通信装置、通信システム及びコンピュータプログラム
【課題】通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する際に、必要に応じて通信セッション中継装置を経由することにより、通信セッション中継装置の負荷を軽減することを図る。
【解決手段】クライアント通信装置1の状態を監視する状態監視部11と、該監視結果に基づいて、通信セッションを、中継装置2を経由させるか否かを判断するセッション経路判断部12と、該判断結果に基づいて通信セッションを確立するプロキシ部13と、通信セッションを管理するセッション管理部14と、を備える。
【解決手段】クライアント通信装置1の状態を監視する状態監視部11と、該監視結果に基づいて、通信セッションを、中継装置2を経由させるか否かを判断するセッション経路判断部12と、該判断結果に基づいて通信セッションを確立するプロキシ部13と、通信セッションを管理するセッション管理部14と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介してアプリケーションのクライアントとサーバ間の通信セッションを確立する際に、通信セッションを一旦終端して中継する通信セッション中継装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−135776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来技術では、クライアントとサーバ間のトラフィックが常に通信セッション中継装置を経由するので、ある通信セッション中継装置に対してトラフィックが集中して輻輳すると、通信システムのスループットが低下する恐れがある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する際に、必要に応じて通信セッション中継装置を経由することにより、通信セッション中継装置の負荷を軽減することができる通信装置、通信システム及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る第1の通信装置は、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断部と、前記セッション経路判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、前記通信セッションを管理するセッション管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第1の通信装置において、前記通信装置は移動端末であり、前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、所定時間内に捕捉した基地局の識別子を順次記録し、前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が所定時間内に所定回数以上変わる場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る第1の通信装置において、前記通信装置は移動端末であり、前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、捕捉した基地局の識別子を順次記録し、前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアの基地局の識別子に一致した場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第1の通信装置において、前記通信装置は、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部が前記通信セッションを受け入れることが可能か否かを示す状態通知信号を通信ネットワーク側から受信し、前記セッション経路判断部は、前記状態通知信号に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第2の通信装置は、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断部と、前記セッション受入判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、前記通信セッションを管理するセッション管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第2の通信装置においては、前記セッション受入判断部の判断結果を状態通知信号として第1の通信装置へ送信することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る通信システムは、前述のいずれかの端末側の第1の通信装置と、前述のいずれかの通信ネットワーク側の第2の通信装置と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコンピュータプログラムは、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断ステップと、前記セッション経路判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
これにより、前述の第1の通信装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【0014】
本発明に係るコンピュータプログラムは、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断ステップと、前記セッション受入判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
これにより、前述の第2の通信装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する際に、必要に応じて通信セッション中継装置を経由することができる。これにより、通信セッション中継装置の負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
【図2】図1に示す通信システムにおける通信セッションの構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係るクライアント通信装置1の実施例1である。
【図4】本発明の実施例1に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートである。
【図6】本発明の実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートである。
【図7】本発明の実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートである。
【図9】本発明に係る中継装置2の実施例2である。
【図10】本発明に係るクライアント通信装置1の実施例2である。
【図11】本発明の実施例2に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートである。
【図12】本発明に係る実施例3の概念図である。
【図13】本発明に係る実施例4の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る通信セッションとしては、トランスポート層における通信セッション(例えば、TCP(Transmission Control Protocol)セッション又はUDP(User Datagram Protocol)セッション)もしくはアプリケーション層における通信セッションを指す。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成図である。図1において、クライアント通信装置1は通信回線100により通信ネットワーク100に接続する。アプリケーションサーバ300は通信回線により通信ネットワーク200に接続する。中継装置2は、通信回線により通信ネットワーク100及び通信ネットワーク200にそれぞれ接続する。通信ネットワーク100と通信ネットワーク200とは通信回線により接続されている。
【0019】
図1の通信システムでは、通信ネットワーク100と通信ネットワーク200間を流れるトラフィックは、中継装置2を経由する場合と、中継装置2を経由しない場合とが可能である。
【0020】
図2は、図1に示す通信システムにおける通信セッションの構成を示す概念図である。本実施形態では、クライアント通信装置1に実装されるアプリケーション(以下、クライアントアプリケーションと称する)と、アプリケーションサーバ300との間で通信セッションを確立する。通信セッション(以下、単に通信セッションと称する)を確立する方法として、二通りある。一つの方法は、クライアント通信装置1とアプリケーションサーバ300との間で、一つの通信セッション430を確立する。この場合、クライアントアプリケーションとアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、一つの通信セッション430のみを経由する。
【0021】
もう一つの方法は、中継装置2が通信セッションを一旦終端して中継する。この場合、中継装置2は、クライアント通信装置1との間で通信セッション410を確立する。さらに、中継装置2は、通信セッション410とは別に、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を確立する。そして、中継装置2は、通信セッション410と通信セッション420とを対応付けし、通信セッション410と通信セッション420との間でトラフィックを相互に転送する。これにより、クライアントアプリケーションとアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、通信セッション410、中継装置2及び通信セッション420を経由する。
【0022】
本実施形態では、クライアントアプリケーションとアプリケーションサーバ300との間で通信セッションを確立する際に、上述の二通りの通信セッション確立方法を使い分ける。
【0023】
以下、本実施形態に係る実施例を順次説明する。
【実施例1】
【0024】
図3は本発明に係るクライアント通信装置1の実施例1である。本実施例1では、クライアント通信装置1は移動端末であるとする。そして、図1において、通信ネットワーク100は移動通信ネットワーク(以下、移動通信ネットワーク100と称する)であり、クライアント通信装置1は無線回線110により移動通信ネットワーク100に接続する。
【0025】
図3において、クライアント通信装置1は、状態監視部11とセッション経路判断部12とプロキシ部13とセッション管理部14と通信インタフェース15とクライアントアプリケーション16とを備える。通信インタフェース15は、移動通信ネットワーク100との間で無線回線110を確立してデータを送受する。クライアントアプリケーション16は、アプリケーションサーバ300との間で、パケットを送受する。
