説明

通信端末装置、通信端末接続装置及びプログラム

【課題】通信端末装置の姿勢を適切に制御できるようにする。
【解決手段】携帯電話機1が外部装置(充電ケーブル8、充電台9)に接続されている場合に、携帯電話機1の通信状況(無線通信の通信状況、放送受信の通信状況)に基づいて携帯電話機1の姿勢を制御する。この場合、充電台9と携帯電話機1とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、携帯電話機1の通信状況に基づいて、充電台9の姿勢を制御するための制御信号を充電台9に対して出力することによって携帯電話機1の姿勢を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信手段を備える通信端末装置、この通信端末装置を接続する通信端末接続装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機などのように通信手段を備える通信端末装置を充電台(例えば、充電機能付きクレードル)に設置したり、通信端末装置に充電ケーブルを接続したりするなど、通信端末装置を充電台又は充電ケーブルなどに接続する場合がある。このような状態において、通信端末装置の姿勢をユーザが所望する姿勢となるように適宜変更してその端末画面に現在時刻を表示させることによって、通信端末装置を“時計”として利用したり、その端末画面に画像を表示させることによって通信端末装置を“電子写真立て”として利用したりすることがある。例えば、従来においては、充電器にセットされると画像を順次表示したり、時刻を表示したりする情報再生装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−333046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、ユーザが所望する姿勢が必ずしも通信状況が良好な姿勢だとは限らない。例えば、通信端末装置を充電台に設置してその端末画面に時刻を表示させて時計として利用している場合に、その端末画面が見易いように通信端末装置の姿勢(見易い向き、角度など)を調整するようにしているが、このように調整した姿勢は、必ずしも通信状況が良好な姿勢(例えば、電子メールを確実に受信可能とするために、メール受信に関する通信状況が良好となる姿勢)であるとは限らない。また、別の例では、テレビ放送受信・録画(記録)機能を備えた通信端末装置において、この通信端末装置を充電台に設置してその端末画面に画像を表示させて写真立てとして利用している場合、その端末画面を見易いように通信端末装置の姿勢を調整するようにしているが、このように調整した姿勢が必ずしも通信状況が良好な姿勢(例えば、録画予約のテレビ放送を確実に受信して記録可能とするために、テレビ放送受信に関する通信状況が良好となる姿勢)であるとは限らない。
【0005】
このような場合、例えば、ユーザの就寝時に、メール受信に関する通信状況が良好になるような姿勢に調整したり、テレビ放送受信に関する通信状況が良好になるような姿勢に調整したりする必要があるが、その都度、このような調整をユーザ自身が行うことは面倒であり、ユーザに負担をかけるほか、ユーザにあっては録画予約の有無を確認しながら通信端末装置の姿勢を調整しなければならず、更にユーザに負担をかけるという問題が起きる。
【0006】
本発明の課題は、通信端末装置の姿勢を適切に制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、通信手段を備える通信端末装置であって、当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する接続検出手段と、前記通信手段の通信状況を検出する通信検出手段と、前記接続検出手段によって前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する姿勢制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記外部装置と当該通信端末装置とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、前記姿勢制御手段は、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて、前記外部装置の姿勢を制御するための制御信号を当該外部装置に対して出力することによって通信端末装置の姿勢を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、通信に関連する履歴情報及び通信に関連する予約情報の少なくともいずれか一方が記憶手段に記憶されているか否かを判別する判別手段を更に備え、前記姿勢制御手段は、前記判別手段によって履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が記憶されていると判別された場合に、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項3に従属する発明として、前記姿勢制御手段は、前記履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御するタイミングを決定してその制御を行う、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項4に従属する発明として、前記姿勢制御手段は、前記履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報が現在時刻から所定時間以内の場合に、この所定時間以内を前記制御タイミングとして決定して当該通信端末装置の姿勢を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項4に従属する発明として、前記姿勢制御手段は、前記履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報が現在時刻から所定時間以内でない場合に、この所定時間以内でない時間帯を前記制御タイミングとして決定して当該通信端末装置の姿勢を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、当該通信端末装置の姿勢を制御する時刻を指定する時刻情報を記憶手段に記憶させる記憶制御を更に備え、前記姿勢制御手段は、前記記憶手段に記憶されている時刻情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御するタイミングを決定してその制御を行う、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記姿勢制御手段によって当該通信端末装置の姿勢が制御される前の姿勢を元の姿勢として記憶する記憶制御手段を更に備え、前記姿勢制御手段は、当該通信端末装置の姿勢を制御したのち、前記通信手段による通信が終了する場合に、前記記憶制御手段によって記憶された元の姿勢になるように当該通信端末装置の姿勢を戻す、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、前記通信手段は、通話手段、メール通信手段、新着情報受信手段、データ通信手段、放送受信手段のうちの少なくともいずれか1つである、ことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決するために請求項記載10の発明は、通信手段を有する通信端末装置と接続される通信端末接続装置であって、当該通信端末接続装置と前記通信端末装置との接続を検出する接続検出手段と、前記通信端末装置が有する通信手段の通信状況を検出する通信検出手段と、前記通信端末装置と接続されている場合に、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する姿勢制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項10に従属する発明として、当該通信端末接続装置と前記通信端末装置とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、前記姿勢制御手段は、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末接続装置の姿勢を制御することによって前記通信端末装置の姿勢を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項10に従属する発明として、前記通信端末装置の姿勢を制御する時刻を指定する時刻情報を記憶手段に記憶する記憶制御を更に備え、前記姿勢制御手段は、前記記憶手段に記憶されている時刻情報に基づいて前記通信端末装置の姿勢を制御するタイミングを決定してその制御を行う、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項10に従属する発明として、前記姿勢制御手段によって前記通信端末装置の姿勢が制御される前の姿勢を元の姿勢として記憶する記憶制御手段を更に備え、前記姿勢制御手段は、前記通信端末装置の姿勢を制御したのち、前記通信手段による通信が終了した場合に、前記記憶制御手段によって記憶された元の姿勢になるように前記通信端末装置の姿勢を戻す、ようにしたことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項14記載の発明は、通信手段を備える通信端末装置であって、当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する接続検出手段と、この接続検出手段によって接続が検出された外部装置の識別情報を取得する取得手段と、前記接続検出手段によって前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記取得手段によって取得された外部装置の識別情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する姿勢制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0021】
