説明

通信網装置および方法

【課題】通話サービスを提供する通信プロトコルに従って他の通信網を介する通話を確立する。
【解決手段】第1通信網により生成された通話を第2通信網22を介して第3通信網に送信し、第1通信網が通話サービスを可能にする第1通信プロトコルに従って動作し、第3通信網が第1通信プロトコルにより可能にされる通話サービスの少なくとも1つを可能にする通信プロトコルに従って動作し、第2通信網が第1通信プロトコルとは異なる第2通信プロトコルに従って動作し、第2通信網により第1通信網から第3通信網に通話がルーティングされるべき通話が通話サービスを要求するか否かを決定する手段を具備する装置27〜29において、第2通信プロトコルと両立性があるデータメッセージおよび通話を生成する手段と、通話及びデータメッセージを第2通信網22を介して第3通信網に送信する手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は通信装置および通信方法に関する。本発明は特に通信網を介する通話サービスの提供に適用できる。
【発明の背景】
【0002】
今日の商業的な会社および組織は、広く離れた地理的位置に部門を持っていることが多い。それぞれの地理的位置には通常、構内交換機PBXが設けられている。PBXはその位置における電話機を、公衆網または私設回線ルートに接続されている多数の出線に接続する。私設回線ルートにより、会社の従業員は他の位置いる従業員と通信し、所望されるように通話サービスを使用することができる。異なる部門にいる人にとって、電話網上で彼らに利用できる広い通話サービスを持つことが好ましいことが分かっている。これらのサービスは、“空いている時のコールバック”や、“次に使用された時にコールバック”や、“使用中に迂回”や“集中化オペレータ”が含まれる。
【0003】
通話サービス“空いている時のコールバック”は、第1の電話ユーザが第2の電話ユーザと交信したかったが、第2の電話ユーザが他の通話に束縛されていることからそのようにできない状況に対する要求を満たす。第1の電話ユーザは“空いている時のコールバック”通話サービスに対するコード番号をダイヤルし、ハンドセットを戻す。このことにより、第2の電話ユーザが現在の通話を終了しハンドセットを戻した時に、第1の電話ユーザの電話機が鳴るようになる。ハンドセットを持ち上げることにより、第1の電話ユーザは第2のユーザの電話機を鳴らすようにでき、そして通話が可能になる。
【0004】
通話サービス“次に使用された時にコールバック”は、第1の電話ユーザが第2の電話ユーザと交信しようとするが、リンガー音が聞こえるのにもかかわらず第2のユーザが電話ユーザに応答しない状況に対する要求を満たす。第1のユーザはこのサービスに対するコードを入力し、ハンドセットを戻す。これにより、第2のユーザ電話機を取扱うPBXにおいて、次に使用された時にコールバックに対する要求の“登録”がなされる。PBXは、第2のユーザ電話機の動きを監視する。第2のユーザによって通話がなされ電話が切れた時、そのPBXは第1のユーザの電話機を取扱うPBXに知らせる。第1のユーザの電話機を取扱うPBXは、2つの電話機間の会話パスを確立する“リング無し”通話を設定する。第1の人の電話機のみが電話が鳴るようにされる。第1のユーザが電話機に応答すると、第2のユーザの電話機が鳴るようにされ、通話が確立される。
【0005】
通話サービス“使用中に迂回”は、第1の電話ユーザが第2の電話ユーザと交信しようとするが、そのユーザが話し中である状況に対する要求を満たす。第2の電話機ユーザは、自分が通話に束縛されている時に自分の電話システムが通話を同僚の内線に迂回させるようにプログラムする。
【0006】
通話サービス“集中化オペレータ”により、構内電話網の1つの電話内線が、全私設電話網の別の内線の代わりにオペレータとして機能できるようになる。
【0007】
図1は、従来の通信網形態を示しており、通信網は、4つの構内交換機1〜4、公衆電話交換網5、および通信パス6〜12を備えている。
【0008】
構内交換機(PBX)1〜4は、同じ会社のさまざまな位置において構内電話網を取扱う。通信パス6〜12に沿って1つの構内電話網から別の構内電話網へルーティングされる通話には、可能性がある多数のルートが存在することが図から容易に理解できる。
【0009】
