説明

通信装置、通信方法、および通信プログラム

【課題】画像を撮像する複数の撮像手段からコンテンツデータを入力する場合に、複数の撮像手段の状態に応じた適切な方法で処理負担を低下させることができる通信装置、通信方法、および通信プログラムを提供する。
【解決手段】PCは、カメラを有する複数のテレビ会議端末からコンテンツデータを取得し、取得したコンテンツデータを他のデバイスに送信することができる。PCのCPUは、複数のテレビ会議端末の各々のカメラの撮像範囲、および他のテレビ会議端末に対する位置の情報の少なくともいずれかを検出する(S11、S12)。CPUは、検出した結果に応じて、複数のテレビ会議端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する(S13〜S26)。CPUは、決定した条件に従ってテレビ会議端末から取得されたコンテンツデータを他のデバイスに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像および音声等のコンテンツのデータを他のデバイスに送信する通信装置、通信方法、および通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の入力手段から同一の種別のコンテンツデータを複数取得して他のデバイスに送信するための技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の情報処理装置は、複数のカメラおよび複数のマイクに接続する。情報処理装置は、複数のマイクの各々から取得した音声の音量の大小等に映像の状態が一致するように、複数のカメラの各々から取得した映像のデータを加工して、他のデバイスに出力する。その結果、映像に変化が生じて娯楽性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−100134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信装置が複数の入力手段から同一の種別のコンテンツデータを取得して送信する場合、1つの入力手段からデータを取得する場合に比べて処理負担が増大する。複数の入力手段から取得する各データのデータ量を低下させることで処理負担は低下するが、各データのデータ量を一律に低下させると、ユーザの意図に反してコンテンツの品質が低下する場合がある。例えば、拠点全体を1つのカメラで撮像し、且つ拠点内の特定の撮像対象物を他のカメラで鮮明に撮像している場合、ユーザは特定の撮像物が高品質で撮像されることを望んでいる。しかし、複数のカメラから取得する複数の画像データのデータ量を一律に低下させると、特定の撮像対象物の画像品質がユーザの意図に反して低下する。以上のように、従来の通信装置は、画像を撮像する複数の撮像手段の状態に応じた適切な方法で処理負担を低下させることはできなかった。
【0005】
本発明は、画像を撮像する複数の撮像手段からコンテンツデータを入力する場合に、複数の撮像手段の状態に応じた適切な方法で処理負担を低下させることができる通信装置、通信方法、および通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に係る通信装置は、画像を撮像する撮像手段を少なくとも有する複数の端末から取得したコンテンツデータを他のデバイスに送信することが可能な通信装置であって、前記複数の端末の各々の撮像手段の撮像範囲、および前記複数の端末のうちの他の端末に対する位置の情報の少なくともいずれかを検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された検出結果に応じて、前記複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する条件決定手段と、前記条件決定手段によって決定された条件に従って前記複数の端末から取得したコンテンツデータを前記他のデバイスに送信する送信手段とを備える。
【0007】
第一の態様に係る通信装置は、複数の端末の撮像範囲および位置の情報の少なくともいずれかに基づいて、複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する。従って、通信装置は、複数の端末からコンテンツデータを取得する場合、複数の端末の撮像手段の状態に応じた適切なデータ量のコンテンツデータを取得することができる。よって、通信装置は処理負担を適切な方法で低下させることができ、通信に不具合が生じることを防止することができる。
【0008】
前記検出手段は、前記複数の端末の各々の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれているか否かを検出してもよい。通信装置は、撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれているか否かを検出することで、撮像手段が撮像する対象物に関する情報と、端末の他の端末に対する位置の情報とを共に得ることができる。従って、撮像手段の状態をより適切且つ容易に把握した上で、取得するデータ量を調整するための条件を決定することができる。
【0009】
前記条件決定手段は、前記複数の端末のうち一部の端末の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれており、且つ前記複数の端末のうち前記一部の端末以外の端末の撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、前記一部の端末から取得する画像データの解像度を、前記一部の端末以外の端末から取得する画像データの解像度よりも下げてもよい。この場合、撮像範囲に他の端末を含む撮像手段は広い範囲を撮像している。一方、撮像範囲に他の端末を含まない撮像手段は、特定の撮像対象物を撮像するために設置されている可能性が高い。通信装置は、撮像範囲に他の端末を含まない端末から取得する画像データの解像度を他方よりも高くする。従って、ユーザが鮮明に撮像したい撮像対象物の画像の品質を大幅に低下させることなく、複数の端末から取得する複数の画像データの各々の解像度を適切な値に調整し、処理負担を低下させることができる。
