説明

通信ユニット、通信システム、表示ユニットおよび表示システム

【課題】ユニットIDの設定を簡便で確実に行う。
【解決手段】通信ユニット40がディジーチェーン接続の一方端においてマスタとして稼動する場合、処理部201は、信号ポート250R,250Lのうちでスレーブ通信ユニット40が接続されている信号ポートへ、ID設定許可信号254を出力する処理と、スレーブ用IDを通信回路210を介してブロードキャストする処理とを行う。当該通信ユニット40がスレーブとして稼動する場合、処理部201は、当該通信ユニット40のIDが未設定であること、上記信号254とスレーブ用IDを取得していることを条件として、取得したスレーブ用IDを自身のIDに設定する処理と、ID設定に伴って、信号ポート250R,250Lのうちで上記信号254が入力された信号ポートとは異なる信号ポートへ、上記信号254を出力する処理とを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ユニット、通信システム、表示ユニットおよび表示システムに係る。
【背景技術】
【0002】
一般に、通信システムでは、各通信ユニットを識別するために、各通信ユニットにIDが付与される。IDの付与は、従来より、ディップスイッチを手動で設定することによって行われてきた。
【0003】
また、通信システムにおいて1台の通信ユニットをマスタとして稼動させるシステム運用手法が知られている。マスタとして稼動させる通信ユニットは、仕様上予め取り決められたIDを付与することによって選定される。このため、上記ディップスイッチの設定によってマスタを選定可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−37538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、1台ずつディップスイッチを設定するのは煩雑である。また、通信ユニットの接続形態を変更する際にはディップスイッチを設定し直さなければならず、その都度、煩雑な手作業を行わなければならない。このため、IDの重複設定等の設定ミスが生じうる。また、作業コストの増大を招いてしまう。
【0006】
また、ディップスイッチの配置位置や通信ユニットの設置環境によっては、通信ユニットを所定場所に設置した後では、ディップスイッチの設定がしづらい、設定内容を確認しづらい等の不便が生じうる。
【0007】
また、ディップスイッチの採用は部品コストの増大の一因となる。
【0008】
本発明は、簡便で確実にIDを設定可能な通信ユニットを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、マスタの選定について利便性の高い通信ユニットを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、上記目的が達せられた通信ユニットを採用して通信システム、表示ユニットおよび表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様に係る通信ユニットは、通信システムを構成する複数の通信ユニットのうちの一つであって、前記複数の通信ユニットのうちで当該通信ユニットを除く残余の通信ユニットとの通信が可能に構成されており、前記通信システムにおいては前記残余の通信ユニットに対するブロードキャストが可能に設けられる、通信回路と、前記通信回路に接続された処理部と、前記処理部とユニット外部との間での所定信号の入出力に用いられ、前記残余の通信ユニットとのディジーチェーン接続に利用される、第1信号ポートおよび第2信号ポートとを備え、当該通信ユニットが前記ディジーチェーン接続の一方端においてマスタとして稼動する場合、前記処理部は、当該通信ユニットのIDを予め割り当てられたマスタ用IDに設定する処理と、前記第1信号ポートと前記第2信号ポートのうちでスレーブとして稼動する前記残余の通信ユニットが接続されている側の信号ポートへ、前記所定信号として、前記IDの設定処理の実行を許可するためのID設定許可信号を出力する処理と、スレーブ用IDを、前記通信回路を介して、前記残余の通信ユニットへブロードキャストする処理とを行い、当該通信ユニットがスレーブとして稼動する場合、前記処理部は、当該通信ユニットの前記IDが未設定であること、前記ID設定許可信号を取得していること、および、前記スレーブ用IDを取得していることを条件として、取得した前記スレーブ用IDを当該通信ユニットの前記IDに設定する処理と、当該通信ユニットの前記IDの設定に伴って、前記第1信号ポートと前記第2信号ポートとのうちで前記ID設定許可信号が入力された信号ポートとは異なる方の信号ポートへ、前記所定信号として、前記ID設定許可信号を出力する処理とを行う。
【0012】
また、第2の態様に係る通信ユニットは、第1の態様に係る通信ユニットであって、前記通信回路は、前記処理部に接続された送受信回路と、前記送受信回路に接続されたユニット内通信バスラインと、前記ユニット内通信バスラインに接続されており、前記残余の通信ユニットとの前記ディジーチェーン接続に利用される第1通信用コネクタおよび第2通信用コネクタとを含む。
【0013】
また、第3の態様に係る通信ユニットは、第2の態様に係る通信ユニットであって、前記第1通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第1接続判別部と、前記第2通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第2接続判別部とをさらに備え、前記処理部は、前記第1接続判別部および前記第2接続判別部による前記判別結果に応じて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する、マスタ/スレーブ決定処理を行い、前記マスタ/スレーブ決定処理は、前記第1通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第1接続状態、または、前記第2通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第2接続状態が検出された場合、前記マスタとして選定されるために課されるマスタ選定条件に基づいて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する処理を含む。
【0014】
また、第4の態様に係る通信ユニットは、通信システムを構成する複数の通信ユニットのうちの一つであって、前記複数の通信ユニットのうちで当該通信ユニットを除く残余の通信ユニットとの通信が可能に構成されており、前記通信システムにおいては前記残余の通信ユニットに対するブロードキャストが可能に設けられる、通信回路と、前記通信回路に接続された処理部とを備え、前記通信回路は、前記処理部に接続された送受信回路と、前記送受信回路に接続されたユニット内通信バスラインと、前記ユニット内通信バスラインに接続されており、前記残余の通信ユニットとの前記ディジーチェーン接続に利用される第1通信用コネクタおよび第2通信用コネクタとを含み、当該通信ユニットは、前記第1通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第1接続判別部と、前記第2通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第2接続判別部とをさらに備え、前記処理部は、前記第1接続判別部および前記第2接続判別部による前記判別結果に応じて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する、マスタ/スレーブ決定処理を行い、前記マスタ/スレーブ決定処理は、前記第1通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第1接続状態、または、前記第2通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第2接続状態が検出された場合、前記マスタとして選定されるために課されるマスタ選定条件に基づいて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する処理を含む。
【0015】
また、第5の態様に係る通信ユニットは、第3または第4の態様に係る通信ユニットであって、前記マスタ選定条件は、前記処理部が解読可能な形式で表現されたデータによって供給される。
【0016】
また、第6の態様に係る通信ユニットは、第3ないし第5の態様のうちのいずれか1つに係る通信ユニットであって、前記マスタ選定条件に関する前記データは外部記憶媒体から供給される。
【0017】
また、第7の態様に係る通信ユニットは、第6の態様に係る通信ユニットであって、前記処理部は、当該通信ユニットに前記外部記憶媒体が装着されている場合には、当該外部記憶媒体から前記マスタ選定条件に関する前記データを取得し、当該通信ユニットに前記外部記憶媒体が装着されていない場合には、前記マスタ選定条件に関する前記データを、前記外部記憶媒体が装着されている他の通信ユニットから前記通信回路を介して取得する。
【0018】
また、第8の態様に係る通信ユニットは、第3または第4の態様に係る通信ユニットであって、前記マスタ選定条件は、外部記憶媒体が装着された状態にある通信ユニットが前記マスタに選定されることを内容とする。
【0019】
また、第9の態様に係る通信ユニットは、第3または第4の態様に係る通信ユニットであって、前記処理部に接続されたマスタ選定スイッチをさらに備え、前記マスタ選定条件は、前記マスタ選定スイッチが所定状態にある通信ユニットが前記マスタに選定されることを内容とする。
【0020】
また、第10の態様に係る通信ユニットは、第1ないし第9の態様のうちのいずれか1つに係る通信ユニットであって、前記処理部は、通信ユニットごとに準備され前記IDが予め関連付けられている個別データを取得する処理と、当該通信ユニットを除く前記残余の通信ユニット用の前記個別データを、前記残余の通信ユニットのうちで対応する通信ユニットへ、前記通信回路を介して送信する処理とを行う。
【0021】
また、第11の態様に係る通信ユニットは、第10の態様に係る通信ユニットであって、前記個別データは、第6の態様に係るマスタ選定条件に関する前記データとともに同じ外部記憶媒体に格納されて供給される。
【0022】
また、第12の態様に係る通信ユニットは、第3ないし第11の態様のうちのいずれか1つに係る通信ユニットであって、前記ユニット内通信バスラインを終端するための終端回路をさらに備え、前記マスタ/スレーブ決定処理は、前記第1接続状態または前記第2接続状態が検出され、かつ、当該通信ユニットが前記スレーブに決定された場合、前記終端回路を稼動させて前記ユニット内通信バスラインを終端する処理を行う。
【0023】
