説明

通信装置、その通信装置のIPアドレス設定方法およびIPアドレス設定プログラム

【課題】
センター側から広域ネットワークを介してリモート側のネットワークのアドレス割当てを変更する場合に、変更後のIPアドレスに対して障害が発生する可能性を予測し、適切に対処するネットワーク管理技術を提供する。
【解決手段】
割当てられるIPアドレスに基づいてネットワーク通信を制御する通信制御部と、前記IPアドレスと異なる復帰IPアドレスを記憶する記憶部と、前記IPアドレスに対するパケットの受信を監視し、所定の時間において前記パケットの受信を検出しないとき、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するIPアドレス制御部とを具備する通信装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、その通信装置のIPアドレス設定方法およびIPアドレス設定プログラムに関し、特にグローバルIPネットワークを介してIPアドレスの設定が可能な通信装置、その通信装置のIPアドレス設定方法およびIPアドレス設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの普及と通信技術の進歩により、コンピュータネットワークが普及し、広く利用されている。一般的に、コンピュータネットワークには、そのネットワークを管理する管理者が存在する。管理者は、稼働しているネットワークシステムを監視し、問題が発生した場合などに、正常に稼働するように適切な処置を施している。近年のコンピュータネットワークの普及に伴って、ネットワークを利用するユーザの数は増加の一途をたどっている。従って、管理者は、ユーザの増加や、新たなネットワークの増加などに対応したネットワークシステムの拡大を行っている。このようなネットワークの拡大に伴って、アドレス割当ての変更が要求される機会も増加している。
【0003】
従来、管理者は個々のネットワークをそれぞれ独立に管理していた。特に、複数のLAN(ローカルエリアネットワーク)が広域ネットワーク(例えば、インターネット)に接続されているようなネットワークを、少数の管理者で管理する場合には、ネットワークの拡大に伴う管理者の負担が大きかった。近年、インターネットの普及と広域的にネットワークを管理する技術(例えば、SNMP:Simple Network Management Protocol)の登場によって、遠隔監視によるネットワーク管理が実行できるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
SNMPなどを利用してネットワーク管理を行う場合、SNMPマネージャを有する管理サーバ(以下、センター側管理装置と呼ぶ。)と、SNMPエージェントを有する管理対象機器(以下、リモート側通信装置と呼ぶ。)との間で情報をやり取りすることでネットワーク管理が実現されている。リモート側通信装置が複数存在し、それぞれのIPアドレスを変更する場合、まず下位側の通信装置のIPアドレスを変更後、上位側の通信装置のIPアドレスをセンター側から変更していた。このとき、IPアドレスの入力間違いやその他の原因で、変更後のIPアドレスで正しくネットワークアクセスができない場合には、管理者は現地に行ってローカルでIPアドレスを確認しなければならなかった。そのため、SNMPを利用しているにもかかわらず、IPアドレスの変更作業に要する時間や費用が増加してしまうという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2004−032103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、センター側から広域ネットワークを介してリモート側のネットワークのアドレス割当てを変更する場合に、変更後のIPアドレスに対して障害が発生する可能性を予測し、適切に対処するネットワーク管理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
上記課題を解決するために、割当てられるIPアドレス(33b)に基づいてネットワーク通信を制御する通信制御部(33)と、前記IPアドレス(33b)と異なる復帰IPアドレスを記憶する記憶部(35a)と、前記IPアドレス(33b)に対するパケット(S106)の受信を監視し、所定の時間(41b)において前記パケットの受信を検出しないとき、前記IPアドレス(33b)を前記復帰IPアドレス(41d−1〜41d−4)に更新するIPアドレス制御部(35)とを具備する通信装置を構成する。これによって、IPアドレス変更作業が完了した後に、適切にIPアドレスの変更が完了していたら、その通信装置が当然に受信するべきパケットを受信しないことによって、IPアドレス変更作業が不適切に行われたことを自動的に検出する。
【0009】
その通信装置において、前記記憶部(35a)は、複数の前記復帰IPアドレスを保持する。そして、前記複数の前記復帰IPアドレスは、それぞれ優先度を有するものであり、前記IPアドレス制御部(35)は、前記優先度に基づいて、前記IPアドレス(33b)を前記復帰IPアドレスに更新する。
【0010】
その通信装置において、前記記憶部(35a)は、前記複数の前記復帰IPアドレスを保持する復帰IPアドレス格納領域(41d−1〜41d−4)と、前記IPアドレスを保持するIPアドレス格納領域(42)とを含むように構成されていることが好ましい。そして、前記IPアドレス制御部(35)は、ネットワーク(10、11、12、13、14)を介して供給されるIPアドレス変更命令を受信し、前記IPアドレス変更命令に応答して、現在IPアドレスを前記復帰IPアドレスとして前記復帰IPアドレス格納領域に格納し、前記ネットワークを介して供給される新たなIPアドレスを前記IPアドレス格納領域に格納する。そのうえで、前記通信制御部(33)は、前記IPアドレス格納領域に保持される前記IPアドレスに基づいて前記ネットワーク通信を制御する。
【0011】
その通信装置において、前記記憶部(35a)は、前記優先度を示す優先度情報を保持する優先度格納領域(41e)を含むように構成されていることが好ましい。そして、前記IPアドレス制御部(35)は、ネットワーク(10、11、12、13、14)を介して送信される前記優先度情報を、前記復帰IPアドレスに関連付けて前記優先度格納領域(41e)に格納する。そのうえで、前記優先度情報に基づいて、前記IPアドレスから前記復帰IPアドレスに更新するときの優先度を特定する
【0012】
その通信装置において、さらに、タイマカウンタ装置(35b)を具備するように構成されることが好ましい。そして、前記IPアドレス制御部(35)は、前記タイマカウンタ(35b)のカウント値に基づいて前記所定の時間を計測する。さらに、その通信装置において、前記記憶部(35a)は、設定時間格納領域(41b)をさらに備るように構成されることが好ましい。そして、前記IPアドレス制御部(35)は、ネットワーク(11,12,13,14)を介して送信される前記所定の時間の設定値(切替えタイマ値)を前記設定時間格納領域(41b)に格納する。そのうえで、前記IPアドレス制御部(35)は、前記設定値とカウント値に基づいて前記所定の時間を計測する
【0013】
その通信装置において、前記記憶部(35a)は、前記パケットの受信の監視を制御するための監視動作停止フラグ格納領域(41f)を含むように構成されていることが好ましい。そして、前記IPアドレス制御部(35)は、前記監視動作停止フラグ格納領域(41f)に格納される監視動作停止フラグに基づいて前記パケットの受信の監視動作を停止する。
