説明

通信方法、通信システム、および基地局

【課題】圧縮モード通信を改善する。
【解決手段】圧縮フレームが、第1部分と、第2部分と、第1部分と第2部分の間の分離スロットとを有するように構成し、第1部分に割り当てたユーザ装置数と第2部分に割り当てたユーザ装置数とを判断し、第1部分と第2部分のうち、割り当てたユーザ装置数が少ない方に、新しいユーザ装置を割り当てる。この圧縮モード通信の方法により、ユーザ装置は、1つの通信ネットワークにおいて通信しつつ、他の通信ネットワークの評価が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム式信号方式に関し、特に、圧縮モード動作を利用して信号をフレーム化する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代無線移動体ユーザ装置は、例えば、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)ネットワーク等の3G(第3世代)ネットワーク、及び移動体通信(GSM)ネットワーク用のグローバルシステム等の2Gネットワークを介した通信をサポートすることによって双方向無線接続技術をサポートする。このようなユーザ装置は、サービス提供セル及び隣接セルの信号強度,干渉,並びに同期に関する多数の無線周波数領域の情報を取得し維持する必要がある。ユーザ装置がサービス提供セルと専用通信を行わないモードであるアイドルモードにおいて、このようなユーザ装置が動作している場合、このような手順の実施は単純明快である。
【0003】
しかしながら,ユーザ装置が一方のネットワーク又は領域のサービス提供セル上で専用通信を行い、トラフィックチャネルを介して信号を送受信する必要がある場合、装置によってサポートされる他方のネットワーク又は領域の測定又は同期化を行うのに利用可能な時間が不足することがある。例えば、ユーザ装置が、周波数分割二重化(FDD)を用いて、全地球無線接続領域上でサービス提供セルと専用通信を行っている場合、ユーザ装置は、利用可能な各フレーム期間中、送信しなければならない。これによって、GSMネットワークのセルの測定や同期化を行うために利用可能な時間が、実際上ゼロになる。
【0004】
この問題を解決するために、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)規格第25.212節は、「圧縮モード」動作を指定しているが、この動作時、移動体ユーザ装置又はネットワークは、フレームの他部分の間、測定及び/又は同期化を可能にするために、フレームの一部分の間だけ送信してよい。しかしながら,この規格によれば、より小さな拡散係数を用いて送信を行う必要があり、これによって、適切なビット誤り率(BER)を実現するために3dB大きい送信パワーが必要になる。従って、規定された方法は、圧縮モードで動作するデバイスの数が、必要なパワーの増大によって制限されるため、セルの容量に重大な影響を及ぼす。3GPP規格には、1つの領域で伝達される送信信号の継続時間を低減し、これによって送信間隙を生成して、移動体端末が、他の領域で受信し、また、測定及び/又は同期化アクティビティを実施できるようにする3つの方法が述べられている。パンクチュアリングによって、データの冗長性が除去され圧縮フレームがより短時間の期間内に送信可能になる。この手法では、誤り補正能力を犠牲にして、送信し得るデータが多くなる。第2の手法は、拡散係数低減であり、これによって、拡散係数が2分の1に低減され、これによって、所定量のデータを送信するのに必要な時間が半分になる。しかしながら,このような低減は処理利得を犠牲にし、このことは、アップリンク及びダウンリンク双方に当てはまる。信号長を低減する第3の方法は上位層スケジューリングである。これら3つの方法は圧縮モード動作の例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第99/49609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
必要なことは、圧縮モード通信の改善である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様々な側面、特徴及び利点は、後述する添付の図面と共に以下の詳細な説明か
らより完全に明らかになる。
補完的な圧縮モードの方法及び装置によって、1つの通信ネットワークで通信を行いつつ、他の通信ネットワークの評価が容易になる。ユーザ装置デバイス(108,110)は、圧縮モード動作時、フレームの異なる部分に割り当てられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】重なり合うネットワーク又は領域が異なるセルラ通信システムの概略図。
【図2】ユーザ装置及び4つの基地局を示すブロック図形態による回線の概略図。
