説明

通信端末

【課題】第1の通信部を用いて通信方式の切り替えに関するネゴシエーションをしても、すでに登録済みの対向機器に関してはペアリング処理を好適に省略することができる。
【解決手段】本発明の通信端末は、通信端末と対向機器が互いに近接する場合に、通信方式切替要求に基づいて第1の無線通信部から第2の無線通信部に通信方式を切り替え、第2の無線通信部が対向機器からの接続要求を受信する場合、第1の無線通信部を用いて取得される対向機器からの機器情報とセキュリティ情報に基づき、第2の無線通信部により対向機器との間でのペアリングを制御し、通信方式切替要求を許可した対向機器がすでに登録済みの対向機器であると判断した場合、通知される通信方式切替要求に含まれるペアリング要求を破棄し、第2の無線通信部によって認証処理を含むペアリングを実行しないように制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信端末に係り、特に、対向機器との間でペアリングすることにより接続を確立することができるようにした通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機を含む通信端末に適用することができる無線通信技術として例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))が知られている。ブルートゥースの無線通信技術を用いることにより、携帯電話機を含む通信端末は、オーディオケーブルを用いることなくヘッドセットなどの対向機器にオーディオデータを転送することができる。携帯電話機を含む通信端末がブルートゥースの無線通信技術を用いてペアリングする場合の仕様として、Bluetooth SIGで規定されるBluetooth Specification version2.1+EDR(非特許文献1参照)が知られている。一方、携帯電話機を含む通信端末がNFC(Near Field Communication)によってハンドオーバー(通信方式を切り替える)する他の無線通信方式を決定するためのネゴシエーションに関する仕様として、NFC(Near Field Communication) Forumで規定されるConnection Handover Technical Specification(非特許文献2参照)が知られている。なお、NFCは、10乃至30cm程度の距離で行われる近距離無線通信技術の国際規格である。
【0003】
Bluetooth Specification version2.1+EDRとConnection Handover Technical Specificationの2つの仕様に準拠する通信端末は、少なくともブルートゥースの無線通信方式に適用可能な通信部と、NFCの無線通信方式に適用可能な通信部を有しており、異なる2つの通信方式の間でハンドオーバー(通信方式を切り替える)することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Bluetooth Specification version2.1+EDR(Bluetooth SIG)
【非特許文献2】Connection Handover Technical Specification(NFC Forum)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Bluetooth Specification version2.1+EDRにおいてはSecure Simple Pairing(SSP)と呼ばれるペアリング方式が規定されている。このSSPのペアリング方式のうちの1つとしてOut Of Band(OOB)と呼ばれるペアリング方式が規定される。このOOBと呼ばれるペアリング方式の場合、通信端末は、ブルートゥースを用いて近距離無線通信する対向機器との間でのペアリングする際に必要となる対向機器の機器情報とセキュリティ情報を、ブルートゥース以外の通信方式(例えばNFCの無線通信方式など)を用いて対向機器から取得する仕組みを定めている。
【0006】
Bluetooth Specification version2.1+EDRとConnection Handover Technical Specificationの2つの仕様に準拠する通信端末は、NFCを用いたハンドオーバー(通信方式を切り替える)するためのネゴシエーションに基づいて、NFCの通信方式とは異なる通信方式であるブルートゥースにハンドオーバーする。このとき、ユーザは、互いにNFC通信可能な程度に近距離に2つの通信端末を近づけたり、2つの通信端末を互いに重ね合わせることにより、通信端末に対してNFCを用いたハンドオーバーするためのネゴシエーションを内部的にさせ、ブルートゥースによるペアリング処理を開始させることができる。このように2つの通信端末を近づける(タッチする)という操作は、ユーザビリティを考慮すると、ペアリング要求を意図する方法として非常に合理的な方法である。
【0007】