請求項14に従属する発明として、当該通信端末接続装置と前記外部装置とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、前記姿勢制御手段は、前記取得手段によって取得された外部装置の識別情報に基づいて前記外部装置の姿勢を制御するための制御信号を前記外部装置に対して出力することによって当該通信端末装置の姿勢を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0022】
また、上述した課題を解決するために請求項16記載の発明は、コンピュータに対して、通信手段を備える当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する機能と、前記通信手段の通信状況を検出する機能と、前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0023】
また、上述した課題を解決するために請求項17記載の発明は、コンピュータに対して、通信手段を備える通信端末装置と当該通信端末接続装置との接続を検出する機能と、前記通信端末装置が有する通信手段の通信状況を検出する機能と、前記通信端末装置と接続されている場合に、前記検出された通信状況に基づいて前記通信端末装置の姿勢を制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0024】
また、上述した課題を解決するために請求項18記載の発明は、コンピュータに対して、通信手段を備える当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する機能と、前記接続が検出された外部装置の識別情報を取得する機能と、前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記取得された外部装置の識別情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通信端末装置の姿勢を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】通信端末装置として適用した携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】携帯電話機1の外観図示し、(1)は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示した図、(2)は、オープンスタイルにおいて表示部筐体1Bを上述の回動用ヒンジ軸を中心に180度回転させたのち、表示部17が外側に向くように折り畳んだ状態のビュースタイルを示した図。
【図4】充電台9の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図5】充電台9の外観図。
【図6】制御条件記憶部M3を説明するための図。
【図7】姿勢決定方法記憶部M4を説明するための図。
【図8】姿勢情報記憶部M5を説明するための図。
【図9】通話履歴記憶部M6を説明するための図。
【図10】メール記憶部M7を説明するための図。
【図11】予約情報記憶部M8を説明するための図。
【図12】携帯電話機1の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図13】制御処理(図12のステップA8)を詳述するためのフローチャート。
【図14】判別処理(図12のステップB1)を詳述するためのフローチャート。
【図15】制御開始処理(図13のステップB4)を詳述するためのフローチャート。
【図16】制御終了処理(図13のステップB7)を詳述するためのフローチャート。
【図17】時刻更新に応じた処理(図12のステップA10)を詳述するためのフローチャート。
【図18】充電台9又は充電ケーブル8との接続が解除された際に実行される外れ処理(図12のステップA17)を詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
以下、図1〜図18を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
この実施形態は、通信端末装置として携帯電話機、この携帯電話機を接続する外部装置(通信端末接続装置)として充電台又は充電ケーブルにそれぞれに適用した場合を例示したもので、図1は、携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、デジタルテレビ放送(例えば、ワンセグ地上波デジタルテレビ放送)を受信可能なテレビ放送受信機能と、デジタルラジオ放送(例えば、サンセグ地上波デジタルラジオ放送)を受信可能なラジオ放送受信機能と、受信した放送番組の予約記録を行う予約機能と、記録された番組内容を再生出力する再生機能など、各種の機能を備えている。
【0028】
携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してメール管理装置3に接続されると、電子メールの送受信が可能となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット4に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能な状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット4に接続されると、コンテンツ配信装置5から動画、静止画、音楽、ニュース、天気予報などの情報をインターネット4、無線通信網2を介してダウンロード可能な状態となる。また、携帯電話機1は、テレビ局・ラジオ局6から送信アンテナ7を介して発信された地上波デジタル放送を受信可能となっている。なお、地上波デジタル放送を受信する場合に限らず、インターネットラジオのように無線通信網2、インターネット4を介してコンテンツ配信装置5からデジタル放送をダウンロード受信することもできる。
【0029】
携帯電話機1は、デジタルテレビ放送を受信すると、この受信した放送番組を映像データ、音声データなどに分離して出力したり、受信した放送番組を記録したりし、また、デジタルラジオ放送を受信すると、この放送の番組を音声出力したり、受信した放送の番組を記録したりする。一方、携帯電話機1は、その二次電池(図示省略)への充電時に、外部装置(通信端末接続装置)である充電ケーブル8に直接接続されたり、外部装置(通信端末接続装置)である充電台9を介して充電ケーブル8に接続されたりすると、二次電池(図示省略)への充電が開始されるが、その際、携帯電話機1は、外部装置(充電ケーブル8、充電台9)に接続されたことを検出するようにしている。
【0030】
充電台9は、充電ケーブル8を介してAC電源(商用電源)に接続されるもので、充電機能及びデータ通信機能を備えたクレードルであり、携帯電話機1が設置(接続)された際に、携帯電話機1側の二次電池(図示省略)に対して充電を行ったり、携帯電話機1との間でデータ通信を行ったりする。ここで、携帯電話機1と充電台9とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造(電気的に接続されて一体的に連動可能な設置状態)で接続される。
このように携帯電話機1には複数の通信手段として、通話機能、電子メール機能、新着情報受信機能、データ通信機能、放送受信機能などが備えられている。
【0031】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池(図示省略)を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。記憶部13には、プログラム記憶部M1、各種情報一時記憶部M2、制御条件記憶部M3、姿勢決定方法記憶部M4、姿勢情報記憶部M5、通話履歴記憶部M6、メール記憶部M7、予約情報記憶部M8などが設けられている。
【0032】
プログラム記憶部M1は、図12〜図18に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。各種情報一時記憶部M2は、フラグ情報、タイマ情報、画面情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域である。なお、制御条件記憶部M3、姿勢決定方法記憶部M4、姿勢情報記憶部M5、通話履歴記憶部M6、メール記憶部M7、予約情報記憶部M8については後で詳述するものとする。
【0033】
無線通信部14は、図示しない無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部15を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAT1から発信出力させる。
【0034】
テレビ放送・ラジオ放送受信部16は、テレビ放送受信部とラジオ放送受信部とを有し、それらを個別に起動可能なもので、通信端末装置向けの地上波デジタルテレビ放送、地上波デジタルラジオ放送と共に、電子番組表(EPG)などの番組情報も含めて受信可能となっている。このテレビ放送・ラジオ放送受信部16は、アンテナAT2を介して放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行うデジタル回路部を有している。