【0026】
状態監視部11は、自クライアント通信装置1の状態を監視する。具体的には、無線通信の安定性に影響する事柄として、例えば、クライアント通信装置1の動き、クライアント通信装置1の位置、クライアント通信装置1における電波の受信強度などを監視する。この監視結果は、クライアント状態通知として、セッション経路判断部12へ送られる。
【0027】
セッション経路判断部12は、状態監視部11の監視結果に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させるか否かを判断する。この判断結果は、セッション経路指定として、プロキシ部13へ送られる。
【0028】
プロキシ部13は、セッション経路判断部12の判断結果に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを確立する。プロキシ部13は、セッション経路判断部12の判断結果が中継装置2を経由させるである場合には、中継装置2により通信セッション410及び通信セッション420を確立させる。一方、プロキシ部13は、セッション経路判断部12の判断結果が中継装置2を経由させないである場合には、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション430を確立する。
【0029】
又、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16との間で通信セッションを確立する。そして、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションと、中継装置2間の通信セッション410又はアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付けし、この対応付けした通信セッション間でトラフィックを相互に転送する。
【0030】
従って、中継装置2を経由する場合には、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、クライアントアプリケーション16とプロキシ部13間の通信セッション、通信セッション410、中継装置2及び通信セッション420を経由する。一方、中継装置2を経由しない場合には、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、クライアントアプリケーション16とプロキシ部13間の通信セッション及び通信セッション430を経由する。
【0031】
セッション管理部14は、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを管理する。具体的には、セッション管理部14は、クライアントアプリケーション16とプロキシ部13間の通信セッションを、プロキシ部13と中継装置2間の通信セッション410に対応付けるのか、それともプロキシ部13とアプリケーションサーバ300間の通信セッション430に対応付けるのか、を示す通信セッション情報を保持する。
【0032】
図4、図5を参照して、本実施例1に係る通信セッション確立手順を説明する。図4、図5は本実施例1に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートであり、図4は中継装置2を経由する場合であり、図5は中継装置2を経由しない場合である。
【0033】
まず図4を参照して中継装置2を経由する場合の通信セッション確立手順を説明する。
ステップS1−1:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16からアプリケーションサーバ300宛に送信された「通信セッション確立要求を示すパケット」を捕捉する。
【0034】
ステップS1−2:プロキシ部13は、セッション経路判断部12に対し、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にするか否かを問い合わせる。
【0035】
ステップS1−3:セッション経路判断部12は、状態監視部11に対し、自クライアント通信装置1の状態に関する情報を要求する。状態監視部11は、セッション経路判断部12に対し、自クライアント通信装置1の状態を監視した結果の情報を返答する。
【0036】
ステップS1−4:セッション経路判断部12は、状態監視部11から受け取った監視結果の情報に基づいて、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にするか否かを判断する。そして、セッション経路判断部12は、該判断結果であるセッション経由先情報をプロキシ部13へ返答する。ここでは、セッション経由先情報は、「中継装置あり」であり、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にすることを指示する。
【0037】
ステップS1−5:プロキシ部13は、セッション経路判断部12からセッション経由先情報「中継装置あり」を受け取ると、中継装置2に対し、通信セッションの確立を要求する。このとき、プロキシ部13は、中継装置2に対し、当該通信セッションの宛先(アプリケーションサーバ300)を示す情報を通知する。
【0038】
ステップS1−6:中継装置2は、確立を要求された通信セッションの宛先情報で示されるアプリケーションサーバ300に対し、通信セッションの確立を要求する。そして、中継装置2は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を確立する。
【0039】
ステップS1−7:中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13に対し、通信セッションの確立要求に対する応答(通信セッション確立成功の通知)を行う。そして、中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13との間で通信セッション410を確立する。
【0040】
ステップS1−9:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16に対し、通信セッション確立要求に対する応答(通信セッション確立成功の通知)を示すパケットを送信する。そして、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16との間で通信セッションを確立する。
【0041】
ステップS1−10:プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションと中継装置2間の通信セッション410とを対応付ける通信セッション情報をセッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を記録する。
【0042】
次に図5を参照して中継装置2を経由しない場合の通信セッション確立手順を説明する。図5において、ステップS1−1からS1−4までの手順は、上記図4と同じである。但し、図5のステップS1−4では、セッション経路判断部12は、状態監視部11から受け取った監視結果の情報に基づいて、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にしないと判断する。そして、セッション経路判断部12は、該判断結果であるセッション経由先情報「中継装置なし」をプロキシ部13へ返答する。
【0043】
ステップS1−8:プロキシ部13は、セッション経路判断部12からセッション経由先情報「中継装置なし」を受け取ると、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション430を確立する。
【0044】
ステップS1−9からS1−10までの手順は、上記図4と同じである。但し、図5のステップS1−10では、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションとアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付ける通信セッション情報をセッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を記録する。
【0045】
次に、図6、図7、図8を参照して、本実施例1に係る通信セッション破棄手順を説明する。図6、図7、図8は本実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートであり、図6、図7は中継装置2を経由する場合であり、図8は中継装置2を経由しない場合である。
【0046】
まず図6を参照して中継装置2を経由する場合の通信セッション破棄手順を説明する。
ステップS2−1:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16からアプリケーションサーバ300宛に送信された「通信セッション破棄要求を示すパケット」を捕捉する。
【0047】
ステップS2−2:プロキシ部13は、セッション管理部14に対し、当該通信セッション破棄要求の通信セッションに関する通信セッション情報を問い合わせる。
【0048】
ステップS2−3:セッション管理部14は、プロキシ部13に対し、問い合わせに該当する通信セッションに関する通信セッション情報を返答する。ここでは、通信セッション情報は、当該通信セッション破棄要求の通信セッション(クライアントアプリケーション16間の通信セッション)と中継装置2間の通信セッション410とを対応付ける情報である。
【0049】
ステップS2−4:プロキシ部13は、セッション管理部14から受け取った通信セッション情報が示す中継装置2間の通信セッション410を破棄するように、中継装置2へ要求する。このとき、プロキシ部13は、中継装置2に対し、当該通信セッションの宛先(アプリケーションサーバ300)を示す情報を通知する。
【0050】
ステップS2−5:中継装置2は、破棄を要求された通信セッション410の宛先情報で示されるアプリケーションサーバ300に対し、当該通信セッション410に対応付けられている通信セッション420の破棄を要求する。そして、中継装置2は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を破棄する。
【0051】
ステップS2−6:中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13に対し、通信セッションの破棄要求に対する応答(通信セッション破棄成功の通知)を行う。そして、中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13との間で通信セッション410を破棄する。
【0052】