しかしながら、2つの通信端末を近づける(タッチする)という上記の操作は、ブルートゥースによりペアリング処理のみを意図するというよりも、ブルートゥースによる接続要求に基づく全般的な接続処理の開始を意図するものであると解釈される。そのため、通信端末がすでにペアリングを済ましている他の通信端末に対しても再度ペアリングを要求してしまうことがあり得る。仮に再度のペアリング処理が通信端末にて実行されると、ユーザが敢えて通信端末を用いて変更した対向機器(他の通信端末)の名称(ニックネーム)が元の対向機器が有する無機質なデバイス名に戻ってしまうという課題があった。ところが、Bluetooth Specification version2.1+EDRとConnection Handover Technical Specificationの2つの仕様のいずれにおいても、このような課題を解決するための実運用上の動作について何ら規定されていない。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、第1の通信部を用いて通信方式の切り替えに関するネゴシエーションをしても、すでに登録済みの対向機器に関してはペアリング処理を好適に省略することができる通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通信端末は、上述した課題を解決するために、通信端末と対向機器との間で無線通信する第1の無線通信手段と、通信端末と対向機器との間で無線通信する第2の無線通信手段と、通信端末と対向機器とが互いに第1の無線通信手段により無線通信可能な範囲で近接する場合に、第1の無線通信手段から第2の無線通信手段に通信方式を切り替える通信方式切替要求を、第1の無線通信手段が対向機器から受信するとき、第1の無線通信手段を用いて通信方式切替要求に対して対向機器に応答するとともに、通信方式切替要求に基づいて、第1の無線通信手段から第2の無線通信手段に通信方式を切り替える通信方式切替制御手段と、第2の無線通信手段が受信する対向機器からの接続要求を受け付け、対向機器からの接続要求に対して第2の無線通信手段を用いて応答し、第1の無線通信手段を用いて取得される対向機器からの機器情報とセキュリティ情報に基づいて、第2の無線通信手段を用いて対向機器との間でのペアリングを制御するペアリング制御手段と、通信方式切替制御手段から通知される通信方式切替要求に対応するペアリング要求に基づいて、通信方式切替要求を許可した対向機器がすでに登録済みの対向機器であるか否かを判断し、通信方式切替要求を許可した対向機器がすでに登録済みの対向機器であると判断した場合、通信方式切替制御手段から通知される通信方式切替要求に対応するペアリング要求を破棄し、第2の無線通信手段によって認証処理を含むペアリングを実行しないようにペアリング制御手段を制御する認証制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の通信部を用いて通信方式の切り替えに関するネゴシエーションをしても、すでに登録済みの対向機器に関してはペアリング処理を好適に省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る通信端末に適用可能な携帯電話機の内部の構成を示すブロック図。
【図2】(A)乃至(C)は、Out Of Band(OOB)と呼ばれるペアリング方式の場合に、本発明に係る携帯電話機1−1と携帯電話機1−2との間においてNFC通信部を用いた通信の様子を示す図。
【図3】携帯電話機1−1と携帯電話機1−2がブルートゥース通信部を用いてペアリングを行う場合における、図1の携帯電話機1−1におけるペアリング制御処理を説明するフローチャート。
【図4】図3のフローチャートを用いて説明するペアリング制御処理を実行する際の、携帯電話機1−1(自機)と携帯電話機1−2(対向機器)との間における具体的な処理を示すシーケンス図。
【図5】携帯電話機1−1とブルートゥース通信部25を用いてすでにペアリングを行った対向機器に関する情報が対応付けられた対向機器情報テーブルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る通信端末に適用可能な携帯電話機1の内部の構成を表している。携帯電話機1は、送受信アンテナ11、送受信共用器12、無線送受信部13、信号処理部14、データ処理部15、PCMコーデック16、受話増幅器17、レシーバ18、送話増幅器19、マイクロフォン20、制御部21、操作部22、表示部23、コンテンツ処理部24、ブルートゥース通信部25、NFC通信部26、および記憶部27を備える。
【0013】
送受信アンテナ11は、携帯電話機1が対応する移動体通信システムの電波を送波し、携帯電話機1が対応する移動体通信システムの電波を受波する。送受信共用器12は、サーキュレータやデュプレクサなどからなり、送受信アンテナ11で受波(受信)された電波を無線送受信部13に送る。また、送受信共用器12は、無線送受信部13から入力された信号を送受信アンテナ11へ送る。無線送受信部13は、帯域通過フィルタ、利得調整回路、およびA/D変換器などを備え、制御部21から指示されるキャリア周波数の無線信号を受信し、周波数シンセサイザから出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)し、ダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を生成する。無線送受信部13の帯域通過フィルタは、移動体通信システムに属する基地局から送信される無線信号を受信し、この受信した信号から所望帯域外の雑音を除去する。また、無線送受信部13の利得調整回路は、利得調整回路の後段に設けられるA/D変換器が扱える信号振幅に調整する。無線送受信部13のA/D変換器は、帯域通過フィルタを通過した信号をベースバンドのディジタル信号に変換する。
