説明

通信事業者ネットワーク及びオーバレイネットワークを用いた呼接続方法、ピアノード及びプログラム

【課題】通信事業者ネットワークにオーバレイネットワークを連携させることによって、呼接続確立時間を規定値以下に抑えながら、通信事業者ネットワークに対する負荷を低く抑えることができる呼接続方法等を提供する。
【解決手段】複数のピアノードによって接続された物理ネットワーク上に仮想的に構成されたオーバレイネットワークと、ピアノード間の呼接続を制御するセッション制御サーバとを有するシステムを用いる。最初に、発呼元ピアノードが、オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する。そして、発呼元ピアノードが、遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信し、遅延時間が規定時間よりも長い場合、セッション制御サーバへ呼接続要求を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信事業者ネットワーク及びオーバレイネットワークを用いた呼接続方法、ピアノード及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3GPP/3GPP2(3rd Generation Partnership Project/3rd Generation Partnership Project 2)は、IMS(IP Multimedia Subsystem)/MMD (Multimedia Domain)を次世代移動体コアシステムとして、標準化を進めている(例えば非特許文献1参照)。IMS/MMDシステムは、通信ネットワークのパケット網化(オールIP化)と共に、多くのインターネット技術を取り入れている。その中核技術には、セッション制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)が用いられる(例えば非特許文献2参照)。
【0003】
IMS/MMDシステムは、従来、回線交換システム上で実現されていたサービスを、パケット交換システム上に実現することによって、通信事業者側のコストを低減する。IMS/MMDシステムは、SIPによる呼制御を実行するCSCF(Call Session Control Function)と、ユーザデータベースであるHSS(Home Subscriber Server)とを有する。HSSは、ユーザ端末との間でユーザ認証情報を共有し、端末に対する認証処理を実行する。その後、ユーザ端末は、アドレス情報をCSCFに登録する。ユーザ端末間でCSCFを介してセッション(呼接続)を確立する場合、SIP AOR(Address Of Record)を用いて着呼先端末を特定する。
【0004】
しかしながら、IMS/MMDのシステム構成は、クライアント−サーバモデルに基づいており、加入者数の増加に応じてサーバシステムの増強が不可欠となる。サービス開始直後のIMS/MMDシステムは、マルチメディアデータ転送やプレゼンス管理のようなサービスに限定して利用されると想定される。しかし、今後のユビキタス社会の到来に伴って、様々な機器を対象としたリソース管理にも応用されていく。従って、IMS/MMDシステムにおける管理対象数が飛躍的に増加することは、通信事業者ネットワークにおける設備コストも甚大となることにつながる。
【0005】
また、IETF(Internet Engineering Task Force)によれば、前述のSIPのシグナリング制御に、P2P(Peer-to-Peer)と称される自律分散ネットワークアーキテクチャ技術を融合させた「P2PSIP」技術を開示している(例えば非特許文献3参照)。P2PSIPによれば、SIPによるセッション制御機能(IMS/MMDにおけるCSCF機能)を、ピアノードに搭載することによって、サーバレスのシステムを実現する。P2Pを用いることにより、ユーザ端末間で情報の分散管理及び分散制御を実行するために、加入者数の増加に対してもサーバシステムの増強が不要となる。
【0006】
更に、P2PSIPネットワークとIMS/MMDシステムとの相互接続について、2つの実施形態がある(例えば非特許文献4参照)。第1の実施形態によれば、P2PSIPネットワークとIMS/MMDシステムとが対等関係で連携する。ユーザ端末から、P2PSIPネットワーク又はIMS/MMDシステムのいずれか一方にアドレス情報が登録されと、両システムが連携して、ユーザ端末間でのセッション制御を可能とする。
【0007】
第2の実施形態によれば、P2PSIPネットワークが、IMS/MMDシステムに対するユーザ端末からの入力ネットワーク(Visited Network)として存在する。従って、ユーザ端末は、P2PSIPネットワークを介して、IMS/MMDシステムに登録する。両端末が、同一のP2PSIPネットワークに接続されている場合、当該P2PSIPネットワークを介するように呼接続を制御する。他方、P2PSIPネットワークに接続したユーザ端末と、IMS/MMDシステムのみに接続したユーザ端末との間では、P2PSIPネットワーク及びIMS/MMDシステムの両方を介するように呼接続を制御する。
【0008】
