説明

通信端末、データを受信する方法、および、コンピュータプログラム製品

【課題】複数の通信ネットワークによって送信され、データ送信がを受信可能とする。
【解決手段】受信端末、第1のチャネルまたは第2のチャネルを介してデータを受信するように構成された受信機と、第1の施設による第1のデータの送信が、第2の施設による第2のデータの送信に重複する期間の第1の部分において、受信機が第1のチャネルを介して第1のネットワークの第1の施設から第1のデータの一部を受信し、かつ、前記期間の第2の部分において、受信機が第2の通信チャネルを介して第2の施設から第2のデータの一部を受信し、前記期間の第1の部分と前記期間の第2の部分とは重複せず、前記期間の第1の部分において受信される第1のデータの前記一部が所定の基準を満たすように、受信機を制御するよう構成された制御器とを備えていればよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、ドイツ国特許出願第10 2010 017 806.3−31号および米国特許仮出願第61/362,327号(いずれも2010年7月8日に出願)に基づく優先権の利益を享受するものであり、いずれの出願の内容も全て参照によって本明細書に引用されるものとする。
【0002】
〔技術分野〕
典型的な実施形態は、一般に、通信端末、データを受信する方法、およびコンピュータプログラム製品に関連する。
【0003】
〔背景技術〕
セルラー移動通信ネットワークのための現代のハンドセットは、複数の加入者チップカードを同時に搭載でき、複数のセルラー移動通信ネットワークで同時に動作できる。このような加入者チップカードの例としては、GSM(Global System for Mobile Communication)通信システムに用いられるSIM(Subscriber Identity Module)カード、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)通信システムに用いられるUSIM(Universal Subscriber Identity Module)カード、これらカードの組み合わせなどがあげられる。
【0004】
しかし、このようなハンドセット(一般に加入者用通信端末)が送受信ユニットを1台しか備えていない場合、複数のメッセージ(例えばページングメッセージ(paging message))が異なるセルラー移動通信ネットワークで同時に送信され、通信端末がすべてのメッセージを受信できないと、問題が発生する可能性がある。これにより、例えばページングメッセージの場合には、呼び出し要求(call request)に対して加入者が応答できないという事態が起こりうる。
【0005】
したがって、複数の通信ネットワークによって送信され、データ送信が少なくとも部分的に重複するデータを受信できるようにすることが望ましい。
【0006】
〔発明の概要〕
通信端末は、第1のチャネルまたは第2のチャネルを介してデータを受信するように構成された受信機と、第1の施設による第1のデータの送信が、第2の施設による第2のデータの送信に重複する期間の第1の部分において、受信機が第1のチャネルを介して第1のネットワークの第1の施設から第1のデータの一部を受信し、かつ、前記期間の第2の部分において、受信機が第2の通信チャネルを介して第2の施設から第2のデータの一部を受信し、前記期間の第1の部分と前記期間の第2の部分とは重複せず、前記期間の第1の部分において受信される第1のデータの前記一部が所定の基準を満たすように、受信機を制御するよう構成された制御器とを備えていればよい。
【0007】
〔図面の簡単な説明〕
図面において、たとえ視点が異なっていても、同一の参照符号は一般に同一の部分を指す。図面は必ずしも尺度を正しく描いたものではなく、一般に各種の実施形態の原理を説明することに重点を置いている。以下の記載においては、各種の実施形態を、以下の図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1は、一実施形態に係る通信システムを示している。
【0009】
図2は、一実施形態に係る通信端末を示している。
【0010】
図3は、一実施形態に係る通信端末を示している。
【0011】
図4は、一実施形態に係るフローチャートを示している。
【0012】
図5は、一実施形態に係るフレーム図を示している。
【0013】
図6の6A〜6Dは、一実施形態に係るフレーム図を示している。
【0014】
図7は、一実施形態に係るフローチャートを示している。
【0015】
〔詳細な説明〕
以下の詳細な説明では、本発明が実施可能な具体的な詳細および形態を例示として示す添付の図面を参照する。
【0016】
ここでは、“一例として”という言葉を“例、実例、または説明するもの”という意味で使用する。また、“一例として”記す実施形態または設計事項は、いずれも、他の実施形態または設計事項に比べて好ましいまたは好適であると解釈する必要はない。
【0017】
以下の詳細な説明は、詳細および実施形態を示す添付の図面に関連している。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に詳細に記載されている。他の実施形態も可能であり、本発明の主題から逸脱することなく、構造的、論理的、および電気的に実施形態を変更可能である。各種の実施形態は必ずしも相互に排他的でなく、各種の実施形態を組み合わせて新しい実施形態を創作することもできる。
【0018】
図1は、一実施形態に係る通信システム100を示している。
【0019】
この通信システム100は、第1の通信ネットワークおよび第2の通信ネットワークというコンポーネントを有する。例えば、第1の通信ネットワークは、複数の基地局101、102(例えば、第1の基地局101および第2の基地局102)を有する。第1の基地局101は第1の無線セル103を動作させ、第2の基地局102は第2の無線セル104を動作させる。第1の基地局101および第2の基地局102は、第1の通信ネットワークの第1の基幹ネットワーク105に接続され、第1の無線セル103および第2の無線セル104内に位置する加入者端末に対して通信サービス(例えば第1の基幹ネットワーク105への通信リンク)を提供できる。
【0020】
