説明

通信方法、蓄積装置及び通信システム

【課題】ユーザ端末から要求されたデバイス情報の基になるデータを、ファイアウォール装置により外部側を起点とする通信が許容されていないデバイスから取得して、そのデータに基づくデバイス情報をユーザ端末に送信すること。
【解決手段】ユーザ端末40は、サーバ装置10に対して、デバイス情報の送信を要求する(ステップS150)。サーバ装置10は、サーバ装置10へデバイスデータを送信することをデバイス30に要求するデータ送信要求と、デバイス30に割り当てられたURLとを含む転送要求をユーザ端末40に送信する(ステップS170)。ユーザ端末40は、転送要求に含まれるデータ送信要求を、転送要求に含まれるURLが割り当てられたデバイス30のいずれかに転送する(ステップS180)。デバイス30Bは、データ送信要求を受信すると、サーバ装置10にデバイスデータを送信する(ステップS190)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信方法、蓄積装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファイアウォール装置を介して外部通信回線と接続されたデバイスが、データへのアクセスを要求する電子メールを受信すると、そのデータをアクセス受付用サーバに転送し、アクセス受付用サーバへアクセスするための情報を電子メールで返信して、その電子メールの送信元にデータへアクセスさせる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−131276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザ端末から要求されたデバイス情報の基になるデータを、ファイアウォール装置により外部側を起点とする通信が許容されていないデバイスから取得して、そのデータに基づくデバイス情報をユーザ端末に送信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る通信方法は、第1通信回線に接続されるユーザ端末と、前記第1通信回線に接続され、更新されるデータを記憶するデバイスと、第2通信回線に接続され、前記デバイスから送信されてくる前記データを蓄積する蓄積装置とを備え、ファイアウォール装置によって、前記蓄積装置を起点とする前記蓄積装置と前記デバイス及び前記ユーザ端末との通信は遮断される一方、前記ユーザ端末からの要求への応答としての前記蓄積装置から前記ユーザ端末への通信は許容される通信システムにおける通信方法であって、前記デバイスが、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、記憶している前記データを前記蓄積装置に送信する第1ステップと、前記蓄積装置が、前記第1ステップにおいて前記デバイスから送信されてくる前記データを受信して記憶手段に書き込む第2ステップと、前記ユーザ端末が、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記データに基づくデバイス情報を要求する第3ステップと、前記蓄積装置が、前記第3ステップにおいて前記デバイス情報を要求した前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、当該蓄積装置へ前記データを送信することを前記デバイスに要求するデータ送信要求と当該デバイスに割り当てられた通信アドレスとを含む転送要求であって、当該データ送信要求を当該デバイスに転送する処理を要求する転送要求を送信する第4ステップと、前記ユーザ端末が、前記第4ステップにおいて送信されてくる転送要求を受信し、当該転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる前記通信アドレスが割り当てられた前記デバイスに転送する第5ステップと、前記デバイスが、前記ユーザ端末から転送されてくるデータ送信要求を受信すると、自身が記憶している前記データを前記蓄積装置に送信する第6ステップと、前記ユーザ端末が、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記デバイス情報を再度要求する第7ステップと、前記蓄積装置が、前記第6ステップにおいて送信されてくる前記データに基づく前記デバイス情報を、前記第7ステップにおいて前記デバイス情報を再度要求した前記ユーザ端末に対し、当該要求の応答として送信する第8ステップとを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る蓄積装置は、第1通信回線に接続されるユーザ端末と、前記第1通信回線に接続され、更新されるデータを記憶するデバイスと、第2通信回線に接続され、前記デバイスから送信されてくる前記データを蓄積する蓄積装置とを備え、前記ユーザ端末は、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記データに基づくデバイス情報を要求する要求手段と、データ送信要求と前記デバイスに割り当てられた通信アドレスとを含む転送要求であって、前記蓄積装置から送信されてきて、当該データ送信要求を当該デバイスに転送する処理を要求する転送要求を受信し、当該転送要求に含まれる前記データ送信要求を、当該転送要求に含まれる前記通信アドレスが割り当てられた前記デバイスに転送する転送手段とを備え、前記デバイスは、前記第1通信回線に接続され、前記データを記憶する第1記憶手段と、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第1送信手段と、前記転送手段により転送されてくるデータ送信要求を受信すると、前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第2送信手段とを備え、前記第1通信回線と前記第2通信回線とに接続されたファイアウォール装置によって、前記蓄積装置を起点とする前記蓄積装置と前記デバイス及び前記ユーザ端末との通信は遮断される一方、前記ユーザ端末からの要求への応答としての前記蓄積装置から前記ユーザ端末への通信は許容される通信システムにおける前記蓄積装置であって、前記デバイスの前記第1送信手段によって送信されてくる前記データを受信して第2記憶手段に書き込む書込手段と、前記要求手段により前記デバイス情報を要求してくる前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、自装置へ前記データを送信することを前記デバイスに要求するデータ送信要求と当該デバイスに割り当てられた前記通信アドレスとを含む前記転送要求を送信する第1要求送信手段と、前記デバイスの前記第2送信手段によって送信されてくる前記データを受信し、当該データに基づく前記デバイス情報を、前記デバイス情報を要求してきた前記ユーザ端末が当該デバイス情報を再度要求してきたときに、当該要求への応答として当該ユーザ端末に送信するデバイス情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る蓄積装置は、請求項2に記載の構成において、前記通信システムは複数の前記デバイスを備えるものであり、前記書込手段は、複数の前記デバイスの前記第1送信手段によって送信されてくる前記データを受信して前記第2記憶手段にそれぞれ書き込み、前記ユーザ端末の前記要求手段によって前記デバイス情報を要求されると、複数の前記デバイスのうち、前記デバイス情報を要求された時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後に前記データを前記第1送信手段によって送信していない前記デバイスを抽出する抽出手段を備え、前記第1要求送信手段は、前記抽出手段により抽出された前記デバイスに割り当てられた通信アドレスを含む前記転送要求を、前記要求手段により前記デバイス情報を要求してくる前記ユーザ端末に対して当該要求への応答として送信することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る蓄積装置は、請求項2又は3に記載の構成において、前記デバイスの前記第2送信手段によって送信されてくる前記データを受信し、当該データを用いて前記第2記憶手段に記憶されている前記データを更新する更新手段と、前記要求手段により前記デバイス情報を要求してきた前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、前記更新手段より前記データを更新したことをユーザに報知することを