【0014】
その通信装置において、前記IPアドレス制御部(35)は、前記IPアドレス(33b)から更新された前記復帰IPアドレスに対応する復帰IPアドレス宛パケットの受信を監視し、所定の時間において前記復帰IPアドレス宛パケットの受信を検出しないとき、前記優先度(41e)に基づいて、前記復帰IPアドレスを他の復帰IPアドレスに更新する。
【0015】
その通信装置において、前記IPアドレス制御部(35)は、前記所定の時間において実行する監視動作に対応して、前記IPアドレス(33b)を前記復帰IPアドレスに更新したときに、前記更新された前記復帰IPアドレスを前記ネットワークを介して所定の管理装置の宛てに送信する。
【0016】
また上記課題を解決するために、以下の方法を用いて変更されたIPアドレスの再変更を行う。その方法は、
(a)割当てられるIPアドレスに基づいてネットワーク通信を制御するステップと、
(b)前記IPアドレスと前記IPアドレスと異なる復帰IPアドレスとを読み出すステップと、
(c)前記IPアドレスに対するパケットの受信を監視するステップと、
(d)所定の時間において前記パケットの受信を検出しないとき、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップを具備するIPアドレス復帰方法である。
【0017】
そのIPアドレス復帰方法において、さらに、
(e)予め複数の前記復帰IPアドレスを保持するステップと、
(f)前記複数の前記復帰IPアドレスに、それぞれ優先度(41e)を付与するステップと、
を含む方法であることが好ましい。そして、前記(d)ステップは、前記優先度(41e)に基づいて、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップを具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。
【0018】
そのIPアドレス復帰方法において、前記(e)ステップは、ネットワークを介して供給されるIPアドレス変更命令を受信するステップと、前記IPアドレス変更命令に応答して、現在IPアドレスを前記復帰IPアドレスとして復帰IPアドレス格納領域に格納するステップと、前記ネットワークを介して供給される新たなIPアドレスを前記IPアドレス格納領域に格納するステップを具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。
【0019】
そのIPアドレス復帰方法において、前記(f)ステップは、ネットワークを介して送信される優先度情報を、前記復帰IPアドレスに関連付けて優先度格納領域に格納するステップと、前記優先度情報に基づいて、前記IPアドレスから前記復帰IPアドレスに更新するときの優先度(41e)を特定するステップを具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。
【0020】
そのIPアドレス復帰方法において、前記(d)ステップは、タイマカウンタのカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップを具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。さらには、そのIPアドレス復帰方法において、前記(d)ステップは、ネットワークを介して送信され、予め格納された前記所定の時間の設定値を設定時間格納領域から読み出すステップと、前記読み出された前記設定値とカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップを具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。
【0021】
そのIPアドレス復帰方法において、さらに、
(g)予め監視動作停止フラグ格納領域に格納される監視動作停止フラグに基づいて前記パケットの受信の監視動作を停止するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。そして、そのIPアドレス復帰方法において、前記(d)ステップは、前記IPアドレスから更新された前記復帰IPアドレスに対する復帰IPアドレス宛パケットの受信を監視するステップと、所定の時間において前記復帰IPアドレス宛パケットの受信を検出しないとき、前記優先度(41e)に基づいて、前記復帰IPアドレスを他の復帰IPアドレスに更新するステップを具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。
【0022】
そのIPアドレス復帰方法において、さらに、
(h)前記所定の時間において実行する監視動作に対応して、前記IPアドレス格納領域に保持されているIPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新したときに、前記更新された前記復帰IPアドレスを前記ネットワークを介して所定の管理装置の宛てに送信するステップを具備するIPアドレス復帰方法であることが好ましい。
【0023】
さらに上記課題を解決するために、通信を制御する通信装置を動作させるコンピュータプログラムであって、
(a)割当てられるIPアドレスに基づいてネットワーク通信を制御するステップと、
(b)前記IPアドレスと前記IPアドレスと異なる復帰IPアドレスとを読み出すステップと、
(c)前記IPアドレスに対するパケットの受信を監視するステップと、
(d)所定の時間において前記パケットの受信を検出しないとき、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムを通信装置に搭載する。そしてそのプログラムを実行することで障害が発生した場合に、IPアドレスの再変更を行う。
【0024】
そのプログラムにおいて、さらに、
(e)予め複数の前記復帰IPアドレスを保持するステップと、
(f)前記複数の前記復帰IPアドレスに、それぞれ優先度(41e)を付与するステップと、
を含むように構成されることが好ましい。そして、前記(d)ステップは、前記優先度(41e)に基づいて、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。
【0025】
そのプログラムにおいて、前記(e)ステップは、ネットワークを介して供給されるIPアドレス変更命令を受信するステップと、前記IPアドレス変更命令に応答して、現在IPアドレスを前記復帰IPアドレスとして復帰IPアドレス格納領域に格納するステップと、前記ネットワークを介して供給される新たなIPアドレスを前記IPアドレス格納領域に格納するステップを具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。
【0026】
そのプログラムにおいて、前記(f)ステップは、ネットワークを介して送信される優先度情報を、前記復帰IPアドレスに関連付けて優先度格納領域に格納するステップと、前記優先度情報に基づいて、前記IPアドレスから前記復帰IPアドレスに更新するときの優先度(41e)を特定するステップを具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。
【0027】
