説明

通信制御装置及び画像処理装置

【課題】受信したデータに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を縮小する。
【解決手段】画像処理装置のNICのパケット検出部32において、物理アドレスリスト記憶部50が、個々の画像処理装置に割り当てられた物理アドレスのうち検出対象の物理アドレスのリストを記憶し、IPアドレスリスト記憶部52が、個々の画像処理装置の個々の機能に割り当てられたIPアドレスのうち検出対象のIPアドレスのリストを記憶する。そして、物理アドレス比較部51が、入力されたパケットで宛先として指定された物理アドレスが物理アドレスのリストに含まれているか判断し、含まれていれば、IPアドレス比較部53が、パケットで宛先として指定されたIPアドレスがIPアドレスのリストに含まれているか判断し、含まれていれば、主制御部を復帰させてパケットを主制御部に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単一の端末に複数のIPアドレスを割り当てる技術は知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、機器に設定してある機能数を取得し、全ての機能数のIPアドレスを生成したか判断し、全ての機能数のIPアドレスを生成していない場合には、IPアドレスを自動生成し、自動生成したIPアドレスが使用できるかステートレス機能を使って確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−174106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般に、機器の機能を用いた処理を指示するデータを受信した場合、受信したデータには、その機器に割り当てられた物理アドレス及びIPアドレスや、その機能に割り当てられたポート番号が指定されているが、これらの全てを参照して、受信したデータに基づく処理を行うべきかどうかを判定しようとすると、そのためのハードウェアの規模が大きくなってしまう。
本発明の目的は、受信したデータに基づく処理を行うべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を縮小することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、個々の機器に割り当てられた物理アドレスと、個々の機器の個々の機能に割り当てられたIPアドレスとを宛先として指定したデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記データにて指定された物理アドレス及びIPアドレスを参照することにより、自装置が接続された機器に当該データを出力すべきかどうかを判定する判定手段と、自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該データを当該機器に出力する出力手段とを備えたことを特徴とする通信制御装置である。
請求項2に記載の発明は、前記受信手段は、個々の機能を使用するためのプロトコルの種別と、個々の機能に割り当てられたポート番号とを更に指定した前記データを受信し、前記判定手段は、前記受信手段により受信した前記データにて指定されたプロトコルの種別及びポート番号を参照することなく、自装置が接続された機器に当該データを出力すべきかどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の通信制御装置である。
請求項3に記載の発明は、自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該機器に電力が供給されていなければ、当該機器に電力が供給されるように当該機器の電力供給手段に指示する指示手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の通信制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記受信手段により受信した前記データにて指定されたIPアドレスを参照することにより、機器の電力を供給すべき部分を特定する特定手段と、自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該機器の前記特定手段によって特定された前記部分に電力が供給されていなければ、当該部分に電力が供給されるように当該機器の電力供給手段に指示する指示手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の通信制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記受信手段により受信した前記データにて指定されたIPアドレスを参照することにより、機器の制御手段以外の電力を供給すべき部分を特定する特定手段と、自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該機器に電力が供給されていなければ、当該機器の前記制御手段に電力が供給されるように当該機器の電力供給手段に指示し、かつ、当該機器の前記特定手段によって特定された前記部分に電力が供給されるように当該機器の前記制御手段に指示する指示手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の通信制御装置である。
