説明

通信機器及び通信方法

【課題】文字メッセージの内容の感情度合い等の所定の基準に基づいたパラメータに基づき音声による報知を行う通信機器及び通信方法を提供する。
【解決手段】分析部51は、送受信部1が受信したメールの本文の分析を行い、パラメータ算出部52は、分析部51の分析結果を基に、受信メール本文全体の感情度合いを判定する。音声報知制御部531は、パラメータ算出部52が判定した感情度合いが所定の感情度合いであるか否かを判断し、所定の感情度合いであるときは当該感情度合いに対応したメロディをメモリ4のメロディデータ一覧から読み出し、音声報知部532は、音声報知制御部531がメモリ4から読み出したメロディを再生し、ユーザに対して受信したメールの感情度合いの報知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字によるメッセージのやり取りを行う通信機器及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メール(文字メッセージ)の送受信が可能な通信機器が普及し、メールのやり取りを行うことによりコミュニケーションをとる機会が多くなっている。これに伴い、個々人が受信するメールの件数は増大し、場合によっては全てのメールを見る時間が取れない場合がある。そのような場合、文字メッセージに付随して受信されることの多いタイトルやメールの発信者等の情報を基に、見るメールと見ないメールの取捨選択を行う対処法も考えられるが、例えば、同じ発信者から何通もメールが来る場合や、タイトル等の情報が付随していないメールが来る場合もあり、必ずしもその対処法が有効に機能するとは限らない。
【0003】
この事態を解決する関連技術として、例えば、特許文献1に開示された感情認識システムがある。
特許文献1によれば、電子文書が有する各単語の感情ベクトルを文書全体について積算し、その電子文書が有する感情を自動的に判定すると共に、その判定結果を視覚的表示形式でユーザに通知する感情認識システムが開示されている。
【0004】
このような感情認識システムを利用すれば、ユーザはメールの内容を確認する前に、メールの内容の傾向を視覚的表示形式により、例えば笑い顔や、泣き顔、怒った顔等を表示する感情アイコン等により把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−230011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した技術では、判定されたメールの感情をユーザに通知する手段として、感情アイコン或いは色による感情種別の表示等、視覚的表示形式でしか表示されないため、ユーザは例えばメールを受信した際に感情アイコン等が表示される表示部を直接視認しなければメールの内容の傾向を知ることができないので、メールを受信するたびに端末を取り出して表示部に感情アイコン等を表示させる必要があり煩わしい、という不利益があった。
本発明は、上述した不利益を解消して、文字メッセージの内容の感情度合い等の所定の基準に基づいたパラメータに基づき音声による報知を行う通信機器及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、第1の観点の発明の通信機器は、文字メッセージを受信する受信部と、前記受信部により受信された前記文字メッセージの受信を報知する受信報知部と、前記受信部により受信された前記文字メッセージを分析する分析部と、前記分析部により分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータを算出するパラメータ算出部とを有し、前記受信報知部は、前記文字メッセージの受信を音声動作により報知する音声報知部と、前記音声報知部での前記音声動作による報知を前記パラメータ算出部により算出された前記パラメータに応じて制御する音声報知制御部とを有する。
【0008】
好適には、前記受信報知部は、前記受信部による前記文字メッセージの受信に伴い当該受信に対する第1報知動作を行い、前記音声報知部は、前記文字メッセージの受信に伴う前記第1報知動作の後に前記音声動作による報知を行う。
【0009】
好適には、前記音声報知制御部は、前記パラメータ算出部により算出された前記文字メッセージの前記パラメータが所定のパラメータであるとき、前記音声報知部での音声動作による報知を行う。
【0010】
好適には、前記受信部により受信された文字メッセージが確認されたか否かを判定する確認判定部と、前記受信部による前記文字メッセージの受信からの経過時間を測定するタイマ部とを更に有し、前記音声報知部は、前記タイマ部により測定される経過時間が所定時間に達したとき、前記確認判定部にて前記受信された文字メッセージが確認されていないと判定され、且つ前記パラメータ算出部にて前記文字メッセージのパラメータが所定のパラメータであると判定された場合に、音声動作による報知を再度行う。
【0011】
好適には、前記パラメータ算出部が前記分析部により分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて算出する、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータは、前記文字メッセージの重要度合いである。