【図3】圧縮モードフレーム配分を示す図。
【図4】改善された圧縮モードフレーム配分を示す図。
【図5】圧縮モードで動作可能なユーザ装置を示す図。
【図6】圧縮モードで動作可能な基地局を示す図。
【図7】ユーザ装置と基地局との間の信号フローを示す図。
【図8】他の改善された圧縮モードフレーム配分を示す図。
【図9】フレームの一部を割り当てて圧縮モード通信を行う基地局の動作を示すフロー図。
【図10】フレームの一部を割り当てて圧縮モード通信を行う基地局の他の動作を示すフロー図。
【図11】フレームの一部を配分して圧縮モード通信を行うユーザ装置及び基地局の動作を示すフロー図。
【図12】フレームの一部を配分して圧縮モード通信を行うユーザデバイス及び基地局の他の動作を示すフロー図。
【図13】圧縮モードフレーム配分の他の実施形態を示す図。
【図14】圧縮モードパターンを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図示したセルラ通信システム100(図1)は、複数のセル101(この内の一部のみ付番)を網羅する第1通信ネットワーク102を含む。一例として,各セルは、基地局のサービスエリアを表すとみなし得る。第1ネットワークは、例えば、UTRAネットワークであってよく、また、特に、UTRA_FDD又はUTRA時分割二重化(TDD)ネットワークのいずれかであってよい。また、通信システム100は、各セルが基地局のサービスエリアを表す複数のセル103(この内の一部のみ付番)を網羅する第2通信ネットワーク104を含む。第2ネットワークは、例えば、移動体通信(GSM)用のグローバルシステム、又は第2世代(2G)符号分割多元接続(CDMA)ネットワークであってよい。セルラ通信システム100は、追加の又は他の通信ネットワークが、GSM,CDMA,広帯域符号分割多元接続(WCDMA),時分割多元接続(TDMA),一般パケット無線システム(GPRS),グローバル展開用拡張データ(EDGE)等、いずれか既知の無線通信システム規格プロトコルに従って動作する限り、これらの通信ネットワークを含み得る。ユーザ装置108又はユーザ装置デバイスは、セルラ無線電話,携帯情報端末,モデム,付属品等であってよく、シングルモード又はマルチモード動作のいずれかをサポートし、また、従って、1つ又は複数の通信プロトコル及び/又は1つ又は複数の周波数帯域で動作し得る。
【0010】
ユーザ装置108は、送受信装置204(図2)及び制御装置205を含む。一般的に,送受信装置204によって、ユーザ装置は、セル101’の基地局200、セル101”の基地局230、セル103”の基地局210,及びセル103’の基地局220等の基地局と無線通信リンクを確立し得る。各基地局は、無線通信用の送受信装置206,212,222,232、及び基地局の動作を制御し、移動体交換局240との通信リンクを確立するための制御装置208,214,224,234を含む。移動体基地局(例えば、200,210,220,230)及び移動体交換局240は、無線通信をサポートするシステムの一部である。本明細書中に例示するように、ネットワーク102及び104は、各々、共通の通信プロトコルを有するそれぞれのセルを指し、また、多数のこのようなネットワークが、共通の地理的なエリアをほぼ網羅する通信システム100を構成する。これらのネットワークは、電気通信事業者としても知られる共通の運用者又は異なる運用者を有し得る。
【0011】
動作時、ユーザ装置108,110(図1)がセルラ通信システム100内を移動するにつれて、当分野において公知の通常の動作手法に基づきハンドオフが行われる。複数の異なる通信用無線インターフェイス上で動作するマルチモードユーザ装置等の場合、ユーザ装置108,110は、多数の無線周波数領域の情報を取得し維持する必要があり、また例えば、当業者に知られているように、サービス提供セル及び隣接セルの信号強度の情報、干渉情報,及び同期情報を保持し得る。
【0012】
ユーザ装置108,110(図1)が、UTRAネットワークとして例示する第1通信ネットワーク102における基地との専用通信リンクを確立する間、ユーザ装置は、GSMネットワークとして例示する第2通信ネットワーク104を少なくとも時折評価する必要がある。このことは、例えば、ユーザ装置108が、セル101’,101”、隣接セル103’の周辺部に移動すると起こり得る。例示した実施形態において、セル103’は,通信ネットワーク102によってサービスが提供されないエリアを網羅し、従って、ユーザ装置108は、基地局200から基地局220へハンドオフされる必要がある。ユーザ装置108がセル101’の基地局200と通信している間実行しなければならない
測定及び同期化処理をサポートするために、ユ少なくともーザ装置108と基地局200との間のアップリンク通信は、圧縮モードで行われる。
【0013】