例えば、PBX2により取扱われる構内電話網から発生した通話がPBX3により取扱われる構内電話網にルーティングされるべきであると仮定する。PBX3に到達させるために、通話は、通信パス8、公衆電話交換網5および通話パス10を介してルーティングされるかもしれない。代わりに、PBX3に到達させるために、通話は通信パス9を介してルーティングされるかもしれない。このルートは、公衆電話交換網5を介して伝えられる通話を含んでいないことから、私設回線と呼ばれる。
【0010】
同様な方法で、通話は、通話パス11、公衆電話交換網5、および通話パス8により、PBX4からPBX2にルーティングされるかもしれない。代わりに、PBX2に到達させるために、通話パス12、PBX3および通話パス9を含んでいる私設回線が使用されるかもしれない。
【0011】
現在のPBX設計は、その位置では第1の通信プロトコルにより管理されている関連した電話網からの通話を受入れ、第2のプロトコルによりその通話を公衆網に送る。第1のプロトコルの例はデジタル私設網信号システム(DPNSS)であり、第2のプロトコルの例はデジタルアクセス信号システムNo2(DASS2)である。DPNSSは通話サービスをサポートするプロトコルであるが、DASS2プロトコルは通話サービスをサポートしない。
【0012】
私設回線ルートにより、PBXは第1のプロトコルDPNSSを使用して通信でき、したがって追加サービスが可能である。地理的に遠い位置のために、組織にとって電話サービス供給者から専用通信パスを借りることは普通である。この場合、専用通信パスはパス9である。しかしながら一般的に述べると、これらのパスは十分に利用されないことが多く、主要レート2.048Mビット/秒パスの場合は特にそうである。これは、会社が発生させるよりも多くの通話トラフィック容量を伝えることができる専用通信パスに対して会社または組織が支払いをしなければならないことになる。
【0013】
国際特許出願WO93/15583は、公衆電話交換網にわたる通話サービスを確立する方法および装置を開示している。開示されている方法は、2つの通信網ベアラーの確立を必要とし、1つは信号送信のため、もう1つは異なるプロトコルを使用してデータを送信するためである。
【発明の要約】
【0014】
本発明の第1の観点にしたがうと、使用において、第1の通信網により生成された通話を第2の通信網を介して第3の通信網に送信し、前記第1の通信網が通話サービスを可能にする第1の通信プロトコルにしたがって動作し、前記第3の通信網が前記第1の通信プロトコルにより可能にされる通話サービスの少なくとも1つを可能にする通信プロトコルにしたがって動作し、前記第2の通信網が前記第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルにしたがって動作し、前記第2の通信網により前記第1の通信網から前記第3の通信網に通話がルーティングされるべき通話が通話サービスを要求するか否かを決定する手段を具備する装置において、前記第2の通信プロトコルと両立性があるデータメッセージおよび通話を生成する手段と、前記通話およびデータメッセージを前記第2の通信網を介して前記第3の通信網に送信する手段とを具備し、前記データメッセージは、要求されたサービスを示し、前記第3の通信網の構成要素により読み取られて、適切な通話サービスが確立されることを特徴とする装置が提供される。
【0015】
したがって本発明により、通話サービスを提供する通信プロトコルにしたがってそれ自体が動作する必要がない通信網を介する通話サービスの確立が可能となる。必要なことは、目的地の通信網の構成要素により読取ることができ、要求されたサービスを表しているデータの送信がプロトコルにより可能になることだけである。したがって、同じ組織の地理的に遠隔な2つの位置の間に専用通信網を設ける必要がない。例えば、トランスペアレント状態で通話サービス情報を伝えるために公衆電話交換網を使用することができる。これは、私設回線を使用するよりもユーザにとって費用がかからない。本発明にしたがうと、通話および通話サービスを設定するために要求される情報を伝えるために1つのプロトコルが必要なだけである。
【0016】
この装置が、第2の通信網からデータメッセージを受信し、そのデータメッセージを読んで要求されたデータサービスを決定し、要求されたサービスの確立を可能にする第1のプロトコルにしたがって第1の通信網にメッセージを送信する手段を含むことが望ましい。
【0017】
