説明

通信装置、プログラム、音声データ送信方法、および管理装置。

【課題】半二重の通話方式のグループ通話の際、発言権が付与されていない他の通信装置を持つユーザが、グループ通話の参加者へ即時的に意思表示を行うことを可能とする通信装置、プログラム、音声データ送信方法および管理装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、マイク12と、通信モジュール102と、定型音声データおよびこれに対応する識別情報を記憶するメモリ101と、CPU100とを備える。CPU100は、PTT通信システムを利用したグループ通話の発言権が取得された状態において、PTT音声データを生成し、PTTサーバ202へ送信する。ここで、CPU100は、発言権が取得された状態において、PTTサーバ202から識別情報を受信したとき、当該識別情報に対応した定型音声データと、マイク12に入力された音声とに基づき、PTT音声データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(TabletPC)、電子書籍端末等の携帯端末装置を含む通信装置、および当該通信装置に用いて好適なプログラムと音声データ送信方法に関するものである。さらに、本発明は、複数の通信装置の間で行われるグループ通話を管理するための管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同時に複数の相手と通話できるグループ通話の機能を備えた通信装置が知られている。たとえば、プッシュ・トゥ・トーク(Push To Talk。以下、「PTT」と言う。)通信システムを利用した、半二重の通話方式のグループ通話が可能な携帯電話機が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
半二重の通話方式のグループ通話では、所定の携帯電話機に発言権が付与される。発言権が付与された携帯電話機に入力された音声は、サーバを介して、グループ通話に参加している他の携帯電話機へ送信される。発言権が付与されていない携帯電話機に音声が入力されても、入力された音声は、グループ通話に参加している他の携帯電話機へ送信されない。
【0004】
特許文献1の構成によれば、携帯電話機の所定のキーが押下されると、携帯電話機に発言権が与えられる。当該携帯電話機を持つユーザは、トランシーバを利用しているときのように当該キーを押下し続けながら、グループ通話の参加者へ発言できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−197116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の構成では、携帯電話機に発言権が付与されない限り、携帯電話機を持つユーザは他のユーザへ発言できない。このため、発言権が付与されない携帯電話機を持つユーザは、発言権が付与された他の携帯電話機を介してユーザが発言しているときには、グループ通話の参加者へ即時的に意思表示を行えない。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、半二重の通話方式のグループ通話の際、発言権が付与されていない他の通信装置を持つユーザが、グループ通話の参加者へ即時的に意思表示を行うことを可能とする通信装置、プログラム、音声データ送信方法および管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、通信装置に関する。本態様に係る通信装置は、音声入力部と、他の通信装置との間で通信を行う通信部と、半二重の通話方式によるグループ通話の発言権の取得状態を管理する管理部と、音声データを生成する生成部と、前記発言権が取得された状態において、前記音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信するように前記通信部を制御する通話制御部と、予め定められた定型音声と、前記定型音声を特定するための識別情報とを記憶する記憶部と、を備える。ここで、前記生成部は、前記発言権が取得された状態において、前記管理装置から前記識別情報を受信したとき、前記識別情報に対応した前記定型音声と、前記音声入力部に入力された音声とに基づき、前記
音声データを生成する。
【0009】
本態様に係る通信装置は、複数の前記定型音声データの中から1つの定型音声データを指定するための操作部をさらに備え得る。この場合、前記通話制御部は、前記発言権が取得されていない状態において、前記操作部に対し前記1つの定型音声データを指定する操作がなされた場合、前記1つの前記定型音声データに対応する前記識別情報を前記管理装置へ送信させるよう前記通信部を制御する。
【0010】
また、本態様に係る通信装置は、音声出力部をさらに備え得る。この場合、前記通話制御部は、前記発言権が取得された状態において、前記識別情報を受信した場合、前記識別情報に対応した前記定型音声を前記音声出力部に出力させる。
【0011】
また、本態様に係る通信装置は、光または振動を出力する報知部をさらに備え得る。この場合、前記記憶部は、前記識別情報に対応する前記報知部からの前記光または前記振動の出力パターンを記憶し、前記通話制御部は、前記発言権が取得された状態において、前記識別情報を受信した場合、前記識別情報に対応した前記出力パターンで、前記光または前記振動を前記報知部に出力させる。
【0012】
また、本態様に係る通信装置において、前記生成部は、前記管理装置から前記識別情報を受信したとき、前記音声に、前記識別情報に対応した前記定型音声を合成した合成音声を表す前記音声データを生成し得る。
【0013】