請求項6に記載の発明は、個々の画像処理装置に割り当てられた物理アドレスと、個々の画像処理装置の個々の機能に割り当てられたIPアドレスとを宛先として指定したデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記データにて指定された物理アドレス及びIPアドレスを参照することにより、自装置にて当該データに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定する判定手段と、自装置にて前記データに基づく画像処理を行うべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該データに基づいて画像処理が行われるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記受信手段は、個々の機能を使用するためのプロトコルの種別と、個々の機能に割り当てられたポート番号とを更に指定した前記データを受信し、前記判定手段は、前記受信手段により受信した前記データにて指定されたプロトコルの種別及びポート番号を参照することなく、自装置にて当該データに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、自装置にて前記データに基づく画像処理を行うべきと前記判定手段によって判定された場合に、前記制御手段に電力が供給されていなければ当該制御手段に電力を供給する電力供給手段を更に備えたことを特徴とする請求項6記載の画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記受信手段により受信した前記データに基づいて画像処理を行う画像処理手段と、前記受信手段により受信した前記データにて指定されたIPアドレスを参照することにより、前記画像処理手段の電力を供給すべき部分を特定する特定手段とを更に備え、前記制御手段は、自装置にて前記データに基づく画像処理を行うべきと前記判定手段によって判定された場合に、前記特定手段によって特定された前記部分に電力が供給されていなければ、当該部分に電力が供給されるように前記電力供給手段を制御することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、受信したデータを自装置が接続された機器に出力すべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を縮小することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、受信したデータを自装置が接続された機器に出力すべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を更に縮小することができる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、データの受信に応じて自装置が接続された機器に電力を供給すべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を縮小することができる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、データを受信してから機器の電力を供給すべき部分に電力が供給されるまでの時間を短縮することができる。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、データを受信してから機器の制御手段以外の電力を供給すべき部分に電力が供給されるまでの時間を短縮することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、受信したデータに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を縮小することができる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、受信したデータに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を更に縮小することができる。
請求項8の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、データの受信に応じて制御手段に電力を供給すべきかどうかを判定するためのハードウェアの規模を縮小することができる。
請求項9の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、データを受信してから画像処理手段の電力を供給すべき部分に電力が供給されるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態における画像処理システムの全体構成例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態における画像処理装置内のNIC(Network Interface Controller)及び主制御部の機能構成例を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施例における機能に対するIPアドレスの割り当ての例を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施例の構成の従来の構成に対する違いを説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施例におけるNIC内のパケット検出部の機能構成例を示した図である。
【図6】本発明の第1の実施例におけるNIC内のパケット検出部の動作例を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例における機能に対するIPアドレスの割り当ての例を示した図である。
【図8】本発明の第2の実施例の構成の従来の構成に対する違いを説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施例におけるNIC内のパケット検出部の機能構成例を示した図である。