また、第13の態様に係る通信ユニットは、第3の態様および当該第3の態様を引用する第5ないし第12のうちのいずれか1つに係る通信ユニットであって、当該通信ユニットが前記スレーブとして稼動する場合、前記処理部は、当該通信ユニットの前記IDの設定に伴って、前記IDの設定が完了した旨を示す応答メッセージを、前記通信回路を介して前記マスタへ送信する処理を行い、当該通信ユニットが最終段のスレーブである場合には、前記処理部は、前記応答メッセージに、前記最終段のスレーブまで前記IDの設定が完了した旨をさらに含ませる。
【0024】
また、第14の態様に係る通信ユニットは、第13の態様に係る通信ユニットであって、当該通信ユニットが前記マスタとして稼動する場合、前記処理部は、前記スレーブから前記応答メッセージを受信するまで、同じ内容を有した前記スレーブ用IDのブロードキャストを繰り返す。
【0025】
また、第15の態様に係る通信システムは、第1ないし第3の態様および当該第1ないし第3の態様を引用する第5ないし第14の態様のうちのいずれか1つに係る通信ユニットによってそれぞれ構成されており、一の通信ユニットの前記第1信号ポートと他の一の通信ユニットの前記第2信号ポートとが接続される形態で以てディジーチェーン接続された、複数の通信ユニットを備える。
【0026】
また、第16の態様に係る通信システムは、第4の態様および当該第4の態様を引用する第5ないし第14の態様のうちのいずれか1つに係る通信ユニットによってそれぞれ構成されており、一の通信ユニットの前記第1通信用コネクタと他の一の通信ユニットの前記第2通信用コネクタとが接続される形態で以てディジーチェーン接続された、複数の通信ユニットを備える。
【0027】
また、第17の態様に係る表示ユニットは、第1ないし第14の態様のうちのいずれか1つに係る通信ユニットと、前記通信ユニットに接続された表示部とを備え、前記表示部が前記通信ユニットによって受信されたデータを表示可能に設けられている。
【0028】
また、第18の態様に係る表示システムは、第15または第16の態様に係る通信システムと、前記通信システムを構成する前記複数の通信ユニットにそれぞれ接続された複数の表示部とを備え、前記複数の表示部のそれぞれが、自身が接続されている通信ユニットによって受信されたデータを表示可能に設けられている。
【発明の効果】
【0029】
上記第1の態様によれば、マスタ用IDの値は予め割り当てられており、スレーブ用IDの値はマスタにおいて決定される。このため、各通信ユニットのIDはマスタにおいて一元的に管理されることになる。したがって、IDの重複登録等の設定ミスを防止することができる。
【0030】
また、上記第1の態様によれば、各通信ユニットによる制御下、ID設定許可信号が複数の通信ユニット間を順に伝達される。このため、自動的かつ漏れなくIDを付与することができる。
【0031】
このように上記第1の態様によれば、各通信ユニットについてディップスイッチの手動設定が必要な場合に比べて、ID付与を簡便で確実に行うことができる。また、ディップスイッチの設定作業が不要であるため、部品コストや作業コストを削減することができる。
【0032】
これらの効果は、上記第1の態様を引用する上記他の態様においても得られる。
【0033】
上記第2の態様によれば、通信システムにおいて残余の通信ユニットに対するブロードキャストが可能な一構成例を有線通信によって提供することができる。
【0034】
上記第3の態様によれば、ディジーチェーン接続において一方端に位置する通信ユニットを自動的にマスタに設定することができる。
【0035】
この際、ディジーチェーン接続の両端に位置する通信ユニットのうちのいずれをマスタに設定するかについては、マスタ選定条件の内容によって規定される。このため、通信システムの設置環境等に応じて都合の良い方の通信ユニットを、マスタに設定または変更することができる。
【0036】
このように、上記第3の態様によれば、マスタの設定について利便性の高い通信ユニットを提供することができる。
【0037】
上記第4の態様によれば、上記第3の態様と同様の効果が得られ、当該効果は上記第4の態様を引用する上記他の態様においても得られる。
【0038】
上記第5の態様によれば、マスタ選定条件をソフトウェア的に実現されるので、内容変更が容易である。
【0039】
上記第6の態様によれば、外部記憶媒体内のマスタ選定条件データを書き換えることによって、あるいは、外部記憶媒体を交換することによって、マスタ選定条件を容易に変更することができる。
【0040】
上記第7の態様によれば、外部記憶媒体が通信システム中のいずれの通信ユニットに装着されていても、マスタ選定条件データを取得することができる。このため、通信システムの設置環境等に応じて都合の良い通信ユニットに外部記憶媒体を装着すれば済み、簡便である。
【0041】
上記第8の態様によれば、外部記憶媒体を装着するだけでマスタを設定することができる。この際、両端の通信ユニットのうちで、通信システムの設置環境等に応じて都合の良い方に、外部記憶媒体を装着すれば済み、簡便である。
【0042】
上記第9の態様によれば、両端の通信ユニットのうちでマスタに設定したい方についてのみ、マスタ選定スイッチを所定状態に設定すれば済み、簡便である。
【0043】
ここで、両端に位置しない通信ユニットのマスタ選定スイッチの状態は、上記マスタ/スレーブ決定処理に影響を及ぼさない。なぜならば、マスタ選定条件を満足するか否かの判定は、両端の通信ユニットにおいてのみ実行されるからである。このため、通信システム中の全ての通信ユニットについてマスタ選定スイッチを操作する必要はない。このため、マスタ選定スイッチを採用しても、煩雑な作業の大幅増加を招くことがない。
【0044】
上記第10の態様によれば、例えば、複数のユニット単位で1つのデータが供給される場合とは異なり、データの分割処理を処理部が行う必要がない。つまり、処理部の処理負担が少なくて済む。したがって、処理部の高性能化を回避でき、コスト削減等を図ることができる。
【0045】
上記第11の態様によれば、1つの外部記憶媒体を装着すれば、マスタ選定条件データと個別データの両方を供給可能であるので、簡便である。また、マスタ選定条件データ用の外部記憶媒体と、個別データ用の外部記憶媒体とを区別して管理する必要がないので、この点においても簡便である。
【0046】
上記第12の態様によれば、ディジーチェーン接続の最終段となる通信ユニットにおいて不要な信号反射が防止され、良好な通信を行うことができる。
【0047】
上記第13の態様によれば、マスタの処理部がスレーブのID設定処理の進行状況を把握することができ、確実なID付与に寄与する。
【0048】
また、上記第13の態様によれば、処理部は、最終段のスレーブまでID設定が完了した旨を含んだ応答メッセージを受信することにより、それまでに送信したスレーブ用IDの個数から、ディジーチェーン接続されているスレーブの台数を知ることが可能である。これによれば、例えば、処理部は予定されていた台数のスレーブが接続されているか否かの確認を行うことが可能であり、通信システムの確実な構築に寄与する。
【0049】
上記第14の態様によれば、確実なID付与に寄与する。
【0050】
上記第15の態様によれば、上記第1の態様等と同様の効果が得られる。
【0051】
上記第16の態様によれば、上記第4の態様等と同様の効果が得られる。
【0052】
上記第17の態様によれば、上記第1の態様等と同様の効果が得られる。
【0053】
上記第18の態様によれば、上記の第15または第16の態様と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムを概説するブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る表示ユニットを概説するブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る表示システムを概説するブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るID設定処理およびマスタ/スレーブ決定処理を概説するフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係るスレーブ用IDの設定処理を概説するフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係るデータ配信処理を概説するフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る通信システムの第1例を概説するブロック図である。
【図8】第2実施形態に係る通信システムの第2例を概説するブロック図である。
【図9】第4実施形態に係る表示ユニットを概説するブロック図である。
【図10】第7実施形態に係る表示システムの第1例を概説する図である。
【図11】第7実施形態に係る表示システムの第2例を概説する図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
<第1実施形態>
<表示システム>
図1に、第1実施形態に係る表示システム10を概説するブロック図を示す。図1に例示される表示システム10は3つの表示ユニット20を含んでおり、これらの表示ユニット20はディジーチェーン接続されている。但し、表示システム10に含まれる表示ユニット20の個数は、図1の例に限定されるものではない。
【0056】
なお、ディジーチェーン接続された3つの表示ユニット20を区別する場合、図1に例示される配列中で右端の表示ユニット20に符号20Rを用い、同様に中央および左端の表示ユニット20に符号20M,20Lをそれぞれ用いることにする。
【0057】
ここでは、説明を簡単にするため、各表示ユニット20は同じ構成を有する例を挙げる。図1の例では、各表示ユニット20は、表示部30と、当該表示部30に接続された通信ユニット40とを含んでいる。
【0058】
なお、表示システム10中の3つの通信ユニット40を区別する場合、表示ユニット20Rの通信ユニット40に符号40Rを用い、同様に表示ユニット20M,20Lの通信ユニット40に符号40M,40Lをそれぞれ用いることにする。通信ユニット40R,40M,40Lはこの順序でディジーチェーン接続されており、これにより表示ユニット20R,20M,20Lのディジーチェーン接続が構成されている。
【0059】
かかる構成によれば、表示ユニット20は、通信ユニット40により実現される通信機能を有し、当該通信機能によって受信した各種データを表示部30において表示することが可能である。
【0060】
ここで、表示システム10において表示ユニット20間の通信を担う構成を「通信システム50」と称する場合、当該通信システム50はディジーチェーン接続された3つの通信ユニット40R,40M,40Lを含んで構成される。
【0061】
各通信ユニット40には互いを識別するためのユニットID(以下「ID」と略称する場合もある)が割り当てられている。ここでは、説明を簡単にするために、通信ユニット40のIDを表示ユニット20のIDとしても採用することにする。