【0035】
表示部17は、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用し、例えば、文字情報、待受画像、テレビ映像などを表示させる。操作部18は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、この操作部18からの入力操作信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)19は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC19から現在日時を取得する。報知部20は、サウンドスピーカ20A、LED(発光ダイオード)20B、振動モータ20Cを備え、着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時などでも駆動される。サウンドスピーカ20Aは、音楽コンテンツなどを再生出力したり、テレビ放送やラジオ放送などを再生出力したりする。
【0036】
ヒンジ可動部21は、携帯電話機1を構成する2つの筐体1A、1B(図3参照)を折り畳み可能及び回転可能に連結するヒンジ部1C(図3参照)に連結されていて、このヒンジ部1Cを可動させるための機構部(電動モータ、ギアなど)を有し、中央制御部11の制御下でヒンジ部1Cを回転駆動させることで、2つの筐体1A、1Bの開き具合や回転具合を変更して携帯電話機1の姿勢(向き)を直接的に制御するものである。充電台接続部22は、充電台9の接点と接続されるコネクタ部で、この充電台接続部22を介して電池部21の二次電池への充電が行われるが、中央制御部11は、充電台接続部22からの信号に基づいて充電台9に設置されているか否かの検出を行う。
【0037】
充電ケーブル接続部23は、AC電源に接続された充電ケーブル8が直接接続されるコネクタ部であり、充電ケーブル接続部23を介して電池部21の二次電池への充電が行われるが、中央制御部11は、充電ケーブル接続部23から信号に基づいて充電ケーブル8に接続されているか否かの検出を行う。この充電台接続部22、充電ケーブル接続部23を介して充電台9又は充電ケーブル8に接続されている状態において、中央制御部11は、携帯電話機1の通信状況に基づいて携帯電話機1の姿勢を直接的あるいは充電台9を介して間接的に制御したり、どの充電台9に接続されたかに応じて携帯電話機1の姿勢を、充電台9を介して間接的に制御したりする。ここで、通信状況とは、無線通信部14の通信状況(無線通信の通信状況)、テレビ放送・ラジオ放送受信部16の通信状況(放送受信の通信状況)であり、電波受信レベル、通信可/不可などを示している。
【0038】
図3は、携帯電話機1の外観図である。
携帯電話機1は、それを構成する2つの筐体である操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの連結状態に応じてクローズスタイル、オープンスタイル、ビュースタイルなどに変更可能な2軸ヒンジタイプである。このヒンジ部1Cには操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとを折り畳み開閉するためのヒンジ軸(図示省略)と、このヒンジ軸とほぼ直交して一方の筐体を他方の筐体に対して回動するためのヒンジ軸(図示省略)を有し、これらのヒンジ軸は上述のヒンジ可動部21に連結されている。
【0039】
図3(1)は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示し、操作部筐体1Aの内面側には、操作部18及び通話用マイクMCが配置されている。なお、図示省略したが、操作部筐体1Aの裏面側(操作部18の反対側)には充電台接続部22が配置され、操作部筐体1Aの下端部(ヒンジ部1Cの反対側)には充電ケーブル接続部23が配置されている。表示部筐体1Bの内面側には、表示部17及び通話用スピーカSPが配置されている。
【0040】
図3(2)は、上述したオープンスタイルにおいて表示部筐体1Bを上述の回動用ヒンジ軸を中心に180度回転させたのち、表示部17が外側に向くように折り畳んだ状態のビュースタイルを示している。なお、上述したようにヒンジ部1Cを回転駆動させることで、表示部筐体1Bを回転させてその角度を自動調整させることが可能となる。ここで、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの開閉角度や操作部筐体1Aに対する表示部筐体1Bの回転角度は、ヒンジ可動部21の状態によって検出可能であり、中央制御部11は、ヒンジ可動部21の状態に基づいて携帯電話機1の姿勢を判別するようにしている。なお、図示省略したが、無線通信部14用のアンテナAT1とテレビ放送・ラジオ放送受信部16用のアンテナAT2は、表示部筐体1Bの一側部に配置されているが、これら2つのアンテナAT1、AT1を1つのアンテナによって構成することによって無線通信用と放送受信用に兼用するようにしてもよい。
【0041】
図4は、充電台9の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部31は、記憶部32内の各種のプログラムに応じてこの充電台9の全体動作を制御する中央演算処理装置などを有している。記憶部32は、図に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されているプログラム記憶部M10、充電台9が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶する各種情報一時記憶部M11などを有している。中央制御部31は、携帯電話機接続部33に携帯電話機1が設置(接続)された際に、充電ケーブル接続部34が充電ケーブル8を介してAC電源に接続されていることを条件に、携帯電話機接続部33を介して携帯電話機1への給電を開始するほか、携帯電話機1との間で通信可能な状態となる。
【0042】
また、中央制御部31は、携帯電話機1から出力された信号を受信すると、台座可動部35を駆動する。台座可動部35は、充電台9を構成する本体9A(図5参照)に対して回転可能・伸縮可能に取り付けられた台座9B(図5参照)を駆動するもので、この台座9Bを伸縮・回転させる機構部(電動モータ、ギアなど)を有し、中央制御部31の制御下で台座9Bを伸縮させたり、回転させたりすることで、充電台9に設置されている携帯電話機1の通信状況(電波受信レベル、通信可/不可など)が良くなるように台座9Bの姿勢(高さ、方向など)を変更することで携帯電話機1の姿勢を制御するようにしている。
【0043】
図5は、充電台9の外観図である。
充電台9を構成する本体9Aには、台座9Bが回転可能・伸縮可能に取り付けられている。すなわち、台座9Bは、手動操作によって回転・伸縮が可能なほか、上述の台座可動部35によっても回転・伸縮が可能に取り付けられており、この台座9Bには、充電ケーブル10を介してAC電源に接続されている。本体9Aは、携帯電話機1が設置される箱型の収納部9Cと、この収納部9Cの一側部から起立する板状の起立部9Dを有している。この収納部9Cは、携帯電話機1をクローズスタイルやビュースタイルで収納(設置)することが可能なもので、ビュースタイルの状態で設置されている場合にユーザは、その画面に画像(静止画、動画、テレビ放送など)を表示させて見ることができる。充電台9の収納部9Cに携帯電話機1が設置されている状態においては、携帯電話機1側の充電台接続部22と充電台9側の携帯電話機接続部33とが電気的に接続されて充電台9と携帯電話機1とが一体的に連動可能となっている。
【0044】
図6は、制御条件記憶部M3を説明するための図である。
制御条件記憶部M3は、携帯電話機1を充電台9に設置したり、充電ケーブル8に接続したりしている間に通信がありそうな場合(通信の可能性が高い場合)、携帯電話機1の姿勢を変えるための制御条件を記憶するもので、「ID」、「内容」、「設定フラグ」の各項目を有している。「ID」は、制御条件を識別する情報であり、「内容」は、制御条件の内容を示している。「設定フラグ」は、複数の制御条件の中から現在有効な制御条件を指定するもので、その値が“1(オン)”の場合には、制御条件が現在有効であることを示し、ユーザ操作によって任意に設定された情報である。なお、図中、太線で囲んだ情報は、ユーザ操作によって任意に設定された情報であることを示している(以下、同様)。
【0045】
図示の例において「内容」の“毎回”は、充電台9に設置されたり、充電ケーブル8に接続されるたびに携帯電話機1の姿勢を制御することを示し、“指定時間帯”は、充電台9に設置されたり、充電ケーブル8に接続されたりしている状態において、指定時間帯(23時00分〜06時00分)になった際に、携帯電話機1の姿勢を制御することを示している。なお、この“指定時間帯”の制御条件(23時00分〜06時00分)は、ユーザ操作によって任意に設定された情報である。
【0046】
また、図示の例において「内容」の“通信履歴・予約情報”は、充電台9に設置されたり、充電ケーブル8に接続されたりしている状態において、通信に関連する履歴情報(通話履歴やメール履歴)及び通信に関連する予約情報(放送の視聴予約、録画予約)が記憶されている場合に、携帯電話機1の姿勢を制御することを示し、この“通信履歴・予約情報”の制御条件には“10分前後”が設定されている。従って、履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報が現在時刻から所定時間以内の場合に、この所定時間以内を制御タイミングとして決定して姿勢を制御するようにしている。