通信プロトコルは、通話サービスを可能にする通信網プロトコルのためにDPNSSを、第2の通信網上で動作するプロトコルのためにDASS2を含んでいてもよい。
【0018】
本発明の第2の観点にしたがうと、少なくとも2つの構内網と、前記2つの構内網の間に接続され、前記少なくとも2つの構内網間の通話のルーティングを可能にする第3の通信網と、関連した構内網上で生成された通話をルーティングする各構内網に関連したものを、前記第3の通信網を介して、他の構内網に関連したものをルーティングする他の手段にルーティングする手段とを具備し、前記少なくとも2つの構内網が通話サービスを可能にする少なくとも1つの第1のプロトコルにしたがって動作し、前記第3の通信網が前記第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルにしたがって動作し、通話が第2のプロトコルにより管理された形態で送信され、各ルーティング手段が、構内網上のデータからサービス通話が要求されているか否かを決定し、前記第3の通信網を介して、要求されたサービスを示しているデータを含み、前記第2のプロトコルと両立性があるデータメッセージを送信する手段と、要求された通話サービスを確立するために、このようなデータメッセージを読んで、要求されたサービス通話を決定し、前記第1のプロトコルにしたがった関連する構内網上にデータメッセージを生成する手段とを含んでいることを特徴とする通信網が提供される。
【0019】
第1のプロトコルがDPNSSであり、第2のプロトコルがDASS1またはDASS2であり、メッセージが、通信網を介して、DASS1またはDASS2により可能にされるユーザ間メッセージとして送信されることが望ましい。
【0020】
本発明の別の観点にしたがうと、第1の通信プロトコルにしたがって構成され、通話サービスを要求している通話を受信し、第2のプロトコルと両立性があり、通話サービスを表しているデータを含んでいる1以上のデータメッセージを形成し、前記第2のプロトコルにしたがって動作する通信網を介して各データメッセージを送信し、通信網を介しての送信後に各データメッセージを受信し、各データメッセージにより表される要求された通話サービスを確立するステップを含み、別の通信網が、前記第1の通信プロトコルにより可能にされる通話サービスの少なくとも1つを可能にする通信プロトコルにしたがって動作することを特徴とするデータメッセージを生成する通信方法が提供される。
【0021】
図面を参照して、例としてのみ、本発明の特定の実施例をこれから説明する。
【詳細な説明】
【0022】
図2を参照すると、本発明にしたがった通信網21は、公衆電話交換網22、それぞれのPBXが(示されていない)関連する構内網を取扱っている4つのPBX23,24,25および26、ならびに3つの仮想私設網サーバVPNサーバ27、VPNサーバ28、およびVPNサーバ29を備えている。
【0023】
通信網21は多数の通信パスも含んでいる。通信パス30はPBX25をVPNサーバ27にリンクさせる一方、通信パス31はVPNサーバ27をPSTN22にリンクさせる。同様に通信パス32はPBX26をVPNサーバ28にリンクさせ、通信パス33はVPNサーバ28をPSTN22にリンクさせる。図2から、VPNサーバ29は2台のPBXにリンクされていることが分かる。通信パス34はVPNサーバ29をPBX23にリンクさせる一方、通信パス35はVPNサーバ29をPBX24にリンクさせる。別の通信パス36はVPNサーバ29をPSTN22にリンクさせる。
【0024】
各構内網は、電話機、ファクシミリ装置、コンピュータ、コンピュータモデムのようなよく知られたタイプの装置を含んでおり、これらは詳細に説明しない。
【0025】
通信パスは光ファイバから構成されているが、他の通信ケーブルから構成してもよい。
【0026】
PBXは、ノーザン・テレコム製のメリディアン1構内交換機であり、ロンドン、ニューゲートストリート81のブリテッシュ・テレコミュニケーション公開有限責任会社から入手可能である。
【0027】
各VPNサーバ27,28,29は、後に説明する方法で、プロトコル変換を信号送信し、プロトコル操作を信号送信することができる知的交換機である。VPNサーバ27および28は名目上同一であり、その構造は図3に示されているようなものであり、4つの主要構成部品、すなわちプロセッサ40、通話送受信機41、メモリ42およびプロセッサ命令手段45を備えている。
【0028】
