説明

通信方法、通信システム及びファイルサーバ

【課題】回線交換網の規制中であっても、ユーザにとって使いやすい方法で音声メッセージを着側端末に届けることを目的とする。
【解決手段】回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、パケット交換網に接続されたファイルサーバとを有する通信システムにおける通信方法は、前記端末が、回線交換網の規制を検知するステップと、前記端末が、着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成するステップと、前記端末が、パケット交換網を介して音声ファイルを前記ファイルサーバにアップロードするステップと、前記ファイルサーバが、音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部に格納するステップと、前記端末又は前記ファイルサーバが、音声ファイルの格納場所を前記着側端末に通知するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信方法、通信システム及びファイルサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの大規模災害発生時には、多くのユーザが被災地への安否確認などに音声電話を利用する。このとき、通常時と比べ大量のトラヒックをネットワークで処理することになり、結果として通話がつながりにくい状態となるため、通話を規制する(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】野口勝広他,"FOMAアクセス規制の回線交換/パケット交換分離機能",NTT DoCoMoテクニカルジャーナル,Vol.14,No.4,41-44ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、回線交換網の規制中には、発側端末から音声メッセージを着側端末に届けることができない。情報リテラシーの高いユーザは、電子メール等を作成して着側端末に送信することができるが、よりユーザにとって使いやすい方法で音声メッセージを着側端末に届けることが望まれる。
【0005】
本発明は、回線交換網の規制中であっても、ユーザにとって使いやすい方法で音声メッセージを着側端末に届けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信方法は、
回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、パケット交換網に接続されたファイルサーバとを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記端末が、回線交換網の規制を検知する規制検知ステップと、
前記端末が、着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成する音声ファイル生成ステップと、
前記端末が、パケット交換網を介して音声ファイルを前記ファイルサーバにアップロードする音声ファイルアップロードステップと、
前記ファイルサーバが、音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部に格納する音声ファイル受信ステップと、
前記端末又は前記ファイルサーバが、音声ファイルの格納場所を前記着側端末に通知する格納場所通知ステップと、
を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の通信システムは、
回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、パケット交換網に接続されたファイルサーバとを有する通信システムであって、
前記端末は、
回線交換網の規制を検知する規制検知部と、
着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、
パケット交換網を介して音声ファイルを前記ファイルサーバにアップロードする音声ファイルアップロード部と、
を有し、
前記ファイルサーバは、
音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部に格納する音声ファイル受信部と、
音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを生成するメッセージ生成部と、
生成されたメッセージを前記着側端末に送信するメッセージ送信部と、
を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の通信システムは、
回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、パケット交換網に接続されたファイルサーバとを有する通信システムであって、
前記端末は、
回線交換網の規制を検知する規制検知部と、
着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、
パケット交換網を介して音声ファイルを前記ファイルサーバにアップロードする音声ファイルアップロード部と、
前記ファイルサーバから音声ファイルの格納場所を取得し、音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを生成するメッセージ生成部と、
生成されたメッセージを前記着側端末に送信するメッセージ送信部と、
を有し、
前記ファイルサーバは、
音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部に格納する音声ファイル受信部と、
音声ファイルの格納場所を前記端末に通知する格納場所通知部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の通信方法は、
回線交換網に接続されたファイルサーバにおける通信方法であって、
端末から回線交換網を介して音声メッセージを受信し、音声ファイルとして音声ファイル格納部に格納する音声受信ステップと、
音声ファイルの格納場所を予め設定された宛先の端末に通知する格納場所通知ステップと、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のファイルサーバは、
回線交換網に接続されたファイルサーバであって、
端末から回線交換網を介して音声メッセージを受信し、音声ファイルとして音声ファイル格納部に格納する音声受信部と、