【0047】
例えば、通信履歴の場合を例にすると、開始時刻10分前から終了時刻10分後に現在時刻を含むような時刻情報を有する通信履歴が記憶されている場合に、携帯電話機1の姿勢を制御するようにしている。この場合、同一日に限らず、別の日であってもよい。また、予約情報の場合には、開始日時10分前から終了日時に現在日時を含むような日時情報を有する予約情報が記憶されている場合に、携帯電話機1の姿勢を制御することを示している。なお、この“通信履歴・予約情報の制御条件(10分前後)は、ユーザ操作によって任意に設定された情報である。
【0048】
図7は、姿勢決定方法記憶部M4を説明するための図である。
姿勢決定方法記憶部M4は、携帯電話機1が充電台9に接続されている場合に、携帯電話機1の最良の姿勢を決定する方法を記憶するもので、「ID」、「内容」、「設定フラグ」の各項目を有している。「ID」は、姿勢決定方法を識別する情報であり、「内容」は、姿勢決定方法の内容を示している。「設定フラグ」は、複数の姿勢決定方法の中から現在有効な姿勢決定方法を指定するもので、その値が“1”の姿勢決定方法が現在有効であることを示し、ユーザ操作によって任意に設定された情報である。
【0049】
ここで、「内容」の“通信状況検出”は、複数の姿勢の個々に対応してその通信状況(電波受信レベル、通信可/不可など)を検出し、その中から最良の通信状況となる姿勢に決定する方法を示している。また、「内容」の“充電台ID”は、携帯電話機1が接続された充電台9毎に予め指定されている姿勢を決定する方法(どの充電台9に接続されたかによって姿勢を決定する方法)を示している。例えば、自宅内に複数の充電台9が置いてある場合に、充電台9毎に通信に適した姿勢を決定する方法を示している。
【0050】
図8は、姿勢情報記憶部M5を説明するための図である。
姿勢情報記憶部M5は、充電台9毎に予め指定された姿勢情報を記憶するもので、「ID」、「充電台ID」、「姿勢」の各項目を有している。「ID」は、姿勢情報を識別する情報であり、「充電台ID」は、充電台9を識別するための情報(例えば、製造番号など)である。「姿勢」は、台座9Bの回転角度、高さなどを示す姿勢情報を示し、この姿勢情報が示す回転角度、高さなどに基づいて姿勢を変更すべきことを充電台9に対して要求すると、つまり、充電台9の姿勢を制御するための制御信号を送信すると、充電台9側では、この要求に応じて台座9Bの回転角度、高さなどを調整して要求どおりの姿勢に変更する。
【0051】
図9は、通話履歴記憶部M6を説明するための図である。
通話履歴記憶部M6は、電話着信及び発信に関する履歴情報を記憶するもので、「ID」、「種別」、「日時」、「相手」、…などの項目を有している。「ID」は、履歴情報を識別する情報、「種別」は、履歴情報の種別(着信、発信)を示している。「日時」は、通話開始日時及び通話終了日時を示し、「相手」は、相手の名前や電話番号などを示している。なお、発信と着信とを別々の履歴記憶部で記憶するようにしてもよい。また、「日時」は、通話開始日時だけでもよい。
【0052】
図10は、メール記憶部M7を説明するための図である。
メール記憶部M7は、電子メール(Eメール)受信及び送信に関する履歴情報を記憶するもので、「ID」、「種別」、「日時」、「相手」、「内容」、…などの項目を有している。「ID」は、履歴情報を識別する情報、「種別」は、履歴情報の種別(着信、発信)を示している。「日時」は、発信日時又は着信日時を示し、「相手」は、相手の名前やメールアドレスなどを示している。「内容」は、メールのヘッダ情報や本文などである。なお、送信と受信とを別々のメール記憶部で記憶するようにしてもよい。
【0053】
図11は、予約情報記憶部M8を説明するための図である。
予約情報記憶部M8は、視聴や録画の予約情報を記憶するもので、「ID」、「種別」、「日時」、「番組情報」、「内容」の各項目を有している。「ID」は、予約情報を識別する情報である。「種別」は、視聴予約か録画予約かの種類を示す情報である。「日時」は、視聴予約、録画予約の開始日時と終了日時を示す情報であり、「番組情報」は、チャンネル/周波数、番組名、出演者名などの情報である。「内容」は、録画予約の実行によって録画された実データを示している。なお、視聴予約が実行されても「内容」にはデータは無く、録画予約であっても、まだ実行されていないときには空の状態となっている。
【0054】
次に、第1実施形態における携帯電話機1の動作概念を図12〜図18に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0055】
図12は、携帯電話機1の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、電源供給を開始させて所定のメモリなどを初期化する電源オン処理を実行したのち、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局2Aとの間で通信を行って位置登録をしたりする待受処理を行う(ステップA2)。その後、操作待ちや着信待ちなどの待ち受け状態となる。ここで、任意の情報を設定する設定操作が行われた場合には(ステップA3でYES)、その操作に対応する設定処理として、例えば、制御条件記憶部M3、姿勢決定方法記憶部M4などに対する設定処理を行ったのち(ステップA4)、上述のステップA3に戻る。
【0056】
また、待ち受け状態において中央制御部11は、充電台接続部22又は充電ケーブル接続部23をアクセスすることによって充電台9に設置(接続)されたこと、又は充電ケーブル8に接続されたことを検出すると(ステップA4でYES)、充電台接続部22又は充電ケーブル接続部23を介して電池部24への充電を開始させたのち(ステップA6)、充電台9又は充電ケーブル8に接続されたことを示す接続中フラグ(図示省略)を“1”とする(ステップA7)。そして、携帯電話機1の通信状況に基づいて携帯電話機1の姿勢を直接的あるいは充電台9を介して間接的に制御したり、どの充電台9に接続されたかに応じて携帯電話機1の姿勢を、充電台9を介して間接的に制御したりする制御処理に移る(ステップA8)。
【0057】
図13は、制御処理(図12のステップA8)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、携帯電話機1の姿勢を変える(制御する)条件に該当するかに応じて携帯電話機1の姿勢を制御するか否かを判別するための判別処理(後述する)を行う(ステップB1)。この結果、“制御する”と判別したときには(ステップB2でYES)、携帯電話機1の姿勢を制御中であることを示す制御中フラグ(図示省略)が“1”であるかを調べ(ステップB2)、この制御フラグが“1”で、姿勢を制御している最中であれば(ステップB2でYES)、図12のステップA3に戻る。
【0058】
また、制御フラグが“0(オフ)”で、姿勢を制御していなければ(ステップB3でNO)、携帯電話機1が充電台9に設置(接続)されている場合には充電台9の現在の姿勢を検出し、携帯電話機1が充電ケーブル8に接続されている場合には携帯電話機1の現在の姿勢を検出する(ステップB4)。この場合、充電台9に対してその姿勢(台座の回転角度、高さなど)を示す姿勢情報の送信を要求したのち、その要求に応じて充電台9から送信された姿勢情報を受信して、この姿勢情報に基づいて充電台9の姿勢を検出する。また、ヒンジ可動部21の状態から携帯電話機1の姿勢(操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの開閉角度や操作部筐体1Aに対する表示部筐体1Bの回転角度)を検出する。これによって検出した充電台9又は携帯電話機1の現在の姿勢を一時記憶したのち(ステップB5)、姿勢を制御するための制御開始処理(後述する)を実行する(ステップB6)。そして、制御フラグを“1”としたのち(ステップB7)、図12のステップA3に戻る。
【0059】
また、上述の判別処理を実行した結果、“制御しない”と判別したときには(ステップB2でNO)、制御中フラグが“1”であるかを調べ(ステップB8)、制御フラグが“0”で、姿勢を制御していなければ(ステップB8でNO)、図12のステップA3に戻るが、制御フラグが“1”で、姿勢を制御している最中であれば(ステップB8でYES)、携帯電話機1の位置を元に戻す制御終了処理(後述する)を実行する(ステップB9)。そして、制御フラグを“0”としたのち(ステップB10)、図12のステップA3に戻る。
【0060】
図14は、判別処理(図12のステップB1)を詳述するためのフローチャートである。
この判別処理は、上述したように携帯電話機1の姿勢を変える(制御する)条件に該当するか否かに応じて携帯電話機1の姿勢を“制御する”、“制御しない”を判別するための処理である。
先ず、中央制御部11は、制御条件記憶部M3を参照し、「設定フラグ」が“1”の制御条件を読み出し(ステップC1)、その「内容」は、“毎回”
であるか(ステップC2)、“指定時間帯”であるかを調べる(ステップC5)。いま、“毎回”であれば(ステップC2でYES)、無線通信の通信状況を検出することを示す無線通信フラグ(図示省略)及び放送受信の通信状況を検出することを示す放送受信フラグ(図示省略)をそれぞれ“1”としたのち(ステップC3)、“制御する”と判別する(ステップC4)。
【0061】
制御条件の「内容」が“指定時間帯”であれば(ステップC5でYES)、RTC19から現在時刻を取得すると共に、現在時刻は“指定時間帯”に含まれているかを調べる(ステップC6)。図6の例では、指定時間帯(23:00〜06:00)であるから、現在時刻が“23:00〜06:00”以外であれば(ステップC6でNO)、“制御しない”と判別するが(ステップC7)、この指定時間帯“23:00〜06:00”内であれば(ステップC6でYES)、上述のステップC3に移り、無線通信フラグ及び放送受信フラグをそれぞれ“1”としたのち(ステップC3)、“制御する”と判別する(ステップC4)。
