説明

通信装置、通信装置の制御方法及びプログラム

【課題】 通信パラメータを共有するためのモードの装置が複数存在する場合、通信装置に誤った通信パラメータが設定されてしまうことがある。
【解決手段】 他の通信装置と通信パラメータを共有するために他の通信装置を検出し、通信パラメータを共有するための設定モードの他の通信装置の検出数に応じて、ネットワークに重複通知を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信パラメータを設定する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を行うためには、様々な無線パラメータを機器に設定する必要がある。例えば、IEEE802.11規格の無線LANでは、ネットワーク識別子であるSSID、暗号方式、暗号鍵等の無線パラメータを設定する必要がある。
無線パラメータを無線機器に設定するためには、パーソナルコンピュータ(PC)と無線機器を有線接続し、PCの操作により無線機器に無線パラメータを設定していた。無線LANでは、アクセスポイントとなる基地局と、ユーザ端末としての無線端末があり、ユーザはこれらの機器を夫々PCに接続し、設定を行う必要がある。
これら無線パラメータの無線機器への設定は煩雑であるため、無線パラメータの簡単な設定方法の実現が望まれている。
特許文献1には、無線パラメータを設定するためのボタン操作が行われた機器同士が自動的に無線接続し、無線接続時の操作を簡略化する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−328289号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PCを用いて無線機器の設定を行う場合、複数のPCが存在するとユーザが望む無線パラメータを無線端末に設定できない場合がある。例えば、PC1を用いて基地局1に無線パラメータ1を設定し、PC2を用いて基地局2に無線パラメータ2を設定し、PC1、PC2は、設定した無線パラメータを記憶、管理している場合を考える。
【0005】
無線端末を所有するユーザは、基地局1に設定されている無線パラメータを無線端末に設定したいとする。しかし、無線パラメータを記憶、管理するPCは2台あり、どちらのPCを用いて無線パラメータを設定すればよいのか判らない。ユーザが間違ってPC2を用いて無線パラメータを設定してしまうと、基地局1に接続してデータ通信することができなくなってしまう。
【0006】
また、無線パラメータの簡単設定を実現するために、無線端末をPCと無線により無線パラメータを設定できるようにし、PCと無線端末とにおける設定用の操作(例えば、設定ボタンの押下)により無線パラメータの設定を開始するようにしたとする。このとき、他のユーザが隣接するPCで設定用操作を行うと、無線端末は隣接するPCが管理する無線パラメータを設定してしまうことがあり、この場合も誤った無線パラメータが設定されてしまう。
【0007】
本発明は、通信パラメータを共有するためのモードの装置が複数存在する場合に発生する問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、通信パラメータを共有するための設定モードの他の通信装置の検出数に応じて、重複通知を送信する通信装置を提供する。
また、通信パラメータを共有するための設定モードの他の通信装置を複数検出し、該検出された他の通信装置が異なるグループに属する場合、重複通知を送信する通信装置を提供する。
また、通信パラメータを共有するための設定モードであり、異なる通信パラメータが設定されている他の通信装置を複数検出した場合、通信パラメータを共有するための設定モードであることを通知し、かつ、異なる通信パラメータが設定されるネットワークのメンバの他の通信装置を複数検出した場合に重複通知を送信する通信装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信装置に誤った通信パラメータが設定されてしまう事態の発生を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1から第6の実施形態におけるシステム構成図
【図2】実施形態における無線端末の構成図
【図3】実施形態における管理装置の構成図
【図4】実施形態において基地局が送信する報知信号の予約領域
【図5】実施形態における基地局情報部
【図6】実施形態における管理装置情報部
【図7】第1の実施形態のシーケンス図
【図8】第1の実施形態における無線端末のフローチャート
【図9】第1の実施形態における無線パラメータ設定管理装置のフローチャート
【図10】第1の実施形態のシーケンス図
【図11】第2の実施形態において基地局が送信する報知信号の予約領域
【図12】第2の実施形態における基地局情報部
【図13】第2の実施形態における無線端末のフローチャート
【図14】第2の実施形態における管理装置のフローチャート
【図15】第3の実施形態のシーケンス図
【図16】第3の実施形態における無線端末のフローチャート
【図17】第4の実施形態における無線端末のフローチャート
【図18】第4の実施形態における管理装置のフローチャート
【図19】第5の実施形態におけるRAM(202)の構成
【図20】第5の実施形態におけるSN差分記憶部
【図21】第5の実施形態における基地局情報部
【図22】第5の実施形態における無線端末のフローチャート
【図23】第6の実施形態における無線端末のフローチャート
【図24】第6の実施形態における管理装置のフローチャート
【図25】第7の実施形態のシステム構成図
【図26】第7の実施形態における無線端末のフローチャート
【図27】第7の実施形態における管理装置のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるシステム構成図である。
【0012】
図1では、基地局103、105、管理装置102、106は有線LANに接続されている。基地局103、105と無線端末100、104は、IEEE802.11準拠の無線LAN通信により互いに無線通信する。また、無線端末100は、基地局103と基地局105の通信エリア内に位置している。
【0013】
管理装置102は、基地局103で使用される無線パラメータを管理し、無線端末に無線パラメータを通知する。管理装置102が管理する無線パラメータは、基地局103が形成する無線ネットワークの識別子であるSSID(Service Set Identifier)、基地局103が使用する暗号方式、暗号鍵等の無線ネットワーク情報である。管理装置106は、基地局105で使用される無線パラメータを管理し、無線端末に無線パラメータを通知する。管理装置106が管理する無線パラメータは、基地局105が形成する無線ネットワークの識別子であるSSID、基地局105が使用する暗号方式、暗号鍵等の無線ネットワーク情報である。
【0014】
図2は、本実施形態における無線端末100、104の構成である。
【0015】
CPU200は、ROM201に格納されるプログラムに従って、無線端末の機能を制御する。ROM201は、無線端末を動作させる為のプログラムを格納している。CPU200がROM201に格納されるプログラムを実行することにより、無線端末は後述する動作を実行する。RAM202は、動作時に必要となるメモリ領域として使用する。RAM202には、基地局情報を記憶する基地局情報部205、タイマ206が含まれる。
【0016】
設定ボタン203は、スイッチ操作による無線パラメータ設定の際に使用するボタンである。設定ボタン203がユーザにより押下されると、無線端末はCPU200の制御により無線パラメータ設定のための後述の動作を開始する。無線部204は、データを無線により送受信する。本実施形態では、無線部204は、IEEE802.11準拠の無線LAN通信を行う。表示部207は、各種情報を表示し、ユーザに通知を行う。
