離れた営業所等にて利用している携帯情報端末3を予備機として共有している場合でも、携帯情報端末3でのIPアドレス切り替えを行う必要がなく、システム管理者の手間を削減することができ、かつ設定を行う必要がないことから導入時間を節約することができる。
【0045】
さらに、本実施例では、IPアドレスやIP通信を利用することによって、通信のセキュリティを保つことができる。
【0046】
さらにまた、本実施例では、従来のように、携帯情報端末3がIPアドレスを持っている場合でも、そのままIrDA(Infrared Data Association)とLAN(Local Area Network)とを変換する通常の手順(IrLAN)を利用することができる。
【0047】
一方、本実施例では、携帯情報端末3がIPアドレスを持っていないクレードルやIPアドレスを持たせたクレードル2を意識することなく、利用することができるので、クレードル2を携帯情報端末3毎に分ける必要がなく、導入コストや運用管理コストを削減することができる。
【0048】
尚、本実施例では、携帯情報端末3とクレードル2との間の無線方式を赤外線でなく、電磁誘導を利用することも可能である。
【0049】
図5は本発明の他の実施例によるデータ転送システムの動作を示すシーケンスチャートである。本発明の他の実施例によるデータ転送システムは図1に示す本発明の一実施例によるデータ転送システムと同様の構成となっている。また、図示していないが、クレードル4はプロトコル変換部41を設けた以外は図2に示すクレードル2と同様の構成となっている。
【0050】
本発明の他の実施例では、携帯情報端末3がIPアドレスを持っていない場合の動作を示しており、図5に示すように、クレードル4内にあるプロトコル変換部41において、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)通信と、クレードル4と携帯情報端末3との間の専用手順とを変換し、携帯情報端末3とサーバ1との間の通信を成立させている。
【0051】
携帯情報端末3がサーバに対してデータ送信を開始し(図5のb1)、クレードル4が携帯情報端末3からサーバ1へのIPパケットを受信すると(図5のb2)、クレードル4はプロトコル変換部41において、携帯情報端末3からのIPパケットに対してTCP/IP通信と、クレードル4と携帯情報端末3との間の専用手順との変換(プロトコル変換)を行ってサーバ(サーバIPアドレス=192.0.0.1)に対してデータ送信を行う(図5のb3,b4)。
【0052】
サーバ1はクレードル4からのデータを携帯情報端末3からのデータと判断した上で、クレードル(クレードルIPアドレス=192.0.0.2)4に対して返信する(図5のb5,b6)。クレードル4はサーバ1からのIPパケットに対してプロトコル変換を行って携帯情報端末に対してデータ送信を行う(図5のb7,b8)。
【0053】
携帯情報端末3では受け取ったIPパケットからIPヘッダB内の送信元IPアドレスB2が「サーバIPアドレス=192.0.0.1」であることから、IPパケットをサーバ1からのデータとして受信する(図5のb9)。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は携帯情報端末と、サーバあるいはパーソナルコンピュータとの間でデータ通信を行う場合に、LAN方式を利用するシステム構成に対して利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施例によるデータ転送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のクレードルの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例による移動通信ネットワークにおいて用いるIPパケットの構成例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例によるデータ転送システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の他の実施例によるデータ転送システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図6】従来例によるデータ転送システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【図7】従来例によるデータ転送システムの動作の他の例を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 サーバ
2,4 クレードル
3 携帯情報端末
21 IPアドレス変換部
22 設定オン/オフ回路
23 運用IPアドレス保持領域
24 初期設定IPアドレス保持領域
25 MACアドレス保持領域
26 IPアドレスメモリ(#1)
27 IPアドレスメモリ(#2)
28 記録媒体
41 プロトコル変換部
101 有線領域
102 無線領域
A フレームヘッダ
A1 宛先MACアドレス
A2 送信元MACアドレス
B IPヘッダ
B1 宛先IPアドレス
B2 送信元IPアドレス
C 実データ部
C1 任意データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信プロトコル変換クレードルによって携帯情報端末をネットワークに接続するデータ転送システムであって、
前記ネットワークに接続するための端末側のIP(Inter Protocol)アドレスを保持する第1の保持手段と、前記ネットワーク側のIPアドレスを保持する第2の保持手段と、前記携帯情報端末のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信しかつ前記ネットワーク側のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する手段とを前記通信プロトコル変換クレードルに有することを特徴とするデータ転送システム。