【図10】本発明の第2の実施例におけるNIC内のパケット検出部の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像処理システムの構成例を示す図である。
図示するように、この画像処理システムは、端末装置10と画像処理装置20とがネットワーク80を介して双方向に通信可能に接続されることにより構成されている。
【0009】
このうち、端末装置10は、文書の印刷やファクシミリ送信等を画像処理装置20に指示する装置であり、例えば、PC(Personal Computer)である。また、端末装置10は、画像処理装置20の状態に関する情報の取得を要求するパケットを画像処理装置20に送信することもある。
また、画像処理装置20は、詳しくは後述するが、端末装置10からネットワーク80を介して入力された情報や、直接メディアを挿入したり紙文書をスキャンしたりすることで得られた情報に基づいて、画像処理を行う装置である。例えば、プリンタであり、この観点からは画像形成装置として捉えることができる。また、スキャナであってもよく、この観点からは画像読取装置として捉えることもできる。更に、ファクシミリであってもよく、この観点からは画像送信装置又は画像受信装置として捉えることもできる。
【0010】
更に、ネットワーク80は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットであるが、電話回線や衛星通信回線(例えば、デジタル衛星放送における空間伝送路)等の通信回線を含んでもよい。
尚、ネットワーク80上には通常、複数の端末装置10と複数の画像処理装置20が接続可能であるが、図1では、その一部として、端末装置10と画像処理装置20を1台ずつ示している。
【0011】
ここで、画像処理装置20について更に詳しく説明する。
図示するように、画像処理装置20は、NIC(Network Interface Controller)30と、主制御部40とを備える。また、UI(User Interface)部21と、画像入力部22と、画像出力部23と、FAX(ファクシミリ)通信部24とが、内部バス25を介して主制御部40に接続されている。
このうち、NIC30は、詳しくは後述するが、主制御部40とネットワーク80との間の情報の通信を制御するコントローラである。本実施の形態では、通信制御装置の一例として、NIC30を設けている。
また、主制御部40は、詳しくは後述するが、UI部21、画像入力部22、画像出力部23、FAX通信部24の各機能部を制御する。本実施の形態では、画像処理手段の一例として、画像入力部22、画像出力部23、FAX通信部24を設けている。また、制御手段の一例として、主制御部40を設けている。
【0012】
UI部21は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
画像入力部22は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取り、装置内へ入力する。ここで、画像入力部22は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
画像出力部23は、紙等の記録媒体に画像を出力する。ここで、画像出力部23は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
FAX通信部24は、例えば画像入力部22から入力された画像を圧縮し、G3、G4等のプロトコルに従って電話回線に送信したり、G3、G4等のプロトコルに従って電話回線から受信したデータを伸長して例えば画像出力部23に出力したりする。
【0013】
また、画像処理装置20は、省電力の観点から、通常稼動状態と省電力状態とをいう2つの状態をとり得る。このうち、通常稼動状態とは、印刷ジョブに基づいて記録媒体への画像形成動作が行われている画像形成動作モード、又は、印刷ジョブが入力されると直ちに画像形成動作モードに移行可能なスタンバイモードが設定されている状態である。また、省電力状態とは、通常稼動状態において印刷ジョブの入力等が一定期間ない場合に、少なくとも主制御部40への電力の供給を停止することで消費電力が低減される省電力モードが設定されている状態である。尚、省電力モードにおいて、UI部21、画像入力部22、画像出力部23、FAX通信部24への電力の供給も停止すれば、消費電力が最大限に低減されることになるが、例えば、この中でUI部21以外への電力の供給を停止するようなモードを省電力モードに含めてもよい。
【0014】
次に、画像処理装置20内のNIC30及び主制御部40の機能構成について説明する。
図2は、本実施の形態のNIC30及び主制御部40の機能構成例について示した図である。
まず、NIC30の機能構成について説明する。
図示するように、NIC30は、PHY(物理層回路)31と、パケット検出部32と、受信処理部33と、送受信バッファ34と、送受信制御部35と、送信処理部37とを備えている。
【0015】
PHY31は、ネットワーク80との物理的な接続を行う回路である。本実施の形態では、データを受信する受信手段の一例として、PHY31を設けている。