【0017】
図3は、本実施形態における管理装置102、106の構成である。
【0018】
CPU300は、ROM301に格納されるプログラムに従って、管理装置の機能を制御する。ROM301は、管理装置を動作させる為のプログラムを格納している。CPU300がROM301に格納されるプログラムを実行することにより、管理装置102、106は後述する動作を実行する。RAM302は、動作時に必要となるメモリ領域として使用する。RAM302には、管理装置の情報を記憶する管理装置情報部305がある。
【0019】
設定ボタン304は、スイッチ操作による無線パラメータ設定の際に使用するボタンである。設定ボタン304がユーザにより押下されると、管理装置はCPU300の制御により無線パラメータ設定のための後述の動作を開始する。
【0020】
有線LANI/F303は、有線LAN107を介してデータ通信するためのインターフェース部である。
【0021】
図4は、本実施形態における基地局が送信する報知信号の予約領域の例である。
【0022】
基地局103、105は、報知信号(Beacon)を送信し、基地局が形成する無線ネットワークに関する情報を報知する。この報知信号には、未使用領域の予約領域があり、本実施形態では、この予約領域の一部を基地局の動作モードを示す情報を挿入する領域として利用する。
【0023】
モード領域400が「1」であれば、基地局は設定モードとして動作していることを示している。モード領域400が「0」であれば通常モードで動作していることを示している。
【0024】
図5は、無線端末100、104のRAM202に記憶される基地局情報部205の構成である。
【0025】
500は、基地局を識別するためのインデックス番号である。501は、基地局のMAC(Media Access Control)アドレスである。502は、基地局のSSIDであり、基地局が形成する無線ネットワークの識別子である。503は、基地局が通常モードか設定モードのいずれかで動作しているかを示す動作モードであり、通常モードの時は「0」、設定モードの時は「1」が記憶される。504は、設定モードの基地局が複数あった場合に、後述の重複通知を該当する基地局へ行ったか否かを示す通知フラグであり、通知を行っていれば「1」、通知を行っていなければ「0」が記憶される。
【0026】
図6は、管理装置102、106のRAM302に記憶される管理装置情報部305の構成である。
【0027】
600は、管理装置を識別するインデックス番号であり、自装置も管理対象となる。601は、管理装置のMACアドレスである。602は、管理装置が管理しているSSIDである。603は、管理装置が管理している暗号方式である。604は、管理装置が管理している暗号鍵である。管理装置が管理するSSID、暗号方式、暗号鍵は、管理対象の基地局に通知、設定される。605は、管理装置の動作モードを示し、通常モードの時は「0」、設定モードの時は「1」が記憶される。
【0028】
図7、図10は本実施形態のシーケンス図である。図8は、本実施形態の無線端末の動作を示すフローチャートであり、CPU200がROM201に格納されるプログラムに従って実行される。図9は、本実施形態の管理装置の動作を示すフローチャートであり、CPU300がROM301に格納されるプログラムに従って実行される。
【0029】
無線端末100は、基地局103、基地局105が定期的に送信する報知信号(通常モード)を受信している(S700、S701)。ここで、無線端末100のユーザは、無線端末100を基地局103に接続し、データ通信することを望んでいる。そのため、無線端末100のユーザは、管理装置102が管理する基地局103の無線パラメータを無線端末100に設定したい。
【0030】
無線端末100のユーザは、基地局103の無線パラメータを管理する管理装置102を設定モードにし、管理装置102を用いて無線端末100の無線パラメータ自動設定を行うために、管理装置102の設定ボタン304を押下する(S702、900)。管理装置102は、設定ボタン304の押下を検出すると、管理装置情報部305の自装置に該当する動作モードを「1」に変更して通常モードから設定モードに遷移し、管理対象の基地局103に対して設定モードの開始を通知する(S703、901)。このとき、管理装置106の設定ボタン304も他のユーザにより押下されたとする(S704、900)。管理装置106は、設定ボタン304の押下を検出すると、基地局105に対して設定モードの開始を通知する(S705、901)。管理装置102、106は、設定モードになると、後述する無線端末からの重複通知、設定要求が受信されるかを監視する。
【0031】
設定モードの開始を通知された基地局103および基地局105は、報知信号の予約領域内のモード領域400を「1」にして、報知信号(設定モード)を送信する。
【0032】
無線端末100のユーザは、無線端末100も設定モードにするために、設定ボタン203を押下する(S706、800)。無線端末100は、設定ボタン203の押下を検出すると、管理装置102と接続する基地局であり、設定モードで動作している基地局103を探索するために、一定時間、スキャンを開始する(801)。スキャン開始後、無線端末100は、基地局103、105が送信した報知信号(設定モード)を受信すると(S707、S708、802)、基地局情報部205に、受信した報知信号から分かる基地局の情報を記憶する(803)。
【0033】
図7の例のように、基地局103、105の報知信号を受信した場合の基地局情報部205の状態を図5に示す。図5によれば、基地局103と基地局105は、MACアドレス501以外は同一であることが分かる。
【0034】
無線端末100は、スキャンが終了すると(804でYES)、設定モードの基地局の数を判断する(805)。
【0035】
ここで、設定モードの基地局が1つならば(805で「1」)、無線端末100は、基地局に設定されている無線パラメータに関係なく通信できるパケットを用いてその基地局と接続して管理装置に設定要求を送信する。この設定要求を受信した基地局は、自身の無線パラメータを管理する管理装置に転送する。管理装置は、設定要求を検出すると、該要求を送信した無線端末に管理している無線パラメータを通知し、無線端末と管理装置間で無線パラメータの設定処理を行う(811、906)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。なお、上記説明では、基地局に設定されている無線パラメータに関係なく通信できるパケットを用いて管理装置と通信した。しかし、設定モードになると基地局と無線端末は予め定められた設定用の無線パラメータに切り替わることにより、無線端末、基地局間の通信を行えるようにし、無線端末と管理装置の通信を行えるようにしてもよい。以下の説明においても、無線パラメータの設定時の通信は、同様な方法により行われる。
【0036】
また、設定モードの基地局が1つもなく、0ならば(805で「0」)、自身の設定モードを終了する(812)。
【0037】
図5の例では、基地局103と基地局105は共に設定モードで動作しているので、無線端末100は設定モードの基地局は複数であると判断する(805で「複数」)。この場合、無線端末100は、設定モードで動作している基地局103と基地局104に対して、設定モードの重複通知を行う(S709、S710、806)。そして、設定モードで動作している全ての基地局に対して、重複通知を行うと(807でYES)、無線端末100は、タイマ206を起動する(S711、808)。
【0038】
