説明

通信装置、通信装置の制御方法、プログラム

【課題】 一般的に、ワンタッチキーはボタン押下による送信宛先指定、再ボタン押下による送信宛先解除が可能という操作性を持つ。この操作性を維持しつつ、クライアント側の通信装置がサーバ側の通信装置のワンタッチキーを使用することはできなかった。
【解決手段】 サーバ側の通信装置でリモートワンタッチキーの削除や追加が行われる可能性があるため、クライアント側の通信装置は、その都度サーバと通信しリモートワンタッチキーの更新を行う。ただし、送信宛先の指定のために選択したリモートワンタッチキーは、送信宛先の選択の解除のためにも使われる可能性がある。よって、クライアント側の通信装置は、リモートワンタッチキーを送信宛先指定のために選択している間は、リモートワンタッチキーの更新を行わない。これによりワンタッチキーの操作性を維持しつつ、サーバ側の通信装置によるワンタッチキーの使用することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作画面上に表示されたワンタッチキーを操作することによって選択された送信宛先へデータを送信する通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタル複合機では、スキャンした文書を電子化して送信することが一般的に行われている。このようなデジタル複合機では、文書の送信を行う際の送信宛先をアドレス帳に登録しておき、そのアドレス帳から送信宛先を指定することが可能である。
【0003】
また、従来のデジタル複合機では、頻繁に文書の送信がされる送信宛先の場合には、その送信宛先を、良く使う宛先として、ワンタッチキーと呼ばれる操作パネル上のボタンに割り当てておくことが可能である。ワンタッチキーを使えば、操作者は、デジタル複合機の操作パネルに表示されたワンタッチキーのキー押下だけで所望の送信宛先を指定することができる。
【0004】
ワンタッチキーを押下して送信宛先を指定する場合、ユーザがワンタッチキーを1回押下するとそのワンタッチキーは選択状態となる。すなわち、ワンタッチキーの送信宛先が文書の送信先として設定されている状態となる。そして選択状態のワンタッチキーは、非選択状態のワンタッチキーとは異なる表示形態(例えば色を変えたりする等)で表示される。更に、選択状態のワンタッチキーを再度押下すると、選択状態のワンタッチキーは非選択状態となり元の形態に戻る。すなわち、そのワンタッチキーの送信宛先が文書の送信先として設定されていない状態となる。このように、ワンタッチキーは、ボタン押下の度に選択状態と非選択状態とが切り替わるとともに表示形態も切り替わるため、送信宛先の設定や設定解除を簡単かつユーザにとって分かり易く行うことができるという特徴がある。
【0005】
ところで、ネットワークに接続された2台のデジタル複合機を機能面からサーバとクライアントに位置付け、サーバとして機能する複合機が公開しているアドレス帳を、クライアントとして機能する複合機が取得する技術が知られている(特許文献1を参照)。
【0006】
この種の技術により、クライアントとして機能する複合機は、サーバとして機能する複合機から取得したアドレス帳を利用して、文書を送信する際にそのアドレス帳から送信宛先を指定することが可能である。そのため特許文献1によれば、自装置のアドレス帳等に登録されている宛先情報だけでなく他装置のアドレス帳に登録されている宛先情報をも文書の送信先として指定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−233213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のクライアント側の装置では、サーバ側の装置から取得した宛先情報に選択状態(すなわち文書の送信先として設定されている状態)又は非選択状態(すなわち文書の送信先として設定されていない状態)を関連づけて管理していなかった。
そのため、ユーザからしてみると、サーバ側の装置から取得した送信宛先が文書の送信先として設定されている状態である否かを容易に認識することができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みて、ネットワーク上の他の装置から取得した送信宛先を文書の送信宛先として利用する通信装置において、取得した送信宛先が文書の送信先として設定されているか否かを容易に識別可能な通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑みて、本発明における通信装置は、ネットワークを介して他の通信装置と通信する通信装置であって、前記他の通信装置から宛先情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された宛先情報を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを示す情報と関連づけて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている宛先情報に対応する項目を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを識別できる表示形態で表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、サーバ側の装置から取得した送信宛先が文書の送信先として設定されている状態である否かを容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】複数台の複合機がネットワークに接続されたネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】複合機101、102のハードウェア構成を示す図である。