【0062】
具体的には図1の例において、右端の通信ユニット40RのIDが#0である場合、当該通信ユニット40Rを有する右端の表示ユニット20RのIDも#0とする。同様に、図1には、中央の通信ユニット40Mおよび表示ユニット20MのIDが#1であり、左端の通信ユニット40Lおよび表示ユニット20LのIDが#2である場合が例示されている。
【0063】
この場合、ディジーチェーン接続において(換言すればディジーチェーン接続を辿る態様において)右端のユニット40R,20Rに近い側から順に、IDの値が昇順となるようにIDが付与されている。但し、ユニット40,20どうしを互いに識別可能な情報が割り当てられる限り、他のID付与規則を採用してもよい。
【0064】
また、図1には、右端の通信ユニット40Rがマスタ通信ユニットであるとともに、右端の表示ユニット20Rがマスタ表示ユニットである場合が例示されている。この場合、中央のユニット40M,20Mおよび左端のユニット40L,20Lはスレーブとなる。但し、後述の説明から明らかになるが、左端のユニット40L,20Lをマスタに選定することも可能である。すなわち、本システム50,10では、ディジーチェーン接続されたユニット40,20のうちで一方端のユニット40,20がマスタとして稼動する。
【0065】
なお、ディジーチェーン接続形態においてマスタに近い側を前段側または上位側のように表現し、マスタから遠い側を後段側または下位側のように表現することにする。
【0066】
図2に、表示ユニット20の構成例を概説するブロック図を示す。なお、図2における各種要素の位置は実際の配置位置を限定するものではない。
【0067】
<表示部>
図2の例では、表示部30は、液晶ディスプレイモジュール(以下「LCDモジュール」と称する場合もある)101と、バックライトドライバ102と、コネクタ103とを含んでいる。
【0068】
LCDモジュール101は、液晶パネル、駆動回路、バックライト装置等を含み、液晶パネル上に表示を行うことが可能に構成されている。バックライトドライバ102は、上記バックライト装置を制御する。コネクタ103は、バックライトドライバ102と通信ユニット40とをLCDモジュール101に接続する。なお、表示部30を、バックライトを用いない形式(いわゆる反射型)のLCDモジュールや、液晶以外の表示装置によって構成してもよい。
【0069】
<通信ユニット>
図2の例では、通信ユニット40は、処理部201と、記憶部202と、インターフェース(以下「I/F」と称する場合もある)203と、発振器204と、電源回路205と、第1の電源用コネクタ206Rと、第2の電源用コネクタ206Lとを含んでいる。なお、上記のように図2は各種要素の配置位置を限定するものではないが、説明を分かりやすくするために、以下では第1電源用コネクタ206Rを「右側電源用コネクタ206R」と称し、第2電源用コネクタ206Lを「左側電源用コネクタ206L」と称する場合もある。
【0070】
処理部201は、通信ユニット40における各種処理を行う。また、処理部201は、表示部30のコネクタ103に接続されており、表示部30に対する各種処理も行う。処理部201は例えばマイクロコンピュータ(換言すればマイクロプロセッサ)を含んで構成可能である。この場合、マイクロコンピュータが、記憶部202に予め格納されているプログラムに記述された処理ステップ(換言すれば処理手順)を実行することにより、各種処理が行われる。
【0071】
かかる構成によれば、上記マイクロコンピュータは1つまたは複数の処理ステップに対応する各種手段として機能し、または、上記マイクロコンピュータによって1つまたは複数の処理ステップに対応する各種機能が実現される。なお、上記マイクロコンピュータによって実現される各種の手段または機能の一部または全部をハードウェアによって実現することも可能である。また、処理部201に含まれるマイクロコンピュータの個数は1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0072】
記憶部202は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)の1つまたは複数を含んで構成される。記憶部202は、上記のように処理部201が実行するプログラムを格納する他に、各種のデータ等を格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。記憶部202は処理部201がアクセス可能に設けられている。
【0073】
なお、図2の例には記憶部202等の各種要素が処理部201と直接接続された形態が例示されているが、例えば、記憶部202等の各種要素と処理部201とをバス型構造によって接続しても構わない。
【0074】
I/F203は、外部記憶媒体60を通信ユニット40に装着するための装置であり、処理部201に接続されている。これにより、処理部201は、I/F203を介して外部記憶媒体60へアクセス可能になる。なお、I/F203の個数は1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0075】
なお、図2には、説明のために、外部記憶媒体60を二点鎖線で図示している。外部記憶媒体60としてSDカードが例示されるが、例えば、SDカード以外の半導体記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体等を外部記憶媒体60として利用することも可能である。
【0076】
発振器204は、処理部201で利用されるクロック信号を生成し、当該クロック信号を処理部201へ供給する。
【0077】
電源回路205は、通信ユニット40で利用される各種電圧を生成し、所定箇所へ供給する。なお、図2では、図面の煩雑化を避けるために、電圧供給経路の詳細な図示は省略している。ここでは、電源回路205は、通信ユニット40用の電圧だけでなく、表示部30用の電圧も生成するものとする。
【0078】
右側電源用コネクタ206Rは、図2の例では、表示ユニット20の外部から電源回路205へ電力供給するための電力入力側コネクタである。これにより、電源回路205は、右側電源用コネクタ206Rを介して入力される外部電力によって駆動し上記各種電圧を生成する。
【0079】
左側電源用コネクタ206Lは、右側電源用コネクタ206Rに繋がっている。左側電源用コネクタ206Lは、図2の例では、右側電源用コネクタ206Rを介して入力された電力を表示ユニット20の外部へ出力するための電力出力側コネクタである。電力出力側コネクタ206Lの採用により、単一の外部電源から複数の表示ユニット20へ電力供給が可能である。
【0080】
具体的には、一の表示ユニット20の左側電源用コネクタ206Lと他の一の表示ユニット20の右側電源用コネクタ206Rとを接続する形態で以て、複数の表示ユニット20をディジーチェーン接続すればよい。これによれば、左端の表示ユニット20Lへ外部電源から電力供給することにより、ディジーチェーン接続された複数の表示ユニット20へ電力供給される。なお、電源用コネクタ206R,206Lによるディジーチェーン接続は、ケーブルを介在させた形態であってもよいし、あるいは、表示ユニット20どうしを直接接続する形態であってもよい。
【0081】
なお、図2の例とは逆に、左側電源用コネクタ206Lを電力入力側として利用し、右側電源用コネクタ206Rを電力出力側として利用することも可能である。
【0082】
<通信回路>
通信ユニット40は、さらに、他の通信ユニット40と通信を担う通信回路210を含んでいる。通信回路210は、送受信回路211と、ユニット内通信バスライン212と、第1の通信用コネクタ220Rと、第2の通信用コネクタ220Lと、終端回路230とを含んでいる。なお、上記のように図2は各種要素の配置位置を限定するものではないが、説明を分かりやすくするために、以下では第1通信用コネクタ220Rを「右側通信用コネクタ220R」と称し、第2通信用コネクタ220Lを「左側通信用コネクタ220L」と称する場合もある。
【0083】
送受信回路211は、処理部201と、ユニット内通信バスライン212とに接続されている。送受信回路211は、所定の通信仕様(例えばRS−485)に準拠して構成されている。送受信回路211は、処理部201から送信データを取得し、当該送信データを上記所定通信仕様に則って電気信号に変換して通信バスライン212へ出力する。また、送受信回路211は、通信バスライン212から受信した信号を上記所定通信仕様に則って、処理部201で処理可能な形式のデータに変換し、得られた受信データを処理部201へ出力する。
【0084】
通信用コネクタ220R,220Lは、他の通信ユニット40とのディジーチェーン接続、換言すれば他の表示ユニット20とのディジーチェーン接続に利用されるコネクタである。通信用コネクタ220Rは、図2の例では3つの端子221,222,223を有しており、端子221がユニット内通信バスライン212に接続されている。通信用コネクタ220Rについても同様である。
【0085】
具体的には、一の通信ユニット40の左側通信用コネクタ220Lと他の一の通信ユニット40の右側通信用コネクタ220Rとを接続する形態で以て、複数の通信ユニット40をディジーチェーン接続することが可能である。これによれば、各通信ユニット40のユニット内通信バスライン212が直列接続されて、複数の通信ユニット40に渡る共有の通信バスラインが構成される。この場合、当該通信バスラインに各通信ユニット40の送受信回路211がバス型に接続されるため、各通信ユニット40は残余の通信ユニット40に対するブロードキャストを実行可能である。
【0086】
なお、通信用コネクタ220R,220Lによるディジーチェーン接続は、ケーブルを介在させた形態であってもよいし、あるいは、通信ユニット40どうしを直接接続した形態であってもよい。
【0087】
終端回路230は、ユニット内通信バスライン212を終端するための回路であり、図2の例では終端抵抗231と、スイッチ232とを含んでいる。終端抵抗231はスイッチ232を介してユニット内通信バスライン212に接続されている。スイッチ232が処理部201によって閉状態に制御されることによって、終端抵抗231がバスライン212に接続される。なお、スイッチ232は、スイッチング機能を有する各種の素子や回路によって構成可能である。
【0088】
<接続判別部>
通信ユニット40は、さらに、第1の接続判別部240Rと、第2の接続判別部240Lとを含んでいる。第1接続判別部240Rは、右側通信用コネクタ220Rに対して設けられており、当該コネクタ220Rに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、その判別結果に関する信号244Rを処理部201へ出力する。他方、第2接続判別部240Lは、左側通信用コネクタ220Lに対して設けられており、第1接続判別部240Rと同様に動作して、判別結果の信号244Lを処理部201へ出力する。