要求する報知要求を送信する報知要求送信手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る通信システムは、第1通信回線に接続されるユーザ端末と、前記第1通信回線に接続され、更新されるデータを記憶するデバイスと、第2通信回線に接続され、前記デバイスから送信されてくる前記データを蓄積する蓄積装置とを備え、前記第1通信回線と前記第2通信回線とに接続されたファイアウォール装置によって、前記蓄積装置を起点とする前記蓄積装置と前記デバイス及び前記ユーザ端末との通信は遮断される一方、前記ユーザ端末からの要求への応答としての前記蓄積装置から前記ユーザ端末への通信は許容される通信システムであって、前記デバイスは、前記第1通信回線に接続され、前記データを記憶する第1記憶手段と、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第1送信手段と、前記ユーザ端末から転送されてくるデータ送信要求を受信すると、前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第2送信手段とを備え、前記ユーザ端末は、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記データに基づくデバイス情報を要求する要求手段と、前記蓄積装置へ前記データを送信することを前記デバイスに要求するデータ送信要求と当該デバイスに割り当てられた前記通信アドレスとを含む転送要求であって、前記蓄積装置から送信されてきて当該データ送信要求を当該デバイスに転送する処理を要求する転送要求を受信し、当該転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる通信アドレスが割り当てられた前記デバイスに転送する転送手段とを備え、前記蓄積装置は、前記デバイスの前記第1送信手段によって送信されてくる前記データを受信して第2記憶手段に書き込む書込手段と、前記要求手段により前記デバイス情報を要求してくる前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、前記転送要求を送信する第1要求送信手段と、前記デバイスの前記第2送信手段によって送信されてくる前記データを受信し、当該データに基づく前記デバイス情報を、前記デバイス情報を要求してきた前記ユーザ端末が当該デバイス情報を再度要求してきたときに、当該要求への応答として当該ユーザ端末に送信するデバイス情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る通信システムは、請求項5に記載の構成において、複数の前記デバイスを備え、複数の前記デバイスの前記第1送信手段が前記データをそれぞれ送信し、前記蓄積装置において、前記書込手段が、受信する複数の前記データを前記第2記憶手段にそれぞれ書き込み、前記ユーザ端末の前記要求手段によって前記デバイス情報が要求されると、複数の前記デバイスのうち、前記デバイス情報を要求された時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後に前記データを前記第1送信手段によって送信していない前記デバイスを抽出する抽出手段を備え、前記第1要求送信手段が、前記抽出手段が抽出した前記デバイスに割り当てられた通信アドレスを含む前記転送要求を、前記デバイス情報を要求した前記ユーザ端末に対して、当該要求への応答として送信することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る通信システムは、請求項5又は6に記載の構成において、複数の前記デバイスを備え、複数の前記デバイスの前記第1送信手段が、前記データをそれぞれ送信し、前記蓄積装置の前記書込手段が、前記第1送信手段により送信されてくる複数の前記データを受信して前記第2記憶手段にそれぞれ書き込み、前記ユーザ端末の前記要求手段が、前記蓄積装置に対して複数の前記デバイス情報を送信することを要求し、前記蓄積装置の前記第1要求送信手段が、複数の前記デバイス情報を送信することを要求した前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、自装置へ前記データを送信することを複数の前記デバイスに要求するデータ送信要求と複数の当該デバイスにそれぞれ割り当てられた通信アドレスとを含む転送要求であって、当該データ送信要求を複数の当該デバイスのいずれかに転送する処理を要求する転送要求を送信し、前記ユーザ端末の前記転送手段が、前記第1要求送信手段により送信されてくる転送要求を受信し、当該転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる複数の前記通信アドレスのいずれかが割り当てられた前記デバイスに当該通信アドレスと共に転送し、前記デバイスが、前記ユーザ端末から前記データ送信要求が転送されてきた場合に、共に転送されてきた通信アドレスが複数であれば、当該ユーザ端末に対し、複数の当該通信アドレスから自身に割り当てられた通信アドレスを除いたものを含む前記転送要求を送信する第2要求送信手段を備え、前記ユーザ端末の前記転送手段が、前記第2要求送信手段により送信された転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる前記通信アドレスのいずれかが割り当てられた当該通信アドレスと共に前記デバイスに転送することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係る通信システムは、請求項5ないし7のいずれかに記載の構成において、前記ユーザ端末は、ユーザに報知する報知手段を備え、前記デバイスは、前記データ送信要求を転送してきた前記ユーザ端末に対し、前記第2送信手段により前記データが送信されたことを報知することを要求する報知要求を送信する報知要求送信手段を備え、前記ユーザ端末は、前記報知要求送信手段が、送信された前記報知要求を受信すると、前記報知手段により前記データが送信されたことを前記ユーザに対して報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、2、5に係る発明によれば、ユーザ端末から要求されたデバイス情報の基になるデータを、ファイアウォール装置により外部側を起点とする通信が許容されていないデバイスから取得して、そのデータに基づくデバイス情報をユーザ端末に送信することができる。
請求項3に係る発明によれば、デバイス情報を要求された時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後にデータを送信したデバイスに記憶されているデータを送信させないで済ませることができる。
請求項4に係る発明によれば、報知要求を送信する構成を有しない場合に比べて、ユーザにデータが更新されたことを早く伝えることができる。
請求項6に係る発明によれば、蓄積装置にデバイス情報の要求がされた時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後にデータを送信したデバイスに記憶されているデータを送信させないで済ませることができる。
請求項7に係る発明によれば、リダイレクトという簡易な処理により、ユーザ端末から要求されたデバイス情報の基になるデータを、ファイアウォール装置によりアクセスすることが許容されていない複数のデバイスから取得して、そのデータに基づくデバイス情報をユーザ端末に送信することができる。
請求項8に係る発明によれば、報知要求を受信したユーザ端末がユーザに報知する構成を有しない場合に比べて、ユーザにデータが蓄積装置に対して送信されたことを早く伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】デバイスのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】デバイスデータを更新する処理のシーケンスチャートである。
【図6】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図7】サーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】ユーザ端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図9】デバイスの機能的構成を示すブロック図である。
【図10】変形例に係るデバイスデータを更新する処理のシーケンスチャートである。