【図3】複合機101においてスキャンした文書を送信するための送信画面の一例を示す図である。
【図4】送信画面でワンタッチ画面ボタンを押下した際に表示されるローカルワンタッチ画面を示す図である。
【図5】ローカルワンタッチ画面でリモートワンタッチ画面ボタンを押下した際に表示されるリモートワンタッチ画面を示す図である。
【図6】複合機101のRAM112に記憶されているワンタッチキーデータを模式的に表した図である。
【図7】リモートワンタッチ画面501を表示する際に、複合機101によって実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、複数台の複合機がネットワークに接続されたネットワークシステムの構成の一例を示しており、複合機101と複合機102とがネットワーク100で接続されている。
【0014】
本実施形態における複合機101は、紙文書を光学的に読み取って電子データに変換し任意の送信宛先に対して電子メールとして電子メールサーバを介して送信したり、ファイル共有サーバのフォルダに送信したりすることが可能な送信機能を有している。
【0015】
また複合機101は、電子データを送信するにあたり、自装置のHDD113に保存されているアドレス帳のデータや後述のワンタッチキーを用いて文書(電子データ)の送信を行うことが可能である。更に本実施形態における複合機101は、ネットワーク100経由で、サーバ機能を持つ複合機102に登録されているアドレス帳やワンタッチキーのデータを参照して文書の送信に利用することが可能である。すなわち、複合機101は複合機102のアドレス帳やワンタッチキーを利用するクライアントとして機能する。
【0016】
一方、複合機102は、複合機101や他のネットワーク機器に対して、HDD113(図2)に登録されているアドレス帳をネットワーク100経由で公開することが可能である。すなわち複合機102はアドレス管理サーバとして機能する。
【0017】
複合機101、複合機102は、上記機能以外にも、紙文書をコピーするコピー機能等を有しているが、ここでは説明を省略する。
【0018】
尚、本実施形態における複合機は、通信装置の一例として挙げたものであり、本実施形態は複合機以外の通信装置、例えばスキャナやファクス、複写機、プリンタ等に適用してもよいし、またパーソナルコンピュータやモバイル端末などにも適用してもよい。
【0019】
図2は、図1に示す複合機101及び複合機102のハードウェア構成を示す図である。111は複合機101を制御するCPU、112はCPU111のワークエリアを提供するRAMである。113は後述するワンタッチキーデータ等のさまざまな設定を記憶するHDDである。119は本実施形態で説明する各処理を実行するプログラムを記憶するROMである。また115はユーザ(使用者、設置者含む)がコマンドの入力を行うユーザコマンド入力装置、116は画面表示を行うUI表示装置である。また117は他機器とネットワークによる通信を行うネットワークインタフェース、118はメインバスである。更に複合機101は、原稿を光学的に読み取って画像データに変換する読取装置120や、画像データを印刷する印刷装置204を有している。
【0020】
尚、本実施例は特に断らない限り、複合機101、複合機102では、CPU111がメインバス118を介してRAM112、HDD113、ユーザコマンド入力装置115、UI表示装置116、ネットワークインタフェース117を制御して実施する。
【0021】
図3は、複合機101においてスキャンした生成した文書(電子データ)を送信するための送信画面301を示す図である。図3の送信画面301は、図2のUI表示装置116に表示されるものである。
【0022】
UI表示装置116は、本実施形態では図示していないが、アドレス帳画面ボタン303が押下されると、複合機101自身のHDD113に保存されているアドレス帳、あるいはサーバとして機能する複合機102に登録されているアドレス帳を表示する。そして、表示したアドレス帳からユーザにより選択された送信宛先を、文書の送信宛先として選択宛先表示領域302に設定することが可能である。
【0023】
一方、UI表示装置116は、ワンタッチ画面ボタン304がユーザにより押下されると、図4や図5のようなワンタッチ画面を表示する。そして、表示したワンタッチ画面上でユーザによりワンタッチキーが押下されると、そのワンタッチキーに対応づけて記憶されている送信宛先を、文書の送信宛先として選択宛先表示領域302に設定する。
