説明

通信装置、通信システムおよび機能設定方法

【課題】通信装置が有する機能の設定のし忘れを低減することができる通信装置、通信システムおよび機能設定方法を提供する。
【解決手段】通信先装置bとの通信機能を停止可能な通信装置aは、通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付部A1と、受付部A1にて受け付けられた停止情報を通信先装置bに送信するメール送信部a3と、メール送信部a3から停止情報が通信先装置bに送信された後、メール送信部a3の動作を停止する設定部A2と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システムおよび機能設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の普及に伴い、複数台の携帯電話を所持する利用者が多くなっている。携帯電話には、携帯電話が有する機能の一部を制限する機能が付与されている。例えば、着信音が迷惑になるような場所では、着信音の発生を制限する機能としてマナーモードが有効であり、電波が影響を及ぼすおそれのある病院等では、電波の送受信を制限する機能として電波OFFモードや電源OFFが有効である。
【0003】
複数台の携帯電話を所持する利用者にとっては、複数台の携帯電話に対し、個別に機能を設定するのは、面倒であり、設定のし忘れも起こり易い。
【0004】
複数の携帯電話の機能を容易に設定するための技術として、特許文献1に、利用者によって設定された特定の機能と同一の機能を、他の通信装置にも設定する通信装置が記載されている。
【0005】
特許文献1に記載の技術では、通信元装置は、利用者の操作に基づいて特定の機能が設定され、その設定された機能に関する操作情報を通信先装置に出力する。通信先装置は、通信元装置から操作情報を受け付けると、その操作情報に基づいて機能を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−218051号公報(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術では、操作情報を出力する機能を制限する機能が、通信元装置に設定されると、通信元装置から通信先装置に対し操作情報が出力されなくなるため、通信先装置には、通信元装置と同一の機能が設定されなくなってしまう。
【0008】
したがって、複数の携帯電話に対し同一の機能を設定するような場合には、使用者による機能設定のし忘れが起こり易くなってしまうという課題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記した課題を解決する通信装置、通信システムおよび機能設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信装置は、通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置であって、前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段にて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信手段と、前記送信手段から前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信手段の動作を停止する設定手段と、を含む。
【0011】
本発明の通信システムは、通信先装置と、前記通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置と、を含む通信システムであって、前記通信装置は、前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段にて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信手段と、前記送信手段から前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信手段の動作を停止する設定手段と、を含み、前記通信先装置は、前記通信装置から送信された停止情報を受信する受信手段と、前記受信手段の動作を停止する設定手段と、を含む。
【0012】
本発明の機能設定方法は、通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置の機能設定方法であって、前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信ステップと、前記送信ステップにて前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信ステップの処理を停止する設定ステップと、を含む。
【0013】
本発明の機能設定方法は、通信先装置と、前記通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置と、を含む通信システムの機能設定方法であって、前記通信装置が、前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付ステップと、前記通信装置が、前記受付ステップにて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信ステップと、前記通信装置が、前記送信ステップにて前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信ステップの処理を停止する設定ステップと、前記通信先装置が、前記通信装置から送信された停止情報を受信する受信ステップと、前記通信先装置が、前記受信ステップの処理を停止する設定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通信装置が有する機能の設定のし忘れを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態における通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】情報保持部a9に保持されている連携情報の一例を示す図である。
【図3】状態表示部a8によって表示される状態情報の表示例を示す図である。
【図4】動作判定部a6の構成例を示す図である。
【図5】「マナーモードON」の機能制限ボタンが押下された場合における携帯電話aから送信されるモード連携メールc1の形式例を示す図である。
【図6】携帯電話bから、図5に示したモード連携メールc1に対して送信されるモード応答メールc2の形式例を示す図である。
【図7】携帯電話aにて受け付けられた機能情報に基づいて、携帯電話aおよびbが機能情報の示す機能を設定または解除する場合における通信システムの動作概要を示すシーケンスチャートである。
【図8】ボタン押下処理s1の処理手順例を示すフローチャートである。
【図9】メール判定処理s2またはs4の処理手順例を示すフローチャートである。
【図10】モード連携処理s3の処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】モード応答処理s5の処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】連携先携帯電話との通信機能が停止されない機能としてマナーモードが設定され場合における携帯電話aと携帯電話bとの連携動作を示すタイミングチャートである。
