説明

通信装置及びこの装置のパラメータ設定方法並びにパラメータ設定プログラム

【課題】キャリブレーションの効率化を図る。
【解決手段】リーダ・ライタで少なくとも1つのRFIDタグから読み取った固有IDがキャリブレーションデータテーブルに記憶されているか否かを検索する。そして、記憶されていない場合にはキャリブレーションを実行して較正されたキャリブレーションデータをコントローラに設定する。記憶されている場合には保存されているキャリブレーションデータをコントローラに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ付のラベルを発行するラベル発行装置等に適用される通信装置及びこの装置のパラメータ設定方法並びにコンピュータを当該通信装置として機能させるためのパラメータ設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグ付のラベルを発行するラベル発行装置は、少なくともラベル搬送機構と、RFIDタグのリーダ・ライタと、装置全般を制御するコントローラとを備える。ラベル搬送機構は、RFIDタグがそれぞれ付された複数枚のラベルを一定の間隔を空けて搬送する。リーダ・ライタは、ラベルの搬送路近傍に配置されたアンテナで個々のRFIDタグと無線通信を行って当該タグとの間でデータの読取り及び書込みを行う。コントローラは、設定されたパラメータに従い搬送機構及びリーダ・ライタを制御する。
【0003】
パラメータは、ラベルの搬送量や搬送速度あるいはアンテナから放射される電波のパワー等である。このようなパラメータは、使用されるラベルのサイズやRFIDタグの性能等によって変化する。ラベル発行装置は、リーダ・ライタがRFIDタグと確実にデータの読取り及び書込みを行えるように、適切なパラメータをコントローラに設定する必要がある。
【0004】
このため従来は、RFIDタグとの通信開始前に操作パネルからキャリブレーション機能を呼出してパラメータを調整する方式と、RFIDタグとの通信開始時にキャリブレーション機能を自動的に作動させてパラメータを調整する方式とが一般的である。しかしながら、操作パネルからキャリブレーション機能を呼出す方式は、ユーザが操作を怠ると適切なパラメータに調整されず、RFIDタグとの通信に失敗するおそれがある。また、キャリブレーション機能を自動的に作動させる方式は、ラベルを発行する毎にキャリブレーション機能が作動するため、発行に時間を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許7190270号明細書
【特許文献2】特開2007−055009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、搬送路を搬送される無線通信媒体とアンテナでデータの読取り及び書込みを可能にするために必要なパラメータの較正(キャリブレーション)を、操作者の手を煩わせることなくかつ効率よく行うことができる通信装置及びこの装置のパラメータ設定方法並びにパラメータ設定プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、通信装置は、搬送手段と、リーダ・ライタと、制御手段と、固有IDを記憶するための記憶部と、処理手段とを備える。搬送手段は、共通の固有IDが設定された複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送する。リーダ・ライタは、搬送される各無線通信媒体の搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行う。制御手段は、設定されたパラメータに従い、搬送手段及びリーダ・ライタを制御する。処理手段は、リーダ・ライタで少なくとも1つの無線通信媒体から読み取った固有IDが記憶部に記憶されているか否かを検索する。そして、記憶されていない場合にはパラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを制御手段に設定する。記憶されている場合には保存されているパラメータを制御手段に設定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態で使用するラベル用紙の平面図。
【図2】本実施形態で使用するRFIDタグのメモリ構造を示す模式図。
【図3】本実施形態に係わるRFIDタグ発行装置の構成図。
【図4】同RFIDタグ発行装置のメモリに形成される主要なデータテーブルを示す図。
【図5】同RFIDタグ発行装置のコントローラがパラメータ設定プログラムに従って実行する処理手順の要部を示す流れ図。
【図6】図5におけるステップST10のキャリブレーション処理の具体的な手順を示す流れ図。
【図7】同RFIDタグ発行装置のコントローラがラベル発行処理の中で実行する主要な処理の手順を示す流れ図。
【図8】第2の実施形態のシステム構成を示す模式図。
【図9】同第2の実施形態において、RFIDタグ発行装置のコントローラがパラメータ設定プログラムに従って実行する処理手順の要部を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態は、RFIDタグ付のラベルを発行するラベル発行装置に適用した場合である。
【0010】
[第1の実施形態]
はじめに、実施形態で使用するラベル用紙1について、図1の平面図を用いて説明する。ラベル用紙1は、帯状の台紙2の表面に、長方形状をなす多数枚のラベル3が、台紙2の長手方向にそれぞれ一定の間隔dを空けて一列に貼り付けられている。各ラベル3の台紙2との接着面側には、それぞれ無線通信媒体であるRFIDタグ4が付されている。RFIDタグ4は、札体4Aの上にタグアンテナ4BとICチップ4Cとを配置してなる。RFIDタグ4は、バッテリを持たないパッシブタグである。