ステップS2−8:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16に対し、通信セッション破棄要求に対する応答(通信セッション破棄成功の通知)を示すパケットを送信する。そして、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16との間で通信セッションを破棄する。
【0053】
ステップS2−9:プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションと中継装置2間の通信セッション410とを対応付ける通信セッション情報を破棄することを指示する破棄セッション情報を、セッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を削除する。
【0054】
次に、図7を参照して、本実施例1に係る中継装置2とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420の通信セッション破棄手順を説明する。図7は本実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートであり、中継装置2を経由する場合を示している。
【0055】
ステップS4−1:中継装置2において、プロキシ部は、クライアント通信装置1から、通信セッションの破棄の要求を受信する。
【0056】
ステップS4−2:中継装置2において、プロキシ部は、セッション管理部に対し、当該通信セッション破棄要求の通信セッションに関する通信セッション対応関係情報を問い合わせる。セッション管理部は、プロキシ部に対し、問い合わせに該当する通信セッション対応関係情報を返答する。ここでは、通信セッション対応関係情報は、当該通信セッション破棄要求の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付ける情報である。
【0057】
ステップS4−3:中継装置2において、プロキシ部は、通信セッション対応関係情報に基づいて、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を破棄する。
【0058】
ステップS4−4:中継装置2において、プロキシ部は、クライアント通信装置1に対し、通信セッションの破棄要求に対する応答(通信セッション破棄成功の通知)を行う。そして、プロキシ部は、クライアント通信装置1との間で通信セッション410を破棄する。
【0059】
ステップS4−5:中継装置2において、プロキシ部は、クライアント通信装置1間の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付ける通信セッション対応関係情報を破棄することを指示する破棄セッション情報を、セッション管理部へ送る。そして、セッション管理部は、該通信セッション対応関係情報を削除する。
【0060】
次に図8を参照して中継装置2を経由しない場合の通信セッション破棄手順を説明する。図8において、ステップS2−1からS2−3までの手順は、上記図6と同じである。但し、図8のステップS2−3では、セッション管理部14からプロキシ部13へ返答される通信セッション情報は、当該通信セッション破棄要求の通信セッション(クライアントアプリケーション16間の通信セッション)とアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付ける情報である。
【0061】
ステップS2−7:プロキシ部13は、セッション管理部14から受け取った通信セッション情報が示すアプリケーションサーバ300間の通信セッション430を破棄するように、アプリケーションサーバ300へ要求する。そして、プロキシ部13は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション430を破棄する。
【0062】
ステップS2−8からS2−9までの手順は、上記図6と同じである。但し、図8のステップS2−9では、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションとアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付ける通信セッション情報を破棄することを指示する破棄セッション情報を、セッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を削除する。
【0063】
なお、クライアント通信装置1の状態監視部11が中継装置2に導通試験パケットを送信して中継装置2からの応答パケット受信までの待ち時間を測定し、セッション経路判断部12は、待ち時間の測定値が基準値以上である場合には、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させないと判断するようにしてもよい。
【実施例2】
【0064】
実施例2は、上述した実施例1の変形例である。図9は本発明に係る中継装置2の実施例2である。図9において、中継装置2は、状態監視部21とセッション受入判断部22とプロキシ部23とセッション管理部24と通信インタフェース25とを備える。通信インタフェース25は、クライアント通信装置1が接続する移動通信ネットワーク100、及び、アプリケーションサーバ300が接続する通信ネットワーク200との間で、それぞれにデータを送受する。
【0065】
状態監視部21は、自中継装置2の状態を監視する。具体的には、通信セッションの中継の安定性に影響する事柄として、例えば、CPU稼働率、確立している通信セッションの数、中継しているパケットのスループットなどを監視する。この監視結果は、中継装置状態通知として、セッション受入判断部22へ送られる。
【0066】
セッション受入判断部22は、状態監視部21の監視結果に基づいて、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かを判断する。セッション受入判断部22は、その判断結果である状態通知信号500をクライアント通信装置1へ送信する。状態通知信号500は、中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にあるか否かを示す信号である。又、セッション受入判断部22は、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かの判断結果をセッション受入可否通知として、プロキシ部23へ送る。
【0067】
プロキシ部23は、クライアント通信装置1からの要求に応じて、クライアント通信装置1間の通信セッション410及びアプリケーションサーバ300間の通信セッション420を確立する。このとき、プロキシ部13は、セッション受入判断部22からのセッション受入可否通知に従って、クライアント通信装置1からの通信セッション確立要求を受けるか否かを決定する。
【0068】
セッション管理部24は、クライアント通信装置1間の通信セッション410及びアプリケーションサーバ300間の通信セッション420を管理する。具体的には、セッション管理部24は、クライアント通信装置1間の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付けることを示す通信セッション対応関係情報を保持する。
【0069】
図10は、本発明に係るクライアント通信装置1の実施例2である。図10において、図3に示す実施例1のクライアント通信装置1と異なる点は、セッション経路判断部12が中継装置2から受信した状態通知信号500を用いる点のみである。
【0070】
本実施例2では、セッション経路判断部12は、中継装置2から受信した状態通知信号500によって、中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にあるか否かを認識する。セッション経路判断部12は、状態通知信号500によって中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にある場合にのみ、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断する。従って、セッション経路判断部12は、状態監視部11の監視結果に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させることができる場合であっても、状態通知信号500によって中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にないときには、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させないと判断する。
【0071】
次に、図11を参照して、本実施例2に係る通信セッション確立手順を説明する。図11は本実施例2に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートであり、中継装置2を経由する場合を示している。
【0072】
ステップS3−1:中継装置2において、状態監視部21は、自中継装置2の状態を監視し、中継装置状態通知をセッション受入判断部22へ送る。セッション受入判断部22は、その中継装置状態通知に基づいて、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かを判断し、状態通知信号500をクライアント通信装置1へ送信する。
【0073】
ステップS3−2:クライアント通信装置1において、セッション経路判断部12は、状態監視部11からのクライアント状態通知および中継装置2からの状態通知信号500に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させるか否かを判断し、セッション経路指定をプロキシ部13へ送る。ここでは、中継装置2を経由させるとする。プロキシ部13は、セッション経路指定に従って、中継装置2に対し、通信セッションの確立を要求する。このとき、プロキシ部13は、中継装置2に対し、当該通信セッションの宛先(アプリケーションサーバ300)を示す情報を通知する。
【0074】
ステップS3−3:中継装置2において、プロキシ部13は、クライアント通信装置1から通信セッション確立要求を受けると、セッション受入判断部22に対し、通信セッション確立の受入可否を問い合わせる。
【0075】
ステップS3−4:セッション受入判断部22は、プロキシ部13からの通信セッション確立受入可否問い合わせを受けると、状態監視部21に対し、中継装置状態通知を要求する。状態監視部21は、セッション受入判断部22からの中継装置状態通知要求を受けると、中継状態通知を返答する。
【0076】
ステップS3−5:セッション受入判断部22は、状態監視部21からの中継装置状態通知に基づいて、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かを判断し、セッション受入可否通知をプロキシ部23へ送る。ここでは、受入可とする。
