説明

通信方式、受信装置及び基地局装置

【課題】通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を通信する通信方式に関し、同期制御を簡易に行えるようにする技術を提案する。
【解決手段】スロット分割部1により、LTE上り信号の受信データを分割し、相関演算部2及び相関パワー算出部4により、前記分割によって得られる各スロットデータについて、基準データ保持部3に保持されている基準データとの相関(パワー)を算出し、ピーク位置検出部5により、前記検出した相関がピークとなる相関ピーク位置を検出し、ピーク位置比較部6及びスロット位置特定部8により、前記検出した各々の相関ピーク位置を理論ピーク位置保持部7に保持されている理論上の相関ピーク位置と比較して、各スロットデータの通信フレームにおけるスロット位置を特定し、同期調整部9により、前記特定したスロット位置に従って同期制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を通信する通信方式に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話におけるデータ通信に用いられる通信方式の一つに、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる通信方式がある。
図6には、LTEにおける上り信号のフレーム構成を示してある。
LTE上り信号は、1フレームあたり10msのフレーム長を有する。各フレームには、0.5msのスロット長を有する20個(#0〜#19)のスロットが含まれる。各スロットには、0.067msのシンボル長を有する7個(#0〜#6)のシンボルが含まれ、各シンボルの前方に、ガードインターバルと同じように機能するサイクリックプリフィックス(Cyclic Prefix)が配置される。また、各スロット中の#3のシンボルにおける所定の周波数帯域には、リファレンスシグナル(Reference Signal)と呼ばれる既知データがマッピングされており、このリファレンスシグナルを用いてLTE上り信号のフレーム同期が行われる。
【0003】
ここで、LTE上り信号に対する従来方式のフレーム同期手法について説明する。
図7には、従来方式のフレーム同期手法の処理フローを示してある。なお、リファレンスシグナルは、スロットに応じて予め定められたものが用いられる。また、リファレンスシグナルの理論値が、周波数領域上のデータ形式で予め用意されているものとする。
LTE上り信号を受信した基地局装置は、受信したLTE上り信号のデータについて、所定幅の区間単位でFFT(First Fourier Transform)を実施して周波数領域上のデータ形式に変換し、当該変換により得られたFFTデータ(周波数データ)をリファレンスシグナルの理論値と比較して、そのFFT区間がリファレンスシグナルを含むシンボル区間に該当するかを判定する。これらの処理を、図8に例示するように、FFT区間をずらしながら繰り返し、リファレンスシグナルを含むシンボル区間の特定を行う(ステップS21,S22)。
その後、特定したシンボル区間を参考にFFTを行って、スロット毎にリファレンスシグナルを求め、各スロットのリファレンスシグナルを元にフレーム同期を行う(ステップS23)。
【0004】
図9には、従来方式のフレーム同期手法におけるFFTデータ例を示してある。
図9では、リファレンスシグナルの理論値、及び、FFT区間1〜3の各区間についてそれぞれ得られたFFTデータを、IQ平面上にプロットして示してある。各区間のFFTデータとリファレンスシグナルの理論値との相関を見ると、FFT区間2のFFTデータとの相関が最も高いことから、FFT区間2がリファレンスシグナルを含むシンボル区間であると特定される。
【0005】
無線通信システムにおける同期制御に関しては、これまでに種々の発明が提案されている。例えば、特許文献1には、セルラ通信システムにおいて動作しうる無線電話機のような受信機を送信機と同期させる同期方法や装置の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2000−508864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来方式では、同期制御に際して、リファレンスシグナルを含むシンボル区間を特定するために、FFTや、これにより得られたFFTデータをリファレンスシグナルの理論値と比較する処理などを頻繁に行わなければならない。このため、受信装置には、短時間で大量の処理を行う能力が必要であり、同期制御に係る回路規模が大きくなってしまう等の懸念があった。