【0011】
RFIDタグ4のラベル3への取付位置はラベル用紙1の種類によって決まっている。図1に示すラベル用紙1は、ラベル3の搬送方向Cと同じ方向の全長L0に対し、先端より距離L1(L1<L0)の位置に、RFIDタグ4を付している。RFIDタグ4は、タグアンテナ4Bの長手方向が搬送方向Cに対して直角をなすようにラベル3に付されている。すなわち、隣接する2枚のラベル3,3にそれぞれ付されたRFIDタグ4,4の間隔は(L0+d)で一定である。台紙2の表面の各ラベル3の先端側には、ラベル3の先頭を示すマーク5が設けられている。
【0012】
RFIDタグ4におけるICチップ4Cのメモリ領域は、図2に示すように、書換え可能なメモリバンク0〜4の領域に区分されている。メモリバンク0は、パスワードデータを記憶する。メモリバンク1は、各ラベル3に付されたRFIDタグ4を識別するためにRFIDタグ4毎に一意に設定される固有ID(UTD)を記憶する。メモリバンク2は、ラベル用紙1を識別するためにその用紙1に添付された全てのラベル3のRFIDタグ4に対して共通に設定される固有ID(TID)を記憶する。メモリバンク3は、オプション領域であり、ユーザが自由にデータを格納することができる。
【0013】
次に、本実施形態に係わるラベル発行装置10の構成について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、ラベル発行装置10は、搬送ローラ11とプラテンローラ12でラベル用紙1を矢印Cの方向に搬送する。そして、このラベル用紙1の搬送路に沿って、搬送方向Cの上流側より、マークセンサ13と、リーダ・ライタ14のアンテナ14Aと、印字ヘッド15とを順に配置している。
【0014】
マークセンサ13は、ラベル用紙1に設けられているマーク5を例えば光学的に検出する。マークセンサ13は、搬送路上を搬送されるラベル用紙1の表面をその搬送方向Cに沿って走査し、マーク5の搬送方向Cに対して先方にある縁を検知するとオンし、後方にある縁を検知するとオフする信号を出力する。
【0015】
リーダ・ライタ14は、RFIDタグ4と無線通信を行うために、無変調波(電磁波)をアンテナ14Aから放射させる。この無変調波を受信したRFIDタグ4は起動して応答波を返すので、この応答波をアンテナ14Aで受信すると、リーダ・ライタ14は、RFIDタグ4と交信する。そして、RFIDタグ4にデータを書き込む場合、リーダ・ライタ14は、書込みデータを符号化した信号でアンテナ14Aから放射される電磁波を振幅変調する。RFIDタグ4は、アンテナ4Bのインピーダンスを変化させることにより、受信電波の反射と吸収を行う。リーダ・ライタ14は、RFIDタグ4からの反射波をアンテナ14Aで受信し復調して、RFIDタグ4からの受信データを得る。
【0016】
印字ヘッド15は、ヘッドドライバ16に接続されている。ヘッドドライバ16は、印字ヘッド15を駆動して、プラテンローラ12上に搬送されたラベル3の印刷面、つまりはRFIDタグ4が付されている面とは反対側の面に印刷する。
【0017】
リーダ・ライタ14とヘッドドライバ16とは、それぞれコントローラ17に接続している。コントローラ17には、その他に、操作パネル18、通信インターフェース19、モータ20、センサ信号入力部21及びメモリ22などが接続されている。
【0018】
操作パネル18は、ユーザとのインターフェース機能を有する。通信インターフェース19は、上位機器とのインターフェース機能を有する。ラベル発行装置10は、通信インターフェース19を介して上位機器からRFIDタグ4に書き込むデータやラベル3に印刷するデータ等を受信する。
【0019】
モータ20は、搬送ローラ11とプラテンローラ12とを、図3の矢印に示す方向に回転させる。この回転により、ラベル用紙1は、搬送方向Cに搬送される。ラベル用紙1には、前述したようにRFIDタグ4が一定の間隔で付されている。
【0020】
ここに、モータ20と搬送ローラ11とプラテンローラ12とは、共通の固有ID(TID)が設定された複数のRFIDタグ4を一定の間隔を空けて搬送する搬送手段を構成する。リーダ・ライタ14は、この搬送手段により搬送される各RFIDタグ4の搬送路近傍に配置されたアンテナ14Aで個々のRFIDタグ4と無線通信を行って当該RFIDタグ4との間でデータの読取り及び書込みを行う。
【0021】
センサ信号入力部21は、前記マークセンサ13を含む各種センサからの信号を入力する。各種センサには、ラベル用紙1を交換するために開閉される部材、例えばカバー,扉,蓋などの開閉を検出するための開閉センサ23も含まれる。開閉センサ23は、例えば部材の閉塞または開放によってオンする光学式センサが適用される。あるいは、部材の閉塞と開放とによってオン,オフが切り替わる機械式スイッチでもよい。ここに、開閉センサ23は、搬送手段により搬送される前記無線通信媒体を交換するために開閉される部材の閉塞または開放を検出する検出手段を構成する。
【0022】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを含む。ROMの領域には、特に、後述するパラメータ設定プログラムが格納される。RAMの領域には、特に、キャリブレーションデータベース31とキャリブレーション実行テーブル32とが形成される。
【0023】
キャリブレーションデータベース31とキャリブレーション実行テーブル32のデータ構造を図4に示す。図示するように、キャリブレーションデータベース31は、ラベル用紙1で共通の固有ID[TID]に関連付けて、キャリブレーションデータ[C−DATA]を記憶する。キャリブレーション実行テーブル32は、ラベル3の一定量(図では5mm)毎の搬送量に関連付けて、リーダ・ライタ14によるRFIDタグ4へのデータ書込結果(成功:OK,失敗:NG)を記憶する。