【図13】連携先携帯電話との通信機能が停止される機能として電波OFFが設定される場合における携帯電話aと携帯電話bとの連携動作を示すタイミングチャートである。
【図14】携帯電話aが、携帯電話bおよびcと機能設定の連携を行う場合における状態表示部a8の表示例を示す図である。
【図15】携帯電話aが、携帯電話bおよびcと機能設定の連携を行う場合における情報保持部a9の連携情報の一例を示す図である。
【図16】携帯電話aが、携帯電話bおよびcと機能設定の連携を行う場合における携帯電話a、bおよびcの動作の概要を示すシーケンスチャートである。
【図17】モード連携処理s6の処理手順例を示すフローチャートである。
【図18】モード応答処理s7の処理手順例を示すフローチャートである。
【図19】マナーモードが設定される場合における携帯電話a、bおよびcの連携動作を示すタイミングチャートである。
【図20】電波OFFが設定される場合における携帯電話a、bおよびcの連携動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
通信システムは、使用者の操作によって各種機能を設定する旨の機能情報を受け付ける携帯電話aと、携帯電話aからの機能情報に基づいて、携帯電話aに設定される機能と同一の機能を設定する携帯電話bと、を備えている。すなわち、通信システムは、携帯電話aと、携帯電話aと機能設定の連携が可能な通信先装置である携帯電話bと、を備えている。
【0019】
携帯電話aおよび携帯電話bは、一般的に通信装置または通信先装置と呼ぶことができる。携帯電話aおよび携帯電話bの各々は、他の携帯電話と通信を行うための通信機能を停止可能な携帯電話ある。
【0020】
本実施形態では、携帯電話aは、使用者の操作によって受け付けた機能情報を、モード連携メールc1として携帯電話bに送信する。また、携帯電話aは、モード連携メールに応答するための応答情報として、携帯電話bから送信されるモード応答メールc2を受信する。また、携帯電話aは、機能情報に示される機能を設定または解除する。
【0021】
携帯電話bは、機能情報として、携帯電話aから送信されたモード連携メールを受信すると、その機能情報に示される機能を設定または解除する。また、携帯電話bは、モード応答メールを応答情報として携帯電話aに送信する。
【0022】
本実施形態では、携帯電話aおよび携帯電話bは、互いに同様の構成をとるため、携帯電話aの構成についてのみ説明する。
【0023】
携帯電話aは、受付部A1と、設定部A2と、メール送信部a3と、状態表示部a8と、を備える。受付部A1は、モード設定ボタンa1と連携判定部a2とを備える。設定部A2は、モード設定部a4と、メール受信部a5と、動作判定部a6と、メール応答部a7と、情報保持部a9と、を備える。
【0024】
情報保持部a9は、携帯電話aと連携可能な携帯電話(以下「連携先携帯電話」と称する。)の識別情報ごとに、機能設定の連携を行うか否かを示す連携状態と、連携先携帯電話のメールアドレスを示す連携先メールアドレスと、連携先携帯電話の所定機能の設定状態または解除状態を示す状態情報と、を互いに関連付けて連携情報として保持する。
【0025】
図2は、情報保持部a9に保持されている連携情報の一例を示す図である。
【0026】
識別名a91には、携帯電話aと連携可能な連携先携帯電話として、携帯電話bの識別名が保持されている。
【0027】
連携状態a92には、連携先携帯電話の連携状態が、「ON」または「OFF」により示され、本実施形態では、機能設定の連携を行う旨を示す「ON」の連携状態が示されている。
【0028】
連携先メールアドレスa93には、連携先携帯電話のメールアドレスが保持されている。
【0029】
連携先モードには、連携先携帯電話の機能の動作状態として設定状態または解除状態を示す状態情報が保持されている。本実施形態では、状態情報として、連携先携帯電話の電源状態を示す電源状態a94と、連携先携帯電話の電波状態を示す電波状態a95と、連携先携帯電話のマナーモードの動作状態を示すマナー状態a96と、が連携先モードに設けられている。
【0030】
図1に戻り、受付部A1は、一般的に受付手段と呼ぶことができる。
【0031】
受付部A1は、使用者の操作によって、他の携帯電話と通信を行うための通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける。また、受付部A1は、通信機能とは異なる所定機能を設定または解除する旨の処理情報をさらに受け付ける。
【0032】
なお、携帯電話aおよびbは、通信機能が停止されることにより、メール送信部a3またはメール受信部a5の動作が停止するため、メールの送受信を行うことができなくなる。
【0033】
モード設定ボタンa1は、携帯電話aが有する各種機能を設定または解除する旨の機能情報を生成する。この機能情報は、停止情報および処理情報を含む。
【0034】
モード設定ボタンa1は、各種機能を設定または解除するための設定ボタンとして、「マナーモードON」、「マナーモードOFF」、「電源ON」、「電源OFF」、「電波OFF」や「電波ON」などの複数のボタンを有する。複数の設定ボタンは、特定の機能を制限する制限機能を設定するための機能制限ボタンと、機能制限ボタンによって制限された機能制限を解除するための制限解除ボタンと、に大別される。
【0035】
機能制限ボタンとしては、「マナーモードON」、「電源OFF」や「電波OFF」などが該当する。機能制限ボタンのうち、「電源OFF」および「電波OFF」の設定ボタンは、通信機能が停止される通信停止ボタンである。また、制限解除ボタンとしては、「マナーモードOFF」、「電源ON」や「電波ON」などが該当する。
【0036】
モード設定ボタンa1は、使用者によって各設定ボタンが押下されると、各設定ボタンに対応する機能を実行するための機能情報を生成する。本実施形態では、モード設定ボタンa1は、機能制限ボタンが押下されると、機能情報として、設定情報を生成する。また、モード設定ボタンa1は、機能制限ボタンのうち通信停止ボタンが押下されると、設定情報として、通信機能を停止する旨の停止情報を生成する。
【0037】
また、モード設定ボタンa1は、制限解除ボタンが押下されると、機能情報として、解除情報を生成する。また、モード設定ボタンa1は、その機能情報を、連携判定部a2に出力する。
【0038】
連携判定部a2は、モード設定ボタンa1から機能情報を受け付けると、ボタン押下処理として、その機能情報が、解除情報であるか否かを判定する。連携判定部a2は、機能情報が、解除情報であると判定すると、その解除情報を、モード設定部a4に供給する。
【0039】
また、連携判定部a2は、モード設定ボタンa1から機能情報を受け付けると、モード連携処理を行う。本実施形態では、連携判定部a2は、機能情報が解除情報である場合には、モード設定部a4に解除情報を供給した後、その解除情報に基づいて、モード連携処理を行う。一方、連携判定部a2は、機能情報が解除情報でない場合には、その機能情報をモード設定部a4に供給することなく、モード連携処理を行う。
【0040】