【非特許文献1】3GPP TS 23.228: “IP Multimedia Subsystem(IMS)”
【非特許文献2】IETF RFC 3261: "SIP: SessionInitiation Protocol"
【非特許文献3】IETF Internet Draft: “REsource LOcation AndDiscovery (RELOAD)”, draft-ietf-p2psip-reload-00.txt
【非特許文献4】E.Marocco et al., “Interworking betweenP2PSIP overlays and IMS Networks-Scenarios and Technical Solutions”, Proceedingof ICIN 2007, Oct. 2007.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、P2PSIPネットワークによれば、ユーザ端末数が膨大となった場合、着呼先端末のアドレス情報を検索する際の中継端末数も膨大となる。特に、リアルタイム性を要するセッション制御については、セッション確立時間が増大するという問題があった。例えば、ユーザ端末数を1000万台とし、ユーザ端末間での遅延時間を50m秒と仮定した場合、セッション確立時間は最大4.6秒になると試算される。総務省が定める事業用電気通信設備規則では、「セッション確立時間(Connection Setup-Delay)が3秒以上となる確率を0.01以下とする」と規定しており、そのままでは事業者品質のサービスを提供できない。
【0010】
また、非特許文献4によれば、P2PSIPネットワークとIMS/MMDシステム間での相互接続技術を開示しているが、両システムを用いる場合のセッション確立時間の増加等のセッション品質に関しては何ら開示していない。
【0011】
従って、本発明は、通信事業者ネットワークにオーバレイネットワークを連携させることによって、呼接続確立時間を規定値以下に抑えながら、通信事業者ネットワークに対する負荷を低く抑えることができる呼接続方法、ピアノード及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、複数のピアノードによって接続された物理ネットワーク上に仮想的に構成されたオーバレイネットワークと、ピアノード間の呼接続を制御するセッション制御サーバとを有するシステムにおける呼接続方法であって、
発呼元ピアノードが、オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する第1のステップと、
発呼元ピアノードが、遅延時間が規定時間よりも長い場合、セッション制御サーバへ呼接続要求を送信し、遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信する第2のステップと
を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の呼接続方法における他の実施形態によれば、第1のステップの前段で、
発呼元ピアノードが、オーバレイネットワークを介して、着呼先ピアノードの登録情報を登録した応答登録ピアノードに対する遅延時間を導出し、
発呼元ピアノードは、遅延時間が規定時間よりも長い場合、セッション制御サーバを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信し、遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークを介して、検索リクエストを応答登録ピアノードへ送信し、
応答登録ピアノードが、発呼元ピアノードへ、着呼先ピアノードの登録情報を返信することも好ましい。
【0014】
本発明の呼接続方法における他の実施形態によれば、着呼先ピアノード及び/又は応答登録ピアノードに対する遅延時間は、発呼元ピアノードからオーバレイネットワークを介して1ホップで通信可能な他の複数のピアノードに対する平均遅延時間と、発呼元ピアノードからオーバレイネットワークを介して着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードまでのホップ数との乗算によって導出されることも好ましい。
【0015】
本発明の呼接続方法における他の実施形態によれば、
オーバレイネットワークでは、発呼元ピアノードの第1の識別値から、2(kは1以上の整数)毎の識別値を有するピアノードへ、1ホップで通信可能であって、
発呼元ピアノードの第1の識別値と、着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードの第2の識別値との差である距離値を算出し、
kを所定最大ホップ乗数から1減分しつつ、距離値から2が減算できるか否かを判定し、減算できる場合に距離値から2を減算し、減算された距離値が1ピアノードの管理する平均識別値空間より小さくなるまで繰り返し、
を減算することができた数に1を加えた値を、ホップ数として推定することも好ましい。
【0016】
本発明の呼接続方法における他の実施形態によれば、平均遅延時間は、発呼元ピアノードが、1ホップで通信可能な他の複数のピアノードへ、定期的にKeep-Aliveメッセージを送信することによって測定されるRTT(Round Trip Time)の平均時間であることも好ましい。