【0024】
キャリブレーションデータ[C−DATA]は、搬送手段によって搬送路を搬送されるRFIDタグ4と安定なデータの読取り及び書込みをアンテナ14Aで可能にするために必要なパラメータである。キャリブレーションデータ[C−DATA]には、パラメータの項目として搬送量、搬送速度、送信パワーの少なくとも1つが含まれる。
【0025】
搬送量は、マークセンサ13によって先端が検出されたラベル3が、このラベル3に付されたRFIDタグ4がアンテナ14Aの交信領域内に移動するまでに要する搬送距離である。搬送速度は、ラベル3に付されたRFIDタグ4がアンテナ14Aの交信領域内を通過する際の速度である。送信パワーは、RFIDタグ4へのデータ書込み時にアンテナ14から放射される電磁波のパワーである。
ここに、キャリブレーションデータベース31は、RFIDタグ4に設定される共通の固有ID[TID]とパラメータとを関連付けて記憶するための記憶部を構成する。そして、このキャリブレーションデータベース31のデータは、ラベル発行装置10の電源オフの際にもデータが失われないように、図示しない不揮発性の記憶装置に保存される。あるいは、通信インターフェース19を介して接続される外部機器にキャリブレーションデータベース31のデータが保存される。
【0026】
コントローラ17は、CPU(Central Processing Unit)を主体とし、メモリ22に記憶されたプログラムに従って各部を制御することにより、ラベル発行装置10としての機能を実現させる。特に、コントローラ17は、操作パネル18の操作入力によりラベル発行が指令されると、図5の流れ図によって示される手順のパラメータ設定処理を実行する。この処理は、前記パラメータ設定プログラムに基づくものである。
【0027】
先ず、コントローラ17は、開閉センサ23の信号を読み取る。そして、部材が開放されているか閉塞されているかを判別する(ST1)。部材が開放されている場合(ST1のNO)、ラベル用紙1の交換を含むメンテナンス中であるので、コントローラ17は、部材が閉塞されるのを待機する。
【0028】
開閉センサ23の信号により、部材が閉塞されているか、開放状態から閉塞されたことを検知すると(ST1のYES)、コントローラ17は、モータ20を駆動してラベル用紙1の搬送方向Cへの搬送を開始する(ST2)。また、コントローラ17は、リーダ・ライタ14を制御して、RFIDタグ4のデータを読み取らせる(ST3)。コントローラ17は、RFIDタグ4のデータを読み取れたか否かを判断する(ST4)。読み取れない場合(ST4のNO)、コントローラ17は、リーダ・ライタ14を再度制御して、RFIDタグ4のデータを読み取らせる(ST3)。
【0029】
こうして、コントローラ17は、RFIDタグ4の読取り動作を繰り返させる。そして、アンテナ14Aを介してRFIDタグ4のデータを読み取れたならば(ST4のYES)、コントローラ17は、モータ20を止めてラベル用紙1の搬送を停止する(ST5)。
【0030】
次に、コントローラ17は、RFIDタグ4から読み取ったデータを解析して、キャリブレーションデータ[C−DATA]が含まれているか否かを判定する(ST6)。キャリブレーションデータ[C−DATA]が含まれている場合(ST6のYES)、コントローラ17は、そのキャリブレーションデータ[C−DATA]を設定する(ST12)。そしてコントローラ17は、この設定されたキャリブレーションデータ[C−DATA]に基づいて、ラベル発行処理を制御する(制御手段)。
【0031】
RFIDタグ4から読み取ったデータにキャリブレーションデータ[C−DATA]が含まれていない場合(ST6のNO)、コントローラ17は、RFIDタグ4のデータからメモリバンク2の固有ID[TID]を検出し、この固有ID[TID]でキャリブレーションデータベース31を検索する(ST7)。そしてコントローラ17は、RFIDタグ4から検出した固有ID[TID]がキャリブレーションデータベース31に登録されているか否かを判定する(ST8)。
【0032】
登録されている場合(ST8のYES)、コントローラ17は、その登録されているキャリブレーションデータ[C−DATA]をキャリブレーションデータベース31から呼出す(ST9)。コントローラ17は、この呼出したキャリブレーションデータ[C−DATA]を設定する(ST12)。そしてコントローラ17は、この設定されたキャリブレーションデータ[C−DATA]に基づいて、ラベル発行処理を制御する(制御手段)。
【0033】
RFIDタグ4から検出した固有ID[TID]がキャリブレーションデータベース31に登録されていない場合(ST8のNO)、コントローラ17は、後述するキャリブレーションを実行して、搬送量,搬送速度,送信パワー等のキャリブレーションデータ[C−DATA]を得る(ST10)。コントローラ17は、このキャリブレーションデータ[C−DATA]を、ST7の処理で検出した固有ID[TID]と関連付けて、キャリブレーションデータベース31に登録する(ST11)。またコントローラ17は、このキャリブレーションデータ[C−DATA]を設定する(ST12)。そしてコントローラ17は、この設定されたキャリブレーションデータ[C−DATA]に基づいて、ラベル発行処理を制御する(制御手段)。
【0034】