【0089】
なお、上記のように図2は各種要素の配置位置を限定するものではないが、説明を分かりやすくするために、以下では第1接続判別部240Rを「右側接続判別部240R」と称し、第2接続判別部240Lを「左側接続判別部240L」と称する場合もある。また、上記の判別結果に関する信号244R,244Lを「右側接続判別信号244R」および「左側接続判別信号244L」とそれぞれ称する場合もある。
【0090】
ここで、右側通信用コネクタ220Rの相手方となるコネクタとは、他の通信ユニット40の左側通信用コネクタ220Lのことである。換言すれば、左側通信用コネクタ220Lの相手方となるコネクタとは、他の通信ユニット40の右側通信用コネクタ220Rのことである。
【0091】
右側接続判別部240Rは、図2の例では、配線241,242と、抵抗243とを含んでいる。配線241は、通信用コネクタ220Rの端子222と、処理部201とを接続している。配線241は、通信用コネクタ220Rの端子223と、接地電位を与える所定点とを接続している。抵抗243は、いわゆるプルアップ抵抗であり、電位Vccを与える所定点と配線241との間に接続されている。なお、ここでは、接地電位および電位Vccとは、処理部201で処理可能なディジタル信号のLowレベル(以下「Lレベル」とも称する)およびHighレベル(以下「Hレベル」とも称する)にそれぞれ対応するものとする。
【0092】
図2の例では、左側接続判別部240Lも、右側接続判別部240Rと同様に構成されている。
【0093】
なお、通信用コネクタ220R,220Lで端子222,223の配列が異なる。具体的には、端子222が相手方となる通信用コネクタの端子223に接続されるように、換言すれば端子223が相手方となる通信用コネクタの端子222に接続されるように、通信用コネクタ220R,220L内の端子配列が規定されている。
【0094】
かかる構成例によれば、右側通信用コネクタ220Rが他の通信ユニット40の左側通信用コネクタ220Lに接続されていない状態では、右側接続判別信号244RはHレベルになる。これに対し、右側通信用コネクタ220Rが他の通信ユニット40の左側通信用コネクタ220Lに接続されている状態では、右側通信用コネクタ220Rの端子222が上記他の通信ユニット40の左側通信用コネクタ220Lの端子223を介して接地される。このため、右側接続判別信号244RはLレベルになる。
【0095】
同様に、左側通信用コネクタ220Lが他の通信ユニット40の右側通信用コネクタ220Rに接続されていない状態では、左側接続判別信号244LはHレベルになる。これに対し、左側通信用コネクタ220Lが他の通信ユニット40の右側通信用コネクタ220Rに接続されている状態では、左側接続判別信号244LはLレベルになる。
【0096】
このため、処理部201は、接続判別信号244R,244Lのレベルから、右側通信用コネクタ220Rのみに相手方となるコネクタ220Lが接続されている状態(以下「第1接続状態」または「右側接続状態」と称する場合もある)を検出することが可能である。
【0097】
また、処理部201は、接続判別信号244R,244Lのレベルから、左側通信用コネクタ220Lのみに相手方となるコネクタ220Rが接続されている状態(以下「第2接続状態」または「左側接続状態」と称する場合もある)を検出することが可能である。
【0098】
また、処理部201は、接続判別信号244R,244Lのレベルから、コネクタ220R,220Lに相手方となるコネクタ220L,220Rがそれぞれ接続されている状態(以下「第3接続状態」または「両側接続状態」と称する場合もある)を検出することが可能である。
【0099】
また、処理部201は、接続判別信号244R,244Lのレベルから、コネクタ220R,220Lのいずれにも相手方となるコネクタ220L,220Rが接続されていない状態(以下「第4接続状態」または「未接続状態」と称する場合もある)を検出することが可能である。
【0100】
なお、ここでは接続判別部240R,240Lが上記のように通信用コネクタ220R,220Lの接続状態を電気的に判別する構成を例示するが、機械的または光学的な判別手法を接続判別部240R,240Lに採用することも可能である。
【0101】
<信号ポート>
通信ユニット40は、さらに、第1の信号ポート250Rと、第2の信号ポート250Lとを含んでいる。ここでは信号ポート250R,250Lが、図2に例示されるようにコネクタ251R,251Lによって構成される場合を例示する。
【0102】
なお、上記のように図2は各種要素の配置位置を限定するものではないが、説明を分かりやすくするために、以下では第1信号ポート250Rおよび第2信号ポート250Lを「右側信号ポート250R」および「左側信号ポート250L」とそれぞれ称する場合もある。また、コネクタ251R,251Lを「右側信号用コネクタ251R」および「左側信号用コネクタ251L」とそれぞれ称する場合もある。
【0103】
右側信号用コネクタ251Rは、処理部201がユニット外部から所定信号254を受信するための入力端子(換言すれば入力ポート)252と、処理部201がユニット外部へ所定信号254を送信するための出力端子(換言すれば出力ポート)253とを有している。同様に、右側信号用コネクタ251Lも、端子252,253を有している。つまり、信号ポート250R,250Lは所定信号254の入出力に用いられる。
【0104】
なお、後述の説明から明らかになるが、所定信号254は、スレーブとして稼動させる通信ユニット40に対して自身のIDを設定する処理の実行を許可する信号(以下「ID設定許可信号」とも称する)である。
【0105】
信号ポート250R,250Lは、他の通信ユニット40とのディジーチェーン接続、換言すれば他の表示ユニット20とのディジーチェーン接続に利用される。具体的には、一の通信ユニット40の左側信号用コネクタ251Lと他の一の通信ユニット40の右側信号用コネクタ251Rとを接続する形態で以て、複数の通信ユニット40をディジーチェーン接続することが可能である。
【0106】
なお、信号用コネクタ251R,251Lによるディジーチェーン接続は、ケーブルを介在させた形態であってもよいし、あるいは、通信ユニット40どうしを直接接続した形態であってもよい。
【0107】
ここで、信号用コネクタ251R,251Lで端子252,253の配列が異なる。具体的には、端子252が相手方となる信号用コネクタの端子253に接続されるように、換言すれば端子253が相手方となる通信用コネクタの端子252に接続されるように、信号用コネクタ251R,251L内の端子配列が規定されている。
【0108】
<コネクタ>
なお、上記の右側の3つのコネクタ206R,220R,251Rを1つまたは2つのコネクタにまとめることが可能である。これによれば、コネクタ数の減少により、ユニット接続作業の負担を軽減することができる。同様に、上記の左側の3つのコネクタ206L,220L,251Lを1つまたは2つのコネクタにまとめることも可能である。
【0109】
<ID設定処理>
図3および図4に、各通信ユニット40におけるID設定処理を説明するための図を示す。図3は、通信システム50を概説するブロック図であり、図1に対応する。なお、図3では各通信ユニット40の構成を図2に比して簡略に図示している。また、図3には右端の通信ユニット40RのI/F203に外部記憶媒体60が接続されている場合を例示している。図4は、通信ユニット40におけるID設定処理ST10を概説するフローチャートである。
【0110】
図4に例示されるID設定処理ST10は、マスタ/スレーブ決定処理ST20と、スレーブ用IDの割り振り処理ST40とに大別される。通信システム50の起動後、各通信ユニット40では、まず、マスタ/スレーブ決定処理ST20が実行される。
【0111】
<マスタ/スレーブ決定処理>
マスタ/スレーブ決定処理ST20は、概説すれば、接続判別部240R,240Lによる接続判別結果244R,244Lに応じて、当該通信ユニット40をマスタ通信ユニットとスレーブ通信ユニットとのいずれかに決定する処理である。
【0112】
図4の例では、ステップST21において、通信用コネクタ220R,220Lの両方に他の通信ユニット40が接続されているか否か、換言すれば当該通信ユニット40が両側接続状態にあるか否かが判定される。具体的には、処理部201が、右側判別信号244Rと左側判別信号244Lの両方がLレベルであるか否かを判定する。
【0113】
ここで、通信システム50ではディジーチェーン接続されたユニット40のうちで一方端の通信ユニット40がマスタとして稼動する。このため、両側に他の通信ユニット40が接続された状態にある通信ユニット40(図3の例では中央の通信ユニット40Mが該当する)は、スレーブとして稼動することになる。
【0114】
したがって、処理部201は、接続判別信号244R,244Lの両方がLレベルであると判定した場合、スレーブIDの割り振り処理ST40を実行する。なお、当該処理ST40については後に詳述する。
【0115】
他方、処理部201が接続判別信号244R,244Lのうちの少なくとも1つがLレベルであると判定した場合、換言すれば処理部201が当該通信ユニット40の少なくとも一方側には他の通信ユニット40が接続されていないと判定した場合、処理部201はステップST22を実行する。
【0116】
ステップST22では、通信用コネクタ220R,220Lの一方のみに他の通信ユニット40が接続されているか否かが判定される。具体的には、処理部201が、接続判別信号244R,244Lのうちの一方のみがLレベルであるか否かを判定する。
【0117】
上記ステップST22による判定の結果、通信用コネクタ220R,220Lの一方のみに他の通信ユニット40が接続されていると判定された場合、処理部201はステップST23において当該通信ユニット40がマスタ選定条件を満足するか否かを判定する。
【0118】
マスタ選定条件は、マスタ通信ユニットとして選定されるために課される条件である。ここでは、マスタ選定条件が、処理部201が解読可能な形式で表現されたデータ300によって与えられる場合を例示する。また、当該マスタ選定条件データ300には、左側通信用コネクタ220Lのみに他の通信ユニット40が接続されている状態(すなわち左側接続状態)にある通信ユニット40がマスタに選定されるという内容が規定されている場合を例示する。なお、同じ趣旨を種々の表現で規定可能である。
【0119】
また、マスタ選定条件データ300は外部記憶媒体60に格納されて通信システム50へ供給される場合を例示する。
【0120】
