説明

通信管理方法、管理サーバ、および通信システム

【課題】通信管理方法、管理サーバ、および通信システムを提供する。
【解決手段】基地局による通信を管理する管理サーバが、前記基地局との接続を許可する通信端末を第1の通信端末として登録するステップと、前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求に基づき、他の通信端末を第2の通信端末として登録するステップと、前記基地局に対して通信端末が接続を要求するステップと、前記基地局に対して接続を要求した通信端末が前記第1の通信端末または前記第2の通信端末として登録されている場合に前記基地局との接続を許可するステップと、を含む通信管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信管理方法、管理サーバ、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2002年より、日本で第3世代と呼ばれる3G方式の携帯電話サービスが開始された。当初は、音声やメールなどの小容量のパケット伝送が主なアプリケーションであったが、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)の導入などにより、音楽ファイルのダウンロード、あるいは共有動画の視聴など、より大きなサイズのパケットのダウンロードが行われるようになってきた。
【0003】
このように、ダウンロードされるパケット容量の増加に伴い、基地局―端末間の無線通信も拡張され、最大21Mbpsを実現するHSPA+のサービスが開始された。さらに、2010年頃には、ダウンリンクにOFDMAを使用するLTE、2015年頃には4Gのサービス開始も予定され、準固定で最大1Gbps、移動環境でも最大100Mbpsを実現する世界が訪れようとしている。
【0004】
上述のような高い通信レートの無線環境を実現するために、セルは、マイクロセル化、ピコセル化していくと考えられる。セルエッジでの不感エリアの無線環境は、中継局を配置すること等により、ある程度改善することはできるが、基地局のリソースが不足している場合には、中継局を配置することによる効果も薄れることが懸念される。
【0005】
このため、FTTH(Fiber To The Home)を有する屋内においては、フェムトセル基地局と呼ばれる小型基地局を配置することにより、屋外の無線リソースに負荷をかけることなく、高速なデータ通信環境を実現することが期待されている。
【0006】
このフェムトセル基地局と通信事業者網との認証は、USIMに代表される認証用メモリーカードによって行われる。また、家庭向けのフェムトセル基地局へのアクセスは、一般的にホワイトリストに登録された通信端末に制限される。なお、3GPPでは、このフェムトセル用のホワイトリストをCSG(Closed Subscriber Group)リストと呼ぶ。上記、ホワイトリストは、通信事業者のサーバ内に保存される情報であって、契約者からの申請に基づき通信事業者により登録されることが一般的であると考えられる。なお、基地局との接続制限に関しては例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−207106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、家庭向けのフェムトセル基地局の契約者は、ホワイトリストへの登録端末として家族の通信端末を申請すると考えられる。このため、フェムトセル基地局の契約者の家を友人が訪問した場合、友人の通信端末は、ホワイトリストに登録されていないので、フェムトセル基地局に接続できないという問題が想定される。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、フェムトセル基地局などの基地局と接続可能な通信端末を柔軟に変更することが可能な、新規かつ改良された通信管理方法、管理サーバ、および通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基地局による通信を管理する管理サーバが、前記基地局との接続を許可する通信端末を第1の通信端末として登録するステップと、前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求に基づき、他の通信端末を第2の通信端末として登録するステップと、前記基地局に対して通信端末が接続を要求するステップと、前記基地局に対して接続を要求した通信端末が前記第1の通信端末または前記第2の通信端末として登録されている場合に前記基地局との接続を許可するステップと、を含む通信管理方法が提供される。
【0011】
前記通信管理方法は、前記第2の通信端末として登録された通信端末を、当該通信端末、または前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求により削除するステップをさらに含んでもよい。
【0012】
