通信制御装置、通信制御方法、通信制御プログラム
【課題】通話を許可する通話端末として複数の通話端末を登録することが可能な通信制御装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムを提供する。
【解決手段】通信制御装置では、登録リストへの登録を要求する登録要求信号が通話端末から送信された場合に、この登録要求信号が受信される(S11:YES)。登録要求信号を送信した通話端末が既に登録リストに登録されている場合(S15:YES)、登録リストの登録情報が更新される(S19)。登録リストに登録されていない場合(S15:NO)、この通話端末に割り当てられているSIPアドレスと同一SIPアドレスが割り当てられている通話端末が既に登録リストに登録されている場合であっても、登録要求信号を送信した通話端末を登録リストに登録する(S20)。これによって、同一SIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末を登録リストに登録させる。
【解決手段】通信制御装置では、登録リストへの登録を要求する登録要求信号が通話端末から送信された場合に、この登録要求信号が受信される(S11:YES)。登録要求信号を送信した通話端末が既に登録リストに登録されている場合(S15:YES)、登録リストの登録情報が更新される(S19)。登録リストに登録されていない場合(S15:NO)、この通話端末に割り当てられているSIPアドレスと同一SIPアドレスが割り当てられている通話端末が既に登録リストに登録されている場合であっても、登録要求信号を送信した通話端末を登録リストに登録する(S20)。これによって、同一SIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末を登録リストに登録させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関する。より詳細には、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末から、通話を許可する通話端末を管理する登録リストへの登録要求があった場合に、登録要求のあったすべての通話端末を登録リストに登録する通信制御装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのネットワーク上において通信端末が通信を開始するための双方向通信プロトコルとして、SIP(Session Initiation Protocol)が知られている。SIPは、IP電話の呼制御を行うプロトコルとして使用されているほか、テレビ電話やインスタントメッセージなどの接続制御を行うプロトコルとしても使用可能であるとして注目されている。
【0003】
SIPを使用したIP電話システムにおいては、ユーザを識別する為のSIPアドレスが、各通話端末に対して割り当てられる。通話のための通信制御を行う通信制御装置(SIPサーバ(レジストラサーバ)など)では、SIPアドレスと、各通話端末を特定する為の情報(以下「端末特定情報」という。例えばIPアドレス)とが対応づけられ登録される。これによって、通話端末間の通話開始時において、通話先を特定可能としている。従前より、このような登録管理を行う通信制御装置が提案されている(特許文献1参照)。なお、通信制御装置へのSIPアドレス及び端末特定情報の登録は、通話端末から送信される登録要求信号(Registerコマンドなど)を通信制御装置が受信することによって実行される。通信制御装置では、受信した登録要求信号に基づいて、SIPアドレスと端末特定情報とを1対1で対応付ける。これによって通話端末を特定し、通話端末間の通話を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−152805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら例えば、一ユーザが複数の通話端末を所有し、場所や状況に応じていずれかの通話端末を選択し使用するような使用形態を想定した場合、上述の装置では、共通のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末を同時に登録することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、通話を許可する通話端末として、共通のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末を登録することが可能な通信制御装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の問題点を解決するために、請求項1に係る発明の通信制御装置は、通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御装置であって、前記通話端末が登録される登録リストであって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うための前記登録リストが記憶される第一記憶手段と、前記通話端末を識別するために前記通話端末に割り当てられる情報である識別情報が同一の通話端末が複数存在する場合において、複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御手段と、前記第一受信制御手段にて前記複数の通話端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されていない場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御手段と、前記第一受信制御手段にて前記複数の通信端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御手段とを備えている。
【0008】
また、請求項2に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末の前記識別情報とは異なる前記識別情報が割り当てられた通話端末である第二通話端末から、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛てに送信される信号であって、前記第一通話端末のうちいずれかとの通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第二受信制御手段と、前記第二受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信する第一送信制御手段とを備えている。
【0009】
また、請求項3に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、特定の前記通話端末を記憶する第二記憶手段を備え、前記第一送信制御手段は、前記第二受信制御手段にて前記第二通話端末より前記通話要求信号を受信した場合に、前記登録リストに記憶されている第一通話端末のうち、前記第二記憶手段に記憶された前記特定の通話端末に対して、受信した前記通話要求信号を送信することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記複数の第一通話端末とは異なる他の前記通話端末との通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第三受信制御手段と、前記第三受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信する第二送信制御手段とを備えている。
【0011】
また、請求項5に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段とを備え、前記第一送信制御手段は、前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の構成に加えて、通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段とを備え、前記第二送信制御手段は、前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第二受信制御手段にて、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛ての前記通話要求信号を前記第二通話端末から受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記第二通話端末に対して送信する第三送信制御手段とを備え、前記第一送信制御手段は、前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求通知を前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の構成に加えて、通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第三受信制御手段にて、前記第一通話端末のうち前記通話中の通話端末を除く第一通話端末のうち少なくともいずれかから前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記通話要求信号を送信した前記第一通話端末に対して送信する第四送信制御手段とを備え、前記第二送信制御手段は、前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明の通信制御方法は、通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御方法であって、前記通話端末に割り当てられる情報であって前記通話端末を識別するための情報である識別情報が同一である複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うために第一記憶手段に記憶された登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御ステップと、前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が前記登録リストに登録されてない場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御ステップと、前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が既に前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御ステップとを備えている。
【0016】
また、請求項10に係る発明の通信制御プログラムは、請求項1乃至8のいずれかに記載の通信制御装置の各処理手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明の通信制御装置では、通話要求信号を受信した場合に通話を実行させる(以下「通話を許可する。」という。)通話端末が登録される登録リストを第一記憶手段に記憶している。そして、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末のうち少なくともいずれかから登録要求信号を受信した場合に、同一の識別情報が割り当てられた他の通話端末が登録リストに登録されているかいないかに関わらず、登録要求信号を送信した通話端末を登録リストに登録する。これによってユーザは、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末を同時に使用して通話を行うことが可能となる。また、同一の識別情報が割り当てられた他の通話端末が自身の代わりに登録リストに登録され、自身が登録リストから抹消されてしまって通話不可能となってしまう不具合を防止できる。
【0018】
また、請求項2に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末が同時に登録リストに登録されている状態で、この識別情報宛ての通話要求信号を受信した場合、登録リストに登録されている複数の通話端末すべてに対して通話要求信号を転送する。ユーザは、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末のうち少なくともいずれかの通話端末にて着信し、通話を行うことが可能となる。
【0019】
また、請求項3に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、特定の通話端末が第二記憶手段に記憶される。第一通話端末に割り当てられた識別情報宛てに通話要求信号を受信した場合には、登録リストに登録されている第一通話端末のうち特定の通話端末に対して、通話要求信号を転送する。これによってユーザは、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末のうち特定の通話端末を使用して通話を行うことが可能となる。
【0020】
また、請求項4に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、登録リストに登録されている複数の第一通話端末のうちいずれかから、他の通話端末に対する通話要求信号を受信した場合には、受信した通話要求信号を他の通話端末に対して送信する。これによってユーザは、複数の通話端末のうち少なくともいずれかの通話端末を発呼させ、通話を行うことが可能となる。
【0021】
また、請求項5に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、通話中の通話端末の数が通話可能数を超えている場合、通話要求信号を転送する処理を行わない。これによって、同時に通話可能な通話端末の数を制御することが可能となるので、通話端末のユーザに対して多彩な通話サービスを提供することが可能となる。
【0022】
また、請求項6に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の効果に加えて、通話中の通話端末の数が通話可能数を超えている場合、通話要求信号を転送する処理を行わない。これによって、同時に通話可能な通話端末の数を制御することが可能となるので、通話端末のユーザに対して多彩な通話サービスを提供することが可能となる。
【0023】
また、請求項7に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、登録リストに登録されている同一識別情報が割り当てられた通話端末の一が通話中の場合であって、他の通話端末より第一通話端末宛ての通話要求信号を受信した場合には、受信した通話要求信号の転送処理は行わない。また、通話ができない旨を通知する通話中通知信号を、他の通話端末に対して送信する。これによって、通話中通知信号を受信した通話端末は、他の通話端末が通話中であるために通話ができないことを認識することが可能となる。
【0024】
また、請求項8に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の効果に加えて、登録リストに登録されている同一識別情報が割り当てられた通話端末の一が通話中の場合であって、他の第一通話端末より通話要求信号を受信した場合には、受信した通話要求信号の転送処理は行わない。また、通話ができない旨を通知する通話中通知信号を、通話要求信号を送信した第一通話端末に対して送信する。これによって、通話中通知信号を受信した通話端末は、他の通話端末が通話中であるために通話ができないことを認識することが可能となる。
【0025】
また、請求項9に係る発明の通信制御方法は、通話を許可する通話端末が登録される登録リストを第一記憶手段に記憶している。そして、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末から登録要求信号を受信した場合に、これら複数の通話端末全てを登録リストに登録する。これによって、同一の識別情報が割り当てられた他の通話端末が自身の代わりに登録リストに登録され、自身が登録リストから抹消されてしまって通話不可能となってしまう不具合を防止できる。またユーザは、複数の通話端末を同時に使用して通話を行うことが可能となる。
【0026】
また、請求項10に係る発明の通信制御プログラムは、請求項1乃至8のいずれかに記載の通信制御装置の各処理手段としてコンピュータを機能させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】通信制御装置2を含む通話システム1を示す模式図である。
【図2】通信制御装置2の電気的構成を示す模式図である。
【図3】通話端末10の電気的構成を示す模式図である。
【図4】AORリストを示す模式図である。
【図5】登録リストを示す模式図である。
【図6】登録要求受信処理を示すフローチャートである。
【図7】登録リスト更新処理を示すフローチャートである。
【図8】通話制御処理を示すフローチャートである。
【図9】通話制御処理を示すフローチャートである。
【図10】発呼処理を示すフローチャートである。
【図11】着呼処理を示すフローチャートである。
【図12】着信先設定画面を示す模式図である。
【図13】第一の変形例における通話制御処理を示すフローチャートである。
【図14】第二の変形例における通話制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る通信制御装置を具現化した通信制御装置2について、図面を参照して説明する。なおこれらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置、端末の構成、各種処理のフローチャートなどは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0029】
はじめに、図1を参照し、通信制御装置2を含む通話システム1の概要について説明する。図1に示すように、通話システム1は、インターネット3に接続された携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、PC14、及び通信制御装置2から構成されている。携帯通話端末11は、ユーザ4によって所有されている。携帯通話端末12及びPC13は、ユーザ5によって所有されている。PC14は、ユーザ6によって所有されている。
【0030】
携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、及びPC14について説明する。携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、及びPC14は何れも、インターネット3を介して他の端末(携帯通話端末及びPC)と通信を行い、端末の所有者間で通話を実行させる機能(IP電話機能)を少なくとも備えている。携帯通話端末11及び12は、インターネット3に接続された図示外のアクセスポイントと無線通信を行うことによって、インターネット3に接続される。携帯通話端末11及び12としては、例えば無線IP電話が使用可能である。PC13及び14は、インターネット3に直接接続される。以下、携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、PC14を総称して「通話端末10」という。通話端末10では、IP電話機能を実現するための呼制御プロトコルとして、SIP(Session Initiation Protocol)が用いられる。
【0031】
通話端末10の其々には、ユーザを識別するための識別情報が割り当てられている。SIPにおいては、「SIPアドレス」が識別情報に相当する。ユーザは、SIPアドレスを指定して特定のユーザの通話端末10を呼び出すことによって、特定のユーザと通話を行うことが可能となる。図1に示す例では、携帯通話端末11(ユーザ4が所有)に対してSIPアドレス「hanako@hoge.co.jp」が割り当てられている。携帯通話端末12及びPC13(いずれもユーザ5が所有)に対してSIPアドレス「taro@hogehoge.co.jp」が割り当てられている。PC14(ユーザ6が所有)に対してSIPアドレス「ichiro@hoge.co.jp」が割り当てられている。
【0032】