同様に、第2の通信ネットワークは、例えば複数の基地局106、107(例えば第3の基地局106および第4の基地局107)を有する。第3の基地局106は第3の無線セル108を動作させ、第4の基地局107は第4の無線セル109を動作させる。第3の基地局106および第4の基地局107は、第2の通信ネットワークの第2の基幹ネットワーク110に接続され、第3の無線セル108または第4の無線セル109内に位置する加入者端末に対して通信サービス(例えば第2の基幹ネットワーク110への無線リンク)を提供できる。
【0021】
この例では、通信端末111は、第1の無線セル103および第3の無線セル108内に位置している。すなわち、通信端末111は、第1の基地局101および第3の基地局106のいずれによってもカバーされる(つまりサービスが提供される)領域内に位置している。したがって、通信端末111は、第1の通信ネットワークによって提供される通信サービスおよび第2の通信ネットワークによって提供される通信サービスのいずれも使用できる。例えば、通信端末111は、第1の通信ネットワーク(例えば第1の基幹ネットワーク105)および第2の通信ネットワーク(例えば第2の基幹ネットワーク110)の、いずれにおいても登録できる。これにより、通信端末111は、第1の通信ネットワークによって、例えば第1の通信ネットワークに接続されている他の通信端末から呼び出し(calls)を受信できる。また、通信端末111は、第2の通信ネットワークによって、例えば第2の通信ネットワークに接続されている他の通信端末から呼び出しを受信できる。
【0022】
例えば、通信端末111は複数の加入者チップカード(換言すれば加入者モジュール)を備えているので、第1の通信ネットワークを介する通信も、第2の通信ネットワークを介する通信も、どちらもサポートする。これを図2に示す。
【0023】
図2は、一実施形態に係る通信端末200を示している。
【0024】
通信端末200は、例えば図1に示す通信システム100の通信端末111に対応する。
【0025】
本例では、通信端末200は、第1の加入者モジュール201および第2の加入者モジュール202を備えている。例えば、第1の通信ネットワークはGSM(Global System for Mobile Communication)ネットワークである。また、第1の加入者モジュール201は、通信端末200が第1の通信ネットワークを介して通信できるようにするSIM(Subscriber Identity Module)である。同様に、第2の通信ネットワークはGSMネットワークであってもよく、第2の加入者モジュール202は、通信端末200が第2の通信ネットワークを介して通信できるようにするSIMであってもよい。加入者モジュール201、202は、その他の通信技術または通信ネットワーク標準規格に準拠した加入者モジュールであってもよい。例えば、これらの通信ネットワークのうちの一方がUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークであれば、これらの加入者モジュールのうちの一方がUSIM(Universal Subscriber Identity Module)であってもよい。加入者モジュール201、202は、例えばユーザによって通信端末200内に挿入またはインストール可能な、対応するチップカード(例えばSIMカード)を利用して実現されてもよい。
【0026】
通信端末200は、通信ネットワークからデータの受信を可能にし、通信ネットワークにデータの送信を可能にする(すなわち、第1の基地局101および第3の基地局106とデータ交換を可能にする)送信機/受信機(例えば送受信機)を備えている。
【0027】
通信端末200は、第1の通信ネットワーク(すなわち第1の基地局101)および第2の通信ネットワーク(すなわち第2の基地局106)からメッセージを同時に受信できるように、複数の送信機/受信機(例えば送受信機)を備えていてもよい。これにより、通信端末200は、両方の通信ネットワークから、通信端末200に同時に送信された例えばページングメッセージを受信できる。このように、例えば呼び出しリクエストを通信端末200に確実に到達させることができる。すなわち、呼び出しリクエストの場合、たとえどちらか一方の通信ネットワークによるページングメッセージの送信が、もう一方の通信ネットワークによるデータの送信に重複しても、通信端末200に確実に通知することができる。ただし、通信端末200内で複数の送信機/受信機(例えば送受信機)を動作させると、1つの送信機/受信機(例えば送受信機)だけを動作させことに比べると、消費電力が増加するため、例えば1度の充電で作動できる時間が短くなる。すなわち、複数の送信機/受信機(例えば送受信機)を使用すると、1つの送信機/受信機(例えば送受信機)だけを使用する場合に比べて、通信端末200を頻繁に充電しなければならなくなる。
【0028】
一実施形態では、通信端末200は、厳密に1つの(単一の)送信機/受信機(例えば送受信機)203を備えている、または常に1つの送信機/受信機(例えば送受信機)203だけが動作するようにする。ただし、第1の通信ネットワークからのデータの送信と第2の通信ネットワークからのデータの送信とが重複する場合には、例えばページングメッセージが重なっているのであれば、一方の通信ネットワークからのページングメッセージだけが受信される。これにより、通信端末200は他方の通信ネットワークを利用できなくなる。すなわち、呼び出しリクエストが、他方の通信ネットワークを介して通信端末200に到達しなくなる。換言すれば、1つの通信ネットワークだけからデータを受信する通信端末は、ある特定の地理的領域においては、その地理的領域が両方の通信ネットワークによってカバーされているのにもかかわらず、もう一方の通信ネットワークを利用できなくなることがある。
【0029】
一実施形態によれば、1つの送信機/受信機(例えば送受信機)しか備えていない場合であって、かつ、第1のデータ送信が第2のデータ送信に少なくとも部分的に重複する場合であっても、第1の通信ネットワーク(例えば第1の基地局101などの第1のネットワーク通信施設)から第1のデータを受信し、第2の通信ネットワーク(例えば第3の基地局106などの第2のネットワーク通信施設)から第2のデータを受信することを可能にする通信端末が提供される。
【0030】
本実施形態に係る通信端末の可能な実施形態を、図3に示す。
【0031】