【0014】
信号処理部14は、無線送受信部13から出力された受信ベースバンド信号(受信ベースバンドディジタル信号)に対してベースバンド処理を行う。データ処理部15は、例えばDSP(Digital Signal Processor)などからなり、信号処理部14でベースバンド処理されたベースバンド信号をデータおよび音声に変換する。すなわち、データ処理部15は、受信パケットデータをまずメディア毎に分離し、分離されたメディア毎のデータに対してそれぞれ復号処理を施す。具体的には、データ処理部15は、例えば受信パケットデータにオーディオデータが含まれている場合、オーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、データ処理部15は、受信パケットデータに動画像データが含まれている場合、動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、データ処理部15は、受信パケットデータがダウンロードコンテンツである場合、ダウンロードコンテンツを伸長する。復号処理により得られたディジタルオーディオ信号は、PCMコーデック16によりPCM復号された後、受話増幅器17により増幅されてレシーバ18により出力される。一方、ビデオコーデックにより復号されたディジタル動画像信号は、制御部21を介して表示部23に供給され表示される。
【0015】
なお、無線送受信部13と信号処理部14は、移動体通信システムに属する基地局に対して通信データを送信するための送信ベースバンド処理や無線処理等の一連の処理を行う。
【0016】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなる。制御部21のCPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部27からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより移動無線端末1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。具体的には、制御部21は、移動体通信システムによる音声通信やデータ通信を実現する制御機能を備える。また、制御部21は、通信制御を行う場合、送受信アンテナ11、無線送受信部13、信号処理部14、データ処理部15、PCMコーデック16、受話増幅器17、レシーバ18、送話増幅器19、およびマイクロフォン20などを用いた通信処理を制御する。一方、制御部21は、操作部22、表示部23、記憶部27、および図示せぬ時計回路などを用いたUI処理に関して制御を行う。
【0017】
コンテンツ処理部24は、例えば音楽プレイヤを制御する際に、例えばAACやMP3などの符号化方式で符号化されたオーディオデータを、一旦、その符号化方式に対応する復号化方式で復号化した後、他の符号化方式(例えばSBC(Sub Band Coding)など)によって再符号化処理などを施す。ブルートゥース通信部25は、携帯電話機1が備える近距離無線通信部の1つであり、例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))による無線通信を行うモジュールなどからなる。ブルートゥース通信部25は、携帯電話機1の近傍に存在するヘッドセットや他の携帯電話機1などと無線通信を行う。勿論、ブルートゥース以外の無線通信(例えば赤外線通信)を用いるようにしてもよい。
【0018】
NFC通信部26は、携帯電話機1が備える近距離無線通信部の1つであり、10乃至30cm程度の距離で行われる近距離無線通信技術の国際規格であるNFCに適用可能なモジュールからなる。NFC通信部26は、非接触ICカードとして機能し例えば交通乗車券や入退出管理カードとして用いることが可能であり、携帯電話機1が図示せぬICリーダ/ライタに近接され、そのICリーダ/ライタから輻射される電磁波を受信したとき、それに応じて、各種の情報を用いてICリーダ/ライタと無線通信を行う。また、図1の携帯電話機1は、NFC通信部26を備える他の携帯電話機1との間でNFCを用いてデータ通信することが可能である。NFC通信部26を用いた近距離無線通信の場合、互いのNFC通信部26を至近距離に近づける必要があるため、セキュリティの確認手続きが簡略化されている。
【0019】
記憶部27は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部21のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群、携帯電話機1の制御プログラムや制御データを格納する。この他にも、記憶部27は、名前と電話番号を対応づけた電話帳データや、データ通信により取得したデータやダウンロードしたデータを適宜記憶する。また、携帯電話機1は、バッテリの出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する電源回路や、現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)を備える。
【0020】