そのプログラムにおいて、前記(d)ステップは、タイマカウンタのカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップを具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。そして、そのプログラムにおいて、前記(d)ステップは、ネットワークを介して送信され、予め格納された前記所定の時間の設定値を設定時間格納領域から読み出すステップと、前記読み出された前記設定値とカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップを具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。
【0028】
そのプログラムにおいて、さらに、
(g)予め監視動作停止フラグ格納領域に格納される監視動作停止フラグに基づいて前記パケットの受信の監視動作を停止するステップを具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。そして、そのプログラムにおいて、前記(d)ステップは、前記IPアドレスから更新された前記復帰IPアドレスに対する復帰IPアドレス宛パケットの受信を監視するステップと、所定の時間において前記復帰IPアドレス宛パケットの受信を検出しないとき、前記優先度(41e)に基づいて、前記復帰IPアドレスを他の復帰IPアドレスに更新するステップを具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。
【0029】
そのプログラムにおいて、さらに、
(h)前記所定の時間において実行する監視動作に対応して、前記IPアドレス格納領域に保持されているIPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新したときに、前記更新された前記復帰IPアドレスを前記ネットワークを介して所定の管理装置の宛てに送信するステップを具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明のよると、センター側から広域ネットワークを介してリモート側のネットワークのアドレス割当てを変更する場合に、変更後のIPアドレスに対して障害が発生する可能性を予測し、適切に対処することができる。
【0031】
本発明は、IPアドレスの変更作業時に何らかの原因で新規IPアドレスへの変更作業が失敗した場合でも、本装置は変更後に受信するはずの新規IPアドレスを持ったパケットを受信しない状態を検出することで元のIPアドレスに自動的に復帰する。したがって新規IPアドレスへの変更作業が失敗した場合でも、管理者が現地に行くことなく、再度センター側からIPアドレスの変更作業を実施することが可能となる。そのためネットワーク管理に係る時間や費用を抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
[第1の実施形態の構成]
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の実施形態におけるネットワークシステムの構成を示すブロック図である。図1に示されているように、本実施形態のネットワークシステムは、グローバルIPネットワーク10と、センター側ローカルIPネットワーク11と、リモート側ローカルIPネットワーク12と、ユーザローカルIPネットワーク13とを含んで構成されている。以下に述べる本発明の実施形態では、グローバルIPネットワーク10がインターネットである場合を例示して説明を行うが、これは、本発明のネットワーク管理がインターネットを介して実行することに制限されるものではない。また、本実施の形態におけるネットワークシステムは、RFC791で規定されているIPv4を使用しているものとするが、本発明は上記IPv4に限定されるものではない。
【0033】
センター側ローカルIPネットワーク11は、管理対象の装置(以下。リモート側通信装置と呼ぶ。)を管理する管理装置1を有するネットワークである。センター側ローカルIPネットワーク11には、管理用のローカルIPアドレスが割当てられている。センター側ローカルIPネットワーク11に備えられた管理装置1は、グローバルIPネットワーク10を介して管理対象装置の管理(以下、ネットワーク管理と呼ぶ。)を実行するための機能を備えているコンピュータである。以下の実施形態における管理装置1は、その機能としてSNMP(SNMP:Simple Network Management Protocol)を利用してネットワーク管理を実行しているものとする。従って管理装置1は、SNMPマネージャを使用して、複数のリモート側通信装置3に備えられているSNMPエージェントと情報通信を行うことで、ネットワーク管理(アドレスの変更など)を実行している。
【0034】
図1に示されているように、グローバルIPネットワーク10とセンター側ローカルIPネットワーク11とは、ルータ2を介して接続されている。ルータ2は、複数のネットワーク同士を接続する装置(ソフトウェア)である。図1に示されているルータ2は、ネットワーク上でデータを送信先へ届ける経路の中で、最適な経路を見つける機能を有している。また、ルータ2は、NAT(Network Address Translation)等の機能を備えている。したがって、ルータ2はグローバルIPネットワーク10のグローバルアドレスとプライベートアドレスとを相互に変換することができる。そのため、ルータ2は、1つのIPアドレスを複数の端末で共有させることが可能である。また、ルータ2は、複数のプロトコルを相互に変換し、データの受け渡しが円滑に行われるように制御する機能を有していることが好ましい。
【0035】
リモート側ローカルIPネットワーク12は、管理装置1によって管理される管理対象の装置(リモート側通信装置)を備えるネットワークである。通信装置3にはリモートIPアドレスが割当てられている。リモートIPアドレスは、管理装置1からの命令に対応して書き換え可能なIPアドレスである。リモート側ローカルIPネットワーク12内に備えられたリモート側通信装置3は、自身に割当てられたリモートIPアドレスに基づいて送受信されるパケットの処理を実行することで、リモート側ローカルIPネットワーク12を構築している。
【0036】
リモート側ローカルIPネットワーク12に備えられている通信装置3は、同じネットワーク内に備えられている通信子機4との間で通信路を確立する装置である。そして、通信装置3は、その通信路とリモート側通信装置3の上流(管理装置方向)側ネットワークとの通信経路の確保を行っている。本実施の形態において、図1に示されているリモート側通信装置3と通信子機4との実質的な相違は存在しない。本実施の形態の通信装置3は、例えば、xDSL通信を利用したブロードバンドにおけるアクセスポイント側に備えられたxDSL集合モデムに対応する。また、通信子機4は、上述のxDSL通信を利用したブロードバンドを例にすると、下流側ネットワークに備えられた単体モデムに対応する。
【0037】
ユーザローカルIPネットワーク13は、ユーザ設定のローカルIPアドレスを割当てられているネットワークである。図1を参照すると、ユーザローカルIPネットワーク13は、リモート側ローカルIPネットワーク12内に設置されたルータ2に接続されている。図1に示されているように、ユーザローカルIPネットワーク13はパーソナルコンピュータ5を備えている。パーソナルコンピュータ5は、そのルータ2を介してグローバルIPネットワーク10に接続する所定のノードと通信を確立する。