図3は、一実施形態に係る通信端末300を示している。
【0032】
通信端末300は、第1の通信チャネルまたは第2の通信チャネルを介してデータを受信するように構成された受信機301を備えている。
【0033】
さらに、通信端末300は、第1の通信ネットワークの第1のネットワーク通信施設による第1のデータの送信が、第2のネットワーク通信施設による第2のデータの送信に重複する期間の第1の部分において、受信機301が前記第1の通信チャネルを介して前記第1のネットワーク通信施設から第1のデータの一部を受信し、かつ、前記期間の第2の部分において、受信機301が前記第2の通信チャネルを介して第2のネットワーク通信施設から第2のデータの一部を受信し、前記期間の第1の部分と前記期間の第2の部分とは重複せず、前記期間の第1の部分において受信される第1のデータの前記一部が所定の基準を満たすように、受信機301を制御するよう構成された制御器302を備えている。
【0034】
具体的に説明すると、2つの通信ネットワークの送信が重複する期間の第1の部分に対応するデータが、第1の通信ネットワークによって受信される。受信したデータが特定の基準を満たせば(例えば、受信されたデータだけから端末が所望の情報を得られるのであれば)、当該期間の第2の部分において、第2の通信ネットワークからデータが受信される。基準が満たされれば、例えば第1の通信ネットワークがデータの送信に使用する第1の通信チャネルから、第2の通信ネットワークがデータの送信に使用する第2の通信チャネルに、受信機が切り替えられる。
【0035】
第1の通信ネットワークまたは第2の通信ネットワークから送信されるデータの一部だけがこのように受信されたのであれば、前記基準は、例えば受信された部分から第1のデータの少なくとも再構築が可能となるように選択できる。例えば、ページングメッセージは、ページングメッセージの送信期間の一部だけの間に受信された信号から再構築可能である。これにより、例えば受信条件が良好であって、通信端末がスタンバイ状態にある場合に、両方の通信ネットワークにおける同時利用の可能性を向上させることができる。
【0036】
例えば、前記通信端末は、前記第1のデータの前記一部から前記第1のデータを再構築するように構成された復号器をさらに備えている。
【0037】
また、前記通信端末は、前記第2のデータの前記一部から前記第2のデータを再構築するように構成された復号器をさらに備えていてもよい。
【0038】
前記第1のデータは、例えば第1の通信ネットワークの制御データである。
【0039】
前記第2のデータは、例えば第2の通信ネットワークの制御データである。
【0040】
前記所定の基準は、例えば前記第1のデータの前記一部が前記第1のデータを再構築するのに十分であるという基準である。
【0041】
前記所定の基準は、前記第1のデータの前記一部のデータ量が所定の閾値を超えているという基準であってもよく、例えばある特定の量の第1のデータがうまく(例えばエラーなく)受信されたという基準であってもよい。
【0042】
一実施形態によれば、異なる無線リソースを使用することにより、前記第1のデータは前記第1の通信チャネルを介して送信され、前記第2のデータは前記第2の通信チャネルを介して送信される。例えば、異なる周波数帯域を使用することにより、前記第1のデータは前記第1の通信チャネルを介して送信され、前記第2のデータは前記第2の通信チャネルを介して送信される。これに応じて、受信機は、例えば異なる無線リソース(例えば複数の周波数や周波数域)を使用することによってデータを受信するように構成される。
【0043】
前記第1のデータは、例えば前記第1の通信ネットワークのページングメッセージであり(つまり呼び出しメッセージを形成し)、前記第2のデータは、例えば前記第2の通信ネットワークのページングメッセージである(つまり呼び出しメッセージを形成する)。
【0044】
前記期間の第1の部分は、例えば前記期間の第2の部分に先行する。換言すれば、例えば、第1のデータの第1の部分が受信され、次に基準が満たされると、受信機は切り替えられて第2のデータを受信する(例えば、搬送波の周波数を調節することによって、第2の通信チャネルに合わせられる)。
【0045】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記第2のデータの前記一部がさらなる所定の基準を満たす場合、前記第1のネットワーク通信施設からの第3のデータの送信が前記第2のネットワーク通信施設からの第4のデータの送信に重複する、さらなる期間の第1の部分において、前記受信機が前記第4のデータの一部を受信し、かつ、前記さらなる期間の第2の部分において、前記受信機が前記第3のデータの一部を受信し、さらに、前記さらなる期間の第1の部分と前記さらなる期間の第2の部分とは重複せず、前記さらなる期間の第1の部分が前記さらなる期間の第2の部分に先行するように、前記受信機を制御するようにさらに構成されている。
【0046】
換言すれば、例えば第2のデータの受信された部分がさらなる別の基準を満たす場合(例えば第2のデータの受信された部分だけからでは第2のデータが再構築できない場合)には、次の送信において”順序を逆にする”。すなわち、第1の通信ネットワークからの第3のデータと第2の通信ネットワークからの第4のデータとが重なり合う送信では、まず第4のデータの一部を第2の通信ネットワークから先に受信し、その後、第3のデータの一部を第1の通信ネットワークから受信する。例えば、第2の通信ネットワークから受信されたメッセージの一部だけからでは、当該メッセージが再構築できないのであれば、当該メッセージの次の送信が第1の通信ネットワークによるデータの送信に重複しても、当該メッセージの次の送信の間に受信が開始される。
【0047】
したがって、前記さらなる所定の基準は、例えば、前記第2のデータの前記一部は前記第2のデータを再構築するのに十分ではないという基準であるか、または受信された前記一部のデータ量が、データの受信量について所定の閾値未満であるという基準である。
【0048】
前記第1の通信ネットワークは、例えばGSM通信ネットワーク、UMTS通信ネットワーク、またはLTE通信ネットワークである。同様に、第2の通信ネットワークは、例えばGSM通信ネットワーク、UMTS通信ネットワーク、またはLTE通信ネットワークである。
【0049】