前記ファイルサーバが、音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを予め設定された宛先の端末に通知する格納場所通知部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回線交換網の規制中であっても、ユーザにとって使いやすい方法で音声メッセージを着側端末に届けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係る通信システムの全体構成図
【図2】本発明の実施例に係る通信システムの機能ブロック図
【図3】本発明の実施例に係る通信方法のシーケンス図
【図4】本発明の実施例に係る通信方法を利用するユーザへのインタフェースの一例を示す図
【図5】本発明の実施例に係る通信方法を利用するユーザへのインタフェースの一例を示す図
【図6】本発明の第1変形例に係る通信システムの全体構成図
【図7】本発明の第1変形例に係る通信システムの機能ブロック図
【図8】本発明の第1変形例に係る通信方法のシーケンス図
【図9】本発明の第2変形例に係る通信システムの全体構成図
【図10】本発明の第2変形例に係る通信システムの機能ブロック図
【図11】契約情報格納部に格納される情報の一例を示す図
【図12】本発明の第2変形例に係る通信方法のシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例では、回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、ファイルサーバとが用いられる。
【0014】
本発明の実施例では、回線交換網の規制中に、発側端末は、音声ファイルを生成し、パケット交換網を介して音声ファイルをファイルサーバにアップロードする。ファイルサーバは、音声ファイルを記憶装置に格納すると、その格納場所をSMS(Short Message Service)メッセージ等で着側端末に通知する(ファイルアップロード方式(ファイルサーバから着側端末にSMS送信する場合))。
【0015】
また、ファイルサーバは、音声ファイルを記憶装置に格納すると、その格納場所を発側端末に通知してもよい。発側端末は、音声ファイルの格納場所をSMSメッセージ等で着側端末に通知する(第1変形例:ファイルアップロード方式(発側端末から着側端末にSMS送信する場合))。
【0016】
また、発側端末は、災害用伝言ダイヤル等の特番にダイヤルしてファイルサーバに音声メッセージを録音してもよい。ファイルサーバは、音声メッセージを記憶装置に格納すると、その格納場所を予め指定された宛先の端末に通知する。例えば、契約情報を参照して家族の端末に通知してもよく、予め発側端末のユーザが指定した端末に通知してもよい(第2変形例:ファイルアップロード方式(災害用伝言ダイヤルを使用する場合))。
【0017】
このようにすることにより、着側端末は、回線交換網の規制中であっても、SMSメッセージ等で通知された音声ファイルの格納場所にアクセスし、回線交換網を介して音声ファイルをダウンロードして再生できる。
【0018】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0019】
<ファイルアップロード方式(ファイルサーバから着側端末にSMS送信する場合)>
図1に、本発明の実施例に係る通信システムの全体構成図を示す。
【0020】
本発明の実施例で用いられる通信ネットワークは、音声電話やTV電話などの回線交換(CS:Circuit Switching)呼を処理する回線交換網(CS網)と、電子メールやWebブラウジングなどのパケット交換(PS:Packet Switching)呼を処理するパケット交換網(PS網)とで構成される。回線交換網の規制と、パケット交換網の規制とは独立して制御可能であり、回線交換網が規制されていても、パケット交換網で通信可能な場合が存在する。なお、回線交換網の規制には、発側の回線交換網へのアクセスが規制中である場合と、着側の回線交換網へのアクセスが規制中である場合とが含まれる。また、規制には、処理可能な呼を規制する総量規制、規制する割合を指定する相対量規制等が含まれる。発側の回線交換網又は着側の回線交換網が規制中である場合、発側端末は、着側端末に回線交換網を介して通信することはできない。
【0021】
本発明の実施例に係る通信システムは、端末10及び14と、ファイルサーバ12とを有する。端末10は、回線交換網及びパケット交換網に接続可能な装置である。典型的には、端末10は、携帯電話、スマートフォン等のような端末であるが、回線交換網及びパケット交換網に接続可能な如何なる装置でもよい。ファイルサーバ12は、パケット交換網に接続可能な装置であり、音声ファイルを格納する記憶装置を有する。端末14は、回線交換網及びパケット交換網に接続可能な装置であるが、回線交換網とパケット交換網とのうち一方のみに接続可能な如何なる装置でもよい。典型的には、端末14は、携帯電話、スマートフォン等のような端末であるが、回線交換網とパケット交換網とのうち一方のみに接続可能な如何なる装置でもよい。以下の説明では、端末10が発側端末であり、端末14が着側端末であると仮定する。
【0022】
発側端末10は、着側端末の電話番号14にダイヤルする(S11)。ここでは、災害等により、発側の回線交換網又は着側の回線交換網が規制中であり、接続できないものとする。このため、発側端末10は、音声ガイダンス等により、ユーザに音声メッセージの録音を促す。音声メッセージが入力されると、発側端末10は、音声ファイルを生成し、パケット交換網を介してファイルサーバ12にアップロードする(S12)。ファイルサーバ12は、音声ファイルを記憶装置に格納すると、SMSメッセージにより音声ファイルの格納場所を着側端末14に通知する(S13)。着側端末14は、音声ファイルの格納場所にアクセスし、音声ファイルをダウンロードして再生する(S14)。
【0023】
このようにして、発側端末10及び着側端末14は、発信操作及び着信操作と同様に、ユーザの手間なく自動で音声メッセージを入力及び再生できる。
【0024】
図2を参照して、発側端末10、ファイルサーバ12及び着側端末14の更に詳細な機能について説明する。
【0025】
発側端末10は、通話規制検知部101と、音声ファイル生成部103と、音声ファイルアップロード部105とを有する。ファイルサーバ12は、音声ファイル受信部121と、音声ファイル格納部123と、SMS生成部125と、SMS送信部127と、音声ファイル送信部129とを有する。着側端末14は、SMS受信部141と、音声ファイルダウンロード部143と、音声ファイル再生部145とを有する。発側端末10及び着側端末14の各機能部は、コンピュータプログラム又はアプリケーションとして実現されてもよく、ファイルサーバ12の各機能部も、コンピュータプログラム又はアプリケーションとして実現されてもよい。