図1にて示されているように、ユーザ5の使用する二つの通話端末10(携帯通話端末12、PC13)には、共通のSIPアドレス「taro@hogehoge.co.jp」が割り当てられている。ユーザ5は、共通のSIPアドレスが割り当てられた通話端末を、状況に応じて使い分けることが可能となる。例えば、ユーザ5がPC13に向かって作業を行っている場合には、PC13を通話端末として使用し通話を行う。ユーザ5がPC13から離れて作業を行っている場合には、携帯通話端末12を通話端末として使用し通話を行う。
【0033】
通信制御装置2について説明する。通信制御装置2は、SIPにおけるSIPサーバとして機能する。本実施の形態では、通信制御装置2の有するSIPサーバとしての機能のうちレジスタ機能及びプロキシ機能について詳説する。しかしながら通信制御装置2は、SIPサーバが通常備える他の機能(相手のSIP UAの移動先を調べる機能(リダイレクト機能)や、SIP UAの情報を管理する機能(ロケーション機能))を備えた構成であってもよい。
【0034】
通信制御装置2が備えるレジスタ機能について概説する。通話端末10は、通信制御装置2が備える登録リスト(図5参照、詳細後述)への登録を要求する信号(以下「登録要求信号(REGISTER)」という。)を通信制御装置2に対して送信する。通信制御装置2では、登録要求信号(REGISTER)を受信した場合、通話端末10の情報を登録リストに記憶し管理する。登録リストに登録されている通話端末10同士の通話要求を受け付けた場合、通信制御装置2は通話端末10間の通話を実行させる。登録リストに登録されていない通話端末10同士の通話要求を受け付けた場合、通信制御装置2は通話端末10間の通話を実行させない。
【0035】
通信制御装置2が備えるプロキシ機能について概説する。通話端末10は、通話の開始を要求するための信号(以下「呼び出し要求(INVITE)」という。)を通信制御装置2に対して送信する。通信制御装置2では、呼び出し要求(INVITE)を受信した場合、相手先の通話端末10のIPアドレスなどを調査し、受信した呼び出し要求(INVITE)を調査した通話端末10に対して転送する。以降、SIPに基づき双方の通話端末10から送信される信号を、相手通話端末10に対して転送する。このようにして所定の一連の通信手続きが完了すると、通話端末10間で通話が可能となる。
【0036】
ここで図1に示すように、同じSIPアドレスが割り当てられた通話端末10が複数存在する場合、通信制御装置2では、同じSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10から登録要求信号(REGISTER)を受信する可能性がある。本実施の形態における通信制御装置2では、原則として、登録要求信号(REGISTER)を送信した通話端末10の全てを登録リストに登録する。
【0037】
図2を参照し、通信制御装置2の電気的構成について説明する。図2に示すように、通信制御装置2は、通話端末10の登録制御や通話端末10間の呼制御が実行されるCPU21、ブートプログラムやBIOSが記憶されるROM22、フラグ情報やタイマ情報、カウンタ情報等が一時的に記憶されるRAM23、プログラム、登録情報、設定情報などが記憶されるハードディスク(以下「HDD」という。)28を備えている。そして、CPU21とROM22、RAM23、及びHDD28とは、其々電気的に接続されている。CPU21は、ROM22、RAM23、及びHDD28の記憶領域に対してアクセスすることが可能となっている。
【0038】
HDD28は、アドレスオブレコード(以下「AOR」と略す。)リスト記憶領域281、登録リスト記憶領域282、設定情報記憶領域283、及びその他の領域を備えている。AORリスト記憶領域281には、登録リストへの登録を認める通話端末10に関する情報がAORリストとして記憶される。登録リスト記憶領域282には、上述した登録リストが記憶される。設定情報記憶領域283には、各種設定情報が記憶される。AORリスト記憶領域281及び登録リスト記憶領域282に記憶される情報の詳細については後述する。
【0039】
通信制御装置2は、インターネット3(図1参照)に接続する為の通信モジュール31を備えている。CPU21と通信モジュール31とは電気的に接続されている。CPU21は、所望のデータをインターネット3に送信することが可能となっている。またCPU21は、インターネット3から受信されるデータを認識することが可能となっている。通信モジュール31としてネットワークカードが使用可能である。
【0040】
通信制御装置2は、画像をディスプレイ25に表示させることが可能な表示ドライバ24を備えている。CPU21と表示ドライバ24とは電気的に接続されている。表示ドライバ24とディスプレイ25とは電気的に接続されている。CPU21は、ディスプレイ25に所望の画像を表示させることが可能となっている。
【0041】
通信制御装置2は、キーボード27を介してユーザによって入力される情報を検出することが可能な入力ドライバ26を備えている。CPU21と入力ドライバ26とは電気的に接続されている。入力ドライバ26とキーボード27とは電気的に接続されている。CPU21は、キーボード27を介して入力される情報を認識することが可能となっている。
【0042】
通信制御装置2は、CD−ROM30に記憶された情報を読み取ることが可能なCD−ROMドライブ29を備えている。CPU21とCD−ROMドライブ29とは電気的に接続されている。CD−ROM30には、例えばCPU21を駆動させるために必要なプログラムが記憶される。CPU21は、CD−ROM30に記憶されている情報を認識することが可能となっている。
【0043】
図3を参照し、通話端末10の電気的構成について説明する。図3に示すように、通話端末10は、通信制御装置2への登録要求や通話のための通信制御が実行されるCPU41、CPU41の実行するプログラム等が記憶されるROM42、フラグ情報やタイマ情報、カウンタ情報が一時的に記憶されるRAM43、ディスプレイ49(後述)に表示させる画像データや、スピーカ46(後述)から出力させる音源データなどが記憶されるフラッシュメモリ44を備えている。そして、CPU41とROM42、RAM43、及びフラッシュメモリ44とは、其々電気的に接続されている。CPU41は、ROM42、RAM43、及びフラッシュメモリ44の記憶領域に対してアクセスすることが可能となっている。
【0044】
通話端末10は、インターネット3(図1参照)に接続する為の通信モジュール45を備えている。CPU41と通信モジュール45とは電気的に接続されている。CPU41は、所望のデータをインターネット3に送信することが可能となっている。またCPU41は、インターネット3から受信されるデータを認識することが可能となっている。通話端末10が携帯通話端末11及び携帯通話端末12である場合、通信モジュール45としてRFモジュールが使用可能である。通話端末10がPC13及びPC14である場合、通信モジュール45としてネットワークカードが使用可能である。
【0045】
通話端末10は、音声を出力するスピーカ46、及び、音声を入力するマイク47を備えている。CPU41とスピーカ46及びマイク47とは、其々電気的に接続されている。CPU41は、スピーカ46から所望の音声を出力させることが可能となっている。CPU41は、マイク47を介して入力された音声を認識することが可能となっている。
【0046】
通話端末10は、ディスプレイ49と、ディスプレイ49に画像を表示させることが可能な表示ドライバ48とを備えている。CPU41と表示ドライバ48とは電気的に接続されている。表示ドライバ48とディスプレイ49とは電気的に接続されている。CPU41は、ディスプレイ49に所望の画像を表示させることが可能となっている。
【0047】
通話端末10は、キーボード51と、キーボード51を介してユーザによって入力される情報を検出することが可能な入力ドライバ50とを備えている。CPU41と入力ドライバ50とは電気的に接続されている。入力ドライバ50とキーボード51とは電気的に接続されている。CPU41は、キーボード51を介して入力される情報を認識することが可能となっている。
【0048】
図4を参照し、AORリスト記憶領域281に記憶されるAORリストについて説明する。図4に示すように、AORリストには、AOR−ID、SIPアドレス、及び保持期間の各情報が記憶される。AORリストへの情報登録は、例えばシステム管理者等がキーボード27(図2参照)を介し入力操作を行うことによって行われる。AOR−IDは、AORリストに情報が記憶される場合に自動的に付加されるインデックス情報である。SIPアドレスとしては、登録リストへの登録が認められた通話端末10のSIPアドレスが記憶される。保持期間としては、通話端末10の情報が登録リストに保持される時間が記憶される。
【0049】
図4に示す例では、SIPアドレスが「hanako@hoge.co.jp」(AOR−ID:1)である携帯通話端末11と、SIPアドレスが「taro@hogehoge.co.jp」(AOR−ID:2)である携帯通話端末12及びPC13と、SIPアドレスが「ichiro@hoge.co.jp」(AOR−ID:3)であるPC14とが、AORリストに記憶されている。其々の保持期間は、1800s(AOR−ID:1)、1000s(AOR−ID:2)、1200s(AOR−ID:3)である。
【0050】
図5を参照し、登録リスト記憶領域282に記憶される登録リストについて説明する。図5に示すように、登録リストには、ID、AOR−ID、Contact−URI、Call−ID、通話中フラグ、保持期間、及び登録日時の各情報が記憶される。IDは、登録リストに情報が記憶される場合に、自動的に付加されるインデックス情報である。AOR−IDとしては、登録リストに登録された通話端末10に対して、AORリスト(図4参照)において付加されているAOR−IDが記憶される。
【0051】
Contact−URIは、通信制御装置2が通話端末10から受信した通話データなどを他の通話端末10に対して転送する場合において、転送先を特定するために参照されるアドレス情報である。Contact−URIは、登録リストに登録される通話端末10のSIPアドレスの頭に「sip:」が付加され、ドメイン名がIPアドレスに変換されたものである。
【0052】
Call−IDは、通話端末10間や、通話端末10と通信制御装置2との間で通信が行われる場合において、データに付加されるID情報である。Call−IDは、通話端末10からデータが送信される場合に、通話端末10によって付加される。Call−IDは、通話端末10間や通話端末10と通信制御装置2との間で実行される一連の通信において発生する各種データを、他の通信におけるデータと識別するために使用されるものである。
【0053】
通話中フラグは、登録されている通話端末10が通話中であるか否かを示すフラグ情報である。図5では、通話端末10が通話中である場合に「TRUE」、通話中でない場合に「FALSE」が模式的に示されている。以下、通話端末10が通話中であることを示すフラグ情報が通話中フラグとして記憶されることを「通話中フラグに「TRUE」が記憶される。」といい、通話中でないことを示すフラグ情報が通話中フラグとして記憶されることを「通話中フラグに「FALSE」が記憶される。」という。
【0054】
保持期間としては、通話端末10の登録情報を登録リストに保持する時間が記憶される。登録日時としては、通話端末10から登録要求信号(REGISTER)を受信した際の受信日時の情報が記憶される。
【0055】
図5に示す例では、同一のSIPアドレスが割り当てられた携帯通話端末12とPC13(AOR−ID:2)とが同時に登録リストに登録されている状態の登録リストが示されている。Contact−URIは「sip:taro@192.0.2.5」で双方同一である。携帯通話端末12から受信したデータに付加されたCall−IDは「841234@hogehoge.co.jp」である。PC13から受信したデータに付加されたCall−IDは「124562@hogehoge.co.jp」である。携帯通話端末12は通話中でないが(通話中フラグ:「FALSE」)、PC13は通話中である(通話中フラグ:「TRUE」)。保持期間は、双方とも「1000s」である。携帯通話端末12から登録要求信号(REGISTER)を受信した際の最新日時は「2008年12月18日 10時01分」であり、PC13から登録要求信号(REGISTER)を受信した際の最新日時は「2008年12月18日 10時08分」である。
【0056】
図6乃至9を参照し、通信制御装置2のCPU21にて実行される処理(登録要求受信処理、登録リスト更新処理、通信制御処理)について説明する。なおこれらの処理には、予め所定の優先順位が設定される。いずれかの処理が実行状態であって、優先順位がより高い他の処理が起動タイミングとなった場合、実行状態の処理は一旦中断される。そして優先順位がより高い他の処理が代わりに実行される。優先順位がより高い他の処理が実行終了した後、中断された処理が、中断時点から処理を再開する。優先順位は、例えば「通信制御処理:1」「登録要求受信処理:2」「登録リスト更新処理:3」のように設定される。但し他の設定であってもよい。各処理の起動タイミングについては、下記にて説明する。
【0057】
はじめに図6を参照し、登録要求受信処理について説明する。登録要求受信処理では、通信制御装置2が通話端末10から登録要求信号(REGISTER)を受信した場合に、登録要求信号(REGISTER)を送信した通話端末10(以下「登録要求端末」という。)を登録リストに登録する為の処理が実行される。登録要求受信処理は、通信制御装置2の電源が投入された場合に、CPU21により起動され実行される。
【0058】
図6に示すように、登録要求受信処理では、登録要求端末から送信される登録要求信号(REGISTER)を受信したかが判断される(S11)。登録要求信号(REGISTER)を受信していない場合(S11:NO)、S11に戻り、継続して登録要求信号(REGISTER)の受信が監視される。
【0059】
登録要求信号(REGISTER)を受信した場合(S11:YES)、HDD28の登録リスト記憶領域282に記憶されている登録リストが読みだされる(S13)。そして、登録要求端末が既に登録リストに登録されているかが判断される(S15)。具体的には、登録リストに記憶されているAOR−IDの全てが抽出される。HDD28のAORリスト記憶領域281に記憶されているAORリストが参照され、抽出されたAOR−IDに対応するSIPアドレスが特定される。登録要求信号(REGISTER)に含まれている送信元SIPアドレスの情報から、登録要求端末のSIPアドレスが特定される。AORリストから特定されたSIPアドレスの中に、登録要求信号(REGISTER)から特定された登録要求端末のSIPアドレスと同一のSIPアドレスが含まれているかが判断される。また、登録要求端末のSIPアドレスと同一SIPアドレスの通話端末10が、既に登録リストに登録されていると判断された場合には、登録されている同一SIPアドレスの通話端末10(以下「登録済み端末」という。)に対応付けられたCall−IDと、受信した登録要求信号(REGISTER)に含まれているCall−IDとが一致するかが判断される。
【0060】
登録要求端末が既に登録リストに登録されている場合(S15:YES)、登録リストの内、登録済み端末に対応付けられた登録日時の情報に、登録要求端末から登録要求信号(REGISTER)を受信した日時の情報が上書きされる。これによって、登録リストの登録情報が更新される(S19)。そしてS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0061】
一方、登録要求端末が登録リストに登録されていない場合(S15:NO)、登録要求端末を登録リストに登録するために、必要な情報が登録リストに記憶される(S20)。具体的には、HDD28のAORリスト記憶領域281に記憶されているAORリストが参照されて登録要求端末のAOR−IDが特定される。特定されたAOR−IDが登録リストに記憶される。受信した登録要求信号(REGISTER)から特定された登録要求端末のSIPアドレスの先頭に「sip:」が付加される。SIPアドレスのドメイン名部分がIPアドレスに変換される。これによって得られたContact−URIが、登録リストに記憶される。登録要求信号(REGISTER)に含まれているCall−IDが登録リストに記憶される。登録要求端末が通話中でないことを示すために、通話中フラグとして「FALSE」が記憶される。AORリストにおいて登録要求端末に対応付けられている保持期間が、登録リストの保持期間として記憶される。登録要求信号(REGISTER)を受信した日時(登録日時)が取得され、登録日時として記憶される。そしてS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。そしてS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0062】
以上のように、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10の其々から登録要求信号(REGISTER)を受信した場合、いずれの通話端末10も登録リストに登録する。これによって、同一のSIPアドレスが割り当てられた他の通話端末10が自身の代わりに登録リストに登録され、自身が登録リストから抹消されてしまって通話不可能となってしまう不具合を防止できる。またユーザは、複数の通話端末10を同時に使用して通話を行うことが可能となる。
【0063】
図7を参照し、登録リスト更新処理について説明する。登録リスト更新処理では、登録リストに記憶される登録情報の保持期間を監視する処理が一定周期で行われる。登録日時から現在日時迄の経過時間が保持期間を超えた場合に、対応する登録情報を登録リストから削除する。登録リスト更新処理は、CPU21により所定の周期(例えば1s周期)で起動され実行される。
【0064】
図7に示すように、登録リスト更新処理では、はじめに登録リストのうち一通話端末の登録情報が選択される(S21)。選択された登録情報のうち、保持期間と登録日時とが参照される。現在日時から登録日時を差し引いた時間、即ち、登録要求端末から登録要求信号(REGISTER)を最後に受信してから現在までの経過時間が算出される。算出された経過時間が保持期間を超えているかが判断される(S23)。経過時間が保持期間を超えている場合(S23:YES)、登録情報が登録リストから削除される(S25)。そしてS27に移行される。経過時間が保持期間を超えていない場合(S23:NO)、登録情報は削除せず、S27に移行される。
【0065】
S27では、登録リストの全ての登録情報について、上述の処理が実行されたかが判断される(S27)。上述の処理が実行されていない登録情報が残存する場合(S27:YES)、S21に戻り、残りの登録情報に対して上述の処理が繰り返し実行される。全ての登録情報に対して上述の処理が実行された場合(S27:NO)、登録リスト更新処理は終了される。
【0066】
図8及び図9を参照し、通話制御処理について説明する。通話制御処理では、SIPに基づき、登録リストに登録されている通話端末10間の通話を実行させる。通話制御処理は、通信制御装置2の電源が投入された場合において、CPU21により起動され実行される。
【0067】
図8に示すように通話制御処理では、通話開始を望む通話端末10(以下「発呼側端末」という。)から送信される呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される(S30)。呼び出し要求(INVITE)を受信していない場合(S30:NO)、S30に戻り、継続して呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される。
【0068】
呼び出し要求(INVITE)を受信した場合(S30:YES)、呼び出し要求(INVITE)を送信した発呼側端末、及び、通話相手先の通話端末10(以下「着呼側端末」という。)の登録情報が登録リストに記憶されているかが判断される(S31)。具体的には、呼び出し要求(INVITE)に含まれている発呼側端末のSIP URIと着呼側端末のSIP URIが参照される。そして其々のSIP URIが、登録リストにSIP URIとして記憶されているかが判断される。発呼側端末のSIP URI及び着呼側端末のSIP URIのうち少なくともいずれかが登録リストに記憶されていない場合(S31:NO)、通話を開始させることなくS30に戻り、上述の処理が継続して実行される。