通信端末300は、例えば図4に示す方法を実行する。
【0050】
図4は一実施形態に係るフローチャート400を示している。
【0051】
このフローチャートは、受信機を利用してデータを受信する方法を示している。
【0052】
401では、第1の通信ネットワークの第1のネットワーク通信施設による第1のデータの送信が、第2のネットワーク通信施設による第2のデータの送信に重複する期間の第1の部分において、受信機が第1の通信チャネルを介して前記第1のネットワーク通信施設から第1のデータの一部を受信するように受信機が制御される。
【0053】
402では、前記期間の第2の部分において、前記受信機が第2の通信チャネルを介して第2のネットワーク通信施設から第2のデータの一部を受信し、前記期間の第1の部分と前記期間の第2の部分とは重複せず、前記期間の第1の部分において受信される第1のデータの前記一部が所定の基準を満たすように受信機が制御される。
【0054】
一実施形態によれば、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサが図4に図示する方法を実行するという効果を奏する命令を備えた、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0055】
通信端末との関連において記載される実施形態は、データを受信する方法およびコンピュータプログラム製品にも同様に適用される。
【0056】
以下の説明では、図5を参照しながら、重複する期間における第1のデータの送信および第2のデータの送信の一例について説明する。
【0057】
図5は、一実施形態に係るフレーム図を示している。
【0058】
本例では、第1の無線セル103を動作させる第1の基地局101が、第1のフレーム構造501にしたがってデータを送信すると仮定する。また、第3の無線セル108を動作させる第3の基地局106が、第2のフレーム構造502にしたがってデータを送信すると仮定する。
【0059】
本例では、それぞれ0〜50の通し番号を付した51個の(無線)フレームをそれぞれ有する複数のマルチフレーム503〜512において、フレーム構造501、502にしたがって、データが送信される。
【0060】
第1の基地局101に送信される第1のデータは、第1のフレーム構造501の各第2のマルチフレーム503、505、507(さらに厳密には、第1のデータの送信期間513〜515を形成する、各第2のマルチフレーム503、505、507の番号12〜15を付されたフレーム)の間に送信されると仮定する。さらに、第3の基地局106に送信される第2のデータは、第2のフレーム構造502の各第4のマルチフレーム508、512(さらに厳密には、第2のデータの送信期間516、517を形成する各第4のマルチフレーム503、505、507の番号6〜9を付されたフレーム)の間に送信されると仮定する。
【0061】
図5に示すように、本例では、第1のフレーム構造501は、例えば第1のデータの第1の送信期間513が第2のデータの第2の送信期間516に重複するように、第2のフレーム構造502に対してずれているとさらに仮定する。
【0062】
これにより、第1の送信期間513と第2の送信期間516とからなる期間、またはこれらに加えて第1の送信期間513と第2の送信期間516とが重複する期間を、第1のデータの送信が第2のデータの送信に重複する送信期間とみなすことができる。
【0063】
本例では、送信期間513〜517のそれぞれが4つの連続するフレームを有すると仮定する。第1の送信期間513の4つのフレームおよび第2の送信期間516の4つのフレームは、さまざまな態様で重複可能である。以下の記載では、図6の6A〜6Dを参照しながら実施例について説明する。
【0064】
図6の6A〜6Dは、一実施形態に係るフレーム図601〜608を示している。
【0065】
本例では、フレーム図601、603、605、および607は、第1の送信期間513に対応するフレームを示している。また、フレーム図602、604、606、および608は、第2の送信期間516に対応するフレームを示している。
【0066】
各フレーム図601〜608は、第1の送信期間513について通し番号n〜n+3を付されたフレームを示し、第2の送信期間516について通し番号m〜m+3を付されたフレームを示している。本例では、各フレームが8つのタイムスロットを有し、タイムスロットはそれぞれの場合において通し番号0〜7を付されている。
【0067】
本実施形態では、第1のデータおよび第2のデータは、バースト送信される(transmitted in bursts)。特に、番号0を付されたタイムスロットに取り消し線で示すように、第1のデータは第1の送信期間513に対応するフレーム図601、603、605、607のフレームの、番号0を付されたタイムスロットにおいてのみ送信され、かつ、第2のデータは第2の送信期間516に対応するフレーム図602、604、606、608のフレームの、番号0を付されたタイムスロットにおいてのみ送信されると仮定する。
【0068】
図示のように、第1のデータの送信は第2のデータの送信に、少なくとも部分的に重複する。
【0069】
以下の記載では、通信端末200がどのようにして第1のデータおよび第2のデータを少なくとも部分的に受信するのかについて、例をあげて説明する。
【0070】
処理過程について、図7を参照しながら説明する。
【0071】
図7は、一実施形態に係るフローチャート700を示している。
【0072】
最初に、図6の6Aに係る例の処理過程について説明する。この場合、第1のフレーム図601のフレームの、番号0を付されたタイムスロットが、第2のフレーム図602のフレームの、番号0を付されたタイムスロットに部分的に重複する。
【0073】
この場合、通信端末200は、701において、自身の送信機/受信機(例えば送受信機)を、第1の通信ネットワークからデータを(例えば第1の通信チャネルに基づいて)受信できるように設定する。また、第1のデータの受信を開始する。
【0074】
702において、通信端末200は、受信された第1のデータの一部が所定の基準を満たすと、本例においては、受信された当該第1のデータの一部が、第1のフレーム図601のフレームにおいて送信される第1のデータのブロックを再構築するために十分であるか否かを検出する。
【0075】