【0012】
好適には、前記パラメータ算出部が前記分析部により分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて算出する、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータは、前記文字メッセージの感情度合いである。
【0013】
第2の観点の発明の通信方法は、文字メッセージを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信された前記文字メッセージの受信を報知する報知ステップと、前記受信ステップにより受信された前記文字メッセージを分析する分析ステップと、前記分析ステップにより分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータを算出するパラメータ算出ステップとを有し、前記報知ステップでは、前記文字メッセージの受信を音声動作により報知するとともに、前記音声動作による報知を前記パラメータ算出ステップにより算出された前記パラメータに応じて制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の通信機器及び通信方法によれば、受信された文字メッセージを分析し、その分析結果に基づいて所定の基準に基づいたパラメータを算出し、その算出されたパラメータに応じて音声による報知を行う構成となっているため、ユーザは視認動作を要することなくメールの内容の傾向を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本実施形態の携帯電話機100の構成の一例を示す図である
【図2】図2は、メモリ4のデータ一覧の一例について説明するための図である。
【図3】図3は、各データ一覧の対応の一例を示すテーブルを示した図である。
【図4】図4は、感情メール処理の際の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、本発明の通信機器の一例として携帯電話機100について説明する。
図1は、本実施形態の携帯電話機100の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の携帯電話機100は、送受信部1、キー入力部2、表示部3、メモリ4、及び制御部5を有する。
【0017】
以下、携帯電話機100の各構成について説明する。
送受信部1は、携帯電話機100の各種通信に使用するデータ、例えば、音声通話の際の音声データや、メール(文字メッセージ)などの文字データ等の情報を波形信号として外部基地局を含む通信網に送信する送信部と、当該基地局からの同信号を受信する受信部を有する。
キー入力部2は、携帯電話機100の入力手段であり、例えば複数のボタン等によって構成され、ユーザはこれらによって各種入力操作を行うことができる。
表示部3は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、携帯電話機100の各動作に関した様々な情報、例えば、音声通話、着信情報、発信相手情報、メール受信情報等を表示する。
【0018】
メモリ4は、携帯電話機100の各動作に関する様々な情報、例えば、電話番号や名前、メールアドレス等のアドレス帳データ、表示部3に表示する画像データ、音声通話着信音やメール着信音等の音声データ等を記憶している。
また、メモリ4は、後述するパラメータ算出部52が感情度合いを判定する際に参照するキーワード、当該キーワードが属する感情カテゴリ、後述するパラメータ算出部52が判定した感情度合いに応じて後述する音声報知部532が再生する感情度合い報知音声(メロディ)等のデータも記憶している。
【0019】
図2は、メモリ4が記憶するデータの一例について説明するための図である。
例えば、図2(a)〜(c)に示すように、メモリ4が記憶するデータにはキーワードデータ一覧と、感情カテゴリデータ一覧と、メロディデータ一覧とがある。
キーワードデータ一覧は、メールの本文を検索するためのキーワードを有するデータ一覧である。キーワードには、例えば、図2(a)に示すように、「嬉しい」、「びっくり」、「悲しい」等の単語があり、後述する感情メール処理の際にはこれらのキーワードを基にメールの検索がなされる。
なお、図2(a)に示したキーワードデータ一覧は一例であり、その他のキーワードも含みうる。
【0020】
次に、感情カテゴリデータ一覧について説明する。
感情カテゴリデータ一覧は、感情のカテゴリを有するデータ一覧である。すなわち、図2(b)に示すように。感情カテゴリには「笑い」、「驚き」、「涙」等、予め想定できる感情のカテゴリが含まれており、後述するパラメータ算出部52が判定した感情度合いが感情カテゴリデータ一覧内のいずれかの感情カテゴリに必ず含まれるようになっている。なお、図2(b)に示した感情カテゴリデータ一覧は一例である。
【0021】
メロディデータ一覧は、後述するパラメータ算出部52が算出した感情度合いに対応したメロディを有するデータ一覧である。
なお、図2(c)に示したアイコンデータ一覧は一例である。
【0022】
なお、図3に示すように、上述したキーワードデータ一覧の各キーワードは、感情カテゴリデータ一覧のいずれか1つに対応付けられており、感情カテゴリデータ一覧内の各感情カテゴリは、メロディデータ一覧内のメロディのいずれか1つに対応付けられている。