【図11】ユーザ端末の表示部に表示されるウェブページの例を示す図である。
【図12】変形例に係る通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
通信システム1は、サーバ装置10、ファイアウォール装置20、デバイス30A、30B、30C(以下、区別しない場合は「デバイス30」という。)、及びユーザ端末40といった通信ノードと、社内LAN(Local Area Network)などのユーザ通信回線L1及びインターネットなどの外部通信回線L2といった通信回線とを備える。ユーザ通信回線L1に接続された通信ノードは、ファイアウォール装置20により、外部通信回線L2からのアクセスや要求などから保護されている。ここでいう保護とは、外部通信回線L2に接続された通信ノードからのアクセスや要求などが、ファイアウォール装置20により遮断されて、ユーザ通信回線L1に接続された通信ノードに到達しないことをいう。また、通信ノードへのアクセスとは、その通信ノードに記憶されているデータを取得することを言い、通信ノードへの要求とは、その通信ノードに対して何らかの処理を要求することを言う。ただし、ファイアウォール装置20は、サーバ装置10が通信ノードに対して特定の方法(例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)レスポンス)で特定の処理(転送の処理)を要求することについては、許容している。その詳細については、後述する。この通信システム1において、外部通信回線L2に接続されたサーバ装置10が、ユーザ通信回線L1に接続されたデバイス30から、これらが使用された実績や履歴を示すデータ(以下「デバイスデータ」という。)を収集し、蓄積する。サーバ装置10は、本発明に係る「蓄積装置」の一例に相当し、デバイスデータは、本発明に係る「データ」の一例に相当する。また、ユーザ通信回線L1は、本発明に係る「第1通信回線」の一例に相当し、外部通信回線L2は、本発明に係る「第2通信回線」の一例に相当する。
【0016】
ファイアウォール装置20は、外部通信回線L2及びユーザ通信回線L1に接続されている。ファイアウォール装置20は、サーバ装置10からユーザ通信回線L1に接続されている通信ノード(デバイス30及びユーザ端末40)に記憶されているデータへのアクセスを遮断している。一方、ファイアウォール装置20は、ユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードからサーバ装置10に対してHTTPリクエストを送信することと、そのHTTPリクエストに応じてサーバ装置10から送信されてくるHTTPレスポンスを、ユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードが受信することとを許容している。つまり、ファイアウォール装置20は、ユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードからサーバ装置10へのHTTPによるアクセスを許容している。また、ファイアウォール装置20は、ユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードからサーバ装置10に対してデータを送信することと、サーバ装置10からユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードに対してHTTPレスポンス(特にHTTP307等のリダイレクト指示)を送信することとを許容している。このHTTP307は、上述した特定の処理、すなわち転送の処理を通信ノードに要求するHTTPレスポンスである。以上を言い換えれば、通信システム1では、ファイアウォール装置20によって、サーバ装置10を起点とするサーバ装置10とデバイス30及びユーザ端末40との通信は遮断される一方、ユーザ端末40からの要求への応答(レスポンス)としてのサーバ装置10からユーザ端末40への通信と、デバイス30及びユーザ端末40からのサーバ装置10への通信とは許容されているということである。ここにおいて、通信とは、アクセス、要求又は送信等を行うことをいう。
【0017】
サーバ装置10は、外部通信回線L2に接続された、いわゆるウェブサーバ装置である。サーバ装置10は、ユーザ通信回線L1及び外部通信回線L2を介してアクセスしてきたユーザ端末40に対して、デバイスデータを含むウェブページを送信する。このウェブページは、詳細には、各デバイスを識別するデバイスID(identification)と、各デバイスIDに対応するデバイスデータが示す実績や履歴又はこれらに基づく情報、例えば今月の実績の累積値とを表にしたものである。この表によって表されている情報は、デバイスデータに基づいて表される各デバイスの情報であり、以下では、「デバイス情報」という。なお、デバイス情報は、デバイスデータに基づくものであれば、他の情報を表すものであってもよい。このウェブページは、前述したようにファイアウォール装置20によって遮断されることなく、ユーザ端末40に到達する。
【0018】
デバイス30は、何らかの処理を行ってユーザに特定の機能を提供する装置であり、例えばプリント、コピー又はファックス等の機能を有する画像形成装置である。上述したデバイスデータは、これらの機能をユーザが使用した実績や履歴(例えば画像形成をした日時、その際の画像形成量及び消費電力の月別の推移等)を示すデータである。デバイス30は、デバイスデータを、予め定められた時間の間隔で(例えば、1日毎や1週間毎に)サーバ装置10に対して送信する。このデバイスデータは、前述したようにファイアウォール装置20によって遮断されることなく、サーバ装置10に到達する。また、デバイス30は、ユーザ端末40に対して、後述するウェブページを送信する。このウェブページの送信は、ユーザ通信回線L1内における通信であるから、ファイアウォール装置20により遮断されることはない。
【0019】
ユーザ端末40は、ユーザが利用するパーソナルコンピュータ等の情報処理端末である。このユーザ端末40は、いわゆるブラウザと呼ばれる情報閲覧プログラムを記憶しており、これを実行することによりサーバ装置10にアクセスし、サーバ装置10からのHTTPレスポンスに含まれるウェブページを表示する。また、ユーザ端末40は、情報閲覧プログラムを実行することにより、デバイス30から送信されてくるウェブページを表示する。
【0020】
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置10は、制御部100と、通信部101と、記憶部102とを有する。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置とROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置とを備える。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって、サーバ装置10の各部の動作を制御する。通信部101は、外部通信回線L2を介してデバイス30やユーザ端末40と通信を行う。記憶部102は、書き込み可能な記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。記憶部102には、制御部100が実行する処理の手順が記述されたプログラム群のほか、サーバ装置10の通信アドレスであるURL(Uniform Resource Locator)と、デバイスデータベース103と、宛先データベース104とが記憶されている。
【0021】
デバイスデータベース103は、デバイス30から送信されたデバイスデータと、そのデバイスデータが記憶部102に書き込まれた時刻と、そのデバイスデータを送信したデバイスのデバイスIDとが対応づけられて記述されたデータベースである。宛先データベース104は、デバイス30に割り当てられた通信アドレスであるURLが記述されたデータベースである。このURLは、ユーザ通信回線L1に接続されている通信ノード(例えばユーザ端末40)がデバイス30にデータを送信するときの宛先になるもの、すなわち、宛先データである。このURLに対しては、外部通信回線L2に接続された通信ノードであるサーバ装置10からはアクセスできないが、ユーザ通信回線L1に接続された通信ノードであるユーザ端末40からはアクセスできる。記憶部102は、本発明に係る「記憶手段」又は「第2記憶手段」の一例に相当する。
【0022】