この例によれば、外部記憶媒体60が接続されている右端の通信ユニット40Rは、外部記憶媒体60からマスタ選定条件データ300を読み出し、当該データ300を利用する。また、右端の通信ユニット40Rは、読み出したマスタ選定条件データ300を送受信回路211を介してブロードキャストする。これにより、左端の通信ユニット40Mはマスタ選定条件データ300を取得することができる。なお、ブロードキャストは、送信先の通信ユニット40のIDを指定する必要がないので、換言すれば全ての通信ユニット宛に送信するので、各通信ユニット40のIDが未設定の状態であっても実行可能である。
【0121】
マスタ選定条件データ300の取得はステップST23の実行前までに完了していればよく、例えば、ステップST21よりも前にマスタ選定条件データ300の読み出し処理および配信処理が実行される。
【0122】
上記ステップST23において当該通信ユニット40がマスタ選定条件を満足すると判定された場合、処理部201は、ステップST24において、当該通信ユニット40のIDをマスタ通信ユニット用に予め割り当てられた所定のID(ここでは#0とする)を記憶部202へ格納する。これにより、当該通信ユニット40にマスタ用IDが設定され、当該通信ユニット40はその後、マスタ通信ユニットとして稼動する。
【0123】
処理部201は、ステップST24の後、スレーブ用IDの割り振り処理ST40を実行する。
【0124】
他方、上記ステップST23においてマスタ選定条件を満足しないと判定された場合、当該通信ユニット40はスレーブ通信ユニットとして稼動することになる。
【0125】
ここで、上記ステップST22,ST23を経てスレーブに決定された通信ユニット40は、ディジーチェーン接続の最終段(換言すれば末端)に位置している。かかる点に鑑み、上記ステップST23においてマスタ選定条件を満足しないと判定された場合、処理部201は、ステップST25において終端回路230(図2参照)を稼動させてユニット内通信バスライン212を終端させる。これにより、通信ユニット40R,40M,40Lに渡る上記共有の通信バスラインが終端される。その結果、最終段の通信ユニット40における不要な信号反射を防止して、良好な通信を行うことができる。
【0126】
処理部201は、ステップST25の後、スレーブ用IDの割り振り処理ST40を実行する。
【0127】
より具体的には、マスタ選定条件が上記に例示したように左側接続状態の通信ユニット40がマスタに選定されるという内容である場合、右端の通信ユニット40Rが上記判定ステップST23を経てマスタに決定される。これに対し、左端の通信ユニット40Lは上記判定ステップST23を経てスレーブに決定される。
【0128】
なお、上記ステップST22による判定の結果、通信用コネクタ220R,220Lのいずれにも他の通信ユニット40が接続されていないと判定された場合、当該通信ユニット40が単体で使用される状態にある。ここでは、かかる単体状態の通信ユニット40はマスタとして稼動するものとする。
【0129】
具体的には、上記ステップST22において接続判別信号244R,244Lの両方がHレベルであると判定された場合、処理部201は、その後、ステップST26において当該通信ユニット40のIDをマスタ用ID(#0)に設定し、当該IDを記憶部202へ格納する。単体使用の場合、スレーブ用IDの割り振り処理ST40を実行する必要はないので、処理部201はステップST26の後、ID設定処理ST10を終了する。
【0130】
なお、ステップST21,ST22は上記とは逆順に実行することも可能である。
【0131】
また、右側接続状態にある通信ユニット40がマスタに選定されるという内容のマスタ選定条件を用いることにより、左端の通信ユニット40Lをマスタにすることも可能である。
【0132】
<スレーブ用IDの割り振り処理>
スレーブ用IDの割り振り処理ST40(図4参照)を、図5のフローチャートを参照して詳述する。図5には、説明を分かりやすくするために、マスタ通信ユニット40(ここでは通信ユニット40R)におけるID設定指示処理STST50と、スレーブ通信ユニット40(ここでは通信ユニット40M,40L)におけるID設定処理ST70とを併記している。
【0133】
図5の例では、スレーブ通信ユニット40は、まずステップST71において、当該通信ユニット40のIDが未設定であるか否かを判別する。例えば、IDが設定されているか否かを示すためのフラグを処理部201内または記憶部202内に予め準備しておき、当該フラグの状態を処理部201が判別することにより、ステップST71を実行可能である。
【0134】
上記ステップST71においてIDが設定済みであると判別された場合、スレーブ通信ユニット40は自身のID設定処理ST70を終了する。
【0135】
これに対し、上記ステップST71においてIDは未設定であると判別された場合、スレーブ通信ユニット40は、ステップST72において、信号ポート250R,250LのいずれかにID設定許可信号254が入力されるまで待機する。具体的には、スレーブ通信ユニット40の処理部201は、信号ポート250R,250Lのいずれかの入力ポート252がHレベルになるまで待機する。
【0136】
他方、マスタ通信ユニット40Rは、ステップST51において、左側信号ポート250LにID設定許可信号254を出力する。具体的には、マスタ通信ユニット40Rの処理部201は、信号ポート250Lの出力ポート253をHレベルに設定する。なお、ここでは、スレーブ通信ユニット40が接続されている左側信号ポート250LのみにID設定許可信号254を出力する場合を例示するが、信号ポート250R,250Lの両方にID設定許可信号254を出力しても構わない。
【0137】
マスタ通信ユニット40Rから出力されたID設定許可信号254は、マスタ通信ユニット40Rの次段のユニットである中央の通信ユニット40Mの右側信号ポート250Rの入力ポート252へ伝達される(図5中の破線矢印A51を参照)。当該中央の通信ユニット40Mは、ID設定許可信号254の入力により上記ステップST72での待機状態を脱し、ステップST73においてスレーブ用ID260(図3参照)を受信するまで待機する。
【0138】
ところで、中央の通信ユニット40Mは、自身のIDを設定するまでは、ID許可信号254を後段のユニットである左端のスレーブ通信ユニット40Lへ伝達しない。具体的には、中央の通信ユニット40Mの処理部201は、左側信号ポート250Lの出力をLレベルのまま保持する。このため、左端のスレーブ通信ユニット40Lは、ID設定許可信号254の入力待機状態を維持することになる(ステップST72)。
【0139】
マスタ通信ユニット40Rは、ステップST52において、スレーブ用ID260をブロードキャストする。具体的には、マスタ通信ユニット40Rの処理部201は、スレーブ用ID260を送信するためのパケットを生成し、当該パケットを送受信回路211を介して(換言すれば通信回路210を介して)スレーブ通信ユニット40M,40Rへブロードキャストする(図5中の破線矢印A52を参照)。ここで、ブロードキャストは送信先の通信ユニット40のIDを指定する必要がないので、スレーブ通信ユニット40M,40Lは自身のIDが未設定の状態であってもスレーブ用ID260のパケットを受信可能である。
【0140】
なお、ここでは、スレーブ用ID260として、初期値を#1とし、当該初期値を順次+1ずつ増加させた(いわゆるインクリメントさせた)値を採用する場合を例示する。
【0141】
中央の通信ユニット40Mは、送受信回路211を介して(換言すれば通信回路210を介して)スレーブ用ID260を受信することにより、ステップST73での受信待機状態を脱し、次のステップST74を実行する。
【0142】
なお、左端のスレーブ通信ユニット40Lもスレーブ用ID260を受信するが、当該ユニット40Lは未だスレーブ用ID260の受信待機状態になっていないため、受信されたスレーブ用ID260は当該ユニット40Lでは利用されない。
【0143】
中央の通信ユニット40Mは、ステップST74において、受信したスレーブ用ID260を自身のIDとして設定する。具体的には、処理部201は、受信したスレーブ用ID260を記憶部202へ格納するとともに、上記フラグをID設定済みの状態へ変更する。
【0144】
ここで、ID設定ステップST74は上記ステップST71〜ST73を経た後に実行されることに鑑みると、当該ステップST74は、(a)スレーブ用IDが未設定であること、(b)ID設定許可信号254を取得していること、および、(c)スレーブ用ID260を取得していること、という3つの条件を満足している場合に実行される。
【0145】
その後、中央の通信ユニット40Mは、ステップST75において、ID設定許可信号254が入力された右側信号ポート250Rとは反対側へ、すなわち左側信号ポート250Lへ、ID設定許可信号254を出力する。具体的には、中央の通信ユニット40Mの処理部201は、左側信号ポート250Lの出力ポート253をHレベルに設定する。これにより、左端のスレーブ通信ユニット40LへID設定許可信号254が伝達される(図5中の破線矢印A75を参照)。
【0146】
中央の通信ユニット40Mは、ステップST76において、自身が最終段のスレーブであるか否かを判別する。ところで、かかる判別は、マスタ/スレーブ決定処理ST20のステップST21〜ST23(図4参照)によって既に行われている。このため、その際の判別結果を例えばフラグによって管理することにより、当該ステップST76を容易に実行することができる。具体的には、処理部201が当該フラグの状態を判別すればよい。
【0147】
中央の通信ユニット40Mは最終段のスレーブではないので、中央の通信ユニット40Mは、ステップST77において、当該ユニット40MのIDの設定が完了した旨を示す応答メッセージ261(図3参照)を送信する。具体的には、処理部201が、応答メッセージ261のパケットを生成し、当該パケットを送受信回路211を介して(換言すれば通信回路210を介して)送信する(図5中の破線矢印A77を参照)。なお、かかる送信は、送信先を指定しないブロードキャストであってもよいし、送信先をマスタ通信ユニット40Rに指定したユニキャストであってもよい。
【0148】
上記ステップST77の実行により、中央の通信ユニット40MにおけるID設定処理ST70は終了する。
【0149】
他方、マスタ通信ユニット40Rの処理部201は、ステップST53において、所定時間内に応答メッセージ261を受信したか否かを判定する。
【0150】
所定時間内に応答メッセージ261が受信されなかった場合、マスタ通信ユニット40Rの処理部201は上記ステップST52へ戻って前回と同じ内容のスレーブ用ID260をブロードキャストする。
【0151】
これに対し、所定時間内に応答メッセージ261が受信された場合、マスタ通信ユニット40Rの処理部201は、ステップST54において、当該応答メッセージ261が最終段のスレーブまでID設定が完了した旨を含んでいるか否かを判別する。中央の通信ユニット40Mは最終段のスレーブではないので、中央の通信ユニット40Mからの応答メッセージ261を受信した場合には、マスタ通信ユニット40Rの処理部201は次にステップST55を実行する。