管理装置102は、S709において基地局103が受信した設定モード重複通知を、基地局100から転送されると(902でYES)、管理装置の探索を行う(903)。そして、探索した管理装置の情報を管理装置情報部305に記憶する。探索方法としては、有線LAN107上に接続されている機器のすべてに対して探索要求を行う方法などがある。
【0039】
管理装置102は、S712において送信した探索要求に対して、管理装置106から、探索応答を受信する(S713)。そして、管理装置102と管理装置106は、管理している無線パラメータを相互に確認し(S714、904)、管理装置情報部305に、確認した無線パラメータを記憶する。そして、管理装置102は、管理装置情報部305に記憶した、管理装置106の無線パラメータが、自身が管理している無線パラメータと同一であるか比較して確認する(905)。
【0040】
図6に、その時点での管理装置情報部305の状態を示す。図6によれば、自装置(つまり、管理装置102)が管理する無線パラメータと、管理装置106が管理する無線パラメータは、同一であることが分かる(905でYES)。ところで、設定モードで動作する基地局が複数あったとしても、無線パラメータが同一であれば、無線端末100はどの管理装置から無線パラメータを受信してもよいことは明白である。つまり、基地局103、105が設定モードで動作していても、基地局103の無線パラメータを管理する管理装置102と、基地局105の無線パラメータを管理する管理装置106が同じ無線パラメータを管理している場合は、無線端末100はどの管理装置から無線パラメータを受信しても同じ無線パラメータが設定される。従って、このような場合には、基地局103および基地局105は、設定モードを終了せずに、設定モードの報知信号を定期的に送信し続ける(S715、S716)。
【0041】
管理装置102は、探索した管理装置106の無線パラメータが、自身が管理している無線パラメータと同一の場合(905でYES)、無線端末からの設定要求を待ち、設定要求が検出されると、無線端末との間で無線パラメータの設定処理を行う(906)。
【0042】
無線端末100は、808において起動したタイマ206がタイムアウトするまでに、基地局103および基地局105が設定モードを終了するかどうかを判断する。図7の例では、基地局103および基地局105は、設定モードの報知信号を定期的に送信している(S715、S716)ので、無線端末100は、基地局の設定モードの終了を検出せず(809でNO)、タイマ206はタイムアウトする(S717、810)。そして、無線端末100は、設定モードで動作している基地局と接続して管理装置に設定要求を送信し、管理装置との間で無線パラメータの設定処理を行う(811、906)。図7の例では、無線端末100は、基地局103と接続し(S718)、管理装置102との間で、無線通信パラメータの設定を行う(S720、811、906)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。
【0043】
ここで、管理装置102および管理装置106が管理する無線パラメータが異なっていた場合のシーケンスを図10に示す。
【0044】
管理装置102および管理装置106は、無線パラメータが同一でないと判断すると(905でNO)、それぞれ基地局103、基地局105に対して、設定モード終了通知を行う(S1000、S1001、908)。そして、管理装置102および管理装置106は、自身の設定モードを終了する(909)。基地局103および基地局105は、設定モード終了通知を受信すると(S1000、S1001)、報知信号のモード領域400を「0」にした通常モードの報知信号を定期的に送信する(S1002、S1003)。
【0045】
無線端末100は、タイマ206がタイムアウトする前に通常モードの報知信号を受信し(S1002、S1003)、基地局103と基地局105が設定モードを終了したことを検出し(809でYES)、設定モードを終了する(S1004、812)。
【0046】
以上のように、本実施形態では、設定モードで動作する基地局を複数検出した場合には、無線端末がそれらの基地局に重複通知を行い、基地局経由で管理装置に対して、設定モードの重複通知を行うようにした。これにより、管理装置及び基地局は、早期に設定モードを終了することができる。
【0047】
また、設定モードである管理装置が複数あった場合には、管理装置が、各々が管理する無線パラメータの一致、不一致を確認するようにした。これにより、設定モードである管理装置が管理する無線パラメータが一致し、どの管理装置から無線パラメータを設定しても無線端末に同じ無線パラメータが設定される場合は、設定モードを継続するようにし、無線パラメータ設定を行えるようにすることができる。
【0048】
なお、本実施形態では、無線端末100は、タイマ206の起動から終了までの間に、基地局の設定モード終了を検出すると設定モードを終了した。しかしながら、管理装置が基地局経由で無線パラメータ一致通知または不一致通知を無線端末に送信するようにしてもよい。この場合、無線端末は不一致通知を受信した場合には設定モードを終了し、一致通知を受信した場合には、設定モードを継続する。
【0049】
(第2の実施形態)
本実施形態では、管理装置が管理する無線パラメータを予めグループ分けし、基地局が、管理装置が管理する無線パラメータのグループの識別情報を報知する。無線端末は、グループの識別情報から、パラメータの一致、不一致を類推する。
【0050】
以下、本実施形態について図を用いて説明する。なお、すでに説明した部分に関しては、同一の符号を付すことにより説明を省略する。無線端末100、104、管理装置102、106の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0051】
図11は、本実施形態における基地局が送信する報知信号の予約領域である。本実施形態では、予約領域の1部を基地局が属するグループを示す為に使用する。本実施形態では、同一グループの基地局には、同一の無線パラメータが設定されているとする。
【0052】
図12は本実施形態における無線端末の基地局情報部205の構成である。基地局情報部205は、各基地局が属するグループの識別情報1200が記憶されている。
【0053】
図13は、本実施形態の無線端末の動作を示すフローチャートであり、CPU200がROM201に格納されるプログラムに従って実行される。図14は、本実施形態の管理装置の動作を示すフローチャートであり、CPU300がROM301に格納されるプログラムに従って実行される。
【0054】
本実施形態においても無線端末100のユーザは、無線端末100を基地局103に接続し、データ通信することを望んでいる。そのため、無線端末100のユーザは、管理装置102が管理する基地局103の無線パラメータを無線端末100に設定したい。
【0055】
無線端末100のユーザは、基地局103の無線パラメータを管理する管理装置102を設定モードにし、管理装置102を用いて無線端末100の無線パラメータ自動設定を行うために、管理装置102の設定ボタン304を押下する(900)。
【0056】
管理装置102は、設定ボタン304の押下を検出すると、管理装置情報部305の自装置に該当する動作モードを「1」に変更して通常モードから設定モードに遷移し、管理対象の基地局103に対して、設定モードの開始を通知する(901)。また、管理装置102は、管理する無線パラメータのグループ番号を基地局103に通知する(1400)。ここでは、管理装置102は、グループ番号「1」を基地局103に通知するものとする。基地局103は、設定モードを示し、グループ番号「1」を示す報知信号を定期的に送信し始める。このとき、管理装置106の設定ボタン304も他のユーザにより押下されたとする。管理装置106は、設定ボタン304の押下を検出すると(900)、基地局105に対して設定モードの開始を通知する(901)。また、管理装置106は、管理する無線パラメータのグループ番号を基地局105に通知する(1400)。ここでは、管理装置106も、グループ番号「1」を基地局105に通知するものとする。基地局105は、設定モードを示し、グループ番号「1」を示す報知信号を定期的に送信し始める。また、管理装置102、106は、設定モードになると、無線端末からの重複通知、設定要求が受信されるかを監視する。