前記第2の通信端末としての通信端末の登録には有効期限が設定されてもよい。
【0013】
前記通信管理方法は、前記第1の通信端末として登録されている通信端末から前記基地局との接続を要求された場合に、前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達しているか否かを判断するステップと、前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達している場合、前記基地局と接続中の通信端末のうちで、前記第2の通信端末として登録されている通信端末に対してハンドオーバ、または切断命令を通知するステップと、をさらに含んでもよい。
【0014】
前記所定数は、前記基地局に接続可能な通信端末の最大数であってもよい。
【0015】
前記管理サーバは、前記基地局の契約者から申請された通信端末を前記第1の通信端末として登録し、前記基地局の契約者から前記他の通信端末の登録を要求された場合にも前記他の通信端末を前記第2の通信端末として登録してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基地局と通信する通信部と、前記基地局との接続を許可する通信端末を第1の通信端末として記憶する記憶部と、前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求に基づき、他の通信端末を第2の通信端末として前記記憶部に登録する登録管理部と、前記基地局に対して通信端末が接続を要求し、当該通信端末が前記第1の通信端末または前記第2の通信端末として登録されている場合に、前記基地局との接続を許可する通信制御部と、を備える管理サーバが提供される。
【0017】
前記登録管理部は、前記第2の通信端末として登録した通信端末を、当該通信端末、または前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求により削除してもよい。
【0018】
前記登録管理部は、前記第2の通信端末としての通信端末の登録に有効期限を設定してもよい。
【0019】
前記管理サーバは、前記第1の通信端末として登録されている通信端末から前記基地局との接続を要求された場合に、前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達しているか否かを判断する判断部をさらに備え、前記通信制御部は、前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達していると前記判断部により判断された場合、前記基地局と接続中の通信端末のうちで、前記第2の通信端末として登録されている通信端末に対してハンドオーバ、または切断命令を通知してもよい。
【0020】
前記所定数は、前記基地局に接続可能な通信端末の最大数であってもよい。
【0021】
前記登録管理部は、前記基地局の契約者から申請された通信端末を前記第1の通信端末として登録し、前記基地局の契約者から前記他の通信端末の登録を要求された場合にも前記他の通信端末を前記第2の通信端末として登録してもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基地局と、前記基地局との接続を許可する通信端末を第1の通信端末として記憶する記憶部、前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求に基づき、他の通信端末を第2の通信端末として前記記憶部に登録する登録管理部、および、前記基地局に対して通信端末が接続を要求し、当該通信端末が前記第1の通信端末または前記第2の通信端末として登録されている場合、前記基地局との接続を許可する通信制御部、を有する管理サーバと、を備える通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、フェムトセル基地局などの基地局と接続可能な通信端末を柔軟に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態による通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態による管理サーバの構成を示した機能ブロック図である。
【図3】第1のリストおよび第2のリストの具体例を示した説明図である。
【図4】通信端末とフェムトセル基地局とを接続するためのシーケンスを示した説明図である。
【図5】第2のリストへ端末登録するためのシーケンスを示した説明図である。
【図6】第2のリストから端末登録を削除するためのシーケンスを示した説明図である。
【図7】第1のリストに登録されている通信端末をフェムトセル基地局に優先的に接続するためのシーケンスを示した説明図である。
【図8】通信端末20とフェムトセル基地局30とを接続するためのシーケンスの変形例を示した説明図である。