パケット検出部32は、主制御部40が省電力状態にある場合、つまり、主制御部40に電力が供給されていない場合に動作する。そして、PHY31がネットワーク80から受信したパケットを主制御部40に渡すために、主制御部40を省電力状態から復帰させるべきかどうか、つまり、主制御部40へ復帰指示信号を出力して主制御部40に電力が供給されるようにするかどうかを判断する。また、本実施の形態では、主制御部40以外の画像処理モジュール(以下、単に「モジュール」という)の何れを省電力状態から復帰させるべきかどうか、つまり、どのモジュールへ復帰指示信号を出力して電力が供給されるようにするかを判断する。尚、主制御部40が省電力状態にある旨は、例えば、主制御部40が省電力モードへの移行時に送受信制御部35を介してパケット検出部32に伝えればよく、各モジュールへの復帰指示信号は、例えば、パケット検出部32が送受信制御部35を介して主制御部40に出力すればよい。本実施の形態では、機器にデータを出力すべきかどうかを判定する判定手段との一例として、また、データに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定する判定手段の一例として、パケット検出部32を設けている。また、機器の電力を供給すべき部分を特定する特定手段の一例として、また、画像処理手段の電力を供給すべき部分を特定する特定手段の一例として、パケット検出部32を設けている。更に、機器に電力が供給されるように機器の電力供給手段に指示する指示手段の一例として、また、機器の制御手段に電力が供給されるように機器の電力供給手段に指示し、かつ、機器の部分に電力が供給されるように機器の制御手段に指示する指示手段の一例として、パケット検出部32を設けている。
【0016】
受信処理部33は、PHY31からのパケットの受信処理を行う。
送受信バッファ34は、受信処理部33が受信したパケットや送信処理部37が送信すべきパケットを一時的に記憶する。
送受信制御部35は、パケットの送受信を含むNIC30全体の制御を行うと共に、主制御部40との間のインターフェイスとしても機能する。本実施の形態では、データを機器に出力する出力手段の一例として、送受信制御部35を設けている。
送信処理部37は、送受信バッファ34内のパケットの送信処理を行う。
【0017】
次に、主制御部40の機能構成について説明する。
図示するように、主制御部40は、CPU(Central Processing Unit)41と、RAM(Random Access Memory)42と、ROM(Read Only Memory)43と、HDD(Hard Disk Drive)44とを備えている。
CPU41は、ROM43等に記憶された各種プログラムをRAM42にロードして実行することにより、主制御部40の機能を実現する。
RAM42は、CPU41の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM43は、CPU41が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD44は、画像入力部22が入力した画像データや画像出力部23が出力する画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0018】
ところで、かかる画像処理システムにおいて、画像処理装置20は、省電力状態であっても、端末装置10からのネットワーク80を介した通信による指示を受信して処理できるように、NIC30への通電のみ行っている。そして、NIC30は、主制御部40での処理を必要とするパケットを受信した場合に、主制御部40に割込み信号を発行して、主制御部40を省電力状態から通常稼動状態に復帰させている。
ここで、ネットワーク80を介した通信による指示に応じて画像処理装置20が提供する機能には、LPDプリント、Rawプリント、SMBプリント等の印刷機能、スキャン等によって保存した文書の取り出し機能(スキャン文書取り出し機能)、SNMP(Simple Network Management Protocol)によるMIB(Management Information Base)の情報の問い合わせに対して応答する機能(MIB問い合わせ応答機能)等、種々のものがある。ネットワーク80から受信したパケットがこれらの機能の何れに関するものであるかは、パケット内のTCPヘッダやUDPヘッダに含まれるポート番号により識別される。
【0019】
そのため、従来の画像処理装置20では、NIC30が、ネットワーク80から受信したパケットが自装置内の特定の機能宛のものであることを識別し、主制御部40を省電力状態から復帰させるかどうかを判断するために、物理アドレス(MACアドレス)、IPアドレス、プロトコル種別(TCPかUDPか)、ポート番号のパターンマッチングを行っていた。この場合、MACアドレスとIPアドレスは、自装置宛であることを識別するために用いられ、プロトコル種別とポート番号は、特定の機能宛であることを識別するために用いられる。しかしながら、このようなパターンマッチングでは、パターンマッチングすべき条件部分が通信内容の広範に亘ってしまっている。パターンマッチングは、高速な処理が必要なためハードウェアで実現するが、条件部分が多くなればなるほどハードウェアの規模が大きくなり、コストアップにつながるという問題点がある。
【0020】
そこで、本実施の形態では、省電力状態から復帰するための条件部分のパターンマッチングを行うハードウェアの規模を縮小し、コストダウンを可能とするNIC30の構成を提案する。また、これに加え、省電力状態からの復帰時間を短縮するNIC30の構成も提案する。
以下、前者の構成を第1の実施例として、後者の構成を第2の実施例として詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施例)
まず、第1の実施例におけるIPアドレスの割り当てについて説明する。
図3に、第1の実施例におけるIPアドレスの割り当ての例を示す。
図示するように、第1の実施例では、機能ごとに異なるIPアドレスが割り当てられており、IPアドレスのみで機能を識別できるようになっている。この場合、図の表記方法から分かるように、IPアドレスとしてはIPv6を想定しているので、IPアドレスの枯渇を気にすることなく、各機能に対してIPアドレスを割り当てることができる。尚、図では、IPアドレスの最後の16ビットの16進数表記を、機能に対応するポート番号と一致させているが、これはあくまで理解し易いように設計した一例である。機能ごとにIPアドレスが異なっていれば、図示したようなIPアドレスを必ずしも採用する必要はない。