ここに、コントローラ17は、ステップST7,8,9,10,12の処理により、リーダ・ライタ14で少なくとも1つのRFIDタグ4から読み取った固有ID[TID]がキャリブレーションデータベース31に記憶されているか否かを検索し、記憶されていない場合にはキャリブレーションを実行して較正されたキャリブレーションデータ[C−DATA]を制御手段に設定し、記憶されている場合には保存されているキャリブレーションデータ[C−DATA]を制御手段に設定する処理手段を構成する。
【0035】
また、コントローラ17は、ステップST11の処理により、キャリブレーションを実行したときにはリーダ・ライタ14で読み取った固有ID[TID]とキャリブレーションにより較正されたキャリブレーションデータ[C−DATA]とを関連付けてキャリブレーションデータベース31に保存する処理手段を構成する。
【0036】
さらに、コントローラは、ステップST6,10,12の処理により、リーダ・ライタ14で少なくとも1つのRFIDタグ4から読み取ったデータにキャリブレーションデータ[C−DATA]が含まれるか否かを検索し、含まれない場合にはキャリブレーションを実行して較正されたキャリブレーションデータ[C−DATA]を制御手段に設定し、含まれる場合にはそのRFIDタグ4から読み取ったデータに含まれるキャリブレーションデータ[C−DATA]を制御手段に設定する処理手段を構成する。
【0037】
図6は、キャリブレーションの処理手順を示す流れ図である。なお、キャリブレーションの処理手順は周知のものであり、この図6に示すものに限定されるものではない。
キャリブレーションを開始すると、コントローラ17は、先ず、カウンタiを“0”にリセットする(ST21)。次いでコントローラ17は、設定された搬送速度でモータ20を駆動してラベル用紙1の搬送方向Cへの搬送を開始する(ST22)。そしてコントローラ17は、マークセンサ13によってラベル3の先端が検知されるのを待機する(ST23)。
【0038】
マークセンサ13は、ラベル用紙1に設けられたマーク5の搬送方向に対して先方となる縁を検知するとオンし、後方となる縁を検知するとオフする。マーク5の搬送方向に対して後方となる縁は、ラベル3の先端に一致する。したがって、コントローラ17は、マークセンサ13の信号がオンからオフに変化するのを待機する。
【0039】
マークセンサ13の信号がオンからオフに変化したことを検知すると(ST23のYES)、コントローラ17は、内蔵のタイマをスタートさせる(ST24)。また、コントローラ17は、カウンタiを“1”だけカウントアップする(ST25)。
【0040】
コントローラ17は、設定された搬送速度とタイマの時間とから、ラベル用紙1が一定量ΔL(本実施形態では5mm)搬送されるのを待機する(ST26)。ラベル用紙1が一定量ΔL搬送されたならば(ST26のYES)、コントローラ17は、設定された送信パワーでリーダ・ライタ14を制御して、RFIDタグ4に対するデータの読取り及び書込みを制御する(ST27)。そしてコントローラ17は、この読取り及び書込みに成功したか否かを判定する(ST28)。例えば、RFIDタグ4に書き込んだデータと読み取ったデータとを照合し、一致した場合には成功、一致しない場合には失敗と判定する。
【0041】
成功の場合(ST28のYES)、コントローラ17は、一定量ΔLにカウンタiの値を乗算して搬送量[ΔL*i]を算出し、キャリブレーション実行テーブル32に、この搬送量[ΔL*i]と成功を示すデータ“OK”とを記憶する(ST29)。これに対し、失敗の場合には(ST28のNO)、同様にして搬送量[ΔL*i]を算出したならば、キャリブレーション実行テーブル32に、この搬送量[ΔL*i]と失敗を示すデータ“NG”とを記憶する(ST30)。
【0042】
コントローラ17は、マークセンサ13によって次のラベル3の先端が検知されたか否かを判断する(ST31)。検知されていない場合(ST31のNO)、コントローラ17は、ステップST25の処理に戻る。
【0043】
こうして、コントローラ17は、カウンタiをカウントアップする毎に、ラベル用紙1の一定量ΔLの搬送とRFIDタグ4に対するデータの読取り及び書込みを制御し、読取り及び書込みに成功した場合には、現時点の搬送量[ΔL*i]と成功を示すデータ“OK”とをキャリブレーション実行テーブル32に記憶し、読取り及び書込みに失敗した場合には、現時点の搬送量[ΔL*i]と失敗を示すデータ“NG”とをキャリブレーション実行テーブル32に記憶する処理を繰り返す。
【0044】
そして、マークセンサ13によって次のラベル3の先端が検知されたならば(ST31のYES)、コントローラ17は、タイマを停止する(ST32)。そしてコントローラ17は、キャリブレーション実行テーブル32のデータから最適な搬送量を決定する(ST32)。例えばコントローラ17は、成功を示すデータ“OK”が連続する搬送量の区間の中で最大の区間を選択し、その区間の中心となる搬送量を最適な搬送量として決定する。こうして、コントローラ17は、この搬送量と、搬送速度と、送信パワーとから、キャリブレーションデータ[C−DATA]を取得する。
【0045】
また、コントローラ17は、ラベル発行処理において、図7の流れ図に示す手順の処理を実行する。すなわちコントローラ17は、開閉センサ23の信号を監視し、閉塞状態にある部材が開放されるのを待機する(ST41)。部材が開放されるまでは(ST41のNO)、コントローラ17は、ラベル発行処理を継続する。
【0046】
部材が開放されると(ST41のYES)、コントローラ17は、モータ20を駆動してラベル用紙1の搬送方向Cへの搬送を開始する(ST42)。また、コントローラ17は、リーダ・ライタ14を制御して、RFIDタグ4のデータを読み取る(ST43)。コントローラ17は、RFIDタグ4のデータを読み取れたか否かを判断する(ST44)。読み取れない場合(ST44のNO)、コントローラ17は、リーダ・ライタ14を再度制御して、RFIDタグ4のデータを読み取る(ST43)。