VPNサーバ28に対して、通話送受信機41は、PBX26から発生した通信パス32上の通話と、PSTN22を通って到達したパス33上の通話とを受信する。また通話は、プロセッサ40の制御の下、通話送受信機41によりこれらのパスに再度方向付けられる。同様にVPNサーバ27に対して、通話はパス30,31上でその送受信機41により受信され、また通話はこれらのパスに再度方向付けることができる。
【0029】
VPNサーバ29は、別の通信パスの接続のみにおいてVPNサーバ27,28と異なっている。すなわち、通信パス34,35および36がその通話送受信機41に接続されている。
【0030】
通話送受信機41は、制御およびデータバス44によりプロセッサ40に接続されている。プロセッサ40は、通話送受信機41により受信された通話情報を解釈し、通話送受信機41にその通話をパスの適切な1つに再送信するように命令することができる。通話情報は、通話送受信機41により制御およびデータバス44に沿ってプロセッサ40に送られる。同じ制御およびデータバス44が、命令をプロセッサ40から通話送受信機41に伝える。
【0031】
メモリ42は、1組のルックアップテーブルとして構成される、ルーティングデータと対応するダイヤル数字ストリングのデータベースを記憶する。プロセッサ40は、後に説明するような方法で、データバス43により、ルックアップテーブルに記憶されているデータにアクセスすることができる。プロセッサ命令手段45はデータ記憶領域であり、要求された動作をするためにプロセッサ40が従う命令を記憶する。これはROM(読取り専用メモリ)の形態を採るが、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクや他のデータ記憶装置の形態を採ることもできる。
【0032】
図4は、各VPNサーバ27,28および29のメモリ42に保持されているテーブル46を示している。テーブル46は、電話ユーザによりダイヤルされるかもしれない数字ストリングの先頭数字が記憶されている第1のフィールド46aを持っている。先頭数字は、“9”,“22”,“33”,“34”および“44”を含んでいる。
【0033】
第2のフィールド46bは、ダイヤルされた先頭数字と関連されるべき完全なベアラー通話番号を含んでいる。先頭数字“9”は、ヌルベアラー通話番号に関連している。先頭数字“22”は、ベアラー通話番号“0642−224694”に関連している。先頭数字“33”は、ベアラー通話番号“0798−332040”に関連している。先頭数字“34”は、ベアラー通話番号“0798−332041”に関連している。先頭数字“44”は、ベアラー通話番号“0402−440103”に関連している。
【0034】
テーブル46は、先頭数字の入力がベアラー通話番号を返すようなルックアップテーブルとして構成されている。したがって、先頭数字“33”がテーブル46に入力されると、ベアラー通話番号“0798−332040”が返される。
【0035】
図2から分かるように、数字は以下のように通信網21の一部に割当てられている。
【0036】
VPNサーバ27は番号“0642 224694”に割当てられ、PBX25は番号“224”に割当てられ、PBX25によりサポートされている内線は、図では“XXX”により表されている。
【0037】
VPNサーバ28は番号“0402 440103”に割当てられ、自己が取扱うPBXを持っている。PBX26は番号“440”に割当てられている。再度説明すると、このPBXによりサポートされている内線は、番号範囲“XXX”に割当てられているものとして示されている。
【0038】
VPNサーバ29は、番号“0798 332040”と“0798 342041”に割当てられている。PBX23は番号“332”に割当てられ、その内線は図では“XXX”により表されている範囲の番号に割当てられている。PBX24は番号“342”に割当てられ、自己がサポートしている内線は図では“XXX”により表されている範囲の番号に割当てられている。
【0039】
構内網は、DPNSS−1(デジタル私設網信号システム)と呼ばれる通信プロトコルにしたがって動作する。このプロトコルは通信技術分野の当業者によく知られており、これにより、“空いている時のコールバック”や、“次に使用された時にコールバック”や、“使用中に迂回”や“集中化オペレータ”のような多数の通話サービスを可能にする。
【0040】