【0062】
制御条件の「内容」が“指定時間帯”でなければ(ステップC5でNO)、“通信履歴・予約情報”であると判断してステップC8に移り、先ず、通信履歴である通話履歴又はメール履歴が記憶されているかを調べる。すなわち、図6の例では、“通信履歴・予約情報(10分前後)”が設定されている場合であるから、RTC19から現在時刻を取得して、通話履歴記憶部M6、メール記憶部M7の「日時」を参照し、開始時刻10分前から終了時刻10分後に現在時刻を含むような時刻情報を有する通話履歴又はメール履歴が記憶されているか否かの判別を行う。ここで、該当する通話履歴又はメール履歴が記憶されていれば(ステップC8でYES)、通信(通話又はメール)の可能性が高い時間帯であると判断して、上述の無線通信フラグを“1”とする(ステップC9)。
【0063】
次に、予約情報が記憶されているかを調べる(ステップC10)。すなわち、図6の例では、“通信履歴・予約情報(10分前後)”が設定されている場合であるから、RTC19から現在時刻を取得して、予約情報記憶部M8の「日時」を参照し、開始日時10分前から終了日時に現在日時を含むような日時情報を有する予約情報が記憶されているか否かの判別を行う。ここで、該当する予約情報が記憶されていれば(ステップC10でYES)、上述の放送受信フラグを“1”とする(ステップC11)。
【0064】
そして、無線通信フラグ、放送受信フラグを参照し、無線通信フラグと放送受信フラグの少なくともどちらか一方は“1”であるかを調べる(ステップC12)。いま、無線通信フラグと放送受信フラグの両方が共に“0”であれば(ステップC12でNO)、“制御しない”と判別するが(ステップC7)、少なくともどちらか一方が“1”であれば(ステップC12でYES)、“制御する”と判別する(ステップC13)。このようにして“制御する”、“制御しない”の判別を行ったのちは、図14のフローから抜ける。
【0065】
図15は、制御開始処理(図13のステップB4)を詳述するためのフローチャートである。この制御開始処理は、上述したように図13の判別処理で“制御する”と判別され(ステップB2でYES)、かつ、制御中フラグが“0”の場合に実行される処理である(ステップB3でNO)。
先ず、中央制御部11は、携帯電話機1が充電台9に設置されている場合には(ステップD1でYES)、姿勢決定方法記憶部M4を参照して、「設定フラグ」が“1”の姿勢決定方法を読み出し(ステップD2)、この姿勢決定方法は“通信状況検出”であるかを調べる(ステップD3)。
【0066】
姿勢決定方法が“通信状況検出”でなければ(ステップD3でNO)、“充電台ID”であると判断してステップD4に移り、接続中の充電台9から充電台IDを取得する。そして、この充電台IDに基づいて姿勢情報記憶部M5を参照して、当該充電台IDに対応付けられている「姿勢情報」を読み出し(ステップD5)、この「姿勢情報」に基づいて充電台9の姿勢を変更させる(ステップD6)。この場合、携帯電話機1は、「姿勢情報」が示す台座9Bの回転角度、高さなどに基づいて姿勢を変更すべきことを充電台9に対して要求すると、充電台9側では、この要求に応じて台座9Bの回転角度、高さなどを調整して要求どおりの姿勢に変更する。そして、無線通信フラグ及び放送受信フラグをそれぞれ“0”としたのち(ステップD14)、この図15のフローから抜ける。
【0067】
姿勢決定方法が“通信状況検出”であれば(ステップD3でYES)、充電台9の現在の姿勢を検出する(ステップD7)。この場合においても、上述と同様に、充電台9に対してその姿勢(台座の回転角度、高さなど)を示す姿勢情報の送信を要求したのち、その要求に応じて充電台9から送信された姿勢情報を受信して、この姿勢情報に基づいて充電台9の姿勢を検出する。そして、携帯電話機1の通信状況(電波受信レベル、通信可/不可など)として無線通信の通信状況、放送受信の通信状況を検出する(ステップD8)。
【0068】
この場合、通信可/不可の検出で通信可であれば、電波受信レベルを検出するが、その際、無線通信フラグが“1”の場合には、無線通信の通信状況(電波受信レベル)を検出し、放送受信フラグが“1”の場合には、放送受信の通信状況(電波受信レベル)を検出する。なお、無線通信フラグ及び放送受信フラグの両方が共に“1”の場合には、両方の通信状況(電波受信レベル)をそれぞれ検出するようにしてもよいし、そのどちらか一方を検出するようにしてもよく、しかも、そのどちらを優先するかをユーザが予め任意に指定するようにしてもよい。
【0069】
これによって検出した充電台9の姿勢と携帯電話機1の通信状況とを対応付けて各種情報一時記憶部M2に一時記憶させたのち(ステップD9)、全体的な通信状況の検出を終了したかを調べる(ステップD10)。すなわち、充電台9の姿勢をいろいろ変えて通信状況を全体的に把握したか(例えば、台座9Bを360度回転させて全体的な通信状況を検出したか)を調べ、その検出を終了していなければ(ステップD10でNO)、充電台9の姿勢を所定量分変更させる(ステップD11)。
【0070】
この場合、台座9Bが360度回転するまでその姿勢を所定量分毎に段階的に順次変更させるために、充電台9に対して、所定の姿勢(台座9Bの回転角度、高さなど)を指定しながらその姿勢に変更すべきことを要求すると、充電台9側では、その要求に応じてその充電台9の姿勢を変更する。そして、変更後の状態の通信状況を検出したのち(ステップD8)、変更後の充電台9の姿勢と共に通信状況を一時記憶する(ステップD9)。以下、全体的な通信状況の検出を終了するまで充電台9の姿勢を所定量分変更させながら上述の動作を繰り返す(ステップD8〜D11)。
【0071】
これによって全体的な通信状況の検出を終了すると(ステップD10でYES)、一時記憶されている各通信状況を比較することによって最良の通信状況を特定すると共に、この最良の通信状況に対応付けられている充電台9の姿勢を判別し(ステップD12)、通信状況が最良となる姿勢となるように充電台9の姿勢を変更させる(ステップD13)。この場合においても、通信状況が最良となる姿勢に変更すべきことを充電台9に対して要求すると、充電台9側では、この要求に応じて台座9Bの回転角度、高さなどを調整して要求どおりの姿勢に変更する。そして、無線通信フラグ及び放送受信フラグをそれぞれ“0”としたのち(ステップD14)、この図15のフローから抜ける。
【0072】
また、携帯電話機1が充電台9に設置されていない場合には(ステップD1でNO)、充電ケーブル8に接続されていると判断してステップD15に移り、上述と同様に、ヒンジ可動部21の状態から携帯電話機1の姿勢(操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの開閉角度や操作部筐体1Aに対する表示部筐体1Bの回転角度)を検出したのち、携帯電話機1の通信状況(電波受信レベル、通信可/不可など)を検出する(ステップD16)。この場合においても、通信可/不可の検出で通信可であれば、電波受信レベルを検出するが、その際、無線通信フラグが“1”の場合には、無線通信の通信状況を検出し、放送受信フラグが“1”の場合には、放送受信の通信状況を検出する。
【0073】
これによって検出した携帯電話機1の姿勢と携帯電話機1の通信状況とを対応付けて各種情報一時記憶部M2に一時記憶させたのち(ステップD17)、全体的な通信状況の検出を終了したかを調べる(ステップD18)。すなわち、携帯電話機1の姿勢をいろいろ変えて通信状況を全体的に把握したかを調べ、その検出を終了していなければ(ステップD18でNO)、ヒンジ可動部21を駆動させて携帯電話機1の姿勢を所定量分変更する(ステップD19)。以下、全体的な通信状況の検出を終了するまで、携帯電話機1の姿勢を所定量分変更しながら上述の動作を繰り返す(ステップD16〜D19)。
【0074】
全体的な通信状況の検出を終了すると(ステップD18でYES)、一時記憶されている各通信状況を比較することによって最良の通信状況を特定すると共に、この最良の通信状況に対応付けられている携帯電話機1の姿勢を判別し(ステップD20)、通信状況が最良となる姿勢となるようにヒンジ可動部21を駆動させて携帯電話機1の姿勢を変更する(ステップD21)。そして、無線通信フラグ及び放送受信フラグをそれぞれ“0”としたのち(ステップD14)、この図15のフローから抜ける。
【0075】
図16は、制御終了処理(図13のステップB7)を詳述するためのフローチャートである。この制御終了処理は、上述したように図13の判別処理で“制御しない”と判別され(ステップB2でNO)、かつ、制御中フラグが“1”の場合(ステップB8でYES)に実行される処理である。
先ず、中央制御部11は、携帯電話機1が充電台9に設置されている場合には(ステップE1でYES)、上述した図13(制御処理)のステップB5で一時記憶した充電台9の姿勢(変更前の元の姿勢)を読み出し(ステップE2)、この姿勢に応じて充電台9を変更前の元の姿勢に変更させる(ステップE3)。この場合、携帯電話機1は、元の姿勢が示す台座9Bの回転角度、高さなどに基づいて姿勢を変更すべきことを充電台9に対して要求すると、充電台9側では、この要求に応じて台座9Bの回転角度、高さなどを調整して要求どおりの姿勢に変更する。
【0076】
携帯電話機1が充電台9に設置されていない場合には(ステップE1でNO)、充電ケーブル8に接続されていると判断してステップE4に移り、上述した図13(制御処理)のステップB5で一時記憶した携帯電話機1の姿勢(変更前の元の姿勢)を読み出し(ステップE4)、この姿勢に応じてヒンジ可動部21を駆動させることによって携帯電話機1を変更前の元の姿勢に変更させる(ステップE5)。