【0047】
こうして、コントローラ17は、RFIDタグ4の読取り動作を繰り返す。そして、アンテナ14Aを介してRFIDタグ4のデータを読み取れたならば(ST44のYES)、コントローラ17は、リーダ・ライタ14を制御して、現在のラベル発行処理で設定されているキャリブレーションデータ[C−DATA]をRFIDタグ4に書き込む(ST45:書込手段)。しかる後、コントローラ17は、モータ20を止めてラベル用紙1の搬送を停止し(ST46)、ラベル発行処理を終了する。
【0048】
このように、本実施形態のラベル発行装置10は、記憶手段としてキャリブレーションデータベース31を備えている。そしてラベル発行装置10は、ラベル用紙1に対してキャリブレーションを実行すると、このラベル用紙1に対して共通の固有ID[TID]に関連付けて、キャリブレーションによって得られたキャリブレーションデータ[C−DATA]がキャリブレーションデータベース31に登録する。このため、キャリブレーションデータベース31には、当該ラベル発行装置10でキャリブレーションが実行されたラベル用紙1の固有ID[TID]に関連付けて、当該ラベル用紙1に対するキャリブレーションデータ[C−DATA]が記憶される。
【0049】
ラベル発行装置10は、上記キャリブレーションデータベース31に固有ID[TID]が記憶されているラベル用紙1については、ラベル発行の開始時にキャリブレーションを実行しない。ラベル発行装置10は、当該固有ID[TID]に関連付けられたキャリブレーションデータ[C−DATA]をコントローラ17に設定して、ラベル発行処理を実行する。
【0050】
したがって、ユーザの操作を必要とせずとも適切なキャリブレーションデータ[C−DATA]がコントローラ17に設定されるので、キャリブレーションデータ[C−DATA]が適切でないためにRFIDタグ4との通信に失敗することはない。しかも、キャリブレーションデータベース31に登録された固有ID[TID]で識別されるラベル用紙1については、ラベル発行前にキャリブレーションが実行されないので、ラベル3を短時間で発行することができる。
【0051】
また、本実施形態のラベル発行装置10は、ラベル発行処理のモードにおいて、ラベル用紙1の交換のために部材が開放されると、その時点で設定されているキャリブレーションデータ[C−DATA]を、交換前のラベル用紙1の先頭ラベル3に書き込む。そしてラベル発行装置10は、ラベル発行が指令されたとき、先頭ラベル3のデータを読取り、キャリブレーションデータ[C−DATA]が記憶されている場合には、キャリブレーションを実行せずに、ラベル3から読み取ったキャリブレーションデータ[C−DATA]をコントローラ17に設定する。
【0052】
したがって、ユーザの操作を必要とせずとも適切なキャリブレーションデータ[C−DATA]がコントローラ17に設定されるので、キャリブレーションデータ[C−DATA]が適切でないためにRFIDタグ4との通信に失敗することはない。しかも、先頭ラベル3にキャリブレーションデータ[C−DATA]が書き込まれたラベル用紙1については、ラベル発行前にキャリブレーションが実行されないので、ラベル3を短時間で発行することができる。このような作用効果は、同一タイプのラベル発行装置10が複数台あり、そのうちの1台で使用していたラベル用紙を別の1台に移し変えて使用する場合に顕著である。
【0053】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。なお、この第2の実施形態においても、第1の実施形態で図1及び図2を用いて説明したラベル用紙1を使用する。
【0054】
図8は、第2の実施形態のシステム構成図である。本システムは、第1のクライアントシステム51と第2のクライアントシステム52とデータベースサーバ60とを含む。第1,第2のクライアントシステム51,52とデータベースサーバ60とは、インターフェースネット等の通信ネットワーク70で接続している。
【0055】
第1のクライアントシステム51は、2台のラベル発行装置100とルータ110とを備え、これらをLAN(Local Area Network)120で接続している。第2のクライアントシステム52は、1台のラベル発行装置100とルータ110とを備え、これらをLAN(Local Area Network)120で接続している。なお、ラベル発行装置100の台数は、特に限定されるものではなく、1つのクライアントシステム内で必要な台数を接続することが可能である。
【0056】
ラベル発行装置100の基本構成は、第1の実施形態のラベル発行装置10と同じである。このため、図3を用いて、その説明を省略する。ただし、ラベル発行装置100は、そのメモリ22にキャリブレーションデータベース31を持たない。キャリブレーションデータベース31は、データベースサーバ60が有する。また、通信インターフェース19は、LAN120に接続される。ここに、通信インターフェース19は、固有ID[TID]とキャリブレーションデータ[C−DATA]とを関連付けて保存するデータベース31を備えたサーバ60と通信する通信手段を構成する。
【0057】
ラベル発行装置100のコントローラ17は、操作パネル18の操作入力によりラベル発行が指令されると、図9の流れ図によって示される手順のパラメータ設定処理を実行する。この処理は、パラメータ設定プログラムに基づくものであり、図9において、第1の実施形態と共通する部分には同一ステップの符号を付している。
【0058】