【0069】
発呼側端末のSIP URIと着呼側端末のSIP URIとの両方が登録リストに記憶されている場合(S31:YES)、着呼側端末のSIP URIに対応付けられている通話中フラグが参照される。なお、着呼側端末のSIP URIが登録リストに複数記憶されている場合、このSIP URIにて特定されるSIPアドレスが割り当てられた複数の着呼側端末が登録リストに登録されているということになる。この場合、登録されている着呼側端末に対応付けられた通話中フラグの全てが参照される(S32)。
【0070】
通話中フラグに「TRUE」が記憶されている場合(S33:YES)、着呼側端末のうち少なくとも一つが通話中であるので、発呼側端末と着呼側端末との通信を開始させない。この場合、着呼側端末との通話ができない旨を通知するための信号(以下「通話中通知信号」という。)が、発呼側端末に対して送信される(S34)。そしてS30に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0071】
一方、通話中フラグに「FALSE」が記憶されている場合(S33:NO)、着呼側端末は通話中でない。そこで、発呼側端末と着呼側端末との間の通話を開始させるために、着呼側端末のSIP URI宛てに、受信した呼び出し要求(INVITE)が転送される(S35)。ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されている場合、すべての着呼側端末に対して、受信した呼び出し要求(INVITE)が転送されなければならない。そこで、呼び出し要求(INVITE)を転送していない着呼側端末が残存する場合(S37:NO)、S35に戻り、残りの着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する処理が繰り返し実行される。着呼側端末のすべてに対して、呼び出し要求(INVITE)が転送された場合(S37:YES)、S39に移行される。
【0072】
S39では、呼び出し要求(INVITE)が着呼側端末に転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が受信される。受信された呼び出し中(Ringing)は、発呼側端末に対して転送される(S39)。
【0073】
図9に示すように、発呼側端末に対して呼び出し中(Ringing)が転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)の受信が監視される(S41)。呼び出し成功(200 OK)を受信していない状態では(S41:NO)、着呼側端末において通話拒否されたことを通知する拒否通知(486 BUSY HERE)を受信したかが判断される(S67)。拒否通知(486 BUSY HERE)を受信した場合(S67:YES)、受信した拒否通知(486 BUSY HERE)が発呼側端末に対して転送される(S69)。そしてS30(図8参照)に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。拒否通知(486 BUSY HERE)を受信していない状態では(S67:NO)、S41に戻り、着呼側端末から送信される呼び出し信号(200 OK)の受信が継続して監視される。
【0074】
一方、着信側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)を受信した場合(S41:YES)、受信した呼び出し成功(200 OK)が発呼側端末に対して転送される(S43)。次いで、発呼側端末から送信される確認応答(ACK)が受信され、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末に対して、受信した確認応答(ACK)が転送される(S45)。次いで、登録リストの内、発呼側端末、及び、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末の其々に対応する通話中フラグに「TRUE」が記憶される(S47)。
【0075】
ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されていた場合(S49:YES)、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末以外の着呼側端末に対して、発呼側端末からの呼び出し要求(INVITE)がキャンセルされたことを通知しなければならない。そこで、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末以外の着呼側端末に対して、終了通知(BYE)が送信される(S51)。次いで、終了通知(BYE)を受信した着呼側端末から返信される確認応答(ACK)が受信される(S53)。そしてS55に移行される。
【0076】
一方、登録リストに登録されている着呼側端末が一つである場合(S49:NO)、終了通知(BYE)の送信処理を行うことなくS55に移行される。
【0077】
これによって、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が可能な状態となるので、RTP(Real-time Transport protocol)に基づき、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が実行される(S99(図10参照)、S129(図11参照)、後述)。
【0078】
発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末(以下これらを「通話中端末」という。)との間で通話が実行されている最中において、通話中端末のうちいずれかより送信される終了通知(BYE)を受信したかが監視される(S55)。通話中端末のうちいずれかから送信される終了通知(BYE)を受信した場合(S55:YES)、受信した終了通知(BYE)が、終了通知(BYE)を送信していない側の通話中端末に対して転送される(S61)。そしてS63に移行される。
【0079】
通話中端末のいずれからも終了通知(BYE)を受信していない状態では(S55:NO)、登録リスト記憶領域282に記憶されている登録リストの情報が参照される。そして、通話中端末の登録情報が登録リストに登録されている状態であるかが判断される(S57)。通話中端末のうち少なくとも一方の登録情報が登録リストから削除された場合(S57:NO)、通話中端末に対して終了通知(BYE)が送信される。これによって通話を終了させる(S59)。そしてS63に移行される。通話中端末が登録リストに登録されている場合(S57:YES)、S55に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0080】
S63では、通話中端末に対して送信された終了通知(BYE)(S59、S61)に応じて返信される確認応答(ACK)が受信される。受信された確認応答(ACK)は、確認応答(ACK)を送信していない側の通話中端末に対して転送される(S63)。次いで、登録リスト記憶領域282に記憶されている登録リストの内、通話中端末に対応する通話中フラグに「FALSE」が記憶される(S65)。そしてS30に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0081】
以上のように、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10が同時に登録リストに登録されている状態で、このSIPアドレス宛ての呼び出し要求(INVITE)を受信した場合には、登録リストに登録されている着呼側端末すべてに対して呼び出し要求(INVITE)を転送する。これによって通話端末10のユーザは、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10にて着呼し、通話を実行することが可能となる。
【0082】
また、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10が同時に登録リストに登録されている状態で、これらの通話端末10から呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、通話先の通話端末10に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する。これによって通話端末10のユーザは、複数の通話端末10から発呼し、通話を実行することが可能となる。
【0083】
また、発呼側端末から呼び出し要求(INVITE)が送信された場合であって、登録リストに登録されている複数の着呼側端末のうち少なくとも一つが通話中の場合、通話中通知信号が発呼側端末に対して返信される。これによって、通話中通知信号を受信した通話端末10は、着呼側端末が通話中であるために通話ができないことを認識することが可能となる。
【0084】
通話端末10のCPU41にて実行される処理(登録要求送信処理、発呼処理、着呼処理)の詳細について説明する。なおこれらの処理には、予め所定の優先順位が設定される。いずれかの処理が実行状態であって、優先順位がより高い他の処理が起動タイミングとなった場合、実行状態の処理は一旦中断される。そして優先順位がより高い他の処理が代わりに実行される。優先順位がより高い他の処理が実行終了した後、中断された処理が、中断時点から処理を再開する。優先順位は、例えば「発呼処理:1」「着呼処理:2」「登録要求送信処理:3」のように設定される。但し他の設定であってもよい。各処理の起動タイミングについては、下記にて説明する。
【0085】
はじめに、登録要求送信処理について説明する。登録要求送信処理では、通信制御装置2に対して登録要求信号(REGISTER)が一定周期(例えば10s)で送信される。これによって、通信制御装置2の登録リストに自身を登録させる。登録要求送信処理は、通話端末10の電源が投入された場合に、CPU41により一定周期で起動され実行される。登録要求処理が起動されると、登録要求信号(REGISTER)が通信制御装置2に対して送信される。
【0086】
図10を参照し、発呼処理について説明する。発呼処理では、自身が発呼することによって他の通話端末10と通話を開始させ、通話を実行させるための処理が実行される。発呼処理は、着呼側端末との通話を開始させるための操作がキーボード51を介してユーザによってなされた場合に、CPU41によって起動され実行される。
【0087】
図10に示すように、はじめに、着呼側端末を指定した呼び出し要求(INVITE)が、通信制御装置2を介し着呼側端末に対して送信される(S91)。送信された呼び出し要求(INVITE)に対し、通信制御装置2から通話中通知を受信したかが判断される(S92)。通話中通知を受信した場合(S92:YES)、同一のSIPアドレスが割り当てられた他の通話端末10が通話中であり、通話が不可能な状態である。そこで、通話が不可能である旨をディスプレイ49に表示させ、ユーザに通知する(S94)。そして発呼処理は終了される。通話中通知を受信しなかった場合(S92:NO)、送信された呼び出し要求(INVITE)に応じ、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が、通信制御装置2を介して受信される(S93)。
【0088】
呼び出し中(Ringing)を受信した後、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S95)。呼び出し成功(200 OK)を受信していない状態では(S95:NO)、キーボード51を介して通話を終了させるための入力操作がなされたかが監視される(S111)。通話を終了させるための入力操作がなされた場合(S111:YES)、通信制御装置2を介し、着呼側端末に対して終了通知(BYE)が送信される(S113)。次いで、着呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S115)。そして発呼処理は終了される。
【0089】
通話を終了させるための入力操作がなされない状態では(S111:NO)、着信側端末から送信される拒否通知(486 BUSY HERE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S117)。拒否通知(486 BUSY HERE)を受信した場合(S117:YES)、通信制御装置2を介し、着信側端末に対して確認応答(ACK)を送信する(S119)。そして発呼処理は終了される。一方、拒否通知(486 BUSY HERE)を受信していない場合(S117:NO)、S95に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0090】
一方、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)を、通信制御装置2を介して受信した場合(S95:YES)、通信制御装置2を介し、着呼側端末に対して応答確認(ACK)が送信される(S97)。これによって、着呼側端末との間で通話が可能となるので、RTPに基づき、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が実行される(S99)。
【0091】
着呼側端末との間で通話が行われている間、キーボード51を介して通話を終了させるための入力操作がなされたかが監視される(S101)。入力操作がなされていない状態では(S101:NO)、着呼側端末から送信される終了通知(BYE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S107)。終了通知(BYE)を受信した場合(S107:YES)、通信制御装置2を介し、確認応答(ACK)が着呼側端末に対して送信される(S109)。そして発呼処理は終了される。一方、終了通知(BYE)を受信していない場合(S107:NO)、S101に戻り、キーボード51を介した入力操作、及び、着呼側端末からの終了通知(BYE)の受信の監視が継続して実行される。
【0092】
一方、通話を終了させる為の入力操作がなされた場合には(S101:YES)、通信制御装置2を介し、着呼側端末に対して終了通知(BYE)が送信される(S103)。次いで、着呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S105)。そして発呼側処理は終了される。
【0093】
図11を参照し、着呼処理について説明する。着呼処理では、発呼側端末から通話開始の要求があった場合に、発呼側端末との通話を開始させ、通話を実行させるための処理が実行される。着呼処理は、発呼側端末から送信される呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、着呼側端末のCPU41によって起動され実行される。
【0094】
図11に示すように、呼び出し要求(INVITE)を受信して着呼処理が起動されると、はじめに、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して呼び出し中(Ringing)が送信される(S121)。次いで、ユーザに対して着信を通知する処理(着信音声出力、着信通知画面表示等)が実行される。そして、着信する為の入力操作がユーザによりキーボード51を介してなされたかが監視される(S123)。
【0095】
着信する為の入力操作がなされない状態では(S123:NO)、通話を拒否するための入力操作がユーザによりキーボード51を介してなされたかが監視される(S141)。通話を拒否するための入力操作がなされた場合(S141:YES)、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して拒否通知(486 BUSY HERE)が送信される(S143)。次いで、着呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S145)。そして発呼処理は終了される。一方、通話を拒否するための入力操作がなされない状態では(S141:NO)、発信側端末から送信される終了通知(BYE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S147)。終了通知(BYE)を受信した場合(S147:YES)、通信制御装置2を介し、着信側端末に対して確認応答(ACK)が送信される(S149)。そして発呼処理は終了される。一方、終了通知(BYE)を受信していない場合(S147:NO)、S123に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0096】
一方、着信する為の入力操作が、ユーザによってキーボード51を介してなされた場合(S123:YES)、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して呼び出し成功(200 OK)が送信される(S125)。次いで、発呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S127)。これによって、発呼側端末との間で通話が可能となるので、RTPに基づき、発呼側端末との間で通話が実行される(S129)。
【0097】
発呼側端末との間で通話が行われている間、キーボード51を介し、ユーザによって通話を終了させるための入力操作がなされたかが監視される(S131)。操作入力がなされていない状態では(S131:NO)、発呼側端末から送信される終了通知(BYE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S137)。終了通知(BYE)を受信した場合(S137:YES)、通信制御装置2を介し、確認応答(ACK)が発呼側端末に対して送信される(S139)。そして着呼処理は終了される。一方、終了通知(BYE)を受信していない場合(S137:NO)、S131に戻り、ユーザによる入力操作、及び、通信制御装置2を介した発呼側端末からの終了通知(BYE)の受信の監視が継続して実行される。
【0098】
一方、キーボード51を介して通話を終了させる為の入力操作がなされた場合には(S131:YES)、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して終了通知(BYE)が送信される(S133)。次いで、発呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S135)。そして発呼側処理は終了される。
【0099】
以上説明したように、通信制御装置2は、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10のうち少なくともいずれかから登録要求信号(REGISTER)を受信した場合、この通話端末10を登録リストに登録する。登録リストに同一のSIPアドレスが割り当てられた他の通話端末10が登録されているか否かに関わらず、受信した登録要求信号(REGISTER)の送信元の通話端末10を登録リストに登録する。これによってユーザは、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10を使用して通話を行うことが可能となる。
【0100】
なお、図2のHDD28の登録リスト記憶領域282が本発明の「第一記憶手段」に相当する。図6のS11を行うCPU21が本発明の「第一受信制御手段」に相当する。S20の処理を行うCPU21が本発明の「第一登録制御手段」「第二登録制御手段」に相当する。図8のS30の処理を行うCPU21が本発明の「第二受信制御手段」「第三受信制御手段」に相当し、受信される呼び出し要求(INVITE)が本発明の「通話要求信号」がに相当し、S35、S37の処理を行うCPU21が本発明の「第一送信制御手段」に相当し、S35の処理を行うCPU21が本発明の「第二送信制御手段」に相当する。図8のS33の処理を行うCPU21が本発明の「通話中特定手段」に相当し、S34の処理を行うCPU21が本発明の「第三送信制御手段」に相当する。