なお、携帯電話機1は、受話増幅器17、受話音声信号を拡声出力するレシーバ18、送話増幅器19、送話音声信号を入力するマイクロフォン20、ユーザからの要求を受け付ける操作部23、および受信データに基づく画像を表示する表示部24を備える。
【0021】
ここで、本発明に係る携帯電話機1は、上述したように、ブルートゥース通信部25とNFC通信部26の2つの近距離無線通信部を備えており、ブルートゥース通信部25とNFC通信部26の2つの近距離無線通信部を同様に備える他の携帯電話機1(対向機器)との間で大容量のデータを送受信する場合、まず互いのNFC通信部26を用いて互いの携帯電話機1に固有の機器情報(デバイスアドレスなどを含む情報)をネゴシエーションによってやり取りする。次に、携帯電話機1は、NFC通信部26を介したネゴシエーションによって取得される他の携帯電話機1の機器情報を用いて、互いのブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングを行う。その後、携帯電話機1は、他の携帯電話機1との間でブルートゥース通信部25を用いて大容量のデータを送受信する。ここで、第1段階でまずセキュリティの確認手続きが簡略化されているNFC通信部26を用いた近距離無線通信を行い、その後、第2段階でNFC通信よりも高速にデータ通信することが可能なブルートゥース通信部25を用いた近距離無線通信に切り替える(引き継ぐ)ことを「ハンドオーバー」と定義する。すなわち、「ハンドオーバー」とは、近距離無線通信方式の切り替えを意味する。
【0022】
そして、NFC通信部26を介したネゴシエーションによって取得される他の携帯電話機1の機器情報は、NFC通信部26を介したネゴシエーション時に受信される他の携帯電話機1からのハンドオーバー要求に含まれている。本発明に係る携帯電話機1は、他の携帯電話機1からハンドオーバー要求を受信した場合に、ブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングを行う。従って、このハンドオーバー要求は、近距離無線通信方式の切り替えの要求という意味だけでなく、ブルートゥース通信部25を用いたペアリングの要求に他ならない。その意味では、ハンドオーバー要求とは、NFCタッチを行うユーザの意図からすると、その後に行われるペアリングに向けられた要求であり、より正確には2つの機器間でNFC通信部26を用いて行われるハンドオーバーネゴシエーション時においてやり取りされる要求であって機器に固有の機器情報等を含むものである。
【0023】
本発明に係る携帯電話機1は、他の携帯電話機1からハンドオーバー要求を受信した場合に、基本的に、ブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングを行う。しかし、本発明に係る携帯電話機1は、他の携帯電話機1からハンドオーバー要求を受信した場合であっても、すでに登録済みの対向機器からのハンドオーバー要求を受信したときには、例外的に、対向機器からのハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求(ハンドオーバー要求に対応するペアリング要求)を破棄し、ブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングを実行しない。制御部21は、本発明に係る特徴的な機能として通信方式切替制御部31、ペアリング制御部32、および認証制御部33を備える。制御部21の通信方式切替制御部(ハンドオーバー制御部)31は、ブルートゥース通信部25を用いて近距離無線通信する対向機器(携帯電話機1など)との間でのペアリングする際に必要となる対向機器の機器情報とセキュリティ情報を、ブルートゥース以外の通信方式(例えばNFCの無線通信方式など)を用いて対向機器から取得する処理を制御する。具体的には、通信方式切替制御部31は、ブルートゥース通信部25を用いて近距離無線通信する対向機器との間でのペアリングする際に、NFC通信部26を制御し、NFC通信部26を用いて携帯電話機1の近傍に存在する他の携帯電話機1とネゴシエーションし、このネゴシエーション時に他の携帯電話機1からハンドオーバー要求を受信し、互いの携帯電話機1に固有の機器情報(デバイスアドレスなどを含む情報)やセキュリティ情報をネゴシエーションによってやり取りするとともに、NFC通信方式から切り替える先の通信方式(例えばブルートゥース通信部25による通信方式)を決定し、切り替え先の通信方式への切替え(ハンドオーバー)を制御する。また、通信方式切替制御部31は、ハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求(ハンドオーバー要求に対応するペアリング要求)を認証制御部33に通知する。すなわち、通信方式切替制御部31は、ハンドオーバー要求に基づいて通信方式をNFC通信部26による通信方式からブルートゥース通信部25による通信方式に切り替えてハンドオーバー要求が許可された他の携帯電話機1−2との間でペアリングを開始することを認証制御部33に通知する。
【0024】
ペアリング制御部32は、ブルートゥース通信部25を用いて近距離無線通信する対向機器(他の携帯電話機1)との間でのペアリングを制御する。このペアリングは、例えばSecure Simple Pairing(SSP)と呼ばれるペアリング方式である。