PSTN22は、DASS2(デジタルアクセス信号システムNo.2)と呼ばれる通信プロトコルにしたがって動作する。再度説明すると、このプロトコルは通信技術分野の当業者によく知られているが、通話サービスをサポートしないことに留意することが重要である。しかしながら、これにより、ユーザ間データメッセージの形態で2つのPBXノード間の信号送信が可能になる。
【0041】
ユーザ間データメッセージは、図5に示されているようなフォーマットを持っている。これは32バイト構造50を持っている。第1の1バイト51は、メッセージのMESSAGE_TYPEフィールドである。これは、データメッセージが完成か未完成かを意味している。これは、特定の1組のデータを伝えるのに多数のデータメッセージが必要な状況に対する要求を満たす。最初のものから終りから2番目までのデータメッセージは、データメッセージが未完成であることを意味している第1のバイト51を持っており、最後のデータメッセージは、そのデータメッセージが完成であることを意味している第1のバイト51を持っている。第2のバイト52は、データフィールド53で伝えられるデータの長さを意味している。データフィールド53には、30バイトのメッセージが割当てられる。
【0042】
異なるPBXにより取扱われる内線間に通話が確立されるべき時には、通信網21は、図6に示されているような方法で動作する。図では、プリフィックスP1は、メッセージが第1のプロトコルDPNSSにしたがって構成されていることを意味し、プリフィックスP2は、メッセージが第2のプロトコルDASS2にしたがって構成されていることを意味している。
【0043】
第1のユーザがPBX24により取扱われる内線上に存在し、PBX25により取扱われる内線上の第2のユーザを呼出したいと仮定する。第1のユーザは、外線のために、その後に内線への直接接続(交換台オペレータを介さずにいくという意味で直接)のためのPSTN番号“0642 224XXX”が後続する“9”をダイヤルする。
【0044】
“9−0642 224XXX”のダイヤル操作により、メッセージP1_CALL(9−0642 224XXX)がPBX24からVPNサーバ29に送られるようになる。VPNサーバ29は、通信パス35に沿ってこれを受信する。通話送受信機41は、メッセージをプロセッサ40に送る。プロセッサ40は、メモリ42に保持されているルックアップテーブル46に先頭数字9を入力する。ルックアップテーブルはベアラー通話番号を返し、これはこの場合ヌルである。その後プロセッサ40は、通話送受信機41に先頭数字“9”を削除するように命令し、DASS2プロトコルにしたがった通話メッセージP2_CALL(0642 224XXX)が、PSTN22を介してVPNサーバ27に送られる。VPNサーバ27は、このメッセージをDPNSSにおいてこれに等価なものであるP1_CALL(0642 224XXX)に変換する。
【0045】
その後PBX25が、受領通知メッセージP1_ACKをVPNサーバ27に送る。VPNサーバ27は、受領通知メッセージP2_ACKをPSTN22を介してVPNサーバ29に送る。そしてVPNサーバ29は、P1_ACKをPBX24に送る。
【0046】
そしてPBX25はP1_ANSWERメッセージを送り、これにより、VPNサーバ27がP2_ANSWERをPSTN22を介してVPNサーバ29に送ることになる。VPNサーバ29は、P1_ANSWERメッセージをPBX24に送る。
【0047】
その後、2つの内線間の会話通信を開始することができる。
【0048】
図7は、PSTN22を介して、異なるPBXにより取扱われる内線間に通話サービスが利用されるべき時に起こるメッセージシーケンスを示している。PBX25により取扱われる第1の内線から、PBX23により取扱われる第2の内線に通話がなされ、通話が通話サービスを利用すると仮定する。再度この図を見ると、プリフィックスP1は、プロトコルDPNSSに適合するメッセージに付けられ、プリフィックスP2は、プロトコルDASS2に適合するメッセージに付けられる。
【0049】
通話を設定するために、PBX25は、通話サービスのためのコードを含んでいるダイヤル数字ストリングを第1の内線から受信する。そしてPBX25は、VPNサーバ27にメッセージP1_CALL(SERVICE+332XXX)を送る。ここで、332XXXはPBX23により取扱われる第2の内線であり、SERVICEは要求された特定の通話サービスに対するコードである。
