説明

通信装置、通信方法およびプログラム

【課題】複数の通信手段の中から適切な通信手段を選択することが可能な通信装置、通信方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】通信装置は、データ通信を行う複数の通信部と、通信装置の位置を取得する位置取得部と、時刻を取得する時計部と、通信部ごとに、時刻と、位置と、その位置および時刻のときの通信部の通信状態と、を互いに関連付けて記憶する記憶部と、通信予定データの通信要求を受け付けたときに時計部が取得した時刻と位置取得部が取得した位置とに基づいて記憶部内の複数の通信部の通信状態を特定し、その複数の通信部の通信状態に基づいて通信部のいずれかを選択する処理部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法およびプログラムに関し、特には、複数の通信手段を用いて通信を行う通信装置、通信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドサービスが、ビジネスやプライベートの分野で利用されることが一般的になってきている。クラウドサービスは、例えば、企業において計算機処理負荷が既存設備の処理能力を一時的に超過するようなときに利用され、設備投資によるサーバなどの追加に比べ、即時かつ低予算で、既存設備の処理能力の超過分を補うことが可能となる。
【0003】
また、プライベートの分野では、携帯電話機で撮影された写真を共有サイトにアップロードするというクラウドサービスも提供されている。このようなクラウドサービスが利用されるときには通信手段として移動体通信が用いられることが多い。
【0004】
クラウドサービスで使用される移動体通信の環境(以下「モバイル環境」と称する。)においては、携帯電話機を用いた通信システムの転送能力が年々向上している。例えば、実用化が開始されたLTE(Long Term Evolution)規格を用いた通信システムでは、近い将来、100Mbpsを超えるような通信を行うことが可能となる。
【0005】
ただし、モバイル環境に使用される通信システムの転送能力が向上してデータの転送に要する通信時間が短縮されても、モバイル環境として携帯電話通信網が使用される場合には、通信コストが問題となる。
【0006】
データの通信時間を考慮しつつ通信コストを抑えるためには、携帯電話通信網よりも安価な既存の通信システムを用いた通信機能と、携帯電話通信網を用いた通信機能と、を携帯端末に備え、これらの通信機能をユーザが必要に応じて択一的に使用することが望ましい。
【0007】
特許文献1には、複数の通信機能を備え、通信機能ごとにコンテンツの通信時間と通信費を表示する携帯端末が記載されている。特許文献1に記載の携帯端末は、コンテンツが記憶されているコンテンツサーバの位置と、各通信機能の通信費の課金方式および通信速度と、を記憶する記憶装置を備えている。
【0008】
特許文献1に記載の携帯端末は、コンテンツサーバに記憶されているコンテンツが要求されると、記憶装置に記憶された通信速度と課金方式を用いて、コンテンツの通信時間と通信費を通信機能ごとに算出し、その通信時間と通信費を通信機能ごとに表示する。
【0009】
携帯端末では、通信時間と通信費が表示された通信機能の中から、ユーザにて選択された通信機能が実行されてコンテンツサーバと通信が行われる。例えば、ユーザにて通信費の安い通信機能が選択されると、携帯端末は、安い通信コストでコンテンツをダウンロードすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−159150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載の携帯端末は、コンテンツサーバに記憶されているコンテンツが要求されると、記憶装置に記憶された通信速度を用いてコンテンツの通信時間を算出するため、そのコンテンツが要求されるたびに、同じ算出結果を表示することになる。
【0012】
しかしながら、携帯端末にて使用される通信システムでは、一般的に通信システムに送信されるデータ量が時刻によって大きく変動するため、コンテンツの通信時間も時刻によって変わる。
【0013】
このため、コンテンツが要求される時刻によっては、携帯端末に表示される通信時間と、実際にコンテンツを取得するのに要する時間との時間差が大きくなることもあり、この場合にはユーザが選択したい通信機能とは異なる通信機能が選択されてしまう可能性があるという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、複数の通信手段の中から、適切な通信手段を選択することが可能な通信装置、通信方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の通信装置は、データ通信を行う複数の通信手段と、自装置の位置を取得する位置取得手段と、時刻を取得する時刻取得手段と、前記通信手段ごとに、時刻と、位置と、該位置での該時刻のときの該通信手段の通信状態と、を互いに関連付けて記憶する記憶手段と、通信予定データの通信要求を受け付けたときに前記時刻取得手段が取得した時刻と前記位置取得手段が取得した位置とに基づいて前記記憶手段内の前記複数の通信手段の通信状態を特定し、該複数の通信手段の通信状態に基づいて前記通信手段のいずれかを選択する処理手段と、を含む。
【0016】