【0077】
このように充電台9又は充電ケーブル8への接続検出に応じて(図12のステップA5でYES)、上述の制御処理(ステップA8)を実行したのちは、ステップA3に戻る。ここで、時刻更新(例えば、分を更新する1分間隔)を検出すると(ステップA9でYES)、この時刻更新のタイミング毎に時刻更新に応じた処理に移る(ステップA10)。この時刻更新に応じた処理は、予約情報の終了時刻・開始時刻を監視しながら視聴予約又は録画予約を実行したり、通信状況が最良となる姿勢に変更するために上述の制御処理を実行したりする処理である。
【0078】
図17は、時刻更新に応じた処理(図12のステップA10)を詳述するためのフローチャートである。この時刻更新に応じた処理では、予約情報の終了時刻が到来したかを判別したり(ステップF1)、接続中フラグは“1”であるか否かを判別したり(ステップF4)、予約情報の開始時刻が到来したかを判別したりするようにしているが(ステップF6)、このような順番で判別する理由は、放送受信を終了させてから上述の制御処理を行って姿勢を元の位置に戻すためと、放送受信を開始させる前に上述の制御処理を行って通信状況が最良となる姿勢に変更するためである。
【0079】
先ず、中央制御部11は、RTC19から現在日時を取得すると共に、予約情報記憶部M8の「日時」を参照し、現在日時が予約の終了日時に一致するか(終了時刻の到来か)を判別し(ステップF1)、終了時刻の到来を検出しなければ(ステップF1でNO)、充電台9又は充電ケーブル8に接続されたことを示す接続中フラグは“1”であるかを調べる(ステップF4)。いま、接続中フラグが“1”であれば(ステップF4でYES)、上述した制御処理に移り(ステップF5)、携帯電話機1の通信状況に基づいて携帯電話機1の姿勢を直接的あるいは充電台9を介して間接的に制御したり、どの充電台9に接続されたかに応じて携帯電話機1の姿勢を、充電台9を介して間接的に制御したりして放送受信の通信状況が最良となる姿勢に変更する。
【0080】
このように放送受信を開始する前に放送受信の通信状況が最良となる姿勢となるように変更したのち、中央制御部11は、RTC19から現在日時を取得して予約情報記憶部M8の「日時」を参照し、現在日時が予約の開始日時に一致するか(開始時刻の到来か)を判別し(ステップF6)、開始時刻の到来を検出すると(ステップF6でYES)、テレビ放送・ラジオ放送受信部16を駆動させてその予約情報の「番組情報」の放送受信を開始させる(ステップF7)。そして、予約情報の「番組情報」がテレビ放送であれば、その映像表示と音声出力を行い、ラジオ放送であれば、その音声出力を行い、更に、予約情報の「種別」が記録(録画)であれば、その番組内容を予約情報記憶部M8の「内容」に記録する(ステップF8)。
【0081】
そして、図12のステップA3に戻り、以下、時刻更新のタイミング(1分)毎に(ステップA9でYES)、時刻更新に応じた処理に移り(ステップA10)、図17の制御処理(ステップF5)を繰り返す。ここで、予約の終了日時の到来を検出すると(ステップF1でYES)、テレビ放送・ラジオ放送受信部16を停止させて放送受信を終了させると共に(ステップF2)、放送出力を終了させるほか、記録(録画)中であれば、その記録動作を終了させる(ステップF3)。そして、接続中フラグが“1”であれば(ステップF4でYES)、上述した制御処理の実行する(ステップF5)。
【0082】
他方、電話着信又はメール着信を検出したときには(図12のステップA11でYES)、今回の電話着信に関する情報を通話履歴記憶部M6又は今回のメール着信に関する情報をメール記憶部M7に記憶したのち(ステップA12)、通話処理又はメール表示処理に移る(ステップA13)。また、充電台9又は充電ケーブル8が接続されている状態においてその接続が解除されたこと(外されたこと)を検出すると(ステップA14でYES)、充電台接続部22又は充電ケーブル接続部23を介して行われている電池部24への充電を開終了させると共に(ステップA15)、接続中フラグを“0”としたのち(ステップA16)、携帯電話機1の姿勢を元の位置に戻す外れ処理に移る(ステップA17)。
【0083】
図18は、充電台9又は充電ケーブル8との接続が解除された際に実行される外れ処理(図12のステップA17)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、充電台9又は充電ケーブル8から外されたこと(接続解除されたこと)を検出した直後である否かに基づいて充電台9に設置されていたか否かを調べる(ステップG1)。いま、充電台9に設置されていた場合には(ステップG1でYES)、そのまま図12のステップA3に戻るが、充電台9に設置されていなかった場合には(ステップG1でNO)、充電ケーブル8に接続されていたと判別して、上述した図13(制御処理)のステップB5で一時記憶した携帯電話機1の姿勢を読み出し、この姿勢に応じてヒンジ可動部21を駆動させることによって携帯電話機1を変更前の元の姿勢に変更させる(ステップG3)。
【0084】
なお、制御フラグ=0の状態で充電ケーブル8から外されたことを検出した場合には、上述した図16(制御終了処理)のステップE4及びE5において携帯電話機1は、既に変更前の元の姿勢に変更されているが、制御フラグ=1の状態で充電ケーブル8から外されたことを検出した場合には、この充電ケーブル8の接続解除に応じて携帯電話機1は元の姿勢に変更される。
【0085】
なお、電源オフ操作が行われると(図12のステップA18でYES)、電源オフ処理を実行したのち(ステップA19)、このフローの終了となるが、その他の操作が行われたときには(ステップA20でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、電話発信処理、メール送信処理などを行ったりする(ステップA21)。その後、上述のステップA3に戻る。
【0086】
以上のように、第1実施形態においては、携帯電話機1が外部装置(充電ケーブル8、充電台9)に接続されている場合に、携帯電話機1の通信状況(無線通信の通信状況、放送受信の通信状況)に基づいて携帯電話機1の姿勢を制御するようにしたので、携帯電話機1の姿勢を適切に制御することができる。
【0087】
充電台9と携帯電話機1とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、携帯電話機1の通信状況に基づいて、充電台9の姿勢を制御するための制御信号を充電台9に対して出力することによって携帯電話機1の姿勢を制御するようにしたので、充電台9を介して間接的に携帯電話機1の姿勢を制御することができる。
【0088】
履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が記憶されている場合に、携帯電話機1の通信状況に基づいて姿勢を制御するようにしたので、履歴情報及び予約情報の記憶有無に応じて姿勢を制御することができる。
【0089】
履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報に基づいて姿勢を制御するタイミングを決定してその制御を行うようにしたので、履歴情報、予約情報の時刻に合わせて姿勢を制御することができ、通信の可能性が高い場合には通信状況が良好になるように姿勢を制御することが可能となる。
【0090】
履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報が現在時刻から所定時間以内の場合に、姿勢を制御するようにしたので、履歴情報及び予約情報の時刻に近くなったら姿勢を制御することができ、通信の可能性が高い場合には事前に通信状況が良好になるように姿勢を制御することが可能となる。
【0091】
逆に、履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報が現在時刻から所定時間以内でない場合に、姿勢を制御(抑制)するようにしたので、履歴情報及び予約情報の時刻から時間的に離れていたり、遠ざかったりした場合、つまり、通信が行われる可能性が高くない場合には、姿勢を制御(抑制)することができる。
【0092】
予め指定した指定時間帯内で姿勢を制御するようにしたので、ユーザの意向を反映させることができ、ユーザが所望するときに姿勢の制御が可能となる。
【0093】
通信が終了する場合に、元の姿勢になるように姿勢を戻すようにしたので、通信終了後、ユーザ操作で姿勢を元に戻す操作が不要となる。
【0094】
通信手段としての通話機能、電子メール機能、放送受信機能の利用時に、通信状況が良好になるように姿勢を制御することが可能となる。
【0095】
携帯電話機1がどの充電台9に接続されたかに応じて姿勢を制御するようにしたので、充電台9に合わせて携帯電話機1の姿勢を適切に制御することができる。例えば、家に置いてある充電台9に携帯電話機1を設置した場合には所定の姿勢(家で通信に適した姿勢)に、仕事場に置いてある充電台9に携帯電話機1を設置した場合には別の姿勢(仕事場で通信に適した姿勢)に制御するようにすることができる。また、同じ家の中に複数の充電台9が置いてあり、それら充電台9毎に通信に適した姿勢が異なるような場合にも、姿勢を適切に制御することができる。
【0096】
