説明

通信装置および通信制御方法

【課題】隣接システムの妨害波の受信電力が大きい場合に感度抑圧を回避することができる通信装置および通信制御方法を提供することである。
【解決手段】本発明に係る通信装置は、ゲイン調整可能な低雑音増幅器110と、低雑音増幅器110が受信する無線信号から希望波の第1受信電力を検出する希望波電力検出部160と、無線信号から希望波の受信電力および妨害波の受信電力の和である第2受信電力を検出する広帯域電力検出部150と、低雑音増幅器110のゲインを調整する制御部190とを備え、制御部190は、第2受信電力から第1受信電力をひいて第3受信電力を算出し、当該第3受信電力が所定の閾値より大きい場合に低雑音増幅器110のゲインを調整することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および通信制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線端末が基地局と通信するためには、基地局からの無線電波が届く範囲(サービスエリア)に無線端末が位置する必要がある。しかし、山岳地帯や高層ビル等が建ち並ぶ市街地には障害物が多いため無線電波が届きにくい領域が存在する。また、屋外に設置された基地局からは、電波が届かない領域(例えば、建物の内部や地下)が多く存在する。特に、IEEE標準規格802.16eを基に規格化されたWiMAX(登録商標)(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の高速無線通信方式においては、2.5GHz以上の周波数帯が使用されるが、このような高周波数帯の電波は直進性が強く障害物を回りこむ性質が弱いため、障害物の影響を強く受ける。このような電波が届かない領域をカバーするためには、基地局と無線端末との間の無線電波を中継する無線中継装置(レピータ)が必要となる。
【0003】
無線中継装置は、通常、受信回路の初段に低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)を備える。低雑音増幅器は、アンテナを介して受信した無線信号を増幅する。無線中継装置は、受信した信号が微弱な場合、初段の低雑音増幅器で微弱な信号を増幅することにより、良好な信号対雑音比を実現することができる。
【0004】
しかしながら、基地局と無線中継装置との距離が近い場合などは、無線中継装置が基地局から受信する信号の受信電力は大きい。したがって、低雑音増幅器のゲインが大き過ぎると低雑音増幅器自身または後段の受信回路において信号の歪みが生じ、受信信号の品質が劣化する場合がある。
【0005】
このような歪みに起因する受信信号の品質の劣化を防ぐため、無線中継装置が希望波の受信電力を検出し、当該受信電力が大きい場合は、低雑音増幅器のゲインを下げる制御をする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、希望波とは、基地局と無線中継装置とが無線通信を行っている無線通信システム(以下「自システム」という)の周波数帯域における信号であり、本来、無線中継装置が基地局から受信するべき信号である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−28066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、希望波の受信電力が大きい場合は、低雑音増幅器のゲインを下げるという制御をすることにより、希望波の歪みに起因する信号品質の劣化を防ぐことができる。
【0008】
一方、希望波の受信電力が小さく、自システムに隣接する周波数帯域を使用する他の無線通信システム(以下「隣接システム」という)において無線通信を行っている無線端末や無線中継装置から受信する無線信号(以下「妨害波」という)の受信電力が大きい場合は希望波の無線信号の品質は劣化する。
【0009】
これは、隣接システムの妨害波の受信電力が大きい場合に、低雑音増幅器や後段の受信回路などが飽和してしまうことによるものであり感度抑圧と称されるものである。
【0010】
従来技術は、希望波の受信電力のみを検出しており、隣接システムの妨害波の受信電力は検出していない。よって、感度抑圧に起因して希望波の信号品質が劣化している場合に、当該劣化が感度抑圧に起因するものか否かを判断することができず、感度抑圧を回避することができない。
【0011】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、隣接システムの妨害波の受信電力が大きい場合に感度抑圧を回避することができる通信装置および通信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する第1の観点に係る通信装置の発明は、
ゲイン調整可能な低雑音増幅器と、
前記低雑音増幅器が受信する無線信号から希望波の第1受信電力を検出する希望波電力検出部と、
前記無線信号から前記希望波の受信電力および妨害波の受信電力の和である第2受信電力を検出する広帯域電力検出部と、
前記低雑音増幅器のゲインを調整する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第2受信電力から前記第1受信電力をひいて第3受信電力を算出し、当該第3受信電力が所定の閾値より大きい場合に前記低雑音増幅器のゲインを調整する
ことを特徴とする。
【0013】
第2の観点に係る発明は、第1の観点に係る通信装置であって、前記制御部は、前記第3受信電力が所定の前記閾値より大きい場合に、当該第3受信電力と所定の当該閾値との差分だけ、前記低雑音増幅器のゲインを低下させることを特徴とする。
【0014】
第3の観点に係る発明は、第2の観点に係る通信装置であって、さらに、
前記希望波の信号品質を検出する信号品質検出部と、