本発明の通信方法は、データ通信を行う複数の通信手段と、自装置の位置を取得する位置取得手段と、時刻を取得する時刻取得手段と、を有する通信装置の通信方法であって、前記通信手段ごとに、時刻と、位置と、該位置での該時刻のときの該通信手段の通信状態と、を互いに関連付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、通信予定データの通信要求を受け付けたときに前記時刻取得手段が取得した時刻と前記位置取得手段が取得した位置とに基づいて前記記憶手段内の前記複数の通信手段の通信状態を特定し、該複数の通信手段の通信状態に基づいて前記通信手段のいずれかを選択する処理ステップと、を含む。
【0017】
本発明のプログラムは、データ通信を行う複数の通信手段と、自装置の位置を取得する位置取得手段と、時刻を取得する時刻取得手段と、を有する通信装置のコンピュータに、前記通信手段ごとに、時刻と、位置と、該位置での該時刻のときの該通信手段の通信状態と、を互いに関連付けて記憶手段に記憶する記憶手順と、通信予定データの通信要求を受け付けたときに前記時刻取得手段が取得した時刻と前記位置取得手段が取得した位置とに基づいて前記記憶手段内の前記複数の通信手段の通信状態を特定し、該複数の通信手段の通信状態に基づいて前記通信手段のいずれかを選択する処理手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の通信手段の中から、適切な通信手段を選択することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態における携帯情報端末を有する通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】携帯情報端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】位置情報の取得方法を示すフローチャートである。
【図4】通信状態テーブルの記録方法を示すフローチャートである。
【図5】通信リソーステーブルの生成方法を示すフローチャートである。
【図6】通信予定データの割当方法を示すフローチャートである。
【図7】携帯情報端末の他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本実施形態における携帯型情報端末を有する通信システムの構成例を示すブロック図である。
【0022】
通信システム1は、携帯情報端末100と、移動体通信網を構成する通信基地局200と、Wi−Fi(Wireless Fidelity)通信を行うアクセスポイント300と、コアネットワーク400と、ファイルサーバ500と、を備える。
【0023】
携帯情報端末100は、一般的に通信装置と呼ぶことができる。
【0024】
携帯情報端末100は、コンテンツファイルを記憶するファイルサーバ500と通信を行う。携帯情報端末100は、例えば、携帯情報端末100内のコンテンツファイルをファイルサーバ500宛てに送信する。
【0025】
携帯情報端末100は、通信基地局200とアクセスポイント300とのそれぞれの間に通信経路を確立する。携帯情報端末100は、自端末の場所や時刻に応じて通信経路を変更することが可能である。携帯情報端末100は、無線通信または有線通信を用いて通信経路を確立する。
【0026】
例えば、携帯情報端末100は、通信基地局200およびコアネットワーク400を介してファイルサーバ500と通信を行う。または、携帯情報端末100は、アクセスポイント300およびコアネットワーク400を介してファイルサーバ500と通信を行う。
【0027】
なお、携帯情報端末100は、ファイルサーバ500以外の他の端末と通信を行うことも可能である。携帯情報端末100は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム機、タブレットPC(Personal Computer)やノードPCなどで実現される。
【0028】
図2は、携帯情報端末100の構成例を示すブロック図である。
【0029】
携帯情報端末100は、通信部10と、通信部11と、位置取得部12と、処理部13と、記憶部14と、時計部150と、を備える。処理部13は、通信要求処理部170と入力部180とを備える。記憶部14は、通信品質記憶部140と予定データ記憶部160とを備える。
【0030】
通信部10および11のそれぞれは、一般的に通信手段と呼ぶことができる。
【0031】
通信部10および11のそれぞれは、互いに異なる通信機能を有し、その通信機能を実行して外部のネットワークを介してデータ通信を行う。通信部10および11のそれぞれは、例えば、移動体通信、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、非接触通信のいずれか1つの通信方式を用いた通信機能を有する。
【0032】
通信部10は、図1に示した通信基地局200と移動体通信を行う。本実施形態では、通信部10が使用される場合には通信費が発生することとする。通信部10は、通信処理部101と、通信品質取得部102と、アンテナ191と、を備える。
【0033】
通信処理部101は、アンテナ191を介して通信基地局200と通信を確立する。本実施形態では、通信処理部101は、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)を用いて通信基地局200と無線通信を行う。
【0034】
また、通信処理部101は、通信処理部101近傍の通信基地局200と通信を行い、通信基地局200の位置を特定するための基地局情報を受信する。そして通信処理部101は、基地局情報にて特定される位置情報を位置情報取得部130に供給する。
【0035】