【0077】
ステップS3−6:プロキシ部23は、セッション受入判断部22からセッション受入可否通知「受入可」を受けると、アプリケーションサーバ300に対し、通信セッションの確立を要求する。そして、プロキシ部23は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を確立する。
【0078】
ステップS3−7:プロキシ部23は、クライアント通信装置1に対し、通信セッションの確立要求に対する応答(通信セッション確立成功の通知)を行う。この後、プロキシ部23は、クライアント通信装置1との間で通信セッション410を確立する。
【0079】
ステップS3−8:プロキシ部23は、クライアント通信装置1間の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付ける通信セッション対応関係情報をセッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション対応関係情報を記録する。
【0080】
なお、本実施例2に係る通信セッション破棄手順は、上記図7に示す実施例1と同様である。
【実施例3】
【0081】
実施例3は、上述した実施例1又は2の応用例である。図12は本発明に係る実施例3の概念図である。図12において、クライアント通信装置1は、基地局A(基地局識別子(基地局ID):00001)から基地局B(基地局ID:00002)を経由して基地局C(基地局ID:00003)へ移動している。
【0082】
クライアント通信装置1の状態監視部11は、所定時間内に捕捉した基地局の識別子を順次、基地局IDリストに記録する。このとき、補足する基地局には、クライアント通信装置1が接続した基地局と、クライアント通信装置1が電波を受信したが接続しない基地局との両方を含める。
【0083】
セッション経路判断部12は、基地局IDリストにおいて記録された基地局IDが所定時間内に所定回数以上変わる場合に、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断する。これは、クライアント通信装置1が移動していることから、基地局間のハンドオーバによって通信が瞬断したり、高速移動によって無線環境が劣化して通信断が発生したりすることに備えるためである。
【0084】
本実施例3によれば、クライアント通信装置1と移動通信ネットワーク100間の無線回線110が一時的に切断したとしても、中継装置2のプロキシ部23の通信セッション代行機能によってアプリケーションサーバ300間の通信セッション420が継続されるので、クライアント通信装置1とアプリケーションサーバ300間の通信セッションが維持される。
【実施例4】
【0085】
実施例4は、上述した実施例1又は2の応用例である。図13は本発明に係る実施例4の概念図である。図13において、クライアント通信装置1は、基地局D(基地局ID:00011)から基地局E(基地局ID:00012)へ移動している。基地局Eのサービスエリア内にはトンネルが在り、当該トンネル内では基地局Eとの無線接続が切断される。クライアント通信装置1には、基地局Eの基地局ID「00012」が、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアとして、あらかじめ広報され、保存されている。
【0086】
クライアント通信装置1の状態監視部11は、捕捉した基地局の識別子を順次、基地局IDリストに記録する。このとき、補足する基地局には、クライアント通信装置1が接続した基地局と、クライアント通信装置1が電波を受信したが接続しない基地局との両方を含める。
【0087】
セッション経路判断部12は、基地局IDリストにおいて記録された基地局IDが、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアの基地局の基地局IDに一致した場合に、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断する。これは、クライアント通信装置1が基地局Eのサービスエリア内のトンネルに入って基地局Eとの無線接続が切断されることに備えるためである。
【0088】
本実施例4によれば、クライアント通信装置1と移動通信ネットワーク100間の無線回線110が一時的に切断したとしても、中継装置2のプロキシ部23の通信セッション代行機能によってアプリケーションサーバ300間の通信セッション420が継続されるので、クライアント通信装置1とアプリケーションサーバ300間の通信セッションが維持される。
【0089】
なお、状態監視部11が定期的に無線電波の受信強度を測定し、セッション経路判断部12は、受信強度の測定値が基準値より低い場合に、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断するようにしてもよい。
【0090】
上述した実施例3、4によれば、クライアント通信装置1において無線通信の切断時に当該通信の切断がアプリケーションに与える悪影響を緩和することができる。又、クライアント通信装置1が利用している無線通信が切断しそうな場合にのみ、中継装置2経由で通信トラヒックを転送するので、中継装置2の負荷を軽減する効果が得られる。
【0091】
本実施形態によれば、クライアント通信装置1は、クライアント通信装置1における状態に応じて、中継装置2による経路中継を必要とする場合にのみ、通信トラフィックを中継装置経由で配送させることが可能となる。これにより、中継装置2に対して通信トラヒックの集中による輻輳を軽減し、通信システムのスループット低減を防ぐことができる。
【0092】
また、中継装置2からの状態通知を考慮することで、クライアント通信装置1があるアプリケーションの通信トラヒック経路を決定する際に、中継装置2の状態悪化によってクライアント通信装置1内のアプリケーションのスループットが低下する恐れがある場合には、中継装置経由で通信トラヒックを転送させるのを防ぐことができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0094】
例えば、中継装置2が映像のコーデック変換を行う機能を具備してもよい。これにより、クライアント通信装置1は、利用している通信方式の品質(帯域、遅延など)に応じて中継装置2経由にするか否かを判断することにより、アプリケーションサーバ300から送信された映像データのコーデック変換を行うか否かを切り替えることができる。
【0095】
また、図3、図9、図10に示す装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、通信セッション確立処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0096】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0097】
1…クライアント通信装置、2…中継装置、11…状態監視部、12…セッション経路判断部、13…プロキシ部、14…セッション管理部、15…通信インタフェース、16…クライアントアプリケーション、21…状態監視部、22…セッション受入判断部、23…プロキシ部、24…セッション管理部、25…通信インタフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介してアプリケーションのクライアントとサーバ間の通信セッションを確立する際に、通信セッションを一旦終端して中継する通信セッション中継装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−135776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来技術では、クライアントとサーバ間のトラフィックが常に通信セッション中継装置を経由するので、ある通信セッション中継装置に対してトラフィックが集中して輻輳すると、通信システムのスループットが低下する恐れがある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する際に、必要に応じて通信セッション中継装置を経由することにより、通信セッション中継装置の負荷を軽減することができる通信装置、通信システム及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る第1の通信装置は、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断部と、前記セッション経路判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、前記通信セッションを管理するセッション管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第1の通信装置において、前記通信装置は移動端末であり、前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、所定時間内に捕捉した基地局の識別子を順次記録し、前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が所定時間内に所定回数以上変わる場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る第1の通信装置において、前記通信装置は移動端末であり、前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、捕捉した基地局の識別子を順次記録し、前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアの基地局の識別子に一致した場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第1の通信装置において、前記通信装置は、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部が前記通信セッションを受け入れることが可能か否かを示す状態通知信号を通信ネットワーク側から受信し、前記セッション経路判断部は、前記状態通知信号に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第2の通信装置は、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断部と、前記セッション受入判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、前記通信セッションを管理するセッション管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第2の通信装置においては、前記セッション受入判断部の判断結果を状態通知信号として第1の通信装置へ送信することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る通信システムは、前述のいずれかの端末側の第1の通信装置と、前述のいずれかの通信ネットワーク側の第2の通信装置と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコンピュータプログラムは、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断ステップと、前記セッション経路判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