モード連携処理において、連携判定部a2は、情報保持部a9を参照して、携帯電話bの連携状態がONまたはOFFのいずれであるかを判断する。連携判定部a2は、連携状態がOFFである場合には、モード設定部a4に機能情報を供給する。
【0041】
一方、連携判定部a2は、連携状態がONである場合には、情報保持部a9を参照して、連携状態がONである携帯電話bの連携先メールアドレスを取得する。連携判定部a2は、連携先メールアドレスを取得すると、機能情報を連携先携帯電話に伝送するための電子メール(以下「モード連携メール」と称する。)の本文を作成する。
【0042】
また、連携判定部a2は、連携先メールアドレスと、モード連携メールの本文と、をメール送信部a3に供給して、モード連携処理を終了する。
【0043】
メール送信部a3は、一般的に送信手段と呼ぶことができる。
【0044】
メール送信部a3は、受付部A1にて受け付けられた停止情報を携帯電話bに送信する。また、メール送信部a3は、設定部A2が通信機能とは異なる所定機能を設定または解除すると、処理情報を携帯電話bに送信する。本実施形態では、メール送信部a3は、設定部A2が解除情報に示された機能を解除すると、処理情報として解除情報を携帯電話bに送信する。
【0045】
メール送信部a3は、連携判定部a2からの連携先メールアドレスと、モード連携メールの本文と、に基づいて、モード連携メールを作成する。メール送信部a3は、モード連携メールを作成すると、電波によりモード連携メールc1を送信する。メール送信部a3は、例えば、無線基地局を介して、メールサーバなどの転送装置に電子メールとして、モード連携メールを送信する。
【0046】
設定部A2は、一般的に設定手段と呼ぶことができる。
【0047】
設定部A2は、メール送信部a3から停止情報が携帯電話bに送信された後、メール送信部a3の動作を停止する。本実施形態では、設定部A2は、メール送信部a3から送信された停止情報を受信した携帯電話bから送信される応答情報を受信する。そして、設定部A2は、その応答情報を受信すると、メール送信部a3の動作を停止する、
また、設定部A2は、携帯電話aが有する所定機能を設定または解除可能であり、受付部A1にて処理情報が受け付けられると、その処理情報に応じて所定機能を設定または解除する。設定部A2は、例えば、受信部A1が、処理情報として、解除情報を受け付けると、解除情報に示される機能の解除を行う。
【0048】
また、設定部A2は、携帯電話bから送信された停止情報を受信する。また、設定部A2は、その停止情報を受信すると、メール送信部a3の動作を停止する。また、設定部A2は、携帯電話bから送信された、通信機能とは異なる所定機能を設定または解除する旨の処理情報を受信する。
【0049】
モード設定部a4は、連携判定部a2から解除情報を受け付けると、その解除情報に示される機能制限を解除する。また、モード設定部a4は、動作判定部a6から設定情報を受け付けると、その設定情報に示される機能制限を設定する。
【0050】
メール受信部a5は、他の携帯電話bからの電子メールを受信する。メール受信部a5は、応答情報として、携帯電話bから送信されたモード応答メールc2を受信する。また、メール受信部a5は、例えば、停止情報として、携帯電話bから送信されたモード連携メールを受信する。メール受信部a5は、携帯電話bから送信されたメールを受信すると、そのメールを、動作判定部a6に供給する。
【0051】
動作判定部a6は、モード応答メール、または、モード連携メールをメール受信部a5から受け付けると、情報保持部a9の状態情報を、モード連携メール、または、モード応答メールに示された機能の動作状態を示す情報に更新する。
【0052】
また、動作判定部a6は、メール受信部a5からモード応答メールを受け付けると、モード応答メール処理を行う。
【0053】
モード応答メール処理において、動作判定部a6は、モード応答メールを受け付けると、モード応答メールの本文に示された機能情報が、設定情報であるか否かを判断する。動作判定部a6は、その機能情報が設定情報であると判断すると、その設定情報をモード設定部a4に供給する。
【0054】
また、動作判定部a6は、メール連携メールを受け付けると、そのモード連携メールの本文に示された機能情報が、解除情報であるか否かを判断する。動作判定部a6は、その機能情報が解除情報であると判断すると、その解除情報を、モード設定部a4に供給する。
【0055】
また、動作判定部a6は、情報保持部a9を参照して、携帯電話bの連携先メールアドレスを取得する。動作判定部a6は、連携先メールアドレスを取得すると、例えば、機能情報の内容を連携元に伝送するためのモード応答メールの本文を作成する。また、動作判定部a6は、連携先メールアドレスと、モード応答メールの本文と、をメール応答部a7に供給する。
【0056】
また、動作判定部a6は、連携先メールアドレスと、モード応答メールの本文と、をメール応答部a7に供給した後に、モード連携メールの本文に示された機能情報が、設定情報であるか否かを判断する。動作判定部a6は、その機能情報が設定情報であると判断すると、その設定情報を、モード設定部a4に供給する。
【0057】
メール応答部a7は、メール受信部a5が、機能情報として携帯電話bから送信されたモード連携メールを受信すると、応答情報をモード応答メールとして送信する。本実施形態では、メール応答部a7が、動作判定部a6からの連携先メールアドレスと、モード応答メールの本文と、に基づいて、モード応答メールを作成する。また、メール応答部a7は、モード応答メールを作成すると、電波によりモード応答メールを送信する。
【0058】
状態表示部a8は、一般的に表示手段と呼ぶことができる。
【0059】
状態表示部a8は、設定部A2にて応答情報が受信されると、携帯電話bの通信機能が停止状態である旨を表示する。また、状態表示部a8は、設定部A2にて受信された処理情報に基づいて、携帯電話bの所定機能の設定状態または解除状態を表示する。
【0060】
本実施形態では、状態表示部a8は、情報保持部a9を参照して、状態情報に示される携帯電話bの機能の動作状態を表示する。状態表示部a8は、連携先携帯電話の識別名ごとに、電源状態、電波状態およびマナー状態を示す画像を表示する。
【0061】
図3は、状態表示部a8によって表示される状態情報の表示例を示す図である。識別名a81には、情報保持部a9に保持された携帯電話bの識別名が表示されている。状態表示a82には、情報保持部a9に保持されている携帯電話bの状態情報が表示されている。
【0062】
図4は、動作判定部a6の構成例を示す図である。図4には、モード設定部a4と、メール受信部a5と、動作判定部a6と、メール応答部a7と、情報保持部a9と、が示されている。
【0063】
動作判定部a6は、メール種別判定部a61と、連携メール処理部a62と、応答メール処理部a63と、を備える。なお、モード設定部a4、メール受信部a5、メール応答部a7および情報保持部a9は、図1に述べたものと同様のものであるため、図4では、詳細な説明を省略する。
【0064】
メール種別判定部a61は、メール受信部a5から受け付けたメールが、モード連携メールであるか、モード応答メールであるかを判定する。メール種別判定部a61は、受け付けたメールが、モード連携メールである場合には、そのモード連携メールを、連携メール処理部a62に供給する。
【0065】
