通信装置、通信方法、及びプログラム
【課題】認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる技術が望まれていた。
【解決手段】本開示によれば、他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置が提供される。
【解決手段】本開示によれば、他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置同士が通信を行うためには、まず、通信装置同士がお互いの存在を認識し、その後、一方の通信装置が他方の通信装置を通信相手として認証する必要がある。特許文献1、2には、一方の通信装置が他方の通信装置を認識する技術を開示する。特許文献1に開示された技術では、一方の通信装置が実世界イベントを発生させ(例えばある波形パターンの光を発生させ)、他方の通信装置が当該実世界イベントを認識する。次いで、一方の通信装置が当該実世界イベントを認識した通信装置を探索することで、他方の通信装置を認識する。
【0003】
特許文献2に開示された技術では、一方の通信装置が他方の通信装置を撮影し、これにより得られた画像に基づいて、他方の通信装置を示すネットワークアドレスを生成する。これにより、一方の通信装置は、他方の通信装置を認識する。
【0004】
その後、一方の無線通信は、他方の通信装置を通信相手として認証するための認証処理を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第407998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の認証処理は、通信のセキュリティという観点から、他方の通信装置のユーザにパスワードの入力を求めるものであった。このため、従来の認証処理は、ユーザにとって非常に手間のかかるものであった。そこで、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定することと、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証することと、を含む、通信方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータに、他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定する判定機能と、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証する認証機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本開示によれば、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係る通信装置の構成を示す説明図である。
【図3】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図5A】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図5B】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図7】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図8】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図9】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図10】第1の実施形態の変形例を示す説明図である。
【図11】第2の実施形態に係る通信システムの構成を示す説明図である。
【図12】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】通信装置のディスプレイに表示される画像の一例を示す説明図である。
【図14】通信装置のディスプレイに表示される画像の一例を示す説明図である。
【図15】第3の実施形態に係る通信システムの構成を示す説明図である。
【図16】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図17A】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図17B】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.通信システムの外観構成
1−2.親機の構成
1−3.子機の構成
1−4.通信システムによる処理
1−5.変形例
2.第2の実施形態
2−1.通信システムの外観構成
2−2.親機の構成
2−3.通信システムによる処理
3.第3の実施形態
3−1.通信システムの外観構成
3−2.親機の構成
3−3.通信システムによる処理
【0014】
<1.第1の実施形態>
[1−1.通信システムの外観構成]
まず、図1及び図2に基づいて、通信システム10の外観構成について説明する。なお、図2(a)は通信装置30の背面図であり、(b)は側面図(底面図)である。通信システム10は、親機として機能する通信装置20と、子機として機能する通信装置30とを備える。通信装置20は、その外観構成として、本体21と、ディスプレイ220と、スピーカ221とを備えるが、カメラやマイクを備えていてもよい。通信装置30は、その外観構成として、本体31と、カメラ320と、マイク321と、ディスプレイ350と、スピーカ351とを備える。
【0015】
通信システム10では、概略以下の処理が行われる。まず、通信装置10、20は、お互いの存在を認識する。例えば、通信装置20は、自己のIPアドレスを含む探索信号(例えばワイファイアライアンスで規定されるプローブリクエスト信号)を周辺に送信する。通信装置30は、探索信号を受信することで、通信装置20の存在を認識する。その後、通信装置30は、自己のIPアドレスを含む応答信号(例えばワイファイアライアンスで規定されるプローブレスポンス信号)を通信装置20に返信する。これにより、通信装置20は通信装置30の存在を認識する。次いで、通信装置20は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。例えば、通信装置20は、認証用情報として、認証用画像情報220aをディスプレイ220に表示する。また、通信装置20は、認証用情報として、認証用音声情報をスピーカ221から出力する。
【0016】
通信装置30は、ユーザによる入力操作に基づいて、認証用情報を取得する。例えば、通信装置30は、画像情報220aを撮影する。または、通信装置30は、音声情報をマイク321で拾う(録音する)。通信装置30は、認証用情報を比較用情報として取得する。即ち、通信装置30は、認証用画像情報を比較用画像情報として取得し、認証用音声情報を比較用音声情報として取得する。
【0017】
通信装置30は、比較用情報から特徴部分を抽出する。通信装置30は、抽出された特徴部分に関する特徴部分情報を生成し、特徴部分情報を含む接続要求信号を通信装置20に送信する。通信装置20は、接続要求信号を受信し、特徴部分情報が示す特徴部分と、認証用情報の特徴部分とが一致するかを判定する。通信装置30は、これらが一致すると判定した場合に、通信装置20を接続相手として認証する。これにより、通信装置30のユーザは、認証処理においてパスワードの入力が不要となるので、認証処理におけるユーザの手間が低減される。
【0018】
[1−2.親機の構成]
次に、親機となる通信装置20の詳細な構成を図1及び図3に基づいて説明する。通信装置20は、本体部21と、認証用情報提示部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを備える。
【0019】
本体部21は、通信装置20を構成する各構成要素、例えば通信部23、記憶部24、及び制御部25を内蔵する。認証用情報提示部22は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。この認証用情報は、上述したように、通信装置20が通信装置30を通信相手として認証する認証処理において使用される。認証用情報は通信装置30のユーザに提示されるものであるので、通信装置20は、ユーザにとって分かりやすい認証処理が可能となる。
【0020】
認証用情報提示部22は、ディスプレイ220及びスピーカ221を備える。ディスプレイ220は、認証用情報として、画像情報、即ち認証用画像情報を提示する。このような認証用画像情報としては、例えば、人物等の各種オブジェクトが描かれている画像情報等が考えられる。認証用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報(輝度値等)を有する。2次元座標は、予め定義されたxy平面上の座標として表される。原点の位置は任意であるが、例えば、図1に示す認識用画像情報220aの左上端部の点が原点とされる。認証用画像情報は静止画でも良く、動画であってもよい。なお、認証用画像情報は、本体部21の形態そのものが描かれた画像情報であってもよい。この場合、認証用提示部22が当該認証用画像情報を提示してもよいが、認証用画像情報の提示を行わず、通信装置30に通信装置20の本体部21を撮影させてもよい。
【0021】
一方、スピーカ221は、認証用情報として、音声情報、即ち認証用音声情報を提示する。このような認証用音声情報としては、例えば、楽曲等が考えられる。認識用音声情報は、位相情報、周波数情報、振幅情報を有する。
【0022】
通信部23は、通信装置30との間で無線通信を行なう。通信部23は、通信装置30から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部25に出力する。一方、通信部23は、制御部25から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置30に出力する。
【0023】
記憶部24は、通信装置20が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した認証用画像情報、認証用音声情報の他、制御部25が読みだして実行するプログラム等を記憶する。また、記憶部24は、後述する指示情報を記憶する。この指示情報は、通信装置30のユーザに認証用情報の取得を促すものである。
【0024】
制御部25は、通信装置20の各構成要素を制御する他、判定部及び認証部としても機能する。即ち、制御部25は、通信部23から特徴部分情報が与えられた場合に、特徴部分情報が示す特徴部分、即ち比較用情報の特徴部分と、認識用情報の特徴部分とが一致するかを判定する。そして、制御部25は、これらが一致すると判定された場合に、通信装置30を通信相手として認証する。
【0025】
ここで、認証用画像情報(及び比較用画像情報)の特徴部分としては、例えば、認証用画像情報のエッジ部分(例えば、隣接する画素の輝度値との差分の絶対値が所定値以上となる画素)が考えられる。なお、認証用画像情報の外縁部分もエッジ部分に含まれるものとする。認証用画像情報が動画となる場合、認証用画像情報の特徴部分は、例えば、任意の1カットにおける特徴部分であればよい。
【0026】
一方、認証用音声情報(及び比較用画像情報)の特徴部分としては、例えば、振幅が所定値以上となる位相部分が考えられる。勿論、特徴部分はこれら以外の部分であってもよい。例えば、特徴部分は、輝度値が所定値以上となる画素や、周波数が所定値以上となる位相部分であってもよい。また、通信装置30は、取得した比較用情報自体を通信装置20に送信し、通信装置20は、認証用情報と比較用情報とを比較してもよい。
【0027】
また、比較用画像情報は、通信装置30の撮影条件(例えば、後述するカメラ320の解像度、通信装置30の通信装置20に対する位置、角度)によっては、認証用画像情報と完全に一致しない場合がある。例えば、比較用画像情報の画像サイズ(解像度や縦横比等)が認証用画像情報の画像サイズと異なる場合がある。また、比較用画像情報に認証用画像情報以外の画像情報(例えば、通信装置20の周辺に存在するオブジェクトの画像情報)が含まれる場合がある。
【0028】
そこで、制御部25は、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する場合には、比較用画像情報の特徴部分が描かれた比較用2値化画像(特徴部分が1でそれ以外の部分が0を示す画像)と、認識用画像情報の特徴部分が描かれた認証用2値化画像とを生成する。そして、制御部25は、認証用2値化画像と同一または縦横比のみが異なる部分が比較用2値化画像に存在するかを判定する。この結果、制御部25は、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分とが一致すると判定する。制御部25は、比較用画像情報と認証用画像情報とを比較する場合にも同様の処理を行なう。即ち、制御部25は、認証用画像情報と同一または縦横比のみが異なる部分が比較用画像情報に存在するかを判定し、この結果、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報と認証用画像情報とが一致すると判定する。
【0029】
同様に、通信装置30が認証用音声情報を録音することで得られる比較用情報、即ち比較用音声情報は、通信装置30の音声取得条件(例えば、通信装置30と通信装置20との距離、周囲の雑音の有無)によっては、認証用音声情報と完全に一致しない場合がある。そこで、制御部25は、認証用音声情報の特徴部分と比較用音声情報の特徴部分とを比較する際には、比較用音声情報の特徴部分を適宜増幅し、かつ、ノイズを除去した上で、これらを比較する。認証用音声情報と比較用音声情報とを比較する場合も同様である。
【0030】
[1−3.子機の構成]
次に、子機として機能する通信装置30の構成を図2及び図4に基づいて説明する。通信装置30は、本体部31と、認証用情報取得部32と、通信部33と、入力部34と、提示部35と、記憶部36と、制御部37とを備える。
【0031】
本体部31は、通信装置30を構成する各構成要素、例えば通信部33、記憶部36、及び制御部37を内蔵する。認証用情報取得部32は、通信装置20が提示した認証用情報を取得するものであり、具体的には、認証用画像情報を取得する(撮影する)カメラ320と、認証用音声情報を取得する(録音する)マイク321とを備える。