【0017】
本発明の呼接続方法における他の実施形態によれば、
発呼元端末が、発呼元ピアノードへ登録し、
着呼先端末が、着呼先ピアノードへ登録し、
着呼先ピアノードは、第2の識別値に基づいて登録情報を応答登録ピアノードへ登録し、
その後、発呼元端末が、発呼元ピアノードへ呼接続要求を送信することも好ましい。
【0018】
本発明によれば、複数のピアノードによって接続された物理ネットワーク上に仮想的に構成されたオーバレイネットワークと、ピアノード間の呼接続を制御するセッション制御サーバとを有するシステムにおける発呼元のピアノードであって、
オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する遅延時間導出手段と、
遅延時間が規定時間よりも長い場合、セッション制御サーバへ呼接続要求を送信する第1の呼接続要求手段と、
遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信する第2の呼接続要求手段と
を有することを特徴とする。
【0019】
本発明のピアノードにおける他の実施形態によれば、
遅延時間導出手段は、オーバレイネットワークを介して、着呼先ピアノードの登録情報を登録した応答登録ピアノードに対する遅延時間を更に導出し、
遅延時間が規定時間よりも長い場合、セッション制御サーバを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信し、遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークを介して、検索リクエストを応答登録ピアノードへ送信し、該応答登録ピアノードから着呼先ピアノードの登録情報を受信する着呼先検索手段を更に有することも好ましい。
【0020】
本発明のピアノードにおける他の実施形態によれば、遅延時間導出手段は、着呼先ピアノード及び/又は応答登録ピアノードに対する遅延時間を、当該ピアノードからオーバレイネットワークを介して1ホップで通信可能な他の複数のピアノードに対する平均遅延時間と、当該ピアノードからオーバレイネットワークを介して着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードまでのホップ数との乗算によって導出することも好ましい。
【0021】
本発明のピアノードにおける他の実施形態によれば、
オーバレイネットワークでは、発呼元ピアノードの第1の識別値から、2(kは1以上の整数)毎の識別値を有するピアノードへ、1ホップで通信可能であって、
遅延時間導出手段は、
当該ピアノードの第1の識別値と、着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードの第2の識別値との差である距離値を算出し、
kを所定最大ホップ乗数から1減分しつつ、距離値から2が減算できるか否かを判定し、減算できる場合に距離値から2を減算し、減算された距離値が1ピアノードの管理する平均識別値空間より小さくなるまで繰り返し、
を減算することができた数に1を加えた値を、ホップ数として推定することも好ましい。
【0022】
本発明のピアノードにおける他の実施形態によれば、平均遅延時間は、当該ピアノードが、1ホップで通信可能な他の複数のピアノードへ、定期的にKeep-Aliveメッセージを送信することによって測定されるRTTの平均時間であることも好ましい。
【0023】
本発明のピアノードにおける他の実施形態によれば、
発呼元端末から登録を受信する登録受付手段と、
発呼元端末から呼接続要求を受信し、遅延時間導出手段の実行を開始させる呼接続要求受信手段と
を更に有することも好ましい。
【0024】
本発明によれば、複数のピアノードによって接続された物理ネットワーク上に仮想的に構成されたオーバレイネットワークと、ピアノード間の呼接続を制御するセッション制御サーバとを有するシステムにおける発呼元のピアノードに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する遅延時間導出手段と、
遅延時間が規定時間よりも長い場合、セッション制御サーバを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信する第1の呼接続要求手段と、
遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信する第2の呼接続要求手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の呼接続方法、ピアノード及びプログラムによれば、通信事業者ネットワークにオーバレイネットワークを連携させることによって、呼接続確立時間を規定値以下に抑えながら、通信事業者ネットワークに対する負荷を低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
【0028】
図1のシステムによれば、複数のピアノード1、発呼元端末2及び着呼先端末3が物理ネットワーク4に接続されている。その物理ネットワーク4上には、複数のピアノード1によって仮想的にオーバレイネットワーク5が構成されている。更に、ピアノード1は、IMS/MMDシステム6に接続することができる。
【0029】