例えば、通信処理部101は、通信基地局ごとに、固有の基地局ID(IDentification)と通信基地局の位置を示す位置情報とが互いに対応付けられた対応表を予め保持する。そして通信処理部101は、携帯情報端末100近傍の通信基地局200から、無線基地局200の基地局IDを示す基地局情報を受信すると、その基地局情報の示す基地局IDに対応付けられた位置情報を、対応表を参照して特定し、その位置情報を位置情報取得部130に供給する。
【0036】
複数の通信基地局からそれぞれの基地局情報が受信された場合には通信処理部101は、各基地局情報の示す基地局IDに対応付けられた複数の位置情報を用いて携帯情報端末100の位置を算出してもよい。例えば、通信処理部101は、各基地局情報が示す基地局IDに対応付けられた複数の位置情報の平均値を算出し、その算出された位置情報を位置情報取得部130に供給する。
【0037】
通信品質取得部102は、通信処理部101と通信基地局200との間で確立された通信の品質を示す通信状態情報を取得する。通信状態情報には、例えば、通信の可否を示す接続情報と、利用可能な通信帯域を示す帯域値とが含まれる。
【0038】
例えば、通信品質取得部102は、測定パケットを通信基地局200へ送信し、測定パケットを送信してから、測定パケットのAck(Acknowledgement)パケットを受信するまでの経過時間を測定する。そして通信品質取得部102は、測定された経過時間と測定パケットのデータ量とを用いて、携帯情報端末100と通信基地局200との間の利用可能な通信帯域を通信の品質として算出する。
【0039】
または、通信品質取得部102は、通信基地局200から空きスロットを示すパイロット信号を受信し、そのパイロット信号に示された空きスロットに基づいて通信帯域を算出する。通信品質取得部102は、その通信帯域を含む通信状態情報を取得すると、通信状態情報を通信品質記録部140に記録する。
【0040】
通信部11は、図1に示したアクセスポイント300と無線通信を行う。本実施形態では、通信部11が使用された場合には通信費が発生しないこととする。通信部11は、通信処理部111と、通信品質取得部112と、アンテナ192と、を備える。
【0041】
通信処理部111は、アンテナ192を介してアクセスポイント300と通信を確立する。本実施形態では、通信処理部111は、アクセスポイント300とWi−Fi通信を行う。
【0042】
また、通信処理部111は、通信処理部111近傍のアクセスポイント300と通信を行い、アクセスポイント300の位置を特定するためのAP情報を受信する。そして通信処理部101は、AP情報にて特定される位置情報を位置情報取得部130に供給する。
【0043】
例えば、通信処理部111は、アクセスポイントごとに、固有の端末識別子SSID(Service Set Identifier)とアクセスポイントの位置を示す位置情報とが互いに対応付けられた対応テーブルを予め保持する。そして通信処理部111は、通信可能なアクセスポイント300から、アクセスポイント300の端末識別子SSIDを示すAP情報を受信すると、そのAP情報の示す端末識別子SSIDに対応付けられた位置情報を、対応テーブルを参照して特定し、その位置情報を位置情報取得部130に供給する。なお、対応テーブルは、例えば、インターネット通じてダウンロードされる。
【0044】
通信品質取得部112は、通信処理部111とアクセスポイント300との間で確立された通信の品質を示す通信状態情報を取得する。
【0045】
例えば、通信品質取得部112は、測定パケットを通信基地局200へ送信し、測定パケットを送信してから、測定パケットのAckパケットを受信するまでの経過時間を測定する。そして通信品質取得部112は、通信の品質として、測定された経過時間と測定パケットのデータ量とを用いて、携帯情報端末100とアクセスポイント300との間の利用可能な通信帯域を算出する。通信品質取得部112は、その通信帯域を含む通信状態情報を取得すると、その通信状態情報を通信品質記録部140に記録する。
【0046】
時計部150は、一般的に時刻取得手段と呼ぶことができる。
【0047】
時計部150は、時刻を計測し、その時刻を示す時刻情報を取得する。時刻部150は、その時刻情報を位置情報取得部130に出力する。本実施形態では、時刻情報に示される時刻は、1日単位の時間として用いられる。
【0048】
位置取得部12は、一般的に位置取得手段と呼ぶことができる。
【0049】
位置取得部12は、予め定められた取得時間ごとに、携帯情報端末100の位置を特定する位置情報を取得する。位置取得部12は、その位置情報を通信品質記憶部140に供給する。位置取得部12は、GPS(Global Positioning System)部120と、位置情報取得部130と、を備える。
【0050】
GPS部120は、GPSを用いて携帯情報端末100の位置を示す位置情報を取得する。GPS部120は、その位置情報を位置情報取得部130に供給する。
【0051】
位置情報取得部130は、時計部150から時刻情報を受け付け、通信処理部101、通信処理部111またはGPS部120から位置情報を受け付ける。位置情報取得部130は、位置情報および時刻情報を通信要求処理部170に供給する。また、位置情報取得部130は、位置情報を受け付けると、その位置情報を受け付けたときの時刻情報と位置情報とを通信品質記憶部140に記録する。
【0052】
記録部14は、一般的に記憶手段と呼ぶことができる。
【0053】