図3は、デバイス30Aのハードウェア構成を示すブロック図である。デバイス30Aは、制御部300Aと、通信部301Aと、記憶部302Aとを有する。なお、図示は省略しているが、デバイス30Aが前述した画像形成装置である場合には、デバイス30Aは例えば電子写真方式で画像を形成する画像形成部などをさらに備える。制御部300Aは、CPUなどの演算装置とROM及びRAMなどの記憶装置とを備える。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部302Aに記憶されたプログラムを実行することによって、デバイス30Aの各部の動作を制御する。通信部301Aは、ユーザ通信回線L1及び外部通信回線L2を介してサーバ装置10と通信を行い、また、ユーザ通信回線L1を介してユーザ端末40と通信を行う。記憶部302Aは、書き込み可能な記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。記憶部302Aには、制御部300Aが実行する処理の手順が記述されたプログラム群のほか、デバイスデータが記憶されている。デバイスデータは、デバイス30Aにおいて生成されたデバイスデータであり、デバイス30Aが機能を提供する度に更新される。記憶部302Aは、本発明に係る「第1記憶手段」の一例に相当する。デバイス30B、30Cは、デバイス30Aと共通する構成を有する。以下では、各デバイス30の各構成を、それぞれ対応するアルファベット(A、B、C)を末尾に持つ符号を付して説明する。また、各々を区別しない場合は、符号の末尾のアルファベットを省いて説明する。
【0023】
図4は、ユーザ端末40のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末40は、制御部400と、通信部401と、記憶部402と、表示部403とを有する。制御部400は、CPUなどの演算装置とROM及びRAMなどの記憶装置とを備える。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部402に記憶されたプログラムを実行することによって、デバイス30Aの各部の動作を制御する。通信部401は、ユーザ通信回線L1及び外部通信回線L2を介してサーバ装置10と通信を行い、また、ユーザ通信回線L1を介してデバイス30と通信を行う。記憶部402は、書き込み可能な記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。記憶部402には、上述した情報閲覧プログラム等、制御部400が実行する処理の手順が記述されたプログラム群が記憶されている。表示部403は、ディスプレイを備えており、例えばサーバ装置10から取得されたウェブページを表示する。操作部404は、マウス又はキーボード等を備えており、ユーザ端末40を利用するユーザが操作した内容を示す操作データを制御部100に供給する。
【0024】
続いて、通信システム1においてデバイスデータが更新されるときの処理について説明する。
図5は、デバイスデータが更新されるときのシーケンスチャートである。まず、デバイス30A、30B、30Cは、上述した時間の間隔でデバイスデータの送信時期が到来すると、各々が記憶しているデバイスデータをサーバ装置10に対してそれぞれ送信する(ステップS110、S120、S130)。デバイスデータは、ユーザ通信回線L1に接続されている通信ノード(デバイス30)からサーバ装置10に対して送信されるデータであるため、上述のとおりファイアウォール装置20により遮断されない。そして、サーバ装置10は、受信したデバイスデータを、記憶部102に書き込む(ステップS140)。ステップS110からステップS140までの処理は、デバイスデータの送信時期が到来するたびに繰り返し行われる。
【0025】
続いて、ユーザは、最新のデバイス情報を確認したいと考えた場合、ユーザ端末40を操作して、デバイス情報の閲覧を要求する。この操作に応じて、ユーザ端末40は、サーバ装置10に対してHTTPリクエストを送信することで、デバイス情報の送信を要求する(ステップS150)。このHTTPリクエストは、ユーザ通信回線L1に接続されている通信ノード(ユーザ端末40)からサーバ装置10に送信されるものであるため、上述のとおりファイアウォール装置20により遮断されない。
【0026】
また、サーバ装置10は、ステップS150においてユーザ端末40からの要求を受けると、複数のデバイス30のうち、次に述べる条件を満たすデバイスのデバイスIDを抽出する(ステップS160)。その条件は、前回更新されてから予め定められた時間が経過したデバイスデータを抽出するための条件であり、より詳細には、ユーザ端末40からデバイス情報を要求された時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後にデバイスデータを送信していないデバイスであることである。予め定められた時間は、例えば24時間である。この例では、デバイス30B、30Cがこの条件を満たし、デバイスID「002」、「003」が抽出されたと仮定する。
【0027】
サーバ装置10は、上記条件を満たすデバイス30のデバイスIDを抽出すると、これらのデバイスIDに対応するURL(つまりデバイス30B、30CのURL)を宛先データベースから抽出する。そして、サーバ装置10は、自装置に対してデバイスデータを送信することをデバイス30に要求するデータ送信要求と、転送先である抽出したURLとを含めた転送要求を含むHTTPレスポンス(HTTP307)をユーザ端末40に送信する(ステップS170)。このHTTPレスポンスは、サーバ装置10からユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードに対して送信されるものであるため、上述のとおりファイアウォール装置20により遮断されない。
【0028】
ユーザ端末40は、送信されたHTTPレスポンスが含んでいる転送要求に含まれるデータ送信要求を、その転送要求に含まれるURLのうちのいずれか(この例では、デバイス30BのURL)に、このURLと共に転送する(ステップS180)。これらを受け取ったデバイス30Bが実行する処理は、受信したURLが複数であるか否かによって異なる。この例では、デバイス30Bが受信したURLは複数(デバイス30Bと30CのURL)である。この場合、まず、デバイス30Bは、受信したデータ送信要求に応じて、サーバ装置10に、記憶部302に記憶されているデバイスデータを送信する。(ステップS190)。そして、デバイス30Bは、これら複数のURLから自身のURLを除いたものと、データ送信要求とを含めた転送要求を含むHTTPレスポンスを、ユーザ端末40に送信する。(ステップS200)。サーバ装置10は、ステップS190においてデバイス30Bから送信されてくるデバイスデータを受信すると、このデバイスデータを用いて、記憶部102に記憶されたデバイスデータのうち、過去にデバイス30Bから送信されたものを更新する(ステップS210)。
【0029】
続いて、ユーザ端末40は、HTTPレスポンスが含んでいる転送要求に含まれるデータ送信要求を、その転送要求に含まれるURL(この例では、デバイス30CのURL)に、このURLと共に転送する(ステップS220)。デバイス30Cの処理も、受信したURLが複数であるか否かによって異なるが、この例では、デバイス30Cが受信したURLは1つ(デバイス30CのURL)である。この場合、まず、デバイス30Cは、受信したデータ送信要求に応じて、サーバ装置10に、自身が記憶しているデバイスデータを送信する。(ステップS230)。そして、デバイス30Cは、デバイスデータを送信したことを示す、URLが含まれていない情報をユーザ端末40に送信する(ステップS240)。サーバ装置10は、ステップS240においてデバイス30Cから送信されてくるデバイスデータを受信すると、このデバイスデータを用いて、記憶部102に記憶されたデバイスデータのうち、過去にデバイス30Cから送信されたものを更新する(ステップS250)。
【0030】