【0152】
ステップST55では、マスタ通信ユニット40Rの処理部201はスレーブ用ID260の値をインクリメントする。その後、処理部201は、上記ステップST52へ戻って、インクリメントされたスレーブ用ID260をブロードキャストする。
【0153】
ここで、左端の通信ユニット40Lは、中央の通信ユニット40MからID設定許可信号254を取得したことにより、スレーブ用ID260の受信待機状態にある(ステップST73)。このため、新しいスレーブ用ID260は、左端の通信ユニット40Lによって受信される。
【0154】
左端の通信ユニット40Lは、上記ステップST74において、受信したスレーブ用ID260を自身のIDに設定する。
【0155】
なお、図5の例によれば左端の通信ユニット40Lも上記ステップST75を実行することになるが、左端の通信ユニット40Lは最終段に位置しているので、当該ステップST75を省略させることも可能である。
【0156】
その後、左端の通信ユニット40Lは、上記ステップST76を経て、ステップST78を実行する。具体的には、左端の通信ユニット40Lは最終段に位置するので、当該ステップST78において左端の通信ユニット40Lは、自身のスレーブ用IDの設定が完了した旨と、最終段のスレーブまでIDの設定が完了した旨とを示す応答メッセージ261を送信する。具体的には、処理部201が、応答メッセージ261のパケットを生成し、当該パケットを送受信回路211を介して(換言すれば通信回路210を介して)送信する(図5中の破線矢印A78を参照)。なお、かかる送信は、送信先を指定しないブロードキャストであってもよいし、送信先をマスタ通信ユニット40Rに指定したユニキャストであってもよい。
【0157】
上記ステップST78の実行により、左端の通信ユニット40LにおけるID設定処理ST70は終了する。
【0158】
他方、マスタ通信ユニット40Rは左端の通信ユニット40Lからの応答メッセージ261に対しても上記ステップST53を行い、応答メッセージ261が所定時間内に受信されなかった場合には、上記ステップST52へ戻る。
【0159】
これに対し、左端の通信ユニット40Lからの応答メッセージ261が所定時間内に受信された場合、マスタ通信ユニット40Rは、ステップST54において当該応答メッセージ261に最終段のスレーブまでID設定が完了した旨が含まれることを判別し、これにより処理を終了する。
【0160】
なお、ステップST71〜ST73は任意の順序で実行可能である。また、ステップST74,ST75は上記とは逆順に実行することも可能である。
【0161】
<データ配信>
図3の例によれば、各通信ユニット40用のデータ310が、外部記憶媒体60に格納されて通信システム50に供給される。なお、ここでは、当該データ310として、各表示ユニット20において表示するコンテンツのデータを例示する。
【0162】
また、図3の例では、表示ユニット20R,20M,20L用のコンテンツデータ310が予め個別に準備されている。これらを区別する場合には、表示ユニット20R用のコンテンツデータ310には符号310Rを用い、同様に表示ユニット20M,20L用のコンテンツデータ310には符号310M,310Lをそれぞれ用いることにする。
【0163】
コンテンツデータ310R,310M,310Lは、例えば、表示ユニット20R,20M,20Lの配列に合わせて1つの画像を分割した分割画像のデータである。これによれば、表示ユニット20R,20M,20Lを一体的に利用して上記1つの画像が表示される。換言すれば、各表示ユニット20の表示部30が集合して1つの表示部が構成される。なお、コンテンツデータ310は上記分割画像データ以外のデータであっても構わない。
【0164】
図6に、コンテンツデータ310の配信処理ST90を概説するフローチャートを示す。なお、図6には、配信されたコンテンツデータ310を受信する側の通信ユニット40(ここでは中央および左端の通信ユニット40M,40L)における処理ST110も併記している。
【0165】
図6の例によれば、ステップST91において、外部記憶媒体60内のコンテンツデータ310は、当該外部記憶媒体60が接続されている通信ユニット40(ここでは右端の通信ユニット40R)の処理部201によって読み出される。
【0166】
そして、ステップST92において、通信ユニット40Rの処理部201は、読み出したコンテンツデータ310が、当該通信ユニット40Rが設けられている表示ユニット20R用のコンテンツデータ310Rであるか否かを判別する。
【0167】
ここで、各コンテンツデータ310R,310M,310Lには、どの表示ユニット20用のデータであるのかに関する情報として、対応する表示ユニット20のID(すなわち通信ユニット40のID)が予め関連付けられている。このため、処理部201は、コンテンツデータ310に付与されているIDを判別することによって、上記ステップST92を実行可能である。
【0168】
読み出したデータ310が表示ユニット20R用のコンテンツデータ310Rである場合、通信ユニット40Rの処理部201は、ステップST93において、表示部30(図1参照)を制御してコンテンツデータ310Rを表示する。
【0169】
これに対し、読み出したデータ310が表示ユニット20R用のコンテンツデータ310Rではない場合、通信ユニット40Rは、ステップST94において、読み出したコンテンツデータ310を、対応する通信ユニット40へ(したがって、対応する表示ユニット20へ)送信する。具体的には、通信ユニット40Rの処理部201は、読み出したコンテンツデータ310に付与されているIDを送信先として当該コンテンツデータ310のパケットを生成し、当該パケットを送受信回路211を介して(換言すれば通信回路210を介して)ユニキャストする(図6中の破線矢印A94を参照)。
【0170】
送信されたコンテンツデータ310は、受信側の通信ユニット40によって受信され(ステップST111)、表示に利用される(ステップST112)。
【0171】
データの配信元である通信ユニット40Rでは、上記ステップST93,ST94の後、ステップST95において処理部201が、読み出すデータ310が残っていないかを確認する。そして、処理部201は、読み出すデータが残っていれば上記ステップST91へ戻り、読み出しが完了していれば処理ST90を終了する。
【0172】
なお、上記ではコンテンツデータ310を逐一読み出す場合を例示したが、全てのコンテンツデータ310を読み出した後に上記ステップST92〜ST94を実行することも可能である。
【0173】
<第1実施形態についての総括>
第1実施形態によれば、マスタ用IDの値は予め割り当てられており、スレーブ用IDの値はマスタ通信ユニット40において決定される。このため、各通信ユニット40のIDはマスタにおいて一元的に管理されることになる。したがって、IDの重複登録等の設定ミスを防止することができる。
【0174】
また、各通信ユニット40による制御下、ID設定許可信号254が通信ユニット40R,40M,40L間を順に伝達される。このため、自動的かつ漏れなくIDを付与することができる。
【0175】
このように、第1実施形態によれば、各通信ユニットについてディップスイッチの手動設定が必要な場合に比べて、ID付与を簡便で確実に行うことができる。また、ディップスイッチの設定作業が不要であるため、部品コストや作業コストを削減することができる。
【0176】
また、スレーブ用IDの割り振り処理(図5参照)において応答メッセージ261を採用しているので、マスタの処理部201は処理の進行状況を把握することができ、確実なID付与に寄与する。
【0177】
また、最終段のスレーブまでID設定が完了した旨を含んだ応答メッセージ261の採用により、マスタの処理部201は、それまでに送信したスレーブ用ID260の個数から、スレーブの台数を知ることが可能である。これによれば、例えば、処理部201は予定されていた台数のスレーブが接続されているか否かの確認を行うことが可能であり、通信システム50の確実な構築に寄与する。
【0178】
また、応答メッセージ261が受信されない場合には同じ値のスレーブ用ID260を再度、ブロードキャストするので、確実なID付与に寄与する。
【0179】
また、第1実施形態によれば、ディジーチェーン接続において一方端に位置する通信ユニット40を自動的にマスタに設定することができる。
【0180】
この際、ディジーチェーン接続の両端に位置する通信ユニット40R,40Lのうちのいずれをマスタに設定するかについては、マスタ選定条件の内容によって規定される。このため、システム50,10の設置環境等に応じて都合の良い方のユニット40,20を、マスタに設定または変更することができる。
【0181】
このように、第1実施形態によれば、マスタの設定について高い利便性が得られる。
【0182】
また、マスタ選定条件が、処理部201が解読可能な形式のデータ300によって、ソフトウェア的に付与される。このため、内容変更が容易である。
【0183】
また、マスタ選定条件データ300は外部記憶媒体60に格納されている。このため、外部記憶媒体60内のマスタ選定条件データ300を書き換えることによって、あるいは、外部記憶媒体60を交換することによって、マスタ選定条件を容易に変更することができる。
【0184】
また、外部記憶媒体60が装着されている通信ユニット40は当該外部記憶媒体60からマスタ選定条件データ300を取得し、そうでない通信ユニット40は通信機能を使って他の通信ユニット40からマスタ選定条件データ300を取得する。つまり、外部記憶媒体60がいずれの通信ユニット40に装着されていても、マスタ選定条件データ300を取得可能である。このため、システム50,10の設置環境等に応じて都合の良いユニット40,20に(例えば装着作業のしやすい位置のユニット40,20に)外部記憶媒体を装着すれば済み、簡便である。
【0185】
また、コンテンツデータ310は各表示ユニット20ごとに予め準備された状態で供給される。このため、例えば表示ユニット20R,20M,20Lを一体的に利用して1つの画像を表示する場合に、全体画像データの分割処理を処理部201が行う必要がない。つまり、処理部201の処理負担が少なくて済む。したがって、処理部201の高性能化を回避でき、コスト削減等を図ることができる。
【0186】
なお、上記特許文献1に記載のシステムでは、マスタLAN機器はスレーブLAN機器とは異なる固有の構成を有している。すなわち、システムにおいてマスタは予め固定されている。このため、上記マスタ/スレーブ決定処理ST20に相当するが行われることはない。また、上記特許文献1に記載のシステムでは、スレーブLAN機器は自身のID設定が完了するまで、後段の機器を切断した状態にする。このため、全ての機器にID設定されるまで、ブロードキャスト通信を利用することはできない。