【0010】
前記条件決定手段は、前記複数の端末のうち一部の端末の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれており、且つ前記複数の端末のうち前記一部の端末以外の端末の撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、前記一部の端末から取得する音声データの入力感度および入力音量の少なくともいずれかを、前記一部の端末以外の端末から取得する音声データの入力感度および入力音量よりも下げてもよい。撮像範囲に他の端末を含まない撮像手段は、特定の撮像対象物を撮像するために設置されている可能性が高い。ユーザは撮像対象物に注目するため、撮像対象物を向いて発話をする場合が多い。通信装置は、撮像範囲に他の端末を含まない端末(撮像対象物を撮像している可能性が高い端末)から取得する音声データの入力感度および入力音声の少なくともいずれかを、他方よりも高くする。従って、ユーザの発話音声を入力し易い端末における音声品質を大幅に低下させることなく、複数の端末から取得する複数の音声データのデータ量を調整することができる。
【0011】
前記通信装置は、前記複数の端末から取得する複数の音声データのノイズおよびエコーの少なくともいずれかを除去する除去手段と、前記複数の端末のうち一部の端末の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれており、且つ前記複数の端末のうち前記一部の端末以外の端末の撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合に、前記一部の端末の音声出力手段に出力させる音声の音量を、前記一部の端末以外の端末の音声出力手段に出力させる音声の音量よりも下げる音量調整手段とをさらに備えてもよい。この場合、通信装置はノイズおよびエコーの少なくともいずれかを除去することができる。また、撮像範囲に他の端末を含まない撮像手段は、特定の撮像対象物を撮像するために設置されている可能性が高い。ユーザは撮像対象物に注目するため、撮像対象物の近傍に集まる。よって、撮像範囲に他の端末を含む端末(撮像対象物を撮像していない端末)の出力音量を下げても影響は少ない。一部の端末の出力音量を下げることで、通信装置がノイズ・エコーを除去する際の処理負担は低下する。従って、通信装置は、端末に効率よく音声を出力させつつ、自装置の処理負担を低下させることができる。
【0012】
前記条件決定手段は、前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、および、前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれていることが前記検出手段によって検出された場合、前記複数の端末の各々から取得する画像データの解像度を均等にし、且つ、1つの端末から画像データを取得する場合に比べて各画像データの解像度を下げてもよい。この場合、通信装置は、複数の画像データの解像度を均等にすることで、複数の画像の品質に意図しない差が生じることを防止しつつ処理負担を低下させることができる。
【0013】
前記条件決定手段は、前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、前記複数の端末の一部からの音声データの取得を停止してもよい。全ての端末の撮像範囲に他の端末が含まれていない場合、複数の端末は同一の位置から異なる方向(例えば、反対方向、放射状等)を撮像している可能性が高い。この場合、一部の端末からの音声データの取得を停止することで、同一箇所で入力された同一の音声データを複数取得する無駄を省き、処理負担を効率よく低下させることができる。特に、指向性が低いマイクによって広角度から音声が入力されている場合には、複数の端末が同一の音声データを入力し易いため、一部の端末の音声データの取得を停止する効果は大きい。ハウリングが生じる可能性も低下するため、エコーキャンセルを行うための処理の負担も低下する。
【0014】
前記通信装置は、前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合に、前記複数の端末の一部への音声データの送信を禁止する禁止手段をさらに備えてもよい。この場合、複数の端末は同一の位置に設置されていると判断できるため、端末に音声データを送信して端末から音声を出力する場合には、複数の端末の全てから音声を出力させる必要性は低い。通信装置は、同一の位置にある複数の端末の一部に対し、音声データの送信を禁止することで、音声データを無駄に送信することを防止することができる。特に、指向性が低いスピーカによって広範囲に音声が出力されている場合には、一部の端末からの音声の出力が停止しても影響は小さいため、効果は大きい。ノイズ・エコーを除去する場合の処理負担も低下する。
【0015】
本発明の第二の態様に係る通信方法は、画像を撮像する撮像手段を少なくとも有する複数の端末から取得したコンテンツデータを他のデバイスに送信することが可能な通信装置によって実行される通信方法であって、前記複数の端末の各々の撮像手段の撮像範囲、および前記複数の端末のうちの他の端末に対する位置の情報の少なくともいずれかを検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された検出結果に応じて、前記複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する条件決定ステップと、前記条件決定ステップにおいて決定された条件に従って前記複数の端末から取得したコンテンツデータを前記他のデバイスに送信する送信ステップとを含む。