【0101】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述の実施の形態では、着呼側端末が複数登録リストに登録されている状態で、発呼側端末から呼び出し要求(INVITE)を受信した際、着呼側端末のうちいずれかが通話中である場合には、受信した呼び出し要求(INVITE)を転送しない制御を行っていた。しかしながら本発明はこの制御方法に限定されない。従って例えば、発呼側端末が複数登録リストに登録されている状態で、発呼側端末のうちいずれかから呼び出し要求(INVITE)を受信した際、発呼側端末のうちいずれかが通話中である場合には、受信した呼び出し要求(INVITE)を転送しない制御を行ってもよい。
【0102】
上述の実施の形態では、登録リストに登録されている着呼側端末が通話中でない場合、すべての着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送していた。しかしながら本発明はこの転送方法に限定されない。従って例えば、登録されている複数の着呼側端末の内、予め設定された特定の通話端末10(以下「指定通話端末」という。)に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する方法としてもよい。以下、本発明の変形例について説明する。
<第一の変形例>
【0103】
以下、本発明の第一の変形例について、図12及び図13を参照して説明する。なお、通話システム1の構成、通信制御装置2及び通話端末10の電気的構成、通信制御装置2及び通話端末10にて実行される各種処理のうち通話制御処理の一部を除く処理については、上述の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、上述した通話制御処理と以下に述べる変形例における通話制御処理との共通処理部分については、説明を省略し又は簡略する。
【0104】
はじめに、通信制御装置2に対してユーザが指定通話端末を入力設定する場合において、ディスプレイ25に表示される着信先設定画面について説明する。図12は、着信先設定画面の一例を示している。図12に示すように、着信先設定画面には、複数の通話端末10のうちいずれかを選択する為のチェックボックス、チェックボックスによって選択された内容を確定させるための「OK」ボタン、チェックボックスによって選択された内容をキャンセルして着信先設定を終了させるための「キャンセル」ボタンが設けられている。図12に示す例では、選択可能な通話端末10として「会社(192.0.2.11)」「家(192.0.2.12)」がそれぞれ表示され、これらのうちいずれかを選択可能なチェックボックスが表示されている。()内には、通話端末10に割り当てられているIPアドレスが表示される。チェックボックスが選択されて「OK」ボタンが押下された場合、選択された情報はHDD28の設定情報記憶領域283に指定通話端末の情報として記憶される。
【0105】
例えばこれらの情報は、図1におけるユーザ5の所有する携帯通話端末12及びPC13に対応する。「家(192.0.2.12)」が携帯通話端末12に相当し、「会社(192.0.2.11)」がPC13に相当する。例えばユーザ5は、会社に居る場合は「会社(192.0.2.11)」を選択入力する。これによって、PC13が指定通話端末としてHDD283の設定情報記憶領域283に記憶される。家に居る場合は「家(192.0.2.12)」を選択入力する。これによって、携帯通話端末12が指定通話端末としてHDD28の設定情報記憶領域283に記憶される。このように指定通話端末を設定することによって、同じSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10のうち何れの通話端末10を使用して通話を行うかを特定することができる。
【0106】
図13を参照し、第一の変形例における通話制御処理について説明する。図13に示すように、通話制御処理では、通話開始を望む発呼側端末から送信される呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される(S30)。呼び出し要求(INVITE)を受信していない場合(S30:NO)、S30に戻り、継続して呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される。呼び出し要求(INVITE)を受信した場合(S30:YES)、発呼側端末及び着呼側端末の登録情報が登録リストに記憶されているかが判断される(S31)。登録リストに記憶されていない場合(S31:NO)、通話を開始させることなくS30に戻り、上述の処理が継続して実行される。
【0107】
発呼側端末及び着呼側端末が登録リストに登録されている場合(S31:YES)、HDD28の設定情報記憶領域283に記憶されている指定通話端末と同一の通話端末が、登録リストに着呼側端末として登録されているかが判断される(S201)。指定通話端末と同一の通話端末が着呼側端末として登録されている場合(S201:YES)、呼び出し要求(INVITE)は指定通話端末に対して転送される(S203)。そしてS39に移行される。
【0108】
一方、指定通話端末が着呼側端末として登録リストに登録されていない場合(S201:NO)、登録リストに登録されている着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)が転送される(S35)。ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されている場合、着呼側端末のすべてに対して呼び出し要求(INVITE)が転送される。呼び出し要求(INVITE)を転送していない着呼側端末が残存する場合(S37:NO)、S35に戻り、転送していない着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する処理が繰り返し実行される。着呼側端末のすべてに対して、呼び出し要求(INVITE)が転送された場合(S37:YES)、S39に移行される。
【0109】
S39では、呼び出し要求(INVITE)が着呼側端末に転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が受信される。受信された呼び出し中(Ringing)は、発呼側端末に対して転送される(S39)。
【0110】
そして図9に示すように、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)が受信される(S41:YES)。発呼側端末に対して呼び出し成功(200 OK)が転送される(S45)。これによって、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が可能な状態となり、通話が実行される。
【0111】
以上説明したように、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10が登録リストに登録されている場合に、指定通話端末を設定することによって、複数の通話端末10のうち指定通話端末を特定して通話を実行させることが可能となる。これによってユーザは、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10を所有する場合に、状況に応じて所望の通話端末10を選択して着呼させ、通話を開始させることが可能となる。
【0112】
なお、本発明は上述の例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述では、着呼側端末が登録リストに複数登録された場合であって、いずれかの通話端末10が通話中である場合には、通信制御装置2は、着呼側端末に呼び出し要求(INVITE)を転送しなかった。しかしながら本発明はこの方法に限定されない。従って、通話を許可する通話端末の数を限定する構成としてもよい。以下、本発明の変形例について説明する。
<第二の変形例>
【0113】
以下、本発明の第二の変形例について、図14を参照して説明する。なお、通話システム1の構成、通信制御装置2及び通話端末10の電気的構成、通信制御装置2及び通話端末10にて実行される各種処理のうち通話制御処理の一部を除く処理については、上述の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、上述した通話制御処理と以下に述べる変形例における通話制御処理との共通処理部分については、説明を省略し又は簡略する。
【0114】
図14を参照し、第二の変形例における通話制御処理について説明する。図14に示すように、通話制御処理では、通話開始を望む発呼側端末から送信される呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される(S30)。呼び出し要求(INVITE)を受信していない場合(S30:NO)、S30に戻り、継続して呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される。呼び出し要求(INVITE)を受信した場合(S30:YES)、発呼側端末及び着呼側端末の登録情報が登録リストに登録されているかが判断される(S31)。登録リストに記憶されていない場合(S31:NO)、通話を開始させることなくS30に戻り、上述の処理が継続して実行される。
【0115】
発呼側端末及び着呼側端末が登録リストに登録されている場合(S31:YES)、登録リストに登録されている着呼側端末のうち、通話中の通話端末10の数が通話中数として取得される(S211)。具体的には、登録リストの内、着呼側端末に対応する通話中フラグに「TRUE」が記憶されている場合の数が累計され、通話中数とされる。
【0116】
次いで、HDD28の設定情報記憶領域283に記憶される情報であって、同時に通話可能な通話端末10の数の情報である通話可能数が取得される。そして、S211にて取得された通話中数と、設定情報記憶領域283に記憶された通話可能数とが比較される(S213)。通話中数が通話可能数以上である場合(S213:YES)、受信した呼び出し要求(INVITE)を転送することなくS30に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0117】
一方、通話中数が通話可能数未満である場合(S213:NO)、登録リストに登録されている着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)が転送される(S35)。ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されている場合、着呼側端末のすべてに対して呼び出し要求(INVITE)が転送される。呼び出し要求(INVITE)を転送していない着呼側端末が残存する場合(S37:NO)、S35に戻り、残りの着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する処理が繰り返し実行される。着呼側端末のすべてに対して呼び出し要求(INVITE)が転送された場合(S37:YES)、S39に移行される。
【0118】
S39では、呼び出し要求(INVITE)が着呼側端末に転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が受信される。受信された呼び出し中(Ringing)は、発呼側端末に対して転送される(S39)。
【0119】
そして図9に示すように、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)が受信される(S41:YES)。発呼側端末に対して呼び出し成功(200 OK)が転送される(S45)。これによって、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が可能な状態となり、通話が実行される。
【0120】
以上説明したように、通話中の通話端末10の数(通話中数)が通話可能数以上となっている場合、呼び出し(INVITE)を転送する処理を行わない。これによって、同時に通話可能な通話端末10の数を制限することが可能となるので、通話端末10のユーザに対して多彩な通話サービスを提供することが可能となる。
【0121】
なお、本発明は上述の例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、登録リストに発呼側端末が複数登録されている場合であって、発呼側端末のうちいずれかから呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、通話中の発呼側端末が他に存在する場合には、呼び出し要求(INVITE)を着呼側端末に転送しない構成としてもよい。
【0122】
また、登録リストに発呼側端末が複数登録されている場合であって、発呼側端末のうちいずれかから呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、通話中の発呼側端末の数を通話中数として算出する。そして算出した通話中数が、HDD28の設定情報記憶領域283に記憶されている通話可能数未満である場合に、着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送し、通話中数が通話可能数以上である場合には、着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送しない通信制御を行ってもよい。
【0123】
なお、図2のうち着信先通話端末が記憶されるHDD28の設定情報記憶領域283が本発明の「第二記憶手段」に相当し、通話可能数が記憶されるHDD28の設定情報記憶領域283が本発明の「第三記憶手段」に相当する。図14のS211の処理を行うCPU21が本発明の「通話中数特定手段」に相当する。
【符号の説明】
【0124】
1 通話システム
2 通信制御装置
10 通話端末
21 CPU
28 HDD
282 登録リスト記憶領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関する。より詳細には、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末から、通話を許可する通話端末を管理する登録リストへの登録要求があった場合に、登録要求のあったすべての通話端末を登録リストに登録する通信制御装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのネットワーク上において通信端末が通信を開始するための双方向通信プロトコルとして、SIP(Session Initiation Protocol)が知られている。SIPは、IP電話の呼制御を行うプロトコルとして使用されているほか、テレビ電話やインスタントメッセージなどの接続制御を行うプロトコルとしても使用可能であるとして注目されている。
【0003】
SIPを使用したIP電話システムにおいては、ユーザを識別する為のSIPアドレスが、各通話端末に対して割り当てられる。通話のための通信制御を行う通信制御装置(SIPサーバ(レジストラサーバ)など)では、SIPアドレスと、各通話端末を特定する為の情報(以下「端末特定情報」という。例えばIPアドレス)とが対応づけられ登録される。これによって、通話端末間の通話開始時において、通話先を特定可能としている。従前より、このような登録管理を行う通信制御装置が提案されている(特許文献1参照)。なお、通信制御装置へのSIPアドレス及び端末特定情報の登録は、通話端末から送信される登録要求信号(Registerコマンドなど)を通信制御装置が受信することによって実行される。通信制御装置では、受信した登録要求信号に基づいて、SIPアドレスと端末特定情報とを1対1で対応付ける。これによって通話端末を特定し、通話端末間の通話を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−152805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら例えば、一ユーザが複数の通話端末を所有し、場所や状況に応じていずれかの通話端末を選択し使用するような使用形態を想定した場合、上述の装置では、共通のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末を同時に登録することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、通話を許可する通話端末として、共通のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末を登録することが可能な通信制御装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の問題点を解決するために、請求項1に係る発明の通信制御装置は、通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御装置であって、前記通話端末が登録される登録リストであって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うための前記登録リストが記憶される第一記憶手段と、前記通話端末を識別するために前記通話端末に割り当てられる情報である識別情報が同一の通話端末が複数存在する場合において、複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御手段と、前記第一受信制御手段にて前記複数の通話端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されていない場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御手段と、前記第一受信制御手段にて前記複数の通信端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御手段とを備えている。
【0008】
また、請求項2に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末の前記識別情報とは異なる前記識別情報が割り当てられた通話端末である第二通話端末から、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛てに送信される信号であって、前記第一通話端末のうちいずれかとの通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第二受信制御手段と、前記第二受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信する第一送信制御手段とを備えている。
【0009】
また、請求項3に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、特定の前記通話端末を記憶する第二記憶手段を備え、前記第一送信制御手段は、前記第二受信制御手段にて前記第二通話端末より前記通話要求信号を受信した場合に、前記登録リストに記憶されている第一通話端末のうち、前記第二記憶手段に記憶された前記特定の通話端末に対して、受信した前記通話要求信号を送信することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記複数の第一通話端末とは異なる他の前記通話端末との通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第三受信制御手段と、前記第三受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信する第二送信制御手段とを備えている。
【0011】