【0038】
図2は、本実施の形態の通信装置3の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、通信装置3はGigaEthernetインターフェース31と、MAC層処理部32と、IP層処理部33と、上位層処理部34と、IPアドレス制御部35と、コンソールインターフェース36と、複数の下流側マック層処理部(37−1〜37−n:nは任意の自然数)と、複数のVDSLインターフェース(38−1〜38−n)とを含んで構成されている。本実施の形態の通信装置3は、VDSLインターフェース(38−1〜38−n)を使用して通信子機4との通信路を確立しているが、これは、本発明の通信装置3が、VDSLのみに対応して通信を行うことを意味するものではない。
【0039】
図2を参照すると、GigaEthernetインターフェース31は、図1のルータ2に接続される接続インターフェースである。ここで図2には示されていないが、ルータ2にはGigaEthernetインターフェース31に対応するインターフェースを備えているものとする。GigaEthernetインターフェース31は、ルータ2から供給されるパケットを受け取りMAC層処理部32出力する。
【0040】
MAC層処理部32は、GigaEthernetインターフェース31から出力されたパケットのMACアドレスに基づいて、そのパケットの処理を実行する情報処理部である。図2に示されているように、MAC層処理部32はIP層処理部33に接続されている。MAC層処理部32は、GigaEthernetインターフェース31から出力されたパケットのMACアドレスが、通信装置3が有するMACアドレスであれば、そのパケットをIP層処理部33に渡す。そのMACアドレスが、通信装置3が有するMACアドレスと異なる場合、そのパケットを廃棄する処理を行う。
【0041】
IP層処理部33は、MAC層処理部32から出力されたパケットのIPアドレスに基づいてパケット処理を実行する情報処理部である。図2に示されているように、IP層処理部33は、上位層処理部34と、IPアドレス制御部35と、複数の下流側MAC層処理部(37−1〜37−n)とに接続されている。IP層処理部33は、通信装置3宛のIPアドレスを持つパケットを上位層処理部34に渡し、通信装置3宛のIPアドレスそは異なるIPアドレスを持つパケットをルーティングテーブル33aに従って決定された出力インタフェースに送出する処理を行う。IP層処理部33に備えられたルーティングテーブル33aは、IP層処理部33が、受信パケットのIPアドレスに基づいて出力先インタフェースを決定する場合に参照するルーティングテーブルである。
【0042】
上位層処理部34は、IP層処理部33から出力された通信装置3宛のパケットの終端処理を実行する情報処理部である。図2に示されているように、上位層処理部34は、IPアドレス制御部35に接続されている。複数のVDSLインターフェース(38−1〜38−n)は、リモート側ローカルIPネットワーク12に備えられた通信子機4のいずれかと接続され、VDSL回線上の信号の送受信を行う通信インターフェースである。複数の下流側MAC層処理部(37−1〜37−n)は、前述のVDSLインタフェースから出力されたパケットの処理を行う情報処理部である。図2に示されているように、下流側MAC層処理部(37−1〜37−n)は、複数のVDSLインターフェース(38−1〜38−n)に一対一に構成されている。
【0043】
IPアドレス制御部35は、本発明のIPアドレス処理を実行する制御装置である。IPアドレス制御部35は、マイクロプロセッサ等の情報処理装置と、RAM(Random Access Memory)等の作業領域とを備えている。図2に示されているように、IPアドレス制御部35は、上記の作業領域とは別に、本発明の動作を実行するための情報を保持する記憶部35aを備えている。IPアドレス制御部35は、記憶部35aに保持されている情報に基づいてIPアドレスの設定に関する処理を実行する。IPアドレス制御部35の詳細な動作に関しては後述する。
【0044】
コンソールインターフェース36は、ユーザがコンソール用端末を接続するためのインターフェースである。図2に示されているように、コンソールインターフェース36は、IPアドレス制御部35に接続されている。コンソールインターフェース36は、パーソナルコンピュータなどの入出力装置(図示されず)に接続されていることが好ましい。そして、コンソールインターフェース36は、その入出力装置から供給される命令をIPアドレス制御部35に対して出力する。また、コンソールインターフェース36はIPアドレス制御部35から出力される情報を入出力装置に供給する。
【0045】
図3は、管理装置1の構成を示すブロック図である。図3を参照すると、管理装置1は、CPU21と、メモリ22と、大容量記憶装置23と、通信部24と、出力部25と、入力部26とを含んで構成されている。図3に示されているように、それらはバス27を介して互いに接続されている。
【0046】
CPU21は、管理装置1に備えられた各種装置の制御や、管理装置1に供給されるデータの処理を実行する中央演算処理装置である。CPU21は、管理装置1がルータ2または通信装置3のIPアドレスの設定に関する処理を実行するときに、所定のプログラムを読み込む。そして、CPU21は、そのプログラムに基づいて、ネットワークを介してIPアドレス設定に関する処理を実行する。
【0047】
メモリ22は、電気的にデータを記憶する記憶媒体である。メモリ22は、CPU21が所定の情報処理を実行するときの作業領域として用いられる。メモリ22は、半導体記憶装置で構成されていることが好ましく、より好ましくは高速にデータの読み出し/書き込みをおこなえるRAM(Random Access Memory)で構成されていることが好ましい。
【0048】
大容量記憶装置23は、電気的または磁気的に情報を記憶する記憶媒体である。大容量記憶装置23は、不揮発的に情報を保持する記憶媒体で構成されていることが好ましい。本実施の形態の大容量記憶装置23は、ハードディスクドライブで構成されているものとする。大容量記憶装置23には、管理装置1がネットワークを介して、複数のルータ2および複数の通信装置3のIPアドレス等の設定を行うとき使用されるソフトウェアを格納されている。図3に示されているように、大容量記憶装置23は、SNMPマネージャ23aを備えている。管理装置1は、SNMPマネージャ23aを読み込み、通信部24を介して所望のルータ2または通信装置3に接続し、そのルータ2または通信装置3と通信を行う。出力部25は、CPU21が実行した情報処理結果を所定の出力装置に出力する情報出力機能ブロックである。図3に示されている出力部25は、図示されていない表示装置など、所定の情報を表示する装置にせつぞくされている。入力部26は、管理装置1に供給される命令を受け取り、所定の機能ブロックに出力するインターフェースである。入力部26は、図示されていない入力装置(例えば、キーボードなど)から供給される命令を受け取り、管理装置1の内部で処理できる形式に変換した後、バス27を介して所定の機能ブロック(例えばCPU21など)に出力する。
【0049】
図4は、前述の記憶部35aに保持されるIPアドレス設定テーブル40の構成を示す図である。図4を参照すると、IPアドレス設定テーブル40は、ユーザ設定項目41と、設定値42との二つの領域を有し、各領域に対応してIPアドレス変更に関する設定データを保持している。図4に示されているように、項目41は、自動IPアドレス切替えフラグ41a〜切替え結果通知フラグ41hに対応する各データを保持している。