【0057】
無線端末100のユーザは、無線端末100も設定モードにするために、設定ボタン203を押下する(800)。無線端末100は、設定ボタン203の押下を検出すると、管理装置102と接続する基地局であり、設定モードで動作している基地局103を探索するために、一定時間、スキャンを開始する(801)。スキャン開始後、無線端末100は、基地局103、105が送信した報知信号(設定モード)を受信すると(802)、基地局情報部205に、受信した報知信号から分かる基地局103、105の情報を記憶する(803)。基地局103と基地局105の報知信号を受信した場合の基地局情報部205の状態を図12に示す。図12によれば、設定グループの基地局が2つ存在し、その基地局103と基地局105は、同じグループ番号の報知信号を送信していることが分かる。
【0058】
無線端末100は、スキャンが終了すると(804でYES)、設定モードの基地局の数を判断する(805)。図12の基地局情報部205を参照すると、設定モードの基地局は2つであるので(805で「複数」)、無線端末100は、基地局情報部205に記憶されている基地局のグループを確認する(1300)。
【0059】
設定モードの基地局数が1つまたは0の場合は、図8と同様の処理を行う。
【0060】
図12の例では、基地局103と基地局105のグループ(1200)は共に「1」であるので無線端末100は、同一グループと判断する(1301でYES)。設定モードの基地局が送信する報知信号が示すグループ番号が全て一致する場合は、それら基地局の無線パラメータを管理する管理装置が管理する無線パラメータは同一である。従って、どの管理装置から無線パラメータを受信しても同じ無線パラメータが設定される。このような場合には、無線端末100は設定モードを継続し、設定モードの基地局と接続して管理装置との間で無線パラメータの設定処理を行う(811)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。
【0061】
また、803で記憶した基地局情報部205のグループ1200が異なる場合は、無線端末100は、基地局のインデックス番号500に記憶されている全ての基地局に設定モードの重複通知を行い(806)、設定モードを終了する(812)。ここでは、基地局103と基地局105に重複通知を行うことになる。
【0062】
管理装置102および管理装置106は、重複通知を、基地局103、基地局105から転送されると(902でYES)、基地局103、基地局105に対して、設定モード終了通知を行い(908)、設定モードを終了する(909)。
【0063】
以上のように、本実施形態では、無線端末は、報知信号に含まれるグループ番号の不一致を検出すると、重複通知を送信するようにした。また、管理装置は、重複通知を受信すると、設定モードを終了するようにした。これにより、図10(第一の実施形態のシーケンス)の探索要求(S712)、探索応答(S713)、無線通信パラメータ確認(S714)の処理を省くことが可能となり、より早期に管理装置および基地局の設定モードを終了することが可能となる。また、第1の実施形態と同様に、設定モードである管理装置が複数あった場合にも、それらが管理する無線パラメータが一致した場合は、設定モードを継続し、無線パラメータ設定を行えるようにすることができる。
【0064】
(第3の実施形態)
本実施形態では、無線端末は、図8、図13において無線端末が自身の設定モードを終了する前に、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を一定時間行うようにする。
【0065】
図15は本実施形態のシーケンス図である。図16は、本実施形態の無線端末の動作を示すフローチャートであり、CPU200がROM201に格納されるプログラムに従って実行される。なお、すでに説明した部分に関しては、同一の符号を付すことにより説明を省略する。無線端末100、104、管理装置102、106の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0066】
無線端末100は、S1002およびS1003において、基地局103と基地局105が設定モードを終了したことを検知すると(809でYES)、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を一定時間行う(S1500、1600)。また、ステップ805において、設定モードの基地局が1つも検出できなかった場合も、無線端末100は、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を一定時間行う(1600)。
【0067】
無線端末100のユーザは前記表示に従い、管理装置102の設定ボタン304を再度、押下したとする(S1501)。管理装置102は、設定モードを終了後に(図9の909)、再度、設定ボタン304が押下されると、ステップ900に戻り、基地局103へ設定モードの開始通知を行う(901、S1502)。
【0068】
基地局103は、自身が設定モードであることを示す報知信号を送信する(S1503)。このとき、管理装置106は設定ボタン304が押下されなければ、基地局105は、通常モードの報知信号を送信している。
【0069】
無線端末100は、報知信号をS1503で受信し、設定モードである基地局103を検出する(1601)。無線端末100は、設定ボタンの再押下の表示後に、最初に検出した設定モードの基地局と接続し、管理装置との間で無線通信パラメータの設定を実行する(811)。図15の例では、基地局103からの報知信号(設定モード)を検出するので(S1601)、基地局103と接続し、管理装置102との間で無線通信パラメータの設定を実行する(S1506、811)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。また、無線端末100は、設定ボタンの再押下の表示後、一定時間が経過しても設定モードの基地局が検出できない場合は、自身の設定モードを終了する(812)。
【0070】
なお、上記説明では、図16において基地局の設定モードの終了を検出すると、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を行った。しかし、図13に示した基地局への重複通知(806)の後に、上記表示を行ってもよい。この場合も、無線端末100は、設定ボタンの再押下の表示後に、最初に検出した設定モードの基地局と接続し、管理装置との間で無線通信パラメータの設定を実行する。
【0071】
以上のように、本実施形態では、無線端末は、基地局が設定モードを終了したことを検知すると、表示部に管理装置の設定ボタンを再押下することを促す表示を行う。そして、最初に検出した設定モードの基地局を介して管理装置との間で無線パラメータの設定を行う。これにより、第1の実施形態、第2の実施形態の効果に加えて、所望の管理装置から無線パラメータを受信することが容易になる。
【0072】
(第4の実施形態)