【0032】
カメラ320は、認証用画像情報を撮影することで、認証用画像情報を含む比較用画像情報を取得する。ここで、比較用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報を有する。原点の位置は任意であるが、例えば、比較用画像情報の外縁部分を構成するいずれかの画素が原点となる。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。
【0033】
マイク321は、認証用音声情報を録音することで、認証用音声情報を含む比較用音声情報を取得する。マイク321は、取得した比較用音声情報を制御部37に出力する。
【0034】
通信部33は、通信装置20との間で無線通信を行なう。通信部33は、通信装置20から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部37に出力する。一方、通信部33は、制御部37から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置20に出力する。
【0035】
入力部34は、いわゆるタッチパネルであり、後述するディスプレイ350の表面に設けられる。入力部34は、ユーザによる入力操作に応じた入力操作情報を生成し、制御部37に出力する。
【0036】
提示部35は、ユーザに各種の情報を提示する。具体的には、提示部35は、ディスプレイ350及びスピーカ351を備える。ディスプレイ350は、各種の画像情報、例えば上述した比較用画像情報を表示する。スピーカ351は、各種の音声情報、例えば上述した比較用音声情報を出力する。
【0037】
記憶部36は、通信装置30が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した比較用画像情報、比較用音声情報の他、制御部37が読みだして実行するプログラム等を記憶する。
【0038】
制御部37は、通信装置20の各構成要素を制御する。また、制御部37は、認証用情報取得部から与えられた比較用情報を記憶部36に記憶する。
【0039】
[1−4.通信システムによる認証処理]
次に、通信システムによる認証処理の手順を、図5A及び図5Bに示すフローチャートに沿って説明する。なお、ここでは、通信装置20が認証用情報として認証用画像情報を表示する場合を一例として処理の手順を説明するが、通信装置20が認証用音声情報を出力する場合も同様の処理が行われる。なお、通信装置20が処理を行う前提として、通信装置20、30はお互いの存在を認識しているものとする。後述する各実施形態でも同様である。
【0040】
図5Aに示すステップS10において、制御部25は、認証用画像情報を記憶部24から取得し、ディスプレイ220に表示させる。この様子を図6に示す。図6では、通信装置20は、認証用画像情報220aを表示している。認証用画像情報220aは、写真画像220bを含む。写真画像220bには、頭部画像220dを含む人物画像220cが描かれている。なお、制御部25は、認証用情報として認証用音声情報を出力する場合には、認証用音声情報を記憶部24から取得し、スピーカ221に出力させる。また、制御部25は、認証用情報として、本体部21が描かれた認証用画像情報を利用する場合には、認証用画像情報をディスプレイ220に表示させてもよいが、表示させずにステップS20の処理に進んでもよい。
【0041】
ステップS20において、制御部25は、認証用画像情報の取得を指示する旨の指示情報(例えば、「表示されている画像を撮影してください」という文字情報)を記憶部24から取得し、通信部23に出力する。通信部23は、指示情報を含む指示信号を生成し、通信装置30に送信する。なお、制御部25は、認証用情報として、認証用音声情報を出力する場合には、認証用音声情報の取得を指示する旨の指示情報(例えば、「音声を録音してください」という文字情報)を記憶部24から取得し、通信部23に出力する。また、制御部25は、認証用画像情報として、本体部21の形態が描かれた画像情報を使用する場合には、本体部21の撮影を指示する旨の指示情報(例えば、「本体部21を撮影してください」という文字情報)を記憶部24から取得し、通信部23に出力する。
【0042】
一方、図5Bに示すステップS90において、通信装置30の通信部33は、指示信号を受信し、指示信号に含まれる指示情報を制御部37に出力する。制御部37は、指示情報をディスプレイ350に表示し、スピーカ221から出力する。これにより、通信装置30のユーザは、認証用画像情報の撮影を要求されていることを認識することができる。
【0043】
さらに、制御部37は、カメラ320をアクティブにする。カメラ320は、ユーザによる入力操作に応じて、認証用画像情報を含むオブジェクトを撮影することで、比較用画像情報を取得する。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。制御部37は、図6に示すように、比較用画像情報をディスプレイ350に表示させてもよい。図6に示す例では、ディスプレイ350には、比較用画像情報350aが表示される。比較用画像情報350aは、通信装置20が描かれた画像情報20’を含む。画像情報20’は、本体部21が描かれた画像情報21’、認証用画像情報220aが描かれた画像情報220a’、及び写真画像220bが描かれた画像情報220b’が含まれる。画像情報220b’には、頭部220d’が描かれた人物画像220c’が描かれている。
【0044】
なお、制御部37は、指示情報が認証用音声情報の取得を指示するものである場合、スピーカ351をアクティブにする。スピーカ351は、認証用音声情報を含む音声情報を録音することで、比較用音声情報を取得し、制御部37に出力する。制御部37は、比較用音声情報をスピーカ351から出力してもよい。
【0045】
次いで、ステップS100において、制御部37は、比較用画像情報から特徴部分(例えば比較用画像情報のエッジ部分)を抽出する。制御部37は、図7に示すように、エッジ部分をディスプレイ350に表示させてもよい。図7に示す例では、エッジ部分E1〜E3が表示されている。
【0046】
ステップS110において、制御部37は、エッジ部分の2次元座標及び色情報に関する特徴部分情報を生成し、通信部33に出力する。通信部33は、特徴部分情報を含む接続要求信号を生成し、図8に示すように、通信装置20に送信する。制御部37及び通信部33は、比較用音声情報に対しても同様の処理を行なう。比較用音声情報の特徴部分は、上述したように、例えば振幅が所定値以上となる位相部分となる。
【0047】
一方、図5Aに示すステップS30において、通信部23は、通信装置30から接続要求信号を受信し、接続要求信号に含まれる特徴部分情報を制御部25に出力する。
【0048】
ステップS40において、制御部25は、特徴部分情報及び認証用画像情報に基づいて、比較用画像情報の特徴部分と認証用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。具体的には、制御部25は、比較用画像情報の特徴部分が描かれた比較用2値化画像と、認識用画像情報の特徴部分が描かれた認証用2値化画像とを生成する。そして、制御部25は、認証用2値化画像と同一または縦横比のみが異なる部分が比較用2値化画像に存在するかを判定する。この結果、制御部25は、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分とが一致すると判定し、このような部分が存在しない場合には、これらの特徴部分が一致しないと判定する。制御部25は、これらの特徴部分が一致すると判定した場合には、ステップS50に進み、これらの特徴部分が一致しないと判定した場合には、ステップS60に進む。
【0049】
なお、制御部25は、認証用情報が認証用音声情報である場合には、特徴部分情報及び認証用音声情報に基づいて、比較用音声情報の特徴部分と認証用音声情報の特徴部分とが一致するかを判定する。即ち、制御部25は、比較用音声情報の特徴部分を増幅し、かつ、ノイズ(認証用音声情報と周波数が異なる部分等)を除去する。次いで、制御部25は、認証用音声情報の特徴部分と同一または振幅のみが異なる部分が比較用音声情報の特徴部分に存在するかを判定する。この結果、制御部25は、このような部分が存在する場合には、比較用音声情報の特徴部分と、認識用音声情報の特徴部分とが一致すると判定し、このような部分が存在しない場合には、これらの特徴部分が一致しないと判定する。制御部25は、これらの特徴部分が一致すると判定した場合には、ステップS50に進み、これらの特徴部分が一致しないと判定した場合には、ステップS60に進む。
【0050】
ステップS50において、制御部25は、通信装置30を通信相手として認証する。そして、制御部25は、その旨を示す接続許可情報を生成し、通信部23に出力する。通信部23は、接続許可情報を含む接続許可信号を生成し、図9に示すように、接続許可信号を通信装置30に送信する。
【0051】
ステップS60において、制御部25は、通信装置30を通信相手として認証しない。即ち、制御部25は、通信装置30との接続を拒否する。そして、制御部25は、その旨を示す接続拒否情報を生成し、通信部23に出力する。通信部23は、接続拒否情報を含む接続拒否信号を生成し、図9に示すように、接続拒否信号を通信装置30に送信する。
【0052】
一方、図5Bに示すステップS120において、通信装置30の通信部33は、接続許可信号または接続拒否信号を受信し、これらの信号に含まれる接続許可情報または接続拒否情報を制御部37に出力する。
【0053】
ステップS130において、制御部37は、通信部33から与えられた情報に基づいて、通信装置20が接続を許可したかを判定する。この結果、制御部37は、通信装置20が接続を許可したと判定した場合には、ステップS140に進み、通信装置20が接続を拒否したと判定した場合には、処理を終了する。
【0054】
その後、通信装置20、30は、ステップS70、S80、S140、及びS150において、所定の接続処理を行い、接続状態を確立する。これらの処理は従来と同様である。例えば、WPSプッシュボタンが押された場合に行われる処理と同様の処理が行われる。
【0055】
以上により、第1の実施形態に係る通信システム10では、通信装置30のユーザは、通信装置20が提示する認証用情報を取得することで、通信装置20の認証を受けることができる。したがって、通信システム10は、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる。また、通信システム10は、ユーザに提示された認証用情報を用いて認証処理を行うので、ユーザに分かりやすい(直感的な)認証処理を行うことができる。なお、通信装置20は、周囲の状況に応じて認証用画像情報及び認証用音声情報を切り替えて提示してもよい。例えば、通信装置20は、マイクを用いて周囲のノイズを検出し、このノイズの強度(振幅)が所定値以上であれば、認証用画像情報を提示してもよい。一方、通信装置20は、通信装置30がカメラを有していない場合(通信装置30からその旨の情報が与えられた場合)等には、認証用音声情報を提示してもよい。
【0056】
また、通信装置20は、認証用情報の特徴部分と比較用情報の特徴部分とが一致する場合に、通信装置30を接続相手として認証するので、認証用情報と比較用情報とを直接比較する場合よりも、認証処理を迅速に行うことができる。
【0057】
[1−5.変形例]
次に、図10に基づいて、第1の実施形態の変形例を説明する。この変形例では、通信装置20が複数存在し、かつ、これらの通信装置20(20a〜20c)が同じ認証用情報(例えば認証用画像情報220a)を提示している。この場合、通信装置20a〜20cがそれぞれ通信装置30を接続相手として認証する。即ち、通信装置30は、接続許可信号を通信装置20a〜20cから受信する。そこで、制御部37は、接続許可信号を送信した通信装置20のリストを生成し、ディスプレイ350に表示させる。図10に示す例では、通信装置20a〜20cを示すリスト350aがディスプレイ350に表示されている。通信装置30のユーザは、リスト350aに列挙された通信装置20のうち、所望の通信装置20を示す部分にタッチすることで、通信装置20を選択する。制御部37は、ユーザが選択した通信装置20との接続処理を行なう。この変形例によれば、ユーザは、所望の通信装置20に通信装置30を接続させることができる。
【0058】
<2.第2の実施形態>
[2−1.通信システムの外観構成]
次に、第2の実施形態を説明する。まず、図11に基づいて、第2の実施形態に係る通信システム10−2の外観構成について説明する。通信システム10−2は、通信システム10の親機が通信装置20から通信装置40に変更されたものである。通信装置40は、いわゆるテレビモニタ型の通信装置であり、通信装置30のディスプレイ350に対して非常に大きいディスプレイ420を有している。
【0059】
この通信システム10−2では、概略以下の処理が行われる。即ち、通信装置30は、ディスプレイ420に表示された認証用画像情報420aのうち、一部の認証用画像情報420bを撮影することで、比較用画像情報を取得する。通信装置30は、比較用画像情報をディスプレイ350に表示する。通信装置30は、比較用画像情報の特徴部分を抽出し、特徴部分に関する特徴部分情報を生成する。通信装置30は、特徴部分情報を含む接続要求信号を通信装置40に送信する。通信装置40は、認証用画像情報から特徴部分を抽出し、認証用画像情報の特徴部分に比較用画像情報の特徴部分が含まれるかを判定する。即ち、通信装置40は、比較用画像情報の特徴部分が認証用画像情報の特徴部分の一部に一致するかを判定する。通信装置40は、これらが一致する場合には、通信装置30を接続相手として認証し、接続処理を行なう。その後、ユーザは、ディスプレイ350に表示された比較用画像情報のうち、所望の部分にタッチする。通信装置30は、タッチされた部分に関する詳細情報要求信号を通信装置40に送信する。通信装置40は、ユーザがタッチした部分に関連付けられた情報である関連情報を取得する。通信装置40は、関連情報を含む関連情報報知信号を生成し、通信装置30に送信する。通信装置30は、関連情報をディスプレイ350に表示する。