一方、メール種別判定部a61は、受け付けたメールが、モード応答メールである場合には、そのモード応答メールを、応答メール処理部a63に供給する。また、メール種別判定部a61は、受け付けたメールが、モード応答メールおよびモード連携メールの両者ではないメールである場合には、処理を終了する。
【0066】
連携メール処理部a62は、メール種別判定部a61からのモード連携メールの本文に示される機能情報を、モード設定部a4に供給する。また、連携メール処理部a62は、その機能情報に基づいて、情報保持部a9の状態情報a94、a95またはa96を更新する。
【0067】
応答メール処理部a63は、メール種別判定部a61からのモード応答メールの本文に示される応答情報に基づいて、情報保持部a9の状態情報a94、a95またはa96を更新する。また、応答メール処理部a63は、その応答情報が、設定情報であると判断すると、設定情報の示す機能制限を設定する。
【0068】
図5は、「マナーモードON」の機能制限ボタンが押下された場合における携帯電話aから送信されるモード連携メールc1の形式例を示す図である。
【0069】
あて先c11には、連携先の携帯電話bのメールアドレスが示されている。差出人c12には、送信元の携帯電話aのメールアドレスが示されている。サブジェクトc13には、メールの種別が示されており、本実施形態では、モード連携メールc1を表わす「モード連携」が示されている。本文c14には、機能情報として、機能の種類と、機能の設定内容(ON/OFF)と、が示されている。
【0070】
図6は、携帯電話bから、図5に示したモード連携メールc1に応答するためのモード応答メールc2の形式例を示す図である。
【0071】
あて先c21には、連携先の携帯電話aのメールアドレスが示されている。差出人c22には、送信元の携帯電話bのメールアドレスが示されている。サブジェクトc23には、メールの種別が示され、本実施形態では、モード連携メールc2を表わす「モード応答」が示されている。本文c4には、応答情報として、機能の種類と、機能の設定内容(ON/OFF)と、が示されている。
【0072】
次に、携帯電話aおよび携帯電話bの動作について説明する。
【0073】
図7は、携帯電話aにて受け付けられた機能情報に基づいて、携帯電話aおよびbが機能情報の示す機能を設定または解除する場合における通信システムの動作概要を示すシーケンスチャートである。
【0074】
まず、使用者によって携帯電話aのモード設定ボタンが押下される。携帯電話aは、モード設定ボタンが押下されると、ボタン押下処理として、携帯電話bとの連携の有無の判定と、機能情報に応じた機能設定と、携帯電話bへのモード連携メールc1の送信と、を行う(s1)。
【0075】
携帯電話bは、モード連携メールc1を受信すると、メール判定処理を行い、そのモード連携メールc1が、モード連携メールであると判定する(s2)。携帯電話bは、そのメールが、モード連携メールであると判定すると、モード連携処理として、携帯電話aへのモード応答メールc2の送信と、モード連携メールに基づく携帯電話aの状態情報の更新と、その機能情報に基づく機能設定と、を行う(s3)。
【0076】
携帯電話aは、モード応答メールc2を受信すると、メール判定処理を行い、そのモード応答メールc2がモード応答メールであると判定する(s4)。携帯電話aは、モード応答メールと判定すると、モード応答処理として、モード応答メールに基づく携帯電話bの状態情報の更新と、機能情報に応じた機能設定と、を行う(s5)。
【0077】
図8は、ボタン押下処理s1の処理手順例を示すフローチャートである。
【0078】
まず、連携判定部a2は、モード設定ボタンa1の設定ボタンが押下されると、その設定ボタンの機能情報が、「マナーモードOFF」、「電源ON」や「電波ON」などの機能制限を設定する旨の解除情報であるか否かを判断する(ステップF11)。
【0079】
連携判定部a2が、その機能情報が、解除情報であると判断した場合には、モード設定部a4は、その解除情報の示す機能制限を解除する(ステップF12)。モード設定部a4が、制限解除を行うと、連携判定部a2は、情報保持部a9を参照して、携帯電話bの連携状態a92を取得する(ステップF13)。
【0080】
一方、連携判定部a2は、その機能情報が、解除情報でないと判断した場合にも、情報保持部a9を参照して、携帯電話bの連携状態a92を取得する(ステップF13)。連携判定部a2は、連携先携帯電話bの連携状態a92を取得すると、連携状態a92が「ON」であるか否かを判定する(ステップF14)。
【0081】
連携判定部a2は、携帯電話bの連携状態が「OFF」である場合には、ボタン押下処理を終了する。一方、連携判定部a2は、携帯電話bの連携状態が「ON」である場合には、
情報保持部a9に保持された携帯電話bの連携先メールアドレスa93を取得する(ステップF15)。
【0082】
連携判定部a2は、連携先メールアドレスを取得すると、押下された設定ボタンに対応する機能情報を、モード連携メールの本文に変換するメール本文作成処理を実行する(ステップF16)。
【0083】
メール送信部a3は、連携判定部a2から、連携先メールアドレスa93とモード連携メールの本文とを受け付けると、そのモード連携メールの本文を、連絡先メールアドレスa93宛てに送信して(ステップF17)、ボタン押下処理を終了する。
【0084】
図9は、メール判定処理s2またはs4の処理手順例を示すフローチャートである。図9では、携帯電話aでのメール判定処理として説明する。
【0085】
まず、メール受信部a5は、モード連携メールc1またはモード応答メールc2を受信すると、そのサブジェクとメールの本文とを取得する(ステップF21)。動作判定部a6またはb6は、メール受信部a5によって取得されたサブジェクトおよび本文に基づいて、その受信されたメールが、モード連携メールであるか否かを判定する(ステップF22)。
【0086】
動作判定部a6は、受信されたメールが、モード連携メールであると判断した場合には、モード連携処理を実行する(s3)。一方、動作判定部a6は、受信されたメールが、モード連携メールでないと判断した場合には、そのメールが、モード応答メールであるか否かを判断する(ステップF23)。
【0087】
動作判定部a6は、受信されたメールが、モード応答メールであると判断した場合には、モード応答処理を実行する(s5)。一方、動作判定部a6は、受信されたメールが、モード応答メールであると判断した場合には、メール判定処理を終了する。
【0088】
図10は、モード連携処理s3の処理手順例を示すフローチャートである。図10では、携帯電話aでのモード連携処理として説明する。
【0089】
まず、動作判定部a6は、図9に示したステップF22において、メール受信部a5にて受信されたメールが、モード連携メールc1であると判断した場合には、モード連携メールに示された機能情報が、解除情報であるか否かを判断する(ステップF31)。
【0090】
動作判定部a6が、その機能情報が解除情報であると判断した場合には、モード設定部a4は、その解除情報の示す機能制限を解除する(ステップF32)。モード設定部a4が、機能制限の解除を行うと、動作判定部a6は、情報保持部a9から連携先メールアドレスa93を取得する(ステップF33)。
【0091】
動作判定部a6は、連携先メールアドレスa93を取得すると、モード連携メールc1に示された機能情報を、モード応答メールの本文に変換するメール本文作成処理を実行する(ステップF34)。