発呼元端末2及び着呼先端末3は、ピアノード1に対するSIP−UA(SIP - User Agent)として機能する。オーバレイネットワークは、例えばP2PSIP(Peer to Peer -
Session Initiation Protocol)によって構築されている。そのため、ピアノード1は、IMS/MMDシステムに接続するSIP−UAの機能と、P2Pピアの機能とを合わせ持つ。
【0030】
図2は、本発明で用いる構造化オーバレイの説明図である。
【0031】
分散ハッシュテーブル(DHT:Distributed Hash Table)を用いた代表的な構造化オーバレイの技術として、Chordがある。Chordは、時計回りに識別値が増加していく、リング状(環状)ハッシュ空間を考える。識別値は、SHA1ハッシュ関数の値である。ノードは、例えばIPアドレス及びポート番号を連結した値を入力としてハッシュ関数から得られた値を、ノード識別値として決定する。分散ハッシュテーブルの特徴の1つに、拡張性(スケーラビティ)がある。アドレス情報を検索する際に中継するユーザ端末数は、ユーザ端末総数のログオーダに抑えられるため、ユーザ端末数が増加した場合であっても効率的な検索が可能となる。
【0032】
図2によれば、10個のノード●が、リング状ハッシュ空間に配置されている。オーバレイネットワークを構成するピアノードは、リング状ハッシュ空間にマッピングされる。また、各端末は、いずれか1つのピアノードに接続される(勿論、ピアノード自身が、SIP-UAの端末として機能してもよい)。図2によれば、発呼元端末(alice@auone.jp)は、ピアノードN8に接続しており、着呼先端末(bob@auone.jp)は、ピアノードN58に接続している。
【0033】
更に、各端末は、そのアドレス(SIP AOR(Address Of Record))を入力としてハッシュ関数から得られた値を、端末識別値として決定する。その端末識別値も、リング状ハッシュ空間に配置される。図2によれば、着呼先端末のAORは、bob@auone.jpで表されている。この着呼先端末における端末識別値は、hash(bob@auone.jp)=N54にマッピングされる。
【0034】
図2によれば、着呼先端末は、リング状ハッシュ空間におけるピアノードN58に接続している。このとき、着呼先端末(bob@auone.jp)はピアノードN58に接続している旨の登録情報が、端末識別値N54にマッピングされる。ここで、N54には、ピアノードが割り当てられていない。そのために、N54から見て、時計回りに最も近いピアノードN56が選択される。そして、着呼先端末がピアノードN58に接続している旨の登録情報は、ピアノードN56に登録される。
【0035】
ここで、「サクセッサリスト」及び「フィンガーテーブル」が用いられる。「サクセッサリスト」とは、ハッシュ空間上で隣接する複数のピアノードの情報を保持する。従って、当該ピアノードの識別値kを与えたとき、時計回りに辿って、最初に存在するピアノードを得られる。
【0036】
「フィンガーテーブル」には、ルーティングテーブルが保持される。フィンガーテーブルは、当該ピアノードの識別値(例えばN8)に、2のk乗(1,2,4,8,16・・・)を加算した数xと、その数xを入力としたサクセッサ(x)のピアノードの識別値とを記憶する。また、各ピアノードは、定期的にフィンガーテーブルに登録された他の複数のピアノードへ、Keep-Aliveメッセージを送信することによって、RTT(Round Trip Time)を測定している。フィンガーテーブルは、そのRTTを平均遅延時間として記憶する。
【0037】
図2は、6ビットのハッシュ識別値空間の例であり、フィンガーテーブルの行数は6個となる(例えば、160ビットのハッシュ識別値空間の場合、フィンガーテーブルの行数は160個)。hash(bob@auone.jp)=N54をルックアップする場合について説明する。
【0038】
(ホップ1)N8は、N54をルックアップするに当たり、フィンガーテーブルを参照し、N54から反時計回りに最も近い、8+2(32)=40、即ち、ピアノードが存在するN42を検索する。そして、N8は、ルックアップメッセージをN42へ転送する。
(ホップ2)N42は、N54をルックアップするに当たり、フィンガーテーブルを参照して、N54から反時計回りに最も近い数、42+2(8)=50、即ち、ピアノードが存在するN51を検索する。そして、N42は、ルックアップメッセージをN51へ転送する。
(ホップ3)N51は、自身で保持するサクセッサであるN56との間に、N54が存在するために、N54に該当する応答登録ピアノードがN56であることを検出する。従って、N51は、ルックアップメッセージをN56へ転送し、bob@auone.jpの登録情報を得ることができる。
【0039】
図3は、本発明におけるホップ数の推定を表す説明図である。
【0040】
図3によれば、図2と同様に、hash(bob@auone.jp)=N54をルックアップする場合におけるホップ数を推定する。
(ホップ1)N8のフィンガーテーブルによれば、N54から反時計回りに最も近い数は8+2(32)の40である。ここで、ピアノードN40が存在すると仮定する。