【0060】
[2−2.親機の構成]
次に、親機となる通信装置40の詳細な構成を図11及び図12に基づいて説明する。通信装置40は、本体部41と、認証用情報提示部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部45とを備える。
【0061】
本体部41は、通信装置40を構成する各構成要素、例えば通信部43、記憶部44、及び制御部45を内蔵する。認証用情報提示部42は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。
【0062】
認証用情報提示部42は、ディスプレイ420及びスピーカ421を備える。ディスプレイ420は、認証用画像情報を提示する。このような認証用画像情報としては、例えば、人物等の各種オブジェクトが描かれている画像情報等が考えられる。認証用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報(輝度値等)を有する。なお、認証用画像情報の各部分には、各種の情報が関連付けられている(紐付けられている)。即ち、認証用画像情報は、画素毎に2次元座標、色情報を有する。また、認証用画像情報は、部分(複数の画素の集合)毎に、各種の情報へのキーを有する。
【0063】
例えば、図11に示す認証用画像情報420aは、写真画像情報のサムネイル420c(420c−1〜420c−3)が複数描かれている。そして、各サムネイル420cには、写真画像情報及び当該写真画像情報に関する詳細情報(例えば、撮影者、撮影場所、撮影日時等)が格納された場所を示すURLが関連付けられている。
【0064】
一方、スピーカ421は、認証用音声情報を提示する。このような認証用音声情報としては、例えば、楽曲等が考えられる。
【0065】
通信部43は、通信装置30との間で無線通信を行なう。通信部43は、通信装置30から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部45に出力する。一方、通信部43は、制御部45から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置30に出力する。
【0066】
記憶部44は、通信装置40が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した認証用画像情報、認証用音声情報の他、制御部45が読みだして実行するプログラム等を記憶する。また、記憶部44は、上述した指示情報を記憶する。また、記憶部33は、認証用画像情報の各部分に関連付けられた情報、即ち関連情報を記憶する。
【0067】
制御部45は、通信装置40の各構成要素を制御する他、判定部及び認証部としても機能する。即ち、制御部45は、通信部43から特徴部分情報が与えられた場合に、特徴部分情報が示す特徴部分、即ち比較用情報の特徴部分と、認識用情報の特徴部分の一部とが一致するかを判定する。そして、制御部45は、これらが一致すると判定された場合に、通信装置30を通信相手として認証する。
【0068】
具体的には、制御部45は、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分の一部とが一致するかを判定する場合には、比較用画像情報の特徴部分が描かれた比較用2値化画像と、認識用画像情報の特徴部分が描かれた認証用2値化画像とを生成する。そして、制御部25は、比較用2値化画像と同一または縦横比のみが異なる部分が認証用2値画像に存在するかを判定する。この結果、制御部45は、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分の一部とが一致すると判定する。
【0069】
なお、制御部45は、比較用画像情報と認証用画像情報の一部とを比較してもよい。この場合にも同様の処理が行われる。即ち、制御部45は、比較用画像情報と同一または縦横比のみが異なる部分が認証用画像情報に存在するかを判定し、この結果、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報と認証用画像情報の一部とが一致すると判定する。制御部45は、認証用音声情報に対しては、第1の実施形態に係る制御部25と同様の処理を行なう。
【0070】
[2−3.通信システムによる処理]
次に、通信システム10−2による認証処理の手順を説明する。なお、第2の実施形態の認証処理は、第1の実施形態の認証処理と一部が異なるのみである。そこで、ここでは、図5A及び図5Bに基づいて、認証処理の手順を説明する。
【0071】
図5Aに示すステップS10において、制御部45は、認証用画像情報を記憶部44から取得し、ディスプレイ420に表示させる。この様子を図11に示す。図11では、通信装置40は、認証用画像情報420aを表示している。認証用画像情報420aは、複数のサムネイル420cを含む。
【0072】
ステップS20において、制御部45は、認証用画像情報の取得を指示する旨の指示情報(例えば、「表示されている画像のうち、ご希望の部分を撮影してください」という文字情報)を記憶部44から取得し、通信部43に出力する。通信部43は、指示情報を含む指示信号を生成し、通信装置30に送信する。
【0073】
一方、図5Bに示すステップS90において、通信装置30の通信部33は、指示信号を受信し、指示信号に含まれる指示情報を制御部37に出力する。制御部37は、指示情報をディスプレイ350に表示し、スピーカ221から出力する。これにより、通信装置30のユーザは、認証用画像情報の撮影を要求されていることを認識することができる。
【0074】
さらに、制御部37は、カメラ320をアクティブにする。カメラ320は、ユーザによる入力操作に応じて、認証用画像情報の一部を撮影することで、比較用画像情報を取得する。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。制御部37は、図11に示すように、比較用画像情報をディスプレイ350に表示させる。図11に示す例では、ディスプレイ350には、比較用画像情報420b’が表示される。比較用画像情報420b’は、認証用画像情報420aの一部420bに対応するものである。比較用画像情報420b’は、サムネイル420c−1’を含む。
【0075】
次いで、ステップS100において、制御部37は、比較用画像情報から特徴部分を抽出する。制御部37は、特定部分をディスプレイ350に表示させてもよい。
【0076】
ステップS110において、制御部37は、エッジ部分の2次元座標及び色情報に関する特徴部分情報を生成し、通信部33に出力する。通信部33は、特徴部分情報を含む接続要求信号を生成し、通信装置40に送信する。
【0077】
一方、図5Aに示すステップS30において、通信部43は、通信装置30から接続要求信号を受信し、接続要求信号に含まれる特徴部分情報を制御部45に出力する。
【0078】
ステップS40において、制御部45は、特徴部分情報及び認証用画像情報に基づいて、比較用画像情報の特徴部分と認証用画像情報の特徴部分の一部とが一致するかを判定する。制御部45は、比較用画像情報の特徴部分と認証用画像情報の特徴部分の一部とが一致すると判定した場合には、ステップS50に進み、これらが一致しないと判定した場合には、ステップS60に進む。
【0079】
ステップS50において、制御部45は、認証用画像情報のうち、比較用画像情報に一致すると判定された部分、即ち撮影部分を提示する。例えば、制御部45は、図11に示すように、撮影部分を示す枠画像情報420eを生成し、ディスプレイ420に表示させる。さらに、制御部45は、通信装置30を通信相手として認証する。そして、制御部45は、その旨を示す接続許可情報を生成し、通信部43に出力する。通信部43は、接続許可情報を含む接続許可信号を生成し、接続許可信号を通信装置30に送信する。
【0080】
ステップS60において、制御部45は、通信装置30を通信相手として認証しない。即ち、制御部45は、通信装置30との接続を拒否する。そして、制御部45は、その旨を示す接続拒否情報を生成し、通信部43に出力する。通信部43は、接続拒否情報を含む接続拒否信号を生成し、接続拒否信号を通信装置30に送信する。
【0081】
一方、図5Bに示すステップS120において、通信装置30の通信部33は、接続許可信号または接続拒否信号を受信し、これらの信号に含まれる接続許可情報または接続拒否情報を制御部37に出力する。
【0082】
ステップS130において、制御部37は、通信部33から与えられた情報に基づいて、通信装置20が接続を許可したかを判定する。この結果、制御部37は、通信装置20が接続を許可したと判定した場合には、ステップS140に進み、通信装置20が接続を拒否したと判定した場合には、認証処理を終了する。
【0083】
その後、通信装置20、30は、ステップS70、S80、S140、及びS150において、所定の接続処理を行い、接続状態を確立する。
【0084】
その後、ユーザは、ディスプレイ350に表示された比較用画像情報のうち、所望の部分にタッチする。例えば、図11に示す例であれば、ユーザは、サムネイル420c−1’にタッチする。入力部34は、入力操作情報を制御部37に出力する。制御部37は、入力操作情報に基づいて、ユーザが選択した(タッチした)部分である選択部分を認識し、選択部分に関する選択部分情報を通信部33に出力する。通信部33は、選択部分情報を含む関連情報要求信号を生成し、通信装置40に送信する。
【0085】
通信装置40の通信部43は、関連情報要求信号を受信し、関連情報要求信号に含まれる選択部分情報を制御部45に出力する。制御部45は、選択部分情報に基づいて、認証用画像情報の各部分のうち、ユーザが選択した部分を特定する。さらに、制御部45は、特定された部分である特定部分が有するキーを辿ることで、当該特定部分に関連付けられた情報、即ち関連情報を取得する。図11であれば、サムネイル420c−1に関連付けられたURLを取得する。制御部45は、取得した関連情報を通信部43に出力する。通信部43は、関連情報を含む関連情報報知信号を生成し、通信装置30に送信する。
【0086】
通信装置30の通信部33は、関連情報報知信号に含まれる関連情報を制御部37に出力する。制御部37は、関連情報に基づいて、各種の処理を行なう。例えば、図11に示す例であれば、制御部37は、写真画像情報及び詳細情報のURLを取得するので、そのURLに図示しないネットワークを経由してアクセスする。これにより、制御部37は、図13に示すように、サムネイル420c−1に対応する写真画像情報420fをディスプレイ350に表示させる。また、制御部37は、図14に示すように、詳細情報(写真画像情報420fの撮影者、撮影日時、撮影場所等)を画像情報420gとしてディスプレイ350に表示させる。なお、詳細情報は音声情報として出力されてもよい。
【0087】
以上により、第2の実施形態に係る通信システム10−2では、通信装置30のユーザは、通信装置40が提示する認証用情報の一部を取得する(撮影する)ことで、通信装置40の認証を受けることができる。したがって、通信システム10−2は、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる。また、通信システム10−2は、ユーザに提示された認証用情報を用いて認証処理を行うので、ユーザに分かりやすい認証処理を行うことができる。また、通信システム10−2では、認証用画像情報の各部分に各種の情報が関連付けられており、ユーザは、ディスプレイ350に表示された比較用画像情報のうち、所望の部分にタッチすることで、これらの情報を取得することができる。したがって、ユーザは、認証用画像情報の各部分に関連付けられた情報、即ち関連情報のうち、所望の関連情報を容易に取得することができる。
【0088】
<3.第3の実施形態>
[3−1.通信システムの外観構成]
次に、第3の実施形態を説明する。まず、図15に基づいて、第3の実施形態に係る通信システム10−3の外観構成について説明する。通信システム10−3は、通信システム10の親機が通信装置20から通信装置50に変更されたものである。通信装置50は、いわゆるテレビモニタ型の通信装置であり、通信装置30のディスプレイ350に対して非常に大きいディスプレイ520を有している。
【0089】
この通信システム10−3では、概略以下の処理が行われる。即ち、通信装置50は、複数の認証用画像情報520b(520b−1〜520b−6)を表示する。なお、これらの認証用画像情報520bには、通信装置30が取得すべき順序である基準取得順序が設定されており、認証用画像情報520bには、基準取得順序を示す数字画像情報520c(520c−1〜520c−6)が含まれている。また、通信装置50は、これらの認証用画像情報520bのうち、通信装置30が現在取得すべき認証用画像情報520b(n番目の認証用画像情報520b)をハイライト表示する。
【0090】
通信装置30は、ディスプレイ520に表示された認証用画像情報520bのうち、n番目の認証用画像情報520bを撮影することで、比較用画像情報を取得する。通信装置30は、比較用画像情報をディスプレイ350に表示する。通信装置30は、比較用画像情報の特徴部分を抽出し、特徴部分に関する特徴部分情報を生成する。通信装置30は、特徴部分情報を含む接続要求信号を通信装置40に送信する。
【0091】
通信装置50は、n番目の認証用画像情報から特徴部分を抽出し、n番目の認証用画像情報の特徴部分と比較用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。通信装置50は、これらが一致する場合には、n+1番目の認証用画像情報について、同様の処理を行なう。通信装置50は、全ての認証用画像情報520bの各々が比較用画像情報と一致すると判定した場合には、通信装置30を接続相手として認証し、接続処理を行なう。
【0092】
即ち、通信装置50は、複数の認証用画像情報520bの各々が比較用画像情報に一致すると判定され、かつ、通信装置30が複数の認証用画像情報520bを基準取得順序通りに取得した場合に、通信装置30を通信相手として認証する。
【0093】
[3−2.親機の構成]