【0016】
第二の態様に係る通信方法によると、通信装置は、複数の端末の撮像範囲および位置の情報の少なくともいずれかに基づいて、複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する。従って、通信装置は、複数の端末からコンテンツデータを取得する場合、複数の端末の撮像手段の状態に応じた適切なデータ量のコンテンツデータを取得することができる。よって、通信装置は処理負担を適切な方法で低下させることができ、通信に不具合が生じることを防止することができる。
【0017】
本発明の第三の態様に係る通信プログラムは、画像を撮像する撮像手段を少なくとも有する複数の端末から取得したコンテンツデータを他のデバイスに送信することが可能な通信装置で用いられる通信プログラムであって、前記複数の端末の各々の撮像手段の撮像範囲、および前記複数の端末のうちの他の端末に対する位置の情報の少なくともいずれかを検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された検出結果に応じて、前記複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する条件決定ステップと、前記条件決定ステップにおいて決定された条件に従って前記複数の端末から取得したコンテンツデータを前記他のデバイスに送信する送信ステップとを前記通信装置のコントローラに実行させるための指示を含む。
【0018】
第三の態様に係る通信プログラムによると、通信装置は、複数の端末の撮像範囲および位置の情報の少なくともいずれかに基づいて、複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する。従って、通信装置は、複数の端末からコンテンツデータを取得する場合、複数の端末の撮像手段の状態に応じた適切なデータ量のコンテンツデータを取得することができる。よって、通信装置は処理負担を適切な方法で低下させることができ、通信に不具合が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】通信システム100のシステム構成を示す図である。
【図2】PC1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】テレビ会議端末3の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】テレビ会議中に表示装置26に表示される画像の一例を示す図である。
【図5】PC1が実行するメイン処理のフローチャートである。
【図6】メイン処理中に実行されるデータ量調整処理のフローチャートである。
【図7】拠点Xの画像55の一例を示す図である。
【図8】PC1に接続している全てのテレビ会議端末3の撮像範囲に他のテレビ会議端末3の少なくともいずれかが含まれている状況を例示する図である。
【図9】撮像範囲に他のテレビ会議端末3を含むテレビ会議端末3が存在しない状況を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の通信装置を具現化した一実施の形態であるパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0021】
図1を参照して、通信システム100の概略構成について説明する。通信システム100は、ネットワーク8を介してデータを送受信することが可能な複数の通信装置を備える。本実施の形態では、通信装置としてパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)1が用いられている。しかし、PC1以外の装置を通信装置として使用することも可能である。例えば、データの送受信が可能なテレビ会議専用の装置等を通信装置として用いてもよい。
【0022】
PC1にはテレビ会議端末3を接続することができる。テレビ会議端末3は、設置された拠点の音声をマイク46(図3参照)から入力し、且つ画像をカメラ48(図3参照)から入力する。入力した音声および画像のデータ(コンテンツデータ)をPC1に出力する。さらに、テレビ会議端末3は、PC1から入力した音声のデータに基づいて、他拠点の音声をスピーカ47(図3参照)から発生させることができる。
【0023】
PC1には複数のテレビ会議端末3を接続することもできる。従って、PC1は、同一拠点内に配置した複数のテレビ会議端末3の各々が撮像した複数の画像のデータを、他の拠点に送信できる。例えば、図1に示す例では、1つの拠点に3人のユーザ61〜63が集合してテレビ会議を実行している。3人のユーザ61〜63と、他の拠点のユーザ64とが円滑に遠隔会議を実行するためには、3人のユーザ61〜63の画像をユーザ64に視認させることが望ましい。さらに、図1に示す例では、特定の撮像対象物7(図1に示す例ではテープカセット)に関するテレビ会議が実行されている。従って、PC1は、撮像対象物7の鮮明な画像をユーザ64に視認させる必要がある。本実施の形態の通信システム100は、ユーザ61〜63および撮像対象物7を共に遠隔地で表示させることができる。
【0024】
一方、1つのPC1に複数のテレビ会議端末3を接続する場合、PC1の処理負担は、1つのテレビ会議端末3を接続する場合に比べて増大する。複数のテレビ会議端末3の各々からPC1に入力されるコンテンツデータのデータ量を低下させれば、PC1の処理負担は低下する。しかし、各コンテンツデータのデータ量を一律に低下させると、ユーザの意図に反してコンテンツの品質が低下する場合がある。例えば、特定の撮像対象物7に関する会議をテレビ会議で実行する場合、撮像対象物7の画像の品質は、拠点全体を撮像した画像の品質よりも優先して維持すべきである。また、重要な発表を行う特定のユーザ等の画像は、高い品質を維持すべきである。本実施の形態のPC1は、複数のテレビ会議端末3の状態に応じた適切な方法で、各々のテレビ会議端末3から入力するコンテンツデータのデータ量を調整し、処理負担を低下させることができる。