本例では、(第1のフレーム図601において斜線によるハッチングで示す)番号n、n+1、およびn+2を付されたフレームにおいて受信された第1のデータの一部が、第1のデータを再構築するのに十分と仮定する。
【0076】
ここで、703において第1のデータの受信を停止し、送信機/受信機(例えば送受信機)203を、第2の通信ネットワークからデータを(例えば第2の通信チャネルに基づいて)受信できるように設定し、第2のデータの受信を開始する。
【0077】
第2のデータは、例えば第2の送信期間の最後まで、またはさらなる基準が満たされるまで(例えば、第2のデータの受信された一部が、第2のフレーム図602のフレームにおいて送信される第2のデータのブロックを再構築するのに十分になるまで)受信される。本例では、(第2のフレーム図602において斜線によるハッチングで示す)第2のフレーム図602の番号m+3を付されたフレームにおいて送信される第2のデータの一部が受信される。
【0078】
なお、これに関連して、1つのマルチフレーム503、505、507だけにおいて送信されるデータ(例えば1つのメッセージ)、および数個のマルチフレーム503、505、507において送信されるデータ(例えば数個のメッセージ)を、第1のデータとみなすことができる。同様に、1つのマルチフレーム508、512だけにおいて送信されるデータ(例えば1つのメッセージ)、および2つのマルチフレーム508、512において送信されるデータ(例えば数個のメッセージ)を、第2のデータとみなすこともできる。
【0079】
図6の6Bに係る例では、第3のフレーム図603のフレームの、番号0を付されたタイムスロットが、第4のフレーム図604のフレームの、番号0を付されたタイムスロットに部分的にさらに重複する。
【0080】
この場合、通信端末200は、701において、自身の送信機/受信機(例えば送受信機)を、第1の通信ネットワークからデータを(例えば第1の通信チャネルに基づいて)受信できるように設定する。また、第1のデータの受信を開始する。
【0081】
702において、通信端末200は、受信された第1のデータの一部が所定の基準を満たすと、本例においては、受信された当該第1のデータの一部が、第3のフレーム図603のフレームにおいて送信される第1のデータのブロックを再構築するために十分であるか否かを検出する。
【0082】
本例では、(第3のフレーム図603において斜線によるハッチングで示す)番号n、n+1を付されたフレームにおいて受信された第1のデータの一部が、第1のデータを再構築するために十分と仮定する。
【0083】
ここで、703において第1のデータの受信を停止し、704において第2の通信ネットワークからデータを(例えば第2の通信チャネルに基づいて)受信できるように送信機/受信機(例えば送受信機)203を設定し、第2のデータの受信を開始する。
【0084】
第2のデータは、例えば第2の送信期間の最後まで、またはさらなる基準が満たされるまで(例えば、第2のデータの受信された一部が、第4のフレーム図604のフレームにおいて送信される第2のデータのブロックを再構築するために十分となるまで)受信される。本例では、(第4のフレーム図604において斜線によるハッチングで示す)第4のフレーム図604の番号m+2およびm+3を付されたフレームにおいて送信される第2のデータの一部が受信される。
【0085】
図6の6Cに係る例では、第5のフレーム図605のフレームの、番号0を付されたタイムスロットが、第6のフレーム図606のフレームの、番号0を付されたタイムスロットにさらに部分的に重複する。
【0086】
この場合、通信端末200は、701において第1の通信ネットワークからデータを(例えば第1の通信チャネルに基づいて)受信できるように、自身の送信機/受信機(例えば送受信機)を設定する。また、第1のデータの受信を開始する。
【0087】
702において、通信端末200は、受信された第1のデータの一部が所定の基準を満たすと、本例においては、受信された当該第1のデータの一部が、第3のフレーム図601のフレームにおいて送信される第1のデータのブロックを再構築するために十分であるか否かを検出する。
【0088】
本例では、(第5のフレーム図605において斜線によるハッチングで示す)番号nを付されたフレームにおいて受信された第1のデータの一部が、第1のデータを再構築するために十分と仮定する。
【0089】
ここで、703において第1のデータの受信を停止し、704において第2の通信ネットワークからデータを(例えば第2の通信チャネルに基づいて)受信できるように送信機/受信機(例えば送受信機)203を設定し、第2のデータの受信を開始する。第2のデータは、例えば第2の送信期間の最後まで、またはさらなる基準が満たされるまで(例えば、第2のデータの受信された一部が、第6のフレーム図606のフレームにおいて送信された第2のデータのブロックを再構築するために十分になるまで)受信される。本例では、(第6のフレーム図606において斜線によるハッチングで示す)第2のフレーム図602の番号m+1、m+2、および、m+3を付されたフレームにおいて送信される第2のデータの一部が受信される。
【0090】
図6の6Dに係る例では、第7のフレーム図607のフレームn+1、n+2、およびn+3を有するフレームの、番号0を付されたタイムスロットが、第8のフレーム図608の、番号m、m+1、およびm+2を付されたフレームの、番号0を付されたタイムスロットにさらに部分的に重複する。この例は、一方のネットワークのブロックの4つ未満のフレームが、もう一方のネットワークのブロックのフレームに重複する、他の配置を表わす。
【0091】
この場合、通信端末200は、701において第1の通信ネットワークからデータを(例えば第1の通信チャネルに基づいて)受信できるように、自身の送信機/受信機(例えば送受信機)を設定する。また、第1のデータの受信を開始する。
【0092】
702において、通信端末200は、受信された第1のデータの一部が所定の基準を満たすと、本例においては、受信された当該第1のデータの一部が、(第7のフレーム図607において斜線によるハッチングで示すように)第3のフレーム図601のフレームにおいて送信される第1のデータのブロックを再構築するために十分であるか否かを検出する。
【0093】
本例では、番号n、n+1、およびn+2を付されたフレームにおいて受信された第1のデータの一部が、第1のデータを再構築するために十分と仮定する。