特に、ユーザ装置108(図1)が通信ネットワーク102とリンクを確立している間、ユーザ装置108は、多数の無線周波数領域の情報を得て、第2通信ネットワーク104用の領域間測定及び/又は同期化タスクに対応する必要がある。圧縮モードにおいて,これらのタスクは、ユーザ装置108が通信ネットワーク102と専用通信を行っている時間的期間の間に実施されるが、この専用通信期間中、時間的な間隙がアップリンク送信間で生成され、移動体端末はネットワーク104に対して測定及び同期化アクティビティを実施する余裕が与えられる。このことを達成するための1つのタイミング図を図3に示すが、これは、この図で移動体A(108)及び移動体B(110)と呼ばれるユーザ装置108,110用のタイミングを示す。圧縮モードにおいて、移動体A及び移動体Bは、双方共、小さい拡散係数と大きいパワーで送信を行い、これにより、1つのネットワーク(例えば、基地局200)との通信は、フレームの一番目の半分で起こる。フレームの二番目の半分において、移動体A及び移動体Bは、他のネットワークを評価し得る。例えば、評価は、領域間測定を行うこと、他のネットワークと同期を得ること、又は他のネットワーク評価(例えば、基地局220)を含む。
【0014】
従って、圧縮モードでは、送信間隙が生成され、この間、ユーザ装置は、スケジューリング競合に遭遇することなく測定を実施し得る。そうでないとスケジューリング競合が起こることがあり、この場合、ユーザ装置は、単一の送受信装置経路で同時に2つのタスクを実施しようとする。更に、圧縮モードは、同じ又は近接する周波数帯域で同時に行われ得るモード間測定の場合のように、システムが法外に高いレベルの自己干渉を受けることなく行われる。
【0015】
通常モードでは、ユーザ装置108,110(図1)からのCDMA信号は、アップリンク上のチャネル識別コードによって互いに分離される。また、ダウンリンクの信号も、チャネル識別コードによって分離される。圧縮モード時、チャネル識別コード(例えば、CDMAの直交コード)は、依然として、信号を分離するが、情報速度は、実際上、拡散係数が1/2だけ低減されることに応答して、2倍に”スピードアップ”される。圧縮モードのユーザ装置108,110用のアップリンクパワーを大きくして、小さい拡散係数による処理利得の損失を補正する必要がある。図3に基づき動作するネットワークで遭遇する重大な問題は、圧縮モードで動作し得るユーザ装置デバイスの数が極度に制限されることである。
【0016】
本明細書中で用いられるように、「圧縮モードパターン」において、送信間隙を有する一定数のフレームには、送信間隙を有さない一定数のフレームが続き、このパターンは、一定数のフレームの周期で繰り返す。従って、圧縮モードパターンは次のことを記述する。即ち、任意のフレームの期間内で送信が行われるタイムスロットの数、任意のフレームの期間内で圧縮が行われないタイムスロットの数、任意のフレームのタイムスロット中に圧縮送信が行われる圧縮フレームの数、及び任意のフレームのタイムスロット中に圧縮送信が行われない非圧縮フレームの数について記述する。
【0017】
送信パターンの例を図14に示す。例示したパターンは、12のフレーム、2つの圧縮フレームを含み、10の非圧縮フレームが続く。圧縮フレーム内において、15のスロットがあり、これらの最初の4つと最後の4つは、送信に利用可能であり、これらの中間の7つは、送信機がオフになる。当業者は、他の数多くの送信パターンが可能であることを認識されるであろう。
【0018】
圧縮モード動作のための大幅に改善した方法を図4に示す。図4において、移動体A(
図1の108)は、フレームの第1部分で通信を行い、移動体B(図1の110)は、フレームの第2部分で通信を行う。移動体Aが、第1通信ネットワーク102におけるセル101’の1つの基地局200と通信を行う間、移動体Bは、領域間測定及び/又はセル103’の基地局220との同期化を実施する。フレームの第2部分において、移動体Bは、基地局200と通信を行い、移動体Aは、領域間測定及び/又は同期化を行う。圧縮モードは、Nを整数とすると、Nフレームの間継続する。Nは、ゼロより大きい任意の数であり、例えば、2であってよく、この場合、測定は、2つの連続するフレームで行われ、圧縮されていない10のフレームが続き、これによって、12フレームのパターンが得られる。2つのユーザ装置デバイスが示されているが、各々それぞれの直交コードを有する2つを越えるユーザ装置デバイスをフレームの第1部分及び第2部分各々に配分でき、また、全てのユーザ装置がフレームの同じ部分内で通信していないことから、圧縮モードで動作し得るデバイスの数は、大幅に増える。
【0019】
第1部分及び第2部分は、数多くの異なるグループのスロットから配分し得るが、考案した1つのフレームパターンは、フレームを15のスロットに分割する。第1部分は、直交コードによって分離される複数のデバイスに配分される第1の7つのスロットを含む。第2部分は、直交コードによって同様に分離される他のグループのデバイスに配分される最後の7つのスロットを含む。第3の部分は、フレーム中央の分離スロットである。1つの実施形態において、第1部分に配分されたデバイスは、第2部分におけるデバイスとは異なる直交コードを有するように考えられる。15のスロットは、好適には、長さが等しい。