【0022】
第1の実施例では、このようにIPアドレスを割り当てることにより、パケットが要求する機能を判定するために用いる条件部分を局所化することができる。
図4に、機能の判定のための条件部分が局所化する様子を示している。
図示するように、本実施例によるIPアドレスの割り当て方法を採用しない構成(従来の構成)では、イーサネット(登録商標)ヘッダ、IPヘッダのうちの宛先IPアドレス(図では「Address」と表記)とプロトコル(図では「Proto」と表記)、TCPヘッダ又はUDPヘッダを用いて、機能を判定していた。これに対し、本実施例によるIPアドレスの割り当て方法を採用する構成(実施例の構成)では、イーサネット(登録商標)ヘッダ、IPヘッダのうちの宛先IPアドレスのみを用いて、機能を判定できるようになる。
【0023】
次に、このようにして機能を識別するNIC30のパケット検出部32について説明する。
図5は、このようなパケット検出部32の機能構成例を示した図である。
図示するように、本実施例のパケット検出部32は、物理アドレスリスト記憶部50と、物理アドレス比較部51と、IPアドレスリスト記憶部52と、IPアドレス比較部53とを備えている。
【0024】
物理アドレスリスト記憶部50は、検出対象の物理アドレス(MACアドレス)のリストを記憶する。例えば、画像処理装置20の物理アドレスを記憶する。
物理アドレス比較部51は、外部から入力されたパケットの宛先の物理アドレスと、物理アドレスリスト記憶部50に記憶された物理アドレスのリスト内の物理アドレスとを比較することで、自装置の物理アドレス宛のパケットを検出し、検出したパケットをIPアドレス比較部53に出力する。
IPアドレスリスト記憶部52は、検出対象のIPアドレスのリストを記憶する。例えば、図3に示したIPアドレスのリストを記憶する。
IPアドレス比較部53は、物理アドレス比較部51から入力されたパケットのIPアドレスと、IPアドレスリスト記憶部52に記憶されたIPアドレスのリスト内のIPアドレスとを比較することで、自装置の特定の機能宛のパケットを検出し、検出したパケットを受信処理部33に出力する。そして、このとき、主制御部40の復帰を指示する主制御部復帰指示信号を電力供給部(図示せず)に対して出力する。
【0025】
次いで、本実施の形態のNIC30が端末装置10からパケットを受信した際の動作について説明する。
まず、NIC30では、PHY31が、ネットワーク80からパケットを受信する。そして、主制御部40が省電力状態であれば、パケット検出部32がこのパケットを受け取り、パケットに対する処理を行う。
【0026】
図6は、このときのパケット検出部32の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、パケット検出部32では、物理アドレス比較部51が、PHY31からのパケットを取得する(ステップ301)。そして、パケットに設定された宛先の物理アドレスが、物理アドレスリスト記憶部50に記憶された物理アドレスリストに含まれているかどうかを判定する(ステップ302)。
ここで、パケットに設定された物理アドレスが物理アドレスリストに含まれていれば、物理アドレス比較部51は、パケットをIPアドレス比較部53に渡す。
【0027】
すると、IPアドレス比較部53は、パケットに設定された宛先のIPアドレスが、IPアドレスリスト記憶部52に記憶されたIPアドレスリストに含まれているかどうかを判定する(ステップ303)。
その結果、パケットに設定されたIPアドレスがIPアドレスリストに含まれていれば、IPアドレス比較部53は、主制御部40の復帰を指示する主制御部復帰指示信号を電力供給部(図示せず)に出力し(ステップ304)、パケットを受信処理部33に出力する(ステップ305)。
【0028】
これにより、主制御部40は電力が供給されて省電力状態から復帰する。そして、受信処理部33は、パケットを受信して送受信バッファ34の受信データ格納領域に格納する。
また、主制御部40が省電力状態でなければ、受信処理部33は、PHY31から直接パケットを受信して送受信バッファ34の受信データ格納領域に格納する。
一方、送受信制御部35は、送受信バッファ34を監視しており、送受信バッファ34にパケットが格納されると、それを省電力状態から通常稼動状態に復帰した主制御部40に渡し、主制御部40がそのパケットに基づいて要求された処理を行う。
ここで、受信したパケットがMIB問い合わせ応答機能を要求するパケットである場合のように、要求元の端末装置10への応答が必要な場合は、主制御部40から渡された応答パケットを、送受信制御部35が送受信バッファ34に格納する。そして、送信処理部37がこの応答パケットを要求元の端末装置10に送信する。
【0029】
尚、ステップ302でパケットに設定された物理アドレスが物理アドレスリストに含まれていないと判定された場合や、ステップ303でパケットに設定されたIPアドレスがIPアドレスリストに含まれていないと判定された場合、処理は終了し、パケットは主制御部40に渡されない。
以上により、第1の実施例のNIC30の動作例は終了する。
【0030】
尚、この第1の実施例において、NIC30のパケット検出部32は、主制御部40が省電力状態にあるときに動作することを前提とし、パケットに設定された宛先のIPアドレスがIPアドレスリストに含まれている場合に、主制御部40に復帰指示信号を出力するようにした。しかしながら、NIC30のパケット検出部32を単なるフィルタリング機構として捉えると、必ずしも主制御部40に復帰指示信号を出力しなくてもよい。
【0031】
(第2の実施例)
まず、第2の実施例におけるIPアドレスの割り当てについて説明する。