【図9】変形例にかかる端末リストの具体例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて通信端末20A、20Bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、通信端末20A、20Bを特に区別する必要が無い場合には、単に通信端末20と称する。
【0027】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.通信システムの全体構成
2.管理サーバの構成
3.通信システムにおける各種動作
3−1.通信端末とフェムトセル基地局との接続
3−2.第2のリストへの端末登録
3−3.第2のリストからの端末削除
3−4.第1のリストに登録されている通信端末の優先接続
4.まとめ
5.変形例
(変形例1)
(変形例2)
(変形例3)
【0028】
<1.通信システムの全体構成>
まず、図1を参照し、本発明の実施形態による通信システム1の全体構成を説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態による通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による通信システム1は、管理サーバ10と、インターネット12と、通信端末20Aおよび20Bと、フェムトセル基地局30と、BBモデム32と、を備える。また、通信端末20Aおよび20Bと、フェムトセル基地局30と、BBモデム32とは、図1に示したように例えば1家庭内に配置される。
【0030】
フェムトセル基地局30は、例えば3GPPで標準化されたUMTS携帯電話無線方式に対応した屋内用小型基地局であって、UMTS方式に対応する携帯電話インタフェースを有する通信端末20と接続できる。フェムトセル基地局30は、BB(ブロードバンド)モデム32、およびインターネット12を介して管理サーバ10と接続される。このフェムトセル基地局30は、通信事業者網(例えば、管理サーバ10)と認証を行うための認証情報を格納する認証用メモリーカードを装着するための機構を有する。なお、この認証メモリーカードは、例えばフェムトセル基地局30の契約者によって装着されるUSIM(Universal Subscriber Identity Module)であってもよい。
【0031】
なお、フェムトセル基地局30は、通信端末20との通信を制御する基地局の一例に過ぎず、基地局はフェムトセル基地局30に限定されない。例えば、マイクロセル基地局、ピコセル基地局、およびマクロセル基地局―通信端末20間の通信を中継する中継局などの基地局にも本発明の実施形態を適用できる。また、図1においては管理サーバ10にフェムトセル基地局30のみが接続される例を示しているが、実際には、多数のフェムトセル基地局が管理サーバ10に接続されることが想定される。
【0032】
通信端末20は、管理サーバ10またはフェムトセル基地局30によりフェムトセル基地局30との接続が許可された場合、フェムトセル基地局30を介してデータ通信を行うことができる。例えば、通信端末20は、フェムトセル基地局30を介し、音声通話や、映像データや音声データなどのコンテンツデータを送受信することが可能である。
【0033】
なお、図1においては通信端末20の一例として携帯電話を示しているが、通信端末20のハードウェアは携帯電話に限定されない。例えば、通信端末20は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、通信端末20は、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。
【0034】
管理サーバ10は、例えば通信事業者網(通信事業者のコアネットワーク)に配置され、フェムトセル基地局30や通信端末20などの認証を行う。具体的には、本発明の実施形態による管理サーバ10は、性質の異なる第1のリストおよび第2のリストを記憶している。そして、管理サーバ10は、第1のリストまたは第2のリストのいずれかに登録されている通信端末に対してのみ、フェムトセル基地局30との接続を許可する。以下、このような第1のリストおよび第2のリストを有する管理サーバ10の構成をより詳細に説明する。
【0035】
<2.管理サーバの構成>
図2は、本発明の実施形態による管理サーバ10の構成を示した機能ブロック図である。図2に示したように、管理サーバ10は、通信部110と、記憶部120と、通信制御部130と、登録管理部140と、接続数判断部150と、を備える。
【0036】
通信部110は、フェムトセル基地局30とのインタフェースであって、BBモデム32やインターネットを介してフェムトセル基地局30と多様な情報を送受信する。例えば、通信部110は、フェムトセル基地局30へ接続要求を行った通信端末20の端末情報(端末ID、電話番号、またはユーザ名など)をフェムトセル基地局30から受信したり、接続許可または接続拒否を示す通知をフェムトセル基地局30へ送信したりする。
【0037】