【0050】
自動IPアドレス切替えフラグ41aは、後述するIPアドレス変更動作における、自動切り替えを実行するかどうか判定に使用されるデータを保持する領域である。自動IPアドレス切替えフラグ41a対応する設定値42が有効の場合、IPアドレス変更動作時の自動切り替え処理が実行される。切り替えタイマ値41bは、上述の自動切り替えを実行するまでの時間に関する設定データを保持する領域である。通信装置3は、切り替えタイマ値41bに対応する設定値42に基づいて、自動切り替えを実行するまでの時間を特定する。通信装置3は、IPアドレス変更後、その時間が経過したときに、所定の条件を満たす場合には、IPアドレスの自動切り替えを実行する。
【0051】
復帰IPアドレス登録数41cは、後述する復帰IPアドレスの登録数を保持する領域である。復帰IPアドレス登録数41cに対応する設定値42に設定される値に対応して、IPアドレス設定テーブル40には、複数の復帰IPアドレス(41d−1〜41d−4)が登録される。なお、図4には、本発明の理解を容易にするために、最大登録数を4としているが、これは本発明における復帰IPアドレス登録数41cを制限するものではない。第1復帰IPアドレス41d−1〜第4復帰IPアドレス41d−4は、IPアドレスの変更が実行された後、所定の時間経過したときであっても一定の条件を満たさないときに、自動的に切り替えるIPアドレスを保持する領域である。図4に示されているように、IPアドレス設定テーブル40は復帰IPアドレスとして、復帰IPアドレス登録数41cに設定された数のIPアドレスを保持している。
【0052】
優先度41eは、現在のIPアドレスを復帰IPアドレスに更新するときの優先度に関する情報を保持する領域である。通信装置3は、復帰IPアドレスとして複数の異なるIPアドレスが設定されている場合、その優先度41eに基づいて択一的にIPアドレスを選択する。通信装置3は、現在のIPアドレスを選択したIPアドレスに更新することで、IPアドレスの自動切り替えを実行する。
【0053】
再切替えフラグ41fは、複数の復帰IPアドレスが登録される場合に、IPアドレス自動切り替えが実行された後、再度所定の時間経過したとき、さらに他の復帰IPアドレスに切り替えるかを判定するため情報を格納する領域である。具体的には、例えば、図4に示されているように、現在のIPアドレスを第1復帰IPアドレス41d−1に更新した後に、一定の条件を満たす場合、通信装置3は、その第1復帰IPアドレス41d−1の次に優先順位の高いIPアドレス(例えば、第2復帰IPアドレス41d−2)を抽出し、そのIPアドレスへ更新を行う。
【0054】
切替え結果通知先IPアドレス41gは、通信装置3がIPアドレスの自動切り替えを実行しことを通知する通知先に関する情報を保持する領域である。本実施の形態において、その通知先が管理装置1であることを前程に説明を行うが、これは、本発明における通知先を限定するものではない。切替え結果通知フラグ41hは、前述の切替え結果通知先IPアドレス41gに対応する設定値42にIPアドレスが設定されている場合に、実際に通知を行うかどうかの判定にしようされる情報を保持する領域である。通信装置3は、切替え結果通知フラグ41hに対応する設定値42に、有効フラグが立てられているとき、その通知先IPアドレスにIPアドレスの自動切り替えが実行されたことを通知する。
【0055】
[第1の実施形態の動作]
以下に、図面を参照して本実施の形態の動作について説明を行う。図5は、本実施の形態における、ルータ2および通信装置3のIPアドレス変更動作を示すフローチャートである。ここで、ルータ2および通信装置3は、通常モードとアドレス変更モードとを切り替えられる構成であることが好ましい。本実施の形態の管理装置1は、前述したようにネットワークを介して接続される装置のIPアドレスを変更する機能を備えている。図5に示されている動作は、主に管理装置1が実行する動作である。図5を参照すると、そのフローチャートの動作は、管理装置1が、ネットワークを介して所定の通信装置3に接続すると開始する。
【0056】
図5のステップS101において、管理装置1は、ネットワークを介して接続する通信装置3を御ドレス変更モードに切り替えた後、通信装置3に設定されているIPアドレスを現在のIPアドレス(以下、現在IPアドレスと呼ぶ。)から新IPアドレスに変更(書き換え)する。
【0057】
ステップS102において、管理装置1は、復帰IPアドレスの登録を行う。このとき、管理装置1は、現在IPアドレスを優先度の高い復帰IPアドレス(例えば、図4の第1復帰IPアドレス41d−1)としてIPアドレス設定テーブル40に登録しておくことも可能である。これによって、新IPアドレスに対する設定ミスなどが発生した場合に、速やかに旧IPアドレス(設定変更前のIPアドレス=現在IPアドレス)に戻すことが可能になる。
【0058】
ステップS103において、管理装置1は、通信装置3が新IPアドレスに更新された後、新IPアドレス宛てのパケットの受信を監視する時間(以下、切り替えタイマ値と呼ぶ。)を設定する。管理装置1は、その設定値をネットワークを介して現在接続している通信装置3の切り替えタイマ値41bに格納する。
【0059】
ステップS104において、通信装置3の再起動が実行される。通信装置3は、管理装置1との接続が切断されたことに応答して、自動的に再起動動作を実行する。また、管理装置1がネットワークを介して再起動命令を送信し、通信装置3が、その再起動命令に応答して再起動動作を実行する構成でもよい。
【0060】
ステップS105において、管理装置1は、上述の通信装置3に接続されているルータ2のIPアドレス(通信装置3側のアドレス)を新IPアドレスに対応するアドレスに変更する。その後、ステップS106において、新IPアドレス宛てに確認用パケットを送信する。ステップS107において、管理装置1は、ステップS103で設定した切り替えタイマ値に対応する時間が経過したら、IPアドレスを変更した通信装置3への接続テストを実行する。
【0061】
ステップS108において、管理装置1は、新IPアドレスで通信装置3にアクセスできたかどうかの判断を行う。新IPアドレスで通信装置3に接続できた場合、処理は終了する。新IPアドレスで通信装置3に接続できない場合、処理はステップS109に進む。ステップS109において、管理装置1は、復帰IPアドレスで通信装置3に対する接続テストを実行する。
【0062】
ステップS110において、復帰IPアドレスで通信装置3に接続した管理装置1は、その通信装置3のIPアドレスの再設定を実行するかどうかの判断を行う。再設定をする場合、処理はステップS101に戻り、IPアドレスの再設定が実行される。再設定を行わない場合、処理は終了する。
【0063】
これによって、ネットワークを介して通信装置3のIPアドレスを変更したときに、設定の間違い等により、IPアドレス変更後の通信装置3に接続できず、再設定が不可能になってしまう不具合を防止することが可能になる。
【0064】