【0026】
通話規制検知部101は、発側の回線交換網へのアクセスが規制中であること又は着側の回線交換網へのアクセスが規制中であることを検知する。例えば、回線交換網の交換機は、アクセスが規制中であることを端末に通知するために、エラー原因を指定することができる。通話規制検知部101は、着側端末の電話番号にダイヤルして、回線交換網の交換機から通話規制を原因とするエラーを受け取ったときに、規制中であることを検知してもよい。また、通話規制通知部101は、報知情報を受信することで規制中であることを検知してもよい。
【0027】
また、例えば、一斉同報サービス(CBS:Cell Broadcast Service)等を利用することにより、一斉同報サーバから通信エリア内に規制情報を送信することができる。回線交換網の交換機から通知されるエラー原因からは、災害を理由とするものであるか、年始の規制を理由とするものであるか等が分からない可能性がある。一斉同報サービスによる規制情報には、規制の原因が災害を理由とするものであるか、年始の規制を理由とするものであるか等を詳細に指定することができる。一斉同報サーバは、被災地からの発信を規制するために、被災地の通信エリアに規制情報を送信してもよく、全国から被災地への発信を規制するために、全国の通信エリアに規制情報を送信してもよい。通話規制検知部101は、着側端末の電話番号にダイヤルする前に、一斉同報サーバから規制情報を受信することにより、規制中であることを検知し、ネットワーク混雑回避モードに設定してもよい。ネットワーク混雑回避モードが設定されている間は、ダイヤル操作をして規制された場合に、パケット交換網を使った音声ファイルのアップロードになる。このため、通話規制検知部101は、通話規制が解除されていることを検知したり、ネットワーク混雑回避モードを必要としない通話規制状態であることを検知する必要がある。例えば、通話規制検知部101は、一斉同報サーバから通話規制が解除されたという情報を受信し、ネットワーク混雑回避モードを解除してもよい。また、通話規制検知部101は、一定期間の経過後にネットワーク混雑回避モードを解除するようにタイマを設定しておき、一斉同報サーバから規制情報を受信せずに一定期間が経過した場合、ネットワーク混雑回避モードを解除してもよい。一定期間が経過する前に一斉同報サーバから規制情報を受信した場合、タイマはリセットされる。なお、通信エリア内に規制情報を送信する際に、一斉同報サービス(CBS)の代わりに、電話番号を指定して送信するSMSメッセージが利用されてもよい。あるいは、交換機等のネットワーク側の装置が通常モードで動作している場合に、ネットワーク混雑回避モードの端末からネットワークへのアクセスが規制されるようにすることもできる。このような場合には、端末によるアクセスが規制により拒否された回数が所定値を超えた場合又は連続して拒否された回数が所定値を超えた場合に、端末が動作モードをネットワーク混雑回避モードから通常モードへ切り替えてもよい。
【0028】
音声ファイル生成部103は、着側端末14の電話番号にダイヤルした際に回線交換網の規制中である場合、音声ガイダンス等により、ユーザに音声メッセージの録音を促す。通常では、規制中には回線交換網の交換機から、着側端末に接続できないことを示す音声ガイダンスが流れるが、音声ファイル生成部103は、着側端末に接続できないことを示す音声ガイダンスの代わりに、ユーザに音声メッセージの録音を促す音声ガイダンスを流してもよい。ユーザに音声メッセージの録音を促す音声ガイダンスを通常モードでは流さず、ネットワーク混雑回避モードで流すために、着側端末に接続できないことを示す音声ガイダンスをアプリケーションとしての音声ファイル生成部103で無音化し、ユーザに音声メッセージの録音を促す音声ガイダンスを流してもよい。あるいは、基地局等のネットワーク側で端末の動作モード(ネットワーク混雑回避モード、通常モード等)を把握しておき、着側端末に接続できないことを示す音声ガイダンスの代わりに、ユーザに音声メッセージの録音を促す音声ガイダンスを流してもよい。このような音声ガイダンスは、端末能力に応じて流すか否かが判断されてもよい。音声ファイル生成部103は、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成する。音声ファイルのサイズが大きくなるのを防止するため、録音時間は、例えば30秒のような予め指定した期間に制限される。
【0029】
音声ファイルアップロード部105は、パケット交換網を介して音声ファイルをファイルサーバ12にアップロードする。例えば、音声ファイルアップロード部105は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)等により、音声ファイルをファイルサーバ12にアップロードする。このとき、音声ファイルアップロード部105は、発側端末の電話番号及び着側端末の電話番号を音声ファイルに付与する。
【0030】
音声ファイル受信部121は、発側端末10からアップロードされた音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部123に格納する。音声ファイルは、着側端末14によりアクセス可能な場所に格納される。音声ファイル格納部123は、音声ファイルを格納する記憶装置である。
【0031】
SMS生成部125は、音声ファイルの格納場所(URL:Uniform Resource Locator)が示されたSMSメッセージを生成する。なお、以下に説明するように、SMS生成部125は、SMSメッセージの代わりに、電話番号からメールアドレスを取得し、電子メールメッセージを生成してもよい。
【0032】
SMS送信部127は、生成されたSMSメッセージを着側端末14に送信する。SMSメッセージの発信元及び宛先は、それぞれ音声ファイルに付与された発側端末の電話番号及び着側端末の電話番号とする。着側端末14の電源断等の理由でSMSメッセージが着側端末14に送信できない場合、SMS送信部127は、SMSメッセージを再送する。なお、SMS送信部127は、回線交換網を介してSMSメッセージを送信してもよく、パケット交換網を介して送信してもよい。また、SMS送信部127は、回線交換網を介してSMSメッセージを送信して送信エラーになった場合、パケット交換網を介して送信してもよく、また、パケット交換網を介してSMSメッセージを送信して送信エラーになった場合、回線交換網を介して送信してもよい。SMS送信部127は、着側端末14へのSMSメッセージの送信が成功した場合、SMSメッセージの送信が終了したことを示すSMSメッセージを生成し、発側端末10に通知してもよい。SMSメッセージの送信の終了は、電子メールにより通知されてもよい。