また、請求項5に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段とを備え、前記第一送信制御手段は、前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の構成に加えて、通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段とを備え、前記第二送信制御手段は、前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第二受信制御手段にて、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛ての前記通話要求信号を前記第二通話端末から受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記第二通話端末に対して送信する第三送信制御手段とを備え、前記第一送信制御手段は、前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求通知を前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の構成に加えて、通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第三受信制御手段にて、前記第一通話端末のうち前記通話中の通話端末を除く第一通話端末のうち少なくともいずれかから前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記通話要求信号を送信した前記第一通話端末に対して送信する第四送信制御手段とを備え、前記第二送信制御手段は、前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明の通信制御方法は、通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御方法であって、前記通話端末に割り当てられる情報であって前記通話端末を識別するための情報である識別情報が同一である複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うために第一記憶手段に記憶された登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御ステップと、前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が前記登録リストに登録されてない場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御ステップと、前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が既に前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御ステップとを備えている。
【0016】
また、請求項10に係る発明の通信制御プログラムは、請求項1乃至8のいずれかに記載の通信制御装置の各処理手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明の通信制御装置では、通話要求信号を受信した場合に通話を実行させる(以下「通話を許可する。」という。)通話端末が登録される登録リストを第一記憶手段に記憶している。そして、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末のうち少なくともいずれかから登録要求信号を受信した場合に、同一の識別情報が割り当てられた他の通話端末が登録リストに登録されているかいないかに関わらず、登録要求信号を送信した通話端末を登録リストに登録する。これによってユーザは、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末を同時に使用して通話を行うことが可能となる。また、同一の識別情報が割り当てられた他の通話端末が自身の代わりに登録リストに登録され、自身が登録リストから抹消されてしまって通話不可能となってしまう不具合を防止できる。
【0018】
また、請求項2に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末が同時に登録リストに登録されている状態で、この識別情報宛ての通話要求信号を受信した場合、登録リストに登録されている複数の通話端末すべてに対して通話要求信号を転送する。ユーザは、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末のうち少なくともいずれかの通話端末にて着信し、通話を行うことが可能となる。
【0019】
また、請求項3に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、特定の通話端末が第二記憶手段に記憶される。第一通話端末に割り当てられた識別情報宛てに通話要求信号を受信した場合には、登録リストに登録されている第一通話端末のうち特定の通話端末に対して、通話要求信号を転送する。これによってユーザは、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末のうち特定の通話端末を使用して通話を行うことが可能となる。
【0020】
また、請求項4に係る発明の通信制御装置は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、登録リストに登録されている複数の第一通話端末のうちいずれかから、他の通話端末に対する通話要求信号を受信した場合には、受信した通話要求信号を他の通話端末に対して送信する。これによってユーザは、複数の通話端末のうち少なくともいずれかの通話端末を発呼させ、通話を行うことが可能となる。
【0021】
また、請求項5に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、通話中の通話端末の数が通話可能数を超えている場合、通話要求信号を転送する処理を行わない。これによって、同時に通話可能な通話端末の数を制御することが可能となるので、通話端末のユーザに対して多彩な通話サービスを提供することが可能となる。
【0022】
また、請求項6に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の効果に加えて、通話中の通話端末の数が通話可能数を超えている場合、通話要求信号を転送する処理を行わない。これによって、同時に通話可能な通話端末の数を制御することが可能となるので、通話端末のユーザに対して多彩な通話サービスを提供することが可能となる。
【0023】
また、請求項7に係る発明の通信制御装置は、請求項2に記載の発明の効果に加えて、登録リストに登録されている同一識別情報が割り当てられた通話端末の一が通話中の場合であって、他の通話端末より第一通話端末宛ての通話要求信号を受信した場合には、受信した通話要求信号の転送処理は行わない。また、通話ができない旨を通知する通話中通知信号を、他の通話端末に対して送信する。これによって、通話中通知信号を受信した通話端末は、他の通話端末が通話中であるために通話ができないことを認識することが可能となる。
【0024】
また、請求項8に係る発明の通信制御装置は、請求項4に記載の発明の効果に加えて、登録リストに登録されている同一識別情報が割り当てられた通話端末の一が通話中の場合であって、他の第一通話端末より通話要求信号を受信した場合には、受信した通話要求信号の転送処理は行わない。また、通話ができない旨を通知する通話中通知信号を、通話要求信号を送信した第一通話端末に対して送信する。これによって、通話中通知信号を受信した通話端末は、他の通話端末が通話中であるために通話ができないことを認識することが可能となる。
【0025】
また、請求項9に係る発明の通信制御方法は、通話を許可する通話端末が登録される登録リストを第一記憶手段に記憶している。そして、同一の識別情報が割り当てられた複数の通話端末から登録要求信号を受信した場合に、これら複数の通話端末全てを登録リストに登録する。これによって、同一の識別情報が割り当てられた他の通話端末が自身の代わりに登録リストに登録され、自身が登録リストから抹消されてしまって通話不可能となってしまう不具合を防止できる。またユーザは、複数の通話端末を同時に使用して通話を行うことが可能となる。
【0026】
また、請求項10に係る発明の通信制御プログラムは、請求項1乃至8のいずれかに記載の通信制御装置の各処理手段としてコンピュータを機能させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】通信制御装置2を含む通話システム1を示す模式図である。
【図2】通信制御装置2の電気的構成を示す模式図である。
【図3】通話端末10の電気的構成を示す模式図である。
【図4】AORリストを示す模式図である。
【図5】登録リストを示す模式図である。
【図6】登録要求受信処理を示すフローチャートである。
【図7】登録リスト更新処理を示すフローチャートである。
【図8】通話制御処理を示すフローチャートである。
【図9】通話制御処理を示すフローチャートである。
【図10】発呼処理を示すフローチャートである。
【図11】着呼処理を示すフローチャートである。
【図12】着信先設定画面を示す模式図である。
【図13】第一の変形例における通話制御処理を示すフローチャートである。
【図14】第二の変形例における通話制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る通信制御装置を具現化した通信制御装置2について、図面を参照して説明する。なおこれらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置、端末の構成、各種処理のフローチャートなどは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0029】
はじめに、図1を参照し、通信制御装置2を含む通話システム1の概要について説明する。図1に示すように、通話システム1は、インターネット3に接続された携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、PC14、及び通信制御装置2から構成されている。携帯通話端末11は、ユーザ4によって所有されている。携帯通話端末12及びPC13は、ユーザ5によって所有されている。PC14は、ユーザ6によって所有されている。
【0030】
携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、及びPC14について説明する。携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、及びPC14は何れも、インターネット3を介して他の端末(携帯通話端末及びPC)と通信を行い、端末の所有者間で通話を実行させる機能(IP電話機能)を少なくとも備えている。携帯通話端末11及び12は、インターネット3に接続された図示外のアクセスポイントと無線通信を行うことによって、インターネット3に接続される。携帯通話端末11及び12としては、例えば無線IP電話が使用可能である。PC13及び14は、インターネット3に直接接続される。以下、携帯通話端末11、携帯通話端末12、PC13、PC14を総称して「通話端末10」という。通話端末10では、IP電話機能を実現するための呼制御プロトコルとして、SIP(Session Initiation Protocol)が用いられる。
【0031】
通話端末10の其々には、ユーザを識別するための識別情報が割り当てられている。SIPにおいては、「SIPアドレス」が識別情報に相当する。ユーザは、SIPアドレスを指定して特定のユーザの通話端末10を呼び出すことによって、特定のユーザと通話を行うことが可能となる。図1に示す例では、携帯通話端末11(ユーザ4が所有)に対してSIPアドレス「hanako@hoge.co.jp」が割り当てられている。携帯通話端末12及びPC13(いずれもユーザ5が所有)に対してSIPアドレス「taro@hogehoge.co.jp」が割り当てられている。PC14(ユーザ6が所有)に対してSIPアドレス「ichiro@hoge.co.jp」が割り当てられている。
【0032】
図1にて示されているように、ユーザ5の使用する二つの通話端末10(携帯通話端末12、PC13)には、共通のSIPアドレス「taro@hogehoge.co.jp」が割り当てられている。ユーザ5は、共通のSIPアドレスが割り当てられた通話端末を、状況に応じて使い分けることが可能となる。例えば、ユーザ5がPC13に向かって作業を行っている場合には、PC13を通話端末として使用し通話を行う。ユーザ5がPC13から離れて作業を行っている場合には、携帯通話端末12を通話端末として使用し通話を行う。
【0033】
通信制御装置2について説明する。通信制御装置2は、SIPにおけるSIPサーバとして機能する。本実施の形態では、通信制御装置2の有するSIPサーバとしての機能のうちレジスタ機能及びプロキシ機能について詳説する。しかしながら通信制御装置2は、SIPサーバが通常備える他の機能(相手のSIP UAの移動先を調べる機能(リダイレクト機能)や、SIP UAの情報を管理する機能(ロケーション機能))を備えた構成であってもよい。
【0034】
通信制御装置2が備えるレジスタ機能について概説する。通話端末10は、通信制御装置2が備える登録リスト(図5参照、詳細後述)への登録を要求する信号(以下「登録要求信号(REGISTER)」という。)を通信制御装置2に対して送信する。通信制御装置2では、登録要求信号(REGISTER)を受信した場合、通話端末10の情報を登録リストに記憶し管理する。登録リストに登録されている通話端末10同士の通話要求を受け付けた場合、通信制御装置2は通話端末10間の通話を実行させる。登録リストに登録されていない通話端末10同士の通話要求を受け付けた場合、通信制御装置2は通話端末10間の通話を実行させない。
【0035】
通信制御装置2が備えるプロキシ機能について概説する。通話端末10は、通話の開始を要求するための信号(以下「呼び出し要求(INVITE)」という。)を通信制御装置2に対して送信する。通信制御装置2では、呼び出し要求(INVITE)を受信した場合、相手先の通話端末10のIPアドレスなどを調査し、受信した呼び出し要求(INVITE)を調査した通話端末10に対して転送する。以降、SIPに基づき双方の通話端末10から送信される信号を、相手通話端末10に対して転送する。このようにして所定の一連の通信手続きが完了すると、通話端末10間で通話が可能となる。
【0036】
ここで図1に示すように、同じSIPアドレスが割り当てられた通話端末10が複数存在する場合、通信制御装置2では、同じSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10から登録要求信号(REGISTER)を受信する可能性がある。本実施の形態における通信制御装置2では、原則として、登録要求信号(REGISTER)を送信した通話端末10の全てを登録リストに登録する。
【0037】
図2を参照し、通信制御装置2の電気的構成について説明する。図2に示すように、通信制御装置2は、通話端末10の登録制御や通話端末10間の呼制御が実行されるCPU21、ブートプログラムやBIOSが記憶されるROM22、フラグ情報やタイマ情報、カウンタ情報等が一時的に記憶されるRAM23、プログラム、登録情報、設定情報などが記憶されるハードディスク(以下「HDD」という。)28を備えている。そして、CPU21とROM22、RAM23、及びHDD28とは、其々電気的に接続されている。CPU21は、ROM22、RAM23、及びHDD28の記憶領域に対してアクセスすることが可能となっている。
【0038】
HDD28は、アドレスオブレコード(以下「AOR」と略す。)リスト記憶領域281、登録リスト記憶領域282、設定情報記憶領域283、及びその他の領域を備えている。AORリスト記憶領域281には、登録リストへの登録を認める通話端末10に関する情報がAORリストとして記憶される。登録リスト記憶領域282には、上述した登録リストが記憶される。設定情報記憶領域283には、各種設定情報が記憶される。AORリスト記憶領域281及び登録リスト記憶領域282に記憶される情報の詳細については後述する。
【0039】
通信制御装置2は、インターネット3(図1参照)に接続する為の通信モジュール31を備えている。CPU21と通信モジュール31とは電気的に接続されている。CPU21は、所望のデータをインターネット3に送信することが可能となっている。またCPU21は、インターネット3から受信されるデータを認識することが可能となっている。通信モジュール31としてネットワークカードが使用可能である。
【0040】
通信制御装置2は、画像をディスプレイ25に表示させることが可能な表示ドライバ24を備えている。CPU21と表示ドライバ24とは電気的に接続されている。表示ドライバ24とディスプレイ25とは電気的に接続されている。CPU21は、ディスプレイ25に所望の画像を表示させることが可能となっている。
【0041】
通信制御装置2は、キーボード27を介してユーザによって入力される情報を検出することが可能な入力ドライバ26を備えている。CPU21と入力ドライバ26とは電気的に接続されている。入力ドライバ26とキーボード27とは電気的に接続されている。CPU21は、キーボード27を介して入力される情報を認識することが可能となっている。
【0042】
通信制御装置2は、CD−ROM30に記憶された情報を読み取ることが可能なCD−ROMドライブ29を備えている。CPU21とCD−ROMドライブ29とは電気的に接続されている。CD−ROM30には、例えばCPU21を駆動させるために必要なプログラムが記憶される。CPU21は、CD−ROM30に記憶されている情報を認識することが可能となっている。
【0043】
図3を参照し、通話端末10の電気的構成について説明する。図3に示すように、通話端末10は、通信制御装置2への登録要求や通話のための通信制御が実行されるCPU41、CPU41の実行するプログラム等が記憶されるROM42、フラグ情報やタイマ情報、カウンタ情報が一時的に記憶されるRAM43、ディスプレイ49(後述)に表示させる画像データや、スピーカ46(後述)から出力させる音源データなどが記憶されるフラッシュメモリ44を備えている。そして、CPU41とROM42、RAM43、及びフラッシュメモリ44とは、其々電気的に接続されている。CPU41は、ROM42、RAM43、及びフラッシュメモリ44の記憶領域に対してアクセスすることが可能となっている。
【0044】
通話端末10は、インターネット3(図1参照)に接続する為の通信モジュール45を備えている。CPU41と通信モジュール45とは電気的に接続されている。CPU41は、所望のデータをインターネット3に送信することが可能となっている。またCPU41は、インターネット3から受信されるデータを認識することが可能となっている。通話端末10が携帯通話端末11及び携帯通話端末12である場合、通信モジュール45としてRFモジュールが使用可能である。通話端末10がPC13及びPC14である場合、通信モジュール45としてネットワークカードが使用可能である。
【0045】
通話端末10は、音声を出力するスピーカ46、及び、音声を入力するマイク47を備えている。CPU41とスピーカ46及びマイク47とは、其々電気的に接続されている。CPU41は、スピーカ46から所望の音声を出力させることが可能となっている。CPU41は、マイク47を介して入力された音声を認識することが可能となっている。
【0046】
通話端末10は、ディスプレイ49と、ディスプレイ49に画像を表示させることが可能な表示ドライバ48とを備えている。CPU41と表示ドライバ48とは電気的に接続されている。表示ドライバ48とディスプレイ49とは電気的に接続されている。CPU41は、ディスプレイ49に所望の画像を表示させることが可能となっている。
【0047】
通話端末10は、キーボード51と、キーボード51を介してユーザによって入力される情報を検出することが可能な入力ドライバ50とを備えている。CPU41と入力ドライバ50とは電気的に接続されている。入力ドライバ50とキーボード51とは電気的に接続されている。CPU41は、キーボード51を介して入力される情報を認識することが可能となっている。