(ホップ2)N40のフィンガーテーブルによれば、N54から反時計回りに最も近い数は40+2(8)=48である。ここで、ピアノードN48が存在すると仮定する。
(ホップ3)N48のフィンガーテーブルによれば、N54から反時計回りに最も近い数は48+2(4)=52である。ここで、ピアノードN52が存在すると仮定する。例えば、1つのピアノードが管理する平均識別値(ID)空間が3であるとする。そうすると、ピアノードN52とピアノードN54との差は、2であるので、ホップ数の計数を終了する。従って、ホップ数4と推定される。
【0041】
図4は、ホップ数を推定するプログラムである。
【0042】
Chordのオーバレイネットワークでは、送信元ピアノードのアドレスから導出される第1の識別値から、2(kは1以上の整数)毎の識別値を有するピアノードへ、1ホップで通信可能である。
interval:サクセッサリストに含まれるリング状ハッシュ空間を、サクセッサ数で除算した平均ID空間(1ピアノードが管理するID空間)
distance:発呼元ピアノードのアドレスから導出される第1の識別値と、着呼先ピアノードのアドレスから導出される第2の識別値との差である距離値
hop:推定されたホップ数(初期値1)
bit_num:最大ホップ乗数(リング状ハッシュ空間を表すビット数)
【0043】
距離値distanceが平均ID空間よりも大きい場合に、以下のステップが繰り返される。
(1)kを所定最大ホップ乗数から1減分する。
(2)距離値distanceから2が減算できるか否か、即ち、距離値distanceが2よりも大きいか否かを判定する。
減算できる場合に、ホップ数を増分する。
距離値から2を減算する。
(3)距離値distanceが平均ID空間よりも小さくなった場合、処理を終了する。
【0044】
図5は、図3に対応して、図4のプログラムの各ステップを説明したプログラムステップである。尚、各ステップは、前述した図3と同じである。
【0045】
図6は、本発明における呼制御方法のシーケンス図である。
【0046】
S601〜S605は、端末及びピアノードの登録シーケンスである。
【0047】
(S601)第1の端末(alice@auone.jp)は、セッション制御サーバへ登録要求REGISTERを送信することによって、IMS/MMDシステムに登録する。具体的には、REGISTERには、Toフィールドには第1の端末のSIP AOR(例:sip:alice@auone.jp)を記述し、Contactフィールドにはアドレス情報(sip:alice@192.0.2.4)を記述する。第1の端末とIMS/MMDシステムとの間での認証が成功した後、そのアドレス情報がIMS/MMDシステムに登録される。同様に、第2の端末(bob@auone.jp)も、セッション制御サーバへ登録要求REGISTERを送信することによって、IMS/MMDシステムに登録する。
【0048】
また、オーバレイネットワークに接続される各ピアノードも、セッション制御サーバへ登録要求REGISTERを送信することによって、IMS/MMDシステムに登録する。
【0049】
(S602)第1の端末(alice@auone.jp)は、オーバレイネットワークに接続されるピアノードN8に接続する。そして、第1の端末(alice@auone.jp)は、ピアノードN8へ登録要求REGISTERを送信することによって、オーバレイネットワークに登録する。
【0050】
(S603)また、第2の端末(bob@auone.jp)も、オーバレイネットワークに接続されるピアノードN58へ登録要求REGISTERを送信することによって、オーバレイネットワークに登録する。
【0051】
(S604)ここで、ピアノードN58は、第2の端末(bob@auone.jp)に接続されている旨の登録情報を含む登録リクエストを、ピアノードN56へ送信する。登録リクエストは、P2PSIPにおけるRELOAD STOREによって送信される。これによって、ピアノードN56は、第2の端末(bob@auone.jp)がピアノードN58に接続されている旨の情報を登録する。そして、ピアノードN56は、ピアノードN58へ、登録レスポンスを返信する。登録レスポンスは、P2PSIPにおけるSTOREによって返信される。尚、RELOADとは、IETFにおけるRELOAD(REsource LOcation And Discovery)プロトコルを意味する。
【0052】
(S605)ピアノードN58は、200OKを、着呼先端末(bob@auone.jp)へ返信する。
【0053】
次に、S611〜S619は、本発明における呼接続シーケンスである。本発明によれば、発呼元ピアノードが、オーバレイネットワークを介した遅延時間を推定することによって、実際にセッション確立に、オーバレイネットワーク(P2PSIP)を用いるか又はIMS/MMDシステム(通信事業者ネットワーク)を用いるかが選択される。
【0054】
(S611)第1の端末(alice@auone.jp)は、第2の端末(bob@auone.jp)と呼接続をするために、ピアノードN8へ、発呼要求INVITEを送信する。
【0055】
(S612)発呼元ピアノードN8は、オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する。遅延時間は、発呼元ピアノードN8からオーバレイネットワークを介して1ホップで通信可能な他の複数のピアノードに対する平均遅延時間と、発呼元ピアノードN8からオーバレイネットワークを介して着呼先ピアノードN54までのホップ数との乗算によって、遅延時間が導出される。