【0092】
メール応答部a7は、連携先メールアドレスa93と、モード応答メールの本文と、を動作判定部a6から受け付けると、そのモード応答メールの本文を、連絡先メールアドレスa93宛てに送信する(ステップF35)。
【0093】
動作判定部a6は、モード連携メールc1に基づいて、その差出人である携帯電話aに関する情報保持部a9の状態情報a94、95または96を、モード連携メールの本文に示された設定内容(動作状態)に更新する(ステップF36)。
【0094】
動作判定部a6は、連携先携帯電話の状態情報を更新すると、モード連携メールの本文に示された機能情報が、設定情報であるか否かを判断する(ステップF37)。
【0095】
動作判定部a6が、その機能情報が設定情報であると判断した場合には、モード設定部a4は、その設定情報の示す機能制限を設定して(ステップF37)、モード連携処理を終了する。一方、動作判定部a6が、その機能情報が設定情報でないと判断した場合にも、モード連携処理を終了する。
【0096】
図11は、モード応答処理s5の処理手順例を示すフローチャートである。図11では、携帯電話aでのモード応答処理として説明する。
【0097】
まず、動作判定部a6は、図9に示したステップF23で、メール受信部a5にて受信されたメールが、モード応答メールc2である場合には、そのモード応答メールc2の差出人である携帯電話bに関する情報保持部a9の状態情報a94、a95またはa96を、モード応答メールc2の本文に示された機能状態に更新する(ステップF51)。
【0098】
動作判定部a6は、連携先携帯電話の状態情報を更新すると、モード応答メールの本文に示された機能情報が、設定情報であるか否かを判断する(ステップF52)。
【0099】
動作判定部a6が、その機能情報が設定情報であると判断した場合には、モード設定部a4は、その設定情報の示す機能制限を設定して(ステップF53)、モード連携処理を終了する。一方、動作判定部a6が、その機能情報が設定情報でないと判断した場合にも、モード連携処理を終了する。
【0100】
なお、状態表示部a8は、図7から図11で説明した動作とは非同期に、情報保持部a9を参照して、待ち受け画面の一部に連携先携帯電話の設定状態を表示する。
【0101】
図12は、連携先携帯電話との通信機能が停止されない機能としてマナーモードが設定され場合における携帯電話aと携帯電話bとの連携動作を示すタイミングチャートである。図12には、使用者の操作と、携帯電話aおよび携帯電話bの動作状態と、が示されている。また、携帯電話aの状態表示部a8には携帯電話bの機能の動作状態が、携帯電話bの状態表示部b8には携帯電話aの機能の動作状態が、それぞれ示されている。
【0102】
初期状態g1では、機能制限の設定が行われていないため、携帯電話aおよびbの双方が制限解除状態であり、状態表示部a8およびb8には、連携先携帯電話が制限解除状態である旨がそれぞれ示されている。
【0103】
状態g2では、使用者が、携帯電話aの機能制限ボタンを押下すると、携帯電話aは、モード連携メールを携帯電話bに送信する。そして、携帯電話bは、携帯電話aからのモード連携メールを受信すると、そのモード連携メールに基づいて、モード応答メールを携帯電話aに送信し、携帯電話aの状態情報を「マナーON」に更新する。続いて、携帯電話bは、自身の機能をマナーモード(マナーON)に変更する。
【0104】
状態g3では、携帯電話aは、携帯電話bから送信されたモード応答メールを受信すると、送信元の携帯電話bの状態情報を「マナーON」に更新して、自身の機能をマナーモード(マナーON)に変更する。したがって、状態g3では、携帯電話aおよびbが機能制限状態となり、状態表示部a8およびb8には、連携先携帯電話が機能制限状態である旨がそれぞれ表示される。
【0105】
次に、状態g4では、使用者が、携帯電話aの制限解除ボタンを押下すると、携帯電話aは、機能制限を解除して(マナーOFF)、モード連携メールを携帯電話bに送信する。そして、携帯電話bは、携帯電話aからのモード連携メールを受信すると、そのモード連携メールに基づいて、自身の機能制限を解除する(マナーOFF)。続いて、携帯電話bは、モード応答メールを携帯電話aに送信し、携帯電話aの状態情報を「マナーOFF」に更新する。
【0106】
状態g5では、携帯電話aは、携帯電話bから送信されたモード応答メールを受信すると、送信元の携帯電話bの状態情報を「マナーON」に更新する。したがって、状態g5では、携帯電話aおよびbが制限解除状態となり、状態表示部a8およびb8には、連携先携帯電話が制限解除状態である旨がそれぞれ表示される。
【0107】
図13は、連携先携帯電話との通信機能が停止される機能として電波OFFが設定される場合における携帯電話aと携帯電話bとの連携動作を示すタイミングチャートである。図13には、使用者の操作と、携帯電話aおよび携帯電話bの動作状態と、が示されている。また、状態表示部a8には携帯電話bの状態情報が、状態表示部b8には携帯電話aの状態情報が、それぞれ示されている。
【0108】
初期状態h1では、機能制限の設定が行われていないため、携帯電話aおよびbの両者が制限解除状態であり、状態表示部a8およびb8には、制限解除状態がそれぞれ示されている。
【0109】
状態h2では、使用者が、携帯電話aの機能制限ボタンを押下すると、携帯電話aは、モード連携メールを携帯電話bに送信する。そして、携帯電話bは、携帯電話aからのモード連携メールを受信すると、モード連携メールに基づいて、モード応答メールを携帯電話aに送信し、携帯電話aの状態情報を「電波OFF」に更新する。続いて、携帯電話bは、自身の機能を、電波OFFに設定する。
【0110】
状態h3では、携帯電話aは、携帯電話bから送信されたモード応答メールを受信すると、送信元の携帯電話bの状態情報を「電波OFF」に更新して、自身の機能を電波OFFに変更する。したがって、状態h3では、携帯電話aおよびbが、機能制限状態となり、状態表示部a8およびb8には、連携先携帯電話が機能制限状態である旨が、それぞれ表示される。
【0111】
次に、状態h4では、使用者が、携帯電話aの制限解除ボタンを押下すると、携帯電話aは、機能制限を解除して(電波ON)、モード連携メールを携帯電話bに送信する。また、状態h4では、携帯電話bは、電波OFF状態であるため、携帯電話aからのモード連携メールを受信することができない。
【0112】
したがって、携帯電話aでは機能制限が解除状態となり、携帯電話bでは機能制限が設定状態に維持される。また、状態表示部a8およびb8では、連携先携帯電話の機能制限が設定状態である旨がそれぞれ表示される。
【0113】
状態h5では、使用者が、携帯電話bの制限解除ボタンを押下すると、携帯電話bは、機能制限を解除して(電波ON)、モード連携メールを携帯電話aに送信する。そして、携帯電話aは、制限解除状態であるため、携帯電話bのモード連携メールを受信し、そのモード連携メールに基づいて、携帯電話bの状態情報を「電波ON」に更新する。
【0114】
状態h6では、携帯電話bは、状態h5において携帯電話aから予め送信されたモード連携メールを受信すると、モード連携メールに基づいて、携帯電話aの状態情報を「電波ON」に更新する。このとき、携帯電話bは、既に制限解除状態であるため、機能は変更されない。
【0115】