記憶部14は、通信部10および11のそれぞれについて、時刻ごとに、通信部の位置を示す位置情報と、その位置情報の示す位置での通信部の通信状態を示す通信状態情報と、を互いに関連付けて通信状態テーブルとして記憶する。なお、記憶部14は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。また、記憶部14は、通信部10および11の通信料金に関する料金情報を保持する。例えば、通信部10の料金情報には、通信費が発生する旨が示され、通信部11の料金情報には、通信費が発生しない旨が示される。
【0054】
通信品質記憶部140には、通信部10の通信状態テーブルと通信部11の通信状態テーブルとを記憶する。なお、本実施形態では、携帯情報端末100が、通信品質部102および112と位置情報取得部130とを用いて通信状態テーブルを生成する例について説明したが、外部のサーバから通信状態テーブルを受信し、その通信状態テーブルを通信品質記憶部140に記憶してもよい。
【0055】
予定データ記憶部160は、一般的に予定記憶手段と呼ぶことができる。
【0056】
予定データ記憶部160は、ユーザの行動予定ごとに、予定時間と、予定場所、すなわち携帯情報端末100の予定位置と、を互いに関連付けて予定表として記憶する。予定表には、例えば、時刻ごとに、行動予定の内容と、予定時間(予定の開始時刻および終了時刻)と、予定場所と、が示されている。
【0057】
また、予定データ記憶部160は、予定表に基づいて生成される通信リソーステーブルを記憶する。通信リソーステーブルには、時刻ごとに、例えば、予定表に含まれる行動予定の予定位置と、通信部10の通信リソースとして示される通信可能なデータ量と、通信部20の通信リソースとして示される通信可能なデータ量と、が互いに対応付けられている。
【0058】
処理部13は、一般的に処理手段と呼ぶことができる。
【0059】
処理部13は、通信予定データの通信要求を受け付けると、時計部150から出力された時刻情報と、位置取得部12から供給された位置情報とに基づいて通信品質記憶部140内の通信部10および11の通信状態情報を特定する。処理部13は、その特定された通信部10および11の通信状態情報に基づいて通信部10および11のいずれかを選択する。
【0060】
例えば、処理部13は、通信予定データの通信要求を受け付けると、時計部150から出力された時刻情報と、位置取得部12にて取得された位置情報とに関連付けられた通信部10および通信部11の通信状態情報を記憶部14からそれぞれ読み出し、その通信部10および11の通信状態情報に基づいて通信予定データの通信時間をそれぞれ算出する。そして処理部13は、通信部10および11のうち、例えば、通信時間の短い通信部を選択する。
【0061】
また、処理部13は、通信要求を受け付けると、位置取得部12から時刻情報を受け付け、予定データ記憶部160内の予定表を参照して、その時刻情報に示された時刻以降の予定位置を特定し、その予定位置と時刻情報の示す時刻とに基づいて通信品質記憶部140から通信部10および11の通信状態情報をそれぞれ取得し、通信部10および11の通信状態情報を用いて通信部10または11のいずれかを選択する。
【0062】
入力部180は、ユーザ操作にて入力されたデータを受け付ける。入力部180は、ユーザの行動予定を示す行動予定データを受け付けると、その行動予定データを予定データ記憶部160内の予定表に登録する。このため、予定表には、行動予定データに示された、予定の内容と予定時間と予定場所とが追加される。
【0063】
また、入力部180は、ダウンロードまたはアップロードの対象となる通信予定データを示す通信要求を受け付ける。また、入力部180は、その通信予定データの通信コスト要件および納期要件を通信要求として受け付ける。通信コスト要件には、通信費がかかることを許容するか否かが示されている。納期要件には、通信予定データの通信完了期限または通信時間が示されている。入力部180は、ユーザ操作にて入力された通信要求と通信コスト要件と納期要件とを受け付け、その通信要求と通信コスト要件と納期要件とを通信要求処理部170にそれぞれ供給する。
【0064】
通信要求処理部170は、予定データ記憶部160内の予定表に示される各時刻における携帯情報端末100の予定位置を参照し、予定位置ごとに、通信品質記憶部140内の通信部10および11の通信状態情報の示す通信帯域に基づいて、通信可能なデータ量をそれぞれ算出する。通信要求処理部170は、各時刻における予定位置ごとに算出された通信部10および11の通信可能なデータ量をそれぞれ示す通信リソーステーブルを生成し、その通信リソーステーブルを予定データ記憶部160に記録する。
【0065】
また、通信要求処理部170は、入力部180から、通信要求と通信コスト要件と納期要件とを受け付けると、予定データ記憶部160内の通信リソーステーブルを参照し、通信要求に示された通信予定データを、通信コスト要件と納期要件に基づいて通信部10および11のずれかに割り当てる。
【0066】
例えば、通信費の発生を許容する旨の通信コスト要件と、9時から10時までの通信時間を示す納期要件とを受け付けた場合に通信要求処理部170は、予定データ記憶部160内の通信リソーステーブルを参照して、納期要件の示す通信時間内の通信部10および11のそれぞれの利用可能なデータ量を特定する。このとき、通信部11の通信時間内の利用可能なデータ量が、通信要求に示された通信予定データのデータ量よりも小さく、かつ、通信部10の通信時間内の利用可能なデータ量が、通信予定データのデータ量よりも大きい場合には通信要求処理部170は、通信部10に通信予定データを割り当てる。
【0067】
あるいは、通信費の発生を許容しない旨の通信コスト要件のみを受け付けたときに通信要求処理部170は、記憶部14内の料金情報を参照し、通信費が発生しない通信部11に通信予定データを割り当てる。