図6は、IPアドレスの変更が行われた通信装置3の動作を示すフローチャートである。図6を参照すると、そのフローチャートに示される動作は、通信装置3が、ネットワークを介して管理装置1に接続されると開始する。ステップS201において、通信装置3は、管理装置1から送信される命令に応答して通常モードからアドレス変更モードへ移行する。アドレス変更モードの移行した通信装置3は、ネットワークを介して管理装置1送信される設定データに基づいて、IPアドレス設定テーブル40の設定値42を更新する。ステップS202において、設定値42の更新が完了した通信装置3は、その装置の再起動が実行される。再起動実行後、処理はステップS203に進む。
【0065】
ステップS203において、通信装置3は、現在ネットワークの構築に使用されているIPアドレスが、新IPアドレスに変更されているかどうかの判断を行う。具体的には、通信装置3のIPアドレス制御部35は、IPアドレス設定テーブル40の複数の復帰IPアドレス(41d−1〜41d−4)に設定されているIPアドレスと、IP層処理部33に保持されている現在IPアドレス33bとの比較を行う。IPアドレス制御部35は、その比較の結果、現在IPアドレス33bと一致するIPアドレスがIPアドレス設定テーブル40に保持されていない場合、現在IPアドレス33bが新IPアドレスへ変更されていると判断し、処理はステップS204に進む。その比較の結果、現在IPアドレス33bがIPアドレス設定テーブル40に保持されている復帰IPアドレスに一致するときは、新IPアドレスからの復帰動作が行われたと判断し、処理はステップS205に進む。
【0066】
ステップS204において、IPアドレス制御部35は、IPアドレス設定テーブル40を参照して、自動IPアドレス切替えフラグ41aの設定値42に“有効”を示す値が保持されているかどうかの判断を行う。その判断の結果、自動IPアドレス切り替え機能が動作しているとき、現在のIPアドレスが正常に設定されているかどうかを判定するため、処理はステップS206に進む。その判断の結果、自動IPアドレス切り替え機能が動作してないとき、処理は、ステップS210に進み、アドレス変更モードから通常モードに移行する。
【0067】
ステップS205において、IPアドレス制御部35は、IPアドレス設定テーブル40を参照して、再切替えフラグ41fの設定値42に“有効”を示す値が保持されているかどうかの判断を行う。その判断の結果、再切替が有効に機能しているとき、やはり、現在のIPアドレスが正常に設定されているかどうかを判定するため、処理はステップS206に進む。その判断の結果、再切替機能が無効であった場合、処理はステップS210に進み、アドレス変更モードから通常モードに移行する。
【0068】
ステップS206において、IPアドレス制御部35は、タイマカウンタ35bのカウント値とIPアドレス設定テーブル40の切り替えタイマ値41bに設定されている値とに基づいて、所定の時間を計測する。ステップS207において、IPアドレス制御部35は、その所定時間が経過するまでに、GigaEthernetインターフェース31が、現在IP層処理部33に保持されている現在IPアドレス33b(新IPアドレスまたは復帰IPアドレス)宛てのパケットを受信したかどうかを監視する。その監視の結果、その現在IPアドレス33b宛てのパケットを受信した場合、処理はステップS208に進む。ステップS208において、IPアドレス制御部35は、その現在IPアドレス33b宛てのパケットを受信したことに応答して時間計測を停止する。その後、処理はステップS210に進み、アドレス変更モードを終了する。
【0069】
ステップS207において、その監視の結果、その現在IPアドレス33b宛てのパケットを受信しなかった場合、処理はステップS209に進む。ステップS209において、IPアドレス制御部35は、IP層処理部33の現在IPアドレス33bを新IPアドレスから復帰IPアドレスに変更して、通信装置3の再起動プログラムを実行する。再起動プログラム実行後、処理はステップS203に戻る。
【0070】
上述してきたように、本実施の形態のネットワークシステムは、先に述べた構成の通信装置3をネットワーク上に備えている。そしてネットワーク管理を実行する管理装置1は、その通信装置のIPアドレスの変更をそのネットワーク経由で実行する。このときに、IPアドレスの設定変更が適切に実行されなかった場合(例えば、変更するアドレスの設定ミスなどが発生した場合)、新たなIPアドレスが要因となってネットワーク障害が発生してしまうことがある。このような場合に、新たなIPアドレス(不適切なIPアドレス)を特定することが困難なため、通常はネットワーク経由で管理装置1から再設定を実行することができない。しかしながら、通信装置3を本実施の形態で述べてきたように動作させることで、不適切なIPアドレスを設定された通信装置は、自動的に適切なIPアドレスに更新することができる。
【0071】
そのため、IPアドレスの変更作業時に何らかの原因で新規IPアドレスへの変更作業が失敗した場合でも、本装置は変更後に受信するはずの新規IPアドレスを持ったパケットを受信しない状態を検出することで元のIPアドレスに自動的に復帰する。したがって新規IPアドレスへの変更作業が失敗した場合でも、管理者が現地に行くことなく、再度センター側からIPアドレスの変更作業を実施することが可能となる。そのためネットワーク管理に係る時間や費用を抑えることが可能となる。
【0072】
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態について説明を行う。図7は第2の実施形態における通信装置3aの構成を示すブロック図である。図7に示されている通信装置3aにおいて、第1の実施形態に述べる通信装置3と同じ符号が付されている機能ブロックは、第1の実施形態の通信装置3と同様の構成である。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と重複する部分に関しては、その説明を省略する。
【0073】
図7を参照すると、第2の実施形態の通信装置3aは、上流側の物理インターフェースとしてEthernet(登録商標)インターフェース53を備え、さらに下流側の物理インターフェースに複数の専用線インターフェース(50−1〜50−n)を備えて構成されている。ここでいう専用線とは、通信事業者とユーザ端末との間の特定区間に開設されるデータ通信専用の回線を示している。この専用線は、128kbps〜512kbps程度の伝送速度でデータを伝送するものとする。第2の実施形態の通信装置3aは、専用線による複数のローカルネットワークを1本のEthernet(登録商標)に集約するような環境に適用可能である。
【0074】
[第3の実施形態]
以下に、本発明の第3の実施形態について説明を行う。図8は第3の実施形態における通信装置3bの構成を示すブロック図である。図8に示されている通信装置3bにおいて、第1の実施形態に述べる通信装置3(または、第2の実施形態に述べる通信装置3a)と同じ符号が付されている機能ブロックは、第1または第2の実施形態の通信装置(3、3a)と同様の構成である。したがって、以下の説明においては、第1または第2の実施形態と重複する部分に関しては、その説明を省略する。
【0075】
図8を参照すると、通信装置3bは、レイヤスイッチ部51と、自身宛パケット処理部52とを備えて構成されている。レイヤスイッチ部51は、ルーティング機能は持たず、スイッチング機能を備えている。また、52は、レイヤスイッチ部51から出力される自身宛てのパケットを処理するパケット処理部である。第3の実施形態の通信装置3bは、図1に示されているネットワークシステムを例に説明すると、リモート側ローカルIPネットワーク14内に設置された通信装置に適用されることが好ましい。リモートIPネットワーク14の通信装置を通信装置3bで構成することで、簡易な構成のネットワークシステムを構築することが可能になる。