【0025】
認証制御部33は、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求に基づいて、ハンドオーバー要求を許可した対向機器(他の携帯電話機1)がすでに登録(ペアリング)済みの対向機器であるか否かを判断する。認証制御部33は、ハンドオーバー要求を許可した対向機器(他の携帯電話機1)がすでに登録(ペアリング)済みの対向機器であると判断した場合、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求を破棄し、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求をペアリング制御部32に供給せず、ブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングをペアリング制御部32に実行させない。一方、認証制御部33は、ハンドオーバー要求を許可した対向機器(他の携帯電話機1)がすでに登録(ペアリング)済みの対向機器ではないと判断した場合、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求を破棄せず、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求をペアリング制御部32に供給し、ブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングをペアリング制御部32に実行させる。
【0026】
図2(A)乃至(C)は、Out Of Band(OOB)と呼ばれるペアリング方式の場合に、本発明に係る携帯電話機1−1と携帯電話機1−2との間においてNFC通信部26を用いた通信の様子を表している。図2(A)および(B)が示すように、NFC通信部26が内蔵された携帯電話機1−1が携帯電話機1−2の近傍に接近すると、携帯電話機1−2内において携帯電話機1−1から輻射された電磁波によって電磁誘導が発生し、携帯電話機1−2は、それにより生じた電流を用いて携帯電話機1−1との間で近距離無線通信(NFC通信)によりデータの授受を行う。勿論、携帯電話機1−1を携帯電話機1−2に近づけても良いし、逆に携帯電話機1−2を携帯電話機1−1に近づけるようにしても良い。また、図2(C)が示すように、2つの携帯電話機間でNFC通信する場合、2つの携帯電話機1を互いに重ね合わせるようにしてもよい。なお、互いにNFC通信可能な程度に近距離に2つの携帯電話機を近づけることや、2つの携帯電話機1を互いに重ね合わせることを「NFCタッチ」と定義する。
【0027】
図3のフローチャートを参照して、携帯電話機1−1と携帯電話機1−2がブルートゥース通信部25を用いてペアリングを行う場合における、図1の携帯電話機1−1におけるペアリング制御処理について説明する。このペアリング制御処理は、携帯電話機1−1がブルートゥース通信の接続を待っている場合に2つの携帯電話機の間でNFCタッチが行われるときに携帯電話機1−1で実行される。なお、図4は、図3のフローチャートを用いて説明するペアリング制御処理を実行する際の、携帯電話機1−1(自機)と携帯電話機1−2(対向機器)との間における具体的な処理のシーケンスを表している。
【0028】
ステップS1において、携帯電話機1−1と携帯電話機1−2との間でNFCタッチが行われると、携帯電話機1−1の通信方式切替制御部31は、NFC通信部26を用いて携帯電話機1の近傍に存在する他の携帯電話機1−2とのネゴシエーションを開始する。携帯電話機1−1のNFC通信部26は、他の携帯電話機とのネゴシエーション中に、他の携帯電話機1−2からハンドオーバー要求を受信する(図4のステップS31)。このハンドオーバー要求には、他の携帯電話機1−2に固有の機器情報(デバイスアドレスなどを含む情報)と、セキュリティ情報が含まれている。他の携帯電話機1−2に固有の機器情報は「BD_ADDR=YYYYYY」である。一方、自機である携帯電話機1−1に固有の機器情報は「BD_ADDR=XXXXXX」である。
【0029】
ステップS2において、携帯電話機1−1の通信方式切替制御部31は、NFC通信部26によって受信されたハンドオーバー要求の中から、他の携帯電話機1−2に固有の機器情報と、セキュリティ情報を取得する。携帯電話機1−1の通信方式切替制御部31は、取得された他の携帯電話機1−2に固有の機器情報と、セキュリティ情報をペアリング制御部32に供給する。ステップS3において、携帯電話機1−1の通信方式切替制御部31は、NFC通信方式から切り替える先の通信方式をブルートゥース通信部25による通信方式に決定し、NFC通信部26を用いて、ハンドオーバー要求に対する応答(ハンドオーバー応答)を他の携帯電話機1−2に送信する(図4のステップS32)。
【0030】