【0068】
通信要求処理部170は、通信要求ごとに割り当てられた通信予定データを通信リソーステーブルに記録する。このため、通信リソーステーブルに示される通信可能なデータ量には、既に割り当てられた通信予定データのデータ量と、利用可能なデータ量とが示されている。
【0069】
また、通信要求処理部170は、予定データ記憶部160に記憶された通信リソーステーブルを参照し、位置情報取得部130からの時刻情報が、通信予定データの通信時刻を示す場合には、その通信予定データの通信要求を受け付け、その通信予定データが割り当てられた通信部10または20に通信予定データの通信を指示する。
【0070】
なお、携帯情報端末100は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、コンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)のような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行することで、通信部10、通信部11、位置取得部12、処理部13、記憶部14および時計部150として機能する。記録媒体は、CD−ROMに限らず適宜変更可能である。
【0071】
次に携帯情報端末100の動作について説明する。
【0072】
図3は、位置情報取得部130が行う位置情報の取得方法を示すフローチャートである。
【0073】
まず、位置情報取得部130は、GPS部120が利用可能であるか否かを判断するために、GPS部120から位置情報の取得を行う(ステップS301)。GPS部120が利用可能である場合には位置情報取得部130は、GPS部120から位置情報を取得する(ステップS302)。
【0074】
一方、GPS部120が利用できない場合には位置情報取得部130は、通信処理部101が利用可能であるか否かを判断するために、通信処理部101から位置情報の取得を行う(ステップS303)。通信処理部101の位置情報が利用可能である状況では通信処理部101は、携帯情報端末100近傍の通信基地局から位置情報を受信し、その位置情報を位置情報取得部130に供給する。
【0075】
通信処理部101の位置情報が利用可能である場合には位置情報取得部130は、通信処理部101から位置情報を取得して(ステップS304)、位置情報の取得方法を終了する。
【0076】
一方、通信処理部101の位置情報が利用できない場合には位置情報取得部130は、通信処理部111が利用可能であるか否かを判断するために、通信処理部111から位置情報の取得を行う(ステップS305)。通信処理部111の位置情報が利用可能である状況では通信処理部111は、携帯情報端末100近傍のアクセスポイントからSSIDを受信し、そのSSIDにて特定される位置情報を位置情報取得部130に供給する。
【0077】
通信処理部111の位置情報が利用可能である場合には位置情報取得部130は、通信処理部111から位置情報を取得して(ステップS306)、位置情報の取得方法を終了する。一方、通信処理部111の位置情報が利用できない場合には位置情報取得部130は、予定データ記憶部160に記憶された予定表を参照し、時計部150からの時刻情報が示す時刻に対応付けられた予定位置を検索する(ステップS307)。
【0078】
位置情報取得部130は、予定データ記憶部160内の予定表に対応付けられた予定位置を検出した場合には、その予定位置を示す位置情報を取得して(ステップS308)、位置情報の取得方法を終了する。一方、位置情報取得部130は、予定表に対応付けられた予定位置がない場合にも位置情報の取得方法を終了する。
【0079】
なお、ステップS301、S303、S305、S307の手順は変更してもよく、また、ステップS301、S303、S305、S307の処理のうちいずれかの処理を省略してもよい。
【0080】
図4は、通信状態テーブルの記録方法を示すフローチャートである。
【0081】
まず、位置取得部12は、通信処理部101、通信処理部111またはGPS部120から位置情報を取得し(ステップS401)、その位置情報を取得したときの時計部150からの時刻情報と位置情報とを互いに関連付けて通信品質記憶部140に記録する。
【0082】
位置取得部12にて時刻情報が通信品質記憶部140に記録されると、通信品質取得部102および112のそれぞれは、通信部の通信状態情報を取得し(ステップS402)、それぞれの通信状態情報を、位置取得部12にて記録された時刻情報と関連付けて通信品質記憶部140に記録する。
【0083】
よって、通信品質記憶部140に記憶された通信状態テーブルには、時刻情報と、位置情報と、通信部10の通信状態情報と、通信部11の通信状態情報と、が互いに関連付けられたレコード情報が追加される(ステップS403)。
【0084】
なお、通信品質記憶部140では、通信状態テーブルに追加されるレコード情報の数が、通信状態テーブルの上限値を超えた場合、レコード情報のうち最も古いレコード情報に新たなレコード情報が上書きされる。ただし、通信状態テーブルに含まれるレコード情報のうち、同一の時刻情報または同一の位置情報を有するレコード情報が存在する場合には、そのレコード情報に新たなレコード情報が上書きされてもよい。
【0085】
あるいは、通信品質記憶部140では、通信状態テーブルのレコード情報ごとに、レコード情報の参照回数の値を示す参照回数フィールドが設けられ、参照回数フィールドに示された値が最小のレコード情報に新たなレコード情報が上書きされてもよい。この場合、通信要求処理部170は、レコード情報を参照するたびに、そのレコード情報の参照回数フィールドに示された値をカウントアップし、そのカウントアップした値を参照回数フィールドに上書きする。