これにより、前述の第1の通信装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【0014】
本発明に係るコンピュータプログラムは、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断ステップと、前記セッション受入判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
これにより、前述の第2の通信装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する際に、必要に応じて通信セッション中継装置を経由することができる。これにより、通信セッション中継装置の負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
【図2】図1に示す通信システムにおける通信セッションの構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係るクライアント通信装置1の実施例1である。
【図4】本発明の実施例1に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートである。
【図6】本発明の実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートである。
【図7】本発明の実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートである。
【図9】本発明に係る中継装置2の実施例2である。
【図10】本発明に係るクライアント通信装置1の実施例2である。
【図11】本発明の実施例2に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートである。
【図12】本発明に係る実施例3の概念図である。
【図13】本発明に係る実施例4の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る通信セッションとしては、トランスポート層における通信セッション(例えば、TCP(Transmission Control Protocol)セッション又はUDP(User Datagram Protocol)セッション)もしくはアプリケーション層における通信セッションを指す。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成図である。図1において、クライアント通信装置1は通信回線100により通信ネットワーク100に接続する。アプリケーションサーバ300は通信回線により通信ネットワーク200に接続する。中継装置2は、通信回線により通信ネットワーク100及び通信ネットワーク200にそれぞれ接続する。通信ネットワーク100と通信ネットワーク200とは通信回線により接続されている。
【0019】
図1の通信システムでは、通信ネットワーク100と通信ネットワーク200間を流れるトラフィックは、中継装置2を経由する場合と、中継装置2を経由しない場合とが可能である。
【0020】
図2は、図1に示す通信システムにおける通信セッションの構成を示す概念図である。本実施形態では、クライアント通信装置1に実装されるアプリケーション(以下、クライアントアプリケーションと称する)と、アプリケーションサーバ300との間で通信セッションを確立する。通信セッション(以下、単に通信セッションと称する)を確立する方法として、二通りある。一つの方法は、クライアント通信装置1とアプリケーションサーバ300との間で、一つの通信セッション430を確立する。この場合、クライアントアプリケーションとアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、一つの通信セッション430のみを経由する。
【0021】
もう一つの方法は、中継装置2が通信セッションを一旦終端して中継する。この場合、中継装置2は、クライアント通信装置1との間で通信セッション410を確立する。さらに、中継装置2は、通信セッション410とは別に、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を確立する。そして、中継装置2は、通信セッション410と通信セッション420とを対応付けし、通信セッション410と通信セッション420との間でトラフィックを相互に転送する。これにより、クライアントアプリケーションとアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、通信セッション410、中継装置2及び通信セッション420を経由する。
【0022】
本実施形態では、クライアントアプリケーションとアプリケーションサーバ300との間で通信セッションを確立する際に、上述の二通りの通信セッション確立方法を使い分ける。
【0023】
以下、本実施形態に係る実施例を順次説明する。
【実施例1】
【0024】
図3は本発明に係るクライアント通信装置1の実施例1である。本実施例1では、クライアント通信装置1は移動端末であるとする。そして、図1において、通信ネットワーク100は移動通信ネットワーク(以下、移動通信ネットワーク100と称する)であり、クライアント通信装置1は無線回線110により移動通信ネットワーク100に接続する。
【0025】
図3において、クライアント通信装置1は、状態監視部11とセッション経路判断部12とプロキシ部13とセッション管理部14と通信インタフェース15とクライアントアプリケーション16とを備える。通信インタフェース15は、移動通信ネットワーク100との間で無線回線110を確立してデータを送受する。クライアントアプリケーション16は、アプリケーションサーバ300との間で、パケットを送受する。
【0026】
状態監視部11は、自クライアント通信装置1の状態を監視する。具体的には、無線通信の安定性に影響する事柄として、例えば、クライアント通信装置1の動き、クライアント通信装置1の位置、クライアント通信装置1における電波の受信強度などを監視する。この監視結果は、クライアント状態通知として、セッション経路判断部12へ送られる。
【0027】
セッション経路判断部12は、状態監視部11の監視結果に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させるか否かを判断する。この判断結果は、セッション経路指定として、プロキシ部13へ送られる。
【0028】
プロキシ部13は、セッション経路判断部12の判断結果に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを確立する。プロキシ部13は、セッション経路判断部12の判断結果が中継装置2を経由させるである場合には、中継装置2により通信セッション410及び通信セッション420を確立させる。一方、プロキシ部13は、セッション経路判断部12の判断結果が中継装置2を経由させないである場合には、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション430を確立する。
【0029】
又、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16との間で通信セッションを確立する。そして、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションと、中継装置2間の通信セッション410又はアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付けし、この対応付けした通信セッション間でトラフィックを相互に転送する。
【0030】
従って、中継装置2を経由する場合には、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、クライアントアプリケーション16とプロキシ部13間の通信セッション、通信セッション410、中継装置2及び通信セッション420を経由する。一方、中継装置2を経由しない場合には、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間で流れるトラフィックは、クライアントアプリケーション16とプロキシ部13間の通信セッション及び通信セッション430を経由する。
【0031】
セッション管理部14は、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを管理する。具体的には、セッション管理部14は、クライアントアプリケーション16とプロキシ部13間の通信セッションを、プロキシ部13と中継装置2間の通信セッション410に対応付けるのか、それともプロキシ部13とアプリケーションサーバ300間の通信セッション430に対応付けるのか、を示す通信セッション情報を保持する。
【0032】
図4、図5を参照して、本実施例1に係る通信セッション確立手順を説明する。図4、図5は本実施例1に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートであり、図4は中継装置2を経由する場合であり、図5は中継装置2を経由しない場合である。
【0033】
まず図4を参照して中継装置2を経由する場合の通信セッション確立手順を説明する。
ステップS1−1:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16からアプリケーションサーバ300宛に送信された「通信セッション確立要求を示すパケット」を捕捉する。
【0034】
ステップS1−2:プロキシ部13は、セッション経路判断部12に対し、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にするか否かを問い合わせる。
【0035】
ステップS1−3:セッション経路判断部12は、状態監視部11に対し、自クライアント通信装置1の状態に関する情報を要求する。状態監視部11は、セッション経路判断部12に対し、自クライアント通信装置1の状態を監視した結果の情報を返答する。
【0036】