【0033】
音声ファイル送信部129は、着側端末14から音声ファイルのダウンロード要求を受信すると、パケット交換網を介して音声ファイルを着側端末14に送信する。着側端末14への音声ファイルの送信(ダウンロード)が終了した場合、音声ファイルの送信が終了したことを示すSMSメッセージが発側端末10に通知されてもよい。音声ファイルの送信の終了は、電子メールにより通知されてもよい。
【0034】
SMS受信部141は、ファイルサーバ12から、音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを受信する。
【0035】
音声ファイルダウンロード部143は、ファイルサーバ12の音声ファイルの格納場所にアクセスし、パケット交換網を介して音声ファイルをダウンロードする。例えば、音声ファイルダウンロード部143は、一斉同報サーバから規制情報を受信している場合、SMSメッセージを受信すると、自動的に音声ファイルをダウンロードしてもよい。音声ファイルのダウンロードが終了した場合、音声ファイルのダウンロードが終了したことを示すSMSメッセージが発側端末10に通知されてもよい。音声ファイルのダウンロードの終了は、電子メールにより通知されてもよい。
【0036】
音声ファイル再生部145は、ダウンロードした音声ファイルを再生する。音声ファイルの再生が終了した場合、音声ファイルの再生が終了したことを示すSMSメッセージ又は電子メールが発側端末10に通知されてもよい。自動的に音声ファイルがダウンロードされて再生される場合、着側端末14のユーザが音声ファイルを聞いていないことも考えられる。このような場合、音声ファイル再生部145は、SMSメッセージの受信を着信履歴に残してもよく、音声ファイルをメールボックス等の所定の場所に残してもよく、ユーザからの入力があるまで音声ファイルを再生し続けてもよい。
【0037】
図3に、本発明の実施例に係る通信方法のシーケンス図を示す。
【0038】
まず、発側端末10は、着側端末14の電話番号にダイヤルする(S101)。回線交換網の交換機から通話規制を受け取ると(S103)、音声メッセージの録音を促す音声ガイダンスが流れる。なお、報知情報により規制情報を受信している場合又は一斉同報サーバから規制情報を受信している場合には、着側端末14の電話番号にダイヤルして回線交換網の交換機からの通話規制を受け取らなくても、ダイヤル操作したタイミングで音声ガイダンスが流れてもよい。
【0039】
発側端末10は、音声メッセージを入力し、音声ファイルを生成する(S105)。発側端末10は、パケット交換網を介して音声ファイルをファイルサーバ12にアップロードする(S107、S109)。
【0040】
ファイルサーバ12は、発側端末10からアップロードされた音声ファイルを格納する(S111)。ファイルサーバ12は、音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを着側端末14に送信する(S113、S115)。ここではSMSメッセージはパケット交換網を介して着側端末14に送信されているが、SMSメッセージは回線交換網を介して着側端末14に送信されてもよい。
【0041】
着側端末14は、ファイルサーバ12からSMSメッセージを受信すると、パケット交換網を介して音声ファイルのダウンロードを要求する(S131、S133)。ファイルサーバ12は、パケット交換網を介して音声ファイルを着側端末14に送信する(S135、S137)。着側端末14は、ダウンロードした音声ファイルを再生する(S139)。音声ファイルのダウンロード又は再生が終了した場合、SMSメッセージ又は電子メールが着側端末14又はファイルサーバ12から発側端末10に通知されてもよい。
【0042】
図4に、本発明の実施例に係る通信方法を利用するユーザへのインタフェースの一例を示す。
【0043】
まず、発側端末10は、一斉同報サーバ等から規制情報を受信することにより、規制中であることを検知し、ネットワーク混雑回避モードに設定する(1)。このとき、音声ファイルを生成及びアップロードするためのアプリケーション起動ボタンが表示されてもよい。ユーザは、アプリケーション起動ボタンを押下することにより、音声ファイルの生成及びアップロードが可能になる。
【0044】
発側端末10は、着側端末14の電話番号(090-BBBB-BBBB)にダイヤルする(2)。発側の回線交換網又は着側の回線交換網の規制のため(3)、例えば、「ネットワークが混み合って、おつなぎできません。伝えたいことをお話し下さい。」という音声ガイダンスが流れる(4)。発側端末10は、例えば、「Aです。無事です。あなたはどう?」という音声メッセージを録音し、所定のボタンを押下すること又は30秒のような予め指定した期間が経過することで、音声ファイルがファイルサーバ12にアップロードされる(5)。
【0045】
図5に、本発明の実施例に係る通信方法を利用するユーザへのインタフェースの一例を示す。
【0046】
図4のインタフェース例では、規制中には常に音声ファイルがファイルサーバ12にアップロードされるため、パケット交換網及びファイルサーバ12の負荷が増えることが想定される。このような場合、端末操作に慣れているユーザには、別の通信手段に誘導することにより、負荷を低減できる。
【0047】
発側端末10が着側端末14の電話番号(090-BBBB-BBBB)にダイヤルし、規制中である場合、例えば、「ただいま電話が混み合っています。画面に従い操作いただければメッセージをお届けいたします。」という音声ガイダンスを流し、発側端末10の画面に、災害伝言板の選択ボタンと、テキストメッセージ入力開始ボタンと、録音開始ボタンとを表示させる。災害伝言板の選択ボタンを選択したユーザは、災害伝言板のWEBサイトに誘導する。テキストメッセージ入力開始ボタンを選択したユーザには、テキストメッセージをSMSで送信するように誘導する。入力されたテキストメッセージは、ファイルサーバ12において、着側端末14の機種又は設定のような属性に応じて音声メッセージに変換されてもよい。録音開始ボタンを選択したユーザは、音声ファイルを生成して、メール添付により音声ファイルを送信するように誘導する。
【0048】
一方、端末操作に慣れていないユーザには、例えば、「操作がわからない方はそのままお待ち下さい。」という音声ガイダンスを流し、一定時間後、「090-BBBB-BBBB宛のメッセージをお預かりします。発信音の後にメッセージをお話し下さい。」という音声ガイダンスを流す。そして、図4の(5)に示すように、音声ファイルがファイルサーバ12にアップロードされる。