【0020】
選択されたパターン(オン/オフ・シーケンス)のタイプに基づき、振幅変動の影響を調査するために、シミュレーションを用いて、無線周波数(RF)の包絡線形状の点で様々な圧縮モードパターンを発生させ、そして、フーリエ変換を用いて包絡線のスペクトル特性を求めた。7−1−7スロット圧縮モードパターンは、ユーザ装置が対を成すと、他のパターンと比較して、好ましいスペクトル特性を有していることが分かった。
【0021】
特に、フーリエ解析を用いて、最大許容立ち上がり時間及び25μsの崩壊時間を有するRF包絡線のスペクトルを算出した。シミュレーションは、各々、12フレーム、即ち、2圧縮フレーム及び10非圧縮フレームの繰り返し期間を有する圧縮モードパターンを用い、そのパターンを繰り返した。本発明者は、7−1−7パターンの場合、100Hz(頻度回数約125)以下のスペクトル成分が相当程度相殺されることを見出した。本発明に匹敵し用い得る他の数多くの組合わせパターンが存在するが、12フレームの繰り返し期間を用いる7−1−7パターンでは、アップリンク干渉が小さくなった。
【0022】
次に、図5を参照して、ユーザ装置108について更に詳細に説明する。ユーザ装置は、当分野において既知の任意の適切な無線送受信装置を用いて実現し得る送受信装置204を含む。制御装置205は、物理層504,媒体アクセス制御(MAC)層506,無線リンク制御装置(RLC)層508,及び無線資源制御(RRC)層510を含む。物理層504は、トランスポートチャネルを物理チャネルにマッピングし、RF送受信装置とコード化され変調されたベースバンド信号を交換する。チャネルは、周波数,(CDMAネットワーク等における)コード、もしくは(TDMAネットワーク等における)時間、又は周波数、時間、及びコードのいずれか2つ以上によって識別される。
【0023】
MAC層506は、RLC508からの論理チャネルを物理層のトランスポートチャネルにマッピングする。RLC508は、無線媒体上の送信リンクを制御する。
RRC層510は、ユーザ装置108(又は110)の無線動作を制御する。RRC層510には、制御メッセージパーサ516にダウンリンクメッセージを出力する制御メッセージ認識装置514が含まれる。圧縮モード制御メッセージは、アップリンク圧縮モー
ド制御装置518に入力される。圧縮モード制御装置は、メッセージ確認応答を発生し、これらは、アップリンクユーザデータ経路に入力され、ユーザ装置108が通信を行っている基地局へ伝達される。また、アップリンク圧縮モード制御装置は、圧縮モード制御情報,パターン割り当て情報,並びに本明細書中において更に詳細に後述するように求められ、物理層504に提供される資源割り当て及び測定スケジューリングを生成する。物理層は、アップリンク圧縮モード制御装置518から受信された圧縮モードパターンに応答するアップリンク圧縮モードパターン及び割り当てマネージャ520を含む。アップリンク送信制御装置522は、アップリンク圧縮モード制御装置518から受信した資源割り当ての制御下で、無線周波数送受信装置204を介して、通信を行う。更に、物理層には、アップリンク圧縮モード制御装置518からの測定スケジュールに応答して、測定値を取得し、それら測定値を無線資源制御装置510の測定値プロセッサ526に伝達する測定値取得ユニット524が含まれる。
【0024】
図6は、セルラ通信システム100の基地局を示し、本明細書中では、基地局200(210,220,230)で表す。基地局200は、RF送受信装置206を含む。制御装置208には、物理層604,MAC606,RLC層608,及びRRC層610が含まれる。物理層は、トランスポートチャネルを物理チャネルにマッピングし、コード化変調ベースバンド信号を発生する。MAC層は、論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングする。RLC層は、無線媒体上の無線ベアラ又は送信リンクを制御する。
【0025】
RRC層610は、無線資源を制御する。RRCには、ダウンリンク信号データを受信し、アップリンク信号データを発生するアップリンク圧縮モード制御装置614が含まれる。圧縮モード制御装置は、アップリンク・トラフィック・スケジューラ616と通信を行う。更に、アップリンク圧縮モード制御装置は、測定値取得ユニット612に測定スケジュールを伝達する。測定値プロセッサ618は、測定値取得ユニット612から測定値を受信する。
【0026】