本実施形態でも、無線端末は、図8、図13において無線端末が自身の設定モードを終了する前に、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を一定時間行うようにする。そして、管理装置の設定ボタン304が再押下されると、管理装置は基地局に報知信号の内容変更を要求し、報知信号の内容を変更させるようにする。
【0073】
図17は、本実施形態の無線端末の動作を示すフローチャートであり、CPU200がROM201に格納されるプログラムに従って実行される。図18は、本実施形態の管理装置の動作を示すフローチャートであり、CPU300がROM301に格納されるプログラムに従って実行される。なお、すでに説明した部分に関しては、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0074】
無線端末100は、S1002およびS1003において、基地局103と基地局105が設定モードを終了したことを検知すると(809でYES)、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を一定時間行う(S1500、1600)。また、ステップ805において、設定モードの基地局が1つも検出できなかった場合も、無線端末100は、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を一定時間行う(1600)。
【0075】
無線端末100のユーザは前記表示に従い、管理装置102の設定ボタン304を再度、押下したとする。
【0076】
管理装置102は、設定モードを終了後に(図9の909)、再度、設定ボタン304が押下されると(1800)、基地局に報知信号の内容変更を要求し(1801)、基地局に報知信号の予約領域の情報を変更させる。基地局は管理装置から報知信号の内容変更を受けると、内容を変更した報知信号を送信する。報知信号の予約領域の情報変更は、例えば、予約領域の特定の領域にランダムな値を格納しておき、それを変更する、などの方法がある。
【0077】
無線端末100は、報知信号の変化を検出すると(1700でYES)、報知信号の変化を最初に検出した基地局と接続し、管理装置との間で無線パラメータの設定を実行する(811、906)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。また、無線端末100は、設定ボタンの再押下の表示後、一定時間が経過しても設定モードの基地局が検出できない場合は、自身の設定モードを終了する(812)。
【0078】
なお、上記説明では、図17において基地局の設定モードの終了を検出すると、表示部207に管理装置の設定ボタン304の再押下を促す表示を行った。しかし、図13に示した基地局への重複通知(806)の後に、上記表示を行ってもよい。この場合も、無線端末100は、設定ボタンの再押下の表示後に、最初に報知信号の変化を検出した基地局と接続し、管理装置との間で無線通信パラメータの設定を実行する。
【0079】
このように、管理装置は、設定ボタンが再押下されると、基地局が送信する報知信号の内容を変更させる。そして、無線端末は、報知信号が変更された最初の基地局に接続し、管理装置との間で無線パラメータの設定を行うようにした。これにより、第1の実施形態、第2の実施形態の効果に加えて、所望の管理装置から無線パラメータを受信することが容易になる。
【0080】
(第5の実施形態)
本実施形態では、設定モードの管理装置が複数存在した場合に、基地局が送信する報知信号のSN比(Signal/Noise比)を比較し、接続する基地局を選択するようにした。これは、基地局と管理装置との距離が近い、たとえば、基地局と管理装置が同一筐体内にあるような場合に有効である。つまり、基地局と管理装置の距離が近い場合は、ユーザが無線端末を持って管理装置の設定ボタン304を押下すると、無線端末と基地局との距離も近くなるからである。
【0081】
管理装置102、106の構成は、第1の実施形態と同様であるが、管理装置102は基地局103に近接した位置に設置、または管理装置102と基地局103が同一筐体内に構成される。また、管理装置106は基地局105に近接した位置に設置、または管理装置106と基地局105が同一筐体内に構成される。無線端末100、104の構成はRAMの構成が異なるが、無線端末の他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0082】
図19は、本実施形態における無線端末のRAM202の構成である。RAM202には、SN差分記憶部1900が存在する。
【0083】
図20は、SN差分記憶部1900の構成である。SN差分記憶部1900は、無線端末100が、2つの基地局が送信する報知信号のSN比を比較し、接続先を決定できるか否かの判断を行うときに使用する。SN比の欄2000には、比較するSN比の内、大きい方の値が対応し、一定の範囲毎に分けられている。差分の最小値欄2001には、SN比が大きい方の値に対するSN比が小さい方の値との差分の最小値を示している。
【0084】
例えば、無線端末100が受信する基地局103の報知信号のSN比が0x19であり、基地局105の報知信号のSN比が0x16であった場合は、差分は0x03である。図20によれば、SN比の大きい方が0x20―0x17(基地局103の報知信号のSN比はここに該当)であれば、接続先が決定可能な差分の最小値は0x05である。基地局103と基地局105のSNの差分は0x03であり、この条件に合致しない。よって、接続先は決定できないと判断される。差分の最小値がSN欄2000毎に違うのは、電波の伝搬特性に起因している。
【0085】
図21は、本実施形態における無線端末100の基地局情報部205である。本実施例では、図5に示した基地局情報部に、基地局が送信した信号のSN比2100が追加されている。
【0086】
図22は、本実施形態の無線端末の動作を示すフローチャートであり、CPU200がROM201に格納されるプログラムに従って実行される。無線端末100の動作を、図19から図22を使用して、以下に説明する。管理装置の動作は、第1の実施形態と同様なので説明は省略する。
【0087】
本実施形態においても無線端末100のユーザは、無線端末100を基地局103に接続し、データ通信することを望んでいる。そのため、無線端末100のユーザは、管理装置102が管理する基地局103の無線パラメータを無線端末100に設定したい。
【0088】
図22において、無線端末100は、設定ボタン203が押下されると(800)、基地局103を探索するために、一定時間、スキャンを開始する(801)。スキャン開始後、無線端末100は、基地局103、105が送信した報知信号(設定モード)を受信すると(802)、基地局情報部205に、受信した報知信号から分かる基地局の情報を記憶する(803)。
【0089】
無線端末100は、スキャンが終了すると(804でYES)、設定モードの基地局の数を判断する(805)。
【0090】
設定モードの基地局が1つならば(805で「1」)、無線端末100は、該当する基地局に接続し、管理装置との間で無線パラメータの設定処理を行う(811)。設定モードの基地局が0ならば(805で「0」)、自身の設定モードを終了する(812)。
【0091】
無線端末100は、設定モードの基地局は複数であると判断すると(805で「複数」)、各基地局が送信した報知信号のSN比を比較する(2200)。図21の例では、無線端末100は、基地局103および基地局105が送信した報知信号のSN比を比較する(2200)。図21によれば、無線端末100が受信する基地局103から電波のSN比は0x16であり、基地局105から受信する電波のSN比は0x0fである。その差分は0x07である。
【0092】