【0086】
図5は、処理部13が行う通信リソーステーブルの生成方法を示すフローチャートである。
【0087】
まず、入力部180は、ユーザ操作にて入力された入力データを受け付ける(ステップS501)。入力部180は、その入力データが、予定表にユーザの行動予定を追加するための予定データであるか否かを判断する(ステップS502)。
【0088】
入力データが予定データである場合には入力部180は、予定データ記憶部160内の予定表に予定データを追加する。入力部180が予定表に予定データを追加すると、通信要求処理部170は、通信品質記憶部140内の通信状態テーブルを参照し、予定表に追加された予定データの示す予定時間と予定位置とに基づいて通信部10および11の通信状態情報を取得する(ステップS503)。
【0089】
例えば、通信要求処理部170は、通信品質記憶部140内の通信状態テーブルに示された時刻情報のうち、予定データに示された予定時間内の時刻を示す時刻情報を有するレコード情報を抽出する。通信要求処理部170は、その抽出されたレコード情報のうち、予定データに示された予定位置近傍の位置情報を有するレコード情報を特定し、そのレコード情報に示された通信部10および11の通信状態情報をそれぞれ取得する。
【0090】
通信要求処理部170は、通信品質記憶部140から、通信部10および11の通信状態情報をそれぞれ取得すると、通信部10および11の通信状態情報に示された通信帯域に基づいて通信可能なデータ量をそれぞれ算出する。通信要求処理部170は、その通信部10および11のそれぞれの通信可能なデータ量を通信リソーステーブルに追加する(ステップS504)。
【0091】
また、ステップS502において、入力データが予定データでない場合には、入力部180は、入力データが、予定データの削除を指示する予定削除データであるか否かを判断する(ステップS505)。予定削除データには、予定表に含まれているユーザの行動予定のうち、削除対象となる行動予定が示されている。
【0092】
入力データが予定削除データである場合には入力部180は、予定データ記憶部160内の予定表に含まれる行動予定のうち、予定削除データに示された行動予定を削除する。入力部180が行動予定を削除すると、通信要求処理部170は、予定データ記憶部160内の通信リソーステーブルを参照し、削除された行動予定の予定時間内の通信可能なデータ量を、利用できなくなったデータ量として特定する(ステップS506)。
【0093】
通信要求処理部170は、既に割り当てられた通信予定データのデータ量が、利用できなくなったデータ量に含まれている場合には、利用できなくなったデータ量に含まれる通信予定データを抽出する(ステップS507)。そして通信要求処理部170は、通信リソーステーブル内の利用可能なデータ量を参照し、抽出された通信予定データを通信リソーステーブルに再度割り当てる(ステップS508)。
【0094】
図6は、通信要求処理部170が行う通信予定データの割当方法を示すフローチャートである。
【0095】
まず、通信要求処理部170は、入力部180から通信予定データの通信要求として通信コスト要件と、通信予定データの通信時間を示す納期要件とを受け付ける(ステップS601)。
【0096】
そして通信要求処理部170は、その通信コスト要件に従って通信部10または11を選択する(ステップS602)。例えば、通信要求処理部170は、通信費の発生を許容しない旨の通信コスト要件を受け付けると通信部11を選択する。
【0097】
その後、通信要求処理部170は、予定データ記憶部160内の通信リソーステーブルに示された利用可能なデータ量のうち、納期要件に示された通信時間内の利用可能なデータ量を検索する(ステップS603)。
【0098】
通信要求処理部170は、納期要件に示された通信時間内の利用可能なデータ量を検出すると、通信要求にて特定される通信予定データのデータ量を通信リソーステーブルに割り当てる(ステップS604)。
【0099】
よって、本実施形態では、携帯情報端末100は、通信コスト要件に従って通信部10および11の中から、通信コストが最小となる通信部を選択することが可能となる。
【0100】
また、携帯情報端末100は、予定データ記憶部160内の予定表に基づいて通信部10および11ごとに各時刻の通信可能なデータ量を通信リソースとして示す通信リソーステーブルを生成する。そして携帯情報端末100は、通信予定データの通信要求を受け付けると、通信リソーステーブルを参照し、通信要求にて特定される通信予定データのデータ量よりも大きな通信リソースを有する通信部に通信予定データを割り当てる。
【0101】
よって、携帯情報端末100は、通信要求ごとに、通信要求にて特定される通信予定データのデータ量を転送可能な通信部10または11に、その通信予定データを割り当てることが可能となり、通信部の通信リソース不足に起因するデータの再送を繰り返すことを回避することが可能となる。
【0102】
また、携帯情報端末100は、通信リソーステーブルを表示することも可能である。例えば、携帯情報端末100は、通信予定データの通信要求を受け付けたときに、その通信予定データが通信部10または11に割り当てられた通信リソーステーブルを表示する。この場合には、ユーザは、通信要求ごとに通信リソーステーブルに割り当てられた通信予定データの通信完了時刻を予め確認することができる。よって、ユーザは、ユーザの要求する通信完了時刻までに通信予定データの転送が完了するか否かを知ることができる。
【0103】