【0023】
制御部5は、携帯電話機100の統括的な制御を行う。
すなわち、例えば、音声通話着信があった場合には、発信相手から発信先情報を受信し、メモリ4内のアドレス帳データと照合しデータが存在した場合には表示部3に発信先情報を表示させ、図示しない音声入出力部を制御して通話を開始させる。
【0024】
また、制御部5は、特にメールを受信した際に感情メール処理を行うために、分析部51と、パラメータ算出部52と、受信報知部53と、確認判定部54と、タイマ部55とを更に有する。
感情メール処理とは、メールを受信した際に、メール内の単語を検索し、メモリ4のキーワードデータ一覧内のキーワードと一致する単語があれば、当該キーワードに対応付けられた感情をメモリ4から読み出して集計し、その結果最も読み出された数の多かった感情を受信したメール全体の感情度合いであると判定し、当該感情度合いに対応するメロディをメモリ4から読み出して図示しない音声入出力部に報知させる処理である。
メールを受信した際に感情メール処理を行うか否かは、例えば通常の待ち受け状態において予めキー入力部2を操作することにより設定しておくことができる。
【0025】
分析部51は、送受信部1の受信部が受信したメールを分析する。分析の方法は、例えば、メモリ4内のキーワードデータ一覧内のキーワードと一致する単語の検索である。
パラメータ算出部52は、分析部51の分析結果を基に、すなわち分析部51が検索したデータ一覧内のキーワードと一致した受信メール内の単語の数を基に、受信メール本文全体の感情度合いを算出し、例えば、分析部51により検索された全てのキーワードに対応する感情カテゴリを集計し、一番多くあった感情カテゴリをメール本文全体の感情度合いとする。
【0026】
すなわち、図2のデータ一覧を利用して説明すると、例えば、受信メール中にキーワードNo.1「嬉しい」が5個、No.2「びっくり」が4個、No.3「悲しい」が5個、No.29「嬉しかった」が2個あった場合、感情カテゴリNo.1「笑い」に属するキーワードが7個、No.2「驚き」が4個、No.3「悲しい」が5個存在することになるので、このメールの感情度合いは、一番多かった「笑い」である、というように判定を行う。
なお、ここで示した感情度合い判定の方法は一例であり、本発明では限定しない。
【0027】
受信報知部53は、メール受信に応じて、メール受信情報を表示部3に表示させたり、図示しない音声入出力部に音声を鳴動させたり、図示しない振動報知部に携帯電話機100の筐体を振動させたりすることによって、メール受信をユーザに報知する(第1報知動作)。
また、受信報知部53は、パラメータ算出部52が判定した感情度合いに対応した感情度合い通知音声を図示しない音声入出力部に報知させる感情メール音声報知処理を行う。
【0028】
感情メール音声報知処理は、以下のように行われる。
受信報知部53は、感情メール音声報知処理を行うための構成として、音声報知制御部531および音声報知部532を更に有する。
音声報知制御部531は、パラメータ算出部52が判定した感情度合いに対応するメロディをメモリ4のメロディデータ一覧から読み出す。
音声報知部532は、音声報知制御部531がメモリ4から読み出したメロディを再生し、ユーザに対して受信したメールの感情度合いを音声によって報知する。
【0029】
確認判定部54は、ユーザがメールの確認を行ったか否かを判定する。
すなわち、確認判定部54は、新着メール(新たに受信したメール)の本文画面(メールの本文を表示する画面)が、ユーザの操作によって表示部3に表示された場合、その新着メールが確認されたとし、新着メールの本文画面が表示部3に表示されていない場合、その新着メールは未だ確認されていない、と判定する。
なお、ここで示した新着メールが確認されたか否かを確認判定部54が判定する方法は一例であり、本発明では限定しない。
タイマ部55は、送受信部1によりメールが受信されてからの経過時間を測定する。なお、タイマ部55は受信報知部53が行ったメール受信の報知からの経過時間を測定する。
【0030】
以下、本実施形態の携帯電話機100の感情メール処理の際の動作例について説明する。図4は、感情メール処理の際の動作例を示すフローチャートである。
【0031】
ステップST1:
送受信部1がメールを受信する。
ステップST2:
受信報知部53は、ステップST1におけるメールの受信に応じて、メール受信情報を表示部3に表示させたり、音声入出力部に音声を鳴動させたり、振動報知部に携帯電話機100の筐体を振動させたりすることによって、メールの受信をユーザに報知する。
【0032】
ステップST3:
制御部5は、送受信部1がステップST1において受信したメールの本文の感情度合いを判定し感情度合い音声報知を行う感情メール処理を行う設定であるか否かを判断し、感情メール処理を行う設定になっている場合はステップST4に進み、感情メール処理を行う設定になっていない場合は制御部5の制御により処理を終了し、通常の待ち受け状態に戻る。
ステップST4:
分析部51は、送受信部1がステップST1において受信したメールの本文の分析を行う。
【0033】
ステップST5:
パラメータ算出部52は、分析部51のステップST4における分析結果を基に、受信メール本文全体の感情度合いを算出する。