【0187】
<第2実施形態>
第1実施形態では、マスタ選定条件データ300を保有している外部記憶媒体60が、マスタ候補である右端の通信ユニット40Rに接続されている場合を例示した(図3参照)。また、もう一つのマスタ候補である左端の通信ユニット40Lは、通信機能を使って、マスタ選定条件データ300を取得する場合を例示した。
【0188】
これに対し、図7に例示するように、マスタ選定条件データ300を保有している外部記憶媒体60を、スレーブとなる中央の通信ユニット40Mに接続することも可能である。この場合、中央の通信ユニット40Mがマスタ選定条件データ300をブロードキャストすることにより、両端の通信ユニット40R,40Lはマスタ選定条件データ300を取得可能である。
【0189】
図7の例の場合、コンテンツデータ310はマスタ選定条件データ300とともに外部記憶媒体60内に格納されているので、コンテンツデータ310は中央の通信ユニット40Mから両端の通信ユニット40R,40Lへ配信される。
【0190】
これに対し、図8に例示するように、マスタ選定条件データ300とコンテンツデータ310とを別々の外部記憶媒体61,62に格納し、これらの外部記憶媒体61,62を別々の通信ユニット40へ接続することも可能である。なお、各外部記憶媒体61,62の接続先は図8の例に限定されるものではない。
【0191】
ここで、データ300,310を同じ外部記憶媒体60に格納した場合の方が、1つの外部記憶媒体60を装着するだけで両方のデータ300,310を供給可能であるので、簡便である。また、マスタ選定条件データ300用の外部記憶媒体61と、コンテンツデータ310用の外部記憶媒体62とを区別して管理する必要がないので、この点においても簡便である。
【0192】
また、外部記憶媒体60を全ての通信ユニット40に接続しても構わない。これによれば、マスタ選定条件データ300およびコンテンツデータ310の配信処理が不要になる。但し、外部記憶媒体60を1つの通信ユニット40に接続する形態によれば、外部記憶媒体60の接続作業量が少なくて済み、簡便である。
【0193】
<第3実施形態>
第1および第2の実施形態では、マスタ選定条件がデータの形式を採る場合を例示した。
【0194】
これに対し、マスタ選定条件を、外部記憶媒体が接続された状態にある通信ユニット40がマスタに選定されると規定することも可能である。この場合、マスタ選定条件を満足するか否かを判定する上記ステップST23(図4参照)では、処理部201は、I/F203に外部記憶媒体が接続されているか否かを判別することになる。例えば、処理部201が外部記憶媒体へのアクセスを試みることにより、ステップST23での判別を実行可能である。あるいは、I/F203が外部記憶媒体の接続を検知した場合には、その旨を示す信号がI/F203から処理部201へ出力されるようにしても構わない。
【0195】
ここで、第3実施形態に係る上記外部記憶媒体は、マスタ選定条件データ300を保有している必要はない。このため、例えばコンテンツデータ310用の外部記憶媒体62(図8参照)を利用可能である。
【0196】
第3実施形態によれば、外部記憶媒体を装着するだけでマスタを設定することができる。この際、両端の通信ユニット40R,40Lのうちで、システム50,10の設置環境等に応じて都合の良い方に(例えば装着作業のしやすい位置のユニット40,20に)、外部記憶媒体を装着すれば済み、簡便である。
【0197】
<第4実施形態>
本第4実施形態では、マスタ選定条件が上記とは異なる他の手法で供給される例を説明する。図9に第4実施形態に係る表示システム21を概説するブロック図を示す。表示システム21は、上記表示システム20において通信ユニット40を通信ユニット41に変更した構成を有している。第4実施形態に係る通信ユニット41は、上記通信ユニット40に、マスタ選定スイッチ270を追加した構成を有している。
【0198】
マスタ選定スイッチ270は、例えばディップスイッチ等の各種スイッチ部品によって構成可能である。マスタ選定スイッチ270は処理部201に接続されており、これにより処理部201はマスタ選定スイッチ270の設定状態を取得可能である。
【0199】
かかる構成の通信ユニット41では、マスタ選定条件は、マスタ選定スイッチ270が所定状態にある通信ユニット40がマスタに選定されることを内容とする。この場合、マスタ選定条件を満足するか否かを判定する上記ステップST23(図4参照)では、処理部201は、マスタ選定スイッチ270の状態が上記所定状態にあるか否かを判別する。
【0200】
したがって、システムの管理者は、両端の通信ユニット40R,40Lのうちでマスタに選定したい方についてのみ、マスタ選定スイッチ270を上記所定状態に設定すれば済み、簡便である。
【0201】
ここで、両端に位置しない通信ユニット40Mのマスタ選定スイッチ270の状態は、マスタ/スレーブ決定処理ST20(図4参照)に影響を及ぼさない。なぜならば、マスタ選定条件を満足するか否かを判定する上記ステップST23は、両端の通信ユニット40R,40Lにおいてのみ実行されるからである。このため、全ての通信ユニット40についてマスタ選定スイッチ270を操作する必要はない。このため、マスタ選定スイッチ270を採用しても、煩雑な作業の大幅増加を招くことがない。
【0202】
<第5実施形態>
第1実施形態では、マスタ/スレーブ決定処理ST20と、スレーブ用IDの割り振り処理ST40との組み合わせを例示した。
【0203】
しかし、マスタ/スレーブ決定処理ST20は、上記処理ST40とは異なるスレーブ用IDの割り振り処理と組み合わせることが可能である。同様に、スレーブ用IDの割り振り処理ST40は、上記処理ST20とは異なるマスタ/スレーブ決定処理と組み合わせることが可能である。
【0204】
<第6実施形態>
第1実施形態では、各通信ユニット40の送受信回路211がバス型構造で以て有線接続されることによりブロードキャスト通信が可能となる構成を例示した(図2および図3参照)。
【0205】
これに対し、無線通信によっても通信ユニット40間のブロードキャスト通信は可能である。具体的には、送受信回路211に替えて、無線通信が可能に構成された送受信回路を採用すればよい。なお、かかる例においても、各通信ユニット40は信号ポート250R,250Lを介してディジーチェーン接続される。
【0206】
なお、無線通信を採用した場合、通信用コネクタ220R,220Lは不要になるため、接続判別部240R,240Lを配設することができない。このため、マスタ/スレーブ決定処理ST20を採用することはできない。
【0207】
また、上記では電気または電波による通信を例示したが、例えば光通信を利用することも可能である。また、ID設定許可信号254のユニット間伝達に光信号を利用することも可能である。
【0208】
<第7実施形態>
第1実施形態に例示の表示システム10では、3台の表示ユニット20が直線状に配列されている(図1参照)。しかし、表示ユニット20の台数および配列はかかる例に限定されるものではない。そこで、本第7実施形態は他の例を説明する。
【0209】
図10に、第7実施形態に係る表示システム11の概説図を示す。図10の例では、36台の表示ユニット20が4行9列のマトリクス状に配列されている。そして、第1行目の右端の表示ユニット20をマスタ(#0)とし、第4行目の左端の表示ユニット20を最終段として、これらの表示ユニット20がディジーチェーン接続されている。なお、各行内におけるディジーチェーン接続の図示は省略している。
【0210】
図10の例では、各行において、左方向に後段の表示ユニット20(換言すればIDの値がより大きい表示ユニット20)が並んでいる。この場合、第1行目の左端の表示ユニット20(#8)はケーブル401を介して第2行目の右端の表示ユニット20(#9)に接続され、第2行目の左端の表示ユニット20(#17)はケーブル402を介して第3行目の右端の表示ユニット20(#18)に接続され、第3行目の左端の表示ユニット20(#26)はケーブル403を介して第4行目の右端の表示ユニット20(#27)に接続されている。なお、各ケーブル401〜403は通信用コネクタ220R,220L(図3参照)をディジーチェーン接続するケーブルであり、信号用コネクタ250R,250Lをディジーチェーン接続するケーブルの図示は省略している。
【0211】
また、図10の例では、第1の電源500が電源用ケーブル501を介して#0の表示ユニット20に接続され、#8の表示ユニット20が電源用ケーブル502を介して#17の表示ユニット20に接続されている。これにより、第1の電源500によって#0〜#17の表示ユニット20へ電力供給される。
【0212】
一方、第2の電源510が電源用ケーブル511を介して#18の表示ユニット20に接続され、#26の表示ユニット20が電源用ケーブル512を介して#35の表示ユニット20に接続されている。これにより、第2の電源510によって#18〜#35の表示ユニット20へ電力供給される。
【0213】
なお、1つの電源によって全ての表示ユニット20へ電力供給しても構わない。また、3つ以上の電源を採用しても構わない。
【0214】
ここで、図10の配列形態では、各行における最前段の表示ユニット20(換言すればIDが最も若い表示ユニット20)が、同じ側(ここでは右端)に位置する。
【0215】
これに対し、図11に例示するように、各行における最前段の表示ユニット20が、隣接する2行間で反対側に位置する配列形態を採用することも可能である。なお、図11では電力供給形態の図示は省略している。図11の配列形態によれば、隣接行の表示ユニット20を繋ぐケーブル401〜403が短くて済む。このため、例えば、配列作業の容易化、ケーブルの区別の容易化等を図ることができる。
【0216】
表示システム11は、例えば、店舗の陳列棚に設置して電子POP(Point Of Purchase)を構成可能である。より具体的には、図10および図11の配列形態における各行を陳列棚の各段の棚板に対応させて、棚板前面に各表示ユニット20を取り付ければよい。例えば、表示システム11に陳列商品の広告映像等を表示することにより、販売促進が期待される。
【0217】
また、表示システム11は、例えば、各表示ユニット20を近接させて配置することによって、大画面表示装置として利用することも可能である。
【0218】
<変形例>
なお、上記の各種の構成、処理等は相互に矛盾しない限り適宜組合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0219】
10,11 表示システム
20,21 表示ユニット
40,40L,40M,40R,41 通信ユニット
50 通信システム
60〜62 外部記憶媒体
201 処理部
210 通信回路
211 送受信回路
212 ユニット内通信バスライン