そして、ユーザ端末40は、ステップS240において受信した情報にURLが含まれていないため、サーバ装置10に対してデバイス情報の送信を再度要求するHTTPリクエストを送信する(ステップS260)。次に、サーバ装置10は、HTTPリクエストをユーザ端末40から受信すると、デバイスデータベース103に記述されているデバイスデータに基づくデバイス情報をユーザ端末40に送信する(ステップS270)。このデバイス情報は、サーバ装置10が送信するHTTPレスポンスに含められたウェブページP10(図6参照)に記述されている。このHTTPレスポンスは、サーバ装置10からユーザ端末40に送信されるものであるため、上述のとおりファイアウォール装置20により遮断されることなくユーザ端末40により受信される。そして、ユーザ端末40は、受信したHTTPレスポンスに含まれ、各デバイスデータに基づくデバイス情報が記述されたウェブページP10を表示部403に表示する(ステップS280)。ステップS280において表示されるウェブページP10(図6参照)には、ステップS210、S250において更新されたデバイスデータに基づくデバイス情報が記載されている。これにより、ユーザ端末40の表示部403には、いずれも24時間以内に更新されたデバイスデータに基づくデバイス情報が表示される。
【0031】
図6を用いて、上記の処理においてユーザ端末40の表示部403に表示される画像の例を説明する。図6(a)は、ウェブページP10へのショートカットを表す画像G1を示している。画像G1は、「ウェブページP10へのショートカット」という文字列を含む画像であり、表示部403に表示される。ユーザが操作部404を用いて画像G1を選択すると、制御部400によりステップS150の処理が実行される、すなわち、ユーザ端末40からサーバ装置10に対して(デバイス情報が記述された)ウェブページP10の送信が要求される。
【0032】
図6(b)は、ステップS280においてユーザ端末40に表示されるウェブページP10を示している。ウェブページP10には、表H1が記載されている。表H1の各列には、「デバイスID」、「今月の画像形成量」、「今月の消費電力」という項目がそれぞれ表されている。「デバイスID」の列には、図1に示すデバイス30A、30B、30CのそれぞれのデバイスID「001」、「002」、「003」が表されている。「今月の画像形成量」の列には、各デバイスによりその月に画像が形成された用紙の枚数が表されている。「今月の消費電力」の列には、その月のデバイス毎の消費電力(kWh)が表されている。例えば「デバイスID」が「001」の行では、「2000枚」、「50kWh」と各列に表されている。また、デバイスID「002」の行では、「2500枚」、「65kWh」と表され、デバイスID「003」の行では、「1500枚」、「35kWh」と表されている。これらのデバイス情報の基となるデバイスデータは、図6(a)に示す時点では、デバイスデータベース103には記述されていなかったが、画像G1が選択され、図5に示すステップS150からステップS250までの処理が実行されたことで、デバイスデータベース103に記述されたものである。つまり、これらの処理が実行されたことで、デバイスデータが更新されたということになる。そして、デバイスデータが更新された後、すなわちステップS260においてユーザ端末40からウェブページP10の送信が再度要求されることにより、更新されたデバイスデータを反映したデバイス情報、すなわち表H1がユーザ端末40に表示されて、更新されたデバイス情報がユーザに伝えられる。
【0033】
次に、制御部100、300、400がプログラムをそれぞれ実行したときに実現される機能について、図7、図8、図9を参照して説明する。
図7は、制御部100の機能的構成を示すブロック図である。制御部100は、プログラムを実行することで、書込部111と、抽出部112と、第1要求送信部113と、更新部114と、デバイス情報送信部115とを実現する。書込部111は、各デバイス30から送信されてくるデバイスデータを受信して記憶部102にそれぞれ書き込む。抽出部112は、ユーザ端末40からデバイス情報を要求されると、複数のデバイス30のうち、上述したステップS160において用いられる条件を満たすデバイス30のデバイスIDを抽出する。第1要求送信部113は、デバイス情報を要求してくるユーザ端末40に対し、自装置へデバイスデータを送信することをデバイス30に要求するデータ送信要求をデバイス30に転送する処理を要求する転送要求を送信する。この転送要求には、抽出部112により抽出されたデバイスIDにより識別されるデバイス30に割り当てられたURLが含まれている。更新部114は、デバイス30から送信されてくるデバイスデータを受信し、このデバイスデータを用いて、デバイスデータベース103に記述されているデバイスデータを更新する。デバイス情報送信部115は、第1要求送信部113から転送要求が送信された後に、更新部114によってデバイスデータが更新された場合に、デバイス情報を要求してきたユーザ端末40に対して、更新されたデバイスデータに基づくデバイス情報を送信する。書込部111、抽出部112、第1要求送信部113、更新部114、デバイス情報送信部115は、本発明に係る「書込手段」、「抽出手段」、「第1要求送信手段」、「更新手段」、「デバイス情報送信手段」の一例にそれぞれ相当する。
【0034】
図8は、制御部400の機能的構成を示すブロック図である。制御部400は、プログラムを実行することで、要求部411と、転送部412と、表示制御部413とを実現する。要求部411は、ユーザ通信回線L1及び外部通信回線L2を介して、サーバ装置10に対してデバイス情報を要求する。転送部412は、サーバ装置10から送信されてくるデータ送信要求及びURLを含めた転送要求を受信し、受信した転送要求に含まれるデータ送信要求を、その転送要求に含まれるURLを用いてデバイス30に転送する。表示制御部413は、サーバ装置10からウェブページを含むHTTPレスポンスが送信されると、表示部403を制御してこのウェブページ(図6(b)に示すウェブページP10がその一例)を表示させる。要求部411は、本発明に係る「要求手段」の一例に相当し、転送部412は、本発明に係る「転送手段」の一例に相当する。
【0035】
図9は、制御部300の機能的構成を示すブロック図である。制御部300は、プログラムを実行することで、第1送信部311と、第2送信部312と、第3送信部313と、第2要求送信部314とを実現する。第1送信部311は、ユーザ通信回線L1及び外部通信回線L2を介して記憶部302に記憶されているデバイスデータをサーバ装置10に送信する。第2送信部312は、ユーザ端末40から転送されてくるデータ送信要求を受信すると、自身が記憶しているデバイスデータをサーバ装置10に送信する。そして、第2送信部312は、デバイスデータをサーバ装置10に送信したことを示すデータを第3送信部313に供給する。第2要求送信部314は、ユーザ端末40からデータ送信要求とURLとが転送されてきた場合に、そのURLが複数であれば、ユーザ端末40に対し、データ送信要求の転送要求であって、これら複数のURLから自身に割り当てられたURLを除いたものを含む転送要求を送信する。第3送信部313は、ユーザ端末40からデータ送信要求とURLとが転送されてきた場合に、そのURLが1つであれば、第2送信部312がデバイスデータを送信した後に、ユーザ端末40に対し、デバイスデータを送信したことを示す情報を送信する。第1送信部311は、本発明に係る「第1送信手段」の一例に相当し、第2送信部312は、本発明に係る「第2送信手段」の一例に相当する。また、「第3送信部313」は、本発明に係る「報知要求送信手段」の一例に相当し、第2要求送信部314は、本発明に係る「第2要求送信手段」の一例に相当する。
【0036】
以上の実施形態によれば、サーバ装置10において、ユーザ端末40から要求されたデバイス情報の基になるデータが、ファイアウォール装置20によりアクセスすることが許容されていないデバイス30から取得されて、そのデータに基づくデバイス情報がユーザ端末40に送信される。また、サーバ装置10が上述した条件で抽出したデバイスIDのデバイスに対してデバイスデータの送信を要求することにより、サーバ装置10がデバイスデータを要求された時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後にデバイスデータを送信していたデバイス30(本実施形態ではデバイス30A)に記憶されているデバイスデータが送信されずに済む。
【0037】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように種々の応用・変形が可能であり、また、必要に応じて組み合わせることも可能である。
【0038】
(変形例1)