記憶部120は、フェムトセル基地局30ごとに、フェムトセル基地局30との接続が許可される通信端末を示す端末リストを記憶する。具体的には、記憶部120は、第1のリストと第2のリストを記憶する。第1のリストには、フェムトセル基地局30の契約者からの申請に基づいて、フェムトセル基地局30の契約者から申請された通信端末が第1の通信端末として登録される。また、第2のリストには、第1のリストに登録されている通信端末から要求された他の通信端末が第2の通信端末として登録管理部140により登録される。
【0038】
なお、フェムトセル基地局30の契約者と第1のリストに登録されている通信端末のユーザが一致しない場合も想定される。例えば、マンションにおいては、フェムトセル基地局30の契約者がマンションのオーナーであり、第1のリストに登録されている通信端末のユーザがマンションの居住者であることが想定される。このため、第1のリストに登録されている通信端末に加え、フェムトセル基地局30の契約者も第2のリストへの端末登録権限を有してもよい。
【0039】
図3は、第1のリストおよび第2のリストの具体例を示した説明図である。図3に示したように、第1のリストは、例えば端末ID、電話番号、およびユーザ名からなる1または2以上のエントリにより構成される。また、第2のリストは、例えば端末IDおよび電話番号からなる1または2以上のエントリにより構成される。なお、各エントリを構成する要素は図3に示した例に限定されず、図3に示した一部の要素が除かれても、メールアドレスなどの他の要素が追加されてもよい。
【0040】
このような第1のリストおよび第2のリストを記憶する記憶部120は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0041】
通信制御部130は、「3−1.通信端末とフェムトセル基地局との接続」において詳細に説明するように、フェムトセル基地局30に対して接続要求を行った通信端末20が、第1のリストまたは第2のリストに登録されている場合、フェムトセル基地局30との接続を許可する。また、通信制御部130は、「3−4.第1のリストに登録されている通信端末の優先接続」において詳細に説明するように、第1のリストに登録されている通信端末とフェムトセル基地局30との接続を、第2のリストに登録されている通信端末とフェムトセル基地局30との接続より優先させるための制御を行う。
【0042】
登録管理部140は、第2のリストへの端末登録、および第2のリストからの端末削除などのリスト編集を行う。具体的には、登録管理部140は、第1のリストに登録されている通信端末から、他の通信端末の第2のリストへの登録を要求された場合に、他の通信端末を第2のリストに登録する。その結果、他の通信端末はフェムトセル基地局30と接続することが可能となる。
【0043】
例えば、フェムトセル基地局30がある家庭に配置されており、この家庭の家族の通信端末20が第1のリストに登録されており、この家庭を友人が訪れた場合を考える。この場合、この家族の通信端末20から、友人の通信端末の第2のリストへの登録を要求し、友人の通信端末を第2のリストに登録することにより、友人の通信端末はフェムトセル基地局30と接続することが可能となる。
【0044】
このように、本発明の実施形態によれば、フェムトセル基地局30と接続可能な通信端末を柔軟に変更することができるので、利便性が高い。さらに、第1のリストに登録されている通信端末にのみ第2のリストへの端末登録権限が認められるので、セキュリティを確保することができる。
【0045】
接続数判断部150は、フェムトセル基地局30と現在接続中の端末数が所定数に達しているか否かを判断する。所定数は、フェムトセル基地局30の最大接続可能数であってもよいし、最大接続可能数よりN(Nは1以上の任意の整数)小さい数であってもよい。接続数判断部150による判断結果は、第1のリストに登録されている通信端末20による通信を優先するための通信制御部130による制御に利用される。
【0046】
<3.通信システムにおける各種動作>
以上、図2および図3を参照し、本発明の実施形態による管理サーバ10の構成を説明した。続いて、本発明の通信システムにおける各種動作を順次に説明する。
【0047】
(3−1.通信端末とフェムトセル基地局との接続)
図4は、通信端末20とフェムトセル基地局30とを接続するためのシーケンスを示した説明図である。図4に示したように、通信端末20がフェムトセル基地局30との接続を要求すると(S204)、フェムトセル基地局30は、通信端末20の端末情報を管理サーバ10に送信する(S208)。ここで、端末情報としては、端末ID、電話番号、またはユーザ名などが挙げられる。
【0048】
続いて、管理サーバ10の通信制御部130は、フェムトセル基地局30から受信した端末情報に基づき、通信端末20が第1のリストに登録されているか否かを判断する(S212)。さらに、通信端末20が第1のリストに登録されていない場合、通信制御部130は、通信端末20が第2のリストに登録されているか否かを判断する(S216)。
【0049】