すなわち、部材が閉塞されていると(ST1のYES)、コントローラ17は、ラベル用紙1の搬送を開始するとともに(ST2)、RFIDタグ4の読取りを制御し(ST3)、RFIDタグ4のデータを読み取れたならば(ST4のYES)、ラベル用紙1の搬送を停止する(ST5)。
【0059】
しかる後、コントローラ17は、RFIDタグ4のデータからメモリバンク2の固有ID[TID]を検出し、この固有ID[TID]をデータベースサーバ60に送信する(ST51)。
【0060】
いずれかのラベル発行装置100から送信された固有ID[TID]のデータは、LAN120、ルータ110、及び通信ネットワーク70を経て、データベースサーバ60に送られる。
【0061】
データベースサーバ60は、受信した固有ID[TID]でキャリブレーションデータベース31を検索する。そして当該固有ID[TID]がキャリブレーションデータベース31に登録されている場合は、データベースサーバ60は、その登録されているキャリブレーションデータ[C−DATA]を、固有ID[TID]送信元のラベル発行装置100に返信する。登録されていない場合には、登録無しを示す情報を、同じく固有ID[TID]送信元のラベル発行装置100に返信する。
【0062】
固有ID[TID]を送信したラベル発行装置100のコントローラ17は、サーバ60からの返信を待機する(ST52)。そして、キャリブレーションデータ[C−DATA]の返信を受信したならば(ST52のYES)、コントローラ17は、そのキャリブレーションデータ[C−DATA]を設定し(ST12)、この設定されたキャリブレーションデータ[C−DATA]に基づいて、ラベル発行処理を制御する(制御手段)。
【0063】
これに対し、データ無しの返信を受信した場合には(ST52のNO)、コントローラ17は、キャリブレーションを実行して、搬送量,搬送速度,送信パワー等のキャリブレーションデータ[C−DATA]を得る(ST10)。そしてコントローラ17は、このキャリブレーションデータ[C−DATA]を、ST51の処理で検出した固有ID[TID]とともにデータベースサーバ100に送信する(ST53)。またコントローラ17は、このキャリブレーションデータ[C−DATA]を設定する(ST12)。そしてコントローラ17は、この設定されたキャリブレーションデータ[C−DATA]に基づいて、ラベル発行処理を制御する(制御手段)。
【0064】
データベースサーバ60は、いずれかのラベル発行装置100から固有ID[TID]とキャリブレーションデータ[C−DATA]とを受信すると、キャリブレーションデータベース31にその固有ID[TID]に関連付けてキャリブレーションデータ[C−DATA]を登録する。
【0065】
ここに、コントローラ17は、ステップST3,4,5,51,52,10,12の処理により、リーダ・ライタ14で少なくとも1つのRFIDタグ4から固有ID[TID]を読み取り、この読み取った固有ID[TID]がキャリブレーションデータベース31に保存されているか否かをデータベースサーバ60に問合せ、保存されていない旨の応答を受信した場合にはキャリブレーションを実行して較正されたキャリブレーションデータ[C−DATA]を設定し、保存されている旨の応答を受信した場合にはその保存されているキャリブレーションデータ[C−DATA]をサーバ60から呼出して設定する処理手段として機能する。
【0066】
このように、各ラベル発行装置100においては、ユーザの操作を必要とせずとも適切なキャリブレーションデータ[C−DATA]がコントローラ17に設定される。また、キャリブレーションデータベース31に登録された固有ID[TID]で識別されるラベル用紙1については、ラベル発行前にキャリブレーションが実行されない。したがって、各ラベル発行装置100において、それぞれ第1の実施形態と同様の効果を奏し得るので、システムの規模が大きくなるほどその効果は大である。しかも、各ラベル発行装置100は、キャリブレーションデータベース31を不要にできるので、メモリ容量を節約できるメリットもある。
【0067】
以下、その他の実施形態について説明する。
例えば、前記実施形態では、操作パネル18の操作入力によりラベル発行業務の開始が指令されたときに、図5または図9の処理が実行されるものとして説明した。図5または図9の処理が開始されるタイミングは、それに限定されるものでない。例えば、ラベル用紙1の交換が完了して部材が閉じられたことを検知すると、それに応じて自動的に図5または図9の処理が実行されるようにしてもよい。
【0068】
また、ラベル発行装置10または100において、ラベル用紙1の搬送路に沿って配置されるアンテナ14Aと印字ヘッド15の順序は逆でもよい。すなわち、先にラベル3の印刷面に印刷を行い、その後、このラベル3に付されたRFIDタグ4にデータを書き込んでラベル3を発行するタイプのラベル発行装置にも本発明は適用できるものである。
【0069】
さらに、前記実施形態は、装置内部のメモリ22に発明の機能を実現させるパラメータ設定プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0070】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1…ラベル用紙、3…ラベル、4…RFIDタグ、5…マーク、10,100…ラベル発行装置、13…マークセンサ、14…リーダ・ライタ、14A…アンテナ、15…印字ヘッド、16…ヘッドドライバ、17…コントローラ、18…操作パネル、19…通信インターフェース、20…モータ、31…キャリブレーションデータベース、32…キャリブレーション実行テーブル、60…データベースサーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の固有IDが設定された複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される前記各無線通信媒体の搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、