前記低雑音増幅器のゲイン調整量と雑音指数の劣化量とを対応づけるテーブルを記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、
前記信号品質、および、低下させた前記ゲインに対応する雑音指数の劣化量から、前記低雑音増幅器のゲインを低下させた後の信号品質を算出し、
算出した前記信号品質に応じて変調方式を選択することを特徴とする。
【0015】
第4の観点に係る発明は、第2の観点に係る通信装置であって、さらに、
当該通信装置が通信不可である場合に、通信不可であることを報知する報知部を備え、
前記制御部は、前記第3受信電力と所定の前記閾値との差分が、前記低雑音増幅器の調整範囲を超えている場合に、前記報知部に通信不可であることを報知させることを特徴とする。
【0016】
第5の観点に係る発明は、第3の観点に係る通信装置であって、さらに、
当該通信装置が通信不可である場合に、通信不可であることを報知する報知部を備え、
前記制御部は、算出した前記信号品質に応じて選択できる変調方式がない場合に、前記報知部に通信不可であることを報知させることを特徴とする。
【0017】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0018】
例えば、本発明を方法として実現させた第6の観点に係る通信制御方法の発明は、
ゲイン調整可能な低雑音増幅器を備える通信装置の通信制御方法であって、
前記低雑音増幅器が無線信号を受信するステップと、
前記無線信号から希望波の第1受信電力を検出するステップと、
前記無線信号から前記希望波の受信電力および妨害波の受信電力の和である第2受信電力を検出するステップと、
前記第2受信電力から前記第1受信電力をひいて第3受信電力を算出するステップと、
前記第3受信電力が所定の閾値より大きい場合に前記低雑音増幅器のゲインを調整するステップと
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、隣接システムの妨害波の受信電力が大きい場合に感度抑圧を回避することができる通信装置および通信制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線中継装置のドナーノードの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る無線中継装置が受信する希望波および妨害波の受信電力の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る無線中継装置が感度抑圧回避処理に移行するか否かを判定する処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る無線中継装置の感度抑圧回避処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の通信装置を無線中継装置に適用した場合の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略図である。図1の例に示す無線通信システム1は、無線中継装置10、基地局20、自システムの無線端末30、隣接システムの無線端末40および隣接システムの無線中継装置50から構成されている。
【0023】
無線中継装置10は、ドナーノード100とサービスノード200とを備える。ドナーノード100は基地局20とデータを送受信するブロックであり、サービスノード200は無線端末30とデータを送受信するブロックである。
【0024】
ドナーノード100は、基地局20から自システムの希望波を受信するとともに、隣接システムの無線端末40や無線中継装置50が送信する無線信号も妨害波として受信する。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係る無線中継装置のドナーノードの概略構成を示す機能ブロック図である。無線中継装置10のドナーノード100は、低雑音増幅器110、バンドパスフィルタ120、RF(Radio Frequency)部130、ベースバンド部140、広帯域電力検出部150、希望波電力検出部160、信号品質検出部165、記憶部170、報知部180および制御部190を備える。
【0026】
低雑音増幅器110は、アンテナを介して無線信号を受信し、受信した無線信号を増幅する。低雑音増幅器110は、広帯域の周波数を増幅する増幅器であり、自システムの希望波だけでなく隣接システムの妨害波も増幅する。
【0027】
低雑音増幅器110はゲイン調整可能な増幅器であり、制御部190が低雑音増幅器110のゲインを制御する。図2においては明示的に示していないが、低雑音増幅器110と並列にバイパス回路を設け、低雑音増幅器110をバイパスしてゲインを下げる構成としてもよい。
【0028】
バンドバスフィルタ120は、低雑音増幅器110が増幅した無線信号を受け取り、自システムの周波数帯域以外の無線信号を減衰させてRF部130に出力する。
【0029】
RF部130は、バンドパスフィルタ120通過後の無線信号を受け取り、ベースバンド周波数へダウンコンバートする処理などをして、ベースバンド周波数に変換した信号をベースバンド部140に出力する。
【0030】
ベースバンド部140は、RF部130からベースバンド周波数の信号を受け取り、ベースバンド信号処理を行ってサービスノード200に出力する。
【0031】
広帯域電力検出部150は、低雑音増幅器110の出力部に接続され、自システムおよび隣接システムの周波数帯域全体の無線信号の受信電力(P2)を検出する。ここで、受信電力P2は、自システムの希望波の受信電力(P1)と隣接システムの妨害波の受信電力(P3)との和である。
【0032】
希望波電力検出部160は、バンドパスフィルタ120の出力に接続され、自システムの希望波の受信電力P1を検出する。
【0033】