【0076】
なお、上述してきた複数の実施の形態の構成および動作は、矛盾が発生しない限り組合せて実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、第1の実施形態におけるネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態の通信装置3の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、管理装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、IPアドレス設定テーブル40の構成を示す図である。
【図5】図5は、本実施の形態における、動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、IPアドレスの変更が行われた通信装置3の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2の実施形態の通信装置3aの構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、第3の実施形態の通信装置3bの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0078】
1…管理装置
2…ルータ
3、3a、3b…通信装置
4…通信子機
5…パーソナルコンピュータ
10…グローバルIPネットワーク
11…センター側ローカルIPネットワーク
12…リモート側ローカルIPネットワーク
13…ユーザローカルIPネットワーク
14…リモート側ローカルIPネットワーク
21…CPU
22…メモリ
23…大容量記憶装置
23a…SNMPマネージャ
24…通信部
25…出力部
26…入力部
27…バス
31…GigaEthernetインターフェース
32…MAC層処理部
33…IP層処理部
33a…ルーティングテーブル
33b…現在IPアドレス
34…上位層処理部
35…IPアドレス制御部
35a…記憶部
35b…タイマカウンタ
36…コンソールインターフェース
37−1〜37−n…下流側MAC層処理部
38−1〜38−n…VDSLインターフェース
40…IPアドレス設定テーブル
41…項目
41a…自動IPアドレス切替えフラグ
41b…切り替えタイマ値
41c…復帰IPアドレス登録数
41d−1〜41d−4…第1〜第4復帰IPアドレス
41e…優先度
41f…再切替えフラグ
41g…切替え結果通知先IPアドレス
41h…切替え結果通知フラグ
42…設定値
50−1〜50−n…専用線インターフェース
51…レイヤスイッチ部
52…自身宛パケット処理部
53…Ethernetインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
割当てられるIPアドレスに基づいてネットワーク通信を制御する通信制御部と、
前記IPアドレスと異なる復帰IPアドレスを記憶する記憶部と、
前記IPアドレスに対するパケットの受信を監視し、所定の時間において前記パケットの受信を検出しないとき、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するIPアドレス制御部と
を具備する
通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記記憶部は、
複数の前記復帰IPアドレスを保持し、
前記複数の前記復帰IPアドレスは、それぞれ優先度を有し、
前記IPアドレス制御部は、
前記優先度に基づいて、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新する
通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信装置において、
前記記憶部は、前記複数の前記復帰IPアドレスを保持する復帰IPアドレス格納領域と、前記IPアドレスを保持するIPアドレス格納領域と
を含み、
前記IPアドレス制御部は、ネットワークを介して供給されるIPアドレス変更命令を受信し、前記IPアドレス変更命令に応答して、現在IPアドレスを前記復帰IPアドレスとして前記復帰IPアドレス格納領域に格納し、前記ネットワークを介して供給される新たなIPアドレスを前記IPアドレス格納領域に格納し、
前記通信制御部は、前記IPアドレス格納領域に保持される前記IPアドレスに基づいて前記ネットワーク通信を制御する
通信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の通信装置において、
前記記憶部は、
前記優先度を示す優先度情報を保持する優先度格納領域を含み、
前記IPアドレス制御部は、
ネットワークを介して送信される前記優先度情報を、前記復帰IPアドレスに関連付けて前記優先度格納領域に格納し、
前記優先度情報に基づいて、前記IPアドレスから前記復帰IPアドレスに更新するときの優先度を特定する
通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通信装置において、さらに、
タイマカウンタを具備し、
前記IPアドレス制御部は、
前記タイマカウンタのカウント値に基づいて前記所定の時間を計測する
通信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の通信装置において、
前記記憶部は、設定時間格納領域
をさらに備え、
前記アドレス制御部は、
ネットワークを介して送信される前記所定の時間の設定値を前記設定時間格納領域に格納し、
前記設定値とカウント値に基づいて前記所定の時間を計測する
通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の通信装置において、
前記記憶部は、前記パケットの受信の監視を停止するための監視動作停止フラグ格納領域を含み、
前記アドレス制御部は、
監視動作停止フラグ格納領域に格納される監視動作停止フラグに基づいて前記パケットの受信の監視動作を停止する
通信装置。
【請求項8】
請求項7に記載の通信装置において、
前記アドレス制御部は、
前記IPアドレスから更新された前記復帰IPアドレスに対する復帰IPアドレス宛パケットの受信を監視し、所定の時間において前記復帰IPアドレス宛パケットの受信を検出しないとき、前記優先度に基づいて、前記復帰IPアドレスを他の復帰IPアドレスに更新する
通信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の通信装置において、
前記アドレス制御部は、
前記所定の時間において実行する監視動作に対応して、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新したときに、前記更新された前記復帰IPアドレスを前記ネットワークを介して所定の管理装置の宛てに送信する
通信装置。
【請求項10】
(a)割当てられるIPアドレスに基づいてネットワーク通信を制御するステップと、
(b)前記IPアドレスと前記IPアドレスと異なる復帰IPアドレスとを読み出すステップと、
(c)前記IPアドレスに対するパケットの受信を監視するステップと、
(d)所定の時間において前記パケットの受信を検出しないとき、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項11】