【0025】
図2を参照して、PC1の電気的構成について説明する。PC1は、PC1の制御を司るCPU10を備える。CPU10には、ROM11、RAM12、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」という。)13、および入出力インターフェース14が、バス19を介して接続されている。ROM11は、PC1を動作させるためのプログラムおよび初期値等を記憶している。RAM12は各種情報を一時的に記憶する。HDD13は不揮発性の記憶装置である。HDD13には、後述するメイン処理(図5、図6参照)等を実行するためのアプリケーションプログラム等が記憶されている。
【0026】
入出力インターフェース14には、映像出力処理部21、外部通信I/F22、USB I/F23、および操作部27が接続されている。映像出力処理部21は、映像を表示する表示装置26の動作を処理する。外部通信I/F22は、PC1をネットワーク8に接続する。USB I/Fは、USBケーブルを介してPC1をテレビ会議端末3に接続する。操作部27はキーボード等からなり、各種操作入力を受け付ける。
【0027】
PC1は、HDD13に記憶されているプログラムに従って、ノイズキャンセル処理およびエコーキャンセル処理を実行することができる。ノイズキャンセル処理とは、テレビ会議端末3から入力した音声データに含まれるノイズ(雑音)を除去する処理である。エコーキャンセル処理とは、テレビ会議端末3から入力した音声データに含まれるエコーを除去する処理である。PC1に入力される音声データの数が少ない程、ノイズキャンセルおよびエコーキャンセルの処理負担は低下する。また、PC1が複数の音声データを入力する場合、音量が小さい音声データが含まれている方がエコーは生じ難いため、処理負担は低下する。
【0028】
図3を参照して、テレビ会議端末3の電気的構成について説明する。テレビ会議端末3は、テレビ会議端末3の制御を司るCPU30を備える。CPU30には、ROM31、RAM32、フラッシュメモリ33、および入出力インターフェース34が、バス39を介して接続されている。ROM31は、テレビ会議端末3を動作させるためのプログラムおよび初期値等を記憶している。RAM32は、プログラムで使用される各種の情報を一時的に記憶する。フラッシュメモリ33は不揮発性の記憶装置である。フラッシュメモリ33の代わりに、メモリカード等の記憶装置を用いてもよい。
【0029】
入出力インターフェース34には、USB I/F41、音声入力処理部42、音声出力処理部43、映像入力処理部44、操作部49、およびICタグリーダー50が接続されている。さらに、テレビ会議端末3は、ICタグ用アンテナ52、シールド53、およびICタグ51を備える。USB I/F41は、テレビ会議端末3をPC1に接続する。音声入力処理部42は、マイク46からの音声データの入力を処理する。本実施の形態のテレビ会議端末3は、マイク46からの音声データの入力感度および入力音量を調整することができる。入力感度を下げる程、PC1に出力する音声データのデータ量は低下する。また、入力音量を下げる程、PC1に出力する音声データのデータ量は低下する。音声出力処理部43は、スピーカ47からの音声の発生を処理する。映像入力処理部44は、カメラ48からの画像データの入力を処理する。テレビ会議端末3は、カメラ48から入力する画像データの解像度、フレームレート、および色数等を調整することで、PC1に出力する画像データのデータ量を調整することができる。操作部49は電源ボタン、音量調節ボタン、マイクミュートボタン等からなり、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。
【0030】
ICタグ用アンテナ52は、呼出波の送信および反射波の受信を行うことで、他のテレビ会議端末3に設けられたICタグ51との間で通信を行う。具体的には、ICタグ用アンテナ52は、CPU30の制御に従って呼出波を送信する。ICタグ用アンテナ52が呼出波を送信する範囲は、自装置が備えるカメラ48の撮像範囲に略一致するように調整されている。他のテレビ会議端末3に設けられたICタグ51は、呼出波を受信すると、呼出波に含まれる搬送波成分を整流して直流電圧を生成し、反射波を返信する。返信された反射波は、呼出波を送信したICタグ用アンテナ52によって受信される。ICタグリーダー50は、ICタグ用アンテナ52によって受信された反射波に含まれる情報を読み取ってCPU30に出力する。呼出波が送信された範囲にICタグ51が存在しなければ、ICタグ用アンテナ52は反射波を受信しない。従って、テレビ会議端末3は、反射波を受信するか否かによって、自装置が備えるカメラ48の撮像範囲に他のテレビ会議端末3が含まれているか否かを検出することができる。テレビ会議端末3は、反射波を返信するICタグ51を備えることで、他のテレビ会議端末3の撮像範囲に自装置が含まれていることを他のテレビ会議端末3に検出させることができる。なお、シールド53は、自装置のICタグ用アンテナ52とICタグ51との間の電磁波の伝播を遮断する。従って、ICタグリーダー50は自装置のICタグ51を読み取ることはない。
【0031】
図4を参照して、通信システム100でテレビ会議が実行されている間にPC1の表示装置26に表示される画像の一例について説明する。図4に示す例では、拠点Xに3人のユーザが集まり、且つ拠点Yには1人のユーザがいる。各拠点のPC1の表示装置26には、拠点Xの画像55と拠点Yの画像56とが共に表示される。詳細には、拠点XのPC1は、自拠点のテレビ会議端末3が撮像した画像を含む拠点Xの画像55のデータを、拠点YのPC1にネットワーク8(図1および図2参照)を介して送信する。拠点YのPC1は、受信したデータに基づいて拠点Xの画像55を表示し、且つ自拠点の画像である拠点Yの画像56を表示装置26に表示する。拠点YのPC1は、拠点Yの画像56のデータを拠点XのPC1に送信する。拠点XのPC1は、拠点Xの画像55と拠点Yの画像56とを共に表示装置26に表示する。従って、各ユーザは、遠隔地の拠点の画像を視認しながら円滑に会議を実行することができる。なお、PC1が備える表示装置26の代わりに、PC1に他の表示装置を装着して画像を表示させてもよいし、プロジェクタを用いて画像を投影させてテレビ会議を実行してもよい。