第1要求送信部113として機能する制御部100は、HTTPレスポンス(HTTP307)という手段を用いて、データ送信要求をデバイス30に転送する処理の要求(転送要求)をユーザ端末40に送信し、ユーザ端末40からデバイス30に転送させていたが、このとき用いる具体的手段はこれに限らない。例えば、制御部100は、ユーザ端末40に対して、データ送信要求を含むスクリプトを送信し、このスクリプトをユーザ端末40に実行させることで、このデータ送信要求に含まれるURLが割り当てられたデバイス30にユーザ端末40からデータ送信要求を転送させるようにしてもよい。制御部100は、このスクリプトを、例えば、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)等の技術を用いて送信すればよい。この場合、通信システム1においては、ファイアウォール装置20によって、サーバ装置10からユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードに対してスクリプトを送信することが許容されていればよい。このスクリプト及び上述した実施形態に係るHTTPレスポンスは、サーバ装置10からユーザ端末40に対する転送要求に相当する。つまり、通信システム1においては、ファイアウォール装置20によって、サーバ装置10からユーザ通信回線L1に接続されている通信ノードに対する転送要求の送信が許容されていればよい。本変形例に係る通信システム1の動作について、図10、図11を参照しながら説明する。
【0039】
図10は、本変形例に係るデバイスデータを更新する処理のシーケンスチャートである。図10では、ステップS160までは、図5に示す処理と共通する。サーバ装置10へデバイスデータを送信することをデバイス30に要求するデータ送信要求と、ステップS160において抽出されたデバイスIDにより識別されるデバイス30(30B、30C)に割り当てられたURLを転送先として含んだスクリプトを有するウェブページP10をユーザ端末40に送信する(ステップS400)。ユーザ端末40は、ステップS400において送信されてきたウェブページP10を表示する(ステップS410)。
【0040】
図11は、図10に示す処理において、ユーザ端末40の表示部403に表示されるウェブページP10の例を示す図である。図11(a)は、ステップS410において表示されるウェブページP10を示している。ウェブページP10には、表H2が記載されている。表H2の各列には、図6に示す表H1と共通する「デバイスID」、「今月の画像形成量」、「今月の消費電力」という項目と、それらに加え、「24時間以内の更新状況」という項目がそれぞれ表されている。「24時間以内の更新状況」の列には、デバイスデータがステップS160にて用いた条件を満たすか否かという結果に応じた文字列、すなわち、24時間以上前に更新されたデバイスデータであれば「未更新(更新中)」という文字列が、24時間以内に更新されたデバイスデータであれば「更新済み」という文字列が表されている。例えば「デバイスID」が「001」の行では、「2000枚」、「50kWh」、「更新済み」と各列に表されている。また、デバイスID「002」の行では、「800枚」、「20kWh」、「未更新(更新中)」と表され、デバイスID「003」の行では、「1000枚」、「30kWh」、「未更新(更新中)」と表されている。表H2では、ステップS150においてウェブページP10の送信が要求された時点においてデバイスデータベース103に記述されているデバイスデータが表されているため、24時間以内に更新されたデバイスデータ及びそうでないデバイスデータの両方が表されている。
【0041】
続いて、ユーザ端末40は、ステップS400において送信されてきたスクリプトを実行することにより、共に送信されてきた各URLが割り当てられたデバイスに対して、データ送信要求をそれぞれ転送する(ステップS420、S430)。デバイス30B、30Cは、データ送信要求をそれぞれ受信すると、デバイスデータをサーバ装置10にそれぞれ送信する(ステップS440、S450)。そして、デバイス30B、30Cは、デバイスデータの送信が完了したことを示す情報(以下「完了情報」という。)をユーザ端末40にそれぞれ送信する(ステップS460、S470)。サーバ装置10は、各デバイス30から送信されたデバイスデータを受信すると、それらのデバイスデータを用いて、各デバイス30が前回送信してきたデバイスデータをそれぞれ更新する(ステップS480)。ユーザ端末40は、ステップS460、S470において送信されてきた完了情報を受信すると、図5に示すステップS260の処理を実行し、その後は、ステップS270、S280の処理が実行される。なお、ユーザ端末40は、ステップS260の処理を、データ送信要求を転送したいずれのデバイス(この場合はデバイス30B、30C)からも完了情報を受信したときに行ってもよいし、これらの完了情報を受信する度に行ってもよい。
【0042】
図11(b)は、ステップS280において表示部403に表示されるウェブページP10を示している。ウェブページP10には、表H3が記載されている。表H3に表されているデバイス情報は、表H2に表された内容に比べて、「画像形成量」、「消費電力」がそれぞれ増加し、「24時間以内の更新状況」が「未更新(更新中)」であったものが「更新済み」に変化している。これらのデバイス情報の基となるデバイスデータは、ステップS170の時点では、デバイスデータベース103には記述されていなかったが、画像G1が選択され、図10に示すステップS150からステップS480までの処理が実行されたことで、デバイスデータベース103に記述されたものである。つまり、これらの処理が実行されたことで、デバイスデータが更新されたということになる。そして、デバイスデータが更新された後にユーザ端末40からデバイス情報を要求されることにより、更新されたデバイスデータを反映したデバイス情報、すなわち表H3がユーザ端末40に表示されて、更新されたデバイス情報がユーザに伝えられる。
以上のとおり、本変形例に係る通信システムにおいては、ユーザ端末40が、スクリプトを実行することにより、複数のデバイス30にデータ送信要求を並行してそれぞれ転送するため、上述した実施形態に係る通信システムに比べてデバイスデータが更新されるまでに要する時間が短縮されやすい。
【0043】
(変形例2)
ユーザ通信回線L1は、1つに限らない。例えば、複数のユーザ通信回線L1のいずれかに接続されたユーザ端末からデバイス情報の送信を要求された場合は、サーバ装置10は、このユーザ端末が接続されたユーザ通信回線L1に接続されたデバイスのデバイスデータに基づくデバイス情報を送信することになる。
【0044】
図12は、本変形例に係る通信システム1eの全体構成を示すブロック図である。図12では、図1と相違する点を中心に説明する。通信システム1eは、外部通信回線L2とそれぞれ接続するユーザ通信回線L1f、L1g、L1hを備える。ユーザ通信回線L1fには、ファイアウォール装置20fと、デバイス30fと、ユーザ端末40fとが接続されている。ユーザ通信回線L1g、L1hにそれぞれ接続されている通信ノードも、ユーザ通信回線L1fに接続されている通信ノードと共通であり、図9では、末尾の符号をfの代わりにg、hとして示している。この場合、サーバ装置10は、デバイスデータベース103に、これらのユーザ通信回線L1を識別する通信回線IDを、前述のデバイスIDと、これらのユーザ端末を識別するユーザIDとに対応付けて記述しておけばよい。例えば、ユーザ端末40gからデバイス情報の送信を要求された場合は、制御部100は、ユーザ端末40gと共通する通信回線IDに対応付けられたデバイス30gのデバイスデータに基づくデバイス情報をユーザ端末40gに対して送信すればよい。また、制御部100は、このデバイスデータが24時間以内に更新されたものでなければ、ユーザ端末40gにデータ送信要求とデバイス30gのURLとを送信して、上述のとおりデバイスデータを更新すればよい。要するに、制御部100は、デバイス情報の送信をユーザ端末から要求された場合、接続するユーザ通信回線L1がそのユーザ端末と共通するデバイスのデバイスデータに基づくデバイス情報を送信すればよい。これにより、ユーザ通信回線L1が複数ある場合であっても、デバイス情報の送信を要求してきたユーザ端末が利用可能なデバイスのデバイスデータに基づくデバイス情報が送信される。
【0045】
(変形例3)
サーバ装置10は、ステップS160においてデバイスIDを抽出せずに、宛先データベース104に記述されているURLを、データ送信要求と共にステップS170において送信してもよい。これにより、例えば、上述した実施形態に係る通信システム1であれば、いずれのデバイス情報もステップS150においてデバイス情報が要求された後に更新されたデバイスデータに基づくものが送信される。また、前述の変形例2に係る通信システム1eにおいては、ユーザ通信回線L1f、L1g、L1hのそれぞれに対応して動作するサーバ装置10(つまり3台のサーバ装置10)を設けてもよい。これにより、各サーバ装置10がデバイスIDを抽出することなく、デバイス情報の送信を要求してきたユーザ端末40と共通するユーザ通信回線L1に接続されたデバイス30のデバイスデータが更新される。