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて為されたものであり、通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を通信する通信方式に関し、同期制御を簡易に行えるようにする技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を通信する通信方式において、信号の受信装置が、受信した信号中の複数のスロットについて、前記既知データのうちの1つを時間領域上のデータ形式とした基準データとの相関ピーク位置を検出し、前記複数のスロットについて検出したそれぞれの相関ピーク位置を理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定するように構成した。
【0010】
すなわち、従来方式では、同期制御に際して、時間領域のデータを周波数領域のデータに変換して周波数領域上で処理していたところ、本発明では、周波数領域への変換を行わずに時間領域上で処理するようにした。従って、同期制御の回路を簡潔な構成にすることができ、受信装置(基地局装置など)の回路規模を抑えて開発することが可能になる。
【0011】
ここで、上記本発明に係る通信方式において、前記受信装置は、受信した信号中の間欠的な複数のスロットについて相関ピーク位置を検出し、当該検出した相関ピーク位置を前記理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定する構成としてもよい。
このような構成によれば、相関ピーク位置の検出やスロット位置の特定に係る処理時間を効率的に確保することができる。
【0012】
上記本発明に係る通信方式は、以下のような装置を用いて実現できる。
すなわち、通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を受信する受信装置において、前記既知データのうちの1つを時間領域上のデータ形式とした基準データを保持する基準データ保持手段と、前記通信フレーム中の各スロットと前記基準データとの理論上の相関ピーク位置のデータを保持する理論ピーク位置保持手段と、受信した信号中の複数のスロットについて、前記基準データとの相関ピーク位置を検出する相関ピーク位置検出手段と、前記複数のスロットについて検出したそれぞれの相関ピーク位置を前記理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定するスロット位置特定手段と、を備えた受信装置を用いる。
【0013】
より具体的には、例えば、通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なるリファレンスシグナルが含められたLTE上り信号を受信する基地局装置において、前記リファレンスシグナルのうちの1つを時間領域上のデータ形式とした基準データを保持する基準データ保持手段と、前記通信フレーム中の各スロットと前記基準データとの理論上の相関ピーク位置のデータを保持する理論ピーク位置保持手段と、受信したLTE上り信号中の複数のスロットについて、前記基準データとの相関ピーク位置を検出する相関ピーク位置検出手段と、前記複数のスロットについて検出したそれぞれの相関ピーク位置を前記理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定するスロット位置特定手段と、前記特定したスロット位置に従って同期調整を行う同期調整手段と、を備えた基地局装置を用いる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号についての同期制御に際して、時間領域のデータを周波数領域のデータに変換して周波数領域上で処理する必要がなく、時間領域上で処理することができるようになる。このため、例えば、同期制御の回路を簡潔にすることができ、受信装置(基地局装置など)の回路規模を抑えて開発することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る基地局装置の機能ブロックの例を示す図である。
【図2】本例の基地局装置による同期制御に係る処理フローの例を示す図である。
【図3】リファレンスシグナルの時間データrs_time(n)に関する相関の例を示す図である。
【図4】受信データについて検出された相関ピーク位置の例を示す図である。
【図5】理論上の相関ピーク位置と受信データについて検出された相関ピーク位置とを比較した例を示す図である。
【図6】LTE上り信号のフレーム構成を示す図である。
【図7】従来方式のフレーム同期手法の処理フローを示す図である。
【図8】従来方式のフレーム同期手法におけるFFT区間の推移を示す図である。
【図9】従来方式のフレーム同期手法におけるFFTデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、LTE上り信号の受信装置として動作する基地局装置の機能ブロックの例を示してある。