220L,220R 通信用コネクタ
230 終端回路
240L,240R 接続判別部
244L,244R 接続判別信号
250L,250R 信号ポート
260 スレーブ用ID
261 応答メッセージ
270 マスタ選定スイッチ
300 マスタ選定条件データ
310,310L,310M,310R コンテンツデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムを構成する複数の通信ユニットのうちの一つであって、
前記複数の通信ユニットのうちで当該通信ユニットを除く残余の通信ユニットとの通信が可能に構成されており、前記通信システムにおいては前記残余の通信ユニットに対するブロードキャストが可能に設けられる、通信回路と、
前記通信回路に接続された処理部と、
前記処理部とユニット外部との間での所定信号の入出力に用いられ、前記残余の通信ユニットとのディジーチェーン接続に利用される、第1信号ポートおよび第2信号ポートと
を備え、
当該通信ユニットが前記ディジーチェーン接続の一方端においてマスタとして稼動する場合、前記処理部は、
当該通信ユニットのIDを予め割り当てられたマスタ用IDに設定する処理と、
前記第1信号ポートと前記第2信号ポートのうちでスレーブとして稼動する前記残余の通信ユニットが接続されている側の信号ポートへ、前記所定信号として、前記IDの設定処理の実行を許可するためのID設定許可信号を出力する処理と、
スレーブ用IDを、前記通信回路を介して、前記残余の通信ユニットへブロードキャストする処理と
を行い、
当該通信ユニットがスレーブとして稼動する場合、前記処理部は、
当該通信ユニットの前記IDが未設定であること、前記ID設定許可信号を取得していること、および、前記スレーブ用IDを取得していることを条件として、取得した前記スレーブ用IDを当該通信ユニットの前記IDに設定する処理と、
当該通信ユニットの前記IDの設定に伴って、前記第1信号ポートと前記第2信号ポートとのうちで前記ID設定許可信号が入力された信号ポートとは異なる方の信号ポートへ、前記所定信号として、前記ID設定許可信号を出力する処理と
を行う、通信ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の通信ユニットであって、
前記通信回路は、
前記処理部に接続された送受信回路と、
前記送受信回路に接続されたユニット内通信バスラインと、
前記ユニット内通信バスラインに接続されており、前記残余の通信ユニットとの前記ディジーチェーン接続に利用される第1通信用コネクタおよび第2通信用コネクタと
を含む、通信ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の通信ユニットであって、
前記第1通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第1接続判別部と、
前記第2通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第2接続判別部と
をさらに備え、
前記処理部は、前記第1接続判別部および前記第2接続判別部による前記判別結果に応じて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する、マスタ/スレーブ決定処理を行い、
前記マスタ/スレーブ決定処理は、
前記第1通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第1接続状態、または、前記第2通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第2接続状態が検出された場合、前記マスタとして選定されるために課されるマスタ選定条件に基づいて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する処理
を含む、通信ユニット。
【請求項4】
通信システムを構成する複数の通信ユニットのうちの一つであって、
前記複数の通信ユニットのうちで当該通信ユニットを除く残余の通信ユニットとの通信が可能に構成されており、前記通信システムにおいては前記残余の通信ユニットに対するブロードキャストが可能に設けられる、通信回路と、
前記通信回路に接続された処理部と
を備え、
前記通信回路は、
前記処理部に接続された送受信回路と、
前記送受信回路に接続されたユニット内通信バスラインと、
前記ユニット内通信バスラインに接続されており、前記残余の通信ユニットとの前記ディジーチェーン接続に利用される第1通信用コネクタおよび第2通信用コネクタと
を含み、
当該通信ユニットは、
前記第1通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第1接続判別部と、
前記第2通信用コネクタに相手方となるコネクタが接続されているか否かを判別し、判別結果を前記処理部へ出力するように構成された、第2接続判別部と
をさらに備え、
前記処理部は、前記第1接続判別部および前記第2接続判別部による前記判別結果に応じて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する、マスタ/スレーブ決定処理を行い、
前記マスタ/スレーブ決定処理は、
前記第1通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第1接続状態、または、前記第2通信用コネクタのみに前記相手方となるコネクタが接続されている第2接続状態が検出された場合、前記マスタとして選定されるために課されるマスタ選定条件に基づいて、当該通信ユニットを前記マスタと前記スレーブのいずれかに決定する処理
を含む、通信ユニット。
【請求項5】
請求項3または4に記載の通信ユニットであって、
前記マスタ選定条件は、前記処理部が解読可能な形式で表現されたデータによって供給される、通信ユニット。
【請求項6】
請求項3ないし5のうちのいずれか1項に記載の通信ユニットであって、
前記マスタ選定条件に関する前記データは外部記憶媒体から供給される、通信ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の通信ユニットであって、
前記処理部は、
当該通信ユニットに前記外部記憶媒体が装着されている場合には、当該外部記憶媒体から前記マスタ選定条件に関する前記データを取得し、
当該通信ユニットに前記外部記憶媒体が装着されていない場合には、前記マスタ選定条件に関する前記データを、前記外部記憶媒体が装着されている他の通信ユニットから前記通信回路を介して取得する、
通信ユニット。
【請求項8】
請求項3または4に記載の通信ユニットであって、
前記マスタ選定条件は、外部記憶媒体が装着された状態にある通信ユニットが前記マスタに選定されることを内容とする、通信ユニット。
【請求項9】
請求項3または4に記載の通信ユニットであって、
前記処理部に接続されたマスタ選定スイッチ
をさらに備え、
前記マスタ選定条件は、前記マスタ選定スイッチが所定状態にある通信ユニットが前記マスタに選定されることを内容とする、通信ユニット。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちのいずれか1項に記載の通信ユニットであって、
前記処理部は、
通信ユニットごとに準備され前記IDが予め関連付けられている個別データを取得する処理と、
当該通信ユニットを除く前記残余の通信ユニット用の前記個別データを、前記残余の通信ユニットのうちで対応する通信ユニットへ、前記通信回路を介して送信する処理と
を行う、通信ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載の通信ユニットであって、
前記個別データは、請求項6に記載のマスタ選定条件に関する前記データとともに同じ外部記憶媒体に格納されて供給される、通信ユニット。
【請求項12】
請求項3ないし11のうちのいずれか1項に記載の通信ユニットであって、
前記ユニット内通信バスラインを終端するための終端回路
をさらに備え、
前記マスタ/スレーブ決定処理は、
前記第1接続状態または前記第2接続状態が検出され、かつ、当該通信ユニットが前記スレーブに決定された場合、前記終端回路を稼動させて前記ユニット内通信バスラインを終端する処理を行う、
通信ユニット。
【請求項13】
請求項3および当該請求項3を引用する請求項5ないし12のうちのいずれか1項に記載の通信ユニットであって、
当該通信ユニットが前記スレーブとして稼動する場合、前記処理部は、当該通信ユニットの前記IDの設定に伴って、前記IDの設定が完了した旨を示す応答メッセージを、前記通信回路を介して前記マスタへ送信する処理を行い、
当該通信ユニットが最終段のスレーブである場合には、前記処理部は、前記応答メッセージに、前記最終段のスレーブまで前記IDの設定が完了した旨をさらに含ませる、
通信ユニット。
【請求項14】
請求項13に記載の通信ユニットであって、
当該通信ユニットが前記マスタとして稼動する場合、前記処理部は、前記スレーブから前記応答メッセージを受信するまで、同じ内容を有した前記スレーブ用IDのブロードキャストを繰り返す、通信ユニット。
【請求項15】
請求項1ないし3および当該請求項1ないし3を引用する請求項5ないし14のうちのいずれか1項に記載の通信ユニットによってそれぞれ構成されており、一の通信ユニットの前記第1信号ポートと他の一の通信ユニットの前記第2信号ポートとが接続される形態で以てディジーチェーン接続された、複数の通信ユニットを備える、通信システム。
【請求項16】
請求項4および当該請求項4を引用する請求項5ないし14のうちのいずれか1項に記載の通信ユニットによってそれぞれ構成されており、一の通信ユニットの前記第1通信用コネクタと他の一の通信ユニットの前記第2通信用コネクタとが接続される形態で以てディジーチェーン接続された、複数の通信ユニットを備える、通信システム。
【請求項17】
請求項1ないし請求項14のうちのいずれか1項に記載の通信ユニットと、
前記通信ユニットに接続された表示部と
を備え、
前記表示部が前記通信ユニットによって受信されたデータを表示可能に設けられている、表示ユニット。
【請求項18】
請求項15または16に記載の通信システムと、
前記通信システムを構成する前記複数の通信ユニットにそれぞれ接続された複数の表示部と
を備え、
前記複数の表示部のそれぞれが、自身が接続されている通信ユニットによって受信されたデータを表示可能に設けられている、表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−239024(P2011−239024A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106333(P2010−106333)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】