【0049】
本発明の実施例では、着側端末14への通知にSMSメッセージを使用しているが、電子メールを使用してもよい。この場合、ファイルサーバ12は、電話番号とメールアドレスとを対応付ける変換テーブルを有する。ファイルサーバ12は、変換テーブルを参照して、音声ファイルに付与された着側の電話番号をメールアドレスに変換し、電子メール着側端末14に送信してもよい。
【0050】
更に、ファイルサーバ12は、着側の回線交換網が規制されていない場合、着側端末に回線交換網を介して発信し、音声ファイルを再生してもよい。これは、着側端末が固定端末である場合にも適用可能である。
【0051】
また、ファイルサーバ12が音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを送信せずに、音声ファイルをアクセス可能な場所に保存して処理を終了してもよい。この場合、着側端末14は、ファイルサーバ12にアクセスし、発側端末10の電話番号又は着側端末14の電話番号を用いて音声ファイルを検索し、ダウンロードする。
【0052】
<第1変形例:ファイルアップロード方式(発側端末から着側端末にSMS送信する場合)>
上記の実施例では、ファイルサーバ12から着側端末14に音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを送信する場合について説明したが、次に、発側端末10から着側端末14に音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを送信する場合について説明する。
【0053】
図6に、本発明の第1変形例に係る通信システムの全体構成図を示す。
【0054】
図1と同様に、本発明の第1変形例に係る通信システムは、端末10及び14と、ファイルサーバ12とを有する。端末10は、回線交換網及びパケット交換網に接続可能な装置である。典型的には、端末10は、携帯電話、スマートフォン等のような端末であるが、回線交換網及びパケット交換網に接続可能な如何なる装置でもよい。ファイルサーバ12は、パケット交換網に接続可能な装置であり、音声ファイルを格納する記憶装置を有する。端末14は、回線交換網及びパケット交換網に接続可能な装置であるが、パケット交換網のみに接続可能な如何なる装置でもよい。典型的には、端末14は、携帯電話、スマートフォン等のような端末であるが、パケット交換網に接続可能な如何なる装置でもよい。以下の説明では、端末10が発側端末であり、端末14が着側端末であると仮定する。
【0055】
発側端末10は、着側端末14の電話番号にダイヤルする(S21)。ここでは、災害等により、発側の回線交換網又は着側の回線交換網が規制中であり、接続できないものとする。このため、発側端末10は、音声ガイダンス等により、ユーザに音声メッセージの録音を促す。音声メッセージが入力されると、発側端末10は、音声ファイルを生成し、パケット交換網を介してファイルサーバ12にアップロードする(S22)。ファイルサーバ12は、音声ファイルを記憶装置に格納すると、音声ファイルの格納場所を発側端末10に通知する(S23)。発側端末10は、SMSメッセージにより音声ファイルの格納場所を着側端末14に通知する(S24)。着側端末14は、音声ファイルの格納場所にアクセスし、音声ファイルをダウンロードして再生する(S25)。
【0056】
このようにして、発側端末10及び着側端末14は、発信操作及び着信操作と同様に、ユーザの手間なく自動で音声メッセージを入力及び再生できる。
【0057】
図7を参照して、発側端末10、ファイルサーバ12及び着側端末14の更に詳細な機能について説明する。
【0058】
発側端末10は、通話規制検知部101と、音声ファイル生成部103と、音声ファイルアップロード部105と、SMS生成部107と、SMS送信部109とを有する。ファイルサーバ12は、音声ファイル受信部121と、音声ファイル格納部123と、ファイル格納場所通知部131と、音声ファイル送信部129とを有する。着側端末14は、SMS受信部141と、音声ファイルダウンロード部143と、音声ファイル再生部145とを有する。発側端末10及び着側端末14の各機能部は、コンピュータプログラム又はアプリケーションとして実現されてもよく、ファイルサーバ12の各機能部も、コンピュータプログラム又はアプリケーションとして実現されてもよい。
【0059】
発側端末10の通話規制検知部101、音声ファイル生成部103及び音声ファイルアップロード部105は、図2で説明した通りであるため、説明を省略する。
【0060】
SMS生成部107は、アップロードした音声ファイルの格納場所を取得する。音声ファイルの格納場所は、HTTP等によりアップロードした結果として、ファイルサーバ12からHTTPレスポンスにより通知されてもよく、ファイルサーバ12からSMSメッセージで通知されてもよい。そして、SMS生成部107は、音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを生成する。
【0061】
SMS送信部109は、図2のSMS送信部127で説明した通り、生成されたSMSメッセージを着側端末14に送信する。SMSメッセージの発信元及び宛先は、それぞれ音声ファイルに付与された発側端末の電話番号及び着側端末の電話番号とする。
【0062】
ファイルサーバ12の音声ファイル受信部121、音声ファイル格納部123及び音声ファイル送信部129は、図2で説明した通りであるため、説明を省略する。
【0063】
ファイル格納場所通知部131は、HTTPレスポンス又はSMSメッセージ等により、音声ファイルの格納場所を発側端末10に通知する。
【0064】
着側端末14のSMS受信部141、音声ファイルダウンロード部143及び音声ファイル再生部145は、図2で説明した通りであるため、説明を省略する。
【0065】
図8に、第1変形例に係る通信方法のシーケンス図を示す。
【0066】
ステップS201〜S211は、図3のステップS101〜S111と同じである。
【0067】
ファイルサーバ12が発側端末10からアップロードされた音声ファイルを格納すると、ファイルサーバ12は、音声ファイルの格納場所を発側端末10に送信する(S213、S215)。
【0068】
発側端末10は、音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを着側端末14に送信する(S217、S219、S221)。ここではSMSメッセージはパケット交換網を介して着側端末14に送信されているが、SMSメッセージは回線交換網を介して着側端末14に送信されてもよい。