ステップS4において、通信方式切替制御部31は、ハンドオーバー要求(通信方式をNFC通信部26による通信方式からブルートゥース通信部25による通信方式に切り替える要求)をブルートゥース通信部25に対して通知し、ブルートゥース通信部25を用いたペアリングに向けて、通信方式をNFC通信部26からブルートゥース通信部25に切り替える(図4のステップS33)。このとき、対向機器である携帯電話機1−2は、携帯電話機1−1からNFC通信部26を用いて送信されたハンドオーバー要求に対する応答(ハンドオーバー応答)をNFC通信部26で受信すると、携帯電話機1−2は、携帯電話機1−1と同様に、ハンドオーバー要求をブルートゥース通信部25に対して通知し、携帯電話機1−1との間におけるブルートゥース通信部25を用いたペアリングに向けて、通信方式をNFC通信部26からブルートゥース通信部25に切り替える(図4のステップS34)。ステップS5において、携帯電話機1−1の通信方式切替制御部31は、ハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求を認証制御部33に通知する。すなわち、通信方式切替制御部31は、ハンドオーバー要求に基づいて(通信方式をNFC通信部26による通信方式からブルートゥース通信部25による通信方式に切り替えてハンドオーバー要求が許可された他の携帯電話機1−2との間でペアリングを開始することを認証制御部33に通知する。
【0031】
ステップS6において、認証制御部33は、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求(ハンドオーバー要求に対応するペアリング要求)に基づいて、ハンドオーバー要求を許可した対向機器(他の携帯電話機1)がすでに登録(ペアリング)済みの対向機器であるか否かを判断する。具体的には、図3のペアリング制御処理が実行される前の他のペアリング制御処理において、他のペアリング制御処理でペアリングを要求する対向機器の機器情報に関して、携帯電話機1−1側ですでに登録されているとともに、当該対向機器に関する名称として携帯電話機1−1側ですでに他のニックネーム(例えばザンジバルブルーのニックネームなど)が登録されているものとする。図5は、携帯電話機1−1とブルートゥース通信部25を用いてすでにペアリングを行った対向機器に関する情報が対応付けられた対向機器情報テーブルを表している。この対向機器情報テーブルは、記憶部27に格納される。図5の場合、機器情報「BD_ADDR=YYYYYY」が対向機器の名称「ザンジバルブルー」と対応付けられるとともに、携帯電話機1−1がこの対向機器との間で過去に実行したブルートゥースのプロファイル(HFP、A2DP、およびAVRCP)が対応付けられている。なお、携帯電話機1−1側ですでに登録(ペアリング)されている対向機器と接続を確立する際の認証処理に必要なセキュリティ情報は対向機器の機器情報に対応付けられて登録されている。
【0032】
また、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求(ハンドオーバー要求に対応するペアリング要求)には、ハンドオーバー要求を許可した対向機器としての他の携帯電話機1−2に固有の機器情報(デバイスアドレス)が含まれている。そこで、認証制御部33は、記憶部27から対向機器情報テーブルを読み出し、読み出された対向機器情報テーブルを参照して、通信方式切替制御部31から通知されるペアリング要求に含まれる機器情報に基づいて、ハンドオーバー要求を許可した対向機器(他の携帯電話機1)がすでに登録(ペアリング)済みの対向機器であるか否かを判断する。
【0033】
ステップS6において認証制御部33が、認証制御部33は、ハンドオーバー要求を許可した対向機器(他の携帯電話機1)がすでに登録(ペアリング)済みの対向機器であると判断した場合、認証制御部33はステップS7で、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求(ハンドオーバー要求に対応するペアリング要求)を破棄し、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求をペアリング制御部32に供給(通知)しない(図4のステップS35)。これにより、携帯電話機1−1は、その後対向機器としての他の携帯電話機1−2から接続要求を受信したとしても、ブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングを実行しない。ステップS8において、制御部21は、ハンドオーバー要求を許可した対向機器としての他の携帯電話機1−2からの接続要求に備えて、読み出された対向機器情報テーブルを参照して、ハンドオーバー要求を許可した対向機器としての他の携帯電話機1−2に予め対応付けられている過去に実行したブルートゥースのプロファイルをすべて起動する(図4のステップS35)。これにより、すでに登録(ペアリング)済みの対向機器に関しては、対向機器からの接続要求を受信するまでの間に過去に実行したプロファイルをすべて起動しておくことができ、対向機器としての他の携帯電話機1−2と自機である携帯電話機1−1とのNFCタッチからシームレスにブルートゥース通信部25を用いた無線通信を開始することができる。勿論、ハンドオーバー要求を許可した対向機器としての他の携帯電話機1−2に対応付けられている過去に実行したブルートゥースのプロファイルのすべてを起動する必要はなく、過去に実行したブルートゥースのプロファイルの一部でもよい。
【0034】