一方、携帯電話aは、携帯電話bからのモード連携メールを受信すると、モード連携メールに基づいて、携帯電話bの状態情報を「電波ON」に更新する。したがって、状態h6では、携帯電話aおよびbの両者が制限解除状態となり、状態表示部a8およびb8には、連携先携帯電話が制限解除状態である旨がそれぞれ表示される。
【0116】
本実施形態によれば、受付部A1が、通信先の携帯電話bとの通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける。メール送信部a3が、受付部A1にて受け付けられた停止情報を携帯電話bに送信する。設定部A2が、メール送信部a3から停止情報が携帯電話bに送信された後、メール送信部a3の動作を停止する。
【0117】
このため、携帯電話aは、使用者によって通信機能が停止される制限機能、例えば、電波OFFや電源OFFが指定される場合、携帯電話a自体の通信機能を停止する前に、確実に、停止情報を携帯電話bに送信することができる。よって、携帯電話bは、携帯電話aからの停止情報を受信して、携帯電話b自身の通信機能を停止することができる。
【0118】
したがって、使用者は、通信機能が停止される制限機能を携帯電話aに設定する場合であっても、携帯電話aおよび携帯電話bの両者に同一の制限機能を設定することができる。これにより、携帯電話bの制限機能の設定のし忘れを防止することができることから、通信装置の有する機能の設定のし忘れを低減することが可能になる。
【0119】
また、本実施形態では、設定部A2は、メール送信部a3から送信された停止情報を受信した携帯電話bから送信される応答情報を受信し、その応答情報を受信すると、メール送信部a3の動作を停止する。これにより、他の携帯電話bにて制限機能の設定が行われないと、携帯電話aの制限機能が設定状態とならないため、使用者は、携帯電話aの設定状態を確認することによって、通信先の携帯電話が設定状態となったか否かを判断することができる。
【0120】
また、本実施形態では、状態表示部a8が、設定部A2にて応答情報が受信されると、携帯電話bの通信機能が停止状態である旨を表示することによって、使用者に注意喚起を行うことができる。このため、使用者は、同一の機能を設定する携帯電話のうち、未設定状態の携帯電話を把握することができるようになる。
【0121】
また、本実施形態では、受付部A1が、通信機能とは異なる所定機能を設定または解除する旨の処理情報を受け付け、設定部A2が、受付部A1にて処理情報が受け付けられると、その処理情報に応じて所定機能を設定または解除する。さらに、メール送信部a3は、設定部A2が所定機能を設定または解除した後、その処理情報を携帯電話bに送信する。
【0122】
これにより、携帯電話aは、通信機能が停止される通信停止機能と、通信停止機能以外の機能と、を設定する場合において、機能を設定するための機能情報に応じて、その機能情報を携帯電話bに送信するタイミングを、機能の設定前と機能の設定後とに切り替えることができる。すなわち、携帯電話aは、使用者によって指定される機能の種類に応じて、携帯電話bに送信する機能情報の送信タイミングを変更することができる。
【0123】
また、本実施形態では、設定部A2が、携帯電話bからの停止情報を受信すると、メール送信部a3の動作を停止する。このため、携帯電話aは、使用者が他の携帯電話bに設定した機能と同一の機能を、携帯電話a自体に設定することができる。
【0124】
また、本実施形態では、設定部A2が、携帯電話bから送信された停止情報を受信すると、状態表示部a8が、携帯電話bの通信機能が停止状態である旨を表示する。これにより、使用者は、通信停止機能を設定した携帯電話b以外の携帯電話aの状態表示部a8にて、携帯電話bに関する通信停止機能の設定状態を確認することができる。このため、通信停止機能が未設定状態である携帯電話を特定することが容易となる。
【0125】
また、本実施形態では、設定部A2が、携帯電話bからの通信機能とは異なる所定機能を設定または解除する旨の処理情報を受信し、状態表示部a8が、設定部A2にて受信された処理情報に基づいて、携帯電話bの所定機能の設定状態または解除状態を表示する。このため、携帯電話aが、携帯電話bに関する通信停止機能以外の所定機能の設定状態または解除状態を表示することによって、使用者は、所定機能についても、設定状態を把握することができることから、機能設定のし忘れを低減することができる。
【0126】
また、本実施形態では、メール送信部a3が、電子メールにより、基地局を介してメールサーバに処理情報を送信する。これにより、電波OFFまたは電源OFFが設定されて通信機能が停止状態にある携帯電話bが、制限解除により通信可能状態となった際には、携帯電話bは、メールサーバから処理情報が再送されるため、確実に携帯電話aからの処理情報を受信することができる。よって、携帯電話bは、携帯電話aに設定される機能と同一の機能を確実に設定することができる。
【0127】
また、使用者によって電波ONまたは電源ONが設定される場合、携帯電話aは、自身の機能を設定した後、電子メールで処理情報を、携帯電話bに送信する。これにより、携帯電話bは、使用者による電源ONまたは電波ONの設定後に、携帯電話aから処理情報を受信することができる。このため、携帯電話bは、携帯電話aの設定状態を状態表示部b8に表示することができる。
【0128】
なお、本実施形態では、携帯電話aおよびbが、状態表示部a8およびb8を有する例について説明したが、状態表示部a8およびb8を有しない構成にしてもよい。この場合においても、通信機能を停止する旨を示す停止情報を通信先装置に送信することができるため、使用者の設定のし忘れを防止することができる。
【0129】
なお、本実施形態では、携帯電話aおよびbの2台での機能設定の例について説明したが、3台以上の携帯電話同士でも、機能設定の連携を行うようにしてもよい。ここで、3台の携帯電話により機能設定の連携を行う例について以下に説明する。
【0130】
図14は、携帯電話aが、携帯電話bおよびcと機能設定の連携を行う場合における状態表示部a8の表示例を示す図である。状態表示部a8は、図3に示した携帯電話bの状態情報に加えて、携帯電話cの状態情報を表示する。
【0131】
図15は、携帯電話aが、携帯電話bおよびcと機能設定の連携を行う場合における情報保持部a9の連携情報の一例を示す図である。情報保持部a9には、図2に示した携帯電話bの連携情報に加えて、携帯電話cの連携情報が保持される。
【0132】
図16は、携帯電話aが、携帯電話bおよびcと機能設定の連携を行う場合における携帯電話a、bおよびcの動作の概要を示すシーケンスチャートである。図16では、モード連携メールおよびモード応答メールが、携帯電話の各情報保持部に登録されている全ての携帯電話に送信される。また、図16では、図7に示したモード連携処理s3およびモード応答処理s5に代えて、モード連携処理s6およびモード応答処理s7が行われる。
【0133】
図17は、モード連携処理s6の処理手順例を示すフローチャートである。
【0134】
図17には、図10に示したモード連携処理s3に加えて、ステップF61が示されている。このため、ステップF61の処理についてのみ説明する。
【0135】
ステップF36において、動作判定部が、モード連携メールに基づいて、情報保持部の状態情報を更新すると、動作判定部は、情報保持部に保持されている全ての携帯電話の状態情報が同一であるか否かを判断する(ステップF61)。