図7に、第2の実施例におけるIPアドレスの割り当ての例を示す。
図示するように、第2の実施例では、機能ごとに異なるIPアドレスが割り当てられており、かつ、その機能を用いるために復帰させるべきモジュール(復帰モジュール)をIPアドレスで識別できるようになっている。この場合も、図の表記方法から分かるように、IPアドレスとしてはIPv6を想定しているので、IPアドレスの枯渇を気にすることなく、各機能に対してIPアドレスを割り当てることができる。尚、図では、IPアドレスの最後の16ビットの16進数表記を、機能に対応するポート番号と一致させ、IPアドレスの最後から2番目の16ビットの16進数表記を、復帰モジュールごとに異なるようにしているが、これはあくまで理解し易いように設計した一例である。機能ごとにIPアドレスが異なっていれば、図示したようなIPアドレスを必ずしも採用する必要はない。
【0032】
第2の実施例では、このようにIPアドレスを割り当てることにより、パケットが要求する機能を判定するために用いる条件部分を局所化することができるだけでなく、主制御部40以外のモジュールに対して復帰指示を行うタイミングを早期化することができる。
図8に、復帰指示のタイミングが早期化する様子を示している。
(a)は、本実施例によるIPアドレスの割り当て方法を採用しない構成(従来の構成)における復帰指示のタイミングについて示した図である。
図示するように、省電力状態において、NIC30は、自装置宛のパケットを検出し、パケットに対する処理を行わせるために、主制御部40を復帰させる。そして、主制御部40が、パケットを受け取り、受け取ったパケットのTCP/UDPのポート番号に基づいて、通信により指示された内容を識別する。次いで、指示された内容に基づいて、主制御部40が、復帰すべきモジュールを選別し、復帰すべきモジュールへ復帰指示を出す。この復帰指示によって復帰したモジュールは、復帰処理の終了後、指示内容に基づくジョブ処理(プリント等)を行う。
【0033】
(b)は、本実施例によるIPアドレスの割り当て方法を採用した構成(実施例の構成)における復帰指示のタイミングについて示した図である。
図示するように、省電力状態において、NIC30は、自装置宛のパケットを検出し、パケットに対する処理を行わせるために、主制御部40を復帰させる。同時に、NIC30は、パケット内のIPアドレスに基づいて、復帰すべきモジュールを特定し、復帰すべきモジュールへ復帰指示を出す。
即ち、(a)と(b)の間に示した黒塗りの太矢印の分だけ、復帰指示が早期化することになる。
【0034】
次に、このようにして機能を識別し、モジュールへの復帰指示を出すNIC30のパケット検出部32について説明する。
図9は、このようなパケット検出部32の機能構成例を示した図である。
図示するように、本実施例のパケット検出部32は、物理アドレスリスト記憶部50と、物理アドレス比較部51と、第1IPアドレスリスト記憶部54と、第1IPアドレス比較部55と、第2IPアドレスリスト記憶部56と、第2IPアドレス比較部57と、第3IPアドレスリスト記憶部58と、第3IPアドレス比較部59とを備えている。
【0035】
物理アドレスリスト記憶部50は、検出対象の物理アドレス(MACアドレス)のリストを記憶する。例えば、画像処理装置20の物理アドレスを記憶する。
物理アドレス比較部51は、外部から入力されたパケットの宛先の物理アドレスと、物理アドレスリスト記憶部50に記憶された物理アドレスのリスト内の物理アドレスとを比較することで、自装置の物理アドレス宛のパケットを検出し、検出したパケットを第1IPアドレス比較部55、第2IPアドレス比較部57、第3IPアドレス比較部59に出力する。
【0036】
第1IPアドレスリスト記憶部54は、検出対象のIPアドレス、即ち、主制御部40の復帰を必要とする機能に割り当てられたIPアドレスのリストを記憶する。例えば、図7に示したIPアドレスの全てを含むリストを記憶する。図7では、LPRプリント、Rawプリント、SMBプリントに対応する復帰モジュールを画像出力部23としているが、これらの印刷機能のためには主制御部40の復帰も必要であるので、LPRプリント、Rawプリント、SMBプリントに割り当てられたIPアドレスもこのリストに含めておく。
第1IPアドレス比較部55は、物理アドレス比較部51から入力されたパケットのIPアドレスと、第1IPアドレスリスト記憶部54に記憶されたIPアドレスのリスト内のIPアドレスとを比較することで、自装置の特定の機能宛のパケットを検出し、検出したパケットを受信処理部33に出力する。そして、このとき、主制御部40の復帰を指示する主制御部復帰指示信号を電力供給部(図示せず)に対して出力する。
【0037】
第2IPアドレスリスト記憶部56は、検出対象のIPアドレスのうち、画像出力部23の復帰を必要とする機能に割り当てられたIPアドレスのリストを記憶する。例えば、図7に示したIPアドレスのうち、LPRプリント、Rawプリント、SMBプリントに割り当てられたIPアドレスを含むリストを記憶する。
第2IPアドレス比較部57は、物理アドレス比較部51から入力されたパケットのIPアドレスと、第2IPアドレスリスト記憶部56に記憶されたIPアドレスのリスト内のIPアドレスとを比較し、一致するIPアドレスがあった場合に、画像出力部23の復帰を指示する画像出力部復帰指示信号を主制御部40に対して出力する。
【0038】
第3IPアドレスリスト記憶部58は、検出対象のIPアドレスのうち、画像入力部22の復帰を必要とする機能に割り当てられたIPアドレスのリストを記憶する。
第3IPアドレス比較部59は、物理アドレス比較部51から入力されたパケットのIPアドレスと、第3IPアドレスリスト記憶部58に記憶されたIPアドレスのリスト内のIPアドレスとを比較し、一致するIPアドレスがあった場合に、画像入力部22の復帰を指示する画像入力部復帰指示信号を主制御部40に対して出力する。