【0032】
図4に示す例では、拠点XのPC1には2つのテレビ会議端末3が接続されている。一方のテレビ会議端末3が第一画像70を撮像し、他方のテレビ会議端末3が第二画像71を撮像している。第一画像70は、特定の撮像対象物7を至近距離から撮像した画像である。よって、第一画像70には撮像対象物7以外の被写体(たとえば、他方のテレビ会議端末3)は含まれていない。第二画像71は拠点Xの全体を撮像した画像であり、3人のユーザ、他方のテレビ会議端末3、および撮像対象物7の全てを撮像している(図7参照)。本実施の形態のPC1は、第一画像70および第二画像71を含む各種コンテンツデータのデータ量を、各テレビ会議端末3(カメラ48)の状態に応じた適切な方法で調整する。以下、処理の詳細について説明を行う。
【0033】
図5から図9を参照して、PC1が実行するメイン処理について説明する。前述したように、PC1のHDD13には、テレビ会議を実行するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。PC1のCPU10は、アプリケーションを立ち上げる指示を操作部27から入力すると、図5に示すメイン処理を実行する。
【0034】
CPU10は、メイン処理を開始すると、会議システムを起動する(S1)。詳細には、CPU10は、通信システム100内の他のPC1との間で通信接続を確立し、各種インターフェースを起動する。CPU10は、自装置に接続している1または複数のテレビ会議端末3からの音声および画像のデータの入力を開始する。次いで、CPU10は、USB I/F23を介して自装置に接続しているテレビ会議端末3の数を取得する(S2)。接続端末数が1つであれば(S3:NO)、処理はそのままS5へ移行する。接続端末数が複数であれば(S3:YES)、CPU10はデータ量調整処理を実行し(S4)、処理はS5へ移行する。詳細は図6を参照して後述するが、データ量調整処理では、接続している複数のテレビ会議端末3の各々から受信するコンテンツデータのデータ量を、1つのテレビ会議端末3を接続している場合に比べて低下させる処理を行う。CPU10は、各テレビ会議端末3の撮像範囲および位置の少なくともいずれかに基づいて、受信するデータ量を調整する。従って、CPU10は、各テレビ会議端末3のカメラ48の状態に応じて適切にコンテンツデータのデータ量を低下させることができる。
【0035】
CPU10は、接続しているテレビ会議端末3から入力した音声データに対し、ノイズキャンセル処理およびエコーキャンセル処理を実行する(S5)。CPU10は、会議中処理を実行する(S6)。会議中処理では、接続しているテレビ会議端末3から入力された音声および画像のデータが他のPC1に送信される。他のPC1から音声および画像のデータが受信される。受信した画像データに基づいて、各拠点の画像が表示装置26に表示される(例えば、図4参照)。さらに、受信した音声データがテレビ会議端末3に出力され、他の拠点の音声がテレビ会議端末3のスピーカ47から発せられる。その結果、音声および画像が複数の拠点で共有され、テレビ会議が実行される。操作部27等から会議の終了指示を入力していなければ(S7:NO)、処理はS5へ戻り、S5〜S7の処理が繰り返される。会議の終了指示を入力すると(S7:YES)、メイン処理は終了する。
【0036】
図6を参照して、データ量調整処理について説明する。データ量調整処理を開始すると、CPU10は、ICタグ51によるカメラ48の撮像範囲の探索を、自装置に接続している全てのテレビ会議端末3に指示する(S11)。前述したように、テレビ会議端末3は、カメラ48の撮像範囲にICタグ用アンテナ52から呼出波を送信する。テレビ会議端末3は、送信した呼出波に対する反射波を受信したか否かによって、撮像範囲に他のテレビ会議端末3が含まれているか否かを検出することができる。CPU10は、上記の探索の結果(撮像範囲にテレビ会議端末3が含まれているか否かの検出の結果)を各テレビ会議端末3から取得する(S12)。
【0037】
CPU10は、撮像範囲に他のテレビ会議端末3を含むテレビ会議端末3があるか否かを、S12で取得した結果から判断する(S13)。撮像範囲に他のテレビ会議端末3を含むテレビ会議端末3がある場合(S13:YES)、CPU10は、自装置に接続している全てのテレビ会議端末3の撮像範囲に、他のテレビ会議端末3の少なくともいずれかが含まれているか否かを判断する(S15)。
【0038】
接続している複数のテレビ会議端末3のうち、一部のテレビ会議端末3の撮像範囲に他のテレビ会議端末3の少なくともいずれかが含まれている場合(S15:NO)、拠点の状況は図1に例示するような状況となっている。つまり、撮像範囲に他のテレビ会議端末3を含むテレビ会議端末3は、拠点全体を撮像している。拠点全体を撮像しているテレビ会議端末3を、以下「全体撮像端末」という。撮像範囲に他のテレビ会議端末3を含まないテレビ会議端末3は、特定の撮像対象物7を撮像している。撮像対象物7を撮像しているテレビ会議端末3を、以下「対象物撮像端末」という。図1に例示する状況の場合、ユーザは撮像対象物7を鮮明に撮像するために対象物撮像端末を配置している。従って、対象物撮像端末が撮像した画像の品質を大幅に低下させることは望ましくない。よって、CPU10は、全体撮像端末から取得する画像データの解像度が、対象物撮像端末から取得する画像データの解像度よりも低くなるように、全体撮像端末および対称物撮像端末に対して解像度の条件を出力する(S17)。S17では、解像度と共に、または解像度の代わりに、全体撮像端末のフレームレートおよび色数が対象物撮像端末のフレームレートおよび色数よりも小さくなるように処理を行っても良い。各数値は、CPU10の処理能力、接続しているテレビ会議端末3の数等に応じて適切な値を適宜設定すればよい。全体撮像端末の解像度等の低下量は、ユーザが画像を視認できる範囲内で設定すればよい。