次に、システムの動作について、図7を参照して説明する。まず、ユーザ装置デバイス108,110(移動体A及び移動体Bで表す)は、各々、測定能力情報要素を含むメッセージをネットワーク(基地局200)に送信する。情報要素は、多数のメッセージの一部であってよく、移動体が可能とするタイプの圧縮モードに対する必要性、目的、及び指示を含んでよい。RRC層610(図6)が、アップリンク送信のためにスケジュール化されるユーザ装置に対して無線資源を割り当てている時、ネットワークRRC610のアップリンク圧縮モード制御装置614は、ユーザ装置デバイスの対を選択し、補完的なパターン及び同一の開始フレーム番号をそれらに割り当てる。アップリンク圧縮モードの特性は、圧縮モード情報要素(IE)が含まれる割り当てメッセージで送信されるが、圧縮モード情報要素(IE)は、圧縮モードパターン、開始フレーム番号、フレーム内開始タイムスロット、パターン期間、及び最大繰り返し数を含む。図4の例において、移動体Aは、タイムスロットTSO−TS6で送信するように割り当てられ、移動体Bは、タイムスロットTS8−TS14に割り当てられる。その後、移動体A及び移動体Bは、現在の通信領域(例えば、第1通信ネットワーク102)において、それらのそれぞれ割り当てられた通信スロットを用いて、アップリンクブロックを送信し、また、通信スロットが割り当てられた対のデバイスを用いて、他の通信領域(例えば、第2通信ネットワーク104)上で測定及び/又は同期化を行う。この手順は、示したフレームの継続期間中繰り返される。
【0027】
図9は、1つの実施形態に基づき、ネットワーク102の基地局がタイムスロットを割り当てる動作を示す。特に、ユーザ装置108,110が圧縮モードに追加されると、ネットワークは、最初に、ステップ902に示すように、通信ネットワーク102上の何台のユーザ装置デバイスが、圧縮モードで動作し、また、フレーム1及び2のフレームの部
分1(例えば、タイムスロットTSO−TS6)で送信しているかについて判断する。次に、ステップ904に示すように、ネットワークは、通信ネットワーク102上の何台のユーザ装置デバイスが、圧縮モードで動作し、また、フレーム1及び2のフレームの第2部分(例えば、タイムスロットTS8−TS14)で送信しているかについて判断する。次に、ステップ906に示すように、フレーム1及び2における圧縮モード動作への最新の追加は、圧縮モードで動作する最も小さい数のユーザ装置デバイスを有するタイムスロットにネットワークによって割り当てられる。この割り当ては、ステップ908において、ネットワークに記憶され、ユーザ装置に伝達される。このようにして、通信ネットワーク102への最新の追加は、常に、最も少ない動作中のデバイスを有するフレームの一部に追加される。
【0028】
他の実施形態を図10に示す。本実施形態において、加入者装置108,110が、動作中の通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク102)上で圧縮モード動作を開始すると、ネットワーク(通信ネットワーク102)は、同じフレームで最後に圧縮モード動作を開始したユーザ装置が、どの部分(例えば、タイムスロットTSO−TS6又はタイムスロットTS8−TS14)にステップ1004で割り当てられたかをステップ1002において判断する。ネットワークは、ステップ1006において、新しいユーザ装置デバイスをフレームの他の部分に割り当てる。従って、一例として、通信ネットワーク102は、ユーザデバイスが通信ネットワーク102上での動作のために共通のフレームに追加されると、ユーザデバイスに割り当てられた部分(スロット)を変更する。
【0029】
圧縮モード動作を割り当てるための更に他の代替の実施形態を図11に示す。図11において、ネットワーク及びユーザ装置双方の動作について述べるが、本実施形態において、割り当ては、ネットワークにおいてなされず、むしろ、ユーザ装置及び基地局双方が、ユーザ装置デバイス及び基地局双方に既知の決定論的値を用いて、ユーザ装置用の圧縮モードスロットを決定する。従って、本実施形態では、ユーザ装置及びネットワーク双方に既知の所定の決定論的値が、ユーザ装置が割り当てられているフレームの部分を選択する。特に、圧縮モード動作は、ステップ1102で開始される。決定論的値は、ステップ1104でチェックされる。決定論的値が1である場合、ステップ1108に示すように、ユーザデバイスは、タイムスロットの部分1で圧縮モード動作を行う。0であれば、ステップ1106で決定されるように、圧縮モード通信は、フレームの第2部分で行われ、ステップ1110に示すように、測定が、フレームの第1部分で行われる。
【0030】
決定論的値は、ユーザ装置及び基地局に既知の任意の値であってよく、また、例えば、加入者装置IMEIの最終ビット等、加入者国際移動体装置識別(IMEI)の特定のビットであってよいと考える。他の選択可能な決定論的値は、ユーザ装置のメモリに記憶されたビット等、ユーザ装置からネットワークへ伝達される信号の所定のビットであってよい。他の選択肢は、ユーザ装置の回路によって発生され、ユーザデバイスが通信を行っている基地局に対して既知の乱数又は擬似乱数であってよい。