本例の基地局装置の説明に先立ち、LTE上り信号の通信フレーム中の各スロットに含められるリファレンスシグナルについて説明しておく。
【0017】
LTE上り信号において、通信フレーム中の各スロットに含められる各々のリファレンスシグナルは、周波数領域上での位相だけが異なるデータ、すなわち、時間領域上での時間位置だけが異なるデータとなっている。したがって、或るリファレンスシグナルの位相(時間位置)をずらすことで、他のリファレンスシグナルを得ることができる。
【0018】
ここで、リファレンスシグナルの理論値を時間領域上で表した時間データを、rs_time(n)とする。なお、nは、スロット番号(#0〜#19)を表す。
また、リファレンスシグナルの理論値を周波数領域上で表した周波数データを、ru,v(α)(n)とすると、周波数データru,v(α)(n)は以下の式で表される。
【数1】

なお、MscRSは、リファレンスシグナルの周波数領域上のデータ数を表す。
また、NZCRS、qは、予め与えられた固定値である。
また、ncsは、スロット番号に応じて変化するパラメータである。
【0019】
このリファレンスシグナルの周波数データru,v(α)(n)を周波数軸上にプロットしてIFFT(Inverse FFT)を行うことで、リファレンスシグナルの時間データrs_time(n)を得ることができる。リファレンスシグナルの周波数データru,v(α)(n)は、スロットに応じて(上式中のncsが変化することにより)異なるため、リファレンスシグナルの時間データrs_time(n)もスロットに応じて異なる。
【0020】
リファレンスシグナルの時間データrs_time(n)について、図3を参照して更に説明する。図3(a)〜(c)のグラフにおいて、横軸は時間を表し、縦軸は相関(パワー)を表す。また、図3(a)のグラフはrs_time(0)の自己相関の例であり、図3(b)のグラフはrs_time(0)とrs_time(1)との相関の例であり、図3(c)のグラフはrs_time(0)とrs_time(2)との相関の例である。
このように、リファレンスシグナルの時間データrs_time(n)は、自己相関がある(図3(a)参照)。また、各rs_time(n)は、他のrs_time(n’)との間で、自己相関とは異なるタイミングに相関が生じる(図3(b)及び(c)参照)。
なお、リファレンスシグナルの時間データrs_time(n)は、ユーザデータなど、リファレンスシグナル以外のデータとの間には相関がない。
【0021】
このため、或るリファレンスシグナルの時間データ(例えば、rs_time(0))と、LTE上り信号の受信データをスロット単位に分割したデータとの相関を求めると、スロット毎に異なるタイミング(時間位置)でピークが検出されることになる。
そこで、本例の基地局装置では、上記のようなリファレンスシグナルの特性を利用して、基地局装置における同期制御の簡易化を図る。
【0022】
本例の基地局装置は、図1に示すように、同期制御に関わる機能部として、スロット分割部1、相関演算部2、基準データ保持部3、相関パワー算出部4、ピーク位置検出部5、ピーク位置比較部6、理論ピーク位置保持部7、スロット位置特定部8、同期調整部9を有する。
【0023】
スロット分割部1は、子局装置から無線送信されたLTE上り信号を受信すると、LTE上り信号の受信データをスロット周期(本例では、0.5ms)の単位に分割してスロットデータを得る。
相関演算部2は、スロット分割部1により得られたスロットデータ毎に、基準データ保持部3に予め保持されている基準データとの相関演算を行う。基準データとしては、或る1つのリファレンスシグナルの時間データ(本例では、rs_time(0))が用いられる。なお、本例では、スロットデータの全ての値と基準データの全ての値について相関演算を行っているが、値を間欠的に間引いて簡略的な相関演算を行うようにしてもよい。
相関パワー算出部4は、スロットデータ毎に、相関演算部2による演算結果に基づいて相関値(パワー)を算出する。本例の相関パワー算出部4では、相関演算部2から「I+jQ」(jは虚数単位)の形式で出力される演算結果に基づき、(I+Q)を相関値として算出する。
ピーク位置検出部5は、スロットデータ毎に、相関パワー算出部4により算出された相関値に基づいて、相関値がピークとなる位置(相関ピーク位置)を検出する。
【0024】
ピーク位置比較部6は、相関演算部2、相関パワー算出部4、ピーク位置検出部5による処理が1フレーム分実行された後に、ピーク位置検出部5によりスロットデータ毎に検出された各々の相関ピーク位置を、理論ピーク位置保持部7に予め保持されている理論上の相関ピーク位置と比較する。理論上の相関ピーク位置は、LTE上り信号の通信フレーム中のスロット毎に予め定められており、本例のピーク位置比較部6では、1フレーム単位で比較する。