信号品質検出部165は、バンドパスフィルタ120の出力に接続され、自システムの希望波の信号品質を検出する。信号品質検出部165は、信号品質として例えばCNR(Carrier to Noise Ratio)を検出する。
【0034】
記憶部170は、低雑音増幅器110のゲイン調整量と雑音指数(NF:Noise Figure)の劣化量とを対応させたテーブルを記憶する。
【0035】
報知部180は、無線中継装置10が感度抑圧に起因して通信不可となる可能性がある場合に、LEDを点灯させるなどの手段により通信不可である旨をユーザに報知する。
【0036】
制御部190は、ドナーノード100全体を制御する。制御部190は、CPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして構成したり、処理ごとに特化した専用のプロセッサ(例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ))によって構成したりすることもできる。
【0037】
制御部190は、広帯域電力検出部150から自システムの希望波および隣接システムの妨害波全体の受信電力P2を取得し、希望波電力検出部160からは自システムの希望波の受信電力P1を取得する。制御部190は、自システムの希望波および隣接システムの妨害波全体の受信電力P2から、自システムの希望波の受信電力P1をひくことにより隣接システムの妨害波の受信電力P3を算出する。
【0038】
制御部190は、隣接システムの妨害波の受信電力P3を予め設定されている閾値P4と比較し、P3がP4よりも大きい場合は感度抑圧により希望波の受信品質が劣化して無線中継装置10が通信不可になる可能性があると判断する。閾値P4は、事前の測定または計算などにより、妨害波の受信電力が当該値を超えると感度抑圧により無線中継装置10が通信不可になる可能性がある値として定めておく値である。
【0039】
図3に、希望波と妨害波の受信電力の一例を示す。図3に示す例においては、妨害波の受信電力P3は閾値P4を超えている。したがって、感度抑圧により無線中継装置10が通信不可になる可能性があることから、この場合は、P3をP4のレベルまで下げる必要がある。
【0040】
制御部190は、隣接システムの妨害波の受信電力P3が閾値P4よりも大きい場合は、P3をP4に等しくするために必要な低雑音増幅器110のゲイン調整量(以下「ゲイン調整量」という)を算出する。このゲイン調整量は、受信電力P3と閾値P4との差分である。そして、制御部190は、算出したゲイン調整量の分だけ低雑音増幅器110のゲインを低下させる。
【0041】
しかしながら、算出したゲイン調整量が低雑音増幅器110のゲイン調整範囲を超えている場合は、制御部190は、ゲイン調整量の分だけ低雑音増幅器110のゲインを低下させることができない。その場合は、制御部190は、報知部180を制御して、無線中継装置10が感度抑圧により通信不可となる可能性がある旨を報知させる。
【0042】
制御部190は、低雑音増幅器110のゲインを低下させる際に、記憶部170に記憶しているテーブルを参照して、当該ゲイン低下に対応する雑音指数の劣化量を取得する。制御部190は、当該雑音指数の劣化量および信号品質検出部165が検出するCNRから、ゲイン調整量の分だけ低雑音増幅器110のゲインを低下させた後のCNRを算出する。制御部190は、算出した劣化後のCNRに応じて適切な変調方式を変更する。
【0043】
一般的には、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)のような変調多値数の多い変調方式は高いCNRを要求し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)のような変調多値数の少ない変調方式は比較的低いCNRでも通信可能である。したがって、制御部190は、ゲイン調整量の分だけ低雑音増幅器110のゲインを低下させた後のCNRが、16QAMは選択不可だがQPSKは選択可能なレベルの場合、変調方式としてQPSKを選択する。
【0044】
算出した劣化後のCNRでは通信可能な変調方式がない場合は、制御部190は、報知部180を制御して、無線中継装置10が感度抑圧により通信不可となる可能性がある旨を報知させる。
【0045】
図4のフローチャートを参照しながら、本発明の一実施形態に係る無線中継装置が感度抑圧を回避する処理(以後「感度抑圧処理」という)に移行するか否かを判定する処理を説明する。
【0046】
希望波電力検出部160は、希望波の受信電力P1を検出する(ステップS101)。広帯域電力検出部150は、自システムの希望波および隣接システムの妨害波全体の受信電力P2を検出する(ステップS102)。
【0047】
制御部190は、希望波電力検出部160から希望波の受信電力P1を取得し、広帯域電力検出部150から自システムの希望波および隣接システムの妨害波全体の受信電力P2を取得する。制御部190は、P2からP1をひいて隣接システムの妨害波の受信電力P3を算出する(ステップS103)。
【0048】
制御部190は、隣接システムの妨害波の受信電力P3を予め設定されている閾値P4と比較する(ステップS104)。制御部190は、隣接システムの妨害波の受信電力P3が閾値P4以下である場合は、現状の低雑音増幅器110のゲインをそのまま継続する(ステップS105)。制御部190は、隣接システムの妨害波の受信電力P3が閾値P4より大きい場合は、感度抑圧回避処理に移行する(ステップS106)。感度抑圧回避処理については図5のフローチャートにて説明する。
【0049】
図5のフローチャートを参照しながら、本発明の一実施形態に係る無線中継装置の感度抑圧回避処理を説明する。
【0050】