【0031】
図8は、他のフレーム配分の実施形態を示す。図8の実施形態において、ユーザ装置スロット割り当ては、フレーム毎に変動する。従って、フレーム2(F2)では、移動体Aは、第1部分で送信し、移動体Bは、第2部分で送信する。フレーム3(F3)では、移動体Bは、第1部分で送信し、移動体Aは、第2部分で送信する。示した例において、移動体A及び移動体Bは、常に、フレームの異なる部分で送信する。しかしながら,当業者は、幾つかのフレームにおいて、フレームの同じスロット(部分)の間、移動体A及び移動体Bが、一方のネットワーク上で通信を行い、他方のネットワークで測定を行うように、各移動体A及び移動体Bに対する割り当てが、ランダム、又は、擬似ランダムであると有利であり得ることを認識されるであろう。当業者は、また、他の数多くのデバイスが、フレームの第1及び第2部分各々において送信するように、ネットワーク上で動作する3
つ以上のユーザ装置デバイスが存在することを認識されるであろう。本出願に示す圧縮モードは、全てのユーザ装置デバイスが圧縮モードで動作するフル稼働のネットワークに適用し得ると考える。
【0032】
図12は、ユーザ装置及び基地局の動作を示すが、この場合、基地局が加入者デバイスに対して決定論的値を決定し割り当てる必要がないように、各々その値を用いて、通信用のフレーム部分を決定して、図8に示す圧縮モードフレーム配分を行う。図12において、基地局200との通信用の部分割り当ては、擬似ランダム的に各フレームで変わる。圧縮モードは、ステップ1202で開始される。第1フレーム用の決定論的値は、ステップ1204において決定される。例えば、決定論的値は、デジタル通信ネットワークにおいてデータを暗号化するために生成される暗号鍵シーケンスに基づくことができ、これは、ユーザ装置デバイス及び基地局に既知の擬似乱数であり、フレームのユーザ装置デバイスに対してスロット割り当てを行うための基礎として用い得る。他の選択肢は、ユーザ装置デバイス及びネットワークが、各々、決定論的値として各数(又は、全てゼロを除く各数)を1つずつ進む同期線形シフトレジスタの所定のビットを用いることである。例えば、スロット割り当て用の基礎として選択されたシーケンスの最下位ビットは、決定論的値として用い得る。
【0033】
ステップ1206において、ユーザ装置及び基地局の制御装置は、決定論的ビットが1又は0であるか判断する。決定論的ビットが0である場合、圧縮モードでの通信は、ステップ1208に示すように、初期フレームに対しては、部分2である。決定論的ビットが1である場合、圧縮モードでの通信は、ステップ1210に示すように、初期フレームに対しては、部分1を用いる。制御装置は、ステップ1214で次のフレームを待つ。次のフレームが、ステップ1216で決定されるように、圧縮モードシーケンスの最終フレームの後である場合、圧縮モード通信は終了する。フレームが、圧縮モードシーケンスの最終フレームの後でない場合、制御装置は、ステップ1218において、次のフレームの決定論的値を識別し、判断ステップ1206に戻る。このプロセスは、圧縮パターンの圧縮フレームの間、最終フレームまで繰り返される。
【0034】
補完的な圧縮モードの場合、アップリンクは、直交コードによって互いに分離される代わりに、スロット式の物理接続機構的にこの時点で一時的に分離されることを除いて、依然として、それらの拡散係数を1/2だけ小さくすることによって処理される。更に、圧縮モード動作は、各々補完的なパターンを有するユーザ装置デバイスの対に割り当て得る。
【0035】
本発明は、技術的にまた市場的に望ましい重要な属性を有する。これによって、対称圧縮モードに割り当てられた任意の対のユーザ装置からノードB受信機に着信するピーク・ツー・ピーク振幅変動が減少する。これによって、アップリンクにおける自己干渉が小さくなり、従って、セル容量が大きくなる。更に、RF包絡線が最適化される驚異的なスペクトル特性を実証するタイムスロットパターン及び期間を選択し得る。
【0036】
図13は、過去2に配分された4つのユーザ装置デバイスの領域に対して、無線資源割り当てが行われる場合の方法を示す。このことは、CDMAネットワークの拡散又は直交コード等の同じチャネル識別コードを、移動体B及び移動体Cに割り当てることによって、また、他のチャネル識別コードを移動体A及び移動体Dに割り当てることによって実現される。ユーザ装置は、ネットワークの制御下において圧縮モードで動作し、フレームの異なる部分内で動作する一対のユーザ装置デバイスに同じコードを割り当てることによって、ネットワークの容量を大きくする。この割り当ては、圧縮モードが本明細書中で上述したように用いられるフレームにおいて、また、圧縮モードが他の領域での測定及び同期化アクティビティに利用されないネットワークにおいて利用し得る。