なお、上述した第1実施形態において、図13の制御処理では、“制御する”と判別され(ステップB2でYES)、かつ、制御中フラグが“1”であれば(ステップB3でYES)、何もしないで、図13のフローから抜けて制御を継続するようにしたが、制御を行うようにしてもよい。その場合の制御は、通常の制御と同じ制御でもよいし、簡易的な制御でもあってもよい。簡易的な制御とは、例えば、台座9Bを360度回転させてそれぞれの姿勢で通信状況を検出するのではなく、現在の制御されている姿勢に近い姿勢にのみ変更して通信状況を検出し、その中で最良の通信状況となる姿勢に変更(姿勢の微調整)したり、現在の通信状況が悪い場合にのみ制御したりするなど、簡易的な制御を行うことである。
【0097】
また、図15の制御開始処理においては、ステップD10では、充電台9の姿勢をいろいろ変えて通信状況を全体的に把握したか(例えば、台座9Bを360度回転させて全体的な通信状況を検出したか)を調べ、全体的に把握した場合に、その検出を終了するようにしたが、所定のレベルより良い通信状況を検出した際に、その検出を終了するようにしてもよい。また、ステップD15では、ヒンジ可動部21の状態から携帯電話機1の姿勢(操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの開閉角度や操作部筐体1Aに対する表示部筐体1Bの回転角度)を検出するようにしたが、伸縮可能なアンテナAT1、AT1の場合には、その伸縮状態を検出するようにしてもよい。
【0098】
また、上述した第1実施形態においては、ヒンジ可動部21の状態によって操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの開閉角度や操作部筐体1Aに対する表示部筐体1Bの回転角度を携帯電話機1の姿勢として検出するようにしたが、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの位置関係(連結状態)に応じて変化するスタイルを携帯電話機1の姿勢として検出するようにしてもよい。また、第1実施形態においては、充電台9の姿勢として、台座9Bの回転角度、高さを検出するようにしたが、例えば、重力方向や水平方向に対する傾き、台座9Bの仰角、筐体構造に応じた姿勢など、姿勢に関する任意のパラメータを検出するようにしてもよい。
【0099】
(実施形態2)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、通信端末装置としての携帯電話機1に適用した場合を例示したが、この第2実施形態においては、通信端末装置(携帯電話機)が設置される通信端末接続装置としての充電台9に適用したものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。なお、第2実施形態の動作は、基本的に第1実施形態に同様であるので、充電台9の動作を示すフローチャートについては、図示省略するものとする。
【0100】
この第2実施形態において、通信端末接続装置としての充電台9は、その携帯電話機接続部33によって携帯電話機1が設置されたことを検出するようにしている。そして、充電台9は、携帯電話機1の通信状況(電波受信レベル、通信可/不可など)として無線通信の通信状況、放送受信の通信状況を検出すべきことを携帯電話機1に対して要求し、この要求に応じて携帯電話機1からその通信状況を受信することによって携帯電話機1の通信状況を検出するようにしている。充電台9の台座可動部35は、この通信状況に基づいて台座9Bを駆動(回転、伸縮)して充電台9の姿勢を制御するようにしている。この場合、充電台9と携帯電話機1とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、携帯電話機1の通信状況に基づいて充電台9の姿勢を制御することによって充電台9を介して間接的に携帯電話機1の姿勢を制御するようにしている。
【0101】
そして、第2実施形態の充電台9には、第1実施形態と同様の制御条件記憶部M3を有し、ユーザが設定可能な制御条件を記憶するようにしている。携帯電話機1側には、第1実施形態と同様に、通話履歴記憶部M6、メール記憶部M7を有している。充電台9は、携帯電話機1が設置されたことを検出すると、接続中フラグを“1”にして、図13と同様の制御処理を実行する。すなわち、その判別処理によって設定フラグが“1”の制御条件に従って、“制御する”、“制御しない”を判別し、“制御する”と判別した際には、最良の受信状況を得られるように姿勢を制御する。
【0102】
充電台9は、時刻更新をすると、図17と同様の時刻更新に応じた処理を実行し、接続中フラグが“1”であれば、図13と同様の制御処理を行う。この場合、設定フラグが“1”の制御条件に従って、“制御する”、“制御しない”を判別する。ここで、設定フラグが“1”の制御条件が「指定時間帯」の場合には、現在時刻が「指定時間帯」に含まれていれば、“制御する”と判別する。いま、“制御する”と判別した際には、接続中フラグが“1”であればその制御を継続し、接続中フラグが“0”であれば、最良の受信状況を得られるように姿勢を制御する。また、“制御しない”と判別した場合には、接続中フラグが“1”であれば制御を終了して姿勢を元に戻し、接続中フラグが“0”であれば、非制御を継続する。
【0103】
更に、充電台9は、時刻更新をすると、図17と同様の時刻更新に応じた処理を実行し、予約情報の終了時刻になって、携帯電話機1の放送受信が終了した場合にも、図13と同様の制御処理を行い、“制御しない”と判別されれば、姿勢を元に戻す。また、充電台9は、携帯電話機1が外れたことを検出すると、その姿勢を元に戻す。この場合、充電台9は携帯電話機1が接続された際に、充電台9の現在の位置を検出して一時記憶しておき、充電台9から携帯電話機1が外されたことを検出した際に、上述の一時記憶の位置情報を読み出して充電台9を元の位置に戻すようにしている。また、設定フラグが“1”の制御条件が「通信履歴・予約情報」の場合、充電台9は、携帯電話機1に対して、制御条件を満たす通信履歴や予約情報があるか否かの結果を送信するように要求を送信し、その要求に応じて携帯電話機1から送信された結果を受信し、その結果に基づいて、制御条件を満たす通信履歴や予約情報があるか否かを判別するようにしている。
【0104】
以上のように、この第2実施形態において通信端末接続装置としての充電台9は、携帯電話機1が設置されたことを検出する共に、携帯電話機1の通信状況を検出し、この通信状況に基づいて当該携帯電話機1の姿勢を制御するようにしたので、携帯電話機1に接続された充電台9で携帯電話機1の姿勢を適切に制御することができる。
【0105】
また、充電台9と携帯電話機1とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、携帯電話機1の通信状況に基づいて充電台9を介して間接的に携帯電話機1の姿勢を制御することができる。
【0106】
予め指定した指定時間帯内で姿勢を制御するようにしたので、ユーザの意向を反映させることができ、ユーザが所望するときに姿勢の制御が可能となる。
【0107】
通信が終了する場合に、元の姿勢になるように姿勢を戻すようにしたので、通信終了後、ユーザ操作で姿勢を元に戻す操作が不要となる。
【0108】
なお、上述した各実施形態においては、音声通話機能、電子メール機能、放送受信機能の利用時に、通信状況が良好になるように姿勢を制御するようにしたが、テレビ電話通話、コンテンツ配信装置5から動画、静止画、音楽、ニュース、天気予報などの情報をインターネット4、無線通信網2を介してダウンロード受信する場合にも、その通信状況が良好になるように姿勢を制御するようにしてもよい。その他、他の電子機器との間での近距離通信やネットワークを介して無線LAN通信を行う場合に、その通信状況が良好になるように姿勢を制御するようにしてもよい。
【0109】
上述した各実施形態においては、無線通信部14用のアンテナAT1とテレビ放送・ラジオ放送受信部16用のアンテナAT2を表示部筐体1Bの一側部に配置したが、その取り付け位置は任意であると共に、各アンテナAT1、AT1を個別に伸縮させたり、回転させたりするアンテナ可動部(電動モータ、ギアなど)を設けてもよい。この場合、通信状況が良好となるように携帯電話機1の姿勢を制御しながらアンテナを伸縮させたり、回転させたりしてもよい。また、無線通信用と放送受信用として兼用のアンテナを手動及び自動で伸縮・回転自在な構成としてもよい。この場合、アンテナを伸縮・回転させる機構部(電動モータ、ギアなど)を設ければよい。
【0110】
上述した各実施形態においては、姿勢の制御を終了する場合に、携帯電話機1の姿勢や充電台9の姿勢を最初の姿勢に戻すようにしたが、ユーザが手動で姿勢を変更したあとに、姿勢を制御した場合には、ユーザが最後に手動で変更した(姿勢を制御する直前の)姿勢に戻すようにすればよい。
【0111】
上述した各実施形態においては、発信と着信の両方の通話履歴やメールに基づいて通信の可能性が高い場合を判別するようにしたが、着信のみであってもよく、また通話履歴のみでもメールのみであってもよい
【0112】
上述した各実施形態においては、制御条件を複数記憶し、それらの中からいずれかの制御条件を利用するようにしたが、より簡易に常に1つの制御条件のみを利用するようにしてもよい。また、上述した各実施形態においては、制御処理を時刻更新毎に行うようにしたが、任意の間隔で行うようにしてもよい。
【0113】
上述した各実施形態においては、2軸ヒンジタイプの携帯電話機1を例示した場合を示したが、これに限らず、例えば、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプ、2ウェイオープンタイプなど任意の筐体構造の携帯電話機1であってもよく、また、表示部も携帯電話機1に備えられている表示部17に限らず、例えば、外部モニタなど、任意の外部表示装置であってもよい。
【0114】