ここで、図20において、SN比が0x16の時に、接続先の決定が可能である差分の最小値は0x04である。従って、無線端末100は、接続先を選択可能と判断し(2201でYES)、SN比が大きい方の基地局103を接続先に決定する(2202)。そして、無線端末100は、基地局103に接続し、管理装置102との間で無線パラメータの設定処理を行う(811)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。
【0093】
また、ステップ2201において、基地局103と基地局105の報知信号のSN比の差分が、図20の差分の最小値2001より小さい場合は、無線端末100は、接続先を選択不能と判断する(2201でNO)。そして、基地局103および基地局105に対して、重複通知を送信する(806)。以降の処理は、第1の実施形態と同様である。また、第3の実施形態、第4の実施形態の処理を行っても良い。
【0094】
なお、上記説明では、設定モードの基地局が複数検出された場合に、SN比を比較した。しかし、図13において、設定モードの基地局が複数検出された場合に(805で「複数」)、SN比を比較し、基地局の選択を行っても良い。
【0095】
また、本実施形態では、電波の質を表すものとしてSN比を挙げて説明したが、受信電界強度(RSSI)、その他の情報であっても、電波の質を表すものであれば、同様の効果が得られる。
【0096】
以上のように、本実施形態によれば、接続先の候補が複数存在した場合には、無線端末は受信した電波の状態を用いて接続先を決定するようにした。さらに、電波状態の差分により、接続先の決定が可能か不可能かという判断をすることにしたので、所望しない接続先と接続してしまう危険性を低減できる。
【0097】
本実施形態は特に、以下の場合に有効である。
1.基地局と管理装置が近接して設置、もしくは同一筐体の中にある。
2.ユーザが無線端末を身に付けた状態で、管理装置の設定ボタンと、無線端末の設定ボタンを押下する。
【0098】
上記のような状態では、接続を望む基地局の信号のSN比は大きく、他の基地局のSN比は比較的小さいと予想されるため、ユーザが所望する基地局に接続するための無線パラメータを設定できる可能性が高くなる。
【0099】
(第6の実施形態)
本実施形態では、第5の実施形態において、SN比を用いて接続先を決定した際に、無線端末と管理装置のLEDの点滅パターンを使用して、ユーザに接続先を確認させるようにした。
【0100】
本実施形態における無線端末、管理装置は、図2、図3に示した構成に、表示部であるLEDが付加される。
【0101】
図23は、本実施形態の無線端末の動作を示すフローチャートであり、CPU200がROM201に格納されるプログラムに従って実行される。図24は、本実施形態の管理装置の動作を示すフローチャートであり、CPU300がROM301に格納されるプログラムに従って実行される。なお、すでに説明した部分に関しては、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
【0102】
無線端末100は、図22で説明したように、2202においてSN比を使用して接続先を選択すると、当該接続先の基地局に対してLEDの点滅パターンを送信する(2300)。また、基地局に送信した点滅パターンと同じ点滅パターンで自身のLEDを点滅させる(2301)。
【0103】
LEDの点滅パターンを受信した基地局は、自己の無線パラメータを管理する管理装置にLEDの点滅パターンを転送する。基地局103がLEDの点滅パターンを受信した場合には、管理装置102に受信した点滅パターンを転送する。
【0104】
管理装置102は、基地局103からLEDの点滅パターンを受信すると(2400)、自身のLEDを受信した点滅パターンで点滅させる(2401)。
【0105】
無線端末100は、2301においてLEDを点滅させたのち、表示部207に、ユーザに対して所望の接続先(この場合、管理装置102)のLEDの点滅パターンを確認する旨の表示を行う。そして、無線端末100は、ユーザに接続または切断を選択させる表示を行う(2302)。
【0106】
無線端末100は、2302における表示を確認したユーザにより、「接続」が選択されると(2303でYES)、SN比を使用して選択した基地局(基地局103)に接続し、管理装置102との間で無線パラメータ設定処理を行う(811、906)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。
【0107】
2302における表示を確認したユーザにより、「終了」が選択されると、無線端末100は、全ての基地局に対して、重複通知を行う(806)。以降の処理は、第1の実施形態と同様である。また、第3の実施形態、第4の実施形態の処理を行っても良い。
【0108】
なお、上記説明では、設定モードの基地局が複数検出された場合に、SN比を比較した。しかし、第5の実施形態と同様に、図13において、設定モードの基地局が複数検出された場合に(805で「複数」)、SN比を用いて基地局を選択し、選択した基地局に対して2300以降の処理を行っても良い。
【0109】
また、SN比に代えて、受信電界強度(RSSI)等の、電波の質を表す他の情報を用いてもよい。
【0110】
以上のように、本実施形態では、無線端末は、接続先を決定したのち、LEDの点滅パターンによって、ユーザに接続/切断を選択させる表示を行うようにした。これにより、無線端末のユーザは、接続先を目視で確認できるようなり、所望しない管理装置との間で、無線パラメータを誤って設定してしまう危険性を低減できる。また、設定モードの基地局が複数の場合に、LEDを使用して確認するようにしたので、設定モードの基地局が1台の場合は、LEDの確認が必要なく、早期に無線パラメータの設定処理が行える。
【0111】
本実施形態では、LEDの点滅パターンによってユーザが視覚で確認できるようにしたが、これは、LED以外の可視的なものであってもよいし、また、音であってもよい。
【0112】
(第7の実施形態)
第1から第6の実施形態では、無線端末が、設定モードである基地局の検出を行った(例えば、図8の801から804)。本実施形態では、管理装置が設定モードの基地局の探索、重複通知を行うようにする。
【0113】
図25は、本実施形態のシステム構成図である。管理装置102は、基地局103と無線2500によって接続されている。管理装置106は、基地局105と無線2501によって接続されている。第1から第6の実施形態では、基地局が基地局情報部205(図5)をRAM202に有していた。本実施形態では、管理装置102、106が、同様の基地局情報部をRAM302に有している。
【0114】
図26は、本実施形態の無線端末の動作を示すフローチャートであり、CPU200がROM201に格納されるプログラムに従って実行される。図27は、本実施形態の管理装置の動作を示すフローチャートであり、CPU300がROM301に格納されるプログラムに従って実行される。なお、すでに説明した部分に関しては、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0115】
管理装置102は、設定ボタン304が押下され(900)、基地局103に設定モードの開始通知を行い(901)、設定モードの基地局を探索するために、一定時間、スキャンを開始する(2700)。基地局103は、設定モードの開始通知を受信すると、設定モードの報知信号を送信する。管理装置106でも設定ボタン304が押下されると、基地局105に設定モードの開始通知を行い、基地局105が設定モードの報知信号の送信を行う。
【0116】
管理装置102は、設定モードの報知信号を検出すると(2704でYES)、RAM302の基地局情報部に検出した基地局の情報を記憶する(2702)。管理装置102は、スキャンが終了すると(2703でYES)、設定モードの基地局の数を判断する(2704)。