双方の場合において、圧縮モードを用いて、66%に近い量だけベストエフォートパケット送信用の容量を大きくする。66%の改善は、3フレームの内1フレームは、非圧縮で送信しなければならないという要件によって制限される。従って、より多くのユーザ装置デバイスが同じコードに割り当てられ、時間的にまたコード毎に多重化されるにつれて、知的アルゴリズムによって、ユーザ装置デバイスは、ベストエフォートパケット転送モードのための実質的に大きい容量を達成し得る。これは、知的補完圧縮モードスケジューラが、無線資源利用可能性及びアップリンク信号品質に基づき、無線資源割り当てと圧縮モードパターンとの対を生成するベストエフォートパケットデータ送信の場合、特に有用であることが期待される。このようにして、多数のユーザ装置デバイスが、アップリンク上で同じコードを共有し得る。
【0037】
本発明は、当業者が本発明を実現し利用できるように説明してきたが、本明細書中に開示した例示の実施形態には数多くの等価なものが存在すること、また、修正や変更が、例示の実施形態ではなく追記の請求項によって限定される本発明の範囲及び精神から逸脱することなくなし得ることを理解し認識されたい。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ複数のユーザ装置(108,110)と、周波数分割二重化の圧縮送信と非圧縮送信を行う基地局(200)の通信方法であって、
前記圧縮送信で用いられる圧縮フレームは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間の分離スロットとを有し、
前記通信方法は、
前記基地局(200)が、前記第1部分に割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数を判断するステップと(902);
前記基地局(200)が、前記第2部分に割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数を判断する(904)ステップと;
前記基地局(200)が、前記第1部分と前記第2部分のうち、割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数が少ない方に、新しい前記ユーザ装置(108,110)を割当てるステップ(906)と
を有し、
前記第1部分と前記第2部分のうちの一方に割当てられた前記ユーザ装置(108,110)は、他方においてハンドオフのために測定し、
前記圧縮フレームは、それぞれ等価な長さの15個のタイムスロットを備え、
前記第1部分と前記第2部分はそれぞれ、7個の前記タイムスロットを備え、
前記分離スロットは、前記圧縮フレームの中央部において前記第1部分と前記第2部分とを互いに分離する1個の前記タイムスロットであることを特徴とする、通信方法。
【請求項2】
それぞれ複数のユーザ装置(108,110)と、周波数分割二重化の圧縮送信と非圧縮送信を行う基地局(200)の通信方法であって、
前記圧縮送信で用いられる圧縮フレームは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間の分離スロットとを有し、
前記通信方法は、
前記基地局(200)が、前記第1部分と前記第2部分のうちのいずれか一方に、前記ユーザ装置(108,110)を最後に割当てたかを判断することによって(1002)、他方に新しい前記ユーザ装置(108,110)を割当てるステップ(1004)
を有し、
前記第1部分と前記第2部分のうちの一方に割当てられた前記ユーザ装置(108,110)は、他方においてハンドオフのために測定し、
前記圧縮フレームは、それぞれ等価な長さの15個のタイムスロットを備え、
前記第1部分と前記第2部分はそれぞれ、7個の前記タイムスロットを備え、
前記分離スロットは、前記圧縮フレームの中央部において前記第1部分と前記第2部分を互いに分離する1個の前記タイムスロットであることを特徴とする、通信方法。
【請求項3】
複数のユーザ装置(108,110)と;
それぞれ前記ユーザ装置(108,110)と、周波数分割二重化の圧縮送信と非圧縮送信を行う基地局(200)と
を備える通信システム(100)であって、
前記圧縮送信で用いられる圧縮フレームは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間の分離スロットとを有し、
前記基地局(200)は、
前記第1部分に割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数を判断し(902)、
前記第2部分に割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数を判断し(904)、
前記第1部分と前記第2部分のうち、割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数が少ない方に、新しい前記ユーザ装置(108,110)を割当てる(906)ように構成され、