上述した各実施形態においては、通信端末装置として携帯電話機1に適用した場合を示したが、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、それらの複合機など、通信機能を備える任意の端末装置であってもよい。
【0115】
上述した各実施形態においては、外部装置(通信端末接続装置)として、充電台9、充電ケーブル8に適用した場合を示したが、これに限らず、通信端末装置に接続される任意の外部装置であってもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 携帯電話機
2 無線通信網
3 メール管理装置
4 インターネット
5 コンテンツ配信装置
8 充電ケーブル
9 充電台
9A 本体
9B 台座
11、31 中央制御部
13、32 記憶部
14 無線通信部
16 テレビ放送・ラジオ放送受信部
17 表示部
18 操作部
19 RTC
20 報知部
21 ヒンジ可動部
22 充電台接続部
23 充電ケーブル接続部
35 台座可動部
M1、M10 プログラム記憶部
M2、M11 各種情報一時記憶部
M3 制御条件記憶部
M4 姿勢決定方法記憶部
M5 姿勢情報記憶部
M6 通話履歴記憶部
M7 メール記憶部
M8 予約情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段を備える通信端末装置であって、
当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する接続検出手段と、
前記通信手段の通信状況を検出する通信検出手段と、
前記接続検出手段によって前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する姿勢制御手段と、
を具備したことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記外部装置と当該通信端末装置とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、
前記姿勢制御手段は、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて、前記外部装置の姿勢を制御するための制御信号を当該外部装置に対して出力することによって通信端末装置の姿勢を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項3】
通信に関連する履歴情報及び通信に関連する予約情報の少なくともいずれか一方が記憶手段に記憶されているか否かを判別する判別手段を更に備え、
前記姿勢制御手段は、前記判別手段によって履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が記憶されていると判別された場合に、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記姿勢制御手段は、前記履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御するタイミングを決定してその制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記姿勢制御手段は、前記履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報が現在時刻から所定時間以内の場合に、当該通信端末装置の姿勢を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記姿勢制御手段は、前記履歴情報及び予約情報の少なくともいずれか一方が有する時刻情報が現在時刻から所定時間以内でない場合に、当該通信端末装置の姿勢を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の通信端末装置。
【請求項7】
当該通信端末装置の姿勢を制御する時刻を指定する時刻情報を記憶手段に記憶させる記憶制御を更に備え、
前記姿勢制御手段は、前記記憶手段に記憶されている時刻情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御するタイミングを決定してその制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記姿勢制御手段によって当該通信端末装置の姿勢が制御される前の姿勢を元の姿勢として記憶する記憶制御手段を更に備え、
前記姿勢制御手段は、当該通信端末装置の姿勢を制御したのち、前記通信手段による通信が終了する場合に、前記記憶制御手段によって記憶された元の姿勢になるように当該通信端末装置の姿勢を戻す、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項9】
前記通信手段は、通話手段、メール通信手段、新着情報受信手段、データ通信手段、放送受信手段のうちの少なくともいずれか1つである、
ことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項10】
通信手段を備える通信端末装置と接続される通信端末接続装置であって、
当該通信端末接続装置と前記通信端末装置との接続を検出する接続検出手段と、
前記通信端末装置が有する通信手段の通信状況を検出する通信検出手段と、
前記通信端末装置と接続されている場合に、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する姿勢制御手段と、
を具備したことを特徴とする通信端末接続装置。
【請求項11】
当該通信端末接続装置と前記通信端末装置とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、
前記姿勢制御手段は、前記通信検出手段によって検出された通信状況に基づいて当該通信端末接続装置の姿勢を制御することによって前記通信端末装置の姿勢を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の通信端末接続装置。
【請求項12】
前記通信端末装置の姿勢を制御する時刻を指定する時刻情報を記憶手段に記憶する記憶制御を更に備え、
前記姿勢制御手段は、前記記憶手段に記憶されている時刻情報に基づいて前記通信端末装置の姿勢を制御するタイミングを決定してその制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の通信端末接続装置。
【請求項13】
前記姿勢制御手段によって前記通信端末装置の姿勢が制御される前の姿勢を元の姿勢として記憶する記憶制御手段を更に備え、
前記姿勢制御手段は、前記通信端末装置の姿勢を制御したのち、前記通信手段による通信が終了した場合に、前記記憶制御手段によって記憶された元の姿勢になるように前記通信端末装置の姿勢を戻す、
ようにしたことを特徴とする請求項10記載の通信端末接続装置。
【請求項14】
通信手段を備える通信端末装置であって、
当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する接続検出手段と、
この接続検出手段によって接続が検出された外部装置の識別情報を取得する取得手段と、
前記接続検出手段によって前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記取得手段によって取得された外部装置の識別情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する姿勢制御手段と、
を具備したことを特徴とする通信端末装置。
【請求項15】
当該通信端末接続装置と前記外部装置とは、それらの姿勢が連動して変わるような接続構造で接続されており、
前記姿勢制御手段は、前記取得手段によって取得された外部装置の識別情報に基づいて前記外部装置の姿勢を制御するための制御信号を前記外部装置に対して出力することによって当該通信端末装置の姿勢を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項14記載の通信端末装置。
【請求項16】
コンピュータに対して、
通信手段を備える当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する機能と、
前記通信手段の通信状況を検出する機能と、
前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記検出された通信状況に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータに対して、
通信手段を備える通信端末装置と当該通信端末接続装置との接続を検出する機能と、
前記通信端末装置が有する通信手段の通信状況を検出する機能と、
前記通信端末装置と接続されている場合に、前記検出された通信状況に基づいて前記通信端末装置の姿勢を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータに対して、
通信手段を備える当該通信端末装置と外部装置との接続を検出する機能と、
前記接続が検出された外部装置の識別情報を取得する機能と、
前記外部装置と接続されていることが検出された場合に、前記取得された外部装置の識別情報に基づいて当該通信端末装置の姿勢を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−258560(P2010−258560A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103840(P2009−103840)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】