【0050】
VPNサーバ27はそのメッセージを受信し、内線番号の最初の2つの数字“33”をそのルックアップテーブル46に入力する。このルックアップテーブルは、ベアラー通話番号0798−332040を返す。プロセッサ40は、通話受信機41からメッセージP2_CALL(UUD+0798−332040)を送信する。このメッセージは、PSTN22を介してVPNサーバ29に送信される。VPNサーバ29は、P2_ACK受領通知メッセージをPSTN22を介してVPNサーバ27に送る。この後に、P2_ANSWERメッセージが続く。
【0051】
そしてVPNサーバ27は、DASS2プロトコルのUUDで、元の通話メッセージP1_CALL(SERVICE+332XXX)を送る。これは図7において、メッセージP2_UUD(P1_CALL(SERVICE+332XXX))として示されている。これは、“トランスペアレント”状態でPSTN22を介してVPNサーバ29に伝わる。言い換えると、番号変換やプロトコル変換は実行されないが、元のメッセージが、UUDと両立するDASS2内で伝えられる。
【0052】
そしてVPNサーバ29のプロセッサ40は、UUDからDPNSSメッセージP1_CALL(SERVICE+332XXX)を取り出す。そしてプロセッサ40は、そのメッセージをPBX23に送る。したがって、PBX23に対して、PBX25から直接的にそのメッセージが受信されたことは明らかであること、すなわち、これはDPNSS通話であることが分かる。
【0053】
そしてPBX23は、P1_ANSWERが後続する受領通知メッセージP1_ACKを返す。これらは、VPNサーバ29によりUUDにロードされ、P2_UUD(P1_ACK)およびP2_UUD(P1_ANSWER)を形成し、これらはPSTN22を介してVPNサーバ27に送られる。そしてVPNサーバ27は、DPNSSメッセージを取り出し、それらをPBX25に送る。会話を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、専用回線および公衆電話交換網により内部リンクされている多数の構内交換機の従来技術の通信網を示している。
【図2】図2は、本発明にしたがった通信網を示している。
【図3】図3は、本発明にしたがった仮想私設網サーバを示している。
【図4】図4は、図3に示されているVPNサーバのメモリに記憶されているメモリ構造を示している。
【図5】図5は、図2に示されている通信網で使用されるプロトコルと両立性があるユーザ間データメッセージ(UUD)を示している。
【図6】図6は説明図である。
【図7】図7は説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用において、第1の通信網により生成された通話を第2の通信網を介して第3の通信網に送信し、前記第1の通信網が通話サービスを可能にする第1の通信プロトコルにしたがって動作し、前記第3の通信網が前記第1の通信プロトコルにより可能にされる通話サービスの少なくとも1つを可能にする通信プロトコルにしたがって動作し、前記第2の通信網が前記第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルにしたがって動作し、前記第2の通信網により前記第1の通信網から前記第3の通信網に通話がルーティングされるべき通話が通話サービスを要求するか否かを決定する手段を具備する装置において、
前記第2の通信プロトコルと両立性があるデータメッセージおよび通話を生成する手段と、
前記通話およびデータメッセージを前記第2の通信網を介して前記第3の通信網に送信する手段とを具備し、
前記データメッセージは、要求されたサービスを示し、前記第3の通信網の構成要素により読み取られて、適切な通話サービスが確立されることを特徴とする装置。
【請求項2】
接続を確立させることが望まれている前記第3の通信網の構成要素を示しているダイヤル数字ストリングが、前記第2の通信プロトコルと両立性があるデータメッセージの形態で送信する手段により送信されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第3の通信網の構成要素への接続を可能にするデータと、ダイヤル数値のルックアップテーブルへの入力が、前記第3の通信網の構成要素への接続を可能にするデータのルックアップテーブルからの返還になるように構成された対応するダイヤル数字とを含んでいるルックアップテーブルを具備していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されているような少なくとも第1および第2の装置と、第1の通信網と、第2の通信網と、第3の通信網とを具備し、