【0117】
ここで、設定モードの基地局が1つならば(2704で「1」)、管理装置102は、無線端末からの設定要求を待ち、設定要求を受信すると、基地局103の無線パラメータを通知して無線パラメータの設定処理を行う(906)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。また、設定モードの基地局が0ならば(2704で「0」)、基地局103への設定モードの開始通知が届いていなかったと判断し、再度、基地局103に設定モードの開始通知を行う(901)。
【0118】
また、管理装置102は、設定モードの基地局を複数検出した場合には(2704で「複数」)、基地局103を介して重複通知をブロードキャストする。基地局103から送信された重複通知は、無線端末100にも送られる。また、有線LANを介して基地局105にも送られ、基地局105から管理装置106、無線端末104にも送られる。
【0119】
管理装置102は、重複通知を行うと、管理装置の探索を行う(903)。そして、探索した管理装置の情報を管理装置情報部305に記憶する。管理装置102は、探索が終了すると、管理装置情報部305に記憶した、他の管理装置の無線パラメータが、自身が管理している無線パラメータと同一であるか比較して確認する(904)。管理装置102は、探索した他の管理装置の無線パラメータが、自身が管理している無線パラメータと同一の場合(905でYES)、無線端末からの設定要求を待ち、設定要求が検出されると、無線端末との間で無線パラメータの設定処理を行う(906)。この場合は、無線端末がどの管理装置が管理する無線パラメータを設定しても同じ無線パラメータが設定されるので、設定モードを終了する必要はない。
【0120】
管理装置102は、探索した他の管理装置の無線パラメータが、自身が管理している無線パラメータと異なる場合(905でNO)、基地局103に対して、設定モード終了通知を行う(908)。そして、管理装置102は、自身の設定モードを終了する(909)。基地局103は、設定モード終了通知を受信すると、報知信号のモード領域400を「0」にした通常モードの報知信号を定期的に送信する。
【0121】
無線端末100は、設定ボタン203が押下されると(800)、タイマ206を起動し(2600)、重複通知が受信されるかどうかを監視する。このタイマ206は、管理装置102が設定モードの基地局のスキャンを行い、設定モードの重複通知を送信するまでの時間を確保するためのタイマである。
【0122】
そして、無線端末100は、設定モードで動作している基地局を探索するために、一定時間、スキャンを開始する(801)。スキャン開始後、無線端末100は、基地局が送信した報知信号(設定モード)を受信と(802)、基地局情報部205に、受信した報知信号から分かる基地局103の情報を記憶する(803)。無線端末100は、スキャンが終了すると(804でYES)、重複通知が受信されたかどうかを判断する(2601)。
【0123】
無線端末100は、重複通知が受信されないまま、2600で起動したタイマがタイムアウトした場合は(2601でNO、2602でYES)、803で記憶した基地局情報部205を参照する。そして、設定モードの基地局と接続し、管理装置との間で無線通信パラメータの設定を行う(811)。無線パラメータの設定が終了すると、管理装置は基地局に対して設定モード終了通知を行う。基地局は管理装置から設定モード終了通知を受けると、通常モードに切り換える。無線端末100は、管理装置102から提供された無線通信パラメータを設定し、通常モードで動作する基地局103と接続してデータ通信が可能になる。
【0124】
無線端末100は、2600で起動したタイマ206がタイムアウトする前に重複通知を受信すると(2601でYES)、タイマ206をリセットして再度タイマ206を起動する(808)。無線端末100は、808において起動したタイマ206がタイムアウトするまでに、基地局が設定モードを終了するかどうかを判断する。基地局の設定モードの終了を検出せず(809でNO)、タイマ206がタイムアウトすると(810でYES)。無線端末100は、設定モードで動作している基地局と接続して管理装置に設定要求を送信し、管理装置との間で無線パラメータの設定処理を行う(811)。
【0125】
また、無線端末100は、タイマ206がタイムアウトする前に、設定モードの報知信号を送信していた基地局が通常モードの報知信号を送信したことを検出すると(809でYES)、自身の設定モードを終了する(812)。なお、無線端末100は、基地局情報記憶部205を参照することにより、設定モードの基地局が通常モードに切り替わり、設定モードを終了したことを判断する。
【0126】
以上のように、本実施形態によれば、無線端末からの重複通知を受けなくても、管理装置側で設定モードの重複を判断できる。従って、他の管理装置の探索(903)の処理を速やかに開始でき、設定モードを終了するまでの時間を短縮できる。
【0127】
なお、管理装置102は、スキャン後に(2700から2703)、設定モードの基地局がないと判断した場合に、設定モード開始通知(901)を行うようにしてもよい。この場合は、スキャン開始時では基地局103は通常モードで動作している為、スキャンの結果、設定モードの基地局が1台でも存在すれば、無線端末100に対して設定モードの重複通知を行う(2705)。また、無線端末は、重複通知を受信すると、自身の設定モードを終了する。
【0128】
このようにすることにより、設定モードを終了する場合に、基地局は設定モードの報知信号を無駄に送信しなくてもすむ。
【0129】
また、無線端末側でも、設定モードの基地局が複数存在するかどうかを判断し、設定モードの基地局が複数あるにも係らず、重複通知を受信したいままタイマがタイムアウトすると(2602)、第1の実施形態のように無線端末から重複通知を行ってもよい。
【0130】
このようにすることにより、管理装置及び基地局は、より確実に設定モードを終了することができる。
【0131】
上記各実施形態の説明は、IEEE802.11準拠の無線LANを例に説明したが、本発明は、ワイヤレスUSB、MBOA(Multi Band OFDM Alliance)、Bluetooth(登録商標)等の他の無線媒体において実施してもよい。
【0132】
また、上記実施形態の説明では、無線パラメータとしてネットワーク識別子、暗号方式、暗号鍵を例にしたが、認証方式、認証鍵等、他の情報も無線パラメータには含まれるようにしてもよい。
【0133】
以上のように、上述した第1から第7の実施形態によれば、管理装置及び基地局は、早期に設定モードを終了することができる。
【0134】
また、設定モードの管理装置が複数あった場合でも、設定モードの管理装置が管理する無線パラメータが一致する場合は、無線パラメータ設定を行うことができる。
【0135】
よって、無線端末に誤った無線パラメータが設定されてしまう事態の発生を低減できる。
【符号の説明】
【0136】
100 無線端末
102 管理装置
103 基地局
104 無線端末
105 基地局
106 管理装置
107 有線LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置の制御方法であって、
他の通信装置を検出する検出工程と、
通信パラメータを共有するための設定モードの他の通信装置の検出数に応じて、前記通信装置は重複通知を送信する送信工程と、を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項2】
前記通信装置は、前記設定モードの他の通信装置を複数検出すると、前記重複通知を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置の制御方法。