ステップS1−4:セッション経路判断部12は、状態監視部11から受け取った監視結果の情報に基づいて、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にするか否かを判断する。そして、セッション経路判断部12は、該判断結果であるセッション経由先情報をプロキシ部13へ返答する。ここでは、セッション経由先情報は、「中継装置あり」であり、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にすることを指示する。
【0037】
ステップS1−5:プロキシ部13は、セッション経路判断部12からセッション経由先情報「中継装置あり」を受け取ると、中継装置2に対し、通信セッションの確立を要求する。このとき、プロキシ部13は、中継装置2に対し、当該通信セッションの宛先(アプリケーションサーバ300)を示す情報を通知する。
【0038】
ステップS1−6:中継装置2は、確立を要求された通信セッションの宛先情報で示されるアプリケーションサーバ300に対し、通信セッションの確立を要求する。そして、中継装置2は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を確立する。
【0039】
ステップS1−7:中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13に対し、通信セッションの確立要求に対する応答(通信セッション確立成功の通知)を行う。そして、中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13との間で通信セッション410を確立する。
【0040】
ステップS1−9:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16に対し、通信セッション確立要求に対する応答(通信セッション確立成功の通知)を示すパケットを送信する。そして、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16との間で通信セッションを確立する。
【0041】
ステップS1−10:プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションと中継装置2間の通信セッション410とを対応付ける通信セッション情報をセッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を記録する。
【0042】
次に図5を参照して中継装置2を経由しない場合の通信セッション確立手順を説明する。図5において、ステップS1−1からS1−4までの手順は、上記図4と同じである。但し、図5のステップS1−4では、セッション経路判断部12は、状態監視部11から受け取った監視結果の情報に基づいて、当該通信セッション確立要求の通信セッションを中継装置2経由にしないと判断する。そして、セッション経路判断部12は、該判断結果であるセッション経由先情報「中継装置なし」をプロキシ部13へ返答する。
【0043】
ステップS1−8:プロキシ部13は、セッション経路判断部12からセッション経由先情報「中継装置なし」を受け取ると、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション430を確立する。
【0044】
ステップS1−9からS1−10までの手順は、上記図4と同じである。但し、図5のステップS1−10では、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションとアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付ける通信セッション情報をセッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を記録する。
【0045】
次に、図6、図7、図8を参照して、本実施例1に係る通信セッション破棄手順を説明する。図6、図7、図8は本実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートであり、図6、図7は中継装置2を経由する場合であり、図8は中継装置2を経由しない場合である。
【0046】
まず図6を参照して中継装置2を経由する場合の通信セッション破棄手順を説明する。
ステップS2−1:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16からアプリケーションサーバ300宛に送信された「通信セッション破棄要求を示すパケット」を捕捉する。
【0047】
ステップS2−2:プロキシ部13は、セッション管理部14に対し、当該通信セッション破棄要求の通信セッションに関する通信セッション情報を問い合わせる。
【0048】
ステップS2−3:セッション管理部14は、プロキシ部13に対し、問い合わせに該当する通信セッションに関する通信セッション情報を返答する。ここでは、通信セッション情報は、当該通信セッション破棄要求の通信セッション(クライアントアプリケーション16間の通信セッション)と中継装置2間の通信セッション410とを対応付ける情報である。
【0049】
ステップS2−4:プロキシ部13は、セッション管理部14から受け取った通信セッション情報が示す中継装置2間の通信セッション410を破棄するように、中継装置2へ要求する。このとき、プロキシ部13は、中継装置2に対し、当該通信セッションの宛先(アプリケーションサーバ300)を示す情報を通知する。
【0050】
ステップS2−5:中継装置2は、破棄を要求された通信セッション410の宛先情報で示されるアプリケーションサーバ300に対し、当該通信セッション410に対応付けられている通信セッション420の破棄を要求する。そして、中継装置2は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を破棄する。
【0051】
ステップS2−6:中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13に対し、通信セッションの破棄要求に対する応答(通信セッション破棄成功の通知)を行う。そして、中継装置2は、クライアント通信装置1のプロキシ部13との間で通信セッション410を破棄する。
【0052】
ステップS2−8:クライアント通信装置1において、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16に対し、通信セッション破棄要求に対する応答(通信セッション破棄成功の通知)を示すパケットを送信する。そして、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16との間で通信セッションを破棄する。
【0053】
ステップS2−9:プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションと中継装置2間の通信セッション410とを対応付ける通信セッション情報を破棄することを指示する破棄セッション情報を、セッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を削除する。
【0054】
次に、図7を参照して、本実施例1に係る中継装置2とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420の通信セッション破棄手順を説明する。図7は本実施例1に係る通信セッション破棄手順を示すシーケンスチャートであり、中継装置2を経由する場合を示している。
【0055】
ステップS4−1:中継装置2において、プロキシ部は、クライアント通信装置1から、通信セッションの破棄の要求を受信する。
【0056】
ステップS4−2:中継装置2において、プロキシ部は、セッション管理部に対し、当該通信セッション破棄要求の通信セッションに関する通信セッション対応関係情報を問い合わせる。セッション管理部は、プロキシ部に対し、問い合わせに該当する通信セッション対応関係情報を返答する。ここでは、通信セッション対応関係情報は、当該通信セッション破棄要求の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付ける情報である。
【0057】
ステップS4−3:中継装置2において、プロキシ部は、通信セッション対応関係情報に基づいて、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を破棄する。
【0058】
ステップS4−4:中継装置2において、プロキシ部は、クライアント通信装置1に対し、通信セッションの破棄要求に対する応答(通信セッション破棄成功の通知)を行う。そして、プロキシ部は、クライアント通信装置1との間で通信セッション410を破棄する。
【0059】
ステップS4−5:中継装置2において、プロキシ部は、クライアント通信装置1間の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付ける通信セッション対応関係情報を破棄することを指示する破棄セッション情報を、セッション管理部へ送る。そして、セッション管理部は、該通信セッション対応関係情報を削除する。
【0060】
次に図8を参照して中継装置2を経由しない場合の通信セッション破棄手順を説明する。図8において、ステップS2−1からS2−3までの手順は、上記図6と同じである。但し、図8のステップS2−3では、セッション管理部14からプロキシ部13へ返答される通信セッション情報は、当該通信セッション破棄要求の通信セッション(クライアントアプリケーション16間の通信セッション)とアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付ける情報である。
【0061】
ステップS2−7:プロキシ部13は、セッション管理部14から受け取った通信セッション情報が示すアプリケーションサーバ300間の通信セッション430を破棄するように、アプリケーションサーバ300へ要求する。そして、プロキシ部13は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション430を破棄する。
【0062】
ステップS2−8からS2−9までの手順は、上記図6と同じである。但し、図8のステップS2−9では、プロキシ部13は、クライアントアプリケーション16間の通信セッションとアプリケーションサーバ300間の通信セッション430とを対応付ける通信セッション情報を破棄することを指示する破棄セッション情報を、セッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション情報を削除する。
【0063】
なお、クライアント通信装置1の状態監視部11が中継装置2に導通試験パケットを送信して中継装置2からの応答パケット受信までの待ち時間を測定し、セッション経路判断部12は、待ち時間の測定値が基準値以上である場合には、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させないと判断するようにしてもよい。