【0094】
ここで、703において第1のデータの受信を停止し、704において第2の通信ネットワークからデータを(例えば第2の通信チャネルに基づいて)受信できるように送信機/受信機(例えば送受信機)203を設定し、第2のデータの受信を開始する。
【0095】
第2のデータは、例えば第2の送信期間の最後まで、またはさらなる基準が満たされるまで(例えば、第2のデータの受信された一部が、第8のフレーム図608のフレームにおいて送信される第2のデータのブロックを再構築するために十分となるまで)受信される。本例では、(第8のフレーム図608において斜線によるハッチングで示す)第8のフレーム図608の番号m+2およびm+3を付されたフレームにおいて送信される第2のデータの一部が受信される。
【0096】
上記の説明のように、第1のデータの受信から第2のデータの受信へ切り替えるか否かを決定する基準は、第1のデータの受信された一部が第1のデータを再構築するために十分であるという基準であってもよい。このデータの一部が十分であるか否かは、例えば第1のデータの前記一部が受信された品質に依存してもよい。
【0097】
第1のデータの前記一部が第1のデータを再構築するために十分であれば、705において、第1のデータが第1のデータの前記一部に基づいて再構築される。同様に、第2のデータは、第2のデータの前記一部が再構築に十分であれば、第2のデータの前記一部から再構築可能である。
【0098】
データは、データの一部からさまざまな態様で再構築可能である。例えば、データがページングメッセージであり、通信ネットワークがGSM通信ネットワークである場合、GSM送信技術においては、約4.615msの間隔でなされる4回にわたる約577μsのバーストでページングメッセージを送信できる。この場合、データ情報は、レートが1/2のビタビコーデックを用いて冗長性を確保して送信される、すなわち、1データビット当たり2つの符号化ビットが送信される。符号化ビットはバースト全体に分布(インターリーブ)しているので、データビットは4回未満のバーストから再構築可能である。このプロセスでは、未知のビットに対して0〜1の値が仮定される。これにより、ページングメッセージに関して4回未満のバーストによるデータだけを受信する場合であっても、そのページングメッセージを再構築できる。また、ここで説明したように、たとえその送信が重複していても、このように複数のネットワークのページングメッセージを受信および再構築できる。
【0099】
以下の記載では、それ自体が公知の方法を用いて、第1のバーストだけからGSMに係るダミーのページングメッセージをどのようにして認識し、再構築できるのかについて、一例をあげてさらに詳細に説明する。一実施形態では、ダミーのページングメッセージを任意のバーストから認識するために、この方法を一般化する。これにより、第2の通信ネットワークからのダミーのページングメッセージを、例えば図6の6Aのように、番号m+3を付されたフレームの受信バーストから認識できるようになる。ダミーのページングメッセージのペイロードデータ(payload data)は6バイトであり、さらに17バイトが16進数の2Bという値で占められている。インデックス3を有するバイトは、「M」で表わされる「ページモード」である。0、1、2、および、3の4つのタイプのページモードがある。
【0100】
「M」が0であれば、通信端末200は、ダミーのページングメッセージを無視してもかまわない。
【0101】
ほとんどの場合、基地局は「M」が0に等しいGSM通信ネットワークにおいて、ダミーのページングメッセージを送信する。以下の記載では、このようなページングメッセージを、すでに1回のバーストが起こった後にどのようにして認識できるのか、そして例えば1つのタイムスロットだけにおいてページングメッセージを受信した後に受信を停止させることができるのか、および、もう一方の通信ネットワークからデータを受信することができるように切り替えることができるのかについて説明する。
【0102】
ダミーのページングメッセージを送信するために、スクランブリング(scrambling)の後、456ビットが4セットの114ビットのバーストに分割される。第1のバースト転送(以下の説明ではBurst0とも称する)は、ラインベクトルBurst0(n)(ただしn=1、2、...、113)と呼ばれることもある。Burst0(n)の要素を組み合わせて、Burst0(n)の88個の要素(ビット)を有する1つのベクトルaとベクトルBurst0(n)の26ビットを有する1つのベクトルbとを生成してもよい。具体的に記載すれば、aは、a=Burst0(0、1、2、3、4、5、6、8、9、10、13、15、17、18、19、20、22、23、24、25、27、29、31、32、33、34、36、37、38、39、41、43、44、45、46、47、48、50、51、52、53、54、55、57、58、59、60、61、62、64、66、67、68、69、71、72、73、75、76、78、80、81、82、83、85、86、87、88、89、90、92、94、95、96、97、99、100、101、102、103、104、105、106、108、109、110、111、113)によって規定される。また、bは、b=Burst0(7、11、12、14、16、21、26、28、30、35、40、42、49、56、63、65、70、74、77、79、84、91、93、98,107,112)によって規定される。
【0103】
88ビット長のベクトルaは、a1=[1010000010111010010000000001001111010010000010100000011111000000010000000011011101000000]となるはずである。
【0104】
26ビット長のベクトルは、「M」が0に等しいのであれば、ベクトルb1=[00100000100011011011010100]とベクトルb2=[01110101101000000110000001]とのうちの一方に等しいはずである。
【0105】
通信端末200がページングメッセージの第1のバーストを受信したときに、ベクトルa1、b1、およびb2を比較のために使用可能となるように、これらのベクトルa1、b1、およびb2を通信端末200のメモリ204に記憶する。