【0136】
動作判定部は、全ての携帯電話の状態情報が同一である場合には、モード連携メールの本文に示された機能情報が、設定情報であるか否かを判断する(ステップF37)。一方、動作判定部は、全ての携帯電話の状態情報が同一でない場合には、モード連携処理s6を終了する。
【0137】
図18は、モード応答処理s7の処理手順例を示すフローチャートである。
【0138】
図18には、図11に示したモード応答処理s5に加えて、ステップF71が示されている。このため、ステップF71の処理についてのみ説明する。図18では、携帯電話aのモード応答処理として説明する。
【0139】
ステップF51において、動作判定部a6が、モード応答メールに基づいて、情報保持部a9の状態情報を更新すると、動作判定部a6は、情報保持部に保持されている全ての携帯電話の状態情報が同一であるか否かを判断する(ステップF71)。
【0140】
動作判定部a6は、全ての携帯電話の状態情報が同一である場合には、モード応答メールの本文に示された機能情報が、設定情報であるか否かを判断する(ステップF52)。一方、動作判定部は、全ての携帯電話の状態情報が同一でない場合には、モード応答処理s7を終了する。
【0141】
図19は、マナーモードが設定される場合における携帯電話a、bおよびcの連携動作を示すタイミングチャートである。
【0142】
図19には、使用者の操作と、携帯電話a、bおよびcの動作状態と、が示されている。また、携帯電話aの状態表示部a8には携帯電話bおよびcの設定状態が、携帯電話bの状態表示部b8には携帯電話aおよびcの設定状態が、携帯電話cの状態表示部c8には携帯電話aおよびbの設定状態が、それぞれ示されている。
【0143】
初期状態i1では、機能制限の設定が行われていないため、全ての携帯電話a、bおよびcが制限解除状態であり、状態表示部a8およびb8には、制限解除状態が示されている。
【0144】
状態i2では、使用者が、機能制限ボタンを押下すると、携帯電話aが、モード連携メールを携帯電話bおよびcに送信する。そして、携帯電話bおよびcの各々は、携帯電話aからのモード連携メールを受信すると、そのモード連携メールに基づいて、モード応答メールを携帯電話aに送信し、携帯電話aの状態情報を「マナーON」に更新する。ただし、状態i2では、全ての携帯電話a、bおよびcにおいて連携が完了していないため、携帯電話bおよびcの各々は、自身の機能をマナーモード(マナーON)に変更しない。
【0145】
状態i3では、携帯電話bは、携帯電話aおよびcにモード応答メールを送信する。携帯電話aおよびcの各々は、携帯電話bからのモード応答メールを受信すると、携帯電話bの状態情報を「マナーON」に更新する。また、携帯電話cは、連携先携帯電話の全てが同一の動作状態となり、連携が完了するため、自身の機能をマナーモード(マナーON)に変更する。
【0146】
状態i4では、携帯電話aおよびbの各々は、携帯電話cから送信されたそれぞれのモード応答メールを受信すると、携帯電話cの状態情報を「マナーON」に更新する。また、携帯電話aおよびcの各々は、連携が完了するため、自身の機能をマナーモード(マナーON)に変更する。したがって、状態i4では、携帯電話a、bおよびcが機能制限状態となり、状態表示部a8、b8およびc8には、連携先携帯電話が機能制限状態である旨が、それぞれ表示される。
【0147】
次に、状態i5では、使用者が、制限解除ボタンを押下すると、携帯電話aは、自身の機能制限の解除(マナーOFF)を行い、モード連携メールを、携帯電話bおよびcに送信する。そして、携帯電話bおよびcの各々は、携帯電話aからのモード連携メールを受信すると、モード連携メールに基づいて、自身の機能制限を解除し(マナーOFF)、携帯電話aの状態情報を「マナーOFF」に更新する。
【0148】
状態i6では、携帯電話bは、モード応答メールを携帯電話aおよびcに送信する。携帯電話aおよびcの各々は、携帯電話bからのモード応答メールを受信すると、携帯電話bの状態情報を「マナーOFF」に更新する。
【0149】
状態i7では、携帯電話cは、モード応答メールを携帯電話aおよびbに送信する。携帯電話aおよびbの各々は、携帯電話cからのモード応答メールを受信すると、携帯電話cの状態情報を「マナーOFF」に更新する。したがって、状態i7では、携帯電話a、bおよびcが、制限解除状態となり、状態表示部a8、b8およびc8の各々には、全ての連携先携帯電話が制限解除状態である旨が表示される。
【0150】
図20は、電波OFFが設定される場合における携帯電話a、bおよびcの連携動作を示すタイミングチャートである。図20には、使用者の操作と、携帯電話a、bおよびcの動作状態と、が示されている。また、状態表示部a8には携帯電話bおよびcの状態情報が、状態表示部b8には携帯電話aおよびcの状態情報が、状態表示部c8には携帯電話aおよびbの状態情報が、それぞれ示されている。
【0151】
初期状態j1では、機能制限の設定が行われていないため、携帯電話a、bおよびcが制限解除状態であり、状態表示部a8、b8およびc8には、連携先携帯電話が制限解除状態である旨が、それぞれ表示される。
【0152】
状態j2では、使用者が、携帯電話aの機能制限ボタンを押下すると、携帯電話aが、モード連携メールを携帯電話bおよびcに送信する。そして、携帯電話bおよびcの各々は、携帯電話aからのモード連携メールを受信すると、そのモード連携メールに基づいて、携帯電話aの状態情報を「電波OFF」に更新する。ただし、状態j2では、全ての携帯電話a、bおよびcにおいて連携が完了していないため、携帯電話bおよびcの各々は、自身の機能を電波OFFの設定に変更しない。
【0153】
状態j3では、携帯電話bは、携帯電話aおよびcにモード応答メールを送信する。携帯電話aおよびcの各々は、携帯電話bからのモード応答メールを受信すると、携帯電話bの状態情報を「電波OFF」に更新する。また、携帯電話cは、連携先携帯電話の全てが同一の設定状態となり、連携が完了するため、自身の機能を電波OFFに変更する。
【0154】
状態j4では、携帯電話aおよびbの各々は、携帯電話cから送信されたそれぞれのモード応答メールを受信すると、携帯電話cの状態情報を「電波OFF」に更新する。また、携帯電話aおよびcの各々は、連携が完了するため、自身の機能を電波OFFに変更する。したがって、状態j4では、携帯電話a、bおよびcが機能制限状態となり、状態表示部a8、b8およびc8には、連携先携帯電話が機能制限状態である旨がそれぞれ表示される。
【0155】
次に、状態j5では、使用者が、携帯電話aの制限解除ボタンを押下すると、携帯電話aは、自身の機能制限を解除し(電波OFF)、モード連携メールを、携帯電話bおよびcに送信する。この時点では、携帯電話bおよびcの各々は、機能制限(電波OFF)状態にあるため、携帯電話aからのモード連携メールを受信することができない。したがって、携帯電話aは、制限解除状態であり、携帯電話bおよびcは、機能制限状態である。また、状態表示部a8には、携帯電話bおよびcが機能制限状態である旨が表示され、状態表示部b8およびc8の各々には、携帯電話aが機能制限状態である旨が表示される。
【0156】