ステップST6:
音声報知制御部531は、ステップST5においてパラメータ算出部52が算出した感情度合いが所定の感情度合いであるか否かを判断し、所定の感情度合いであるときは当該感情度合いに対応したメロディをメモリ4のメロディデータ一覧から読み出してステップST7に進み、所定の感情度合いでないときはステップST8に進む。
すなわち、例えば所定の感情度合いが「笑い」であると設定されていた場合は、「驚き」や「涙」の感情度合いのメールを受信した場合にはステップST8に進み、「笑い」の感情度合いのメールを受信したときのみ「笑い」に対応するメロディをメモリ4から読み出してステップST7に進む。
なお、所定の感情度合いは、例えば通常の待ち受け時等にユーザによって設定された感情度合いであってもよいし、本携帯電話機100の出荷時にあらかじめ設定された感情度合いであってもよい。本実施形態では、所定の感情度合いの決定方法は限定しない。
また、所定の感情度合いは1つである必要はなく、例えば「笑い」と「驚き」が所定の感情度合いである、というように、複数の感情度合いを所定の感情度合いに設定できるようにしてもよい。
【0034】
ステップST7:
音声報知部532は、音声報知制御部531がステップST6においてメモリ4から読み出したメロディを再生し、ユーザに対して受信したメールの感情度合いの報知を行う。
ステップST8:
タイマ部55は、ステップST1における送受信部1のメール受信から所定の時間が経過した場合はステップST9へ進み、所定の時間が経過していない場合はステップST8を繰り返す。
なお、所定の経過時間は、例えば通常の待ち受け時等にユーザによって設定された経過時間であってもよいし、本携帯電話機100の出荷時にあらかじめ設定された経過時間であってもよい。本実施形態では、所定の経過時間の決定方法は限定しない。
【0035】
ステップST9:
確認判定部54は、ユーザがメールの確認を行ったか否かを判定し、確認が行われていなかった場合は、ステップST10に進み、確認が行われていた場合は処理を終了し、制御部5の制御により通常の待ち受け状態に戻す。なお、待ち受け状態に戻った後もユーザがメールの確認を行ったと判定されるまで定期的にST9に戻る構成としてもよい。その場合、ST9に戻る間隔はタイマ部55に予め設定する等しておけばよい。
【0036】
ステップST10:
音声報知制御部531は、ステップST5においてパラメータ算出部52が算出した感情度合いが所定の感情度合いであるか否かを再度判断し、所定の感情度合いであるときは当該感情度合いに対応したメロディをメモリ4のメロディデータ一覧から読み出してステップST11に進み、所定の感情度合いでないときは処理を終了し、制御部5の制御により通常の待ち受け状態に戻る。
なお、本ステップにおける所定の感情度合いは、ステップST6における所定の感情度合いと同一であっても同一でなくともよい。すなわち、ステップST6において所定の感情度合いではないと判断された場合であっても、本ステップにおいて所定の感情度合いであると判断され、当該感情度合いに対応したメロディをメモリ4のメロディデータ一覧から読み出してステップST11に進む場合がありうる。例えば、パラメータ算出部52により算出された感情度合いが「笑い」であり、ステップST6においてはこの「笑い」の感情度合いが所定の感情度合いでないと判断されるよう設定されていたとしても、本ステップにおいては「笑い」の感情度合いが所定の感情度合いであると判断されるよう設定されていてもよい。
また、本ステップにおける所定の感情度合いも、例えば通常の待ち受け時等にユーザによって設定された感情度合いであってもよいし、本携帯電話機100の出荷時にあらかじめ設定された感情度合いであってもよく、所定の感情度合いの決定方法は本実施形態では限定しない。
また、本ステップにおける所定の感情度合いも、ステップST6と同様に、1つである必要は無く、複数の感情度合いを所定の感情度合いに設定できるようにしてもよい。
【0037】
ステップST11:
音声報知部532は、音声報知制御部531がステップST10においてメモリ4から読み出したメロディを再生し、ユーザに対して感情度合いに応じたメール受信の報知を行う。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の携帯電話機100によれば、受信された文字メッセージを分析し、その分析結果に基づいて所定の基準に基づいたパラメータを算出し、その算出されたパラメータに応じて音声による報知を行う構成となっているため、ユーザは視認動作を要することなくメールの内容の傾向を知ることができる。
【0039】
また、本実施形態の携帯電話機100によれば、受信報知部53がメールの受信に応じて、メール受信情報を表示部3に表示させたり、音声入出力部に音声を鳴動させたり、振動報知部に携帯電話機100の筐体を振動させたりといった報知動作を行った後に、音声報知部532による感情度合いに応じた音声による報知が行われるので、メールの受信報知時にユーザは感情度合いに応じた音声による報知を聞く心構えをすることができ、感情度合いに応じた音声を聞き逃しにくくなる。
【0040】
また、本実施形態の携帯電話機100によれば、音声報知制御部531が所定の感情度合いのメール本文に対してのみ感情度合いの報知を音声報知部532に行わせるので、例えば読みたいメールの受信のみを音声によってユーザに報知することができる。