【0039】
図7に、S17の処理を行った結果表示装置26に表示される拠点Xの画像55(図4参照)の一例を示す。CPU10は、S17の処理を行うことで、全体撮像端末から取得する画像データの解像度、フレームレート、および色数は、対象物撮像端末から取得する画像データの解像度、フレームレート、および色数よりも小さくなる。全体撮像端末が撮像する第二画像71の画質を低下させることで、CPU10の処理負担は低下する。第二画像71は拠点Xの全体を撮像する画像であるため、画質が低下してもユーザは拠点Xの状況(例えば、ユーザ61〜63の動作等)を把握できる。一方、対象物撮像端末が撮像する第一画像70は、第二画像71の画質に比べて高い画質となる。従って、各拠点のユーザは、鮮明に表示される撮像対象物7を視認しながら円滑にテレビ会議を実行することができる。
【0040】
図6の説明に戻る。CPU10は、画像に対する条件の出力(S17)が終了すると、全体撮像端末におけるマイク46の音声入力感度および入力音量の少なくともいずれかを、対象物撮像端末における音声入力感度および入力音量よりも下げるように、音声データのデータ量を調整する条件を決定する。決定した条件を、接続しているテレビ会議端末3に出力する(S18)。撮像対象物7と同一の拠点のユーザは撮像対象物7に注目するため、撮像対象物7を向いて発話を行う場合が多い。CPU10は、発話音声を入力し易い対象物撮像端末における入力音声の品質を大幅に低下させることなく、音声入力感度および入力音量を適切に調整して、自装置が処理する音声データのデータ量を低下させることができる。
【0041】
次いで、CPU10は、全体撮像端末に出力させる音声の音量を、対象物撮像端末に出力させる音声の音量よりも下げる指示を、全体撮像端末に対して出力する(S19)。処理はメイン処理(図5参照)へ戻る。前述したように、撮像対象物7と同一の拠点のユーザは撮像対象物7の近傍に集まる。よって、全体撮像端末がスピーカ47から出力する音声の音量を下げても影響は少ない。複数のテレビ会議端末3のうちの一部の出力音量を下げることで、PC1がノイズおよびエコーを除去する際の処理負担は低下する。従って、PC1は、テレビ会議端末3に効率よく音声を出力させつつ、自装置の処理負担を低下させることができる。
【0042】
自装置に接続している全てのテレビ会議端末3の撮像範囲に、他のテレビ会議端末3の少なくともいずれかが含まれている場合(S15:YES)、拠点の状況は図8に例示するような状況となっている。つまり、複数のテレビ会議端末3の各々が、互いに離間した位置から拠点の全体を撮像している。この場合、CPU10は、複数のテレビ会議端末3の各々から入力する画像データの解像度、フレームレート、および色数が均等に低下するように、接続している複数のテレビ会議端末3に画像データの条件を出力する(S21)。その結果、CPU10は、複数の画像の画質に意図しない差が生じることを防止しつつ、処理負担を低下させることができる。同様に、CPU10は、複数のテレビ会議端末3の各々の音声入力感度および入力音量を均等に下げる条件を出力し(S22)、自装置の処理負担およびテレビ会議端末3の消費電力を低下させる。処理はメイン処理へ戻る。
【0043】
撮像範囲に他のテレビ会議端末3を含むテレビ会議端末3が存在しない場合(S13:NO)、拠点の状況は図9に例示するような状況となっている。つまり、複数のテレビ会議端末3が同一の位置から異なる方向(反対方向、放射状等)を撮像している。この場合、CPU10は、複数のテレビ会議端末3の各々から入力する画像データの解像度、フレームレート、および色数が均等に低下するように、接続している複数のテレビ会議端末3に画像データの条件を出力する(S24)。CPU10は、接続している複数のテレビ会議端末3の一部に対し、PC1への音声データの送信を停止させる指示を出力する(S25)。CPU10は、テレビ会議端末3の一部からの音声データの取得を停止することで、同一箇所で入力した同一の音声データを複数取得する無駄を省くことができる。特に、各テレビ会議端末3のマイク46の指向性が低く、広角度から音声を入力している場合には、テレビ会議端末3の一部からの音声データの取得を停止しても影響はより小さいため、効果は大きい。ハウリングが生じる可能性も低下するため、エコーキャンセルを行うための処理の負担も低下する。
【0044】
次いで、CPU10は、接続している複数のテレビ会議端末3の一部への音声データの送信を禁止する(S26)。その結果、接続している複数のテレビ会議端末3の一部は、他の拠点の音声の出力を実行しない。図9に例示する状況では、複数のテレビ会議端末3は同一の位置にあるため、一部のテレビ会議端末3の音声の出力を禁止しても影響は少ない。特に、テレビ会議端末3のスピーカ47の指向性が低く、広範囲に音声を出力している場合には、影響はさらに小さい。CPU10は、音声データの送信を停止することで、無駄にデータを送信することを防止することができる。ノイズおよびエコーを除去する場合の処理負担も低下する。処理はメイン処理へ戻る。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態のPC1は、接続している複数のテレビ会議端末3の撮像範囲および位置の少なくともいずれかに基づいて、複数のテレビ会議端末3から取得するコンテンツデータのデータ量を調整することができる。従って、PC1は、複数のテレビ会議端末3からコンテンツデータを取得する場合、各テレビ会議端末3のカメラ48の状態に応じた適切なデータ量のコンテンツデータを取得することができる。よって、PC1は処理負担を適切に低下させることができ、通信に不具合が生じることを防止することができる。PC1は、各テレビ会議端末3のカメラ48の撮像範囲に他のテレビ会議端末3の少なくともいずれかが含まれているか否かを検出する。よって、PC1は、各テレビ会議端末3のカメラ48が撮像する対象物に関する情報と、テレビ会議端末3の他のテレビ会議端末3に対する位置の情報とを共に得ることができる。従って、PC1は、複数のテレビ会議端末3の状態をより適切且つ容易に把握した上で、取得するデータのデータ量を調整するための条件を決定することができる。