【0039】
次いで、本実施の形態のNIC30が端末装置10からパケットを受信した際の動作について説明する。
まず、NIC30では、PHY31が、ネットワーク80からパケットを受信する。そして、主制御部40が省電力状態であれば、パケット検出部32がこのパケットを受け取り、パケットに対する処理を行う。
【0040】
図10は、このときのパケット検出部32の動作例を示したフローチャートである。
図示するように、まず、パケット検出部32では、物理アドレス比較部51が、PHY31からのパケットを取得する(ステップ351)。そして、パケットに設定された宛先の物理アドレスが、物理アドレスリスト記憶部50に記憶された物理アドレスリストに含まれているかどうかを判定する(ステップ352)。
ここで、パケットに設定された物理アドレスが物理アドレスリストに含まれていれば、物理アドレス比較部51は、パケットを第1IPアドレス比較部55、第2IPアドレス比較部57、第3IPアドレス比較部59に渡す。
【0041】
すると、第1IPアドレス比較部55は、パケットに設定された宛先のIPアドレスが、第1IPアドレスリスト記憶部54に記憶された第1のIPアドレスリストに含まれているかどうかを判定する(ステップ353)。
その結果、パケットに設定されたIPアドレスが第1のIPアドレスリストに含まれていれば、第1IPアドレス比較部55は、主制御部40の復帰を指示する主制御部復帰指示信号を電力供給部(図示せず)に出力し(ステップ354)、パケットを受信処理部33に出力する(ステップ355)。
【0042】
また、第2IPアドレス比較部57は、パケットに設定された宛先のIPアドレスが、第2IPアドレスリスト記憶部56に記憶された第2のIPアドレスリストに含まれているかどうかを判定する(ステップ356)。
その結果、第2IPアドレス比較部57は、パケットに設定されたIPアドレスが第2のIPアドレスリストに含まれていなければ、復帰指示信号は出力しないが、パケットに設定されたIPアドレスが第2のIPアドレスリストに含まれていれば、画像出力部23の復帰を指示する画像出力部復帰指示信号を主制御部40に出力する(ステップ357)。
【0043】
更に、第3IPアドレス比較部59は、パケットに設定された宛先のIPアドレスが、第3IPアドレスリスト記憶部58に記憶された第3のIPアドレスリストに含まれているかどうかを判定する(ステップ358)。
その結果、第3IPアドレス比較部59は、パケットに設定されたIPアドレスが第3のIPアドレスリストに含まれていなければ、復帰指示信号は出力しないが、パケットに設定されたIPアドレスが第3のIPアドレスリストに含まれていれば、画像入力部22の復帰を指示する画像入力部復帰指示信号を主制御部40に出力する(ステップ359)。
【0044】
これにより、主制御部40は電力が供給されて省電力状態から復帰する。そして、受信処理部33は、パケットを受信して送受信バッファ34の受信データ格納領域に格納する。
また、主制御部40が省電力状態でなければ、受信処理部33は、PHY31から直接パケットを受信して送受信バッファ34の受信データ格納領域に格納する。
一方、送受信制御部35は、送受信バッファ34を監視しており、送受信バッファ34にパケットが格納されると、それを省電力状態から通常稼動状態に復帰した主制御部40に渡し、主制御部40がそのパケットに基づいて要求された処理を行う。このとき、要求された処理を主制御部40以外のモジュール(画像入力部22又は画像出力部23)を用いて行う必要があれば、主制御部40は、パケット検出部32から画像入力部22又は画像出力部23の復帰を指示する復帰指示信号を受け付けるので、これを電力供給部(図示せず)に出力して画像入力部22又は画像出力部23を復帰させる。その後、このように省電力状態から通常稼動状態へ復帰した画像入力部22又は画像出力部23が要求された処理を行うこととなる。
ここで、受信したパケットがMIB問い合わせ応答機能を要求するパケットである場合のように、要求元の端末装置10への応答が必要な場合は、主制御部40から渡された応答パケットを、送受信制御部35が送受信バッファ34に格納する。そして、送信処理部37がこの応答パケットを要求元の端末装置10に送信する。
【0045】
尚、ステップ352でパケットに設定された物理アドレスが物理アドレスリストに含まれていないと判定された場合や、ステップ353でパケットに設定されたIPアドレスが第1のIPアドレスリストに含まれていないと判定された場合、処理は終了し、パケットは主制御部40に渡されない。
以上により、第2の実施例のNIC30の動作例は終了する。
【0046】
尚、この第2の実施例では、主制御部40以外のモジュールとして、画像入力部22及び画像出力部23を例にとり説明した。しかしながら、そのようなモジュールとして、FAX通信部24を採用してもよいし、UI部21や後処理装置(図示せず)のような直接画像処理に関わらない部分を採用してもよい。
また、この第2の実施例では、主制御部40の復帰を指示する復帰指示信号を電力供給部に出力し、主制御部40以外のモジュールの復帰を指示する復帰指示信号を主制御部40に出力して、各機能部を復帰させるようにしたが、このような態様には限らない。例えば、主制御部40の復帰を指示する復帰指示信号も主制御部40以外のモジュールの復帰を指示する復帰指示信号も電力供給部に出力して、各機能部を復帰させるようにしてもよい。
【0047】