さらに、本態様に係る通信装置において、前記生成部は、前記定型音声の音量が前記音声の音量より小さくなるように、前記音声に前記定型音声を合成し得る。
【0014】
本発明の第2の態様は、プログラムに関する。本態様に係るプログラムは、音声入力部と、他の通信装置との間で通信を行う通信部と、を有する通信装置のコンピュータに、半二重の通話方式のグループ通話の発言権の取得状態を管理する機能と、前記発言権が取得された状態において、音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信する機能と、前記発言権が取得された状態において、前記管理装置から所定の識別情報を受信したとき、当該識別情報に対応した定型音声と、前記音声入力部に入力された音声とに基づき、前記音声データを生成する機能とを付与する。
【0015】
本発明の第3の態様は、音声入力部と、他の通信装置との間で通信を行う通信部とを有する通信装置が、前記他の通信装置との間で半二重の通話方式のグループ通話を行う際の、前記通信装置における音声データ送信方法に関する。本態様に係る音声データ送信方法において、前記グループ通話の発言権が取得された状態において、音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信する音声送信ステップを含む。ここで、前記音声送信ステップは、前記管理装置から所定の識別情報を受信したとき、当該識別情報に対応した定型音声と、前記音声入力部に入力された音声とに基づき、前記音声データを生成するステップを含む。
【0016】
本発明の第4の態様は、複数の通信装置との間で行われる半二重の通話方式によるグループ通話を管理する管理装置に関する。本態様に係る管理装置は、前記通信装置と通信を行う通信部と、前記グループ通話に係る発言権を、前記複数の通信装置の中から1つの通信装置へ付与して管理する付与管理部と、前記1つの通信装置から受信した音声データを、前記発言権を付与していない他の通信装置へ送信する音声データ送信部と、前記他の通信装置から受信した意思表示のための識別情報を、前記通信部を介して前記1つの通信装置へ送信する要求部と、を備える。
【0017】
本発明の第5の態様は、通信装置に関する。本態様に係る通信装置は、音声入力部と、他の通信装置との間で通信を行う通信部と、半二重の通話方式によるグループ通話の発言権の取得状態を管理する管理部と、前記発言権が取得された状態において、前記音声入力部に入力された音声に基づく音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信するように前記通信部を制御する通話制御部と、音声を特定するための識別情報を記憶する記憶部と、前記識別情報を送信するための操作を受け付ける操作部と、を備える。ここで、前記通話制御部は、前記発言権が取得されていない状態において、前記操作部に対する前記操作が受け付けられた場合、前記識別情報を前記管理装置へ送信するように前記通信部を制御する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、半二重の通話方式のグループ通話の際、発言権が付与されていない他の通信装置を持つユーザが、グループ通話の参加者へ即時的に意思表示を行うことを可能とする通信装置、プログラム、音声データ送信方法および管理装置を提供することができる。
【0019】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る、携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。
【図3】PTT通信システムの全体構成を示す概念図である。
【図4】PTT通信システムにおけるグループ通話の動作を模式的に示す図である。
【図5】実施の形態に係る発言権取得状態の管理テーブルと定型音声テーブルである。
【図6】実施の形態に係る携帯電話機、通信装置およびPTTサーバとの間で送受信されるキー押下情報、定型音声コマンドおよびPTT音声データを説明するためのシーケンス図である。
【図7】実施の形態に係る携帯電話機が発言権を取得している際に実行される、PTT音声データの送信のための処理を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る携帯電話機が発言権を取得していないときに実行される、キー押下情報の送信のための処理を示すフローチャートと、PTTサーバにおいて実行される、キー押下情報の受信に応じて定型音声コマンドを送信するための処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る携帯電話機、通信装置およびPTTサーバとの間で送受信されるキー押下情報、定型音声コマンドおよびPTT音声データを説明するためのシーケンス図である。
【図10】変更例に係る携帯電話機が発言権を取得している際に実行される、PTT音声データの送信のための処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1(a)は、第1キャビネット10と第2キャビネット20が並べられ、開いた状態の携帯電話機1の外観構成を示す。図1(b)は、第1キャビネット10と第2キャビネット20が重ねられ、閉じた状態の携帯電話機1の外観構成を示す。図1(c)は、第1キャビネット10の背面図である。
【0022】
携帯電話機1は、第1キャビネット10と第2キャビネット20を有する。第2キャビ
ネット20は、ヒンジ部30によって、第1キャビネット10に対し回転可能に連結されている。
【0023】
第1キャビネット10の正面には、複数のキーからなるキー操作部11と、マイク12とが設けられている。
【0024】
キー操作部11は、図示の如く、ダイヤルキー11aを含む。
【0025】
ダイヤルキー11aの各キーには、キートップに表示されている数字または記号の通り、数字「0」〜「9」または記号「*」、「#」を入力する機能が割り当てられている。以後、ダイヤルキー11aの各キーを、キートップに表示されている数字または記号に対応して、「0」キー〜「9」キー、「*」キーおよび「#」キーと言う。
【0026】
第1キャビネット10の右側(X軸正方向の側)の側面部には、キー13が配されている。キー13は、主として音量を大きくまたは小さく設定するために用いられる。第1キャビネット10の背面には、スピーカ14が配されている。
【0027】
また、図1(c)に示す如く、第1キャビネット10にはバイブレータ15が内蔵されている。また、キー操作部11の各キーの背後には、キーを背後から照明するためのキーバックライト111(図2)が配されている。
【0028】
第2キャビネット20の正面側には、ディスプレイ21を構成する液晶パネル21a、とスピーカ22が設けられている。
【0029】
また、第2キャビネット20の正面には、ディスプレイ21の表示面21bが外部に現れている。液晶パネル21aの背後には、ディスプレイ21を構成するパネルバックライト21cが配されている。パネルバックライト21cは、光源となるLEDを備え、液晶パネル21aに光を供給する。
【0030】
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
【0031】
携帯電話機1は、上述の各構成要素の他、CPU100、メモリ101、通信モジュール102、キー入力回路103、音声エンコーダ104、バックライト駆動回路105、映像デコーダ107、音声デコーダ106、タイマー108、振動駆動装置109、LED制御回路110、キーバックライト111を備える。
【0032】
メモリ101は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ101には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラム、各種アプリケーション等が記憶されている。
【0033】
また、メモリ101は、CPU100のワーキングメモリとしても利用される。すなわち、メモリ101は、各種のアプリケーションプログラムが実行される際、一時的に利用または生成されるデータを記憶する。
【0034】
また、メモリ101は、PTT通信システム(図3、図4参照)を利用したグループ通話のためのアプリケーション、発言権フラグ(図5(a))および定型音声対応テーブル(図5(b))のデータを予め記憶している。
【0035】
CPU100は、制御プログラムやアプリケーションに従って、通信モジュール102、音声エンコーダ104、バックライト駆動回路105、音声デコーダ106、映像デコ
ーダ107、タイマー108、振動駆動装置109、LED制御回路110等、携帯電話機1の各部を制御する。
【0036】
通信モジュール102は、無線LANアクセスポイントや基地局を介して、有線または無線の専用回線またはインターネットにより構成される通信網に接続し、他の通信装置と通信する。通信モジュール102は、CPU100による制御に基づき、通話やアプリケーションの実行に基づく信号やデータを、他の通信装置との間で送受信する。
【0037】
キー入力回路103は、キー操作部11のキーが操作されたときに、押下されたキーに応じた入力信号をCPU100へ出力する。
【0038】
音声エンコーダ104は、マイク12が入力した音声に基づいて生成されるアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施して、CPU100へ出力する。
【0039】
バックライト駆動回路105は、CPU100からの制御信号に応じて、パネルバックライト21cに電圧信号を供給する。パネルバックライト21cは、バックライト駆動回路105からの電圧信号に基づいて点灯および消灯する。
【0040】
映像デコーダ107は、CPU100からの映像信号を、液晶パネル21aで表示できるアナログ若しくはデジタルの映像信号に変換し、液晶パネル21aに出力する。液晶パネル21aは、映像信号に応じた画像を表示面21b上に表示する。
【0041】
音声デコーダ106は、CPU100からの音声信号にデコード処理を施し、さらにアナログの音声信号に変換してスピーカ14、22の一方または両方に出力する。スピーカ14、22は、音声デコーダ106からの音声信号に基づいて音を携帯電話機1の外部へ出力する。
【0042】
タイマー108は、時間を計測してCPU100へ出力する。
【0043】
振動駆動装置109は、CPU100による制御に基づき、バイブレータ15を駆動させる。
【0044】
LED制御回路110は、CPU100による制御に基づき、上述の各キーバックライト111をそれぞれ点灯するよう制御する。バイブレータ15が駆動し、または、キーバックライト111が点灯することにより、電子メールの着信、スケジュール管理等、各種のイベントが視覚的に通知される。
【0045】
図3は、PTT通信システムの全体構成を示す概念図である。PTT通信システム2は、携帯電話機1のユーザ1と他の通信装置201を使用する他のユーザ2、3が、グループ通話を行うためのシステムである。PTT通信システム2の動作内容については、図4を用いて、追って説明する。
【0046】
PTT通信システム2は、携帯電話機1、通信装置201、PTTサーバ202およびこれらを接続する通信網203により構成される。グループ通話の際、携帯電話機1と通信装置201との間の通信は、PTTサーバ202を介して行われる。
【0047】
なお、通信装置201は、携帯電話機、電話機、パソコン等の、本実施の形態で説明されるグループ通話の機能を備えた通信装置である。以下では、便宜上、通信装置201は、携帯電話機1と同型の携帯電話機であることとする。
【0048】
PTT通信システム2により実現されるグループ通話は、半二重の通話方式、すなわち、通信網203に沿って送信される通話のための音声のデータは、一時に一方向にのみ送信可能となる方式を採用する。
【0049】
PTTサーバ202は、グループ通話が適正に行われるようPTT通信システム2を全体的に管理する。
【0050】
通信網203は、上述の基地局を介して、携帯電話機1および通信装置201とPTTサーバ202とを双方向に通信可能に接続する。通信網203を介して、グループ通話のための各種の信号とグループ通話の音声のデータ(以下、「PTT音声データ」と言う。)が上り方向(PTTサーバ202へ向けた方向)またはその逆の下り方向へ送信される。
【0051】
PTTサーバ202は、CPU202aと通信部202bとを備える。CPU202aは、グループ通話に参加する通信装置(携帯電話機1、通信装置201)に発言権を付与して管理する処理と、発言権を取得している受信したPTT音声データを、発言権を付与していない他の通信装置へ送信する処理と、通信装置(携帯電話機1、通信装置201)から受信した識別情報を含む信号(キー押下情報)の受信に応じて、当該識別情報を含む信号(定型音声コマンド)を、発言権を付与している通信装置(携帯電話機1、通信装置201)へ送信する処理と、を実行する。これらの信号およびデータは、通信部202bから受信または送信される。PTTサーバ202において実行されるこれらの処理については、図6と図8(b)を用いて追って詳述する。
【0052】
ここで、「発言権」とは、マイク12より入力されたPTT音声データをグループ通話に参加している他の通信装置へ送信できる権利である。発言権は、PTTサーバ202により、発言権の取得を要求した通信装置へ与えられる。また、ユーザが発言権を取得するとは、正確には、ユーザがグループ通話に使用している通信装置が発言権を取得することを意味する。
【0053】
PTT通信システム2を利用したグループ通話のための、携帯電話機1とPTTサーバ202との間の通信、発言権の取得状態の管理等に係る処理は、CPU100により実行される。
【0054】
なお、図3には、携帯電話機1と2台の通信装置201との間の1:2通信のPTT通信システム2の構成例が示されている。しかし、実際には、PTT通信システム2の利用により、1台の通信装置201との間の通話(1:1通信)と、3台以上の通信装置201との間の通話(1:N通信。N≧3)も可能である。以下では、図3、図4、図6および図9に示されているように、1:2通信の場合を例にして、本実施の形態について説明する。
【0055】
図4は、PTT通信システム2の基本動作の内容について説明するための図である。通信網203の矢印の向きは、携帯電話機1が発言権を取得しているときの、PTT音声データが流れる方向を表している。
【0056】
図5(b)の管理テーブルは、メモリ101に記憶される、発言権の取得状態を表す発言権フラグの値を説明するためのテーブルである。発言権フラグは、発言権が取得されている状態において値0に設定され、発言権が取得されていない状態において値1に設定される。発言権フラグの初期値は0である。発言権フラグの設定は、グループ通話の発言権の取得状態に応じて、CPU100によりなされる。
【0057】
ユーザ1〜3によってPTT通信システム2の利用によるグループ通話が開始されると、PTTサーバ202は、まず、携帯電話機1または通信装置201から発言権要求信号を受け付ける。
【0058】
たとえば、携帯電話機1のユーザにより所定の操作(たとえばキー13を押下する操作)がなされると、CPU100は、PTTサーバ202へ発言権要求信号を送信する。PTTサーバ202は、この発言権要求信号を受信し、且つ、他に発言権を与えている通信装置が存在しない場合、携帯電話機1に発言権を与えることを伝える信号を送信する。同時に、PTTサーバ202は、携帯電話機1から受信するPTT音声データを、発言権を取得していない通信装置(この場合は、通信装置201)へ送信する処理を開始する。
【0059】
CPU100は、発言権を取得すると、発言権フラグを1に設定する。携帯電話機1が発言権を取得している間、マイク12から入力された音声に基づきPTT音声データが生成され、生成されたPTT音声データがPTTサーバ202へ送信される。これにより、携帯電話機1が発言権を取得している間、ユーザ2、3は、ユーザ1の発言を聞くことができる。
【0060】
キー13の押下が継続する間、携帯電話機1は継続して発言権を保持することができる。キー13の押下が止められた場合、または、キー13の押下が継続していてもキー13が押下されてから所定時間以上経過した場合、携帯電話機1の発言権は取り消される(発言権フラグは0に設定される)。発言権フラグが0に設定された場合、グループ通話の発言権がどの通信装置にも与えられない状態となり、PTTサーバ202は、新たな発言権要求信号を受け付ける。このようにして、PTT通信システム2の利用によるグループ通話がなされる。
【0061】
さて、従来のPTT通信システムを利用したグループ通話において、グループ通話に参加するユーザは、発言権を取得しない限り発言できない。本実施の形態に係る構成は、一のユーザが発言権を取得している間であっても、発言権を取得していない他のユーザが、グループ通話の参加者に対し即時的に意思表示できるための構成を有する。以下に、発言権のないユーザが即時的な意思表示を可能とするための構成について説明する。
【0062】
図5(b)は、定型音声対応テーブルの例である。定型音声対応テーブルは、定型音声と、定型音声を特定するための識別番号(図5(b)の場合は、1〜8)との対応関係を定義する表である。図5(b)の定型音声対応テーブルによると、たとえば識別番号1番には、定型音声「パチパチ」(賛同を表現する拍手の音声)が対応する。識別番号2番には、定型音声「ブーブー」(不満・不服の意を表す音声)が対応する。
【0063】
メモリ101は、図5(b)の定型音声対応テーブルとともに、各定型音声のデータ(以下、「定型音声データ」と言う。)を、予め記憶している。グループ通話に参加する他の通信装置201は、携帯電話機1と同じ構成の携帯電話機であり、他の通信装置201のメモリにも、携帯電話機1のメモリ101が記憶しているものと同じ定型音声対応テーブル(図5(b))と定型音声データが予め記憶されている。これにより、携帯電話機1と通信装置201は、同じ識別番号に基づき、同一の定型音声データを特定できる。
【0064】
なお、当該対応テーブルおよび定型音声データは、ダウンロード、外部記憶メディアからのインポート等、各種の方法により、新規または追加的に取得できる構成が採られてもよい。
【0065】
図6は、携帯電話機1が発言権を取得している状態において、発言権を取得していない
通信装置201のユーザ2が即時的に意思表示するときの、携帯電話機1、通信装置201およびPTTサーバ202との間で送受信される信号(キー押下情報、定型音声コマンド)およびPTT音声データを説明するためのシーケンス図である。図6における左右方向の矢印は、信号またはPTT音声データが流れる方向を表す。また、縦軸下方向が、シーケンス図の時間の進行方向である。
【0066】
図7は、携帯電話機1が発言権を取得している際に実行される、PTT音声データの送信のための処理を説明するフローチャートである。図8(a)は、携帯電話機1が発言権を取得していない際に実行される、キー押下情報の送信のための処理を説明するフローチャートである。図8(b)は、PTTサーバ202において実行される定型音声コマンドを、発言権を取得している携帯電話機1または通信装置201へ送信するための処理を説明するフローチャートである。
【0067】
なお、図7と図8(a)に示される処理は、グループ通話の際、携帯電話機1と同型である通信装置201においても実行される。すなわち、携帯電話機1が発言権を取得している間、通信装置201は、図8(a)の処理を実行する。また、通信装置201は、自身が発言権を取得している間、図7の処理を実行する。
【0068】
図7の処理について説明する。CPU100は、まず、定型音声コマンド(後述)をPTTサーバ202から受信しない間(S101:NO)、マイク12から入力した入力音声からPTT音声データを生成し(S102)、PTTサーバ202へ送信する(S103)。
【0069】
図4で説明したように、PTTサーバ202は、受信したPTT音声データを、発言権を取得していない通信装置201へ転送する。このようなPTT音声データの送信は、携帯電話機1が発言権を取得している間、すなわち発言権フラグが1に設定されている間、継続される(S104:YES)。これにより、通信装置201のユーザ2、3は、ユーザ1の発言を聞くことができる。
【0070】
携帯電話機1が発言権を保有する間、通信装置201のCPU100は、図8(a)の処理を実行する。ステップS111において、CPU100は、「1」キー〜「8」キーのうち何れかのキーが押下された場合、対応する定型音声が指定される操作がなされたと判定する。すなわち、CPU100は、押下されたキーに対応する数字を識別番号とする定型音声が指定されたと判定する。
【0071】
たとえば、ユーザ2の通信装置201において、「2」キーの押下により定型音声「ブーブー」を指定する操作がなされた場合、通信装置201のCPU100は、定型音声による意思表明のための操作があったとして(S111:YES)、押下されたキーに対応した識別番号を含むキー押下情報A1(図6参照)をPTTサーバ202へ送信する(S113)。
【0072】
通信装置201が発言権を取得しない間(S112:NO)、すなわち発言権フラグが0に設定されている間、上述の定型音声を指定する操作に対応して、キー押下情報A1がPTTサーバ202へ送信される。通信装置201が発言権を取得すると(S112:YES)、すなわち発言権フラグが1に設定されると、通信装置201が実行していた図8(a)の処理は終了される。
【0073】
さて、グループ通話の際、PTTサーバ202は、携帯電話機1または通信装置201へ発言権を与えている間、キー押下情報A1の受信を受け付ける。
【0074】
図6と図8(b)を参照して、PTTサーバ202は、ユーザ2が使用する通信装置201が送信したキー押下情報A1を受信すると(S121:YES)、キー押下情報A1により指定された識別番号を含む定型音声コマンドA2を、現在発言権を取得している携帯電話機1へ送信する(S122)。グループ通話が行われている間(S123:NO)、PTTサーバ202は、キー押下情報A1の受信に応じて、ステップS122の処理を実行する。
【0075】
図7に戻り、CPU100は、ステップS101において、PTTサーバ202からの定型音声コマンドA2を受信すると(S101:YES)、ステップS105〜S108の処理を実行する。
【0076】
まず、CPU100は、受信した定型音声コマンドA2により指定された識別番号(2番)に対応する定型音声データ(「ブーブー」)をメモリ101から取得する(S105)。そして、CPU100は、マイク12から入力した入力音声に当該定型音声が合成されたPTT音声データA3を生成する(S106)。そして、CPU100は生成されたPTT音声データA3を、PTTサーバ202へ送信する(S107)。
【0077】
このように携帯電話機1から送信されたPTT音声データA3は、PTTサーバ202により、発言権を取得していない他の通信装置201へ転送される。
【0078】
ユーザ2、3が使用する通信装置201がPTT音声データA3を受信すると、PTT音声データA3に基づく音声が、ユーザ2、3が使用する通信装置201のスピーカ14、22の一方または両方から出力される。出力される音声には、ユーザ1が発した音声に、ユーザ2が表明した意思を表す定型音声が合成されている。発言権を取得していないユーザ3は、このように出力された定型音声の合成後の音声を聞くことによって、発言権を取得していない他のユーザからの意思の表明を認識できる。
【0079】
図6のシーケンス図に示す通り、キー押下情報A1、定型音声コマンドA2およびPTT音声データA3は、携帯電話機1が発言権を取得している間であっても随時送受信され、ユーザ2が指定した定型音声は、即時的に、携帯電話機1と通信装置201において再生される。
【0080】
図9は、携帯電話機1が発言権を取得していない状態において、携帯電話機1のユーザ1がグループ通話の参加者へ即時的に意思表示するときの、携帯電話機1、通信装置201およびPTTサーバ202との間で送受信される信号(キー押下情報、定型音声コマンド)およびPTT音声データの流れを説明するためのシーケンス図である。
【0081】
ユーザ2の通信装置201が発言権を取得している場合には、当該通信装置201が、上述の発言権を取得した状態の携帯電話機1と同様に動作する。この場合、発言権を取得していない状態の携帯電話機1は、上述のユーザ2の通信装置201と同様に動作する。すなわち、携帯電話機1のCPU100は、図8(a)に示すフローチャートに従って、キー押下情報B1を送信する。
【0082】
図9の場合においても、図6の場合と同様に、キー押下情報B1、定型音声コマンドB2およびPTT音声データB3は、ユーザ2の通信装置201が発言権を取得している間であっても随時送受信され、ユーザ1が指定した定型音声は、即時的に、携帯電話機1と通信装置201において再生される。
【0083】
以上、本実施の形態の構成によれば、携帯電話機1が発言権を取得している状態において(図6)、携帯電話機1のCPU100は、発言権を取得していないユーザが指定した
定型音声に基づく定型音声コマンドA2を受信したとき、定型音声コマンドA2に含まれる識別番号に対応する定型音声を、マイク12が入力した入力音声に合成することによって、PTT音声データA3を生成し、PTTサーバ202へ送信する。
【0084】
よって、携帯電話機1が発言権を取得しているときであっても、発言権を有しない通信装置201のユーザは、グループ通話の参加者へ即時的に意思表示することができる。
【0085】
また、携帯電話機1および通信装置201のメモリ101には、同じ定型音声対応テーブルと定型音声データが記憶されている。また、キー押下情報A1と定型音声コマンドA2の送信により、携帯電話機1のCPU100は、定型音声コマンドA2に含まれる識別番号から、意思表示を行った発言権を有しないユーザが指定した定型音声と同じ定型音声を特定することができる。
【0086】
また、携帯電話機1が発言権を取得せず、他の通信装置201が発言権を取得している状態において(図9)、ユーザ1が所定のキーの押下により定型音声を指定すると、押下されたキーに対応する識別番号を含むキー押下情報B1がPTTサーバ202へ送信される。PTTサーバ202が、発言権を取得している通信装置201へ定型音声コマンドB2を送信することにより、当該通信装置201において、ユーザ1が指定した定型音声に基づくPTT音声データB3が生成される。このPTT音声データB3が、PTTサーバ202によって、発言権を有しない携帯電話機1および通信装置201へ送信され、再生される。よって、携帯電話機1が発言権を取得していないときであっても、携帯電話機1のユーザ1は、グループ通話の参加者へ即時的に意思表示することができる。
【0087】
また、携帯電話機1が発言権を取得している状態において、定型音声コマンドA2を受信すると、定型音声コマンドA2に基づいた定型音声が、携帯電話機1のスピーカ14、22から出力される。よって、携帯電話機1のユーザ1は、ユーザ1自身が発言しているときに、ユーザ1の発言を聞いている他のユーザ2、3の即時的な意思を知ることができる。
【0088】
<変更例>
図10は、変更例に係る、携帯電話機1が発言権を取得している際に実行される、PTT音声データの送信のための処理を説明するフローチャートである。なお、図10の処理は、通信装置201が発言権を取得している際にも実行される。
【0089】
図10のフローチャートは、図7のフローチャートのステップS106の処理を、ステップS131の処理に置き換えたものである。
【0090】
ステップS131において、CPU100は、定型音声の音量がマイク12からの入力音声の音量より小さくなるよう、定型音声を入力音声に合成する。CPU100は、定型音声の音量を、発言者であるユーザ1の発言内容の聞き取りを阻害しない程度の大きさに調整する。たとえば、定型音声の音量は、マイク12から入力した、過去所定時間(たとえば数秒間程度)の入力音声の音量の最大値よりも一定の割合(たとえば数十パーセント程度)小さく設定される。
【0091】
なお、ユーザ1が発言を行っていないと想定される程度に入力音声の音量が小さい(たとえば、バックグラウンドノイズの音量程度に小さい)場合、CPU100は、参加者が聞き取れる程度の音量で、たとえば予め定められた一定の音量で、定型音声を入力音声に合成する。
【0092】
以上、本変更例の構成によれば、定型音声の音量が入力音声の音量より小さくなるよう
に、定型音声と入力音声とを合成することにより、PTT音声データが生成される。この結果、発言権を取得していない携帯電話機1または通信装置201から出力されるPTT音声において、発言権を有するユーザが発した音声は、合成された定型音声よりも大きい。よって、発言権を有しないユーザは、定型音声に阻害されることなく、発言権を有するユーザの発言を聞くことができる。
【0093】
ユーザ1が発する音声が大きいときには、定型音声の音量が大きく設定され、ユーザ1が発する音声が小さいときには、定型音声の音量が小さく設定される。このため、グループ通話の際の、発言権を有するユーザの発言の音声と定型音声のうち一方が他方の可聴性を低減することが抑制され、発言の音声と定型音声との両方の可聴性のバランスが適度に保たれる。
【0094】
<その他>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0095】
上記実施の形態では、図7の処理の際、CPU100は、定型音声コマンドを受信した場合、マイク12からの入力音声に、定型音声に含まれる識別番号に対応する定型音声が合成することによって、PTT音声データが生成する(S106)。しかしながら、ステップS106のPTT音声の生成の処理の際、PTT音声データが、入力音声を含まず、定型音声のみから生成されてもよい。この場合、たとえば、定型音声コマンドA2が受信されたときにマイク12からの音声入力があれば、その音声入力が途切れたとき(音声信号がなくなったとき)に、定型音声が送信される。
【0096】
上記実施の形態では、携帯電話機1が発言権を取得している状態において、CPU100が定型音声コマンドA2を受信した場合、携帯電話機1で、当該定型音声コマンドA2に含まれる識別番号に対応する定型音声が再生される。しかしながら、定型音声のかわりに、識別情報に対応した所定の振動がバイブレータ15から出力される構成が採られてもよい。この場合、メモリ101は、予め、識別情報に対応したバイブレータ15の振動パターンを記憶しておく。
【0097】
また、所定の振動がバイブレータ15から出力される替わりに、所定のイルミネーションを、キーバックライト111が表示する構成が採られてもよい。この場合、メモリ101は、予め、識別情報に対応したキーバックライト111のイルミネーションパターンを記憶しておく。
【0098】
上記実施例の構成によれば、図5(b)に例示する定型音声対応テーブルおよびこれに対応する定型音声データがメモリ101に記憶される。図5(b)の定型音声対応テーブルはあくまでも一例であり、定型音声対応テーブルに登録される定型音声は、図5(b)に挙げられている音声の他、任意の発言の音声、効果音、音楽等、任意に定められてよい。
【0099】
また定型音声対応テーブルに登録される定型音声の数は、図5(b)に示される8個に限られる必要はなく、これより多いまたは少ない構成が採られてもよい。
【0100】
定型音声を特定するための識別番号は、定型音声を特定できる様式の識別情報であれば十分であり、番号である必要はない。識別情報は、たとえば、定型音声に対応するアルファベット等の符号、ラベル等、各種の様式で表されてよい。
【0101】
上記実施例の構成によれば、発言権が取得された状態において、受信した識別情報に対応した定型音声に基づくPTT音声データが生成され、他の通信装置へ送信される。しかしながら、携帯電話機1は、このような定型音声に基づくPTT音声データが生成されないよう構成が採られてもよい。この場合、発言権を取得していない状態において、所定のキーが押下された場合、当該キーに対応したキー押下情報(A1)が、PTTサーバ20
2へ送信される。
【0102】
上記実施の形態では、折り畳み式の携帯電話機に本発明が適用されている。しかしながら、これに限らず、ストレート式、スライド式等、他のタイプの携帯電話機に本発明が適用されてもよい。
【0103】
さらに、本発明は、携帯電話機に限られず、PDA(Personal DigitalAssistant)、
タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末等の携帯端末装置を含む、各種の通信装置
に適用可能である。
【0104】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 携帯電話機 (通信装置)
2 PTT通信システム (グループ通信システム)
11a ダイヤルキー (操作部)
12 マイク (音声入力部)
14、22 スピーカ (音声出力部)
15 バイブレータ (報知部)
100 CPU (管理部、生成部、通話制御部)
101 メモリ (管理部、記憶部)
102 通信モジュール (通信部、第1の通信部)
111 キーバックライト (報知部)
201 通信装置
202 PTTサーバ (管理装置)
202a CPU (付与管理部、音声データ送信部、要求部)
202b 第2の通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声入力部と、
他の通信装置との間で通信を行う通信部と、
半二重の通話方式によるグループ通話の発言権の取得状態を管理する管理部と、
音声データを生成する生成部と、
前記発言権が取得された状態において、前記音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信するように前記通信部を制御する通話制御部と、