【0106】
ダミーのページングメッセージを検出するために、量子化した第1のバーストの114個の値を、例えば第1のステップにおいて、1と0とで置き換える。例えば、ベクトルRBurst0(n)によって表わされる第1のバーストの114個の要素がNビットで量子化され、ビタビイコライザーを通った後に−2N−1〜−2N−1−1の値を取るのであれば、すべての負の要素を1に置き換える。また、正の値または0に等しいすべての要素を0に置き換える。その後、RBurst0(n)ベクトルの当該置き換えた要素を記憶し、要素a1、b1、およびb2と比較して、対応する確率を決定する。例えば、(a1およびb1またはb2のそれぞれの場合において)ある特定の閾値を超える複数の要素における対応関係の場合には、ページモードが0であるダミーのページングメッセージが存在すると判定される。対応関係が不十分であれば(例えば、対応する要素の個数が閾値未満であれば)、例えばページングメッセージの次のバーストを受信する。
【0107】
ページングメッセージを端末で検出する必要はなく、すでに復号化されている。しかし、それ自体が公知である別の方法によれば、このページングメッセージを再度復号化して使用し、ページングメッセージの第1のバーストで始まる入力部分と比較してもよい。これにより、端末がこのページングメッセージを無視してもかまわないか否かを、ページングメッセージの受信された一部に基づいてすでに判定できるようになる。一実施形態では、ダミーのページングメッセージを任意のバーストから認識するために、この方法を一般化する。これにより、第2の通信ネットワークからのダミーのページングメッセージを、例えば図6の6Bのように、フレームm+2およびm+3のバーストから認識できるようになる。
【0108】
その他の場合にも、第1のデータが完全に受信されなければ、それ自体が公知である方法により、第1のデータは第1のバーストで始まる第1のデータの一部から再構築可能である。一実施形態では、任意のバーストのページングメッセージを認識するために、この方法を一般化する。これにより、第2の通信ネットワークからのページングメッセージを、例えば図6の6Bに係るフレームm+2およびm+3のバーストから認識できるようになる。送信品質が良好であるため(欠測データに加えて)送信エラーがそれほど多くない場合、通信端末は、例えば4回未満のバーストから、ページングメッセージ(必ずしもダミーのページングメッセージではない)を、使用されているコーディングやスクランブリング方式の構造の基礎の上に再構築できる。この目的のために、(受信されなかった)欠測ビットを、基地局によって省略された(すなわち削除された、または送信されなかった)かのように処理してもよい。これらのビットについては、ビタビ復号器によって欠測ビットと認識され、復号化プロセス中ではウエートが与えられない特殊な値(いわゆる「消去」)が使用される。具体的に説明すると、この復号化は、通常はコードのレートに依存する使用コードのエラー訂正能力に応じて成功するか否かが決まる、欠測ビットのエラー補正とみなすことができる。復号化の後に、例えばパリティビットを利用することによって、メッセージを正しく再構築することが可能であったか否か、またはメッセージを復号可能にするためにはメッセージの次の部分(例えば次のバースト)を受信しなければならないか否かをチェックすることが可能である。
【0109】
上述の実施形態によれば、例えば2つのGSM通信ネットワークからの、時間的に重複するページングメッセージが受信可能である。一実施形態では、通信端末は、同一GSM通信ネットワークの2つのSIMカードを有し(すなわち、例えば電話番号も2つある)、上記実施形態と同様に、この通信ネットワークの時間的に重複する(すなわち送信過程が時間的に重複する)が、異なるチャネルを介して送信されるページングメッセージを受信できる。
【0110】
一実施形態によれば、時間的に重複するページングメッセージを3つ以上の通信ネットワークから同時に受信することを可能にする拡張機能が提供される、例えば3つのページングメッセージの送信が重複するのであれば、まず最初に第1のページングメッセージの一部を、上述の手順と同様に、受信したデータの量が第1のページングメッセージを再構築するために十分になるまで受信し、その後、第2のページングメッセージの一部を、受信したデータの量が第2のページングメッセージを再構築するために十分になるまで受信し、最後に第3のページングメッセージの一部を受信すればよい。
【0111】
上述の手順は、別のメッセージにも(例えば、送信が重複する、ページングメッセージおよびシステム情報メッセージ、または、1つ以上の通信ネットワーク(例えばGSM通信ネットワーク)のセルブロードキャストメッセージの受信にも)適用可能である。
【0112】
さらに、上述の手順を使用して、端末のさまざまな作動状態においてメッセージを受信できる(例えば、あるSIMカードに関してはスタンバイ状態でページングメッセージを受信し、専用の送信の間に、例えば別のSIMカードに関する呼び出し状態で、送信が重複するメッセージを受信できる)。
【0113】
さらに、各種実施形態はGSM通信ネットワークに対する適用に制限されるものではなく、UMTSやLTE(Long Term Evolution)などの、その他の標準規格の通信ネットワークにも適用可能である。
【0114】
本発明について、主に特定の実施形態を参照しながら記載および説明してきたが、本技術分野の当業者であれば、下記の請求項によって規定される本発明の本質および技術分野から逸脱することなく、設計および詳細について多数の変更が実施可能であることが理解できるであろう。したがって、本発明の範囲は添付の請求項によって決定され、文言上の意味の範囲内、または請求項に等価な事項の範囲内における変更は、すべてが包含されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】一実施形態に係る通信システムを示す図である。
【図2】一実施形態に係る通信端末を示す図である。
【図3】一実施形態に係る通信端末を示す図である。
【図4】一実施形態に係るフローチャートである。
【図5】一実施形態に係るフレーム図である。
【図6】6A〜6Dは、一実施形態に係るフレーム図である。