【実施例2】
【0064】
実施例2は、上述した実施例1の変形例である。図9は本発明に係る中継装置2の実施例2である。図9において、中継装置2は、状態監視部21とセッション受入判断部22とプロキシ部23とセッション管理部24と通信インタフェース25とを備える。通信インタフェース25は、クライアント通信装置1が接続する移動通信ネットワーク100、及び、アプリケーションサーバ300が接続する通信ネットワーク200との間で、それぞれにデータを送受する。
【0065】
状態監視部21は、自中継装置2の状態を監視する。具体的には、通信セッションの中継の安定性に影響する事柄として、例えば、CPU稼働率、確立している通信セッションの数、中継しているパケットのスループットなどを監視する。この監視結果は、中継装置状態通知として、セッション受入判断部22へ送られる。
【0066】
セッション受入判断部22は、状態監視部21の監視結果に基づいて、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かを判断する。セッション受入判断部22は、その判断結果である状態通知信号500をクライアント通信装置1へ送信する。状態通知信号500は、中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にあるか否かを示す信号である。又、セッション受入判断部22は、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かの判断結果をセッション受入可否通知として、プロキシ部23へ送る。
【0067】
プロキシ部23は、クライアント通信装置1からの要求に応じて、クライアント通信装置1間の通信セッション410及びアプリケーションサーバ300間の通信セッション420を確立する。このとき、プロキシ部13は、セッション受入判断部22からのセッション受入可否通知に従って、クライアント通信装置1からの通信セッション確立要求を受けるか否かを決定する。
【0068】
セッション管理部24は、クライアント通信装置1間の通信セッション410及びアプリケーションサーバ300間の通信セッション420を管理する。具体的には、セッション管理部24は、クライアント通信装置1間の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付けることを示す通信セッション対応関係情報を保持する。
【0069】
図10は、本発明に係るクライアント通信装置1の実施例2である。図10において、図3に示す実施例1のクライアント通信装置1と異なる点は、セッション経路判断部12が中継装置2から受信した状態通知信号500を用いる点のみである。
【0070】
本実施例2では、セッション経路判断部12は、中継装置2から受信した状態通知信号500によって、中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にあるか否かを認識する。セッション経路判断部12は、状態通知信号500によって中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にある場合にのみ、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断する。従って、セッション経路判断部12は、状態監視部11の監視結果に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させることができる場合であっても、状態通知信号500によって中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れる状態にないときには、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させないと判断する。
【0071】
次に、図11を参照して、本実施例2に係る通信セッション確立手順を説明する。図11は本実施例2に係る通信セッション確立手順を示すシーケンスチャートであり、中継装置2を経由する場合を示している。
【0072】
ステップS3−1:中継装置2において、状態監視部21は、自中継装置2の状態を監視し、中継装置状態通知をセッション受入判断部22へ送る。セッション受入判断部22は、その中継装置状態通知に基づいて、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かを判断し、状態通知信号500をクライアント通信装置1へ送信する。
【0073】
ステップS3−2:クライアント通信装置1において、セッション経路判断部12は、状態監視部11からのクライアント状態通知および中継装置2からの状態通知信号500に基づいて、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させるか否かを判断し、セッション経路指定をプロキシ部13へ送る。ここでは、中継装置2を経由させるとする。プロキシ部13は、セッション経路指定に従って、中継装置2に対し、通信セッションの確立を要求する。このとき、プロキシ部13は、中継装置2に対し、当該通信セッションの宛先(アプリケーションサーバ300)を示す情報を通知する。
【0074】
ステップS3−3:中継装置2において、プロキシ部13は、クライアント通信装置1から通信セッション確立要求を受けると、セッション受入判断部22に対し、通信セッション確立の受入可否を問い合わせる。
【0075】
ステップS3−4:セッション受入判断部22は、プロキシ部13からの通信セッション確立受入可否問い合わせを受けると、状態監視部21に対し、中継装置状態通知を要求する。状態監視部21は、セッション受入判断部22からの中継装置状態通知要求を受けると、中継状態通知を返答する。
【0076】
ステップS3−5:セッション受入判断部22は、状態監視部21からの中継装置状態通知に基づいて、自中継装置2が新たに通信セッションの確立要求を受け入れるか否かを判断し、セッション受入可否通知をプロキシ部23へ送る。ここでは、受入可とする。
【0077】
ステップS3−6:プロキシ部23は、セッション受入判断部22からセッション受入可否通知「受入可」を受けると、アプリケーションサーバ300に対し、通信セッションの確立を要求する。そして、プロキシ部23は、アプリケーションサーバ300との間で通信セッション420を確立する。
【0078】
ステップS3−7:プロキシ部23は、クライアント通信装置1に対し、通信セッションの確立要求に対する応答(通信セッション確立成功の通知)を行う。この後、プロキシ部23は、クライアント通信装置1との間で通信セッション410を確立する。
【0079】
ステップS3−8:プロキシ部23は、クライアント通信装置1間の通信セッション410とアプリケーションサーバ300間の通信セッション420とを対応付ける通信セッション対応関係情報をセッション管理部14へ送る。そして、セッション管理部14は、該通信セッション対応関係情報を記録する。
【0080】
なお、本実施例2に係る通信セッション破棄手順は、上記図7に示す実施例1と同様である。
【実施例3】
【0081】
実施例3は、上述した実施例1又は2の応用例である。図12は本発明に係る実施例3の概念図である。図12において、クライアント通信装置1は、基地局A(基地局識別子(基地局ID):00001)から基地局B(基地局ID:00002)を経由して基地局C(基地局ID:00003)へ移動している。
【0082】
クライアント通信装置1の状態監視部11は、所定時間内に捕捉した基地局の識別子を順次、基地局IDリストに記録する。このとき、補足する基地局には、クライアント通信装置1が接続した基地局と、クライアント通信装置1が電波を受信したが接続しない基地局との両方を含める。
【0083】
セッション経路判断部12は、基地局IDリストにおいて記録された基地局IDが所定時間内に所定回数以上変わる場合に、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断する。これは、クライアント通信装置1が移動していることから、基地局間のハンドオーバによって通信が瞬断したり、高速移動によって無線環境が劣化して通信断が発生したりすることに備えるためである。
【0084】
本実施例3によれば、クライアント通信装置1と移動通信ネットワーク100間の無線回線110が一時的に切断したとしても、中継装置2のプロキシ部23の通信セッション代行機能によってアプリケーションサーバ300間の通信セッション420が継続されるので、クライアント通信装置1とアプリケーションサーバ300間の通信セッションが維持される。
【実施例4】
【0085】
実施例4は、上述した実施例1又は2の応用例である。図13は本発明に係る実施例4の概念図である。図13において、クライアント通信装置1は、基地局D(基地局ID:00011)から基地局E(基地局ID:00012)へ移動している。基地局Eのサービスエリア内にはトンネルが在り、当該トンネル内では基地局Eとの無線接続が切断される。クライアント通信装置1には、基地局Eの基地局ID「00012」が、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアとして、あらかじめ広報され、保存されている。
【0086】
クライアント通信装置1の状態監視部11は、捕捉した基地局の識別子を順次、基地局IDリストに記録する。このとき、補足する基地局には、クライアント通信装置1が接続した基地局と、クライアント通信装置1が電波を受信したが接続しない基地局との両方を含める。
【0087】
セッション経路判断部12は、基地局IDリストにおいて記録された基地局IDが、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアの基地局の基地局IDに一致した場合に、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断する。これは、クライアント通信装置1が基地局Eのサービスエリア内のトンネルに入って基地局Eとの無線接続が切断されることに備えるためである。
【0088】
本実施例4によれば、クライアント通信装置1と移動通信ネットワーク100間の無線回線110が一時的に切断したとしても、中継装置2のプロキシ部23の通信セッション代行機能によってアプリケーションサーバ300間の通信セッション420が継続されるので、クライアント通信装置1とアプリケーションサーバ300間の通信セッションが維持される。
【0089】
なお、状態監視部11が定期的に無線電波の受信強度を測定し、セッション経路判断部12は、受信強度の測定値が基準値より低い場合に、クライアントアプリケーション16とアプリケーションサーバ300との間の通信セッションを、中継装置2を経由させると判断するようにしてもよい。