次に、親機となる通信装置50の詳細な構成を図15及び図16に基づいて説明する。通信装置50は、本体部51と、認証用情報提示部52と、通信部53と、記憶部54と、制御部55とを備える。
【0094】
本体部51は、通信装置50を構成する各構成要素、例えば通信部53、記憶部54、及び制御部55を内蔵する。認証用情報提示部52は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。
【0095】
認証用情報提示部52は、ディスプレイ520及びスピーカ521を備える。ディスプレイ520は、複数の認証用画像情報を提示する。このような認証用画像情報としては、例えば、人物等の各種オブジェクトが描かれている画像情報等が考えられる。各認証用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報(輝度値等)を有する。また、各認証用画像情報には、基準取得順序(1以上の整数)を示す数字画像情報が含まれる。
【0096】
例えば、図15に示す認証用画像情報520bの各々には、数字画像情報として、「1」〜「6」の文字が描かれている。したがって、通信装置30のユーザは、左上の認証用画像情報520b−1から順に認証用画像情報520bを撮影することになる。
【0097】
一方、スピーカ521は、認証用音声情報を提示する。このような認証用音声情報としては、例えば、楽曲等が考えられる。
【0098】
通信部53は、通信装置30との間で無線通信を行なう。通信部53は、通信装置30から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部55に出力する。一方、通信部53は、制御部55から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置30に出力する。
【0099】
記憶部54は、通信装置50が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した認証用画像情報、認証用音声情報の他、制御部55が読みだして実行するプログラム等を記憶する。また、記憶部54は、上述した指示情報や、撮影順序カウンタnを記憶する。
【0100】
制御部55は、通信装置50の各構成要素を制御する他、判定部及び認証部としても機能する。即ち、制御部55は、通信部53から特徴部分情報が与えられた場合に、特徴部分情報が示す特徴部分、即ち比較用画像情報の特徴部分と、n番目の認識用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。そして、制御部55は、複数の認証用画像情報の各々が比較用画像情報に一致すると判定され、かつ、通信装置30が複数の認証用画像情報を基準取得順序通りに取得した場合に、通信装置30を通信相手として認証する。なお、比較用情報の特徴部分と、n番目の認識用情報の特徴部分とが一致するかの判定方法は、第1の実施形態と同様である。
【0101】
なお、制御部55は、比較用画像情報とn番目の認証用画像情報とを比較してもよい。この場合にも同様の処理が行われる。制御部55は、認証用音声情報に対しては、第1の実施形態に係る制御部25と同様の処理を行なう。
【0102】
[3−3.通信システムによる処理]
次に、通信システム10−2による認証処理の手順を図17A及び図17Bに沿って説明する。
【0103】
図17Aに示すステップS200において、制御部55は、複数の認証用画像情報を記憶部54から取得し、ディスプレイ520に表示させる。この様子を図15に示す。図15では、通信装置50は、複数の認証用画像情報520bを表示している。
【0104】
ステップS210において、制御部55は、撮影順序カウンタnの値を1にセットする。ステップS220において、制御部55は、n番目の認証用画像情報をディスプレイ520にハイライト表示させる。例えば、図15では、2番目の認証用画像情報520b−2がハイライト表示されている。
【0105】
ステップS230において、制御部55は、n番目の認証用画像情報の取得(撮影)を指示する旨の指示情報(例えば、「表示されている画像のうち、n番目の画像を撮影してください」という文字情報)を記憶部54から取得し、通信部53に出力する。通信部53は、指示情報を含む指示信号を生成し、通信装置30に送信する。
【0106】
一方、図17Bに示すステップS320において、通信装置30の通信部33は、指示信号を受信し、指示信号に含まれる指示情報を制御部37に出力する。
【0107】
ステップS330において、制御部37は、指示情報をディスプレイ350に表示し、スピーカ221から出力する。これにより、通信装置30のユーザは、n番目の認証用画像情報の撮影を要求されていることを認識することができる。
【0108】
一方、制御部37は、カメラ320をアクティブにする。カメラ320は、ユーザによる入力操作に応じて、n番目の認証用画像情報を撮影することで、比較用画像情報を取得する。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。制御部37は、図15に示すように、比較用画像情報をディスプレイ350に表示させる。図15に示す例では、ディスプレイ350には、比較用画像情報520b−2’が表示される。比較用画像情報520b−2’は、2番目の認証用画像情報520b−2に対応するものである。
【0109】
次いで、ステップS340において、制御部37は、比較用画像情報から特徴部分を抽出する。制御部37は、特徴部分をディスプレイ350に表示させてもよい。
【0110】
ステップS350において、制御部37は、エッジ部分の2次元座標及び色情報に関する特徴部分情報を生成し、通信部33に出力する。通信部33は、特徴部分情報を含む接続要求信号を生成し、通信装置50に送信する。
【0111】
一方、図17Aに示すステップS240において、通信部53は、通信装置30から接続要求信号を受信し、接続要求信号に含まれる特徴部分情報を制御部55に出力する。
【0112】
ステップS250において、制御部55は、特徴部分情報及びn番目の認証用画像情報に基づいて、比較用画像情報の特徴部分とn番目の認証用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。制御部55は、比較用画像情報の特徴部分とn番目の認証用画像情報の特徴部分の一部とが一致すると判定した場合には、ステップS260に進み、これらが一致しないと判定した場合には、ステップS290に進む。
【0113】
ステップS260において、制御部55は、撮影順序カウンタnの値を1増加させる。ステップS270において、制御部55は、撮影順序カウンタnの値が最大値nmaxを超えたかを判定し、撮影順序カウンタnの値が最大値nmaxを超えたと判定した場合には、ステップS280に進み、撮影順序カウンタnの値が最大値nmax以下であると判定した場合には、ステップS220に戻る。したがって、最大値nmaxが大きいほど、ユーザが撮影する認証用画像情報の数が増えるので、通信のセキュリティが向上する。最大値nmaxは、例えば6となる。
【0114】
ステップS280において、制御部55は、通信装置30を通信相手として認証する。そして、制御部55は、その旨を示す接続許可情報を生成し、通信部53に出力する。通信部53は、接続許可情報を含む接続許可信号を生成し、接続許可信号を通信装置30に送信する。
【0115】
ステップS290において、制御部55は、通信装置30を通信相手として認証しない。即ち、制御部55は、通信装置30との接続を拒否する。そして、制御部55は、その旨を示す接続拒否情報を生成し、通信部53に出力する。通信部53は、接続拒否情報を含む接続拒否信号を生成し、接続拒否信号を通信装置30に送信する。
【0116】
一方、図17Bに示すステップS360において、通信装置30の通信部33は、指示情報、接続許可信号、または接続拒否信号を受信し、これらの信号に含まれる情報を制御部37に出力する。
【0117】
ステップS370において、制御部37は、通信部33から与えられた情報が結果情報、即ち接続許可情報、または接続拒否情報であるかを判定する。制御部37は、通信部33から与えられた情報が結果情報である場合には、ステップS380に進み、通信部33から与えられた情報が指示情報であると判定した場合には、ステップS330にもどる。
【0118】
ステップS380において、制御部37は、通信部33から与えられた情報に基づいて、通信装置50が接続を許可したかを判定する。この結果、制御部37は、通信装置50が接続を許可したと判定した場合には、ステップS390に進み、通信装置50が接続を拒否したと判定した場合には、認証処理を終了する。
【0119】
その後、通信装置50、30は、ステップS300、S310、S390、及びS400において、所定の接続処理を行い、接続状態を確立する。
【0120】
以上により、第3の実施形態に係る通信システム10−3では、通信装置50は、複数の認証用画像情報の各々が比較用画像情報に一致すると判定された場合に、通信装置30を通信相手として認証するので、通信のセキュリティを向上させることができる。
【0121】
特に、通信装置50は、複数の認証用画像情報の各々が比較用画像情報に一致すると判定され、かつ、通信装置30が複数の認証用画像情報を基準取得順序通りに取得した場合に、通信装置30を通信相手として認証するので、通信のセキュリティをさらに向上させることができる。
【0122】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0123】
例えば、上記第2及び第3の実施形態では、認証用画像情報についての処理を説明したが、認証用音声情報に対しても同様の処理を行ってもよい。また、第1〜第3の実施形態を任意に組み合わせてもよい。例えば、第1の実施形態の制御部25に、第2の実施形態の制御部45の機能を持たせてもよい。同様に、第1の実施形態の制御部25に、第3の実施形態の制御部55の機能を持たせてもよい。同様に、第2の実施形態の制御部45に、第3の実施形態の制御部55の機能を持たせてもよい。
【0124】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置。
【0125】
(2)
前記認証用情報は複数存在し、
前記判定部は、複数の認証用情報の各々と、前記比較用情報とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(1)記載の通信装置。
【0126】
(3)
前記複数の認証用情報には、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を取得すべき順序である基準取得順序が設定されており、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定され、かつ、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を前記基準取得順序通りに取得した場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(2)記載の通信装置。
【0127】
(4)
前記判定部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の通信装置。
【0128】
(5)
前記判定部は、前記比較用情報の特徴部分と、前記認証用情報の特徴部分とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の特徴部分と、前記比較用情報の特徴部分とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の通信装置。
【0129】
(6)
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定することと、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証することと、を含む、通信方法。
【0130】
(7)
コンピュータに、
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定する判定機能と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証機能と、を実現させる、プログラム。
【符号の説明】
【0131】
10 通信システム
20、30、40、50 通信装置
25、45、55 制御部
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置同士が通信を行うためには、まず、通信装置同士がお互いの存在を認識し、その後、一方の通信装置が他方の通信装置を通信相手として認証する必要がある。特許文献1、2には、一方の通信装置が他方の通信装置を認識する技術を開示する。特許文献1に開示された技術では、一方の通信装置が実世界イベントを発生させ(例えばある波形パターンの光を発生させ)、他方の通信装置が当該実世界イベントを認識する。次いで、一方の通信装置が当該実世界イベントを認識した通信装置を探索することで、他方の通信装置を認識する。
【0003】
特許文献2に開示された技術では、一方の通信装置が他方の通信装置を撮影し、これにより得られた画像に基づいて、他方の通信装置を示すネットワークアドレスを生成する。これにより、一方の通信装置は、他方の通信装置を認識する。
【0004】
その後、一方の無線通信は、他方の通信装置を通信相手として認証するための認証処理を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第407998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の認証処理は、通信のセキュリティという観点から、他方の通信装置のユーザにパスワードの入力を求めるものであった。このため、従来の認証処理は、ユーザにとって非常に手間のかかるものであった。そこで、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定することと、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証することと、を含む、通信方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータに、他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、認証用情報を取得かつ送信可能な他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定する判定機能と、認証用情報と比較用情報とが一致すると判定された場合に、他の通信装置を通信相手として認証する認証機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本開示によれば、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係る通信装置の構成を示す説明図である。