そして、通信制御部130は、通信端末20が第1のリストまたは第2のリストに登録されている場合には通信端末20とフェムトセル基地局30との接続を許可する(S224)。その後、通信端末20とフェムトセル基地局30が接続される。一方、通信制御部130は、通信端末20が第1のリストと第2のリストのいずれにも登録されていない場合には通信端末20とフェムトセル基地局30との接続を拒否する(S220)。
【0050】
(3−2.第2のリストへの端末登録)
図5は、第2のリストへ端末登録するためのシーケンスを示した説明図である。図5に示したように、まず、管理サーバ10は、通信端末20から第2のリストへの端末登録要求を受信する(S304)。例えば、管理サーバ10は、端末登録要求として、要求元の通信端末20および要求先の他の通信端末の端末IDまたは電話番号などを受信する。なお、通信端末20は、端末登録要求をフェムトセル基地局30を介して送信してもよいし、有線を利用して送信してもよい。
【0051】
続いて、管理サーバ10の登録管理部140は、要求元の通信端末20が第1のリストに登録されているか否かを判断する(S308)。そして、登録管理部140は、要求元の通信端末20が第1のリストに登録されている場合、要求先の他の通信端末を第2のリストに追加登録する(S312)。一方、登録管理部140は、要求元の通信端末20が第1のリストに登録されていない場合、端末登録要求を拒否する(S316)。
【0052】
このように、第2のリストへの端末登録権限を、第1のリストに登録されている通信端末20に認めることにより、利用面でのセキュリティを確保することができる。
【0053】
なお、登録管理部140は、第2のリストへの端末登録に際して有効期限を設定し、有効期限を過ぎた端末登録を削除してもよい。この有効期限は、通信端末20から指定されてもよいし、24時間後、1週間後、または1カ月後などの所定日時であってもよい。
【0054】
(3−3.第2のリストからの端末削除)
図6は、第2のリストから端末登録を削除するためのシーケンスを示した説明図である。図6に示したように、まず、管理サーバ10は、通信端末20から第2のリストにおける端末削除要求を受信する(S404)。例えば、管理サーバ10は、端末削除要求として、要求元の通信端末20および要求先の通信端末の端末IDまたは電話番号などを受信する。なお、通信端末20は、端末削除要求をフェムトセル基地局30を介して送信してもよいし、有線を利用して送信してもよい。
【0055】
続いて、管理サーバ10の登録管理部140は、要求元の通信端末20が第1のリストに登録されているか否かを判断する(S408)。そして、通信端末20が第1のリストに登録されていない場合、登録管理部140は、通信端末20が第2のリストに登録されているか否かを判断する(S412)。さらに、通信端末20が第2のリストに登録されている場合、登録管理部140は、要求元の通信端末20と要求先の通信端末が一致するか否かを判断する(S416)。
【0056】
そして、登録管理部140は、S408において要求元の通信端末20が第1のリストに登録されていると判断した場合、または、S416において要求元の通信端末20と要求先の通信端末が一致すると判断した場合に、要求先の通信端末を第2のリストから削除する(S420)。一方、登録管理部140は、要求元の通信端末20が第1のリストおよび第2のリストのいずれにも登録されていない場合、または、S416において要求元の通信端末20と要求先の通信端末が一致しないと判断した場合に、端末削除要求を拒否する(S424)。
【0057】
以上説明したように、第2のリストへの端末登録権限は第1のリストに登録されている通信端末に限定されるものの、第2のリストからの端末削除権限は第2のリストに登録されている通信端末にも認められる。したがって、第2のリストに登録されている通信端末は、第2のリストへ他の通信端末を登録することはできないが、第2のリストから自端末を削除することは可能である。
【0058】
(3−4.第1のリストに登録されている通信端末の優先接続)
上述したように、本発明の実施形態によれば、第1のリストに登録されている通信端末だけでなく、第2のリストに登録されている通信端末もフェムトセル基地局30に接続することができる。ここで、フェムトセル基地局30に同時接続できる端末数は、例えば4台など、制限されると考えられる。
【0059】
このため、第2のリストに登録されている通信端末がフェムトセル基地局30と接続中であることにより、第1のリストに登録されている通信端末がフェムトセル基地局30に接続できないという場面が想定される。より具体的には、息子の友達が遊びに来ており、息子の友達の通信端末がフェムトセル基地局30と接続中であることにより、父親や母親がフェムトセル基地局30を利用できないという場面が想定される。
【0060】
そこで、本発明の実施形態では、第1のリストに登録されている通信端末とフェムトセル基地局30との接続を、第2のリストに登録されている通信端末とフェムトセル基地局30との接続より優先させることとした。以下、第1のリストに登録されている通信端末とフェムトセル基地局30との接続を優先させるための処理を詳細に説明する。