その後、携帯電話機1−2は、携帯電話機1−1との間でブルートゥース接続の確立を要求する接続要求をブルートゥース通信部25を介して携帯電話機1−1に送信する(図4のステップS36)。ステップS9において、携帯電話機1−1のペアリング制御部33は、ブルートゥース通信部25を用いて携帯電話機1−2から接続要求を受信する。ステップS10において、携帯電話機1−1のペアリング制御部33は、受信された接続要求に基づいて2つの携帯電話機1間でブルートゥース通信を開始するため、ブルートゥース通信部25を用いて接続要求に対する応答を携帯電話機1−2に送信する(図4のステップS37)。ステップS11において、携帯電話機1−1のペアリング制御部33は、ステップS2で取得された他の携帯電話機1−2からの機器情報とセキュリティ情報に基づくブルートゥース通信部25を用いて他の携帯電話機1との間でのペアリングを実行をせずに、携帯電話機1−1側ですでに登録(ペアリング)されている対向機器(他の携帯電話機1−2)と接続を確立する際の認証処理に必要なセキュリティ情報(予め対応機器情報テーブルに対応付けられて登録されている)に基づいて、ブルートゥース通信部25を用いて認証処理を行い、携帯電話機1−1とハンドオーバー要求を許可した他の携帯電話機1−2との間でブルートゥース接続を確立する。これにより、本発明に係る通信端末は、再度の無駄なペアリング処理の実行を防止することができ、また、ユーザが敢えて通信端末を用いて変更した対向機器(他の通信端末)の名称(ニックネーム)が元の対向機器が有する無機質なデバイス名に戻ってしまうことを防止すること(登録名称を保持すること)ができる。なお、対向機器の名称は登録済みの名称が表示部23によって表示される。
【0035】
一方、ステップS6において認証制御部33が、ハンドオーバー要求を許可した対向機器(他の携帯電話機1)がすでに登録(ペアリング)済みの対向機器ではない(未登録の対向機器である)と判断した場合、認証制御部33はステップS12で、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求を破棄せず、通信方式切替制御部31から通知されるハンドオーバー要求に含まれるペアリング要求をペアリング制御部32に供給(通知)する。これにより、携帯電話機1−1は、その後対向機器としての他の携帯電話機1−2から接続要求を受信することで、ブルートゥース通信部25によって認証処理を含むペアリングを実行することができる。その後、携帯電話機1−2は、携帯電話機1−1との間でブルートゥース接続の確立を要求する接続要求をブルートゥース通信部25を介して携帯電話機1−1に送信する(図4のステップS36)。ステップS13において、携帯電話機1−1のペアリング制御部33は、ブルートゥース通信部25を用いて携帯電話機1−2から接続要求を受信する。ステップS14において、携帯電話機1−1のペアリング制御部33は、受信された接続要求に基づいて2つの携帯電話機1間でペアリング処理を開始するため、ブルートゥース通信部25を用いて接続要求に対する応答を携帯電話機1−2に送信する(図4のステップS37)。ステップS15において、携帯電話機1−1のペアリング制御部33は、ステップS2で取得された他の携帯電話機1−2からの機器情報とセキュリティ情報に基づいて、ブルートゥース通信部25を用いて他の携帯電話機1との間でのペアリングを実行し認証処理を行うとともに、ステップS16でブルートゥース通信部25を用いて、携帯電話機1−1とハンドオーバー要求を許可した他の携帯電話機1−2との間でブルートゥース接続を確立する。
【0036】
本発明に係る通信端末に適用可能な携帯電話機は、第1の無線通信部(NFC通信部26)を用いて通信端末と対向機器(他の携帯電話機1−1)との間で無線通信し、第2の無線通信部(ブルートゥース通信部25)を用いて通信端末と対向機器との間で無線通信し、通信端末と対向機器とが互いに第1の無線通信部により無線通信可能な範囲で近接する場合に、第1の無線通信部から第2の無線通信部に通信方式を切り替える通信方式切替要求を、第1の無線通信部が対向機器から受信するとき、第1の無線通信部を用いて通信方式切替要求に対して対向機器に応答するとともに、通信方式切替要求に基づいて、第1の無線通信部から第2の無線通信部に通信方式を切り替え、第2の無線通信部が受信する対向機器からの接続要求を受け付け、対向機器からの接続要求に対して第2の無線通信部を用いて応答し、第1の無線通信部を用いて取得される対向機器からの機器情報とセキュリティ情報に基づいて、第2の無線通信部を用いて対向機器との間でのペアリングを制御し、通知される通信方式切替要求に対応するペアリング要求(通信方式切替要求に含まれるペアリング要求)に基づいて、通信方式切替要求を許可した対向機器がすでに登録済みの対向機器であるか否かを判断し、通信方式切替要求を許可した対向機器がすでに登録済みの対向機器であると判断した場合、通知される通信方式切替要求に対応するペアリング要求を破棄し、第2の無線通信部によって認証処理を含むペアリングを実行しないように制御することができる。
【0037】
これにより、本発明に係る通信端末に適用可能な携帯電話機は、第1の無線通信部を用いて通信方式の切り替えに関するネゴシエーションをしても、すでに登録済みの対向機器に関してはペアリング処理を好適にキャンセル(省略)することができる。従って、通信端末がすでに登録済みの対向機器に対して再度ペアリング処理が実行されることを防止することができる。また、ユーザが敢えて通信端末を用いて変更した対向機器(他の通信端末)の名称(ニックネーム)が元の対向機器が有する無機質なデバイス名に戻ってしまうことを防止することができる。さらに、第1の無線通信部であるNFC通信部26を用いて通信方式の切り替えに関するネゴシエーションをした後に、第2の無線通信部であるブルートゥース通信部25を用いた対向機器からの接続要求に備え、すでに登録済みの対向機器に予め対応付けられた過去に実行したプロファイルを起動しておき、対向機器との間でシームレスに無線通信を開始することができる。