【図3】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図5A】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図5B】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図7】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図8】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図9】通信システムによる処理の状況を示す説明図である。
【図10】第1の実施形態の変形例を示す説明図である。
【図11】第2の実施形態に係る通信システムの構成を示す説明図である。
【図12】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】通信装置のディスプレイに表示される画像の一例を示す説明図である。
【図14】通信装置のディスプレイに表示される画像の一例を示す説明図である。
【図15】第3の実施形態に係る通信システムの構成を示す説明図である。
【図16】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図17A】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図17B】通信システムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.通信システムの外観構成
1−2.親機の構成
1−3.子機の構成
1−4.通信システムによる処理
1−5.変形例
2.第2の実施形態
2−1.通信システムの外観構成
2−2.親機の構成
2−3.通信システムによる処理
3.第3の実施形態
3−1.通信システムの外観構成
3−2.親機の構成
3−3.通信システムによる処理
【0014】
<1.第1の実施形態>
[1−1.通信システムの外観構成]
まず、図1及び図2に基づいて、通信システム10の外観構成について説明する。なお、図2(a)は通信装置30の背面図であり、(b)は側面図(底面図)である。通信システム10は、親機として機能する通信装置20と、子機として機能する通信装置30とを備える。通信装置20は、その外観構成として、本体21と、ディスプレイ220と、スピーカ221とを備えるが、カメラやマイクを備えていてもよい。通信装置30は、その外観構成として、本体31と、カメラ320と、マイク321と、ディスプレイ350と、スピーカ351とを備える。
【0015】
通信システム10では、概略以下の処理が行われる。まず、通信装置10、20は、お互いの存在を認識する。例えば、通信装置20は、自己のIPアドレスを含む探索信号(例えばワイファイアライアンスで規定されるプローブリクエスト信号)を周辺に送信する。通信装置30は、探索信号を受信することで、通信装置20の存在を認識する。その後、通信装置30は、自己のIPアドレスを含む応答信号(例えばワイファイアライアンスで規定されるプローブレスポンス信号)を通信装置20に返信する。これにより、通信装置20は通信装置30の存在を認識する。次いで、通信装置20は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。例えば、通信装置20は、認証用情報として、認証用画像情報220aをディスプレイ220に表示する。また、通信装置20は、認証用情報として、認証用音声情報をスピーカ221から出力する。
【0016】
通信装置30は、ユーザによる入力操作に基づいて、認証用情報を取得する。例えば、通信装置30は、画像情報220aを撮影する。または、通信装置30は、音声情報をマイク321で拾う(録音する)。通信装置30は、認証用情報を比較用情報として取得する。即ち、通信装置30は、認証用画像情報を比較用画像情報として取得し、認証用音声情報を比較用音声情報として取得する。
【0017】
通信装置30は、比較用情報から特徴部分を抽出する。通信装置30は、抽出された特徴部分に関する特徴部分情報を生成し、特徴部分情報を含む接続要求信号を通信装置20に送信する。通信装置20は、接続要求信号を受信し、特徴部分情報が示す特徴部分と、認証用情報の特徴部分とが一致するかを判定する。通信装置30は、これらが一致すると判定した場合に、通信装置20を接続相手として認証する。これにより、通信装置30のユーザは、認証処理においてパスワードの入力が不要となるので、認証処理におけるユーザの手間が低減される。
【0018】
[1−2.親機の構成]
次に、親機となる通信装置20の詳細な構成を図1及び図3に基づいて説明する。通信装置20は、本体部21と、認証用情報提示部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを備える。
【0019】
本体部21は、通信装置20を構成する各構成要素、例えば通信部23、記憶部24、及び制御部25を内蔵する。認証用情報提示部22は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。この認証用情報は、上述したように、通信装置20が通信装置30を通信相手として認証する認証処理において使用される。認証用情報は通信装置30のユーザに提示されるものであるので、通信装置20は、ユーザにとって分かりやすい認証処理が可能となる。
【0020】
認証用情報提示部22は、ディスプレイ220及びスピーカ221を備える。ディスプレイ220は、認証用情報として、画像情報、即ち認証用画像情報を提示する。このような認証用画像情報としては、例えば、人物等の各種オブジェクトが描かれている画像情報等が考えられる。認証用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報(輝度値等)を有する。2次元座標は、予め定義されたxy平面上の座標として表される。原点の位置は任意であるが、例えば、図1に示す認識用画像情報220aの左上端部の点が原点とされる。認証用画像情報は静止画でも良く、動画であってもよい。なお、認証用画像情報は、本体部21の形態そのものが描かれた画像情報であってもよい。この場合、認証用提示部22が当該認証用画像情報を提示してもよいが、認証用画像情報の提示を行わず、通信装置30に通信装置20の本体部21を撮影させてもよい。
【0021】
一方、スピーカ221は、認証用情報として、音声情報、即ち認証用音声情報を提示する。このような認証用音声情報としては、例えば、楽曲等が考えられる。認識用音声情報は、位相情報、周波数情報、振幅情報を有する。
【0022】
通信部23は、通信装置30との間で無線通信を行なう。通信部23は、通信装置30から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部25に出力する。一方、通信部23は、制御部25から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置30に出力する。
【0023】
記憶部24は、通信装置20が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した認証用画像情報、認証用音声情報の他、制御部25が読みだして実行するプログラム等を記憶する。また、記憶部24は、後述する指示情報を記憶する。この指示情報は、通信装置30のユーザに認証用情報の取得を促すものである。
【0024】
制御部25は、通信装置20の各構成要素を制御する他、判定部及び認証部としても機能する。即ち、制御部25は、通信部23から特徴部分情報が与えられた場合に、特徴部分情報が示す特徴部分、即ち比較用情報の特徴部分と、認識用情報の特徴部分とが一致するかを判定する。そして、制御部25は、これらが一致すると判定された場合に、通信装置30を通信相手として認証する。
【0025】
ここで、認証用画像情報(及び比較用画像情報)の特徴部分としては、例えば、認証用画像情報のエッジ部分(例えば、隣接する画素の輝度値との差分の絶対値が所定値以上となる画素)が考えられる。なお、認証用画像情報の外縁部分もエッジ部分に含まれるものとする。認証用画像情報が動画となる場合、認証用画像情報の特徴部分は、例えば、任意の1カットにおける特徴部分であればよい。
【0026】
一方、認証用音声情報(及び比較用画像情報)の特徴部分としては、例えば、振幅が所定値以上となる位相部分が考えられる。勿論、特徴部分はこれら以外の部分であってもよい。例えば、特徴部分は、輝度値が所定値以上となる画素や、周波数が所定値以上となる位相部分であってもよい。また、通信装置30は、取得した比較用情報自体を通信装置20に送信し、通信装置20は、認証用情報と比較用情報とを比較してもよい。
【0027】
また、比較用画像情報は、通信装置30の撮影条件(例えば、後述するカメラ320の解像度、通信装置30の通信装置20に対する位置、角度)によっては、認証用画像情報と完全に一致しない場合がある。例えば、比較用画像情報の画像サイズ(解像度や縦横比等)が認証用画像情報の画像サイズと異なる場合がある。また、比較用画像情報に認証用画像情報以外の画像情報(例えば、通信装置20の周辺に存在するオブジェクトの画像情報)が含まれる場合がある。
【0028】
そこで、制御部25は、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する場合には、比較用画像情報の特徴部分が描かれた比較用2値化画像(特徴部分が1でそれ以外の部分が0を示す画像)と、認識用画像情報の特徴部分が描かれた認証用2値化画像とを生成する。そして、制御部25は、認証用2値化画像と同一または縦横比のみが異なる部分が比較用2値化画像に存在するかを判定する。この結果、制御部25は、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分とが一致すると判定する。制御部25は、比較用画像情報と認証用画像情報とを比較する場合にも同様の処理を行なう。即ち、制御部25は、認証用画像情報と同一または縦横比のみが異なる部分が比較用画像情報に存在するかを判定し、この結果、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報と認証用画像情報とが一致すると判定する。
【0029】
同様に、通信装置30が認証用音声情報を録音することで得られる比較用情報、即ち比較用音声情報は、通信装置30の音声取得条件(例えば、通信装置30と通信装置20との距離、周囲の雑音の有無)によっては、認証用音声情報と完全に一致しない場合がある。そこで、制御部25は、認証用音声情報の特徴部分と比較用音声情報の特徴部分とを比較する際には、比較用音声情報の特徴部分を適宜増幅し、かつ、ノイズを除去した上で、これらを比較する。認証用音声情報と比較用音声情報とを比較する場合も同様である。
【0030】
[1−3.子機の構成]
次に、子機として機能する通信装置30の構成を図2及び図4に基づいて説明する。通信装置30は、本体部31と、認証用情報取得部32と、通信部33と、入力部34と、提示部35と、記憶部36と、制御部37とを備える。
【0031】
本体部31は、通信装置30を構成する各構成要素、例えば通信部33、記憶部36、及び制御部37を内蔵する。認証用情報取得部32は、通信装置20が提示した認証用情報を取得するものであり、具体的には、認証用画像情報を取得する(撮影する)カメラ320と、認証用音声情報を取得する(録音する)マイク321とを備える。
【0032】
カメラ320は、認証用画像情報を撮影することで、認証用画像情報を含む比較用画像情報を取得する。ここで、比較用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報を有する。原点の位置は任意であるが、例えば、比較用画像情報の外縁部分を構成するいずれかの画素が原点となる。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。
【0033】
マイク321は、認証用音声情報を録音することで、認証用音声情報を含む比較用音声情報を取得する。マイク321は、取得した比較用音声情報を制御部37に出力する。
【0034】
通信部33は、通信装置20との間で無線通信を行なう。通信部33は、通信装置20から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部37に出力する。一方、通信部33は、制御部37から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置20に出力する。
【0035】
入力部34は、いわゆるタッチパネルであり、後述するディスプレイ350の表面に設けられる。入力部34は、ユーザによる入力操作に応じた入力操作情報を生成し、制御部37に出力する。
【0036】
提示部35は、ユーザに各種の情報を提示する。具体的には、提示部35は、ディスプレイ350及びスピーカ351を備える。ディスプレイ350は、各種の画像情報、例えば上述した比較用画像情報を表示する。スピーカ351は、各種の音声情報、例えば上述した比較用音声情報を出力する。
【0037】
記憶部36は、通信装置30が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した比較用画像情報、比較用音声情報の他、制御部37が読みだして実行するプログラム等を記憶する。
【0038】
制御部37は、通信装置20の各構成要素を制御する。また、制御部37は、認証用情報取得部から与えられた比較用情報を記憶部36に記憶する。