スロット位置特定部8は、ピーク位置比較部6による比較結果に基づいて、スロット分割部1により得られた各スロットデータが、LTE上り信号の通信フレーム中のいずれのスロット位置(スロット番号)に該当するかを特定する。
同期調整部9は、スロット位置特定部8により特定されたスロット位置に従って、同期調整(LTE上り信号のフレーム同期)を行う。
【0025】
本例の基地局装置による同期制御に係る処理について、図2に例示する処理フローを参照して説明する。
まず、事前処理として、リファレンスシグナルの理論値の時間データrs_time(n)を生成し、基準データ保持部3に記憶させておく(ステップS1)。なお、リファレンスシグナルの理論値の時間データrs_time(n)を生成する処理は、基地局装置の運用前に実施されていればよく、基地局装置で実施する必要はない。
【0026】
基地局装置は、LTE上り信号を受信すると、スロット分割部1により、受信したLTE上り信号のデータをスロット周期(本例では、0.5ms)の単位に分割する(ステップS2)。
次に、基地局装置は、相関演算部2及び相関パワー算出部4により、基準データ保持部3に予め保持されている基準データ(本例では、rs_time(0))と、分割により得られた各スロットデータとの相関(パワー)を算出し(ステップS3)、ピーク位置検出部5により、スロットデータ毎に相関ピーク位置を検出する(ステップS4)。
図4には、受信データについて検出された相関ピーク位置の例を示してある。図4のグラフにおいて、横軸は時間を表し、縦軸は相関(パワー)を表す。また、P1は、rs_time(0)と或るスロットデータの相関の例であり、P2は、rs_time(0)と他のスロットデータの相関の例であり、P3は、rs_time(0)と更に他のスロットデータの相関の例である。このように、スロットデータに応じて相関ピーク位置が変化する。
【0027】
基地局装置は、相関ピーク位置の検出を1フレーム分実行した後に、ピーク位置比較部6及びスロット位置特定部8により、理論ピーク位置保持部7に予め保持されている理論上の相関ピーク位置と、スロットデータ毎に検出された相関ピーク位置とを比較して、これらが合致するかを判定し、各スロットデータがLTE上り信号の通信フレーム中のいずれのスロット位置に該当するかを特定する(ステップS5)。
その後、基地局装置は、同期調整部9により、特定されたスロット位置に従って、同期調整(LTE上り信号のフレーム同期)を行う。
【0028】
すなわち、本例の基地局装置では、LTE上り信号の受信データを分割して得られる各スロットデータについて、基準データとの相関ピーク位置をそれぞれ検出し、当該検出した各々の相関ピーク位置を理論上の相関ピーク位置と比較して、各スロットデータの通信フレームにおけるスロット位置を特定し、当該特定したスロット位置に従って同期制御を行う。
これらの処理は、全て時間領域上で行うようにしており、同期制御に際してFFT等の処理を行う必要がないため、簡潔な回路で実現することができ、回路規模を小さくすることができる。また、小さい回路でLTE上り信号の解析が可能なため、基地局装置の回路規模を抑えて開発することが可能である。
【0029】
図5には、理論ピーク位置保持部7に予め保持されている理論上の相関ピーク位置と、受信データについて検出された相関ピーク位置とを比較した例を示してある。図5の上段は、理論上の相関ピーク位置をスロット番号(n)毎に示してあり、図5の下段は、受信データについて検出された相関ピーク位置をスロットデータ(受信タイミング)毎に示してある。この場合、理論上の相関ピーク位置と重なり合うようなスロットのタイミングを探すと、受信データにおける2スロット目が理論上の0スロット目(通信フレームの先頭)に合致することが分かる。なお、相関ピーク位置の比較において、厳密に合致することを要件とする必要は無く、実用上において有効な程度の誤差の範囲で合致すればよい。
【0030】
なお、本例では、基準データとしてrs_time(0)を用いて相関を求めているが、rs_time(0)以外のrs_time(n)を用いてもよい。その場合は、理論上の相関ピーク位置が変わるため、使用する基準データに応じた理論上の相関ピーク位置を理論ピーク位置保持部7に設定しておけばよい。
【0031】
ここで、LTE上り信号において、通信フレーム中の各スロットに含めるリファレンスシグナルは、全スロットで異なるわけではなく、複数のスロットで同じリファレンスシグナルが用いられ得る。このため、受信データ中の或るスロットデータについて検出した相関ピーク位置は、複数のスロットにおける理論上の相関ピーク位置に合致する場合がある。従って、1つのスロットデータについて相関ピーク位置を比較するだけでは、当該スロットデータが通信フレーム中のいずれのスロット位置に該当するかを特定することはできない。そこで、本発明では、複数のスロットデータについて検出したそれぞれの相関ピーク位置のパターンを、理論上の相関ピーク位置のパターンと比較することで、各スロットデータが通信フレーム中のいずれのスロット位置に該当するかを特定する。