遅延時間=平均遅延時間×ホップ数
ホップ数は、図3〜図5の方法によって算出される。平均遅延時間は、発呼元ピアノードが、1ホップで通信可能な他の複数のピアノードへ、定期的にKeep-Aliveメッセージを送信することによって測定されるRTT(Round Trip Time)の平均時間である。
【0056】
(S613)発呼元ピアノードN8は、遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信するように動作し、遅延時間が規定時間よりも長い場合、IMS/MMDシステムへ呼接続要求を送信するように動作する。
【0057】
(S614)ピアノードN8は、IMS/MMDシステムを介して呼接続する場合、SIPサーバへINVITEメッセージを送信する。
【0058】
(S615)ピアノードN8は、オーバレイネットワークを介して呼接続する場合、RELOADのFETCHリクエスト(検索リクエスト)を、オーバレイネットワークへ送信する。図6によれば、RELOADのFETCHリクエストは、N56に最も近い2先の識別値のピアノードへホップする(N42->N51)ことを繰り返して、応答登録ピアノードN56へ転送される。これに対し、応答登録ピアノードとなるN56は、着呼先ピアノードはN58である旨の登録情報を付加したFETCHレスポンスを返信する。
【0059】
(S616)更に、ピアノードN8は、FETCHレスポンス内の着呼先ピアノードN58に対して、遅延時間を推定する。この推定方法は、図4のアルゴリズムによって推定する。
【0060】
(S617)発呼元ピアノードN8は、遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信するように動作し、遅延時間が規定時間よりも長い場合、IMS/MMDシステムへ呼接続要求を送信するように動作する。ピアノードN8は、IMS/MMDシステムを介して呼接続する場合、S614へ移行し、SIPサーバへINVITEメッセージを送信する。
【0061】
(S618)ピアノードN8は、オーバレイネットワークを介して呼接続する場合、SIP INVITEメッセージをTUNNELメッセージでカプセル化する。そして、このTUNNELメッセージをオーバレイネットワーク上に送信する。このTUNNELメッセージは、N58に到達する。着呼先ピアノードN58は、TUNNELメッセージからSIP INVITEを取り出す。そのSIP INVITEは、着呼先端末(bob@auone.jp)へ送信される。その後、SIP-UA間で、メッセージを送受信することによって、発呼元端末と着呼先端末と間で、呼接続が確立する。
【0062】
図7は、本発明における発呼元となるピアノードの機能構成図である。
【0063】
図7によれば、ピアノード1は、遅延時間導出部101と、第1の呼接続要求部102と、第2の呼接続要求部103と、着呼先検索部104と、登録受付部105と、呼接続要求受信部106とを有する。これら機能構成部は、ピアノードに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0064】
遅延時間導出部101は、オーバレイネットワークを介して、着呼先ピアノード、又は、当該着呼先ピアノードの登録情報を登録した応答登録ピアノードに対する遅延時間を導出する。遅延時間は、発呼元ピアノードからオーバレイネットワークを介して1ホップで通信可能な他の複数のピアノードに対する平均遅延時間と、発呼ピアノードからオーバレイネットワークを介して着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードまでのホップ数との乗算によって導出される。前述した図3〜図5によってホップ数を算出し、Keep-Aliveメッセージによって取得したRTTを平均遅延時間とする。
【0065】
第1の呼接続要求部102は、遅延時間が規定時間よりも長い場合、セッション制御サーバへ呼接続要求を送信する。
【0066】
第2の呼接続要求部103は、遅延時間が規定時間以内である場合、オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信する。
【0067】
着呼先検索部104は、遅延時間が規定時間以内である場合、RELOADのFETCHメッセージによって応答登録ピアノードを検索する。検索リクエストを、第2の識別値に最も近い2先の識別値のピアノードへ送信することによって、ホップを繰り返して、第2の識別値に該当する応答登録ピアノードへ送信し、応答登録ピアノードから、着呼先ピアノードの登録情報を受信する。
【0068】
登録受付部105は、端末から登録を受け付ける。当該ピアノードが当該端末に接続されていることを表す登録情報は、オーバレイネットワーク上に登録される。その登録情報は、リング状ハッシュ空間で、当該端末のアドレスから導出される識別値から時計回りに最も近いピアノードに登録される。
【0069】
呼接続要求受信部106は、発呼元端末から呼接続要求を受信する。呼接続要求を受信した旨は、遅延時間導出部101へ通知され、遅延時間の導出が実行させる。