【0039】
[1−4.通信システムによる認証処理]
次に、通信システムによる認証処理の手順を、図5A及び図5Bに示すフローチャートに沿って説明する。なお、ここでは、通信装置20が認証用情報として認証用画像情報を表示する場合を一例として処理の手順を説明するが、通信装置20が認証用音声情報を出力する場合も同様の処理が行われる。なお、通信装置20が処理を行う前提として、通信装置20、30はお互いの存在を認識しているものとする。後述する各実施形態でも同様である。
【0040】
図5Aに示すステップS10において、制御部25は、認証用画像情報を記憶部24から取得し、ディスプレイ220に表示させる。この様子を図6に示す。図6では、通信装置20は、認証用画像情報220aを表示している。認証用画像情報220aは、写真画像220bを含む。写真画像220bには、頭部画像220dを含む人物画像220cが描かれている。なお、制御部25は、認証用情報として認証用音声情報を出力する場合には、認証用音声情報を記憶部24から取得し、スピーカ221に出力させる。また、制御部25は、認証用情報として、本体部21が描かれた認証用画像情報を利用する場合には、認証用画像情報をディスプレイ220に表示させてもよいが、表示させずにステップS20の処理に進んでもよい。
【0041】
ステップS20において、制御部25は、認証用画像情報の取得を指示する旨の指示情報(例えば、「表示されている画像を撮影してください」という文字情報)を記憶部24から取得し、通信部23に出力する。通信部23は、指示情報を含む指示信号を生成し、通信装置30に送信する。なお、制御部25は、認証用情報として、認証用音声情報を出力する場合には、認証用音声情報の取得を指示する旨の指示情報(例えば、「音声を録音してください」という文字情報)を記憶部24から取得し、通信部23に出力する。また、制御部25は、認証用画像情報として、本体部21の形態が描かれた画像情報を使用する場合には、本体部21の撮影を指示する旨の指示情報(例えば、「本体部21を撮影してください」という文字情報)を記憶部24から取得し、通信部23に出力する。
【0042】
一方、図5Bに示すステップS90において、通信装置30の通信部33は、指示信号を受信し、指示信号に含まれる指示情報を制御部37に出力する。制御部37は、指示情報をディスプレイ350に表示し、スピーカ221から出力する。これにより、通信装置30のユーザは、認証用画像情報の撮影を要求されていることを認識することができる。
【0043】
さらに、制御部37は、カメラ320をアクティブにする。カメラ320は、ユーザによる入力操作に応じて、認証用画像情報を含むオブジェクトを撮影することで、比較用画像情報を取得する。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。制御部37は、図6に示すように、比較用画像情報をディスプレイ350に表示させてもよい。図6に示す例では、ディスプレイ350には、比較用画像情報350aが表示される。比較用画像情報350aは、通信装置20が描かれた画像情報20’を含む。画像情報20’は、本体部21が描かれた画像情報21’、認証用画像情報220aが描かれた画像情報220a’、及び写真画像220bが描かれた画像情報220b’が含まれる。画像情報220b’には、頭部220d’が描かれた人物画像220c’が描かれている。
【0044】
なお、制御部37は、指示情報が認証用音声情報の取得を指示するものである場合、スピーカ351をアクティブにする。スピーカ351は、認証用音声情報を含む音声情報を録音することで、比較用音声情報を取得し、制御部37に出力する。制御部37は、比較用音声情報をスピーカ351から出力してもよい。
【0045】
次いで、ステップS100において、制御部37は、比較用画像情報から特徴部分(例えば比較用画像情報のエッジ部分)を抽出する。制御部37は、図7に示すように、エッジ部分をディスプレイ350に表示させてもよい。図7に示す例では、エッジ部分E1〜E3が表示されている。
【0046】
ステップS110において、制御部37は、エッジ部分の2次元座標及び色情報に関する特徴部分情報を生成し、通信部33に出力する。通信部33は、特徴部分情報を含む接続要求信号を生成し、図8に示すように、通信装置20に送信する。制御部37及び通信部33は、比較用音声情報に対しても同様の処理を行なう。比較用音声情報の特徴部分は、上述したように、例えば振幅が所定値以上となる位相部分となる。
【0047】
一方、図5Aに示すステップS30において、通信部23は、通信装置30から接続要求信号を受信し、接続要求信号に含まれる特徴部分情報を制御部25に出力する。
【0048】
ステップS40において、制御部25は、特徴部分情報及び認証用画像情報に基づいて、比較用画像情報の特徴部分と認証用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。具体的には、制御部25は、比較用画像情報の特徴部分が描かれた比較用2値化画像と、認識用画像情報の特徴部分が描かれた認証用2値化画像とを生成する。そして、制御部25は、認証用2値化画像と同一または縦横比のみが異なる部分が比較用2値化画像に存在するかを判定する。この結果、制御部25は、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分とが一致すると判定し、このような部分が存在しない場合には、これらの特徴部分が一致しないと判定する。制御部25は、これらの特徴部分が一致すると判定した場合には、ステップS50に進み、これらの特徴部分が一致しないと判定した場合には、ステップS60に進む。
【0049】
なお、制御部25は、認証用情報が認証用音声情報である場合には、特徴部分情報及び認証用音声情報に基づいて、比較用音声情報の特徴部分と認証用音声情報の特徴部分とが一致するかを判定する。即ち、制御部25は、比較用音声情報の特徴部分を増幅し、かつ、ノイズ(認証用音声情報と周波数が異なる部分等)を除去する。次いで、制御部25は、認証用音声情報の特徴部分と同一または振幅のみが異なる部分が比較用音声情報の特徴部分に存在するかを判定する。この結果、制御部25は、このような部分が存在する場合には、比較用音声情報の特徴部分と、認識用音声情報の特徴部分とが一致すると判定し、このような部分が存在しない場合には、これらの特徴部分が一致しないと判定する。制御部25は、これらの特徴部分が一致すると判定した場合には、ステップS50に進み、これらの特徴部分が一致しないと判定した場合には、ステップS60に進む。
【0050】
ステップS50において、制御部25は、通信装置30を通信相手として認証する。そして、制御部25は、その旨を示す接続許可情報を生成し、通信部23に出力する。通信部23は、接続許可情報を含む接続許可信号を生成し、図9に示すように、接続許可信号を通信装置30に送信する。
【0051】
ステップS60において、制御部25は、通信装置30を通信相手として認証しない。即ち、制御部25は、通信装置30との接続を拒否する。そして、制御部25は、その旨を示す接続拒否情報を生成し、通信部23に出力する。通信部23は、接続拒否情報を含む接続拒否信号を生成し、図9に示すように、接続拒否信号を通信装置30に送信する。
【0052】
一方、図5Bに示すステップS120において、通信装置30の通信部33は、接続許可信号または接続拒否信号を受信し、これらの信号に含まれる接続許可情報または接続拒否情報を制御部37に出力する。
【0053】
ステップS130において、制御部37は、通信部33から与えられた情報に基づいて、通信装置20が接続を許可したかを判定する。この結果、制御部37は、通信装置20が接続を許可したと判定した場合には、ステップS140に進み、通信装置20が接続を拒否したと判定した場合には、処理を終了する。
【0054】
その後、通信装置20、30は、ステップS70、S80、S140、及びS150において、所定の接続処理を行い、接続状態を確立する。これらの処理は従来と同様である。例えば、WPSプッシュボタンが押された場合に行われる処理と同様の処理が行われる。
【0055】
以上により、第1の実施形態に係る通信システム10では、通信装置30のユーザは、通信装置20が提示する認証用情報を取得することで、通信装置20の認証を受けることができる。したがって、通信システム10は、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる。また、通信システム10は、ユーザに提示された認証用情報を用いて認証処理を行うので、ユーザに分かりやすい(直感的な)認証処理を行うことができる。なお、通信装置20は、周囲の状況に応じて認証用画像情報及び認証用音声情報を切り替えて提示してもよい。例えば、通信装置20は、マイクを用いて周囲のノイズを検出し、このノイズの強度(振幅)が所定値以上であれば、認証用画像情報を提示してもよい。一方、通信装置20は、通信装置30がカメラを有していない場合(通信装置30からその旨の情報が与えられた場合)等には、認証用音声情報を提示してもよい。
【0056】
また、通信装置20は、認証用情報の特徴部分と比較用情報の特徴部分とが一致する場合に、通信装置30を接続相手として認証するので、認証用情報と比較用情報とを直接比較する場合よりも、認証処理を迅速に行うことができる。
【0057】
[1−5.変形例]
次に、図10に基づいて、第1の実施形態の変形例を説明する。この変形例では、通信装置20が複数存在し、かつ、これらの通信装置20(20a〜20c)が同じ認証用情報(例えば認証用画像情報220a)を提示している。この場合、通信装置20a〜20cがそれぞれ通信装置30を接続相手として認証する。即ち、通信装置30は、接続許可信号を通信装置20a〜20cから受信する。そこで、制御部37は、接続許可信号を送信した通信装置20のリストを生成し、ディスプレイ350に表示させる。図10に示す例では、通信装置20a〜20cを示すリスト350aがディスプレイ350に表示されている。通信装置30のユーザは、リスト350aに列挙された通信装置20のうち、所望の通信装置20を示す部分にタッチすることで、通信装置20を選択する。制御部37は、ユーザが選択した通信装置20との接続処理を行なう。この変形例によれば、ユーザは、所望の通信装置20に通信装置30を接続させることができる。
【0058】
<2.第2の実施形態>
[2−1.通信システムの外観構成]
次に、第2の実施形態を説明する。まず、図11に基づいて、第2の実施形態に係る通信システム10−2の外観構成について説明する。通信システム10−2は、通信システム10の親機が通信装置20から通信装置40に変更されたものである。通信装置40は、いわゆるテレビモニタ型の通信装置であり、通信装置30のディスプレイ350に対して非常に大きいディスプレイ420を有している。
【0059】
この通信システム10−2では、概略以下の処理が行われる。即ち、通信装置30は、ディスプレイ420に表示された認証用画像情報420aのうち、一部の認証用画像情報420bを撮影することで、比較用画像情報を取得する。通信装置30は、比較用画像情報をディスプレイ350に表示する。通信装置30は、比較用画像情報の特徴部分を抽出し、特徴部分に関する特徴部分情報を生成する。通信装置30は、特徴部分情報を含む接続要求信号を通信装置40に送信する。通信装置40は、認証用画像情報から特徴部分を抽出し、認証用画像情報の特徴部分に比較用画像情報の特徴部分が含まれるかを判定する。即ち、通信装置40は、比較用画像情報の特徴部分が認証用画像情報の特徴部分の一部に一致するかを判定する。通信装置40は、これらが一致する場合には、通信装置30を接続相手として認証し、接続処理を行なう。その後、ユーザは、ディスプレイ350に表示された比較用画像情報のうち、所望の部分にタッチする。通信装置30は、タッチされた部分に関する詳細情報要求信号を通信装置40に送信する。通信装置40は、ユーザがタッチした部分に関連付けられた情報である関連情報を取得する。通信装置40は、関連情報を含む関連情報報知信号を生成し、通信装置30に送信する。通信装置30は、関連情報をディスプレイ350に表示する。
【0060】
[2−2.親機の構成]
次に、親機となる通信装置40の詳細な構成を図11及び図12に基づいて説明する。通信装置40は、本体部41と、認証用情報提示部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部45とを備える。
【0061】
本体部41は、通信装置40を構成する各構成要素、例えば通信部43、記憶部44、及び制御部45を内蔵する。認証用情報提示部42は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。
【0062】
認証用情報提示部42は、ディスプレイ420及びスピーカ421を備える。ディスプレイ420は、認証用画像情報を提示する。このような認証用画像情報としては、例えば、人物等の各種オブジェクトが描かれている画像情報等が考えられる。認証用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報(輝度値等)を有する。なお、認証用画像情報の各部分には、各種の情報が関連付けられている(紐付けられている)。即ち、認証用画像情報は、画素毎に2次元座標、色情報を有する。また、認証用画像情報は、部分(複数の画素の集合)毎に、各種の情報へのキーを有する。
【0063】
例えば、図11に示す認証用画像情報420aは、写真画像情報のサムネイル420c(420c−1〜420c−3)が複数描かれている。そして、各サムネイル420cには、写真画像情報及び当該写真画像情報に関する詳細情報(例えば、撮影者、撮影場所、撮影日時等)が格納された場所を示すURLが関連付けられている。
【0064】
一方、スピーカ421は、認証用音声情報を提示する。このような認証用音声情報としては、例えば、楽曲等が考えられる。
【0065】
通信部43は、通信装置30との間で無線通信を行なう。通信部43は、通信装置30から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部45に出力する。一方、通信部43は、制御部45から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置30に出力する。