【請求項2】
前記通信プロトコル変換クレードルは、データパケットの送信元及び送信先をIPヘッダ内にある宛先IPアドレス及び送信元IPアドレスから判断し、送信時に前記送信元IPアドレスを変換することを特徴とする請求項1記載のデータ転送システム。
【請求項3】
前記通信プロトコル変換クレードルは、返信データにおける前記宛先IPアドレスをもともとの送信元IPアドレスに戻すことを特徴とする請求項2記載のデータ転送システム。
【請求項4】
前記携帯情報端末と自機器との通信手順と、前記ネットワーク側の通信プロトコルとの変換を行う手段を前記通信プロトコル変換クレードルに含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載のデータ転送システム。
【請求項5】
前記携帯情報端末と前記通信プロトコル変換クレードルとの間の通信に非接触方式のIrDA(Infrared Data Association)による赤外線通信を利用することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載のデータ転送システム。
【請求項6】
携帯情報端末をネットワークに接続する通信プロトコル変換クレードルであって、前記ネットワークに接続するための端末側のIP(Inter Protocol)アドレスを保持する第1の保持手段と、前記ネットワーク側のIPアドレスを保持する第2の保持手段と、前記携帯情報端末のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信しかつ前記ネットワーク側のIPアドレスを自機器のIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する手段とを有することを特徴とする通信プロトコル変換クレードル。
【請求項7】
データパケットの送信元及び送信先をIPヘッダ内にある宛先IPアドレス及び送信元IPアドレスから判断し、送信時に前記送信元IPアドレスを変換することを特徴とする請求項6記載の通信プロトコル変換クレードル。
【請求項8】
返信データにおける前記宛先IPアドレスをもともとの送信元IPアドレスに戻すことを特徴とする請求項7記載の通信プロトコル変換クレードル。
【請求項9】
前記携帯情報端末と自機器との通信手順と、前記ネットワーク側の通信プロトコルとの変換を行う手段を含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか記載の通信プロトコル変換クレードル。
【請求項10】
前記携帯情報端末と自機器との間の通信に非接触方式のIrDA(Infrared Data Association)による赤外線通信を利用することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか記載の通信プロトコル変換クレードル。
【請求項11】
通信プロトコル変換クレードルによって携帯情報端末をネットワークに接続するデータ転送システムに用いるアドレス変換方法であって、前記通信プロトコル変換クレードル側に、前記携帯情報端末のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信する処理と、前記ネットワーク側のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する処理とを有することを特徴とするアドレス変換方法。
【請求項12】
前記通信プロトコル変換クレードルに前記ネットワークに接続するための端末側のIP(Inter Protocol)アドレスを保持する第1の保持手段と、前記ネットワーク側のIPアドレスを保持する第2の保持手段とを設けたことを特徴とする請求項11記載のアドレス変換方法。
【請求項13】
前記通信プロトコル変換クレードルが、データパケットの送信元及び送信先をIPヘッダ内にある宛先IPアドレス及び送信元IPアドレスから判断し、送信時に前記送信元IPアドレスを変換することを特徴とする請求項11または請求項12記載のアドレス変換方法。
【請求項14】
前記通信プロトコル変換クレードルが、返信データにおける前記宛先IPアドレスをもともとの送信元IPアドレスに戻すことを特徴とする請求項13記載のアドレス変換方法。
【請求項15】
前記通信プロトコル変換クレードル側に、前記携帯情報端末と前記通信プロトコル変換クレードルとの通信手順と、前記ネットワーク側の通信プロトコルとの変換を行う処理を含むことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか記載のアドレス変換方法。
【請求項16】
前記携帯情報端末と前記通信プロトコル変換クレードルとの間の通信に非接触方式のIrDA(Infrared Data Association)による赤外線通信を利用することを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか記載のアドレス変換方法。
【請求項17】
通信プロトコル変換クレードルによって携帯情報端末をネットワークに接続するデータ転送システムに用いるアドレス変換方法のプログラムであって、前記通信プロトコル変換クレードル側のコンピュータに、前記携帯情報端末のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記ネットワーク側に送信する処理と、前記ネットワーク側のIPアドレスを前記通信プロトコル変換クレードルのIPアドレスに変換して前記携帯情報端末側に送信する処理とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−13643(P2006−13643A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184372(P2004−184372)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】