前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段と、
前記固有IDを記憶するための記憶部と、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体から読み取った前記固有IDが前記記憶部に記憶されているか否かを検索し、記憶されていない場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定し、記憶されている場合には保存されているパラメータを前記制御手段に設定する処理手段と、
を具備したことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記固有IDと前記パラメータとを関連付けて記憶するものであり、
前記処理手段は、前記キャリブレーションを実行したときには前記リーダ・ライタで読み取った前記固有IDと前記キャリブレーションにより較正された前記パラメータとを関連付けて前記記憶部に保存する処理を含むことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記各無線通信媒体の搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、
前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段と、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体から読み取ったデータに前記パラメータが含まれるか否かを検索し、含まれない場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定し、含まれる場合にはその無線通信媒体から読み取ったデータに含まれるパラメータを前記制御手段に設定する処理手段と、
を具備したことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
前記搬送手段により搬送される前記無線通信媒体を交換するために開閉される部材の閉塞を検出する検出手段、をさらに具備し、
前記処理手段は、前記検出手段により前記部材の閉塞が検出されると作動することを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
前記搬送手段により搬送される前記無線通信媒体を交換するために開閉される部材の開放を検出する検出手段と、
この検出手段により前記部材の開放が検出されると、前記リーダ・ライタで前記搬送手段により搬送される少なくとも1つの前記無線通信媒体に、前記制御手段に設定されている前記パラメータを書き込む書込手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項6】
共通の固有IDが設定された複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記各無線通信媒体の搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、
前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段と、
前記固有IDと前記パラメータとを関連付けて保存するデータベースを備えたサーバと通信する通信手段と、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体から前記固有IDを読み取り、この読み取った前記固有IDが前記データベースに保存されているか否かを前記サーバに問合せ、保存されていない旨の応答を受信した場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定し、保存されている旨の応答を受信した場合には当該固有IDに関連付けられて前記データベースに保存されているパラメータを前記サーバから呼出して前記制御手段に設定する処理手段と、
を具備したことを特徴とする通信装置。
【請求項7】
共通の固有IDが設定された複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送し、その搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段とを備えた通信装置の前記パラメータを前記制御手段に設定する方法であって、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体から前記固有IDを読み取り、
この読み取った前記固有IDが記憶部に記憶されているか否かを検索し、
記憶されていない場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定し、
記憶されている場合には保存されているパラメータを前記制御手段に設定する、
ことを特徴とするパラメータ設定方法。
【請求項8】
前記キャリブレーションを実行したときには前記リーダ・ライタで読み取った前記固有IDと前記キャリブレーションにより較正された前記パラメータとを関連付けて前記記憶部に保存することを特徴とする請求項7記載のパラメータ設定方法。
【請求項9】