請求項10に記載のIPアドレス復帰方法において、さらに、
(e)予め複数の前記復帰IPアドレスを保持するステップと、
(f)前記複数の前記復帰IPアドレスに、それぞれ優先度を付与するステップと、
を含み、
前記(d)ステップは、前記優先度に基づいて、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項12】
請求項13に記載のIPアドレス復帰方法において、
前記(e)ステップは、
ネットワークを介して供給されるIPアドレス変更命令を受信するステップと、
前記IPアドレス変更命令に応答して、現在IPアドレスを前記復帰IPアドレスとして復帰IPアドレス格納領域に格納するステップと、
前記ネットワークを介して供給される新たなIPアドレスを前記IPアドレス格納領域に格納するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項13】
請求項12に記載のIPアドレス復帰方法において、
前記(f)ステップは、
ネットワークを介して送信される優先度情報を、前記復帰IPアドレスに関連付けて優先度格納領域に格納するステップと、
前記優先度情報に基づいて、前記IPアドレスから前記復帰IPアドレスに更新するときの優先度を特定するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項14】
請求項13に記載のIPアドレス復帰方法において、
前記(d)ステップは、
タイマカウンタのカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項15】
請求項14に記載のIPアドレス復帰方法において、
前記(d)ステップは、
ネットワークを介して送信され、予め格納された前記所定の時間の設定値を設定時間格納領域から読み出すステップと、
前記読み出された前記設定値とカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項16】
請求項15に記載のIPアドレス復帰方法において、さらに、
(g)予め監視動作停止フラグ格納領域に格納される監視動作停止フラグに基づいて前記パケットの受信の監視動作を停止するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項17】
請求項16に記載のIPアドレス復帰方法において、
前記(d)ステップは、
前記IPアドレスから更新された前記復帰IPアドレスに対する復帰IPアドレス宛パケットの受信を監視するステップと、
所定の時間において前記復帰IPアドレス宛パケットの受信を検出しないとき、前記優先度に基づいて、前記復帰IPアドレスを他の復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項18】
請求項17に記載のIPアドレス復帰方法において、さらに、
(h)前記所定の時間において実行する監視動作に対応して、前記IPアドレス格納領域に保持されているIPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新したときに、前記更新された前記復帰IPアドレスを前記ネットワークを介して所定の管理装置の宛てに送信するステップ
を具備するIPアドレス復帰方法。
【請求項19】
(a)割当てられるIPアドレスに基づいてネットワーク通信を制御するステップと、
(b)前記IPアドレスと前記IPアドレスと異なる復帰IPアドレスとを読み出すステップと、
(c)前記IPアドレスに対するパケットの受信を監視するステップと、
(d)所定の時間において前記パケットの受信を検出しないとき、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項20】
請求項19に記載のプログラムにおいて、さらに、
(e)予め複数の前記復帰IPアドレスを保持するステップと、
(f)前記複数の前記復帰IPアドレスに、それぞれ優先度を付与するステップと、
を含み、
前記(d)ステップは、前記優先度に基づいて、前記IPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のプログラムにおいて、
前記(e)ステップは、
ネットワークを介して供給されるIPアドレス変更命令を受信するステップと、
前記IPアドレス変更命令に応答して、現在IPアドレスを前記復帰IPアドレスとして復帰IPアドレス格納領域に格納するステップと、
前記ネットワークを介して供給される新たなIPアドレスを前記IPアドレス格納領域に格納するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のプログラムにおいて、
前記(f)ステップは、
ネットワークを介して送信される優先度情報を、前記復帰IPアドレスに関連付けて優先度格納領域に格納するステップと、
前記優先度情報に基づいて、前記IPアドレスから前記復帰IPアドレスに更新するときの優先度を特定するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項23】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記(d)ステップは、
タイマカウンタのカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項24】
請求項23に記載のプログラムにおいて、
前記(d)ステップは、
ネットワークを介して送信され、予め格納された前記所定の時間の設定値を設定時間格納領域から読み出すステップと、
前記読み出された前記設定値とカウント値に基づいて前記所定の時間を計測するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のプログラムにおいて、さらに、
(g)予め監視動作停止フラグ格納領域に格納される監視動作停止フラグに基づいて前記パケットの受信の監視動作を停止するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のプログラムにおいて、
前記(d)ステップは、
前記IPアドレスから更新された前記復帰IPアドレスに対する復帰IPアドレス宛パケットの受信を監視するステップと、
所定の時間において前記復帰IPアドレス宛パケットの受信を検出しないとき、前記優先度に基づいて、前記復帰IPアドレスを他の復帰IPアドレスに更新するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。
【請求項27】
請求項26に記載のプログラムにおいて、さらに、
(h)前記所定の時間において実行する監視動作に対応して、前記IPアドレス格納領域に保持されているIPアドレスを前記復帰IPアドレスに更新したときに、前記更新された前記復帰IPアドレスを前記ネットワークを介して所定の管理装置の宛てに送信するステップ
を具備する方法をコンピュータで実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−157309(P2006−157309A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343124(P2004−343124)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】