【0066】
記憶部44は、通信装置40が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した認証用画像情報、認証用音声情報の他、制御部45が読みだして実行するプログラム等を記憶する。また、記憶部44は、上述した指示情報を記憶する。また、記憶部33は、認証用画像情報の各部分に関連付けられた情報、即ち関連情報を記憶する。
【0067】
制御部45は、通信装置40の各構成要素を制御する他、判定部及び認証部としても機能する。即ち、制御部45は、通信部43から特徴部分情報が与えられた場合に、特徴部分情報が示す特徴部分、即ち比較用情報の特徴部分と、認識用情報の特徴部分の一部とが一致するかを判定する。そして、制御部45は、これらが一致すると判定された場合に、通信装置30を通信相手として認証する。
【0068】
具体的には、制御部45は、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分の一部とが一致するかを判定する場合には、比較用画像情報の特徴部分が描かれた比較用2値化画像と、認識用画像情報の特徴部分が描かれた認証用2値化画像とを生成する。そして、制御部25は、比較用2値化画像と同一または縦横比のみが異なる部分が認証用2値画像に存在するかを判定する。この結果、制御部45は、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報の特徴部分と、認識用画像情報の特徴部分の一部とが一致すると判定する。
【0069】
なお、制御部45は、比較用画像情報と認証用画像情報の一部とを比較してもよい。この場合にも同様の処理が行われる。即ち、制御部45は、比較用画像情報と同一または縦横比のみが異なる部分が認証用画像情報に存在するかを判定し、この結果、このような部分が存在する場合には、比較用画像情報と認証用画像情報の一部とが一致すると判定する。制御部45は、認証用音声情報に対しては、第1の実施形態に係る制御部25と同様の処理を行なう。
【0070】
[2−3.通信システムによる処理]
次に、通信システム10−2による認証処理の手順を説明する。なお、第2の実施形態の認証処理は、第1の実施形態の認証処理と一部が異なるのみである。そこで、ここでは、図5A及び図5Bに基づいて、認証処理の手順を説明する。
【0071】
図5Aに示すステップS10において、制御部45は、認証用画像情報を記憶部44から取得し、ディスプレイ420に表示させる。この様子を図11に示す。図11では、通信装置40は、認証用画像情報420aを表示している。認証用画像情報420aは、複数のサムネイル420cを含む。
【0072】
ステップS20において、制御部45は、認証用画像情報の取得を指示する旨の指示情報(例えば、「表示されている画像のうち、ご希望の部分を撮影してください」という文字情報)を記憶部44から取得し、通信部43に出力する。通信部43は、指示情報を含む指示信号を生成し、通信装置30に送信する。
【0073】
一方、図5Bに示すステップS90において、通信装置30の通信部33は、指示信号を受信し、指示信号に含まれる指示情報を制御部37に出力する。制御部37は、指示情報をディスプレイ350に表示し、スピーカ221から出力する。これにより、通信装置30のユーザは、認証用画像情報の撮影を要求されていることを認識することができる。
【0074】
さらに、制御部37は、カメラ320をアクティブにする。カメラ320は、ユーザによる入力操作に応じて、認証用画像情報の一部を撮影することで、比較用画像情報を取得する。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。制御部37は、図11に示すように、比較用画像情報をディスプレイ350に表示させる。図11に示す例では、ディスプレイ350には、比較用画像情報420b’が表示される。比較用画像情報420b’は、認証用画像情報420aの一部420bに対応するものである。比較用画像情報420b’は、サムネイル420c−1’を含む。
【0075】
次いで、ステップS100において、制御部37は、比較用画像情報から特徴部分を抽出する。制御部37は、特定部分をディスプレイ350に表示させてもよい。
【0076】
ステップS110において、制御部37は、エッジ部分の2次元座標及び色情報に関する特徴部分情報を生成し、通信部33に出力する。通信部33は、特徴部分情報を含む接続要求信号を生成し、通信装置40に送信する。
【0077】
一方、図5Aに示すステップS30において、通信部43は、通信装置30から接続要求信号を受信し、接続要求信号に含まれる特徴部分情報を制御部45に出力する。
【0078】
ステップS40において、制御部45は、特徴部分情報及び認証用画像情報に基づいて、比較用画像情報の特徴部分と認証用画像情報の特徴部分の一部とが一致するかを判定する。制御部45は、比較用画像情報の特徴部分と認証用画像情報の特徴部分の一部とが一致すると判定した場合には、ステップS50に進み、これらが一致しないと判定した場合には、ステップS60に進む。
【0079】
ステップS50において、制御部45は、認証用画像情報のうち、比較用画像情報に一致すると判定された部分、即ち撮影部分を提示する。例えば、制御部45は、図11に示すように、撮影部分を示す枠画像情報420eを生成し、ディスプレイ420に表示させる。さらに、制御部45は、通信装置30を通信相手として認証する。そして、制御部45は、その旨を示す接続許可情報を生成し、通信部43に出力する。通信部43は、接続許可情報を含む接続許可信号を生成し、接続許可信号を通信装置30に送信する。
【0080】
ステップS60において、制御部45は、通信装置30を通信相手として認証しない。即ち、制御部45は、通信装置30との接続を拒否する。そして、制御部45は、その旨を示す接続拒否情報を生成し、通信部43に出力する。通信部43は、接続拒否情報を含む接続拒否信号を生成し、接続拒否信号を通信装置30に送信する。
【0081】
一方、図5Bに示すステップS120において、通信装置30の通信部33は、接続許可信号または接続拒否信号を受信し、これらの信号に含まれる接続許可情報または接続拒否情報を制御部37に出力する。
【0082】
ステップS130において、制御部37は、通信部33から与えられた情報に基づいて、通信装置20が接続を許可したかを判定する。この結果、制御部37は、通信装置20が接続を許可したと判定した場合には、ステップS140に進み、通信装置20が接続を拒否したと判定した場合には、認証処理を終了する。
【0083】
その後、通信装置20、30は、ステップS70、S80、S140、及びS150において、所定の接続処理を行い、接続状態を確立する。
【0084】
その後、ユーザは、ディスプレイ350に表示された比較用画像情報のうち、所望の部分にタッチする。例えば、図11に示す例であれば、ユーザは、サムネイル420c−1’にタッチする。入力部34は、入力操作情報を制御部37に出力する。制御部37は、入力操作情報に基づいて、ユーザが選択した(タッチした)部分である選択部分を認識し、選択部分に関する選択部分情報を通信部33に出力する。通信部33は、選択部分情報を含む関連情報要求信号を生成し、通信装置40に送信する。
【0085】
通信装置40の通信部43は、関連情報要求信号を受信し、関連情報要求信号に含まれる選択部分情報を制御部45に出力する。制御部45は、選択部分情報に基づいて、認証用画像情報の各部分のうち、ユーザが選択した部分を特定する。さらに、制御部45は、特定された部分である特定部分が有するキーを辿ることで、当該特定部分に関連付けられた情報、即ち関連情報を取得する。図11であれば、サムネイル420c−1に関連付けられたURLを取得する。制御部45は、取得した関連情報を通信部43に出力する。通信部43は、関連情報を含む関連情報報知信号を生成し、通信装置30に送信する。
【0086】
通信装置30の通信部33は、関連情報報知信号に含まれる関連情報を制御部37に出力する。制御部37は、関連情報に基づいて、各種の処理を行なう。例えば、図11に示す例であれば、制御部37は、写真画像情報及び詳細情報のURLを取得するので、そのURLに図示しないネットワークを経由してアクセスする。これにより、制御部37は、図13に示すように、サムネイル420c−1に対応する写真画像情報420fをディスプレイ350に表示させる。また、制御部37は、図14に示すように、詳細情報(写真画像情報420fの撮影者、撮影日時、撮影場所等)を画像情報420gとしてディスプレイ350に表示させる。なお、詳細情報は音声情報として出力されてもよい。
【0087】
以上により、第2の実施形態に係る通信システム10−2では、通信装置30のユーザは、通信装置40が提示する認証用情報の一部を取得する(撮影する)ことで、通信装置40の認証を受けることができる。したがって、通信システム10−2は、認証処理におけるユーザの手間を低減させることができる。また、通信システム10−2は、ユーザに提示された認証用情報を用いて認証処理を行うので、ユーザに分かりやすい認証処理を行うことができる。また、通信システム10−2では、認証用画像情報の各部分に各種の情報が関連付けられており、ユーザは、ディスプレイ350に表示された比較用画像情報のうち、所望の部分にタッチすることで、これらの情報を取得することができる。したがって、ユーザは、認証用画像情報の各部分に関連付けられた情報、即ち関連情報のうち、所望の関連情報を容易に取得することができる。
【0088】
<3.第3の実施形態>
[3−1.通信システムの外観構成]
次に、第3の実施形態を説明する。まず、図15に基づいて、第3の実施形態に係る通信システム10−3の外観構成について説明する。通信システム10−3は、通信システム10の親機が通信装置20から通信装置50に変更されたものである。通信装置50は、いわゆるテレビモニタ型の通信装置であり、通信装置30のディスプレイ350に対して非常に大きいディスプレイ520を有している。
【0089】
この通信システム10−3では、概略以下の処理が行われる。即ち、通信装置50は、複数の認証用画像情報520b(520b−1〜520b−6)を表示する。なお、これらの認証用画像情報520bには、通信装置30が取得すべき順序である基準取得順序が設定されており、認証用画像情報520bには、基準取得順序を示す数字画像情報520c(520c−1〜520c−6)が含まれている。また、通信装置50は、これらの認証用画像情報520bのうち、通信装置30が現在取得すべき認証用画像情報520b(n番目の認証用画像情報520b)をハイライト表示する。
【0090】
通信装置30は、ディスプレイ520に表示された認証用画像情報520bのうち、n番目の認証用画像情報520bを撮影することで、比較用画像情報を取得する。通信装置30は、比較用画像情報をディスプレイ350に表示する。通信装置30は、比較用画像情報の特徴部分を抽出し、特徴部分に関する特徴部分情報を生成する。通信装置30は、特徴部分情報を含む接続要求信号を通信装置40に送信する。
【0091】
通信装置50は、n番目の認証用画像情報から特徴部分を抽出し、n番目の認証用画像情報の特徴部分と比較用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。通信装置50は、これらが一致する場合には、n+1番目の認証用画像情報について、同様の処理を行なう。通信装置50は、全ての認証用画像情報520bの各々が比較用画像情報と一致すると判定した場合には、通信装置30を接続相手として認証し、接続処理を行なう。
【0092】
即ち、通信装置50は、複数の認証用画像情報520bの各々が比較用画像情報に一致すると判定され、かつ、通信装置30が複数の認証用画像情報520bを基準取得順序通りに取得した場合に、通信装置30を通信相手として認証する。
【0093】
[3−2.親機の構成]
次に、親機となる通信装置50の詳細な構成を図15及び図16に基づいて説明する。通信装置50は、本体部51と、認証用情報提示部52と、通信部53と、記憶部54と、制御部55とを備える。
【0094】
本体部51は、通信装置50を構成する各構成要素、例えば通信部53、記憶部54、及び制御部55を内蔵する。認証用情報提示部52は、認証用情報を通信装置30のユーザに提示する。
【0095】
認証用情報提示部52は、ディスプレイ520及びスピーカ521を備える。ディスプレイ520は、複数の認証用画像情報を提示する。このような認証用画像情報としては、例えば、人物等の各種オブジェクトが描かれている画像情報等が考えられる。各認証用画像情報は、画素毎に2次元座標及び色情報(輝度値等)を有する。また、各認証用画像情報には、基準取得順序(1以上の整数)を示す数字画像情報が含まれる。
【0096】
例えば、図15に示す認証用画像情報520bの各々には、数字画像情報として、「1」〜「6」の文字が描かれている。したがって、通信装置30のユーザは、左上の認証用画像情報520b−1から順に認証用画像情報520bを撮影することになる。
【0097】
一方、スピーカ521は、認証用音声情報を提示する。このような認証用音声情報としては、例えば、楽曲等が考えられる。
【0098】
通信部53は、通信装置30との間で無線通信を行なう。通信部53は、通信装置30から送信された信号を受信した場合には、受信した信号に含まれる情報を制御部55に出力する。一方、通信部53は、制御部55から与えられた情報を含む信号を生成し、通信装置30に出力する。
【0099】
記憶部54は、通信装置50が処理を行うために必要な各種の情報、例えば、上述した認証用画像情報、認証用音声情報の他、制御部55が読みだして実行するプログラム等を記憶する。また、記憶部54は、上述した指示情報や、撮影順序カウンタnを記憶する。
【0100】
制御部55は、通信装置50の各構成要素を制御する他、判定部及び認証部としても機能する。即ち、制御部55は、通信部53から特徴部分情報が与えられた場合に、特徴部分情報が示す特徴部分、即ち比較用画像情報の特徴部分と、n番目の認識用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。そして、制御部55は、複数の認証用画像情報の各々が比較用画像情報に一致すると判定され、かつ、通信装置30が複数の認証用画像情報を基準取得順序通りに取得した場合に、通信装置30を通信相手として認証する。なお、比較用情報の特徴部分と、n番目の認識用情報の特徴部分とが一致するかの判定方法は、第1の実施形態と同様である。