【0070】
以上、詳細に説明したように、本発明の呼接続方法、ピアノード及びプログラムによれば、通信事業者ネットワークにオーバレイネットワークを連携させることによって、呼接続確立時間を規定値以下に抑えながら、通信事業者ネットワークに対する負荷を低く抑えることができる。
【0071】
特に、セッション確立時に、オーバレイネットワークによって推定されるセッション確立時間が規定時間を超える場合に、IMS/MMDシステムを介してセッションを確立することによって、セッション確立時間を保証する。これにより、オーバレイネットワークといった高遅延が生じるシステムを併用する場合でも、事業者品質でのサービス提供が可能となる。
【0072】
また、オーバレイネットワーク及びIMS/MMDシステムの両方に接続可能なピアノードが、セッション確立時にオーバレイネットワークを優先的に使用することで、IMS/MMDシステムにおけるCSCFサーバへの負荷を削減できる。これにより、通信事業者が負担する設備及び運用コストの削減が可能となる。これは、ユーザに対する低価格の通信サービスの提供につながる。
【0073】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明におけるシステム構成図である。
【図2】本発明で用いる構造化オーバレイの説明図である。
【図3】本発明におけるホップ数の推定を表す説明図である。
【図4】ホップ数を推定するプログラムである。
【図5】図3に対応して、図4のプログラムの各ステップを説明したプログラムステップである。
【図6】本発明における呼制御方法のシーケンス図である。
【図7】本発明における発呼元となるピアノードの機能構成図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ピアノード
101 遅延時間導出部
102 第1の呼接続要求部
103 第2の呼接続要求部
104 着呼先検索部
105 登録受付部
106 呼接続要求受信部
2 発呼元端末
3 着呼先端末
4 物理ネットワーク
5 オーバレイネットワーク
6 IMS/MMDシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピアノードによって接続された物理ネットワーク上に仮想的に構成されたオーバレイネットワークと、前記ピアノード間の呼接続を制御するセッション制御サーバとを有するシステムにおける呼接続方法であって、
発呼元ピアノードが、前記オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する第1のステップと、
発呼元ピアノードが、前記遅延時間が規定時間よりも長い場合、前記セッション制御サーバへ呼接続要求を送信し、前記遅延時間が前記規定時間以内である場合、前記オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信する第2のステップと
を有することを特徴とする呼接続方法。
【請求項2】
第1のステップの前段で、
発呼元ピアノードが、前記オーバレイネットワークを介して、着呼先ピアノードの登録情報を登録した応答登録ピアノードに対する遅延時間を導出し、
発呼元ピアノードは、前記遅延時間が規定時間よりも長い場合、前記セッション制御サーバを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信し、前記遅延時間が前記規定時間以内である場合、前記オーバレイネットワークを介して、検索リクエストを前記応答登録ピアノードへ送信し、
前記応答登録ピアノードが、発呼元ピアノードへ、着呼先ピアノードの登録情報を返信することを特徴とする請求項1に記載の呼接続方法。
【請求項3】
着呼先ピアノード及び/又は応答登録ピアノードに対する前記遅延時間は、発呼元ピアノードからオーバレイネットワークを介して1ホップで通信可能な他の複数のピアノードに対する平均遅延時間と、発呼元ピアノードからオーバレイネットワークを介して着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードまでのホップ数との乗算によって導出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の呼接続方法。
【請求項4】
前記オーバレイネットワークでは、発呼元ピアノードの第1の識別値から、2(kは1以上の整数)毎の識別値を有するピアノードへ、1ホップで通信可能であって、
発呼元ピアノードの第1の識別値と、着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードの第2の識別値との差である距離値を算出し、
kを所定最大ホップ乗数から1減分しつつ、前記距離値から2が減算できるか否かを判定し、減算できる場合に前記距離値から2を減算し、減算された前記距離値が1ピアノードの管理する平均識別値空間より小さくなるまで繰り返し、
を減算することができた数に1を加えた値を、前記ホップ数として推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の呼接続方法。
【請求項5】