【0061】
図7は、第1のリストに登録されている通信端末20をフェムトセル基地局30に優先的に接続するためのシーケンスを示した説明図である。図7に示したように、管理サーバ10が、通信端末20Xからフェムトセル基地局30への接続要求を受信した場合を考える(S504)。この場合、接続数判断部150が、フェムトセル基地局30と接続中の端末数が、フェムトセル基地局30の最大接続可能数に達しているか否かを判断する(S508)。
【0062】
そして、接続中端末数が最大接続可能数に達していない場合、通信制御部130は、通信端末20Xが第1のリストに登録されているか否か、および第2のリストに登録されているか否かを判断する(S512、S516)。
【0063】
ここで、通信制御部130は、S512において通信端末20Xが第1のリストに登録されていると判断した場合、通信端末20Xとフェムトセル基地局30との接続を許可する(S514)。そして、通信端末20Xとフェムトセル基地局30との接続が継続される。
【0064】
一方、通信制御部130は、接続中端末数が最大接続可能数に達している場合、または、通信端末20Xが第1のリストおよび第2のリストのいずれにも登録されていない場合には、通信端末20Aの接続を拒否する(S520)。
【0065】
また、通信制御部130は、S516において通信端末20Xが第2のリストに登録されていると判断した場合、通信端末20Xとフェムトセル基地局30との接続を許可する(S524)。その後、第1のリストに登録されている通信端末20から接続要求が通信部110により受信されると(S528)、接続数判断部150が、接続中端末数が最大接続可能数に達しているか否かを判断する(S532)。そして、通信制御部130は、接続中端末数が最大接続可能数に達していない場合、要求元の通信端末20をフェムトセル基地局30と接続させる(S536)。
【0066】
一方、接続中端末数が最大接続可能数に達している場合、通信制御部130は、第2のリストに登録されている接続中の通信端末20Xのハンドオーバまたは接続切断命令を通知する(S540)。これにより、第1のリストに登録されている通信端末20をフェムトセル基地局30に優先的に接続することが可能となる。
【0067】
なお、上記では、接続中端末数が最大接続可能数に達している状態で、第1のリストに登録されている通信端末20から接続要求が受信された場合に通信端末20Xのハンドオーバまたは接続切断命令を通知する例を説明したが、接続中端末数が最大接続可能数に達した時点で通信端末20Xのハンドオーバまたは接続切断命令を通知してもよい。かかる構成により、第1のリストに登録されている通信端末20が接続を要求する時には、接続中端末数が(最大接続可能数−1)となっているので、第1のリストに登録されている通信端末20は早期にフェムトセル基地局30と接続することが可能である。
【0068】
<4.まとめ>
以上説明したように、本発明の実施形態おいては、第1のリストまたは第2のリストのいずれかに登録されている通信端末20がフェムトセル基地局30と接続することができる。また、第2のリストへの端末登録権限は、第1のリストに登録されている通信端末20に認められるので、利用面でのセキュリティを確保することができる。
【0069】
一方、第2のリストへの端末登録権限は第1のリストに登録されている通信端末に限定されるものの、第2のリストからの端末削除権限は第2のリストに登録されている通信端末にも認められる。したがって、第2のリストに登録されている通信端末は、第2のリストへ他の通信端末を登録することはできないが、第2のリストから自端末を削除することは可能である。さらに、本発明の実施形態によれば、第1のリストに登録されている通信端末とフェムトセル基地局30との接続を、第2のリストに登録されている通信端末とフェムトセル基地局30との接続より優先させることができる。
【0070】
<5.変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0071】
例えば、本明細書の通信システム1および管理サーバ10の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、通信システム1および管理サーバ10の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0072】
また、管理サーバ10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した管理サーバ10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0073】
さらに、以下に説明する変形例1〜変形例3も当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0074】
(変形例1)