【0069】
以降のステップS231〜S239は、図3のステップS131〜S139と同じである。
【0070】
第1変形例においても同様に、図4及び図5に示すようなユーザへのインタフェースを提供できる。
【0071】
なお、第1変形例は、上記の実施例と分けて記載しているが、これらを組み合わせることも可能である。例えば、上記の実施例によってSMSメッセージが着側端末14に届かない場合に、第1変形例を使用してもよい。また、例えば、上記の実施例と第1変形例とを併用して、2つのSMSメッセージを着側端末14に送信してもよい。
【0072】
更に、第1変形例においても、SMSメッセージの代わりに電子メールを使用してもよい。この場合、発側端末10は、電話帳を参照して、着側端末の電話番号をメールアドレスに変換し、電子メールを着側端末14に送信してもよい。
【0073】
<第2変形例:ファイルアップロード方式(災害用伝言ダイヤルを使用する場合)>
次に、発側端末10から災害用伝言ダイヤル等の特番にダイヤルしてファイルサーバ12に音声メッセージを録音する場合について説明する。
【0074】
図9に、本発明の第2変形例に係る通信システムの全体構成図を示す。
【0075】
図1と同様に、本発明の第2変形例に係る通信システムは、端末10及び14と、ファイルサーバ12とを有する。端末10は、回線交換網に接続可能な如何なる装置でもよい。ファイルサーバ12は、パケット交換網に接続可能な装置であり、音声ファイルを格納する記憶装置を有する。端末14は、回線交換網及びパケット交換網に接続可能な装置であるが、回線交換網とパケット交換網とのうち一方のみに接続可能な如何なる装置でもよい。典型的には、端末14は、携帯電話、スマートフォン等のような端末であるが、回線交換網とパケット交換網とのうち一方のみに接続可能な如何なる装置でもよい。以下の説明では、端末10が発側端末であり、端末14が音声メッセージを受け取る端末であると仮定する。端末14は、例えば、契約情報により設定された家族の端末でもよく、予め発側端末10のユーザが指定した端末でもよい。
【0076】
発側端末10は、災害用伝言ダイヤル等の予め指定された特番にダイヤルする(S31)。ここでは、災害等により、発側の回線交換網又は着側の回線交換網が規制中であるが、特番には接続できるものとする。特番をダイヤルすることにより、発側端末10は、モデム等を経由してファイルサーバ12に接続する。ファイルサーバ12は、音声ガイダンス等により、ユーザに音声メッセージの録音を促し、音声メッセージを録音する(S32)。ファイルサーバ12は、音声メッセージを音声メッセージとして記憶装置に格納すると、音声ファイルの格納場所を予め設定された端末14に通知する(S33)。端末14は、音声ファイルの格納場所にアクセスし、音声ファイルをダウンロードして再生する(S34)。
【0077】
なお、図9では、発側端末10が特番にダイヤルする手順から始まっているが、発側端末10が端末14の電話番号(090-BBBB-BBBB)をダイヤルして失敗した場合に、端末14のユーザだけでなく家族等に音声メッセージを通知するために、ファイルサーバ12に音声メッセージを録音してもよい。
【0078】
このようにして、発側端末10及び着側端末14は、発信操作及び着信操作と同様に、ユーザの手間なく自動で音声メッセージを入力及び再生できる。
【0079】
第2変形例は上記の実施例及び第1実施例と組み合わせることも可能である。このような場合、端末14は、端末14の電話番号をダイヤルして送信した音声ファイルと、特番をダイヤルして録音した音声ファイルとのどちらからでも、音声ファイルをダウンロードして再生できる。
【0080】
図10及び図11を参照して、発側端末10、ファイルサーバ12及び端末14の更に詳細な機能について説明する。第2変形例で用いられる発側端末10は、回線交換網を介して通話ができる如何なる端末でもよい。
【0081】
ファイルサーバ12は、音声受信部133と、音声ファイル格納部123と、SMS生成部125と、SMS送信部127と、音声ファイル送信部129と、契約情報格納部135とを有する。端末14は、SMS受信部141と、音声ファイルダウンロード部143と、音声ファイル再生部145とを有する。端末14の各機能部は、コンピュータプログラム又はアプリケーションとして実現されてもよく、ファイルサーバ12の各機能部も、コンピュータプログラム又はアプリケーションとして実現されてもよい。
【0082】
音声受信部133は、発側端末10に音声メッセージの録音を促す音声ガイダンスを流し、音声メッセージを録音する。音声メッセージは、音声ファイルとして、音声ファイル格納部123の端末14によりアクセス可能な場所に格納される。音声ファイル格納部123は、音声ファイルを格納する記憶装置である。
【0083】
ファイルサーバ12のSMS生成部125及び音声ファイル送信部129は、図2で説明した通りであるため、説明を省略する。
【0084】
SMS送信部127は、契約情報格納部135を参照して、SMSメッセージの宛先を決定する。図11に示すように、契約情報格納部135には、SMSメッセージの発信元と宛先とが対応付けて格納されている。契約情報格納部135には、発信元電話番号に対して、1つ以上の宛先が対応付けられて格納されている。宛先は、携帯電話の電話番号でもよく、電子メールアドレスでもよく、固定電話の電話番号でもよい。例えば、SMSメッセージの宛先は、事前に登録された家族の端末のように、発側端末10と家族間の契約を締結している端末でもよい。この場合、宛先の情報は、家族間の契約情報から生成されてもよい。また、SMSメッセージの宛先は、発側端末10により指定された端末でもよい。SMSメッセージの発信元は、発側端末10の電話番号とする。SMS送信部127は、図2のSMS送信部127で説明した通り、生成されたSMSメッセージを事前に登録された家族の端末等の端末14に送信する。
【0085】
端末14のSMS受信部141、音声ファイルダウンロード部143及び音声ファイル再生部145は、図2で説明した通りであるため、説明を省略する。
【0086】
図12に、第2変形例に係る通信方法のシーケンス図を示す。
【0087】
まず、発側端末10は、回線交換網を介して災害用伝言ダイヤルの特番にダイヤルする(S301、S303)。ファイルサーバ12は、発側端末10に対して音声ガイダンスを流し、音声メッセージの録音を促す(S305、S307)。
【0088】