なお、本実施形態では、携帯情報端末100に2つの通信部10および11を設ける例にいて説明したが、互いに異なる通信機能を有する通信部が3つ以上設けられても良い。
【0104】
次に、本実施形態の他の構成例について以下に説明する。
【0105】
図7は、携帯情報端末100の他の構成例を示すブロック図である。
【0106】
携帯情報端末100は、図2に示した、通信部10と通信部11と位置取得部12と処理部13と記憶部14と時計部150を備える。これらは、図2で説明した構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0107】
本実施形態によれば、携帯情報端末100は、データ通信を行う通信部10および11を備え、通信部10および11のそれぞれは、互いに異なる通信機能を有する。例えば、通信部10は、移動体通信を用いてデータ通信を行う通信機能を有し、通信部11は、無線LANを用いてデータ通信を行う通信機能を有する。
【0108】
さらに携帯情報端末100は、自装置の位置を取得する位置取得部12と、処理部13と、記憶部14と、時計部150とを含み、記憶部14には、通信部10および11ごとに、位置と、時刻と、その位置および時刻のときの通信部の通信状態と、が互いに関連付けられて記憶部14に記憶される。
【0109】
処理部13は、通信予定データの通信要求を受け付けると、時計部150が取得した通信時刻と、位置取得部12が取得した現在位置とに基づいて、記憶部14内の通信部10および11の通信状態をそれぞれ特定する。処理部13は、その通信部10および11の通信状態にて特定される通信リソースごとに、通信リソースと、通信要求にて特定される通信予定データとを比較して、通信部10および11のいずれかを選択する。
【0110】
例えば、処理部13は、通信要求を受け付けると、時計部150が取得した通信時刻に基づいて記憶部14から通信部10および11の通信状態を読み出し、その通信部10および11の通信状態を元に通信リソースとして通信可能なデータ量をそれぞれ算出する。そして処理部13は、通信部10および11の通信可能なデータ量と、通信予定データのデータ量とを比較して、通信部10および11のいずれかを選択する。
【0111】
このため、通信予定データの通信時刻によって通信部10および11の通信可能なデータ量が大きく変わるような場合にも携帯情報端末100は、記憶部14に記憶された時系列の通信部10および11の通信状態を参照することで、通信部10および11の中から、適切な通信部を選択することが可能となる。
【0112】
また、処理部13は、通信要求を受け付けると、位置取得部12が取得した現在位置に基づいて記憶部14から通信部10および11の通信状態を読み出し、その通信部10および11の通信状態を元に通信可能なデータ量をそれぞれ算出する。そして処理部13は、通信部10および11の通信可能なデータ量と、通信要求の示す通信予定データのデータ量とを比較して通信部10および11のいずれかを選択する。
【0113】
このため、通信予定データの通信場所によって通信部10および11の通信可能なデータ量が大きく変わる場合にも携帯情報端末100は、通信部10および11の各地点での通信状態を記憶した記憶部14を参照することで、通信部10および11の中から適切な通信部を選択することが可能となる。
【0114】
したがって、携帯情報端末100は、記憶部14に記憶された通信部10および11ごとの位置と時間と通信状態との関係に応じて、通信部10および11の中から適切な通信部を選択することが可能となる。
【0115】
また、本実施形態では、携帯情報端末100は、ユーザの行動予定ごとに、予定時間と予定位置とを互いに関連付けて記憶する予定データ記憶部160と、GPSを用いて通信部10の位置を取得するGPS部120を含み、処理部13は、通信要求を受け付けたときにGPS部120にて携帯情報端末100の位置が取得されない場合には、時計部150が取得した時刻に基づいて予定データ記憶部160に記憶された予定位置を特定する。処理部13は、その予定位置と、時計部150が取得した時刻とに基づいて記憶部14に記憶された通信部10および11の通信状態を特定し、その通信情報にて特定される通信可能なデータ量に基づいて通信部10および11のいずれかを選択する。
【0116】
このため、携帯情報端末100は、ユーザの行動予定として予定データ記憶部160に記憶された予定位置と予定時間とに基づいて、通信部10および11の中から最適な通信部を選択することが可能となる。
【0117】
また、本実施形態では、通信部11は、携帯情報端末100近傍の通信端末300の位置を特定するための端末識別子SSIDを受信する。処理部13は、通信要求を受け付けたときに位置取得部12にて携帯情報端末100の位置が取得されない場合には、位置取得部13が取得した位置として、通信部11が受信した端末識別子SSIDにて特定される位置を用いる。
【0118】
このため、通信要求を受け付けたときに位置取得部12にて携帯情報端末100の位置が取得されない場合にも、携帯情報端末100は、通信部11が受信した端末識別子SSIDにて特定された位置と、時計部150が取得した時刻とに基づいて、端末記憶部14に記憶された通信部10および11の通信情報を特定することができる。
【0119】
また、本実施形態では、携帯情報端末100は、外部の装置から、通信部10および11ごとに、通信部の位置と時刻と通信状態とが互いに関連付けられた通信状態テーブルを受信し、その通信状態テーブルが記憶部14に記憶されてもよい。この場合、携帯情報端末100は、通信状態テーブルを生成する必要がないため、通信状態テーブルが記憶されてから直ぐに最適な通信部を選択することが可能となる。