【0032】
なお、本例のピーク位置比較部6では、1フレーム分の全スロットデータについてパターンを比較する構成としているが、LTE上り信号パターンによっては、少なくとも半分以上のスロットデータについてパターンを比較すれば足りる場合がある。この場合、例えば、間欠的な複数のスロットデータ(例えば、1つ飛ばしのスロットデータ)についてパターンを比較する構成とすれば、各スロットデータの相関ピーク位置の検出に係る処理時間を効率的に確保することができる。
【0033】
ここで、本例では、基準データ保持部3の機能により基準データ保持手段が構成されており、理論ピーク位置保持部7の機能により理論ピーク位置保持手段が構成されており、スロット分割部1、相関演算部2、相関パワー算出部4、ピーク位置検出部5の機能により相関ピーク位置検出手段が構成されており、ピーク位置比較部6、スロット位置特定部8の機能によりスロット位置特定手段が構成されており、同期調整部9の機能により同期調整手段が構成されている。
【0034】
なお、本例では、LTE上り信号を用いる場合について説明したが、これに限定するものではなく、本発明は、通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を用いる種々の通信方式に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:スロット分割部、 2:相関演算部、 3:基準データ保持部、 4:相関パワー算出部、 5:ピーク位置検出部、 6:ピーク位置比較部、 7:理論ピーク位置保持部、 8:スロット位置特定部、 9:同期調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を通信する通信方式において、
信号の受信装置が、
受信した信号中の複数のスロットについて、前記既知データのうちの1つを時間領域上のデータ形式とした基準データとの相関ピーク位置を検出し、
前記複数のスロットについて検出したそれぞれの相関ピーク位置を理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定する、
ことを特徴とする通信方式。
【請求項2】
請求項1に記載の通信方式において、
前記受信装置は、受信した信号中の間欠的な複数のスロットについて相関ピーク位置を検出し、当該検出した相関ピーク位置を前記理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定する、
ことを特徴とする通信方式。
【請求項3】
通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なる既知データが含められた信号を受信する受信装置において、
前記既知データのうちの1つを時間領域上のデータ形式とした基準データを保持する基準データ保持手段と、
前記通信フレーム中の各スロットと前記基準データとの理論上の相関ピーク位置のデータを保持する理論ピーク位置保持手段と、
受信した信号中の複数のスロットについて、前記基準データとの相関ピーク位置を検出する相関ピーク位置検出手段と、
前記複数のスロットについて検出したそれぞれの相関ピーク位置を前記理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定するスロット位置特定手段と、
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
通信フレーム中の各スロットに位相だけが異なるリファレンスシグナルが含められたLTE上り信号を受信する基地局装置において、
前記リファレンスシグナルのうちの1つを時間領域上のデータ形式とした基準データを保持する基準データ保持手段と、
前記通信フレーム中の各スロットと前記基準データとの理論上の相関ピーク位置のデータを保持する理論ピーク位置保持手段と、
受信したLTE上り信号中の複数のスロットについて、前記基準データとの相関ピーク位置を検出する相関ピーク位置検出手段と、
前記複数のスロットについて検出したそれぞれの相関ピーク位置を前記理論上の相関ピーク位置と比較して、これらスロットの前記通信フレームにおけるスロット位置を特定するスロット位置特定手段と、
前記特定したスロット位置に従って同期調整を行う同期調整手段と、
を備えたことを特徴とする基地局装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate