説明

通信装置、及びその通信システム

【課題】より適切にコンテンツデータを通信することができる通信装置、及びその通信システムを提供する。
【解決手段】通信装置100は、所定の規格に基づく通信プロトコルを処理する通信プロトコル処理部130と、前記通信プロトコル処理部の制御を受けてデータ送信先装置との通信処理を実行する通信部171とを備える。通信プロトコル処理部130は、通信プロトコルで定義される送信コマンドに自装置の機種特定情報511を所定の規格の拡張情報として含ませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像等のコンテンツを送信又は受信する通信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
クライアント装置と、サーバ装置とで通信を行い、画像データ等をやりとりする技術が普及している。例えば、特許文献1は、カメラ付き携帯電話で撮像した画像を、画像サービス端末からインターネット上の画像管理センターにアップロードできる画像管理システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−229177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クライアント装置とサーバ装置とで画像データ等をやりとりできるシステムは、便利である反面、不特定多数の端末から画像データを大量に送信されてくる恐れがある。そのため、特に、悪意を持ったユーザによるクライアント装置から、画像データを大量に送りつけられて、サーバ装置がパンク状態となってしまうことを回避する必要がある。
【0005】
上記課題を解決するために、実施形態は、より適切にコンテンツデータを送信する通信装置、又は受信する通信装置を提供することを第1の目的とする。
【0006】
また、標準として普及している画像送受信システムとの互換性を保持しつつコンテンツの受け取りを規制できる通信装置、及び受信側が受け取り規制に対応している通信装置であるかを区別することなく同じ作法(通信プロトコル)でコンテンツの送信ができる通信装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る通信装置は、所定の規格に基づく通信プロトコルを処理する通信プロトコル処理部と、所定の通信プロトコル処理部の制御を受けてデータ送信先装置との通信処理を実行する通信部と、を備え、通信プロトコル処理部は、通信プロトコルで定義される送信コマンドに自装置の機種特定情報を所定の規格の拡張情報として含ませる。
【0008】
また本開示の一態様に係る通信装置は、所定の規格に基づく通信プロトコルを処理する通信プロトコル処理部と、通信プロトコル処理部の制御を受けてデータ送信元装置との通信処理を実行する通信部と、を備え、通信プロトコル処理部は、通信プロトコルで定義される受信コマンドに所定の規格の拡張情報が含まれる場合において、拡張情報が機種特定情報であるか否かに応じて、データ送信元装置からの通信を規制する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、より適切にコンテンツデータを送信する通信装置、又は受信する通信装置、及びその通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係るデータ通信システムを示す図。
【図2】図1中のデジタルカメラの電気的な構成を示すブロック図。
【図3】図1中のパーソナルコンピュータの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】実施の形態1に係る通信プロトコルを示すフロー。
【図5】実施の形態1に係るオブジェクト作成要求を示す図。
【図6】実施の形態1に係るプロトコル処理部の判定フロー。
【図7】実施の形態1に係るデータ通信システムを示す図。
【図8】実施の形態2に係る通信プロトコルを示すフロー。
【図9】実施の形態3に係る通信プロトコルを示すフロー。
【図10】変形例に係るオブジェクト作成要求を示す図。
【図11】実施の形態4に係るデータ通信システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。まず、デジタルカメラとパーソナルコンピュータとを通信装置の一例に挙げて、実施の形態を説明する。
〔実施の形態1〕
〔0.概要〕
まず、実施の形態1の概要について説明する。
【0012】
後述するように、実施の形態1に係るデジタルカメラは、通信プロトコル処理部と、通信部とを備える。上記プロトコル処理部は、デジタルカメラのコントローラの一機能に対応する。
上記通信プロトコル処理部は、標準規格に基づく通信プロトコルを処理し、さらに、通信プロトコルで定義される送信コマンドに自装置の機種特定情報を標準規格外の拡張情報として埋め込む。通信部は、前記通信プロトコル処理部の制御を受けてデータ送信先装置との通信処理を実行する。
【0013】
また、実施の形態1に係るパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)は、通信プロトコル処理部と、通信部とを備える。上記の通信プロトコル部は、PCのコントローラの一機能に対応する。
上記通信プロトコル処理部は、標準規格に基づく通信プロトコルを処理し、さらに、まず第1に前記通信プロトコルで定義される受信コマンドに標準規格外の拡張情報が埋め込まれている否かを判定する。第2に拡張情報が埋め込まれている場合、拡張情報が機種特定情報かを否かを判定する。第3に拡張情報が機種特定情報の場合、その値により、送信元装置がコンテンツ送信許可装置か否かを判定する。第3の判定において、送信元装置がコンテンツ送信許可装置であると判定される場合、コンテンツ受信可能とする応答を相手の通信装置(送信元装置)に返信する。一方、上記第1の判定において拡張情報が埋め込まれていない場合、第2の判定において拡張情報が埋め込まれているが機種特定情報でない場合、又は第3の判定において機種特定情報であるが送信元装置がコンテンツ送信許可装置でない場合、コンテンツ受信不能とする応答を相手の通信装置(送信元装置)に返信する。また、通信部は、前記通信プロトコル処理部の制御を受けてデータ送信元装置との通信処理を実行する。
【0014】
上記構成により、受信側が受け取り規制に対応している通信装置であるかを区別することなく、同じ作法(通信プロトコル)でコンテンツの送信ができるデジタルカメラを提供することができる。さらに、標準として普及している画像送受信システムとの互換を保持しつつコンテンツの受け取りを規制できるPCを提供できる。
【0015】
以下、図面を用いて、本実施の形態1に係る通信システム、及び通信システムを構成するデジタルカメラ、PCについて説明する。この説明では、データの送信元の通信装置としてデジタルカメラ、データの送信先の通信装置としてPCを一例に挙げる。しかしながら、通信装置としては、これらに限定されることはない。
【0016】
〔1.構成〕
〔1−0.通信システムの構成例〕
まず、図1を用い、実施の形態1に係る通信システムの構成例について説明する。
図示するように、実施の形態1に係る通信システムは、2台の通信装置を、無線ルータ50を介してLAN接続することにより構成される。デジタルカメラ100とPC250が、例えば、画像データ等を双方向で通信する各々通信装置である。デジタルカメラ100はデータの送信元の通信装置、PC250はデータの送信先の通信装置に対応する。
【0017】
図示するように、デジタルカメラ100およびPC250は無線ルータ50を介してLAN接続される。実施の形態1に係る通信装置において、デジタルカメラ100は、写真データ等のコンテンツを送信する送信元の通信装置である。PC250は、送信される写真データ等のコンテンツを受信する送信先の通信装置である。ここでは、デジタルカメラ100で撮影された写真データを、PC250に送信する場合を例に挙げて、説明する。
【0018】
次に、デジタルカメラ100及びパーソナルコンピュータ250の構成を説明する。
【0019】
〔1−1.デジタルカメラ100の構成例〕
図2は、デジタルカメラ100の電気的な構成図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成される被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は、撮像した被写体像に基づく画像データを生成する。撮像により生成された画像データは、AFE(アナログ・フロント・エンド)121や画像処理部122において各種処理が施される。生成された画像データは、フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像データは、使用者による操作部150の操作を受け付けて液晶モニタ123上に表示される。
【0020】
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
【0021】
フラッシュメモリ142は、画像データ等を記録する内部メモリとして機能する。
【0022】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現される。
【0023】
カードスロット141は、メモリカード140を着脱可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード140を制御する機能を備えてもよい。
【0024】
通信部171は、無線または有線の通信インターフェースである。コントローラ130は、この通信部171を介して、アクセスポイント経由でLANやインターネット網に接続することができる。通信部171は、例えば、USBやBluetooth(登録商標)、無線LAN、有線LAN等により実現される。
【0025】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は、使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
【0026】
〔1−2.パーソナルコンピュータ250の構成〕
次に、図3を用い、PC250の構成について説明する。図3は、PC250の電気的な構成図である。
【0027】
図示するように、PC250は、コントローラ251、ワークメモリ252、HDD253、通信部254、液晶モニタ256、USBコネクタ260、マウス262、キーボード263等から構成される。
【0028】
コントローラ251は、PC250上の処理を実行する処理部である。コントローラ251は、ワークメモリ252、HDD253、通信部254、液晶モニタ256、USBコネクタ260、マウス262、キーボード263に電気的に接続される。コントローラ251は、USBコネクタ260を介して、マウス262やキーボード263を用いた使用者の操作情報を受け付ける。コントローラ251は、HDD253に格納されているデータを読み出すことができる。また、コントローラ251は、PC100の各部に供給される電力等のシステムを全体的に制御する。
【0029】
ワークメモリ252は、コントローラ251が各種処理動作を実行するために、必要な情報を一時的に格納するメモリである。
【0030】
HDD253は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。上述したように、HDD253に格納された各種データは、適宜コントローラ251により読み出し可能である。
【0031】
マウス105は、使用者による操作を受け付けるポインティングデバイスである。キーボード106は、使用者が文字入力などを行う、キーボードデバイスである。
【0032】
USBコネクタ260は、他の機器のUSBコネクタとUSBケーブルを介して接続するインターフェースである。コントローラ251は、USBコネクタ260およびUSBケーブルを介して、他の機器と情報を送受信することができる。USBコネクタ260は、デジタルカメラ100や、マウス262や、キーボード263等と接続される。
【0033】
通信部254は、コントローラ251から受け取った画像データを、LANまたはインターネット網を介して、他の機器に送信する。通信部254は、例えば、有線LANや、無線LANにより実現することが可能である。
【0034】
〔2.動作〕
次に、デジタルカメラ100と、PC250との通信動作について説明する。
【0035】
ここでは、デジタルカメラ100のユーザは、デジタルカメラ100のメモリカードあるいはフラッシュメモリに保管されている写真ファイルを、パーソナルコンピュータ250に転送する動作を一例に挙げる。
【0036】
デジタルカメラ100は、画像受信サーバに対して、画像を送信するクライアント機能を搭載する。このクライアント機能は、画像送信時に、所定のソフトウエアがコントローラ130上で実行されることにより実現される。以下、本ソフトウエアを、「UPLOADクライアントソフト」と称する。UPLOADクライアントソフトは、TCP/IPスタックソフトウエア及び通信ドライバソフトにより、PC250と通信する。なお、通信ドライバソフトは、WiFi通信を実行する通信部を制御するソフトウエアである。TCP/IPスタックソフトウエア及び通信ドライバソフトも、コントローラ130上で実行される。画像受信サーバとは、例えば、送信された画像データを受信し、受信した画像データをアクセス可能にする所定の機能等を備えて構成されるサーバ等である。
【0037】
この動作において、PC250には、あらかじめ画像コンテンツを受信するサーバープログラムが、インストールされ、常駐タスクとしてコントローラ251上で起動されている。サーバープログラムは、TCP/IPスタックソフトウエア及び通信ドライバソフトにより、デジタルカメラ100と通信する。なお、通信ドライバソフトは、WiFi通信を実行する通信部を制御するソフトウエアである。TCP/IPスタックソフトウエアおよび通信ドライバソフトもコントローラ251上で実行される。
【0038】
デジタルカメラ100のクライアント機能とサーバープログラムとは、通信プロトコルに従い、接続およびデータ転送を行う。この通信プロトコルとしてDLNA(Digital Living Network Alliance)で規定されるDMSプロトコル等がある。DMSプロトコルには、必須機能のほかにいくつかのオプション機能が定義されている。本実施の形態1では、クライアントからサーバに画像をアップロード送信する。そのため、ここでは、DMSプロトコルのUPLOADのオプション機能を使用する場合を一例に挙げる。
【0039】
図4は、上記本実施の形態1に係るデジタルカメラ100と、上記本実施の形態1に係るパーソナルコンピュータ250との通信シーケンスを示す図である。以下、図4に基づき一連の動作について説明する。
【0040】
2−1.デバイスサーチシーケンス
まず、デバイスサーチシーケンスについて説明する。デジタルカメラ100のユーザは、デジタルカメラ100のメモリカードあるいは140フラッシュメモリ124に保管されている写真ファイルをパーソナルコンピュータ250に転送させたい場合、デジタルカメラの電源をONにして起動する。ユーザは、液晶モニタ123に表示される指示に従い、写真転送モードに切り替える。写真転送モードに切り替えられると、液晶モニタ123には「送信先検索」ボタンが表示される。「送信先検索」ボタンが押されると、デジタルカメラ100は、パーソナルコンピュータ250に、デバイスサーチ要求(検索デバイス==DMS)を送信する(S400)。デバイスサーチ要求には、検索デバイス種類を指定する必要があるが、ここでは、上記DMSを指定する。
【0041】
PC250は、DMSサーバ機能を持っており、検索デバイス(DMS)に該当するので、デバイスサーチ応答を、デジタルカメラ100に返信する(S401)。この際、PC250は、デバイス情報要求を行う上でのアクセス先URLを、DMS−URLとして、デバイスサーチ応答に含める。
【0042】
デジタルカメラ100は、デバイスサーチ応答を受信すると、DMS−URLをアクセス先として、デバイス情報要求をPC250に送信する(S402)。
【0043】
PC250は、自装置のデバイス記述情報をデバイス情報応答としてデジタルカメラ100に返信する(S403)。ここで、DMSプロトコルによれば、自装置がアップロードオプションに対応する場合は、その旨を記載したデバイス記述情報をサーバープログラムが用意する。本実施の形態の場合、PC250は、UPLOADオプションに対応するので、デバイス記述情報にはその旨の記載がされている。ここまでがデバイスサーチシーケンスである。
【0044】
2−2.アップロードシーケンス
続いて、写真データアップロードシーケンスについて説明する。
【0045】
デジタルカメラ100のコントローラ130は、デバイス情報応答を受信すると、デバイス記述情報からPC250がアップロードオプションに対応するか否かを判別する。PC250がアップロードオプションに対応していない場合、デジタルカメラ100は、「送信先が見つかりません」旨を液晶モニタ123に表示し、デバイスサーチ処理を終了する。本実施の形態の場合、PC250は、アップロードオプションに対応しているので、デジタルカメラ100は、アップロードプロファイル獲得要求をPC250に送信する(S404)。この際、デジタルカメラ100は、自装置が取り扱い可能なコンテンツタイプを記載したコンテンツタイプリストをアップロードプロファイル獲得要求にセットする。
【0046】
PC250は、アップロードプロファイル獲得要求を受信すると、コンテンツタイプリストを確認し、その中で自装置が対応しているコンテンツタイプのみを含むコンテンツタイプリストを作成する。そして、PC250は、アップロードプロファイル応答に、コンテンツタイプリストを入れ込んで、デジタルカメラ100に、返信する(S405)。
【0047】
デジタルカメラ100は、アップロードプロファイル応答を受信すると、その中のコンテンツタイプリストを確認し、コンテンツリストが空でないならば、「送信先が見つかりました」のメッセージ及び「デバイス名」を液晶モニタ123に表示する。「デバイス名」はデバイス記述情報の一つとして既に受け取っている。デバイス名にはPC250を示す値がセットされているので、ユーザは送信相手先が所定のパーソナルコンピュータであることを確認できる。なお、コンテンツタイプリストが空の場合は、「送信先が見つかりませんでした」のメッセージを液晶モニタ123に表示する。
【0048】
ユーザは、デバイスサーチ処理により、パーソナルコンピュータの「デバイス名」が液晶モニタ123に表示されたことを確認すると、デジタルカメラの指示に従い画像選択モードに切り替える。画像選択モードでは、PC250がサポートしていると回答したコンテンツタイプのみがアップロード可能な画像として選択できる。ユーザが画像を選択後にアップロードを指示すると、デジタルカメラ100は、オブジェクト作成要求をパーソナルコンピュータに送信する(S406)。
【0049】
本実施の形態1では、デジタルカメラ100のコントローラ130が、オブジェクト作成要求(送信コマンド)に、DMS−UPLOAD標準プロトコルで定義されていない「機種特定情報」を拡張情報として入れ込んでPC250に送信する。ここで、拡張情報とは、通信装置メーカーが自由に記載できる情報をいう。「機種特定情報」は、プロトコル拡張であることを示す「拡張タグ」、及び機種を特定する「機種ID」により構成される。本実施の形態の場合、「機種ID」には本実施の形態1のデジタルカメラ100であることを示す値がセットされる。このように、本実施の形態1では、デジタルカメラ100が、この「機種特定情報」を、オブジェクト作成要求に含めてパーソナルコンピュータに送信する。
【0050】
<オブジェクト作成要求について>
ここで、図5を用い、上記オブジェクト作成要求について説明する。図5は、本実施の形態1でのオブジェクト作成要求の一例である。
【0051】
図示するように、オブジェクト作成要求は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)で送られ、HTTPヘッダ部510と、HTTPボデイ部550に大別できる。破線で囲って示すように、本例では、「機種特定情報」511は、HTTPヘッダ部510に追加される。即ち、「機種特定情報」511は、「X-AUTHORIZED-PRODUCT: ABCD DSC/1.00 XX90」に相当する。「機種特定情報」511には、本実施の形態1によるプロトコル拡張であることを示す「拡張タグ」511Aと、機種を特定する「機種ID」511Bとにより構成される。本例の場合、「拡張タグ」511Aは、「X-AUTHORIZED-PRODUCT:」である。「機種ID」511Bは、「XX90」である。本例のように、「機種特定情報」511を、HTTPヘッダ部510にも設けることにより、「機種特定情報」511はヘッダ部から読み込まれるため、読み込み速度を向上できる点で有利である。なお、「機種特定情報」は、これに限られず、ボディ部550等に設けるなど、必要に応じて適用可能である。
【0052】
図4に戻り、PC205は、上記オブジェクト作成要求を受信すると、オブジェクト作成要求に、拡張情報が含まれているか否かを確認する。オブジェクト作成要求に拡張情報が含まれている場合、その拡張情報が「機種特定情報」であるか否かを確認する。拡張情報が「機種特定情報」である場合、「機種ID」の値を読み取り、「機種ID」の値によりオブジェクト作成要求を送信した通信装置(本例では、デジタルカメラ100)が、PC250が写真の受信を許可する機種か否かを判定する。本実施の形態1の場合、デジタルカメラ100は、PC250が写真の受信を許可する機種であるので、PC250は、オブジェクト作成応答のリターンコードに成功とセットし、またオブジェクトIDに有効なIDをセットしてデジタルカメラに返信する(リターンコード=成功、オブジェクトID=有効ID)(S407)。
【0053】
<プロトコル処理部の判定フロー(S407)>
ここで、上記ステップS407における、PC205のプロトコル処理部251の判定処理の詳細を、図6を用いて説明する。
即ち、図示するように、PC205のプロトコル処理部251は、オブジェクト作成要求を受信すると、拡張情報が含まれているか否かを判定する(S407−1)。本例の場合、図5に示したように、オブジェクト作成要求のヘッダ部510に挿入される「機種特定情報」511に、拡張情報として拡張タグ511Aが含まれている。
【0054】
拡張情報が含まれている場合(Yes)、プロトコル処理部251は、拡張情報が「機種特定情報」であるか否かを確認する(S407−2)。本例の場合、図5に示したように、拡張タグ511Aは、「機種特定情報」511である。
【0055】
拡張情報が「機種特定情報」である場合(Yes)、プロトコル処理部251は、「機種特定情報」中の「機種ID」の値を読み取り、「機種ID」の値によりオブジェクト作成要求を送信した通信装置(本例では、デジタルカメラ100)が、PC250が写真の受信を許可する機種か否かを判定する(S407−3)。本実施の形態1の場合、プロトコル処理部251は、「機種特定情報」511中の「機種ID」511Bの値を読み取る。そして、プロトコル処理部251は、例えば、ワークメモリ252やHDD253等に格納される「機種ID」情報を参照すること等により、読み取った「機種ID」511B値と比較する。本例の場合、オブジェクト作成要求を送信した通信装置(本例では、デジタルカメラ100)は、格納した「機種ID」情報と一致するため、PC250が写真の受信を許可する機種であると判定される。
【0056】
オブジェクト作成要求を送信した通信装置が写真データの受信を許可する機種であるとき、プロトコル処理部251は、オブジェクト作成応答のリターンコードに成功とセットし、またオブジェクトIDに有効なIDをセットしてデジタルカメラに返信(リターンコード=成功、オブジェクトID=有効ID)(S407−4)し、このフローを終了する(End)。
【0057】
一方、上記ステップS407−1乃至S407−3いずれかの判定において、条件が満たされないと判定される場合(No)、プロトコル処理部251は、コンテンツ送信不可能を送信元の通信装置に返信し(S407−5)、このフローを終了する(End)。
【0058】
図4に戻り、デジタルカメラ100は、オブジェクト作成応答のリターンコードが成功となっているので、アップロード要求を送信する(S408)。アップロード要求には、アップロード対象のコンテンツ本体(本例の場合、写真データ本体)をPC250から受け取ったオブジェクトIDが含まれる。
【0059】
PC250は、アップロード成功の旨を示す応答を、デジタルカメラ100に返信する(S409)。写真データアップロードは、以上のステップにより終了する。以上のステップにより、実施の形態1に係る通信プロトコルを終了する。
【0060】
〔3.作用効果〕
上記のように、実施の形態1に係る構成及び動作によれば、少なくとも下記(1)、(2)の効果が得られる。
【0061】
(1)より適切にコンテンツデータを通信することができる。
上記のように、実施の形態1に係る送信側の通信装置100は、所定の標準規格に基づく通信プロトコルを処理する通信プロトコル処理部130は、通信プロトコル(本例では、HTTP)で定義される送信コマンドに、自装置の機種特定情報を標準規格の拡張情報として含ませる(S406)。本例では、図5に示したように、HTTPの送信コマンドであるオブジェクト作成要求には、ヘッダ部510に「拡張タグ」511A及び「機種ID」511Bから構成される「機種特定情報」511が含まれる。
【0062】
そのため、実施の形態1に係る受信側の通信装置250は、上記標準規格に基づく通信プロトコルを処理する通信プロトコル処理部251が、上記通信プロトコル(HTTP)で定義される受信コマンドに標準規格の拡張情報が含まれる場合において、拡張情報が機種特定情報であるか否かに応じて、データ送信元装置からの通信を規制する。本例では、図6の判定フローで示したように、第1乃至第3の判定ステップS407−1乃至S407−3の全てを満たす場合の通信装置に対してのみ、コンテンツ送信可能を返信する(S407−4)。本例の場合には、送信可能な機種と判定される(Yes)ため、オブジェクト作成応答のリターンコードに成功とセットし、またオブジェクトIDに有効なIDをセットしてデジタルカメラに返信(リターンコード=成功、オブジェクトID=有効ID)される。
【0063】
このように、本例によれば、画像データのアップロードを受け付けるクライアント端末の通信装置(本例では、デジタルカメラ)を規制できる。そのため、不特定多数のクライアント端末の通信装置からのDOS攻撃的なアップロードを防止することができる点で、有利である。その結果、より適切にコンテンツデータを通信することができる。
【0064】
(2)標準として普及している画像送受信システムとの互換性を保持できる。
上記のように、実施の形態1に係る送信側の通信装置100は、標準規格に基づく通信プロトコル(本例では、HTTP)を処理する通信プロトコル処理部130を備える。
さらに、実施の形態1に係る受信側の通信装置250も、上記標準規格に基づく通信プロトコル(HTTP)を処理する通信プロトコル処理部251を備える。
そのため、図7に示すように、実施の形態1に係る通信システムでは、標準規格に基づく通信プロトコル(HTTP)を処理する通信装置同士であれば、通信が可能である。例えば、通信プロトコル(HTTP)を処理化可能な本例のデジタルカメラ100は、本例のPC250だけでなく、DVDレコーダ350やカーナビ450等との間でも、同様の通信プロトコル(HTTP)によりデータの送信が可能である。
【0065】
〔実施の形態2(送信側の通信装置が一般例の場合)〕
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、送信側の通信装置が実施の形態1のデジタルカメラ100のプロトコル処理機能を備えない一般的な通信装置の場合(ここでは、デジタルカメラ100Bと称する)に関する。受信側の通信装置であるPC250は、上記と同様の構成を備えるものである。以下の説明において、上記実施の形態1と重複する部分については、省略する。
【0066】
<通信プロトコル>
実施の形態2に係る通信プロトコルについて、図8を用いて説明する。
図8は、一般のデジタルカメラと本実施の形態のパーソナルコンピュータ250との通信を説明するための通信シーケンス図である。
【0067】
ここで、デバイスサーチ(S400〜S403)については図4と同じであるので、説明は省略し、写真アップロードシーケンスのみ説明する。
【0068】
まず、デバイス情報応答を受信すると、デジタルカメラ100Bは、デバイス記述情報からPC250がアップロードオプション対応か否かを判別する。PC250がアップロードオプション対応していない場合、デジタルカメラ100Bはデバイスサーチ処理を終了する。
【0069】
本実施の形態の場合、PC250は、アップロードオプションに対応しているので、デジタルカメラ100Bは、次にアップロードプロファイル獲得要求をPC250に送信する(S404)。なお、デジタルカメラ100Bは、自装置が取り扱い可能なコンテンツタイプを記載したコンテンツタイプリストをアップロードプロファイル獲得要求にセットしている。
【0070】
PC250は、アップロードプロファイル獲得要求を受信すると、コンテンツタイプリストを確認し、その中で自装置が対応しているコンテンツタイプのみを含むコンテンツタイプリストを作成し、アップロードプロファイル応答に入れ込んでデジタルカメラ100Bに返信する(S405)。
【0071】
ユーザは、デバイスサーチ処理によりPC250の「デバイス名」が液晶モニタに表示されたことを確認すると、デジタルカメラ100Bの指示に従い画像選択モードに切り替える。画像選択モードでは、PC250がサポートしていると回答したコンテンツタイプのみがアップロード可能な画像として選択できる。ユーザが画像を選択後にアップロードを指示すると、デジタルカメラ100Bは、オブジェクト作成要求をPC250に送信する(S410)。
【0072】
ここで、デジタルカメラ100Bは、一般的な通信装置であるので、オブジェクト作成要求には、本実施の形態1に係る「機種特定情報」が入れ込まれずに、PC250に送信される。
【0073】
PC250は、オブジェクト作成要求を受信すると、拡張情報が含まれていないかを確認する。本例では、オブジェクト作成要求に拡張情報が含まれていない。よって、PC250は、オブジェクト作成要求を送信した通信装置(デジタルカメラ100B)が、PC250が写真の受信を許可する機種でないと判別する。そこで、PC250は、オブジェクト作成応答のリターンコードに失敗とセットし、またオブジェクトIDに無効なIDをセットしてデジタルカメラに返信する(リターンコード=失敗、オブジェクトID=無効ID)(S411)。
【0074】
デジタルカメラ100Bは、オブジェクト作成応答のリターンコードが失敗となっているので、アップロード要求を送信しても受信されないと判断し、処理をそこで停止する。このとき、デジタルカメラ100Bの液晶モニタには、例えば「写真アップロードできませんでした」のメッセージが表示される。
【0075】
<作用効果>
上記のように、実施の形態2では、送信側の通信装置が上記デジタルカメラ100の構成を備えない一般的な通信装置(デジタルカメラ100B)である。受信側の通信装置であるPC250は、実施の形態1のものと同様の構成を備えるものである。
そのため、デジタルカメラ100Bは通常の通信装置であるので、オブジェクト作成要求には本例に係る「機種特定情報」が入れ込まれずに、PC250に送信される(S410)。PC250は、受信したオブジェクト作成要求に拡張情報が含まれていないので、オブジェクト作成要求を送信した通信装置(デジタルカメラ100B)が、PC250が写真の受信を許可する機種でないと判別する(S411)。これにより、アップロード要求を拒否することができる。
【0076】
〔実施の形態3(受信側の通信装置が一般例の場合)〕
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、受信側の通信装置が実施の形態1のPC250のプロトコル機能を備えない一般的な通信装置である場合(ここでは、PC250Bと称する)に関する。送信側の通信装置であるデジタルカメラ100は、上記実施の形態1と同様の構成を備えるものである。以下の説明において、上記実施の形態1と重複する部分については、省略する。
【0077】
<通信プロトコル>
図9は、本実施の形態3に係るデジタルカメラ100と一般のPC250Bとの通信を説明するための通信シーケンス図である。ここで、デバイスサーチ処理(S400〜S403)については図4と同じであるので、説明は省略し、写真アップロード処理のみ説明する。
【0078】
まず、デバイス情報応答を受信すると、デジタルカメラ100のコントローラ130は、デバイス記述情報からPC250Bがアップロードオプション対応か否かを判定する。PC250がアップロードオプションに対応していない場合、デジタルカメラ100は「送信先が見つかりません」と液晶モニタ123に表示してデバイスサーチ処理を終了する。
本実施の形態の場合、PC250はアップロードオプションに対応しているので、デジタルカメラ100は、次にアップロードプロファイル獲得要求をPC250Bに送信する(S404)。なお、デジタルカメラ100は自装置が取り扱い可能なコンテンツタイプを記載したコンテンツタイプリストをアップロードプロファイル獲得要求にセットしている。
【0079】
続いて、PC250Bは、アップロードプロファイル獲得要求を受信すると、コンテンツタイプリストを確認し、その中で自装置が対応しているコンテンツタイプのみを含むコンテンツタイプリストを作成し、アップロードプロファイル応答に入れ込んでデジタルカメラ100に返信する(S405)。
【0080】
ユーザは、デバイスサーチ処理によりPC250Bの「デバイス名」が液晶123に表示されたことを確認すると、デジタルカメラの指示に従い画像選択モードに切り替える。画像選択モードでは、PC250Bが、サポートしていると回答したコンテンツタイプのみがアップロード可能な画像として選択できる。ユーザが画像を選択後にアップロードを指示するとデジタルカメラ100は、オブジェクト作成要求をパーソナルコンピュータに送信する(S412)。
【0081】
本実施の形態3では、ステップS412において、デジタルカメラ100は、オブジェクト作成要求にDMS−UPLOAD標準プロトコルで定義されていない「機種特定情報」を拡張情報として入れ込んでPC250Bに送信する。「機種特定情報」は、同様のプロトル拡張であることを示す「拡張タグ」と機種を特定する「機種ID」とにより構成される。本実施の形態の場合、機種IDには本実施のデジタルカメラ100であることを示す値がセットされる。この「機種特定情報」をオブジェクト作成要求に含めてPC250Bに送信する。
【0082】
前述のように、オブジェクト作成要求を受信するPC250Bは、一般的な通信装置である。そのため、拡張情報が含まれているかについては確認しない場合と確認する場合がある。確認しない場合は、PC250Bは、DMS−UPLOAD標準プロトコルでのオブジェクト作成要求とみなす。確認する場合であっても、PC250Bは、拡張情報の存在は確認できるが、一般のPC250Bは本実施の形態に係る「機種特定情報」の定義を知らないので、理解不能な情報として処理をする。DMSプロトコルでは、拡張情報に理解不能な情報が含まれる場合は、それを無視しDMS−UPLOAD標準プロトコルでのオブジェクト作成要求とみなされる。
【0083】
上記のように、PC250Bは、上記いずれの場合でもデジタルカメラ100からのオブジェクト作成要求はDMS−UPLOAD標準プロトコルでのオブジェクト作成要求とみなされて処理される。そして、PC250Bは、オブジェクト作成応答のリターンコードに成功とセットし、またオブジェクトIDに有効なIDをセットしてデジタルカメラに返信する(リターンコード=成功、オブジェクトID=有効ID)(S413)。
【0084】
続いて、デジタルカメラ100は、オブジェクト作成応答のリターンコードが成功となっているので、アップロード要求を送信する(S414)。アップロード要求にはアップロード対象のコンテンツ本体(今の場合、写真本体)をパーソナルコンピュータから受け取ったオブジェクトIDが含まれる。図9で示すシーケンスの場合、PC250Bは、本実施の形態に係る通信装置250等で無く一般的なものであるので、デジタルカメラ100は、写真の送信が可能である。
【0085】
続いて、PC250は、アップロード成功の旨を示す応答をデジタルカメラ100に返信する(S415)。
【0086】
<作用効果>
上記のように、実施の形態3では、受信側の通信装置が一般的な装置(ここでは、PC250B)に関する。送信側の通信装置であるデジタルカメラ100は、上記実施の形態1と同様の構成を備えるものである。
【0087】
そのため、デジタルカメラ100は、オブジェクト作成要求に、DMS−UPLOAD標準プロトコルで定義されていない「機種特定情報」を拡張情報として入れ込んでPC250Bに送信する。
【0088】
一方、オブジェクト作成要求を受信するPC250Bは、DMSプロトコルで拡張情報に理解不能な情報が含まれるため、それを無視し、DMS−UPLOAD標準プロトコルでのオブジェクト作成要求みなす。
【0089】
上記実施の形態に限らず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態を変形して適用することが可能である。例えば、図10を用い、オブジェクト作成要求の変形例について説明する。図10は、オブジェクト作成要求の変形例一例である。図示するように、変形例のオブジェクト作成要求は、HTTPプロトコルで送信され、HTTPヘッダ部510とHTTPボデイ部550に大別される。本例では、HTTPヘッダ部510に追加される「ABCD DSC/1.00 XX90」が「機種特定情報」511に相当する。同様に、「機種ID」511Bは、「XX90」である。「USER-AGENT」という送信元クライアントを識別するのに使用される標準タグの値として、追記される点で、図5に示すものと相違する。
【0090】
上記のように、本変形例のようなオブジェクト作成要求を適用することも可能である。また、HTTPヘッダ部510に限らず、「機種特定情報」511を、HTTPボディ部550に配置することも同様に可能である。
【0091】
〔実施の形態4(一般的な通信装置との関係について)〕
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4は、本実施の形態の通信装置(即ち、特有のプロトコル処理の機能を有するデジタルカメラ100A、PC250A等)と、一般的な通信装置(特有のプロトコル処理の機能を有さないデジタルカメラ100B、PC250B等)とで構成される通信システムについて、説明するものである。
【0092】
上記実施の形態1、2において、図4及び図8で説明したように、本実施の形態の通信装置であるPC250Aは、本実施の形態の通信装置であるデジタルカメラ100Aからの写真送信の受付許可と、一般のデジタルカメラ100Bからの写真送信受付拒否を同じ通信プロトコル(本例の場合、HTTP)で実現できる。
【0093】
また、上記実施の形態1、3において、図4及び図9で説明したように、本実施の形態に係る通信装置であるデジタルカメラ100Aは、本実施の形態の通信装置であるPC250Aと、一般のPC250Bとで、同じ通信プロトコル(HTTP)で、写真をアップロード送信することができる。
【0094】
通信システムにおいて、以上のような関係をまとめると、図11のように示される。
図示するように、上記実施の形態1で説明したように、本実施の形態の通信装置に係るPC250Aは、所定の通信プロトコル(本例では、HTTP)により、本実施の形態の通信装置に係るデジタルカメラ100Aからの写真データの送信の受付を許可する。
【0095】
一方で、上記実施の形態2で説明したように、図中の破線ComABで示すように、本実施の形態の通信装置に係るPC250Aは、同一の通信プロトコル(HTTP)において、一般的なデジタルカメラ100Bからの写真データの送信の受付を拒否する。
【0096】
また、上記実施の形態1において説明したように、本実施の形態に係る通信装置であるデジタルカメラ100Aは、本実施の形態に係る通信装置であるPC250Aと、通信プロトコル(本例では、HTTP)により、写真データをアップロード送信することができる。
【0097】
一方で、上記実施の形態3において説明したように、本実施の形態に係る通信装置であるデジタルカメラ100Aは、一般のPC250Bとで、同じ通信プロトコル(HTTP)で、写真データをアップロード送信することもできる。
【0098】
このように、本例によれば、画像データのアップロードを受け付ける送信元のクライアント端末の通信装置(本例では、デジタルカメラ100B)のアップロード送信を規制することができる。そのため、PC250Aは、不特定多数のクライアント端末の通信装置(100B)からのDOS攻撃的なアップロードを防止することができる。
【0099】
加えて、本実施の形態によれば、所定の標準規格に基づく通信プロトコル(HTTP)を処理する通信装置同士であれば、通信が可能である。例えば、通信プロトコル(HTTP)を処理化可能な本例のデジタルカメラ100Aは、本実施の形態のPC250Aだけでなく、一般的な通信装置のPC250B、及びDVDレコーダ350等との間でも、同様の通信プロトコル(HTTP)によりデータの送信が可能であり、互換性を維持できる。
【0100】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
通信装置としては、デジタルカメラやパーソナルコンピュータの適用に限定されることはない。例えば、ムービーカメラやスマートフォン等、通信部を備えた通信機器、又はそれら通信機器をLANで接続する通信システム等に対しても適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0102】
100…デジタルカメラ
123…液晶モニタ
130…コントローラ
140…メモリカード
142…フラッシュメモリ
150…操作部
171…通信部
250…パーソナルコンピュータ
251…コントローラ
253…HDD
254…通信部
256…液晶モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の規格に基づく通信プロトコルを処理する通信プロトコル処理部と、
前記通信プロトコル処理部の制御を受け、データの送信先の通信装置との通信処理を実行する通信部と、を備え、
前記通信プロトコル処理部は、前記通信プロトコルで定義される送信コマンドに自装置の機種特定情報を、前記所定の規格の拡張情報として含ませる、
通信装置。
【請求項2】
前記機種特定情報は、前記送信コマンドのヘッダ部に配置される
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記機種特定情報は、前記自装置の機種IDを有する
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信プロトコルは、HTTPである
請求項1乃至3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の通信装置は、被写体を撮像して画像データを生成する撮像装置である。
【請求項6】
所定の規格に基づく通信プロトコルを処理する通信プロトコル処理部と、
前記通信プロトコル処理部の制御を受け、データの送信元の通信装置との通信処理を実行する通信部と、を備え、
前記通信プロトコル処理部は、前記通信プロトコルで定義される受信コマンドに前記所定の規格の拡張情報が含まれる場合に、前記拡張情報が機種特定情報であるか否かに応じて、前記データの送信元の通信装置からの通信を規制する、
通信装置。
【請求項7】
前記機種特定情報は、前記受信コマンドのヘッダ部に配置される
請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記機種特定情報は、前記データの送信元の通信装置の機種IDを有する
請求項6又は7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信プロトコルは、HTTPである
請求項6乃至8のいずれかに記載の通信装置。
【請求項10】
前記通信プロトコル処理部は、
前記受信コマンドを受信すると、前記拡張情報が、前記機種特定情報であるか否かを判定し、
前記拡張情報が、機種特定情報である場合、前記機種特定情報中の前記機種IDの値を読み取り、前記機種IDの値により、前記送信コマンドを送信した通信装置が、自装置のデータ受信を許可する装置か否かを判定する
請求項8又は9に記載の通信装置。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれかに記載の通信装置は、パーソナルコンピュータである。
【請求項12】
所定の規格に基づく通信プロトコルを処理する第1プロトコル処理部と、前記第1プロトコル処理部の制御を受け、データの送信先の通信装置との通信処理を実行する第1通信部とを備える第1通信装置と、
前記所定の規格に基づく通信プロトコルを処理する第2プロトコル処理部と、前記第2プロトコル処理部の制御を受け、データの送信元の通信装置との通信処理を実行する通信部とを備える第2通信装置と、を具備する通信システムにおいて、
前記第1プロトコル処理部は、前記通信プロトコルで定義される送信コマンドに前記第1通信装置の機種特定情報を、前記所定の規格の拡張情報として含ませ、
前記第2プロトコル処理部は、送信される前記通信プロトコルで定義される受信コマンドに前記所定の規格の前記拡張情報が含まれる場合に、前記拡張情報が機種特定情報であるか否かに応じて、前記第1通信装置からの通信を規制する
通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−80462(P2013−80462A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204780(P2012−204780)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】