【0120】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0121】
1 通信システム
100 携帯情報端末
10、11 通信部
101、111 通信処理部
102、112 通信品質取得部
12 位置取得部
120 GPS部
130 位置情報取得部
13 処理部
170 通信要求処理部
180 入力部
14 記憶部
140 通信品質記憶部
160 予定データ記憶部
150 時計部
200 通信基地局
300 アクセスポイント
400 コアネットワーク
500 ファイルサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信を行う複数の通信手段と、
自装置の位置を取得する位置取得手段と、
時刻を取得する時刻取得手段と、
前記通信手段ごとに、時刻と、位置と、該位置での該時刻のときの該通信手段の通信状態と、を互いに関連付けて記憶する記憶手段と、
通信予定データの通信要求を受け付けたときに前記時刻取得手段が取得した時刻と前記位置取得手段が取得した位置とに基づいて前記記憶手段内の前記複数の通信手段の通信状態を特定し、該複数の通信手段の通信状態に基づいて前記通信手段のいずれかを選択する処理手段と、を含む通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記通信手段のそれぞれは、互いに異なる通信機能を有する、通信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信装置において、
前記記憶手段は、ユーザの行動予定ごとに、予定時間と予定位置とを互いに関連付けて記憶する予定記憶手段を含み、
前記処理手段は、前記通信要求を受け付けたときに前記位置取得手段にて自装置の位置が取得されない場合には、前記時刻取得手段が取得した時刻に基づいて前記予定記憶手段に記憶された予定位置を特定し、該予定位置を前記位置取得手段が取得した位置として用いる、通信装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記通信手段は、自装置近傍の通信端末の位置を特定するための端末識別子を受信し、
前記処理手段は、前記通信要求を受け付けたときに前記位置取得手段にて自装置の位置が取得されない場合には、前記通信手段が受信した端末識別子にて特定される位置を、前記位置取得手段が取得した位置として用いる、通信装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記通信装置は、外部の装置から、時刻と位置と該位置での該時刻のときの前記通信手段の通信状態とが互いに前記通信手段ごとに関連付けられた通信状態テーブルを受信し、
前記記憶手段は、前記通信状態テーブルを記憶する、通信装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記処理手段は、前記通信要求を受け付けたときに前記時刻取得手段が取得した時刻と前記位置取得手段が取得した位置とに基づいて前記記憶手段内の前記複数の通信手段の通信状態を特定し、該複数の通信手段の通信状態にて特定される通信リソースと、前記通信要求にて特定される通信予定データとに基づいて前記通信手段のいずれかを選択する、通信装置。
【請求項7】
データ通信を行う複数の通信手段と、自装置の位置を取得する位置取得手段と、時刻を取得する時刻取得手段と、を有する通信装置の通信方法であって、
前記通信手段ごとに、時刻と、位置と、該位置での該時刻のときの該通信手段の通信状態と、を互いに関連付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
通信予定データの通信要求を受け付けたときに前記時刻取得手段が取得した時刻と前記位置取得手段が取得した位置とに基づいて前記記憶手段内の前記複数の通信手段の通信状態を特定し、該複数の通信手段の通信状態に基づいて前記通信手段のいずれかを選択する処理ステップと、を含む通信方法。
【請求項8】
請求項7に記載の通信方法において、
前記記憶ステップは、ユーザの行動予定ごとに、予定時間と予定位置とを互いに関連付けて予定記憶手段に記憶する予定記憶ステップを含み、
前記処理ステップは、前記通信要求を受け付けたときに前記位置取得手段にて自装置の位置が取得されない場合には、前記時刻取得手段が取得した時刻に基づいて前記予定記憶手段に記憶された予定位置を特定し、該予定位置を前記位置取得手段が取得した位置として用いる、通信方法。
【請求項9】
データ通信を行う複数の通信手段と、自装置の位置を取得する位置取得手段と、時刻を取得する時刻取得手段と、を有する通信装置のコンピュータに、
前記通信手段ごとに、時刻と、位置と、該位置での該時刻のときの該通信手段の通信状態と、を互いに関連付けて記憶手段に記憶する記憶手順と、
通信予定データの通信要求を受け付けたときに前記時刻取得手段が取得した時刻と前記位置取得手段が取得した位置とに基づいて前記記憶手段内の前記複数の通信手段の通信状態を特定し、該複数の通信手段の通信状態に基づいて前記通信手段のいずれかを選択する処理手順と、を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−21602(P2013−21602A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154866(P2011−154866)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】