【0024】
また、ユーザにより選択され、選択宛先表示領域302に設定された送信宛先は、宛先解除ボタン306を押下されることにより送信宛先の選択の解除が可能である。
【0025】
もし複数の送信宛先が選択宛先表示領域302に設定されている場合には、宛先解除ボタン306を1回押下するたびに1つの送信宛先の設定が解除される。具体的には、選択宛先表示領域302の最後尾に表示されている送信宛先から順に選択が解除される。例えば、図3に示す例では、選択宛先表示領域302に“¥server1¥folder1”という送信宛先と、“mail@test.co.jp”という送信宛先が設定されている。そして、ユーザが宛先解除ボタン306を1回押下すると、“mail@test.co.jp”の送信宛先の設定が解除され、2回目に宛先解除ボタンを押下すると“¥server1¥folder1”の送信宛先の設定が解除される。
【0026】
送信ボタン305を押下することでユーザは文書の送信指示を行い、選択宛先表示領域302に設定されている送信宛先に文書を送信する処理を開始し、CPU111の指示でネットワークインタフェース117を介した文書データの送信が行われる。
【0027】
図4は、図3における送信画面301でワンタッチ画面ボタン304が押下された際に表示するローカルワンタッチ画面401を示す図である。ローカルワンタッチ画面401はUI表示装置116に表示される。ローカルワンタッチキー表示領域402には、複合機101に保存されている送信宛先に対応づけられているボタン(以下では、このボタンのことをローカルワンタッチキーと呼ぶ)が表示される。なお本実施形態では、前提として、このローカルワンタッチキーに、あらかじめユーザが所望の送信宛先の情報を対応づけて複合機101にHDDに113に記憶しておくものとする。
【0028】
ローカルワンタッチキー表示領域402に表示されているローカルワンタッチキーを選択した状態でOKボタン404の押下を受け付けると、図4のローカルワンタッチ画面401から図3の送信画面301に戻る。このとき、図3の選択宛先表示領域302に、図4のローカルワンタッチキー表示領域402から選択されたローカルワンタッチキーに対応する送信宛先が設定される。
【0029】
なお、ローカルワンタッチキー表示領域402に表示されるローカルワンタッチキーは、HDD113からRAM112に読み出されたローカルワンタッチキーデータ(後述)に基づき表示される。このローカルワンタッチキーデータの読み出しは、ワンタッチ画面ボタン304が押下されたタイミングで行われる。RAM112に読み出されたワンタッチキーデータは、送信ボタン305が押下され文書の送信が開始された場合や不図示のリセットキーが押下された場合に、RAM112から消去される。なお、ローカルワンタッチキーは、そのローカルワンタッチキーが現在ユーザにより選択されている状態であるか否かを示す情報とともにRAM112に記憶されている。すなわち、ローカルワンタッチキーは、必ず選択状態又は非選択状態の何れかと対応づけてRAM112に記憶されている。
【0030】
選択状態にあるローカルワンタッチキーは、非選択状態にあるローカルワンタッチキーと区別可能な形態でローカルワンタッチキー表示領域402に表示される。例えば、選択状態にあるワンタッチキーのボタンを他のボタンの色と異なる色で表示するようにする。選択状態にあるローカルワンタッチキーを再度押下すると色が元に戻り非選択状態となるとともに、図3の選択宛先表示領域302に設定されていた送信宛先の設定も解除される。
【0031】
本実施形態では、複合機101は、ローカルワンタッチキー表示領域402に表示するローカルワンタッチキーすべての選択・非選択状態を、複合機101のRAM112に記憶されている。そのため、送信宛先の設定、そして送信宛先の設定の解除が、それぞれローカルワンタッチキーのボタン押下という単純且つ簡単な操作によって実現可能である。
【0032】
なお、送信ボタン305が押下され文書の送信が開始された場合や、リセットキーが押下された場合は、上述のようにローカルワンタッチキーデータがRAM112から消去されるので、ワンタッチキーの選択状態についてもクリアされる。
【0033】
送信ボタン305が押下されると、文書データの送信が開始され、複合機101のRAM112に記憶されているローカルワンタッチキーの選択・非選択状態はクリアされる。また、リセットボタン(不図示)が押下された場合やオートクリアイベントが発生した場合でも、複合機101のRAM112に記憶されているローカルワンタッチキーの選択・非選択状態はクリアされる。オートクリアイベントとは、例えば一定時間にわたってユーザが操作をしなかった場合に発生するイベントのことをいい、このオートクリアイベントが発生した場合にはリセットボタンが押下された場合と同様の処理が行われる。
【0034】
図5は、図4におけるローカルワンタッチ画面でリモートワンタッチ画面ボタン405を押下した際に表示されるリモートワンタッチ画面501を示す図である。リモートワンタッチ画面501はUI表示装置116に表示される。リモートワンタッチキー表示領域502には、ネットワーク100経由で、複合機102のHDD113に保存されている送信宛先の情報に対応するワンタッチキー(以下では、リモートワンタッチキーと呼ぶ)の表示を行うことができる。
【0035】
なお本実施形態では、複合機102は、リモートワンタッチキーに所望の送信宛先の情報を対応づけて複合機102のHDD113にあらかじめ登録しておく。また、このリモートワンタッチキーは、複合機102におけるローカルワンタッチキーとして機能する。
【0036】
リモートワンタッチキー表示領域502に表示されているリモートワンタッチキーをユーザが選択すると、そのリモートワンタッチキーは選択状態となる。選択状態にあるリモートワンタッチキーは、非選択状態にあるリモートワンタッチキーと区別可能な形態でリモートワンタッチキー表示領域502に表示される。例えば、選択状態にあるワンタッチキーのボタンを他のボタンの色と異なる色で表示するようにする。選択された状態でOKボタン504の押下を受け付けると、選択状態にあるリモートワンタッチキーに割り当てられている送信宛先が図3の選択宛先表示領域302に設定される。
【0037】
なお、複合機101は、リモートワンタッチキー表示領域502に表示したリモートワンタッチキー全ての選択・非選択状態を、複合機101のRAM112に記憶する。選択状態にあるリモートワンタッチキーを再度押下すると色反転状態が元に戻り非選択状態となり、選択宛先表示領域302に設定されている送信宛先の設定が解除されることになる。
【0038】
このように図3〜図5の画面遷移中は、ユーザによるワンタッチキーの選択状態(又は非選択状態)の情報を常にRAM112に記憶している。そのため、非選択状態のワンタッチキーを押下したり選択状態のワンタッチキーを押下したりすることによって、選択宛先表示領域302に送信宛先を設定したり、選択宛先表示領域302に設定されている送信宛先を解除したりすることを行うことができる。
【0039】
図6(a)及び図6(b)は、複合機101のRAM112に読み出されたワンタッチキーデータを模式的に表した図である。
【0040】
図6(a)のワンタッチキーデータは、図4のローカルワンタッチ画面にローカルワンタッチキーを表示するために必要とするデータ(以下、ローカルワンタッチキーデータという)である。ローカルワンタッチキーデータは、ワンタッチ画面ボタン304を押下したタイミングでHDD113からRAM112に読み出される。そして、RAM112に読み出されたローカルワンタッチキーデータを読み出して画面に表示する。
【0041】
図6(b)のワンタッチキーデータは、図5のリモートワンタッチ画面にリモートワンタッチキーを表示するために必要とするデータである。複合機101は、リモートワンタッチ画面を表示するための指示(具体的には、リモートワンタッチ画面ボタン405のユーザによる押下)を受け付けると、ネットワーク100上の複合機102に登録されているワンタッチキーデータを取得する。そして、RAM112に記憶するとともに画面に表示する。
【0042】
ワンタッチキーデータは、ワンタッチキーID601、ワンタッチキー名称602、送信宛先情報603、選択状態604の属性値を持つ。
【0043】
図6(a)に示すように、ローカルワンタッチキーID601aは、ローカルワンタッチキーを識別する識別情報である。このローカルワンタッチキーID601aを基に、UI表示装置116は、ローカルワンタッチキー表示領域402の所定の場所にローカルワンタッチキーのボタンを配置し、表示する。
【0044】
ワンタッチキー名称602aは、ローカルワンタッチキーID601aで特定されるワンタッチキーを表示する際にボタンとともに表示される文字列である。
【0045】
送信宛先情報603aは、ワンタッチキーに割り当てられている送信宛先の情報であり、例えば電子メールアドレスや送信先の装置のフォルダパスなどである。
【0046】
604aは、そのローカルワンタッチキーが選択状態であるか非選択状態であるかを示す属性値である。ユーザがローカルワンタッチキーのボタンを1回押下するたびに選択状態と非選択状態が交互に切り替わる。
【0047】
図6(b)は、リモートワンタッチキーを図5の画面に表示するためのワンタッチキーデータである。
【0048】
リモートワンタッチキーID601bは、リモートワンタッチキーを識別する識別情報である。このリモートワンタッチキーID601bを基に、UI表示装置116は、リモートワンタッチキー表示領域502の所定の場所にリモートワンタッチキーのボタンを配置し、表示する。ワンタッチキー名称602bは、リモートワンタッチキーID601bで特定されるリモートワンタッチキーを表示する際にボタンとともに表示される文字列である。送信宛先情報603bは、リモートワンタッチキーに割り当てられている送信宛先の情報であり、例えば電子メールアドレスや送信先の装置のフォルダパスなどである。604bは、そのリモートワンタッチキーが選択状態であるか非選択状態であるかを示す属性値である。ユーザがリモートワンタッチキーのボタンを1回押下するたびに選択状態と非選択状態が交互に切り替わる。
【0049】
図7は、リモートワンタッチ画面501を表示する際に、複合機101によって実行される処理のフローチャートである。なお、フローチャートで示す処理を実行するためのプログラムは、ROM119に記憶されており、CPU111により実行される。
【0050】
まず複合機101は、S1000において、図4の画面401のリモートワンタッチ画面ボタン405のユーザによる押下を検知する。リモートワンタッチ画面ボタン405のボタン押下を受け、複合機101は、RAM112にリモートワンタッチキーデータが既に記憶されているか否かを判定する。例えば、ユーザが最初にリモートワンタッチ画面ボタン405を押下した場合は、ローカルワンタッチデータ及びリモートワンタッチデータはRAM112には当然記憶されていないので、S1000でNOと判定されることになる。また、リセットキーが押下された場合や文書の送信が開始された場合にはRAM112に記憶されているワンタッチキーデータは消去される。そのため、リセットキーの押下後や、文書の送信開始後にリモートワンタッチ画面ボタン405を押下した場合にも、RAM112にはワンタッチキーデータが記憶されておらず、S1000でNOと判定される。
【0051】
一方、一度図5のリモートワンタッチ画面501が表示された後に別の画面に遷移し、リセットキーや送信ボタン305を押下することなくリモートワンタッチ画面ボタン405を押下した場合は、S1000でYESと判定される。
【0052】
S1001において、複合機101は、複合機101のRAM112からリモートワンタッチキーの選択・非選択状態を確認し、選択状態にあるリモートワンタッチキーが存在するか否かを判定する。
【0053】
例えば、リモートワンタッチ画面501で一度リモートワンタッチキーを選択した後に別の画面に遷移し、再びリモートワンタッチ画面ボタン405をユーザが押下したような場合には、S1001の判定でYESと判定されることになる。
【0054】
S1002は、リモートワンタッチキーデータがRAM112内に記憶されていない場合(S1000でNO)や、リモートワンタッチキーデータがRAM112内に記憶されているが選択状態のリモートワンタッチキーが一つも存在しない場合(S1001でNO)に実行される処理である。S1002において、複合機101は、複合機102(アドレス管理サーバ)のHDD113に保存されているリモートワンタッチキーのデータの取得を行う。具体的には、リモートワンタッチキーID、リモートワンタッチキーのボタン名、リモートワンタッチキーに割り当てられている宛先情報(例えば、電子メールアドレス、フォルダパス、FAX番号など)を取得する。
【0055】
複合機101は、S1003において、S1002で取得したリモートワンタッチのデータを複合機101のRAM112に記憶する。そして、RAM112からリモートワンタッチのデータを読み出し、リモートワンタッチキー表示領域502に表示する(S1004)。このとき、既にRAM112にリモートワンタッチデータが記憶されている場合には、そのリモートワンタッチデータをS1002で新たに取得したリモートワンタッチのデータに更新する。
【0056】
一方、S1001で選択状態のリモートワンタッチキーが少なくとも一つ存在すると判定した場合、複合機101は、複合機102からリモートワンタッチキーデータを取得せずにS1004に進む。そして、S1004で、既に複合機101のRAM112に記憶されている(即ち過去に複合機102から取得した)リモートワンタッチデータを読み出し、リモートワンタッチキー表示領域502にリモートワンタッチキーを表示する。そして複合機101は、リモートワンタッチキー表示領域502に表示されたリモートワンタッチキーからユーザによる送信宛先の選択を受け付ける。なお、送信宛先の選択は、S1004でリモートワンタッチキー表示領域502に表示したリモートワンタッチキーの操作により選択されるものであってもよいし、図4の画面を介して選択されるものであってもよい。また不図示のアドレス帳の選択画面から選択されるものであってもよいし、ユーザが直接送信宛先をキーボードから入力して指定するものであってもよい。このように様々な方法で選択された送信宛先を、文書の送信先として設定し、その後に図3の画面に遷移したところでS1005の処理に進む。
【0057】
次にS1005では、複合機101は、ユーザから図3の画面が表示された状態でボタンの押下を受け付ける。
【0058】
S1006では、複合機101は、図3の画面上の送信ボタン305が押下されたか否かを検知する。送信ボタン305が押下されたことを検知した場合にはS1007の処理に進み、複合機101は、読取装置120とネットワークインタフェース117を制御し、選択された送信宛先が示す装置へデータ送信する。送信されるデータは、読取装置120で原稿を読み取って生成した画像データを電子メールプロトコルやファイル送信プロトコルで送信可能なファイルフォーマットに変換したデータである。又は、HDD113に記憶されているファイルを送信するものであってもよい。
【0059】
そしてS1007でデータの送信が開始されると、複合機101のCPU111は、S1008でRAM112に記憶されているワンタッチキーデータを消去する。このとき複合機102から取得したリモートワンタッチキーデータとともに、HDD113から読み出したローカルワンタッチキーデータについてもRAM112から消去する。
【0060】
S1009では、複合機101は、リセットキー(不図示)がユーザにより押下されたか否かを検知し、リセットキーが押下されたことを検知した場合はS1008に進み、そうでない場合はS1010に進む。
【0061】
S1010では、複合機101は、リモートワンタッチ画面ボタン405が再度ユーザにより押下されたか否かを検知する。S1010でリモートワンタッチ画面ボタン405が押下された場合にはS1001に戻る。S1010でNOの場合、すなわち、送信ボタン305又はリセットキー、リモートワンタッチ画面ボタン405以外のボタン操作がされたと判断した場合は、S1011に進む。S1011では、複合機101は、S1005でユーザにより押下されたボタンに従った所定の処理を実行し、S1005に戻る。例えば、アドレス帳画面303が押下された場合には、アドレス帳から宛先を選択し、文書の送信先として設定する処理を行う。
【0062】
本実施形態によれば、リモートワンタッチ画面ボタン405が再度押下された場合でかつ選択状態のリモートワンタッチキーがない場合、改めて複合機(アドレス管理サーバ)102からリモートワンタッチキーを取得する。そのため、例えば前回のリモートワンタッチキーデータの取得時からリモートワンタッチキーの送信宛先が複合機102側で変更されていた場合は、変更後のリモートワンタッチキーデータを複合機101側で表示できるという利点がある。
【0063】
一方でリモートワンタッチ画面ボタン405が再度押下された場合に選択状態のリモートワンタッチキーが存在する場合は、複合機102からリモートワンタッチキーデータを取得することはせずにRAM内のリモートワンタッチキーデータを読出して表示する。このような動作を行っている理由は、以下のような問題を解決するためである。すなわち、前回のリモートワンタッチキーデータの取得時には複合機(アドレス管理サーバ)102に存在していたワンタッチキーデータが、S1010で押下された際には複合機102で削除されていた場合に起きうる問題に対処するためである。すなわち、もし複合機101側で選択されているリモートワンタッチキーが複合機102側で削除されていた場合、改めて複合機102からリモートワンタッチキーデータを取得してRAM112内のデータを書き換えてしまう可能性がある。そうすると、選択状態のリモートワンタッチキーの選択解除が図5の画面上では出来なくなってしまう。このような問題を解決するために上記のような動作を行っている。
【0064】
以上より、本実施形態では、RAM112内のリモートワンタッチキーデータが選択状態である場合は、RAM112内のリモートワンタッチキーデータを基に表示する。一方。RAM112内のリモートワンタッチキーデータが非選択状態である場合は、複合機102(アドレス管理サーバ)から改めて取得したワンタッチキーのデータを基に表示する。
【0065】
すなわち、リモートワンタッチキーが既に選択されている状態である場合、再度リモートワンタッチ画面を開いても複合機102(アドレス管理サーバ)からリモートワンタッチデータの取得を行わない。
【0066】
これにより、アドレス管理サーバ側でリモートワンタッチキーに割り当てられた宛先情報が変更されたとしても複合機101側の選択状態のリモートワンタッチキーには影響を及ぼさない。例えば、複合機102(アドレス管理サーバ)側でリモートワンタッチキーのデータが削除された場合でも、複合機101側のRAM112には、リセットキーの押下のイベントや送信開始のイベントが発生しない限り保持されている。そのため、複合機102で削除されたリモートワンタッチキーを、複合機101側では上記イベントが発生しない限り使用可能であるという利点がある。
【0067】
また、複合機101側でリモートワンタッチキーのデータをRAM112に記憶する際には選択状態・非選択状態の情報も一緒に記憶する。このような構成とすることにより、サーバとして機能する複合機102から取得したリモートワンタッチキーを、ローカルワンタッチキーと同じような操作性を維持しつつ利用できる。すなわち、図5のリモートワンタッチ画面でリモートワンタッチキーを選択し、一度別の画面に遷移した後に再度図5のリモートワンタッチ画面に遷移した場合でも、過去に選択したリモートワンタッチキーの選択状態が維持される。
【0068】
図5のリモートワンタッチ画面501でリモートワンタッチキーが選択されていない状態では、図5のリモートワンタッチ画面501を表示する度にワンタッチキーのデータを複合機102から取得する。そのため、最新のワンタッチキーデータに基づきリモートワンタッチ画面を表示できる。
【0069】
本実施形態によれば、選択状態のワンタッチキーを再度押下することによって送信宛先指定の簡単に選択及び選択解除ができるというワンタッチキー特有の単純な操作性を、リモートワンタッチ画面でも保障できる。
【0070】