発側端末10のユーザが音声メッセージを伝えると(S309、S311)、音声メッセージは、音声ファイルとしてファイルサーバ12に格納される(S313)。ファイルサーバ12は、音声ファイルの格納場所が示されたSMSメッセージを、予め設定された宛先の端末14に送信する(S315、S317)。ここではSMSメッセージはパケット交換網を介して端末14に送信されているが、SMSメッセージは回線交換網を介して端末14に送信されてもよい。
【0089】
以降のステップS331〜S339は、図3のステップS131〜S139と同じである。
【0090】
第2変形例では、SMSメッセージを受信した端末14がファイルサーバ12にアクセスして音声ファイルをダウンロードしているが、SMSメッセージを受信していない端末が、ファイルサーバ12にアクセスして発側端末10の電話番号等を入力し、音声ファイルをダウンロードしてもよい。この場合、ファイルサーバ12は、Webサーバとして機能してもよい。
【0091】
なお、第2変形例においても、SMSメッセージの代わりに電子メールを使用してもよい。また、ファイルサーバ12は、着側の回線交換網が規制されていない場合、着側端末に回線交換網を介して発信し、音声ファイルを再生してもよい。これは、宛先の端末が固定端末である場合にも適用可能である。
【0092】
説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明しているが、本発明の装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。また、各機能部が必要に応じて組み合わせて使用されてもよい。
【0093】
説明の便宜上、本発明の実施例に係る方法は処理の流れを示すフローチャート及びシーケンス図を用いて説明しているが、本発明の方法は、実施例に示す順序と異なる順序で実施されてもよい。
【0094】
<実施例の効果>
本発明の実施例によれば、回線交換網の規制中であっても、ユーザにとって使いやすい方法で音声メッセージを着側端末に届けることが可能になる。発側端末のユーザは、着側端末の電話番号をダイヤルするだけで、音声ファイルをアップロードして着側端末に通知できるため、端末操作に慣れていないユーザにとって容易な方法で、音声メッセージを着側端末に届けることができる。SMSメッセージが用いられる場合、発側端末及び着側端末において電子メールアドレスの設定が不要となるため、電子メールアドレスのない端末にも、音声メッセージを届けることができる。
【0095】
また、着側端末においても、格納場所にアクセスするだけで音声ファイルが再生されるため、端末操作に慣れていないユーザにとって容易な方法で、音声メッセージを再生できる。更に、SMSメッセージを受信すると、端末操作をせずに自動的に音声メッセージを再生することも可能である。
【0096】
また、一斉同報サービスを使用することにより、被災地だけでなく、全国のユーザの端末をネットワーク混雑回避モードに設定でき、ネットワークの負荷を低減できる。
【0097】
一方、ネットワーク混雑回避モードであっても、端末操作に慣れているユーザを別の通信手段に誘導することにより、ネットワークの負荷を低減できる。
【0098】
第1変形例によれば、端末間で直接SMSメッセージが送信される。異なる事業者をまたがる場合等に、ファイルサーバから端末へのSMSメッセージの送信は許可されていないが、端末間のSMSメッセージの送信は許可されていることがある。このような場合には、第1変形例が有効である。
【0099】
第2変形例によれば、発側端末は、災害用伝言ダイヤルに電話するだけでよい。すなわち、発側端末への特別なアプリケーションのインストール等の必要がなくなる。
【0100】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0101】
10、14 端末
12 ファイルサーバ
101 通話規制検知部
103 音声ファイル生成部
105 音声ファイルアップロード部
107 SMS生成部
109 SMS送信部
121 音声ファイル受信部
123 音声ファイル格納部
125 SMS生成部
127 SMS送信部
129 音声ファイル送信部
131 ファイル格納場所通知部
133 音声受信部
135 契約情報格納部
141 SMS受信部
143 音声ファイルダウンロード部
145 音声ファイル再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、パケット交換網に接続されたファイルサーバとを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記端末が、回線交換網の規制を検知する規制検知ステップと、
前記端末が、着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成する音声ファイル生成ステップと、
前記端末が、パケット交換網を介して音声ファイルを前記ファイルサーバにアップロードする音声ファイルアップロードステップと、
前記ファイルサーバが、音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部に格納する音声ファイル受信ステップと、
前記端末又は前記ファイルサーバが、音声ファイルの格納場所を前記着側端末に通知する格納場所通知ステップと、
を有する通信方法。
【請求項2】
前記格納場所通知ステップは、前記ファイルサーバが、音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを生成し、前記着側端末に送信する、請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記格納場所通知ステップは、前記端末が、前記ファイルサーバから音声ファイルの格納場所を取得し、音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを生成し、前記着側端末に送信する、請求項1に記載の通信方法。
【請求項4】
前記規制検知ステップは、通信エリア内に一斉同報された規制情報を受信することにより、パケット交換網を介して音声ファイルがアップロードされるネットワーク混雑回避モードに設定する必要があることを検知する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項5】
前記着側端末が、通知された音声ファイルの格納場所から、パケット交換網を介して音声ファイルをダウンロードする音声ファイルダウンロードステップと、
前記着側端末が、音声ファイルを再生する音声ファイル再生ステップと、
前記着側端末又は前記ファイルサーバが、音声ファイルがダウンロード又は再生されたことを前記端末に通知する通知ステップと、
を更に有する、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項6】