上記では、管理サーバ10において端末認証を行う例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。変形例1として、以下に説明するように、フェムトセル基地局30において端末認証を行うことも可能である。
【0075】
図8は、通信端末20とフェムトセル基地局30とを接続するためのシーケンスの変形例を示した説明図である。図8に示したように、まず、フェムトセル基地局30が認証用メモリーカードに格納されている認証情報を管理サーバ10に送信し、認証情報に基づいて管理サーバ10がフェムトセル基地局30を認証する(S254)。
【0076】
そして、管理サーバ10は、フェムトセル基地局30の認証が成功すると、フェムトセル基地局30に、フェムトセル基地局30と関連付けて記憶している第1のリストおよび第2のリストを送信する(S258)。
【0077】
その後、フェムトセル基地局30は、通信端末20から接続要求を受信すると(S262)、通信端末20が第1のリストに登録されているか否かを判断する(S266)。さらに、フェムトセル基地局30は、通信端末20が第1のリストに登録されていない場合、通信端末20が第2のリストに登録されているか否かを判断する(S270)。
【0078】
そして、フェムトセル基地局30は、通信端末20が第1のリストまたは第2のリストに登録されている場合には通信端末20の接続を許可する(S278)。一方、フェムトセル基地局30は、通信端末20が第1のリストと第2のリストのいずれにも登録されていない場合には通信端末20とフェムトセル基地局30との接続を拒否する(S274)。
【0079】
以上説明したように、管理サーバ10が第1のリストおよび第2のリストをフェムトセル基地局30に供給し、フェムトセル基地局30が第1のリストおよび第2のリストに基づいて端末認証を行うことも可能である。
【0080】
(変形例2)
上記では、管理サーバ10が第1の通信端末として登録された通信端末を示す第1のリストと、第2の通信端末として登録された通信端末を示す第2のリストとを別個に有する例を説明したが、通信端末の登録形態は、かかる例に限定されない。変形例2として、以下に説明するように、単一のリストにおいて第1の通信端末および第2の通信端末を管理することも可能である。
【0081】
図9は、変形例にかかる端末リストの具体例を示した説明図である。図9に示したように、変形例にかかる端末リストは、端末ID、電話番号、および登録種別からなる1または2以上のエントリにより構成される。ここで、登録種別は、通信端末が第1の通信端末として登録されているのか、第2の通信端末として登録されているのかを示す情報である。具体的には、登録種別が「1」である場合、同一エントリの示す通信端末が第1の通信端末として登録されていることを示し、具体的には、登録種別が「2」である場合、同一エントリの示す通信端末が第2の通信端末として登録されていることを示す。
【0082】
かかる構成においても、接続要求、端末登録要求または端末削除要求を行った通信端末20が第1の通信端末または第2の通信端末として登録されているかを判断し、判断結果に従って接続処理、端末登録処理、または端末削除処理などを制御することが可能である。
【0083】
(変形例3)
上記では、フェムトセル基地局30が家庭に配置され、この家庭の家族の通信端末20が第1のリストに登録される例を説明したが、フェムトセル基地局30の配置位置および第1のリストに登録される通信端末20は特に限定されない。
【0084】
例えば、フェムトセル基地局30を店舗に配置し、第1のリストには不特定の通信端末20がフェムトセル基地局30と接続可能であることを示す情報が記載されていてもよい。そして、この店舗からの特定のサービスを希望するユーザが自己の通信端末20を第2のリストに登録することにより、店舗側が、第2のリストに登録された通信端末20に対して選択的に特定のサービス(クーポンや情報の配信など)を提供することが可能となる。
【0085】
さらに、特定のサービスの提供に年齢制限などの法的な制約がある場合、第2のリストへの端末登録権限を法的な制約を満たす通信端末にさらに限定してもよい。かかる構成により、法的に認められる通信端末に対してのみ特定のサービスを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0086】
10 管理サーバ
12 インターネット
20 通信端末
30 フェムトセル基地局
32 BBモデム
110 通信部
120 記憶部
130 通信制御部
140 登録管理部
150 接続数判断部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局による通信を管理する管理サーバが、前記基地局との接続を許可する通信端末を第1の通信端末として登録するステップと;
前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求に基づき、他の通信端末を第2の通信端末として登録するステップと;