【0046】
上記実施の形態において、PC1が本発明の「通信装置」に相当する。テレビ会議端末3が本発明の「端末」に相当する。カメラ48が「撮像手段」に相当する。図6のS11、S12でICタグによる撮像範囲の探索結果を取得するCPU10が「検出手段」として機能する。図6のS13、S15、S17、S18、S21、S22、S24、S25で、テレビ会議端末3から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定するCPU10が「条件決定手段」として機能する。図5のS6でコンテンツデータを他のPC1に送信するCPU10が「送信手段」として機能する。図5のS5でノイズおよびエコーを除去するCPU10が「除去手段」として機能する。図6のS19で出力音量を調整するCPU10が「音量調整手段」として機能する。図6のS26で一部のテレビ会議端末3への音声データの送信を禁止するCPU10が「禁止手段」として機能する。
【0047】
図6のS11、S12でICタグによる撮像範囲の探索結果を取得する処理が「検出ステップ」に相当する。図6のS13、S15、S17、S18、S21、S22、S24、S25で、テレビ会議端末3から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する処理が「条件決定ステップ」に相当する。図5のS6でコンテンツデータを他のPC1に送信する処理が「送信ステップ」に相当する。
【0048】
本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。上記実施の形態では、説明を簡略化するために、PC1に複数のテレビ会議端末3が接続されている場合には、CPU10の使用率に関わらずコンテンツデータのデータ量が調整される。しかし、CPU10は、使用率が一定以上となった場合にのみコンテンツデータのデータ量の調整(S13〜S26)を行ってもよい。
【0049】
上記実施の形態のPC1は、データ量調整処理(図6参照)を実行した後にテレビ会議を実行し、テレビ会議の実行中にはコンテンツデータのデータ量の調整は行わない。しかし、PC1は、テレビ会議の実行中にデータ量調整処理を実行してもよい。PC1は、例えば一定間隔毎にデータ量調整処理を実行してもよいし、CPU10の使用率が一定以上となる毎にデータ量調整処理を実行してもよい。
【0050】
PC1に接続する「端末」は、上記実施の形態のテレビ会議端末3に限られない。例えば、画像を撮像するデジタルカメラ等を端末として用いてもよい。音声を入力するマイクを備えていない端末を使用する場合、PC1は、図6のデータ量調整処理において、画像に関する処理だけを行えばよい。
【0051】
上記実施の形態のPC1は、送信された呼出波に対する反射波をテレビ会議端末3が受信したか否かによって、テレビ会議端末3の撮像範囲に他のテレビ会議端末3が含まれているか否かを検出する。しかし、撮像範囲に他のテレビ会議端末3が含まれているか否かの検出方法は変更できる。例えば、PC1は、各テレビ会議端末3が撮像した画像の画像データを取得する。取得した各画像データに対して画像処理を行い、画像データ中に他のテレビ会議端末3が含まれているか否かを検出してもよい。この場合、テレビ会議端末3の枠部等に、画像処理によってテレビ会議端末3を識別するためのマーク等を付すと、PC1における処理は容易になる。
【0052】
上記実施の形態のPC1は、テレビ会議端末3の撮像範囲に他のテレビ会議端末3が含まれているか否かを検出する。その結果、各テレビ会議端末3の撮像範囲に関する情報と、他のテレビ会議端末3に対する位置の情報とを共に取得し、取得した結果に応じて処理を行う。しかし、PC1は、各テレビ会議端末3の撮像範囲に関する情報と、他のテレビ会議端末3に対する位置の情報の一方のみを用いて処理を行ってもよい。例えば、PC1は、複数のテレビ会議端末3の間の距離が一定以上であればS21およびS22(図6参照)の処理を実行し、一定未満であればS24〜S26の処理を実行してもよい。この場合に参照する複数のテレビ会議端末3の距離は、ユーザに入力させてもよいし、撮像されたテレビ会議端末3の大きさから距離を算出してもよい。また、PC1は、2つのテレビ会議端末3のカメラ48の向きが反対となるように撮像範囲が設定されている場合にS21およびS22の処理を実行し、反対となっていなければS24〜S26の処理を実行してもよい。カメラ48の向きは、ユーザに入力させる等の方法を用いて認識すればよい。
【符号の説明】
【0053】
1 PC
3 テレビ会議端末
7 撮像対象物
8 ネットワーク
10 CPU
13 HDD
26 表示装置
46 マイク
47 スピーカ
48 カメラ
51 ICタグ
52 ICタグ用アンテナ
100 通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像する撮像手段を少なくとも有する複数の端末から取得したコンテンツデータを他のデバイスに送信することが可能な通信装置であって、
前記複数の端末の各々の撮像手段の撮像範囲、および前記複数の端末のうちの他の端末に対する位置の情報の少なくともいずれかを検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された検出結果に応じて、前記複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する条件決定手段と、