【図7】一実施形態に係るフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信チャネルまたは第2の通信チャネルを介してデータを受信するように構成された受信機と、
第1の通信ネットワークの第1のネットワーク通信施設による第1のデータの送信が、第2のネットワーク通信施設による第2のデータの送信に重複する期間の第1の部分において、前記受信機が前記第1の通信チャネルを介して前記第1のネットワーク通信施設から第1のデータの一部を受信し、かつ、前記期間の第2の部分において、前記受信機が前記第2の通信チャネルを介して第2のネットワーク通信施設から第2のデータの一部を受信し、前記期間の第1の部分と前記期間の第2の部分とは重複せず、前記期間の第1の部分において受信される第1のデータの前記一部が所定の基準を満たすように、前記受信機を制御するよう構成された制御器とを備えた、通信端末。
【請求項2】
前記第1のデータの前記一部から前記第1のデータを再構築するように構成された復号器をさらに備えた、請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記第2のデータの前記一部から前記第2のデータを再構築するように構成された復号器をさらに備えた、請求項1に記載の通信端末。
【請求項4】
前記第1のデータが前記第1の通信ネットワークの制御データである、請求項1に記載の通信端末。
【請求項5】
前記第2のデータが前記第2の通信ネットワークの制御データである、請求項1に記載の通信端末。
【請求項6】
前記基準は、前記第1のデータの前記一部が前記第1のデータを再構築するのに十分であるという基準である、請求項1に記載の通信端末。
【請求項7】
前記基準は、前記第1のデータの前記一部のデータ量が所定の閾値を超えているという基準である、請求項1に記載の通信端末。
【請求項8】
異なる無線リソースを使用することによって、前記第1のデータは前記第1の通信チャネルを介して送信され、前記第2のデータは前記第2の通信チャネルを介して送信される、請求項1に記載の通信端末。
【請求項9】
異なる周波数帯域を使用することによって、前記第1のデータは前記第1の通信チャネルを介して送信され、前記第2のデータは前記第2の通信チャネルを介して送信される、請求項1に記載の通信端末。
【請求項10】
前記第1のデータは前記第1の通信ネットワークのページングメッセージであり、前記第2のデータは前記第2の通信ネットワークのページングメッセージである、請求項1に記載の通信端末。
【請求項11】
前記期間の第1の部分は、前記期間の第2の部分に先行する、請求項1に記載の通信端末。
【請求項12】
前記制御器は、前記第2のデータの前記一部がさらなる所定の基準を満たす場合、前記第1のネットワーク通信施設からの第3のデータの送信が前記第2のネットワーク通信施設からの第4のデータの送信に重複する、さらなる期間の第1の部分において、前記受信機が前記第4のデータの一部を受信し、かつ、前記さらなる期間の第2の部分において、前記受信機が前記第3のデータの一部を受信し、さらに、前記さらなる期間の第1の部分と前記さらなる期間の第2の部分とは重複せず、前記さらなる期間の第1の部分が前記さらなる期間の第2の部分に先行するように、前記受信機を制御するようにさらに構成された、請求項11に記載の通信端末。
【請求項13】
前記さらなる所定の基準は、前記第2のデータの前記一部は前記第2のデータを再構築するのに十分ではないという基準である、請求項12に記載の通信端末。
【請求項14】
前記第1の通信ネットワークが、GSM通信ネットワーク、UMTS通信ネットワーク、またはLTE通信ネットワークである、請求項1に記載の通信端末。
【請求項15】
前記第2の通信ネットワークが、GSM通信ネットワーク、UMTS通信ネットワーク、またはLTE通信ネットワークである、請求項1に記載の通信端末。
【請求項16】
受信機を用いてデータを受信する方法であって、
第1の通信ネットワークの第1のネットワーク通信施設による第1のデータの送信が、第2のネットワーク通信施設による第2のデータの送信に重複する期間の第1の部分において、前記受信機が第1の通信チャネルを介して前記第1のネットワーク通信施設から第1のデータの一部を受信するように前記受信機を制御し、
前記期間の第2の部分において、前記受信機が第2の通信チャネルを介して第2のネットワーク通信施設から第2のデータの一部を受信し、前記期間の第1の部分と前記期間の第2の部分とは重複せず、前記期間の第1の部分において受信される第1のデータの前記一部が所定の基準を満たすように、前記受信機を制御する、方法。
【請求項17】
プロセッサによって実行されると、当該プロセッサが受信機を用いてデータを受信する方法を実行するという効果を奏する命令を備えたコンピュータプログラム製品であって、
前記方法は、
第1の通信ネットワークの第1のネットワーク通信施設による第1のデータの送信が、第2のネットワーク通信施設による第2のデータの送信に重複する期間の第1の部分において、前記受信機が第1の通信チャネルを介して前記第1のネットワーク通信施設から第1のデータの一部を受信するように前記受信機を制御し、
前記期間の第2の部分において、前記受信機が第2の通信チャネルを介して第2のネットワーク通信施設から第2のデータの一部を受信し、前記期間の第1の部分と前記期間の第2の部分とは重複せず、前記期間の第1の部分において受信される第1のデータの前記一部が所定の基準を満たすように前記受信機を制御する、コンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−50070(P2012−50070A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−151278(P2011−151278)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(511161513)インテル モバイル コミュニケーションズ テクノロジー ゲエームベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】Intel Mobile Communications Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 10−12 85579 Neubiberg Germany
【Fターム(参考)】