【0101】
なお、制御部55は、比較用画像情報とn番目の認証用画像情報とを比較してもよい。この場合にも同様の処理が行われる。制御部55は、認証用音声情報に対しては、第1の実施形態に係る制御部25と同様の処理を行なう。
【0102】
[3−3.通信システムによる処理]
次に、通信システム10−2による認証処理の手順を図17A及び図17Bに沿って説明する。
【0103】
図17Aに示すステップS200において、制御部55は、複数の認証用画像情報を記憶部54から取得し、ディスプレイ520に表示させる。この様子を図15に示す。図15では、通信装置50は、複数の認証用画像情報520bを表示している。
【0104】
ステップS210において、制御部55は、撮影順序カウンタnの値を1にセットする。ステップS220において、制御部55は、n番目の認証用画像情報をディスプレイ520にハイライト表示させる。例えば、図15では、2番目の認証用画像情報520b−2がハイライト表示されている。
【0105】
ステップS230において、制御部55は、n番目の認証用画像情報の取得(撮影)を指示する旨の指示情報(例えば、「表示されている画像のうち、n番目の画像を撮影してください」という文字情報)を記憶部54から取得し、通信部53に出力する。通信部53は、指示情報を含む指示信号を生成し、通信装置30に送信する。
【0106】
一方、図17Bに示すステップS320において、通信装置30の通信部33は、指示信号を受信し、指示信号に含まれる指示情報を制御部37に出力する。
【0107】
ステップS330において、制御部37は、指示情報をディスプレイ350に表示し、スピーカ221から出力する。これにより、通信装置30のユーザは、n番目の認証用画像情報の撮影を要求されていることを認識することができる。
【0108】
一方、制御部37は、カメラ320をアクティブにする。カメラ320は、ユーザによる入力操作に応じて、n番目の認証用画像情報を撮影することで、比較用画像情報を取得する。カメラ320は、取得した比較用画像情報を制御部37に出力する。制御部37は、図15に示すように、比較用画像情報をディスプレイ350に表示させる。図15に示す例では、ディスプレイ350には、比較用画像情報520b−2’が表示される。比較用画像情報520b−2’は、2番目の認証用画像情報520b−2に対応するものである。
【0109】
次いで、ステップS340において、制御部37は、比較用画像情報から特徴部分を抽出する。制御部37は、特徴部分をディスプレイ350に表示させてもよい。
【0110】
ステップS350において、制御部37は、エッジ部分の2次元座標及び色情報に関する特徴部分情報を生成し、通信部33に出力する。通信部33は、特徴部分情報を含む接続要求信号を生成し、通信装置50に送信する。
【0111】
一方、図17Aに示すステップS240において、通信部53は、通信装置30から接続要求信号を受信し、接続要求信号に含まれる特徴部分情報を制御部55に出力する。
【0112】
ステップS250において、制御部55は、特徴部分情報及びn番目の認証用画像情報に基づいて、比較用画像情報の特徴部分とn番目の認証用画像情報の特徴部分とが一致するかを判定する。制御部55は、比較用画像情報の特徴部分とn番目の認証用画像情報の特徴部分の一部とが一致すると判定した場合には、ステップS260に進み、これらが一致しないと判定した場合には、ステップS290に進む。
【0113】
ステップS260において、制御部55は、撮影順序カウンタnの値を1増加させる。ステップS270において、制御部55は、撮影順序カウンタnの値が最大値nmaxを超えたかを判定し、撮影順序カウンタnの値が最大値nmaxを超えたと判定した場合には、ステップS280に進み、撮影順序カウンタnの値が最大値nmax以下であると判定した場合には、ステップS220に戻る。したがって、最大値nmaxが大きいほど、ユーザが撮影する認証用画像情報の数が増えるので、通信のセキュリティが向上する。最大値nmaxは、例えば6となる。
【0114】
ステップS280において、制御部55は、通信装置30を通信相手として認証する。そして、制御部55は、その旨を示す接続許可情報を生成し、通信部53に出力する。通信部53は、接続許可情報を含む接続許可信号を生成し、接続許可信号を通信装置30に送信する。
【0115】
ステップS290において、制御部55は、通信装置30を通信相手として認証しない。即ち、制御部55は、通信装置30との接続を拒否する。そして、制御部55は、その旨を示す接続拒否情報を生成し、通信部53に出力する。通信部53は、接続拒否情報を含む接続拒否信号を生成し、接続拒否信号を通信装置30に送信する。
【0116】
一方、図17Bに示すステップS360において、通信装置30の通信部33は、指示情報、接続許可信号、または接続拒否信号を受信し、これらの信号に含まれる情報を制御部37に出力する。
【0117】
ステップS370において、制御部37は、通信部33から与えられた情報が結果情報、即ち接続許可情報、または接続拒否情報であるかを判定する。制御部37は、通信部33から与えられた情報が結果情報である場合には、ステップS380に進み、通信部33から与えられた情報が指示情報であると判定した場合には、ステップS330にもどる。
【0118】
ステップS380において、制御部37は、通信部33から与えられた情報に基づいて、通信装置50が接続を許可したかを判定する。この結果、制御部37は、通信装置50が接続を許可したと判定した場合には、ステップS390に進み、通信装置50が接続を拒否したと判定した場合には、認証処理を終了する。
【0119】
その後、通信装置50、30は、ステップS300、S310、S390、及びS400において、所定の接続処理を行い、接続状態を確立する。
【0120】
以上により、第3の実施形態に係る通信システム10−3では、通信装置50は、複数の認証用画像情報の各々が比較用画像情報に一致すると判定された場合に、通信装置30を通信相手として認証するので、通信のセキュリティを向上させることができる。
【0121】
特に、通信装置50は、複数の認証用画像情報の各々が比較用画像情報に一致すると判定され、かつ、通信装置30が複数の認証用画像情報を基準取得順序通りに取得した場合に、通信装置30を通信相手として認証するので、通信のセキュリティをさらに向上させることができる。
【0122】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0123】
例えば、上記第2及び第3の実施形態では、認証用画像情報についての処理を説明したが、認証用音声情報に対しても同様の処理を行ってもよい。また、第1〜第3の実施形態を任意に組み合わせてもよい。例えば、第1の実施形態の制御部25に、第2の実施形態の制御部45の機能を持たせてもよい。同様に、第1の実施形態の制御部25に、第3の実施形態の制御部55の機能を持たせてもよい。同様に、第2の実施形態の制御部45に、第3の実施形態の制御部55の機能を持たせてもよい。
【0124】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置。
【0125】
(2)
前記認証用情報は複数存在し、
前記判定部は、複数の認証用情報の各々と、前記比較用情報とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(1)記載の通信装置。
【0126】
(3)
前記複数の認証用情報には、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を取得すべき順序である基準取得順序が設定されており、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定され、かつ、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を前記基準取得順序通りに取得した場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(2)記載の通信装置。
【0127】
(4)
前記判定部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の通信装置。
【0128】
(5)
前記判定部は、前記比較用情報の特徴部分と、前記認証用情報の特徴部分とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の特徴部分と、前記比較用情報の特徴部分とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の通信装置。
【0129】
(6)
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定することと、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証することと、を含む、通信方法。
【0130】
(7)
コンピュータに、
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定する判定機能と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証機能と、を実現させる、プログラム。
【符号の説明】
【0131】
10 通信システム
20、30、40、50 通信装置
25、45、55 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置。
【請求項2】
前記認証用情報は複数存在し、
前記判定部は、複数の認証用情報の各々と、前記比較用情報とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の認証用情報には、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を取得すべき順序である基準取得順序が設定されており、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定され、かつ、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を前記基準取得順序通りに取得した場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記比較用情報の特徴部分と、前記認証用情報の特徴部分とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の特徴部分と、前記比較用情報の特徴部分とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定することと、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証することと、を含む、通信方法。
【請求項7】
コンピュータに、
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定する判定機能と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証機能と、を実現させる、プログラム。
【請求項1】
他の通信装置のユーザに提示される認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された比較用情報とが一致するかを判定する判定部と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証部と、を備える、通信装置。
【請求項2】
前記認証用情報は複数存在し、
前記判定部は、複数の認証用情報の各々と、前記比較用情報とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の認証用情報には、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を取得すべき順序である基準取得順序が設定されており、
前記認証部は、前記複数の認証用情報の各々が前記比較用情報に一致すると判定され、かつ、前記他の通信装置が前記複数の認証用情報を前記基準取得順序通りに取得した場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の一部が前記比較用情報に一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記比較用情報の特徴部分と、前記認証用情報の特徴部分とが一致するかを判定し、
前記認証部は、前記認証用情報の特徴部分と、前記比較用情報の特徴部分とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する、請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定することと、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証することと、を含む、通信方法。
【請求項7】
コンピュータに、
他の通信装置のユーザが認識可能な情報である認証用情報と、前記認証用情報を取得かつ送信可能な前記他の通信装置から送信された情報である比較用情報とが一致するかを判定する判定機能と、
前記認証用情報と前記比較用情報とが一致すると判定された場合に、前記他の通信装置を通信相手として認証する認証機能と、を実現させる、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【公開番号】特開2012−238141(P2012−238141A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106029(P2011−106029)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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