尚、送信が開始されると、複合機101のRAM112に記憶されているリモートワンタッチキーの選択・非選択状態を含むリモートワンタッチキーデータは消去される。また、リセットボタンやオートクリアイベントが発生した場合でも、複合機101のRAM112に記憶されているリモートワンタッチキーデータは消去される。よって、この後は、選択状態のリモートワンタッチキーが存在しなくなるため、リモートワンタッチ画面を表示する際には、アドレス管理サーバから最新のリモートワンタッチデータの取得を行い、表示することになる。
【0071】
なお、本実施形態ではワンタッチキーを表示する形態を一例として説明した。しかし、ワンタッチキー以外にも、例えばアドレス帳を利用して文書の送信を行う場合にも本実施形態を適用することができる。例えば、複合機102からアドレス帳のデータを取得する際に、既にアドレス帳のデータがRAM112に記憶されており、かつアドレス帳からユーザにより選択された送信宛先が選択宛先表示領域302に設定されている状態であるか否かを判定する。そして、アドレス帳から選択した送信宛先が選択宛先表示領域302に設定されている状態である場合には、改めて複合機102からアドレス帳のデータを取得することなく、既にRAM112に記憶されているアドレス帳のデータを表示する。
【0072】
(他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0073】
101 複合機
102 複合機(アドレス管理サーバ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他の通信装置と通信する通信装置であって、
前記他の通信装置から宛先情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された宛先情報を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを示す情報と関連づけて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている宛先情報に対応する項目を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを識別できる表示形態で表示する表示手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記他の通信装置に記憶されている宛先情報を前記通信装置に表示するための指示を受け付けた場合において、前記記憶手段に記憶されている宛先情報が前記文書の送信先として設定されている状態であることを示す情報と関連づけられている場合には、前記記憶手段に記憶されている宛先情報に対応する項目を表示することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記他の通信装置に記憶されている宛先情報を前記通信装置に表示するための指示を受け付けた場合において、前記記憶手段に記憶されている宛先情報が前記文書の送信先として設定されていない状態であることを示す情報と関連付けられている場合には、前記他の通信装置から新たに取得した宛先情報に対応する項目を前記指示に応じて表示することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記表示手段により表示される項目はワンタッチキーであり、
前記記憶手段は、前記ワンタッチキーがユーザにより選択された場合に、前記宛先情報を、文書の送信先として設定されている状態を示す情報を関連づけて記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項5】
文書の送信指示をユーザから受け付けたことに応じて、前記情報と関連付けられている宛先情報が示す装置へ文書を送信する送信手段を更に有し、
前記送信手段により文書が送信された場合、前記記憶手段に記憶された宛先情報を消去する手段を更に有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
ネットワークを介して他の通信装置と通信する通信装置の制御方法であって、
前記他の通信装置から宛先情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された宛先情報を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを示す情報と関連づけて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記記憶手段に記憶されている宛先情報に対応する項目を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを識別できる表示形態で表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−110451(P2013−110451A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251639(P2011−251639)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】