前記第1の通信網が通話サービスを可能にする第1の通信プロトコルにしたがって動作し、前記第3の通信網が前記第1の通信プロトコルにより可能にされる通話サービスの少なくとも1つを可能にする通信プロトコルにしたがって動作し、前記第2の通信網が前記第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルにしたがって動作し、
前記第1の装置は、使用において、前記第2の通信網を介して前記第1の通信網から生成された通話を前記第2の装置にルーティングするように構成され、
前記第2の装置は、このような通話を受入れて、それらを前記第3の通信網の適切な構成要素にルーティングするように構成されていることを特徴とする通信網。
【請求項5】
少なくとも2つの構内網と、
前記少なくとも2つの構内網の間に接続され、前記少なくとも2つの構内網間の通話のルーティングを可能にする第3の通信網と、
関連した構内網上で生成された通話をルーティングする各構内網に関連したものを、前記第3の通信網を介して、他の構内網に関連したものをルーティングする他の手段にルーティングする手段とを具備し、
少なくとも2つの構内網が、通話サービスを可能にする少なくとも1つの第1のプロトコルにしたがって動作し、前記第3の通信網が、前記第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルにしたがって動作し、
各ルーティング手段が、
構内網上のデータからサービス通話が要求されているか否かを決定し、前記第3の通信網を介して、要求されたサービスを示しているデータを含み、前記第2のプロトコルと両立性があるデータメッセージを送信する手段と、
要求された通話サービスを確立するために、このようなデータメッセージを読んで、要求されたサービス通話を決定し、前記第1のプロトコルにしたがった関連する構内網上にデータメッセージを生成する手段とを含んでいることを特徴とする通信網。
【請求項6】
第1の通信プロトコルにしたがって構成され、通話サービスを要求している通話を受信し、
第2のプロトコルと両立性があり、通話サービスを表しているデータを含んでいる1以上のデータメッセージを形成し、
前記第2のプロトコルにしたがって動作する通信網を介して各データメッセージを送信し、
通信網を介しての送信後に各データメッセージを受信し、
各データメッセージにより表される要求された通話サービスを確立するステップを含み、
別の通信網が、前記第1の通信プロトコルにより可能にされた通話サービスの少なくとも1つを可能にする通信プロトコルにしたがって動作することを特徴とするデータメッセージを生成する通信方法。
【請求項7】
ダイヤル数字ストリングを受信し、
前記ダイヤル数字ストリングを前記第2のプロトコルと両立性がある1以上のデータメッセージにロードして、前記第2の通信プロトコルにしたがって動作する通信網を介して前記データメッセージを送信し、
前記通信網を介する送信後に各データメッセージを受信して、ダイヤル数字ストリングを前記別の通信網に送信することを特徴とする請求項6記載の通信方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載されたような方法により生成されたことを特徴とするデータメッセージ。
【請求項9】
プロセッサに請求項6または請求項7に記載されたような方法を実行するように命令することを特徴とするプロセッサ命令手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−129730(P2007−129730A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−310460(P2006−310460)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【分割の表示】特願平8−506275の分割
【原出願日】平成7年7月12日(1995.7.12)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】