前記平均遅延時間は、発呼元ピアノードが、1ホップで通信可能な他の複数のピアノードへ、定期的にKeep-Aliveメッセージを送信することによって測定されるRTT(Round Trip Time)の平均時間であることを特徴とする請求項3又は4に記載の呼接続方法。
【請求項6】
発呼元端末が、発呼元ピアノードへ登録し、
着呼先端末が、着呼先ピアノードへ登録し、
着呼先ピアノードは、第2の識別値に基づいて登録情報を前記応答登録ピアノードへ登録し、
その後、前記発呼元端末が、前記発呼元ピアノードへ呼接続要求を送信する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の呼接続方法。
【請求項7】
複数のピアノードによって接続された物理ネットワーク上に仮想的に構成されたオーバレイネットワークと、前記ピアノード間の呼接続を制御するセッション制御サーバとを有するシステムにおける発呼元のピアノードであって、
前記オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する遅延時間導出手段と、
前記遅延時間が規定時間よりも長い場合、前記セッション制御サーバへ呼接続要求を送信する第1の呼接続要求手段と、
前記遅延時間が前記規定時間以内である場合、前記オーバレイネットワークへ呼接続要求を送信する第2の呼接続要求手段と
を有することを特徴とするピアノード。
【請求項8】
前記遅延時間導出手段は、前記オーバレイネットワークを介して、着呼先ピアノードの登録情報を登録した応答登録ピアノードに対する遅延時間を更に導出し、
前記遅延時間が規定時間よりも長い場合、前記セッション制御サーバを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信し、前記遅延時間が前記規定時間以内である場合、前記オーバレイネットワークを介して、検索リクエストを前記応答登録ピアノードへ送信し、該応答登録ピアノードから着呼先ピアノードの登録情報を受信する着呼先検索手段を更に有する
ことを特徴とする請求項7に記載のピアノード。
【請求項9】
前記遅延時間導出手段は、着呼先ピアノード及び/又は応答登録ピアノードに対する前記遅延時間を、当該ピアノードからオーバレイネットワークを介して1ホップで通信可能な他の複数のピアノードに対する平均遅延時間と、当該ピアノードからオーバレイネットワークを介して着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードまでのホップ数との乗算によって導出することを特徴とする請求項7又は8に記載のピアノード。
【請求項10】
前記オーバレイネットワークでは、発呼元ピアノードの第1の識別値から、2(kは1以上の整数)毎の識別値を有するピアノードへ、1ホップで通信可能であって、
前記遅延時間導出手段は、
当該ピアノードの第1の識別値と、着呼先ピアノード又は応答登録ピアノードの第2の識別値との差である距離値を算出し、
kを所定最大ホップ乗数から1減分しつつ、前記距離値から2が減算できるか否かを判定し、減算できる場合に前記距離値から2を減算し、減算された前記距離値が1ピアノードの管理する平均識別値空間より小さくなるまで繰り返し、
を減算することができた数に1を加えた値を、前記ホップ数として推定する
ことを特徴とする請求項9に記載のピアノード。
【請求項11】
前記平均遅延時間は、当該ピアノードが、1ホップで通信可能な他の複数のピアノードへ、定期的にKeep-Aliveメッセージを送信することによって測定されるRTTの平均時間であることを特徴とする請求項9又は10に記載のピアノード。
【請求項12】
発呼元端末から登録を受信する登録受付手段と、
発呼元端末から呼接続要求を受信し、前記遅延時間導出手段の実行を開始させる呼接続要求受信手段と
を更に有することを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載のピアノード。
【請求項13】
複数のピアノードによって接続された物理ネットワーク上に仮想的に構成されたオーバレイネットワークと、前記ピアノード間の呼接続を制御するセッション制御サーバとを有するシステムにおける発呼元のピアノードに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記オーバレイネットワークを介した着呼先ピアノードに対する遅延時間を導出する遅延時間導出手段と、
前記遅延時間が規定時間よりも長い場合、前記セッション制御サーバを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信する第1の呼接続要求手段と、
前記遅延時間が前記規定時間以内である場合、前記オーバレイネットワークを介して着呼先ピアノードへ呼接続要求を送信する第2の呼接続要求手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするピアノード用のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−62958(P2010−62958A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227665(P2008−227665)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】