【0046】
(変形例4)
上述した実施形態では、ユーザ端末40は、デバイスデータが送信されたか否かを、表示部403にウェブページを表示することでユーザに報知したが、ユーザに報知する方法はこれに限らない。例えば、ユーザ端末40のディスプレイにポップアップさせてもよいし、ユーザ端末40にスピーカを設けてそこから放音させてもよい。要するに、ユーザ端末40は、デバイスデータが送信されたか否かを、又は、デバイスデータが更新されたか否かをユーザに報知するものであってもよい。表示部403及びスピーカは、本発明に係る「報知手段」の一例にそれぞれ相当する。
【0047】
(変形例5)
本発明に係る通信システムにおいては、上述した実施形態では、ユーザ端末40に対してデバイスデータが送信されたことを示す情報をデバイス30が送信したが、これをサーバ装置10がユーザ端末40に送信してもよい。例えば、データ送信部115として機能する制御部100は、図5に示すステップS210においてデバイス30Bのデバイスデータを更新した後に、デバイス30Bのデバイスデータを更新したことを示す情報をユーザ端末40に送信する。また、制御部100は、図5に示すステップS250においてデバイス30Cのデバイスデータを更新した後に、デバイス30Cのデバイスデータを更新したことを示す情報をユーザ端末40に送信する。この場合に、ユーザ端末40は、例えば変形例4に示す報知手段によってユーザにデバイスデータが更新されたか否かを報知してもよい。これにより、ユーザ端末40を利用するユーザによって、デバイスデータが更新されたことが把握される。本変形例に係るデータ送信部115は、デバイスデータが更新されたことをユーザに報知することを要求する報知要求を送信する手段として機能し、本発明に係る「報知要求送信手段」の一例に相当する。
【0048】
(変形例6)
サーバ装置10は、上述した実施形態では、ステップS170において、デバイス30に割り当てられたURLをユーザ端末40にまとめて送信したが、デバイス30毎に別々に送信してもよい。この場合、ステップS180におけるデータ送信要求を転送する処理もユーザ端末40によってデバイス30毎に別々に実行される。これにより、サーバ装置10から送信される1つのHTTPレスポンスに含まれるURLが1つとなり、複数のURLが含まれている場合に比べて、このHTTPレスポンスの内容が漏洩したときの影響が少なくなる、すなわち、漏洩のリスクが軽減される。
【0049】
(変形例7)
上述した実施形態では、デバイス30にはいわゆるプライベートアドレスであるURLが割り当てられていたが、これに限らず、例えば、IP(Internet Protocol)アドレスであってもよいし、ユーザ通信回線L1においてDNS(Domain Name System)が利用可能であれば、ドメイン名やホスト名であってもよい。要するに、ユーザ通信回線L1に接続された装置がデバイス30にデータを送信する際の宛先(アドレス)となるものであればよい。URL、IPアドレス又はドメイン名等は、本発明に係る「通信アドレス」の一例にそれぞれ相当する。
【0050】
(変形例8)
本発明は、蓄積装置(上述した実施形態又は変形例に係る「サーバ装置」)やこれを含む通信システム以外にも、これらを実現するための方法としても把握されるものである。また、本発明は、コンピュータを蓄積装置として機能させるためのプログラムとしても特定され得るものである。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…通信システム、10…サーバ装置、20…ファイアウォール装置、30…デバイス、40…ユーザ端末、100、300、400…制御部、101、301、401…通信部、102、302、402…記憶部、103…デバイスデータベース、104…宛先データベース、111…書込部、112…抽出部、113…第1要求送信部、114…更新部、115…デバイス情報送信部、311…第1送信部、312…第2送信部、313…第3送信部、314…第2要求送信部、403…表示部、404…操作部、411…要求部、412…転送部、413…表示制御部、L1…ユーザ通信回線、L2…外部通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信回線に接続されるユーザ端末と、前記第1通信回線に接続され、更新されるデータを記憶するデバイスと、第2通信回線に接続され、前記デバイスから送信されてくる前記データを蓄積する蓄積装置とを備え、ファイアウォール装置によって、前記蓄積装置を起点とする前記蓄積装置と前記デバイス及び前記ユーザ端末との通信は遮断される一方、前記ユーザ端末からの要求への応答としての前記蓄積装置から前記ユーザ端末への通信は許容される通信システムにおける通信方法であって、
前記デバイスが、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、記憶している前記データを前記蓄積装置に送信する第1ステップと、
前記蓄積装置が、前記第1ステップにおいて前記デバイスから送信されてくる前記データを受信して記憶手段に書き込む第2ステップと、
前記ユーザ端末が、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記データに基づくデバイス情報を要求する第3ステップと、
前記蓄積装置が、前記第3ステップにおいて前記デバイス情報を要求した前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、当該蓄積装置へ前記データを送信することを前記デバイスに要求するデータ送信要求と当該デバイスに割り当てられた通信アドレスとを含む転送要求であって、当該データ送信要求を当該デバイスに転送する処理を要求する転送要求を送信する第4ステップと、
前記ユーザ端末が、前記第4ステップにおいて送信されてくる転送要求を受信し、当該転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる前記通信アドレスが割り当てられた前記デバイスに転送する第5ステップと、
前記デバイスが、前記ユーザ端末から転送されてくるデータ送信要求を受信すると、自身が記憶している前記データを前記蓄積装置に送信する第6ステップと、
前記ユーザ端末が、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記デバイス情報を再度要求する第7ステップと、
前記蓄積装置が、前記第6ステップにおいて送信されてくる前記データに基づく前記デバイス情報を、前記第7ステップにおいて前記デバイス情報を再度要求した前記ユーザ端末に対し、当該要求の応答として送信する第8ステップと
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項2】
第1通信回線に接続されるユーザ端末と、前記第1通信回線に接続され、更新されるデータを記憶するデバイスと、第2通信回線に接続され、前記デバイスから送信されてくる前記データを蓄積する蓄積装置とを備え、
前記ユーザ端末は、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記データに基づくデバイス情報を要求する要求手段と、データ送信要求と前記デバイスに割り当てられた通信アドレスとを含む転送要求であって、前記蓄積装置から送信されてきて、当該データ送信要求を当該デバイスに転送する処理を要求する転送要求を受信し、当該転送要求に含まれる前記データ送信要求を、当該転送要求に含まれる前記通信アドレスが割り当てられた前記デバイスに転送する転送手段とを備え、
前記デバイスは、前記第1通信回線に接続され、前記データを記憶する第1記憶手段と、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第1送信手段と、前記転送手段により転送されてくるデータ送信要求を受信すると、前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第2送信手段とを備え、
前記第1通信回線と前記第2通信回線とに接続されたファイアウォール装置によって、前記蓄積装置を起点とする前記蓄積装置と前記デバイス及び前記ユーザ端末との通信は遮断される一方、前記ユーザ端末からの要求への応答としての前記蓄積装置から前記ユーザ端末への通信は許容される通信システム