前記端末が、着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、テキストメッセージの入力又は音声メッセージの入力を選択させる選択ステップを更に有し、
前記音声ファイル生成ステップは、音声メッセージの入力が選択された場合に、音声ファイルを生成する、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項7】
前記端末がテキストメッセージの入力を選択した場合、前記ファイルサーバが、前記着側端末の属性に応じて、入力されたテキストメッセージを音声メッセージに変換する変換ステップを更に有する、請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
前記端末と通信する基地局が、前記端末の能力に応じて、回線交換網の規制中のガイダンスを送信するか否かを判断する判断ステップを更に有する、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項9】
前記端末が、前記端末の状態に応じて、基地局から受信した音声ガイダンスを出力するか否かを判断する判断ステップを更に有する、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項10】
回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、パケット交換網に接続されたファイルサーバとを有する通信システムであって、
前記端末は、
回線交換網の規制を検知する規制検知部と、
着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、
パケット交換網を介して音声ファイルを前記ファイルサーバにアップロードする音声ファイルアップロード部と、
を有し、
前記ファイルサーバは、
音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部に格納する音声ファイル受信部と、
音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを生成するメッセージ生成部と、
生成されたメッセージを前記着側端末に送信するメッセージ送信部と、
を有する通信システム。
【請求項11】
回線交換網及びパケット交換網に接続された端末と、パケット交換網に接続されたファイルサーバとを有する通信システムであって、
前記端末は、
回線交換網の規制を検知する規制検知部と、
着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、入力された音声メッセージから音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、
パケット交換網を介して音声ファイルを前記ファイルサーバにアップロードする音声ファイルアップロード部と、
前記ファイルサーバから音声ファイルの格納場所を取得し、音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを生成するメッセージ生成部と、
生成されたメッセージを前記着側端末に送信するメッセージ送信部と、
を有し、
前記ファイルサーバは、
音声ファイルを受信し、音声ファイル格納部に格納する音声ファイル受信部と、
音声ファイルの格納場所を前記端末に通知する格納場所通知部と、
を有する通信システム。
【請求項12】
前記規制検知部は、通信エリア内に一斉同報された規制情報を受信することにより、パケット交換網を介して音声ファイルがアップロードされるネットワーク混雑回避モードに設定する必要があることを検知する、請求項10又は11に記載の通信システム。
【請求項13】
前記着側端末は、
通知された音声ファイルの格納場所から、パケット交換網を介して音声ファイルをダウンロードする音声ファイルダウンロード部と、
音声ファイルを再生する音声ファイル再生部と、
音声ファイルがダウンロード又は再生されたことを前記端末に通知する通知部と、
を更に有する、請求項10乃至12のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項14】
前記端末は、
着側端末にダイヤルした際に回線交換網が規制中である場合、テキストメッセージの入力又は音声メッセージの入力を選択させる選択部を更に有し、
前記音声ファイル生成部は、音声メッセージの入力が選択された場合に、音声ファイルを生成する、請求項10乃至13のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項15】
前記ファイルサーバは、
前記端末がテキストメッセージの入力を選択した場合、前記着側端末の属性に応じて、入力されたテキストメッセージを音声メッセージに変換する変換部を更に有する、請求項14に記載の通信システム。
【請求項16】
前記端末の能力に応じて、回線交換網の規制中のガイダンスを送信するか否かを判断する基地局を更に有する、請求項10乃至15のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項17】
前記端末は、
前記端末の状態に応じて、基地局から受信した音声ガイダンスを出力するか否かを判断する判断ステップを更に有する、請求項10乃至15のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項18】
回線交換網に接続されたファイルサーバにおける通信方法であって、
端末から回線交換網を介して音声メッセージを受信し、音声ファイルとして音声ファイル格納部に格納する音声受信ステップと、
音声ファイルの格納場所を予め設定された宛先の端末に通知する格納場所通知ステップと、
を有する通信方法。
【請求項19】
回線交換網に接続されたファイルサーバであって、
端末から回線交換網を介して音声メッセージを受信し、音声ファイルとして音声ファイル格納部に格納する音声受信部と、
前記ファイルサーバが、音声ファイルの格納場所が示されたメッセージを予め設定された宛先の端末に通知する格納場所通知部と、
を有するファイルサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−231434(P2012−231434A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100153(P2011−100153)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】