制御部190は、隣接システムの妨害波の受信電力P3および閾値P4から低雑音増幅器110のゲイン調整量を算出する(ステップS201)。制御部190は、ゲイン調整量が低雑音増幅器110のゲイン調整範囲内であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0051】
制御部190は、ステップS202においてゲイン調整量が低雑音増幅器110のゲイン調整範囲内であると判定した場合、ゲイン調整量の分だけ低雑音増幅器110のゲインを低下させた場合のCNRの劣化量を算出する(ステップS203)。
【0052】
制御部190は、ゲイン調整量の分だけCNRが劣化した場合に、当該劣化したCNRで通信可能な変調方式があるか否かを判定する(ステップS204)。
【0053】
制御部190は、ステップS204において通信可能な変調方式があると判定した場合は、ゲイン調整量の分だけ低雑音増幅器110のゲインを低下させ、また、変調方式を劣化したCNRで通信可能な変調方式に変更する(ステップS205)。
【0054】
制御部190は、ステップS202においてゲイン調整量が低雑音増幅器110のゲイン調整範囲を超えると判定した場合、および、ステップS204において通信可能な変調方式がないと判定した場合は、感度抑圧により通信不可となる可能性があることをLEDの点灯などによりユーザに報知する(ステップS206)。
【0055】
このように、本実施形態によれば、隣接システムの無線信号の受信電力が大きい場合に感度抑圧を回避することができる通信装置および通信制御方法を提供することができる。
【0056】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0057】
また、上述の実施形態においては、無線中継装置のドナーノードを例に挙げて説明したが、これはドナーノードに限るものではなく、サービスノードについても同様の方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 無線中継装置
20 基地局
30 無線端末
40 隣接システムの無線端末
50 隣接システムの無線中継装置
100 ドナーノード
110 低雑音増幅器
120 バンドパスフィルタ
130 RF部
140 ベースバンド部
150 広帯域電力検出部
160 希望波電力検出部
165 信号品質検出部
170 記憶部
180 報知部
190 制御部
200 サービスノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲイン調整可能な低雑音増幅器と、
前記低雑音増幅器が受信する無線信号から希望波の第1受信電力を検出する希望波電力検出部と、
前記無線信号から前記希望波の受信電力および妨害波の受信電力の和である第2受信電力を検出する広帯域電力検出部と、
前記低雑音増幅器のゲインを調整する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第2受信電力から前記第1受信電力をひいて第3受信電力を算出し、当該第3受信電力が所定の閾値より大きい場合に前記低雑音増幅器のゲインを調整する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であって、前記制御部は、前記第3受信電力が所定の前記閾値より大きい場合に、当該第3受信電力と所定の当該閾値との差分だけ、前記低雑音増幅器のゲインを低下させることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信装置であって、さらに、
前記希望波の信号品質を検出する信号品質検出部と、
前記低雑音増幅器のゲイン調整量と雑音指数の劣化量とを対応づけるテーブルを記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、
前記信号品質、および、低下させた前記ゲインに対応する雑音指数の劣化量から、前記低雑音増幅器のゲインを低下させた後の信号品質を算出し、
算出した前記信号品質に応じて変調方式を選択することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項2に記載の通信装置であって、さらに、
当該通信装置が通信不可である場合に、通信不可であることを報知する報知部を備え、
前記制御部は、前記第3受信電力と所定の前記閾値との差分が、前記低雑音増幅器の調整範囲を超えている場合に、前記報知部に通信不可であることを報知させることを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項3に記載の通信装置であって、さらに、
当該通信装置が通信不可である場合に、通信不可であることを報知する報知部を備え、
前記制御部は、算出した前記信号品質に応じて選択できる変調方式がない場合に、前記報知部に通信不可であることを報知させることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
ゲイン調整可能な低雑音増幅器を備える通信装置の通信制御方法であって、
前記低雑音増幅器が無線信号を受信するステップと、
前記無線信号から希望波の第1受信電力を検出するステップと、
前記無線信号から前記希望波の受信電力および妨害波の受信電力の和である第2受信電力を検出するステップと、
前記第2受信電力から前記第1受信電力をひいて第3受信電力を算出するステップと、
前記第3受信電力が所定の閾値より大きい場合に前記低雑音増幅器のゲインを調整するステップと
を含むことを特徴とする通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−74505(P2013−74505A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212792(P2011−212792)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】