における前記蓄積装置であって、
前記デバイスの前記第1送信手段によって送信されてくる前記データを受信して第2記憶手段に書き込む書込手段と、
前記要求手段により前記デバイス情報を要求してくる前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、自装置へ前記データを送信することを前記デバイスに要求するデータ送信要求と当該デバイスに割り当てられた前記通信アドレスとを含む前記転送要求を送信する第1要求送信手段と、
前記デバイスの前記第2送信手段によって送信されてくる前記データを受信し、当該データに基づく前記デバイス情報を、前記デバイス情報を要求してきた前記ユーザ端末が当該デバイス情報を再度要求してきたときに、当該要求への応答として当該ユーザ端末に送信するデバイス情報送信手段と
を備えることを特徴とする蓄積装置。
【請求項3】
前記通信システムは複数の前記デバイスを備えるものであり、
前記書込手段は、複数の前記デバイスの前記第1送信手段によって送信されてくる前記データを受信して前記第2記憶手段にそれぞれ書き込み、
前記ユーザ端末の前記要求手段によって前記デバイス情報を要求されると、複数の前記デバイスのうち、前記デバイス情報を要求された時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後に前記データを前記第1送信手段によって送信していない前記デバイスを抽出する抽出手段を備え、
前記第1要求送信手段は、前記抽出手段により抽出された前記デバイスに割り当てられた通信アドレスを含む前記転送要求を、前記要求手段により前記デバイス情報を要求してくる前記ユーザ端末に対して当該要求への応答として送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の蓄積装置。
【請求項4】
前記デバイスの前記第2送信手段によって送信されてくる前記データを受信し、当該データを用いて前記第2記憶手段に記憶されている前記データを更新する更新手段と、
前記要求手段により前記デバイス情報を要求してきた前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、前記更新手段より前記データを更新したことをユーザに報知することを要求する報知要求を送信する報知要求送信手段とを備える
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の蓄積装置。
【請求項5】
第1通信回線に接続されるユーザ端末と、前記第1通信回線に接続され、更新されるデータを記憶するデバイスと、第2通信回線に接続され、前記デバイスから送信されてくる前記データを蓄積する蓄積装置とを備え、
前記第1通信回線と前記第2通信回線とに接続されたファイアウォール装置によって、前記蓄積装置を起点とする前記蓄積装置と前記デバイス及び前記ユーザ端末との通信は遮断される一方、前記ユーザ端末からの要求への応答としての前記蓄積装置から前記ユーザ端末への通信は許容される通信システムであって、
前記デバイスは、
前記第1通信回線に接続され、前記データを記憶する第1記憶手段と、前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第1送信手段と、前記ユーザ端末から転送されてくるデータ送信要求を受信すると、前記第1記憶手段に記憶されているデータを前記蓄積装置に送信する第2送信手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記第1通信回線及び前記第2通信回線を介して、前記蓄積装置に対して前記データに基づくデバイス情報を要求する要求手段と、前記蓄積装置へ前記データを送信することを前記デバイスに要求するデータ送信要求と当該デバイスに割り当てられた前記通信アドレスとを含む転送要求であって、前記蓄積装置から送信されてきて当該データ送信要求を当該デバイスに転送する処理を要求する転送要求を受信し、当該転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる通信アドレスが割り当てられた前記デバイスに転送する転送手段とを備え、
前記蓄積装置は、
前記デバイスの前記第1送信手段によって送信されてくる前記データを受信して第2記憶手段に書き込む書込手段と、前記要求手段により前記デバイス情報を要求してくる前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、前記転送要求を送信する第1要求送信手段と、前記デバイスの前記第2送信手段によって送信されてくる前記データを受信し、当該データに基づく前記デバイス情報を、前記デバイス情報を要求してきた前記ユーザ端末が当該デバイス情報を再度要求してきたときに、当該要求への応答として当該ユーザ端末に送信するデバイス情報送信手段とを備える
ことを特徴とする通信システム。
【請求項6】
複数の前記デバイスを備え、
複数の前記デバイスの前記第1送信手段が前記データをそれぞれ送信し、
前記蓄積装置において、
前記書込手段が、受信する複数の前記データを前記第2記憶手段にそれぞれ書き込み、
前記ユーザ端末の前記要求手段によって前記デバイス情報が要求されると、複数の前記デバイスのうち、前記デバイス情報を要求された時刻から予め定められた時間以上前の時刻から後に前記データを前記第1送信手段によって送信していない前記デバイスを抽出する抽出手段を備え、
前記第1要求送信手段が、前記抽出手段が抽出した前記デバイスに割り当てられた通信アドレスを含む前記転送要求を、前記デバイス情報を要求した前記ユーザ端末に対して、当該要求への応答として送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
複数の前記デバイスを備え、
複数の前記デバイスの前記第1送信手段が、前記データをそれぞれ送信し、
前記蓄積装置の前記書込手段が、前記第1送信手段により送信されてくる複数の前記データを受信して前記第2記憶手段にそれぞれ書き込み、
前記ユーザ端末の前記要求手段が、前記蓄積装置に対して複数の前記デバイス情報を送信することを要求し、
前記蓄積装置の前記第1要求送信手段が、複数の前記デバイス情報を送信することを要求した前記ユーザ端末に対し、当該要求への応答として、自装置へ前記データを送信することを複数の前記デバイスに要求するデータ送信要求と複数の当該デバイスにそれぞれ割り当てられた通信アドレスとを含む転送要求であって、当該データ送信要求を複数の当該デバイスのいずれかに転送する処理を要求する転送要求を送信し、
前記ユーザ端末の前記転送手段が、前記第1要求送信手段により送信されてくる転送要求を受信し、当該転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる複数の前記通信アドレスのいずれかが割り当てられた前記デバイスに当該通信アドレスと共に転送し、
前記デバイスが、前記ユーザ端末から前記データ送信要求が転送されてきた場合に、共に転送されてきた通信アドレスが複数であれば、当該ユーザ端末に対し、複数の当該通信アドレスから自身に割り当てられた通信アドレスを除いたものを含む前記転送要求を送信する第2要求送信手段を備え、
前記ユーザ端末の前記転送手段が、前記第2要求送信手段により送信された転送要求に含まれるデータ送信要求を、当該転送要求に含まれる前記通信アドレスのいずれかが割り当てられた当該通信アドレスと共に前記デバイスに転送する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記ユーザ端末は、ユーザに報知する報知手段を備え、
前記デバイスは、前記データ送信要求を転送してきた前記ユーザ端末に対し、前記第2送信手段により前記データが送信されたことを報知することを要求する報知要求を送信する報知要求送信手段を備え、
前記ユーザ端末は、前記報知要求送信手段が、送信された前記報知要求を受信すると、前記報知手段により前記データが送信されたことを前記ユーザに対して報知する
ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−248112(P2012−248112A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120983(P2011−120983)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】