【0041】
また、本実施形態の携帯電話機100によれば、タイマ部55が受信報知部53による通常の着信報知からの経過時間を測定し、所定時間経過後に未だメールがユーザによって確認されていないと確認判定部54が判断した場合には、音声報知部532が再度メロディを再生し音声報知を行うので、たとえユーザが音声報知を聞き逃した場合でも、受信メールの感情度合いをユーザに報知することができ、使い勝手が向上する。
【0042】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、本実施形態では受信報知部53が報知動作を行った後に、音声報知部532によって感情度合い音声による感情度合いの報知が行われる構成となっていたが、本発明はこれに限定されること無く、例えば、受信報知部53による通常の報知を行わずに、音声報知部532による感情度合い音声による報知を行う構成としてもよい。そうすることで、ユーザはメールを受信してから即座にそのメールの内容の傾向を知ることができ、使い勝手が向上する。
【0043】
なお、本実施形態では、メールの受信時に感情度合いを判定する例について説明したが、本発明はこれには限定されない。例えば、メールの内容から重要度合いを判定し、当該重要度合いに応じてメロディを再生してもよい。この場合は、例えば、メモリ4に重要度合いを判定するためのキーワードデータ一覧が記憶されており、分析部51がメール本文中の重要度合いを有するキーワードを全て検索し、パラメータ算出部52がその検索された重要度合いを集計して当該メール本文全体の重要度合いを算出し、当該重要度合いに予め対応付けられたメロディを音声報知部532が再生してユーザに重要度合いを報知する、といった方法によって実現が可能である。また、重要度合いだけでなく、本発明は、予め設定された所定の基準に基づいてメール本文全体の有するパラメータをパラメータ算出部52が算出し、音声報知部532が当該パラメータに応じたメロディを再生する全ての通信機器に適用可能である。
【0044】
また、本実施形態では、図4に示すステップST2において、受信報知部53がメールの着信に応じて着信画面を表示部3に表示させたり、音声入出力部に着信音を鳴動させたり、振動報知部に携帯電話機100の筐体を振動させたりすることによって、メール着信をユーザに報知した後に、ステップST7においてパラメータ算出部52が算出した感情度合いに対応したメロディを音声報知部532が再生し音声報知を行っているので、例えば、携帯電話機100がマナーモード等、音声が再生されない環境にある場合は音声報知部532による報知が行われない場合が考えられる。しかし、本発明では、マナーモード等音声が再生されない環境においても、受信したメールに対する感情度合いや重要度合い等のパラメータに応じて強制的にメロディの再生等による音声報知を行う構成にするようにしてもよい。
【0045】
また、本実施形態の携帯電話機100は、メモリ4内にキーワード、感情カテゴリ及びメロディの3種類のデータ一覧を有すると説明したが、本発明はこれに限定されず、更に他の種類のデータ一覧を有してもよい。
【0046】
さらに、本実施形態では、メール本文中の単語に対してのみキーワードか否かの判定を行うように説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、文節や特定の文字、例えば、顔文字や絵文字等、文字に関する情報であれば全て本発明のキーワードになりうる。つまり、メモリ4のキーワードカテゴリには同じく文節や特定の文字等が記憶されていてもよい。
【0047】
また、上述した実施形態では、受信メールに対する感情度合いや重要度合い等のパラメータに応じて音声動作により当該メールの受信を報知する構成としたが、音声動作に代えて、振動動作により同パラメータに応じた着信報知を行うように構成してもよい。この場合にも、メールを受信した際に表示部を視認しなくともメール内容の傾向を認識することができる。
【0048】
また、本実施形態では本発明の通信機器の一例として携帯電話機100を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、PDA等の携帯機器等、文字による通信を行うことができる機器であればよい。
【符号の説明】
【0049】
1…送受信部、2…キー入力部、3…表示部、4…メモリ、5…制御部、51…分析部、52…パラメータ算出部、53…受信報知部、531…音声報知制御部、532…音声報知部、54…確認判定部、55…タイマ部、100…携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字メッセージを受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記文字メッセージの受信を報知する受信報知部と、
前記受信部により受信された前記文字メッセージを分析する分析部と、
前記分析部により分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータを算出するパラメータ算出部と、
前記受信部により受信された前記文字メッセージが確認されたか否かを判定する確認判定部と、