【0090】
上述した実施例3、4によれば、クライアント通信装置1において無線通信の切断時に当該通信の切断がアプリケーションに与える悪影響を緩和することができる。又、クライアント通信装置1が利用している無線通信が切断しそうな場合にのみ、中継装置2経由で通信トラヒックを転送するので、中継装置2の負荷を軽減する効果が得られる。
【0091】
本実施形態によれば、クライアント通信装置1は、クライアント通信装置1における状態に応じて、中継装置2による経路中継を必要とする場合にのみ、通信トラフィックを中継装置経由で配送させることが可能となる。これにより、中継装置2に対して通信トラヒックの集中による輻輳を軽減し、通信システムのスループット低減を防ぐことができる。
【0092】
また、中継装置2からの状態通知を考慮することで、クライアント通信装置1があるアプリケーションの通信トラヒック経路を決定する際に、中継装置2の状態悪化によってクライアント通信装置1内のアプリケーションのスループットが低下する恐れがある場合には、中継装置経由で通信トラヒックを転送させるのを防ぐことができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0094】
例えば、中継装置2が映像のコーデック変換を行う機能を具備してもよい。これにより、クライアント通信装置1は、利用している通信方式の品質(帯域、遅延など)に応じて中継装置2経由にするか否かを判断することにより、アプリケーションサーバ300から送信された映像データのコーデック変換を行うか否かを切り替えることができる。
【0095】
また、図3、図9、図10に示す装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、通信セッション確立処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0096】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0097】
1…クライアント通信装置、2…中継装置、11…状態監視部、12…セッション経路判断部、13…プロキシ部、14…セッション管理部、15…通信インタフェース、16…クライアントアプリケーション、21…状態監視部、22…セッション受入判断部、23…プロキシ部、24…セッション管理部、25…通信インタフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、
前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断部と、
前記セッション経路判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、
前記通信セッションを管理するセッション管理部と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信装置は移動端末であり、
前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、所定時間内に捕捉した基地局の識別子を順次記録し、
前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が所定時間内に所定回数以上変わる場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は移動端末であり、
前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、捕捉した基地局の識別子を順次記録し、
前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアの基地局の識別子に一致した場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部が前記通信セッションを受け入れることが可能か否かを示す状態通知信号を通信ネットワーク側から受信し、
前記セッション経路判断部は、前記状態通知信号に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、
前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断部と、
前記セッション受入判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、
前記通信セッションを管理するセッション管理部と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項6】
前記セッション受入判断部の判断結果を状態通知信号として請求項4に記載の通信装置へ送信することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の端末側の通信装置と、
請求項5に記載の通信ネットワーク側の通信装置と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項4に記載の端末側の通信装置と、
請求項6に記載の通信ネットワーク側の通信装置と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項9】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、
前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断ステップと、
前記セッション経路判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、
前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、
前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断ステップと、
前記セッション受入判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、
前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、
前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断部と、
前記セッション経路判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、
前記通信セッションを管理するセッション管理部と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信装置は移動端末であり、
前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、所定時間内に捕捉した基地局の識別子を順次記録し、
前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が所定時間内に所定回数以上変わる場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は移動端末であり、
前記状態監視部は、移動通信ネットワークの基地局に関し、捕捉した基地局の識別子を順次記録し、
前記セッション経路判断部は、前記記録された基地局の識別子が、電波受信状況が悪くなる可能性のあるサービスエリアの基地局の識別子に一致した場合に、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部が前記通信セッションを受け入れることが可能か否かを示す状態通知信号を通信ネットワーク側から受信し、
前記セッション経路判断部は、前記状態通知信号に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置において、
前記通信装置の状態を監視する状態監視部と、
前記状態監視部の監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断部と、
前記セッション受入判断部の判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシ部と、
前記通信セッションを管理するセッション管理部と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項6】
前記セッション受入判断部の判断結果を状態通知信号として請求項4に記載の通信装置へ送信することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の端末側の通信装置と、
請求項5に記載の通信ネットワーク側の通信装置と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項4に記載の端末側の通信装置と、
請求項6に記載の通信ネットワーク側の通信装置と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項9】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、
前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、通信ネットワーク側に設けられたプロキシ部を経由させるか否かを判断するセッション経路判断ステップと、
前記セッション経路判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、
前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
通信ネットワークを介してアプリケーション間の通信セッションを確立する通信装置における通信セッション確立処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置の状態を監視する状態監視ステップと、
前記状態監視ステップの監視結果に基づいて、前記通信セッションを、前記通信装置に設けられたプロキシ部を経由させることができるか否かを判断するセッション受入判断ステップと、
前記セッション受入判断ステップの判断結果に基づいて、前記通信セッションを確立するプロキシステップと、
前記通信セッションを管理するセッション管理ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−199650(P2012−199650A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60998(P2011−60998)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
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