【0038】
なお、ブルートゥース通信部25の代わりに、第2の無線通信部としてWLANを用いるようにしてもよいし、他の無線通信手段を用いるようにしてもよい。
【0039】
なお、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0040】
また、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0041】
1(1−1乃至1−2)…携帯電話機、11…送受信アンテナ、12…送受信共用器、13…無線送受信部、14…信号処理部、15…データ処理部、16…PCMコーデック、17…受話増幅器、18…レシーバ、19…送話増幅器、20…マイクロフォン、21…制御部、22…操作部、23…表示部、24…コンテンツ処理部、25…ブルートゥース通信部、26…NFC通信部、27…記憶部、31…通信方式切替制御部、32…ペアリング制御部、33…認証制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と対向機器との間で無線通信する第1の無線通信手段と、
前記通信端末と前記対向機器との間で無線通信する第2の無線通信手段と、
前記通信端末と前記対向機器とが互いに前記第1の無線通信手段により無線通信可能な範囲で近接する場合に、前記第1の無線通信手段から前記第2の無線通信手段に通信方式を切り替える通信方式切替要求を、前記第1の無線通信手段が前記対向機器から受信するとき、前記第1の無線通信手段を用いて前記通信方式切替要求に対して前記対向機器に応答するとともに、前記通信方式切替要求に基づいて、前記第1の無線通信手段から前記第2の無線通信手段に通信方式を切り替える通信方式切替制御手段と、
前記第2の無線通信手段が受信する前記対向機器からの接続要求を受け付け、前記対向機器からの接続要求に対して前記第2の無線通信手段を用いて応答し、前記第1の無線通信手段を用いて取得される前記対向機器からの機器情報とセキュリティ情報に基づいて、前記第2の無線通信手段を用いて前記対向機器との間でのペアリングを制御するペアリング制御手段と、
前記通信方式切替制御手段から通知される前記通信方式切替要求に対応するペアリング要求に基づいて、前記通信方式切替要求を許可した前記対向機器がすでに登録済みの対向機器であるか否かを判断し、前記通信方式切替要求を許可した前記対向機器がすでに登録済みの対向機器であると判断した場合、前記通信方式切替制御手段から通知される前記通信方式切替要求に対応するペアリング要求を破棄し、前記第2の無線通信手段によって認証処理を含むペアリングを実行しないように前記ペアリング制御手段を制御する認証制御手段とを備えることを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記認証制御手段は、前記通信方式切替要求を許可した前記対向機器が未登録の対向機器であると判断した場合、前記通信方式切替制御手段から通知される前記通信方式切替要求に対応するペアリング要求を破棄せず、前記第2の無線通信手段によって認証処理を含むペアリングを実行するように前記ペアリング制御手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記通信方式切替要求を許可した前記対向機器がすでに登録済みの対向機器であると判断した場合、前記ペアリング制御手段は、前記対向機器と接続を確立する際の認証処理に必要な予め記憶されるセキュリティ情報に基づいて、前記第2の無線通信手段を用いて認証処理を行い、前記通信端末と前記通信方式切替要求を許可した前記対向機器との間で接続を確立することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項4】
前記通信方式切替要求を許可した前記対向機器がすでに登録済みの対向機器であると判断した場合、前記第2の無線通信手段が前記対向機器からの接続要求を受信する前に、前記通信方式切替要求を許可した前記対向機器に予め対応付けられている過去に実行した前記第2の無線通信手段に関するプロファイルの全部または一部を起動する起動手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項5】
前記第1の無線通信手段は、NFCを用いた非接触の通信方式であることを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項6】
前記第2の無線通信手段は、BluetoothまたはWLANの通信方式であることを特徴とする請求項1に記載の通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−151745(P2011−151745A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13476(P2010−13476)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】