前記第1部分と前記第2部分のうちの一方に割当てられた前記ユーザ装置(108,110)は、他方においてハンドオフのために測定し、
前記圧縮フレームは、それぞれ等価な長さの15個のタイムスロットを備え、
前記第1部分と前記第2部分はそれぞれ、7個の前記タイムスロットを備え、
前記分離スロットは、前記圧縮フレームの中央部において前記第1部分と前記第2部分とを互いに分離する1個の前記タイムスロットであることを特徴とする、通信システム。
【請求項4】
複数のユーザ装置(108,110)と;
それぞれ前記ユーザ装置(108,110)と、周波数分割二重化の圧縮送信と非圧縮送信を行う基地局(200)と
を備える通信システム(100)であって、
前記圧縮送信で用いられる圧縮フレームは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間の分離スロットとを有し、
前記基地局(200)は、
前記第1部分と前記第2部分のうちのいずれか一方に、前記ユーザ装置(108,110)を最後に割当てたかを判断することによって(1002)、他方に新しい前記ユーザ装置(108,110)を割当て(1004)、
前記第1部分と前記第2部分のうちの一方に割当てられた前記ユーザ装置(108,110)は、他方においてハンドオフのために測定し、
前記圧縮フレームは、それぞれ等価な長さの15個のタイムスロットを備え、
前記第1部分と前記第2部分はそれぞれ、7個の前記タイムスロットを備え、
前記分離スロットは、前記圧縮フレームの中央部において前記第1部分と前記第2部分を互いに分離する1個の前記タイムスロットであることを特徴とする、通信システム。
【請求項5】
それぞれ複数のユーザ装置(108,110)と、周波数分割二重化の圧縮送信と非圧縮送信を行う基地局(200)であって、
前記圧縮送信で用いられる圧縮フレームは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間の分離スロットとを有し、
前記基地局(200)は、
前記第1部分に割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数を判断し(902)、
前記第2部分に割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数を判断し(904)、
前記第1部分と前記第2部分のうち、割当てた前記ユーザ装置(108,110)の数が少ない方に、新しい前記ユーザ装置(108,110)を割当てる(906)ように構成され、
前記第1部分と前記第2部分のうちの一方に割当てられた前記ユーザ装置(108,110)は、他方においてハンドオフのために測定し、
前記圧縮フレームは、それぞれ等価な長さの15個のタイムスロットを備え、
前記第1部分と前記第2部分はそれぞれ、7個の前記タイムスロットを備え、
前記分離スロットは、前記圧縮フレームの中央部において前記第1部分と前記第2部分とを互いに分離する1個の前記タイムスロットであることを特徴とする、基地局(200)。
【請求項6】
それぞれ複数のユーザ装置(108,110)と、周波数分割二重化の圧縮送信と非圧縮送信を行う基地局(200)であって、
前記圧縮送信で用いられる圧縮フレームは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間の分離スロットとを有し、
前記基地局(200)は、
前記第1部分と前記第2部分のうちのいずれか一方に、前記ユーザ装置(108,110)を最後に割当てたかを判断することによって(1002)、他方に新しい前記ユーザ装置(108,110)を割当て(1004)、
前記第1部分と前記第2部分のうちの一方に割当てられた前記ユーザ装置(108,110)は、他方においてハンドオフのために測定し、
前記圧縮フレームは、それぞれ等価な長さの15個のタイムスロットを備え、
前記第1部分と前記第2部分はそれぞれ、7個の前記タイムスロットを備え、
前記分離スロットは、前記圧縮フレームの中央部において前記第1部分と前記第2部分を互いに分離する1個の前記タイムスロットであることを特徴とする、基地局(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−283835(P2010−283835A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136721(P2010−136721)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【分割の表示】特願2003−587040(P2003−587040)の分割
【原出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】