状態j6では、使用者が、携帯電話bの制限解除ボタンを押下すると、携帯電話bは、自身の機能制限の解除(電波OFF)を行い、モード連携メールを、携帯電話aおよびcに送信する。この時点では、携帯電話aは、制限解除(電波ON)状態にあるため、携帯電話bからのモード連携メールを受信し、そのモード連携メールに基づいて、携帯電話bの状態情報を「電波ON」に更新する。一方、携帯電話cは、機能制限(電波OFF)状態にあるため、携帯電話bからのモード連携メールを受信することができない。
【0157】
したがって、携帯電話aおよびbは、制限解除状態であり、携帯電話cは、機能制限状態である。また、状態表示部a8には、携帯電話bが制限解除状態であり、携帯電話cが機能制限状態である旨が表示され、状態表示部b8には、携帯電話aおよびcが機能制限状態である旨が表示され、状態表示部c8には、携帯電話aおよびbが機能制限状態である旨が表示される。
【0158】
状態j7では、携帯電話bは、携帯電話aからのモード応答メールを受信し、そのモード応答メールに基づいて、携帯電話aの状態情報を「電波ON」に更新する。
【0159】
状態j8では、使用者が、携帯電話cの制限解除ボタンを押下すると、携帯電話cが、自身の機能制限を解除し(電波OFF)、モード連携メールを、携帯電話aおよびbに送信する。この時点では、携帯電話aおよびbは、制限解除(電波ON)状態にあるため、携帯電話cからのモード連携メールをそれぞれ受信し、そのモード連携メールに基づいて、携帯電話cの状態情報を「電波ON」に更新する。
【0160】
状態j9では、携帯電話cは、携帯電話aおよびbからそれぞれ送信されたモード連携メールを受信するため、これらのモード連携メールに基づいて、携帯電話aおよびbの状態情報を「電波OFF」に更新する。したがって、状態j9では、携帯電話a、bおよびcが、制限解除状態となり、状態表示部a8、b8およびc8の各々には、全ての連携先携帯電話が制限解除状態である旨が表示される。
【0161】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0162】
a、b、c 携帯電話
A1、B1 受付部
A2、B2 設定部
a1、b1 モード設定ボタン
a2、b2 連携判定部
a3、b3 メール送信部
a4、b4 モード設定部
a5、b5 メール受信部
a6、b6 動作判定部
a7、b7 メール応答部
a8、b8 状態表示部
a9、b9 情報保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置であって、
前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段にて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信手段と、
前記送信手段から前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信手段の動作を停止する設定手段と、を含む通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記設定手段は、前記送信手段から送信された停止情報を受信した前記通信先装置から送信される応答情報を受信し、前記応答情報を受信すると、前記送信手段の動作を停止する、通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信装置において、
前記設定手段にて前記応答情報が受信されると、前記通信先装置の通信機能が停止状態である旨を表示する表示手段をさらに含む通信装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記受付手段は、前記通信機能とは異なる所定機能を設定または解除する旨の処理情報を受け付け、
前記設定手段は、前記所定機能を設定または解除可能であり、前記受付手段にて前記処理情報が受け付けられると、前記処理情報に応じて前記所定機能を設定または解除し、
前記送信手段は、前記設定手段が前記所定機能を設定または解除すると、前記処理情報を前記通信先装置に送信する、通信装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記設定手段は、前記通信先装置から送信された前記停止情報を受信し、前記停止情報を受信すると、前記送信手段の動作を停止する、通信装置。
【請求項6】
請求項3に記載の通信装置において、
前記設定手段は、前記通信先装置から送信された前記停止情報を受信し、
前記表示手段は、前記設定手段が前記停止情報を受信すると、前記通信先装置の通信機能が停止状態である旨を表示する、通信装置。
【請求項7】
請求項3に記載の通信装置において、
前記設定手段は、前記通信先装置から送信された、前記通信機能とは異なる所定機能を設定または解除する旨の処理情報を受信し、
前記表示手段は、前記設定手段にて受信された処理情報に基づいて、前記通信先装置の所定機能の設定状態または解除状態を表示する、通信装置。
【請求項8】
通信先装置と、前記通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置と、を含む通信システムであって、
前記通信装置は、
前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段にて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信手段と、
前記送信手段から前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信手段の動作を停止する設定手段と、を含み、
前記通信先装置は、
前記通信装置から送信された停止情報を受信する受信手段と、
前記受信手段の動作を停止する設定手段と、を含む、通信システム。
【請求項9】
通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置の機能設定方法であって、
前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信ステップと、
前記送信ステップにて前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信ステップの処理を停止する設定ステップと、を含む機能設定方法。
【請求項10】
通信先装置と、前記通信先装置との通信機能を停止可能な通信装置と、を含む通信システムの機能設定方法であって、
前記通信装置が、前記通信機能を停止する旨の停止情報を受け付ける受付ステップと、
前記通信装置が、前記受付ステップにて受け付けられた停止情報を前記通信先装置に送信する送信ステップと、
前記通信装置が、前記送信ステップにて前記停止情報が前記通信先装置に送信された後、前記送信ステップの処理を停止する設定ステップと、
前記通信先装置が、前記通信装置から送信された停止情報を受信する受信ステップと、
前記通信先装置が、前記受信ステップの処理を停止する設定ステップと、を含む、機能設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−151585(P2011−151585A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10878(P2010−10878)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】