【0048】
図4を参照し、AORリスト記憶領域281に記憶されるAORリストについて説明する。図4に示すように、AORリストには、AOR−ID、SIPアドレス、及び保持期間の各情報が記憶される。AORリストへの情報登録は、例えばシステム管理者等がキーボード27(図2参照)を介し入力操作を行うことによって行われる。AOR−IDは、AORリストに情報が記憶される場合に自動的に付加されるインデックス情報である。SIPアドレスとしては、登録リストへの登録が認められた通話端末10のSIPアドレスが記憶される。保持期間としては、通話端末10の情報が登録リストに保持される時間が記憶される。
【0049】
図4に示す例では、SIPアドレスが「hanako@hoge.co.jp」(AOR−ID:1)である携帯通話端末11と、SIPアドレスが「taro@hogehoge.co.jp」(AOR−ID:2)である携帯通話端末12及びPC13と、SIPアドレスが「ichiro@hoge.co.jp」(AOR−ID:3)であるPC14とが、AORリストに記憶されている。其々の保持期間は、1800s(AOR−ID:1)、1000s(AOR−ID:2)、1200s(AOR−ID:3)である。
【0050】
図5を参照し、登録リスト記憶領域282に記憶される登録リストについて説明する。図5に示すように、登録リストには、ID、AOR−ID、Contact−URI、Call−ID、通話中フラグ、保持期間、及び登録日時の各情報が記憶される。IDは、登録リストに情報が記憶される場合に、自動的に付加されるインデックス情報である。AOR−IDとしては、登録リストに登録された通話端末10に対して、AORリスト(図4参照)において付加されているAOR−IDが記憶される。
【0051】
Contact−URIは、通信制御装置2が通話端末10から受信した通話データなどを他の通話端末10に対して転送する場合において、転送先を特定するために参照されるアドレス情報である。Contact−URIは、登録リストに登録される通話端末10のSIPアドレスの頭に「sip:」が付加され、ドメイン名がIPアドレスに変換されたものである。
【0052】
Call−IDは、通話端末10間や、通話端末10と通信制御装置2との間で通信が行われる場合において、データに付加されるID情報である。Call−IDは、通話端末10からデータが送信される場合に、通話端末10によって付加される。Call−IDは、通話端末10間や通話端末10と通信制御装置2との間で実行される一連の通信において発生する各種データを、他の通信におけるデータと識別するために使用されるものである。
【0053】
通話中フラグは、登録されている通話端末10が通話中であるか否かを示すフラグ情報である。図5では、通話端末10が通話中である場合に「TRUE」、通話中でない場合に「FALSE」が模式的に示されている。以下、通話端末10が通話中であることを示すフラグ情報が通話中フラグとして記憶されることを「通話中フラグに「TRUE」が記憶される。」といい、通話中でないことを示すフラグ情報が通話中フラグとして記憶されることを「通話中フラグに「FALSE」が記憶される。」という。
【0054】
保持期間としては、通話端末10の登録情報を登録リストに保持する時間が記憶される。登録日時としては、通話端末10から登録要求信号(REGISTER)を受信した際の受信日時の情報が記憶される。
【0055】
図5に示す例では、同一のSIPアドレスが割り当てられた携帯通話端末12とPC13(AOR−ID:2)とが同時に登録リストに登録されている状態の登録リストが示されている。Contact−URIは「sip:taro@192.0.2.5」で双方同一である。携帯通話端末12から受信したデータに付加されたCall−IDは「841234@hogehoge.co.jp」である。PC13から受信したデータに付加されたCall−IDは「124562@hogehoge.co.jp」である。携帯通話端末12は通話中でないが(通話中フラグ:「FALSE」)、PC13は通話中である(通話中フラグ:「TRUE」)。保持期間は、双方とも「1000s」である。携帯通話端末12から登録要求信号(REGISTER)を受信した際の最新日時は「2008年12月18日 10時01分」であり、PC13から登録要求信号(REGISTER)を受信した際の最新日時は「2008年12月18日 10時08分」である。
【0056】
図6乃至9を参照し、通信制御装置2のCPU21にて実行される処理(登録要求受信処理、登録リスト更新処理、通信制御処理)について説明する。なおこれらの処理には、予め所定の優先順位が設定される。いずれかの処理が実行状態であって、優先順位がより高い他の処理が起動タイミングとなった場合、実行状態の処理は一旦中断される。そして優先順位がより高い他の処理が代わりに実行される。優先順位がより高い他の処理が実行終了した後、中断された処理が、中断時点から処理を再開する。優先順位は、例えば「通信制御処理:1」「登録要求受信処理:2」「登録リスト更新処理:3」のように設定される。但し他の設定であってもよい。各処理の起動タイミングについては、下記にて説明する。
【0057】
はじめに図6を参照し、登録要求受信処理について説明する。登録要求受信処理では、通信制御装置2が通話端末10から登録要求信号(REGISTER)を受信した場合に、登録要求信号(REGISTER)を送信した通話端末10(以下「登録要求端末」という。)を登録リストに登録する為の処理が実行される。登録要求受信処理は、通信制御装置2の電源が投入された場合に、CPU21により起動され実行される。
【0058】
図6に示すように、登録要求受信処理では、登録要求端末から送信される登録要求信号(REGISTER)を受信したかが判断される(S11)。登録要求信号(REGISTER)を受信していない場合(S11:NO)、S11に戻り、継続して登録要求信号(REGISTER)の受信が監視される。
【0059】
登録要求信号(REGISTER)を受信した場合(S11:YES)、HDD28の登録リスト記憶領域282に記憶されている登録リストが読みだされる(S13)。そして、登録要求端末が既に登録リストに登録されているかが判断される(S15)。具体的には、登録リストに記憶されているAOR−IDの全てが抽出される。HDD28のAORリスト記憶領域281に記憶されているAORリストが参照され、抽出されたAOR−IDに対応するSIPアドレスが特定される。登録要求信号(REGISTER)に含まれている送信元SIPアドレスの情報から、登録要求端末のSIPアドレスが特定される。AORリストから特定されたSIPアドレスの中に、登録要求信号(REGISTER)から特定された登録要求端末のSIPアドレスと同一のSIPアドレスが含まれているかが判断される。また、登録要求端末のSIPアドレスと同一SIPアドレスの通話端末10が、既に登録リストに登録されていると判断された場合には、登録されている同一SIPアドレスの通話端末10(以下「登録済み端末」という。)に対応付けられたCall−IDと、受信した登録要求信号(REGISTER)に含まれているCall−IDとが一致するかが判断される。
【0060】
登録要求端末が既に登録リストに登録されている場合(S15:YES)、登録リストの内、登録済み端末に対応付けられた登録日時の情報に、登録要求端末から登録要求信号(REGISTER)を受信した日時の情報が上書きされる。これによって、登録リストの登録情報が更新される(S19)。そしてS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0061】
一方、登録要求端末が登録リストに登録されていない場合(S15:NO)、登録要求端末を登録リストに登録するために、必要な情報が登録リストに記憶される(S20)。具体的には、HDD28のAORリスト記憶領域281に記憶されているAORリストが参照されて登録要求端末のAOR−IDが特定される。特定されたAOR−IDが登録リストに記憶される。受信した登録要求信号(REGISTER)から特定された登録要求端末のSIPアドレスの先頭に「sip:」が付加される。SIPアドレスのドメイン名部分がIPアドレスに変換される。これによって得られたContact−URIが、登録リストに記憶される。登録要求信号(REGISTER)に含まれているCall−IDが登録リストに記憶される。登録要求端末が通話中でないことを示すために、通話中フラグとして「FALSE」が記憶される。AORリストにおいて登録要求端末に対応付けられている保持期間が、登録リストの保持期間として記憶される。登録要求信号(REGISTER)を受信した日時(登録日時)が取得され、登録日時として記憶される。そしてS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。そしてS11に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0062】
以上のように、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10の其々から登録要求信号(REGISTER)を受信した場合、いずれの通話端末10も登録リストに登録する。これによって、同一のSIPアドレスが割り当てられた他の通話端末10が自身の代わりに登録リストに登録され、自身が登録リストから抹消されてしまって通話不可能となってしまう不具合を防止できる。またユーザは、複数の通話端末10を同時に使用して通話を行うことが可能となる。
【0063】
図7を参照し、登録リスト更新処理について説明する。登録リスト更新処理では、登録リストに記憶される登録情報の保持期間を監視する処理が一定周期で行われる。登録日時から現在日時迄の経過時間が保持期間を超えた場合に、対応する登録情報を登録リストから削除する。登録リスト更新処理は、CPU21により所定の周期(例えば1s周期)で起動され実行される。
【0064】
図7に示すように、登録リスト更新処理では、はじめに登録リストのうち一通話端末の登録情報が選択される(S21)。選択された登録情報のうち、保持期間と登録日時とが参照される。現在日時から登録日時を差し引いた時間、即ち、登録要求端末から登録要求信号(REGISTER)を最後に受信してから現在までの経過時間が算出される。算出された経過時間が保持期間を超えているかが判断される(S23)。経過時間が保持期間を超えている場合(S23:YES)、登録情報が登録リストから削除される(S25)。そしてS27に移行される。経過時間が保持期間を超えていない場合(S23:NO)、登録情報は削除せず、S27に移行される。
【0065】
S27では、登録リストの全ての登録情報について、上述の処理が実行されたかが判断される(S27)。上述の処理が実行されていない登録情報が残存する場合(S27:YES)、S21に戻り、残りの登録情報に対して上述の処理が繰り返し実行される。全ての登録情報に対して上述の処理が実行された場合(S27:NO)、登録リスト更新処理は終了される。
【0066】
図8及び図9を参照し、通話制御処理について説明する。通話制御処理では、SIPに基づき、登録リストに登録されている通話端末10間の通話を実行させる。通話制御処理は、通信制御装置2の電源が投入された場合において、CPU21により起動され実行される。
【0067】
図8に示すように通話制御処理では、通話開始を望む通話端末10(以下「発呼側端末」という。)から送信される呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される(S30)。呼び出し要求(INVITE)を受信していない場合(S30:NO)、S30に戻り、継続して呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される。
【0068】
呼び出し要求(INVITE)を受信した場合(S30:YES)、呼び出し要求(INVITE)を送信した発呼側端末、及び、通話相手先の通話端末10(以下「着呼側端末」という。)の登録情報が登録リストに記憶されているかが判断される(S31)。具体的には、呼び出し要求(INVITE)に含まれている発呼側端末のSIP URIと着呼側端末のSIP URIが参照される。そして其々のSIP URIが、登録リストにSIP URIとして記憶されているかが判断される。発呼側端末のSIP URI及び着呼側端末のSIP URIのうち少なくともいずれかが登録リストに記憶されていない場合(S31:NO)、通話を開始させることなくS30に戻り、上述の処理が継続して実行される。
【0069】
発呼側端末のSIP URIと着呼側端末のSIP URIとの両方が登録リストに記憶されている場合(S31:YES)、着呼側端末のSIP URIに対応付けられている通話中フラグが参照される。なお、着呼側端末のSIP URIが登録リストに複数記憶されている場合、このSIP URIにて特定されるSIPアドレスが割り当てられた複数の着呼側端末が登録リストに登録されているということになる。この場合、登録されている着呼側端末に対応付けられた通話中フラグの全てが参照される(S32)。
【0070】
通話中フラグに「TRUE」が記憶されている場合(S33:YES)、着呼側端末のうち少なくとも一つが通話中であるので、発呼側端末と着呼側端末との通信を開始させない。この場合、着呼側端末との通話ができない旨を通知するための信号(以下「通話中通知信号」という。)が、発呼側端末に対して送信される(S34)。そしてS30に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0071】
一方、通話中フラグに「FALSE」が記憶されている場合(S33:NO)、着呼側端末は通話中でない。そこで、発呼側端末と着呼側端末との間の通話を開始させるために、着呼側端末のSIP URI宛てに、受信した呼び出し要求(INVITE)が転送される(S35)。ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されている場合、すべての着呼側端末に対して、受信した呼び出し要求(INVITE)が転送されなければならない。そこで、呼び出し要求(INVITE)を転送していない着呼側端末が残存する場合(S37:NO)、S35に戻り、残りの着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する処理が繰り返し実行される。着呼側端末のすべてに対して、呼び出し要求(INVITE)が転送された場合(S37:YES)、S39に移行される。
【0072】
S39では、呼び出し要求(INVITE)が着呼側端末に転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が受信される。受信された呼び出し中(Ringing)は、発呼側端末に対して転送される(S39)。
【0073】
図9に示すように、発呼側端末に対して呼び出し中(Ringing)が転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)の受信が監視される(S41)。呼び出し成功(200 OK)を受信していない状態では(S41:NO)、着呼側端末において通話拒否されたことを通知する拒否通知(486 BUSY HERE)を受信したかが判断される(S67)。拒否通知(486 BUSY HERE)を受信した場合(S67:YES)、受信した拒否通知(486 BUSY HERE)が発呼側端末に対して転送される(S69)。そしてS30(図8参照)に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。拒否通知(486 BUSY HERE)を受信していない状態では(S67:NO)、S41に戻り、着呼側端末から送信される呼び出し信号(200 OK)の受信が継続して監視される。
【0074】
一方、着信側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)を受信した場合(S41:YES)、受信した呼び出し成功(200 OK)が発呼側端末に対して転送される(S43)。次いで、発呼側端末から送信される確認応答(ACK)が受信され、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末に対して、受信した確認応答(ACK)が転送される(S45)。次いで、登録リストの内、発呼側端末、及び、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末の其々に対応する通話中フラグに「TRUE」が記憶される(S47)。
【0075】
ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されていた場合(S49:YES)、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末以外の着呼側端末に対して、発呼側端末からの呼び出し要求(INVITE)がキャンセルされたことを通知しなければならない。そこで、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末以外の着呼側端末に対して、終了通知(BYE)が送信される(S51)。次いで、終了通知(BYE)を受信した着呼側端末から返信される確認応答(ACK)が受信される(S53)。そしてS55に移行される。
【0076】
一方、登録リストに登録されている着呼側端末が一つである場合(S49:NO)、終了通知(BYE)の送信処理を行うことなくS55に移行される。
【0077】
これによって、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が可能な状態となるので、RTP(Real-time Transport protocol)に基づき、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が実行される(S99(図10参照)、S129(図11参照)、後述)。
【0078】
発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末(以下これらを「通話中端末」という。)との間で通話が実行されている最中において、通話中端末のうちいずれかより送信される終了通知(BYE)を受信したかが監視される(S55)。通話中端末のうちいずれかから送信される終了通知(BYE)を受信した場合(S55:YES)、受信した終了通知(BYE)が、終了通知(BYE)を送信していない側の通話中端末に対して転送される(S61)。そしてS63に移行される。
【0079】
通話中端末のいずれからも終了通知(BYE)を受信していない状態では(S55:NO)、登録リスト記憶領域282に記憶されている登録リストの情報が参照される。そして、通話中端末の登録情報が登録リストに登録されている状態であるかが判断される(S57)。通話中端末のうち少なくとも一方の登録情報が登録リストから削除された場合(S57:NO)、通話中端末に対して終了通知(BYE)が送信される。これによって通話を終了させる(S59)。そしてS63に移行される。通話中端末が登録リストに登録されている場合(S57:YES)、S55に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0080】
S63では、通話中端末に対して送信された終了通知(BYE)(S59、S61)に応じて返信される確認応答(ACK)が受信される。受信された確認応答(ACK)は、確認応答(ACK)を送信していない側の通話中端末に対して転送される(S63)。次いで、登録リスト記憶領域282に記憶されている登録リストの内、通話中端末に対応する通話中フラグに「FALSE」が記憶される(S65)。そしてS30に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0081】
以上のように、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10が同時に登録リストに登録されている状態で、このSIPアドレス宛ての呼び出し要求(INVITE)を受信した場合には、登録リストに登録されている着呼側端末すべてに対して呼び出し要求(INVITE)を転送する。これによって通話端末10のユーザは、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10にて着呼し、通話を実行することが可能となる。