前記基地局に対して通信端末が接続を要求するステップと;
前記基地局に対して接続を要求した通信端末が前記第1の通信端末または前記第2の通信端末として登録されている場合に前記基地局との接続を許可するステップと;
を含む、通信管理方法。
【請求項2】
前記第2の通信端末として登録された通信端末を、当該通信端末、または前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求により削除するステップをさらに含む、請求項1に記載の通信管理方法。
【請求項3】
前記第2の通信端末としての通信端末の登録には有効期限が設定される、請求項1に記載の通信管理方法。
【請求項4】
前記第1の通信端末として登録されている通信端末から前記基地局との接続を要求された場合に、前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達しているか否かを判断するステップと;
前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達している場合、前記基地局と接続中の通信端末のうちで、前記第2の通信端末として登録されている通信端末に対してハンドオーバ、または切断命令を通知するステップと;
をさらに含む、請求項1に記載の通信管理方法。
【請求項5】
前記所定数は、前記基地局に接続可能な通信端末の最大数である、請求項4に記載の通信管理方法。
【請求項6】
前記管理サーバは、前記基地局の契約者から申請された通信端末を前記第1の通信端末として登録し、前記基地局の契約者から前記他の通信端末の登録を要求された場合にも前記他の通信端末を前記第2の通信端末として登録する、請求項1に記載の通信管理方法。
【請求項7】
基地局と通信する通信部と;
前記基地局との接続を許可する通信端末を第1の通信端末として記憶する記憶部と;
前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求に基づき、他の通信端末を第2の通信端末として前記記憶部に登録する登録管理部と;
前記基地局に対して通信端末が接続を要求し、当該通信端末が前記第1の通信端末または前記第2の通信端末として登録されている場合に、前記基地局との接続を許可する通信制御部と;
を備える、管理サーバ。
【請求項8】
前記登録管理部は、前記第2の通信端末として登録した通信端末を、当該通信端末、または前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求により削除する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項9】
前記登録管理部は、前記第2の通信端末としての通信端末の登録に有効期限を設定する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項10】
前記管理サーバは、
前記第1の通信端末として登録されている通信端末から前記基地局との接続を要求された場合に、前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達しているか否かを判断する判断部をさらに備え、
前記通信制御部は、前記基地局と接続中の通信端末の数が所定数に達していると前記判断部により判断された場合、前記基地局と接続中の通信端末のうちで、前記第2の通信端末として登録されている通信端末に対してハンドオーバ、または切断命令を通知する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項11】
前記所定数は、前記基地局に接続可能な通信端末の最大数である、請求項10に記載の管理サーバ。
【請求項12】
前記登録管理部は、前記基地局の契約者から申請された通信端末を前記第1の通信端末として登録し、前記基地局の契約者から前記他の通信端末の登録を要求された場合にも前記他の通信端末を前記第2の通信端末として登録する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項13】
基地局と;
前記基地局との接続を許可する通信端末を第1の通信端末として記憶する記憶部、
前記第1の通信端末として登録された通信端末からの要求に基づき、他の通信端末を第2の通信端末として前記記憶部に登録する登録管理部、および、
前記基地局に対して通信端末が接続を要求し、当該通信端末が前記第1の通信端末または前記第2の通信端末として登録されている場合、前記基地局との接続を許可する通信制御部、
を有する管理サーバと;
を備える、通信システム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−205218(P2011−205218A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68273(P2010−68273)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】