前記条件決定手段によって決定された条件に従って前記複数の端末から取得したコンテンツデータを前記他のデバイスに送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記複数の端末の各々の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれているか否かを検出することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記条件決定手段は、
前記複数の端末のうち一部の端末の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれており、且つ前記複数の端末のうち前記一部の端末以外の端末の撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、
前記一部の端末から取得する画像データの解像度を、前記一部の端末以外の端末から取得する画像データの解像度よりも下げることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記条件決定手段は、
前記複数の端末のうち一部の端末の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれており、且つ前記複数の端末のうち前記一部の端末以外の端末の撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、
前記一部の端末から取得する音声データの入力感度および入力音量の少なくともいずれかを、前記一部の端末以外の端末から取得する音声データの入力感度および入力音量よりも下げることを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記複数の端末から取得する複数の音声データのノイズおよびエコーの少なくともいずれかを除去する除去手段と、
前記複数の端末のうち一部の端末の撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれており、且つ前記複数の端末のうち前記一部の端末以外の端末の撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合に、前記一部の端末の音声出力手段に出力させる音声の音量を、前記一部の端末以外の端末の音声出力手段に出力させる音声の音量よりも下げる音量調整手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記条件決定手段は、
前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、および、前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末の少なくともいずれかが含まれていることが前記検出手段によって検出された場合、
前記複数の端末の各々から取得する画像データの解像度を均等にし、且つ、1つの端末から画像データを取得する場合に比べて各画像データの解像度を下げることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
前記条件決定手段は、
前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合、
前記複数の端末の一部からの音声データの取得を停止することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記複数の端末の全ての撮像範囲に他の端末が含まれていないことが前記検出手段によって検出された場合に、前記複数の端末の一部への音声データの送信を禁止する禁止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の通信装置。
【請求項9】
画像を撮像する撮像手段を少なくとも有する複数の端末から取得したコンテンツデータを他のデバイスに送信することが可能な通信装置によって実行される通信方法であって、
前記複数の端末の各々の撮像手段の撮像範囲、および前記複数の端末のうちの他の端末に対する位置の情報の少なくともいずれかを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された検出結果に応じて、前記複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する条件決定ステップと、
前記条件決定ステップにおいて決定された条件に従って前記複数の端末から取得したコンテンツデータを前記他のデバイスに送信する送信ステップと
を含む通信方法。
【請求項10】
画像を撮像する撮像手段を少なくとも有する複数の端末から取得したコンテンツデータを他のデバイスに送信することが可能な通信装置で用いられる通信プログラムであって、
前記複数の端末の各々の撮像手段の撮像範囲、および前記複数の端末のうちの他の端末に対する位置の情報の少なくともいずれかを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された検出結果に応じて、前記複数の端末から取得するコンテンツデータのデータ量を調整する条件を決定する条件決定ステップと、
前記条件決定ステップにおいて決定された条件に従って前記複数の端末から取得したコンテンツデータを前記他のデバイスに送信する送信ステップと
を前記通信装置のコントローラに実行させるための指示を含む通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−212992(P2012−212992A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76790(P2011−76790)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】