【0082】
また、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10が同時に登録リストに登録されている状態で、これらの通話端末10から呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、通話先の通話端末10に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する。これによって通話端末10のユーザは、複数の通話端末10から発呼し、通話を実行することが可能となる。
【0083】
また、発呼側端末から呼び出し要求(INVITE)が送信された場合であって、登録リストに登録されている複数の着呼側端末のうち少なくとも一つが通話中の場合、通話中通知信号が発呼側端末に対して返信される。これによって、通話中通知信号を受信した通話端末10は、着呼側端末が通話中であるために通話ができないことを認識することが可能となる。
【0084】
通話端末10のCPU41にて実行される処理(登録要求送信処理、発呼処理、着呼処理)の詳細について説明する。なおこれらの処理には、予め所定の優先順位が設定される。いずれかの処理が実行状態であって、優先順位がより高い他の処理が起動タイミングとなった場合、実行状態の処理は一旦中断される。そして優先順位がより高い他の処理が代わりに実行される。優先順位がより高い他の処理が実行終了した後、中断された処理が、中断時点から処理を再開する。優先順位は、例えば「発呼処理:1」「着呼処理:2」「登録要求送信処理:3」のように設定される。但し他の設定であってもよい。各処理の起動タイミングについては、下記にて説明する。
【0085】
はじめに、登録要求送信処理について説明する。登録要求送信処理では、通信制御装置2に対して登録要求信号(REGISTER)が一定周期(例えば10s)で送信される。これによって、通信制御装置2の登録リストに自身を登録させる。登録要求送信処理は、通話端末10の電源が投入された場合に、CPU41により一定周期で起動され実行される。登録要求処理が起動されると、登録要求信号(REGISTER)が通信制御装置2に対して送信される。
【0086】
図10を参照し、発呼処理について説明する。発呼処理では、自身が発呼することによって他の通話端末10と通話を開始させ、通話を実行させるための処理が実行される。発呼処理は、着呼側端末との通話を開始させるための操作がキーボード51を介してユーザによってなされた場合に、CPU41によって起動され実行される。
【0087】
図10に示すように、はじめに、着呼側端末を指定した呼び出し要求(INVITE)が、通信制御装置2を介し着呼側端末に対して送信される(S91)。送信された呼び出し要求(INVITE)に対し、通信制御装置2から通話中通知を受信したかが判断される(S92)。通話中通知を受信した場合(S92:YES)、同一のSIPアドレスが割り当てられた他の通話端末10が通話中であり、通話が不可能な状態である。そこで、通話が不可能である旨をディスプレイ49に表示させ、ユーザに通知する(S94)。そして発呼処理は終了される。通話中通知を受信しなかった場合(S92:NO)、送信された呼び出し要求(INVITE)に応じ、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が、通信制御装置2を介して受信される(S93)。
【0088】
呼び出し中(Ringing)を受信した後、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S95)。呼び出し成功(200 OK)を受信していない状態では(S95:NO)、キーボード51を介して通話を終了させるための入力操作がなされたかが監視される(S111)。通話を終了させるための入力操作がなされた場合(S111:YES)、通信制御装置2を介し、着呼側端末に対して終了通知(BYE)が送信される(S113)。次いで、着呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S115)。そして発呼処理は終了される。
【0089】
通話を終了させるための入力操作がなされない状態では(S111:NO)、着信側端末から送信される拒否通知(486 BUSY HERE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S117)。拒否通知(486 BUSY HERE)を受信した場合(S117:YES)、通信制御装置2を介し、着信側端末に対して確認応答(ACK)を送信する(S119)。そして発呼処理は終了される。一方、拒否通知(486 BUSY HERE)を受信していない場合(S117:NO)、S95に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0090】
一方、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)を、通信制御装置2を介して受信した場合(S95:YES)、通信制御装置2を介し、着呼側端末に対して応答確認(ACK)が送信される(S97)。これによって、着呼側端末との間で通話が可能となるので、RTPに基づき、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が実行される(S99)。
【0091】
着呼側端末との間で通話が行われている間、キーボード51を介して通話を終了させるための入力操作がなされたかが監視される(S101)。入力操作がなされていない状態では(S101:NO)、着呼側端末から送信される終了通知(BYE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S107)。終了通知(BYE)を受信した場合(S107:YES)、通信制御装置2を介し、確認応答(ACK)が着呼側端末に対して送信される(S109)。そして発呼処理は終了される。一方、終了通知(BYE)を受信していない場合(S107:NO)、S101に戻り、キーボード51を介した入力操作、及び、着呼側端末からの終了通知(BYE)の受信の監視が継続して実行される。
【0092】
一方、通話を終了させる為の入力操作がなされた場合には(S101:YES)、通信制御装置2を介し、着呼側端末に対して終了通知(BYE)が送信される(S103)。次いで、着呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S105)。そして発呼側処理は終了される。
【0093】
図11を参照し、着呼処理について説明する。着呼処理では、発呼側端末から通話開始の要求があった場合に、発呼側端末との通話を開始させ、通話を実行させるための処理が実行される。着呼処理は、発呼側端末から送信される呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、着呼側端末のCPU41によって起動され実行される。
【0094】
図11に示すように、呼び出し要求(INVITE)を受信して着呼処理が起動されると、はじめに、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して呼び出し中(Ringing)が送信される(S121)。次いで、ユーザに対して着信を通知する処理(着信音声出力、着信通知画面表示等)が実行される。そして、着信する為の入力操作がユーザによりキーボード51を介してなされたかが監視される(S123)。
【0095】
着信する為の入力操作がなされない状態では(S123:NO)、通話を拒否するための入力操作がユーザによりキーボード51を介してなされたかが監視される(S141)。通話を拒否するための入力操作がなされた場合(S141:YES)、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して拒否通知(486 BUSY HERE)が送信される(S143)。次いで、着呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S145)。そして発呼処理は終了される。一方、通話を拒否するための入力操作がなされない状態では(S141:NO)、発信側端末から送信される終了通知(BYE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S147)。終了通知(BYE)を受信した場合(S147:YES)、通信制御装置2を介し、着信側端末に対して確認応答(ACK)が送信される(S149)。そして発呼処理は終了される。一方、終了通知(BYE)を受信していない場合(S147:NO)、S123に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0096】
一方、着信する為の入力操作が、ユーザによってキーボード51を介してなされた場合(S123:YES)、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して呼び出し成功(200 OK)が送信される(S125)。次いで、発呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S127)。これによって、発呼側端末との間で通話が可能となるので、RTPに基づき、発呼側端末との間で通話が実行される(S129)。
【0097】
発呼側端末との間で通話が行われている間、キーボード51を介し、ユーザによって通話を終了させるための入力操作がなされたかが監視される(S131)。操作入力がなされていない状態では(S131:NO)、発呼側端末から送信される終了通知(BYE)を、通信制御装置2を介して受信したかが監視される(S137)。終了通知(BYE)を受信した場合(S137:YES)、通信制御装置2を介し、確認応答(ACK)が発呼側端末に対して送信される(S139)。そして着呼処理は終了される。一方、終了通知(BYE)を受信していない場合(S137:NO)、S131に戻り、ユーザによる入力操作、及び、通信制御装置2を介した発呼側端末からの終了通知(BYE)の受信の監視が継続して実行される。
【0098】
一方、キーボード51を介して通話を終了させる為の入力操作がなされた場合には(S131:YES)、通信制御装置2を介し、発呼側端末に対して終了通知(BYE)が送信される(S133)。次いで、発呼側端末から送信される確認応答(ACK)が、通信制御装置2を介して受信される(S135)。そして発呼側処理は終了される。
【0099】
以上説明したように、通信制御装置2は、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10のうち少なくともいずれかから登録要求信号(REGISTER)を受信した場合、この通話端末10を登録リストに登録する。登録リストに同一のSIPアドレスが割り当てられた他の通話端末10が登録されているか否かに関わらず、受信した登録要求信号(REGISTER)の送信元の通話端末10を登録リストに登録する。これによってユーザは、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10を使用して通話を行うことが可能となる。
【0100】
なお、図2のHDD28の登録リスト記憶領域282が本発明の「第一記憶手段」に相当する。図6のS11を行うCPU21が本発明の「第一受信制御手段」に相当する。S20の処理を行うCPU21が本発明の「第一登録制御手段」「第二登録制御手段」に相当する。図8のS30の処理を行うCPU21が本発明の「第二受信制御手段」「第三受信制御手段」に相当し、受信される呼び出し要求(INVITE)が本発明の「通話要求信号」がに相当し、S35、S37の処理を行うCPU21が本発明の「第一送信制御手段」に相当し、S35の処理を行うCPU21が本発明の「第二送信制御手段」に相当する。図8のS33の処理を行うCPU21が本発明の「通話中特定手段」に相当し、S34の処理を行うCPU21が本発明の「第三送信制御手段」に相当する。
【0101】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述の実施の形態では、着呼側端末が複数登録リストに登録されている状態で、発呼側端末から呼び出し要求(INVITE)を受信した際、着呼側端末のうちいずれかが通話中である場合には、受信した呼び出し要求(INVITE)を転送しない制御を行っていた。しかしながら本発明はこの制御方法に限定されない。従って例えば、発呼側端末が複数登録リストに登録されている状態で、発呼側端末のうちいずれかから呼び出し要求(INVITE)を受信した際、発呼側端末のうちいずれかが通話中である場合には、受信した呼び出し要求(INVITE)を転送しない制御を行ってもよい。
【0102】
上述の実施の形態では、登録リストに登録されている着呼側端末が通話中でない場合、すべての着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送していた。しかしながら本発明はこの転送方法に限定されない。従って例えば、登録されている複数の着呼側端末の内、予め設定された特定の通話端末10(以下「指定通話端末」という。)に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する方法としてもよい。以下、本発明の変形例について説明する。
<第一の変形例>
【0103】
以下、本発明の第一の変形例について、図12及び図13を参照して説明する。なお、通話システム1の構成、通信制御装置2及び通話端末10の電気的構成、通信制御装置2及び通話端末10にて実行される各種処理のうち通話制御処理の一部を除く処理については、上述の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、上述した通話制御処理と以下に述べる変形例における通話制御処理との共通処理部分については、説明を省略し又は簡略する。
【0104】
はじめに、通信制御装置2に対してユーザが指定通話端末を入力設定する場合において、ディスプレイ25に表示される着信先設定画面について説明する。図12は、着信先設定画面の一例を示している。図12に示すように、着信先設定画面には、複数の通話端末10のうちいずれかを選択する為のチェックボックス、チェックボックスによって選択された内容を確定させるための「OK」ボタン、チェックボックスによって選択された内容をキャンセルして着信先設定を終了させるための「キャンセル」ボタンが設けられている。図12に示す例では、選択可能な通話端末10として「会社(192.0.2.11)」「家(192.0.2.12)」がそれぞれ表示され、これらのうちいずれかを選択可能なチェックボックスが表示されている。()内には、通話端末10に割り当てられているIPアドレスが表示される。チェックボックスが選択されて「OK」ボタンが押下された場合、選択された情報はHDD28の設定情報記憶領域283に指定通話端末の情報として記憶される。
【0105】
例えばこれらの情報は、図1におけるユーザ5の所有する携帯通話端末12及びPC13に対応する。「家(192.0.2.12)」が携帯通話端末12に相当し、「会社(192.0.2.11)」がPC13に相当する。例えばユーザ5は、会社に居る場合は「会社(192.0.2.11)」を選択入力する。これによって、PC13が指定通話端末としてHDD283の設定情報記憶領域283に記憶される。家に居る場合は「家(192.0.2.12)」を選択入力する。これによって、携帯通話端末12が指定通話端末としてHDD28の設定情報記憶領域283に記憶される。このように指定通話端末を設定することによって、同じSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10のうち何れの通話端末10を使用して通話を行うかを特定することができる。
【0106】
図13を参照し、第一の変形例における通話制御処理について説明する。図13に示すように、通話制御処理では、通話開始を望む発呼側端末から送信される呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される(S30)。呼び出し要求(INVITE)を受信していない場合(S30:NO)、S30に戻り、継続して呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される。呼び出し要求(INVITE)を受信した場合(S30:YES)、発呼側端末及び着呼側端末の登録情報が登録リストに記憶されているかが判断される(S31)。登録リストに記憶されていない場合(S31:NO)、通話を開始させることなくS30に戻り、上述の処理が継続して実行される。
【0107】
発呼側端末及び着呼側端末が登録リストに登録されている場合(S31:YES)、HDD28の設定情報記憶領域283に記憶されている指定通話端末と同一の通話端末が、登録リストに着呼側端末として登録されているかが判断される(S201)。指定通話端末と同一の通話端末が着呼側端末として登録されている場合(S201:YES)、呼び出し要求(INVITE)は指定通話端末に対して転送される(S203)。そしてS39に移行される。
【0108】
一方、指定通話端末が着呼側端末として登録リストに登録されていない場合(S201:NO)、登録リストに登録されている着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)が転送される(S35)。ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されている場合、着呼側端末のすべてに対して呼び出し要求(INVITE)が転送される。呼び出し要求(INVITE)を転送していない着呼側端末が残存する場合(S37:NO)、S35に戻り、転送していない着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する処理が繰り返し実行される。着呼側端末のすべてに対して、呼び出し要求(INVITE)が転送された場合(S37:YES)、S39に移行される。
【0109】
S39では、呼び出し要求(INVITE)が着呼側端末に転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が受信される。受信された呼び出し中(Ringing)は、発呼側端末に対して転送される(S39)。
【0110】
そして図9に示すように、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)が受信される(S41:YES)。発呼側端末に対して呼び出し成功(200 OK)が転送される(S45)。これによって、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が可能な状態となり、通話が実行される。
【0111】
以上説明したように、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10が登録リストに登録されている場合に、指定通話端末を設定することによって、複数の通話端末10のうち指定通話端末を特定して通話を実行させることが可能となる。これによってユーザは、同一のSIPアドレスが割り当てられた複数の通話端末10を所有する場合に、状況に応じて所望の通話端末10を選択して着呼させ、通話を開始させることが可能となる。
【0112】
なお、本発明は上述の例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述では、着呼側端末が登録リストに複数登録された場合であって、いずれかの通話端末10が通話中である場合には、通信制御装置2は、着呼側端末に呼び出し要求(INVITE)を転送しなかった。しかしながら本発明はこの方法に限定されない。従って、通話を許可する通話端末の数を限定する構成としてもよい。以下、本発明の変形例について説明する。
<第二の変形例>
【0113】