前記受信部による前記文字メッセージの受信からの経過時間を測定するタイマ部と
を有し、
前記受信報知部は、前記文字メッセージの受信を音声動作により報知する音声報知部と、前記音声報知部での音声動作による報知を前記パラメータ算出部により算出された前記パラメータに応じて制御する音声報知制御部と、を有し、
前記音声報知部は、
前記文字メッセージのパラメータに応じた音声動作による第1の報知を行った後に、前記タイマ部により測定される経過時間が所定時間に達したとき、前記確認判定部にて前記受信された文字メッセージが確認されていないと判定され、且つ、前記パラメータ算出部により、前記文字メッセージのパラメータが第2報知パラメータであると判定された場合に、当該文字メッセージのパラメータに応じた音声動作による第2の報知を行い、前記文字メッセージのパラメータが第2報知パラメータでないと判定された場合に、当該文字メッセージのパラメータに応じた音声動作による第2の報知を行わない
ことを特徴とする通信機器。
【請求項2】
前記音声報知制御部は、
前記パラメータ算出部により算出された前記文字メッセージのパラメータが第1報知パラメータであるとき、前記音声報知部での音声動作による前記第1の報知を行い、
前記パラメータ算出部により算出された前記文字メッセージのパラメータが第1報知パラメータでないとき、前記音声報知部での音声動作による前記第1の報知を行わない
ことを特徴とする請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記第1報知パラメータと前記第2報知パラメータはそれぞれ異なる
請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記受信報知部は、前記受信部による前記文字メッセージの受信に伴い当該受信に対する第1報知動作を行い、
前記音声報知部は、前記文字メッセージの受信に伴う前記第1報知動作が終了した後に前記音声動作による第2報知動作を行う
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項5】
前記パラメータ算出部が前記分析部により分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて算出する、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータは、前記文字メッセージの重要度合いである
請求項1から4のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項6】
前記パラメータ算出部が前記分析部により分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて算出する、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータは、前記文字メッセージの感情度合いである
請求項1から4のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項7】
文字メッセージを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された前記文字メッセージの受信を報知する報知ステップと、
前記受信ステップにより受信された前記文字メッセージを分析する分析ステップと、
前記分析ステップにより分析された前記文字メッセージの分析結果に基づいて、前記文字メッセージの所定の基準に基づいたパラメータを算出するパラメータ算出ステップと、
前記受信ステップにより受信された前記文字メッセージが確認されたか否かを判定する確認判定ステップと、
前記受信ステップによる前記文字メッセージの受信からの経過時間を測定するタイマステップと、
を有し、
前記報知ステップでは、前記文字メッセージの受信を音声動作により報知し、前記音声動作による報知を前記パラメータ算出ステップにより算出された前記パラメータに応じて制御すると共に、
前記文字メッセージのパラメータに応じた音声動作による第1の報知を行った後に、前記タイマステップにより測定される経過時間が所定時間に達したとき、前記確認判定ステップにて前記受信された文字メッセージが確認されていないと判定され、且つ、前記パラメータ算出ステップにより、前記文字メッセージのパラメータが第2報知パラメータであると判定された場合に、当該文字メッセージのパラメータに応じた音声動作による第2の報知を行い、前記文字メッセージのパラメータが第2報知パラメータでないと判定された場合に、当該文字メッセージのパラメータに応じた音声動作による第2の報知を行わない
ことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−146050(P2011−146050A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31142(P2011−31142)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【分割の表示】特願2006−21061(P2006−21061)の分割
【原出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】