予め定められた定型音声と、前記定型音声を特定するための識別情報とを記憶する記憶部と、を備え、
前記生成部は、前記発言権が取得された状態において、前記管理装置から前記識別情報を受信したとき、前記識別情報に対応した前記定型音声と、前記音声入力部に入力された音声とに基づき、前記音声データを生成する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
複数の前記定型音声データの中から1つの定型音声データを指定するための操作部をさらに備え、
前記通話制御部は、前記発言権が取得されていない状態において、前記操作部に対し前記1つの定型音声データを指定する操作がなされた場合、前記1つの前記定型音声データに対応する前記識別情報を前記管理装置へ送信させるよう前記通信部を制御する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信装置において、
音声出力部をさらに備え、
前記通話制御部は、前記発言権が取得された状態において、前記識別情報を受信した場合、前記識別情報に対応した前記定型音声を前記音声出力部に出力させる、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の通信装置において、
光または振動を出力する報知部をさらに備え、
前記記憶部は、前記識別情報に対応する前記報知部からの前記光または前記振動の出力パターンを記憶し、
前記通話制御部は、前記発言権が取得された状態において、前記識別情報を受信した場合、前記識別情報に対応した前記出力パターンで、前記光または前記振動を前記報知部に出力させる、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の通信装置において、
前記生成部は、前記管理装置から前記識別情報を受信したとき、前記音声に、前記識別情報に対応した前記定型音声を合成した合成音声を表す前記音声データを生成する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の通信装置において、
前記生成部は、前記定型音声の音量が前記音声の音量より小さくなるように、前記音声に前記定型音声を合成する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項7】
音声入力部と、他の通信装置との間で通信を行う通信部と、を有する通信装置のコンピュータに、
半二重の通話方式のグループ通話の発言権の取得状態を管理する機能と、
前記発言権が取得された状態において、音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信する機能と、
前記発言権が取得された状態において、前記管理装置から所定の識別情報を受信したとき、当該識別情報に対応した定型音声と、前記音声入力部に入力された音声とに基づき、前記音声データを生成する機能とを付与する、
こと特徴とするプログラム。
【請求項8】
音声入力部と、他の通信装置との間で通信を行う通信部とを有する通信装置が、前記他の通信装置との間で半二重の通話方式のグループ通話を行う際の、前記通信装置における音声データ送信方法において、
前記グループ通話の発言権が取得された状態において、音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信する音声送信ステップを含み、
前記音声送信ステップは、前記管理装置から所定の識別情報を受信したとき、当該識別情報に対応した定型音声と、前記音声入力部に入力された音声とに基づき、前記音声データを生成するステップを含む、
を含むことを特徴とする音声データ送信方法。
【請求項9】
複数の通信装置との間で行われる半二重の通話方式によるグループ通話を管理する管理装置において、
前記通信装置と通信を行う通信部と、
前記グループ通話に係る発言権を、前記複数の通信装置の中から1つの通信装置へ付与して管理する付与管理部と、
前記1つの通信装置から受信した音声データを、前記発言権を付与していない他の通信装置へ送信する音声データ送信部と、
前記他の通信装置から受信した意思表示のための識別情報を、前記通信部を介して前記1つの通信装置へ送信する要求部と、を備える、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項10】
音声入力部と、
他の通信装置との間で通信を行う通信部と、
半二重の通話方式によるグループ通話の発言権の取得状態を管理する管理部と、
前記発言権が取得された状態において、前記音声入力部に入力された音声に基づく音声データを、前記グループ通話を管理する管理装置へ送信するように前記通信部を制御する通話制御部と、
定型音声を特定するための識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報を送信するための操作を受け付ける操作部と、を備え、
前記通話制御部は、前記発言権が取得されていない状態において、前記操作部に対する前記操作が受け付けられた場合、前記識別情報を前記管理装置へ送信するように前記通信部を制御する、
ことを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−93780(P2013−93780A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235504(P2011−235504)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】