【請求項3】
前記通信装置は、前記設定モードの基地局を複数検出すると、前記重複通知を送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信装置の制御方法。
【請求項4】
前記通信装置は、前記設定モードを前記重複通知後に終了することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の通信装置の制御方法。
【請求項5】
検出された前記設定モードの他の通信装置が1つの場合、通信パラメータを共有するための処理を該検出された他の通信装置と行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の通信装置の制御方法。
【請求項6】
前記設定モードの他の装置が1つも検出されない場合、前記重複通知を送信することなく、前記設定モードを終了することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の通信装置の制御方法。
【請求項7】
前記通信装置は、前記通信パラメータを管理する管理装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の通信装置の制御方法。
【請求項8】
前記通信装置は、前記通信パラメータを他の通信装置に提供する管理装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の通信装置の制御方法。
【請求項9】
通信装置であって、
他の通信装置を検出する検出手段と、
通信パラメータを共有するための設定モードの他の通信装置の検出数に応じて、重複通知を送信する送信手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項10】
前記通信装置は、前記設定モードの他の通信装置を複数検出すると、前記重複通知を送信することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記送信手段は、前記設定モードの基地局を複数検出すると、前記重複通知を送信することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記重複通知の後に、前記設定モードを終了する第1終了手段を有することを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項13】
検出された前記設定モードの他の通信装置が1つの場合、通信パラメータを共有するための処理を該検出された他の通信装置と行う設定手段を有することを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記設定モードの他の装置が1つも検出されない場合、前記重複通知を送信することなく、前記設定モードを終了する第2終了手段を有することを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置は、前記通信パラメータを管理する管理装置であることを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記通信装置は、前記通信パラメータを他の通信装置に提供する管理装置であることを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項17】
通信装置を制御方法するためのプログラムであって、
前記プログラムは、
他の通信装置を検出する検出工程と、
通信パラメータを共有するための設定モードの他の通信装置の検出数に応じて、前記通信装置が重複通知を送信する送信工程と、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
通信装置の制御方法であって、
他の通信装置を検出する検出工程と、
通信パラメータを共有するための設定モードの他の通信装置を複数検出し、該検出された他の通信装置が異なるグループに属する場合、重複通知を送信する送信工程と、を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項19】
通信装置の制御方法であって、
他の通信装置を検出する検出工程と、
通信パラメータを共有するための設定モードであり、異なる通信パラメータが設定されている他の通信装置を複数検出した場合、前記通信装置は重複通知を送信する送信工程と、を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項20】
通信装置の制御方法であって、
他の通信装置を検出する検出工程と、
通信パラメータを共有するための設定モードであることを通知し、かつ、異なる通信パラメータが設定されるネットワークのメンバの他の通信装置を複数検出した場合、前記通信装置は重複通知を送信する送信工程と、を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項21】
通信装置であって、
受信を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した信号に基づいて、通信パラメータを共有するための設定モードであること示す信号を送信し、かつ、異なるグループに属する複数の他の通信装置を検出した場合、重複通知を送信する送信手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項22】
通信装置であって、
他の通信装置を検出する検出手段と、
通信パラメータを共有するための設定モードであり、異なる通信パラメータが設定されている他の通信装置を複数検出した場合、重複通知を送信する送信手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項23】
通信装置であって、
他の通信装置を検出する検出手段と、
通信パラメータを共有するための設定モードであることを通知し、かつ、異なる通信パラメータが設定されるネットワークのメンバの他の通信装置を複数検出した場合、重複通知を送信する送信手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項24】
前記重複通知の後に、前記設定モードを終了する第1終了手段を有することを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項25】
前記設定モードの他の装置が1つも検出されない場合、前記重複通知を送信することなく、前記設定モードを終了する第2終了手段を有することを特徴とする請求項21至請求項24のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項26】
検出された前記設定モードの他の通信装置が1つの場合、通信パラメータを共有するための処理を該検出された他の通信装置と行う設定手段を有することを特徴とする請求項21乃至請求項25のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項27】
請求項21乃至請求項26のいずれか1項に記載の通信装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−39668(P2012−39668A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246708(P2011−246708)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【分割の表示】特願2006−286469(P2006−286469)の分割
【原出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】