以下、本発明の第二の変形例について、図14を参照して説明する。なお、通話システム1の構成、通信制御装置2及び通話端末10の電気的構成、通信制御装置2及び通話端末10にて実行される各種処理のうち通話制御処理の一部を除く処理については、上述の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、上述した通話制御処理と以下に述べる変形例における通話制御処理との共通処理部分については、説明を省略し又は簡略する。
【0114】
図14を参照し、第二の変形例における通話制御処理について説明する。図14に示すように、通話制御処理では、通話開始を望む発呼側端末から送信される呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される(S30)。呼び出し要求(INVITE)を受信していない場合(S30:NO)、S30に戻り、継続して呼び出し要求(INVITE)の受信が監視される。呼び出し要求(INVITE)を受信した場合(S30:YES)、発呼側端末及び着呼側端末の登録情報が登録リストに登録されているかが判断される(S31)。登録リストに記憶されていない場合(S31:NO)、通話を開始させることなくS30に戻り、上述の処理が継続して実行される。
【0115】
発呼側端末及び着呼側端末が登録リストに登録されている場合(S31:YES)、登録リストに登録されている着呼側端末のうち、通話中の通話端末10の数が通話中数として取得される(S211)。具体的には、登録リストの内、着呼側端末に対応する通話中フラグに「TRUE」が記憶されている場合の数が累計され、通話中数とされる。
【0116】
次いで、HDD28の設定情報記憶領域283に記憶される情報であって、同時に通話可能な通話端末10の数の情報である通話可能数が取得される。そして、S211にて取得された通話中数と、設定情報記憶領域283に記憶された通話可能数とが比較される(S213)。通話中数が通話可能数以上である場合(S213:YES)、受信した呼び出し要求(INVITE)を転送することなくS30に戻り、上述の処理が繰り返し実行される。
【0117】
一方、通話中数が通話可能数未満である場合(S213:NO)、登録リストに登録されている着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)が転送される(S35)。ここで、着呼側端末が複数登録リストに登録されている場合、着呼側端末のすべてに対して呼び出し要求(INVITE)が転送される。呼び出し要求(INVITE)を転送していない着呼側端末が残存する場合(S37:NO)、S35に戻り、残りの着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送する処理が繰り返し実行される。着呼側端末のすべてに対して呼び出し要求(INVITE)が転送された場合(S37:YES)、S39に移行される。
【0118】
S39では、呼び出し要求(INVITE)が着呼側端末に転送された後、着呼側端末から送信される呼び出し中(Ringing)が受信される。受信された呼び出し中(Ringing)は、発呼側端末に対して転送される(S39)。
【0119】
そして図9に示すように、着呼側端末から送信される呼び出し成功(200 OK)が受信される(S41:YES)。発呼側端末に対して呼び出し成功(200 OK)が転送される(S45)。これによって、発呼側端末と、呼び出し成功(200 OK)を送信した着呼側端末との間で通話が可能な状態となり、通話が実行される。
【0120】
以上説明したように、通話中の通話端末10の数(通話中数)が通話可能数以上となっている場合、呼び出し(INVITE)を転送する処理を行わない。これによって、同時に通話可能な通話端末10の数を制限することが可能となるので、通話端末10のユーザに対して多彩な通話サービスを提供することが可能となる。
【0121】
なお、本発明は上述の例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、登録リストに発呼側端末が複数登録されている場合であって、発呼側端末のうちいずれかから呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、通話中の発呼側端末が他に存在する場合には、呼び出し要求(INVITE)を着呼側端末に転送しない構成としてもよい。
【0122】
また、登録リストに発呼側端末が複数登録されている場合であって、発呼側端末のうちいずれかから呼び出し要求(INVITE)を受信した場合に、通話中の発呼側端末の数を通話中数として算出する。そして算出した通話中数が、HDD28の設定情報記憶領域283に記憶されている通話可能数未満である場合に、着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送し、通話中数が通話可能数以上である場合には、着呼側端末に対して呼び出し要求(INVITE)を転送しない通信制御を行ってもよい。
【0123】
なお、図2のうち着信先通話端末が記憶されるHDD28の設定情報記憶領域283が本発明の「第二記憶手段」に相当し、通話可能数が記憶されるHDD28の設定情報記憶領域283が本発明の「第三記憶手段」に相当する。図14のS211の処理を行うCPU21が本発明の「通話中数特定手段」に相当する。
【符号の説明】
【0124】
1 通話システム
2 通信制御装置
10 通話端末
21 CPU
28 HDD
282 登録リスト記憶領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御装置であって、
前記通話端末が登録される登録リストであって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うための前記登録リストが記憶される第一記憶手段と、
前記通話端末を識別するために前記通話端末に割り当てられる情報である識別情報が同一の通話端末が複数存在する場合において、複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御手段と、
前記第一受信制御手段にて前記複数の通話端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されていない場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御手段と、
前記第一受信制御手段にて前記複数の通信端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御手段と、
を備えた通信制御装置。
【請求項2】
前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末の識別情報とは異なる前記識別情報が割り当てられた通話端末である第二通話端末から、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛てに送信される信号であって、前記第一通話端末のうちいずれかとの通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第二受信制御手段と、
前記第二受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信する第一送信制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
特定の前記通話端末を記憶する第二記憶手段を備え、
前記第一送信制御手段は、
前記第二受信制御手段にて前記第二通話端末より前記通話要求信号を受信した場合に、前記登録リストに記憶されている第一通話端末のうち、前記第二記憶手段に記憶された前記特定の通話端末に対して、受信した前記通話要求信号を送信することを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記複数の第一通話端末とは異なる他の前記通話端末との通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第三受信制御手段と、
前記第三受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信する第二送信制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項5】
通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、
通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段と
を備え、
前記第一送信制御手段は、
前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項6】
通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、
通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段と
を備え、
前記第二送信制御手段は、
前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項4に記載の通信制御装置。
【請求項7】
通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、
前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第二受信制御手段にて、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛ての前記通話要求信号を前記第二通話端末から受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記第二通話端末に対して送信する第三送信制御手段と
を備え、
前記第一送信制御手段は、
前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求通知を前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項8】
通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、
前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第三受信制御手段にて、前記第一通話端末のうち前記通話中の通話端末を除く第一通話端末のうち少なくともいずれかから前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記通話要求信号を送信した前記第一通話端末に対して送信する第四送信制御手段と
を備え、
前記第二送信制御手段は、
前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項4に記載の通信制御装置。
【請求項9】
通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御方法であって、
前記通話端末に割り当てられる情報であって前記通話端末を識別するための情報である識別情報が同一である複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うために第一記憶手段に記憶された登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御ステップと、
前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が前記登録リストに登録されてない場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御ステップと、
前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が既に前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御ステップと、
を備えた通信制御方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の通信制御装置の各処理手段としてコンピュータを機能させるための通信制御プログラム。
【請求項1】
通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御装置であって、
前記通話端末が登録される登録リストであって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うための前記登録リストが記憶される第一記憶手段と、
前記通話端末を識別するために前記通話端末に割り当てられる情報である識別情報が同一の通話端末が複数存在する場合において、複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御手段と、
前記第一受信制御手段にて前記複数の通話端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されていない場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御手段と、
前記第一受信制御手段にて前記複数の通信端末のうちいずれかが送信した前記登録要求信号を受信した場合であって、前記複数の通話端末のうち前記登録要求信号を送信した通話端末とは異なる通話端末が、前記第一記憶手段に記憶された前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御手段と、
を備えた通信制御装置。
【請求項2】
前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末の識別情報とは異なる前記識別情報が割り当てられた通話端末である第二通話端末から、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛てに送信される信号であって、前記第一通話端末のうちいずれかとの通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第二受信制御手段と、
前記第二受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信する第一送信制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
特定の前記通話端末を記憶する第二記憶手段を備え、
前記第一送信制御手段は、
前記第二受信制御手段にて前記第二通話端末より前記通話要求信号を受信した場合に、前記登録リストに記憶されている第一通話端末のうち、前記第二記憶手段に記憶された前記特定の通話端末に対して、受信した前記通話要求信号を送信することを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記登録リストに登録されている通話端末であって前記識別情報が同一の通話端末である第一通話端末が複数存在する場合において、前記第一通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、前記複数の第一通話端末とは異なる他の前記通話端末との通話を要求する信号である通話要求信号を受信する第三受信制御手段と、
前記第三受信制御手段にて前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信する第二送信制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項5】
通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、
通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段と
を備え、
前記第一送信制御手段は、
前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を複数の前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項6】
通話が可能な前記通話端末の数である通話可能数を記憶する第三記憶手段と、
通話中の前記第一通話端末の数である通話中数を特定する通話中数特定手段と
を備え、
前記第二送信制御手段は、
前記通話中数特定手段にて特定される前記通話中数が、前記第三記憶手段に記憶された前記通話可能数以上である場合、前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項4に記載の通信制御装置。
【請求項7】
通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、
前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第二受信制御手段にて、前記第一通話端末に割り当てられた前記識別情報宛ての前記通話要求信号を前記第二通話端末から受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記第二通話端末に対して送信する第三送信制御手段と
を備え、
前記第一送信制御手段は、
前記第二受信制御手段にて受信した前記通話要求通知を前記第一通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項8】
通話中の前記第一通話端末が存在するか否かを特定する通話中特定手段と、
前記通話中特定手段にて前記通話中の第一通話端末が存在すると特定された状態で、前記第三受信制御手段にて、前記第一通話端末のうち前記通話中の通話端末を除く第一通話端末のうち少なくともいずれかから前記通話要求信号を受信した場合に、前記通話中の第一通話端末が存在しており通話ができない旨を通知する信号である通話中通知信号を、前記通話要求信号を送信した前記第一通話端末に対して送信する第四送信制御手段と
を備え、
前記第二送信制御手段は、
前記第三受信制御手段にて受信した前記通話要求信号を前記他の通話端末に対して送信しないことを特徴とする請求項4に記載の通信制御装置。
【請求項9】
通話端末間の通話のための通信を制御する通信制御方法であって、
前記通話端末に割り当てられる情報であって前記通話端末を識別するための情報である識別情報が同一である複数の前記通話端末のうち少なくともいずれかから送信される信号であって、登録されている前記通話端末から通話を要求する信号である通話要求信号を受信した場合に通話を実行させ、登録されていない前記通話端末から前記通話要求信号を受信した場合には通話を実行させない通話制御を行うために第一記憶手段に記憶された登録リストへの登録を要求する信号である登録要求信号を受信する第一受信制御ステップと、
前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が前記登録リストに登録されてない場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第一登録制御ステップと、
前記第一受信制御手段において前記登録要求信号を受信した場合であって、前記登録要求信号を送信した前記通話端末の前記識別情報と同一の前記識別情報が割り当てられている他の前記通話端末が既に前記登録リストに登録されている場合に、前記登録要求信号を送信した前記通話端末を前記登録リストに登録する第二登録制御ステップと、
を備えた通信制御方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の通信制御装置の各処理手段としてコンピュータを機能させるための通信制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−200117(P2010−200117A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44040(P2009−44040)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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