複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送し、その搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段とを備えた通信装置の前記パラメータを前記制御手段に設定する方法であって、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体からデータを読取り、
この読み取ったデータに前記パラメータが含まれるか否かを検索し、
含まれない場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定し、
含まれる場合にはその無線通信媒体から読み取ったデータに含まれるパラメータを前記制御手段に設定する、
ことを特徴とするパラメータ設定方法。
【請求項10】
共通の固有IDが設定された複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送し、その搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段と、前記固有IDと前記パラメータとを関連付けて保存するデータベースを備えたサーバと通信する通信手段とを備えた通信装置の前記パラメータを前記制御手段に設定する方法であって、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体から前記固有IDを読み取り、
この読み取った前記固有IDが前記データベースに保存されているか否かを前記サーバに問合せ、
保存されていない旨の応答を受信した場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定し、
保存されている旨の応答を受信した場合には当該固有IDに関連付けられて前記データベースに保存されているパラメータを前記サーバから呼出して前記制御手段に設定する、
ことを特徴とするパラメータ設定方法。
【請求項11】
共通の固有IDが設定された複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送し、その搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段とを備えた通信装置のコンピュータに、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体から前記固有IDを読み取る機能と、
読み取った前記固有IDが記憶部に記憶されているか否かを検索する機能と、
検索の結果、記憶されていない場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定する機能と、
検索の結果、記憶されている場合には保存されているパラメータを前記制御手段に設定する機能と、
を実現させるためのパラメータ設定プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
前記キャリブレーションを実行したときに前記リーダ・ライタで読み取った前記固有IDと前記キャリブレーションにより較正された前記パラメータとを関連付けて前記記憶部に保存する機能、
をさらに実現させるための請求項11記載のパラメータ設定プログラム。
【請求項13】
複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送し、その搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段とを備えた通信装置のコンピュータに、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体からデータを読取る機能と、
読み取ったデータに前記パラメータが含まれるか否かを検索する機能と、
検索の結果、含まれない場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定する機能と、
検索の結果、含まれる場合にはその無線通信媒体から読み取ったデータに含まれるパラメータを前記制御手段に設定する機能と、
を実現させるためのパラメータ設定プログラム。
【請求項14】
共通の固有IDが設定された複数の無線通信媒体を一定の間隔を空けて搬送し、その搬送路近傍に配置されたアンテナで個々の前記無線通信媒体と無線通信を行って当該無線通信媒体との間でデータの読取り及び書込みを行うリーダ・ライタと、前記搬送路を搬送される前記無線通信媒体とデータの読取り及び書込みを前記アンテナで可能にするために必要なパラメータに従い前記搬送手段及び前記リーダ・ライタを制御する制御手段と、前記固有IDと前記パラメータとを関連付けて保存するデータベースを備えたサーバと通信する通信手段とを備えた通信装置のコンピュータに、
前記リーダ・ライタで少なくとも1つの前記無線通信媒体から前記固有IDを読み取る機能と、
読み取った前記固有IDが前記データベースに保存されているか否かを前記サーバに問合せる機能と、
問合せの結果、保存されていない旨の応答を受信した場合には前記パラメータを較正するためのキャリブレーションを実行して較正されたパラメータを前記制御手段に設定する機能と、
問合せの結果、保存されている旨の応答を受信した場合には当該固有IDに関連付けられて前記データベースに保存されているパラメータを前記サーバから呼出して前記制御手段に設定する機能と、
を実現させるためのパラメータ設定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−20502(P2013−20502A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154240(P2011−154240)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】