更に、本実施の形態では、画像処理装置20に接続された通信制御装置が、受信したデータに指定された物理アドレス及びIPアドレスのみを参照して画像処理装置20の主制御部40を復帰させることにより、通信制御装置のハードウェアの規模を縮小するようにした。しかしながら、一般的な機器に接続された通信制御装置が、同様の処理を行って、通信制御装置のハードウェアの規模を縮小するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10…端末装置、20…画像処理装置、30…NIC、40…主制御部、80…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の機器に割り当てられた物理アドレスと、個々の機器の個々の機能に割り当てられたIPアドレスとを宛先として指定したデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記データにて指定された物理アドレス及びIPアドレスを参照することにより、自装置が接続された機器に当該データを出力すべきかどうかを判定する判定手段と、
自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該データを当該機器に出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
前記受信手段は、個々の機能を使用するためのプロトコルの種別と、個々の機能に割り当てられたポート番号とを更に指定した前記データを受信し、
前記判定手段は、前記受信手段により受信した前記データにて指定されたプロトコルの種別及びポート番号を参照することなく、自装置が接続された機器に当該データを出力すべきかどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
【請求項3】
自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該機器に電力が供給されていなければ、当該機器に電力が供給されるように当該機器の電力供給手段に指示する指示手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記受信手段により受信した前記データにて指定されたIPアドレスを参照することにより、機器の電力を供給すべき部分を特定する特定手段と、
自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該機器の前記特定手段によって特定された前記部分に電力が供給されていなければ、当該部分に電力が供給されるように当該機器の電力供給手段に指示する指示手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記受信手段により受信した前記データにて指定されたIPアドレスを参照することにより、機器の制御手段以外の電力を供給すべき部分を特定する特定手段と、
自装置が接続された機器に前記データを出力すべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該機器に電力が供給されていなければ、当該機器の前記制御手段に電力が供給されるように当該機器の電力供給手段に指示し、かつ、当該機器の前記特定手段によって特定された前記部分に電力が供給されるように当該機器の前記制御手段に指示する指示手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
【請求項6】
個々の画像処理装置に割り当てられた物理アドレスと、個々の画像処理装置の個々の機能に割り当てられたIPアドレスとを宛先として指定したデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記データにて指定された物理アドレス及びIPアドレスを参照することにより、自装置にて当該データに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定する判定手段と、
自装置にて前記データに基づく画像処理を行うべきと前記判定手段によって判定された場合に、当該データに基づいて画像処理が行われるように制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
前記受信手段は、個々の機能を使用するためのプロトコルの種別と、個々の機能に割り当てられたポート番号とを更に指定した前記データを受信し、
前記判定手段は、前記受信手段により受信した前記データにて指定されたプロトコルの種別及びポート番号を参照することなく、自装置にて当該データに基づく画像処理を行うべきかどうかを判定することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
自装置にて前記データに基づく画像処理を行うべきと前記判定手段によって判定された場合に、前記制御手段に電力が供給されていなければ当該制御手段に電力を供給する電力供給手段を更に備えたことを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記受信手段により受信した前記データに基づいて画像処理を行う画像処理手段と、
前記受信手段により受信した前記データにて指定されたIPアドレスを参照することにより、前記画像処理手段の電力を供給すべき部分を特定する特定手段とを更に備え、
前記制御手段は、自装置にて前記データに基づく画像処理を行うべきと前記判定手段によって判定された場合に、前記特定手段によって特定された前記部分に電力が供給されていなければ、当該部分に電力が供給されるように前記電力供給手段を制御することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−166313(P2010−166313A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6739(P2009−6739)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】