説明

通信装置及びデータ伝送方法

【課題】現用系と予備系における冗長な設備を極力少なくする。
【解決手段】インタフェースカード10は物理層を終端する。スレーブカード40は、インタフェースカード10を介して上位装置とデータを送受信する。伝送路終端カード20、30は、データリンク層を終端する。同期部23は、伝送路終端カード30との間で、通信のための設定情報を同期する。通知部24は、自カードが予備系であることを示す通知信号を、インタフェースカード10及び伝送路終端カード30に送信する。通知部34は、自カードが現用系であることを示す通知信号を、インタフェースカード10及び伝送路終端カード20に送信する。送信制御部12は、自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カード30にデータを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びデータ伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して上位装置と通信する通信装置では、故障が発生した場合に上位装置との通信を保障するために、現用系と予備系を備える冗長なシステム構成が採用されているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、現用系と予備系の一対のONU(Optical Network Unit)を備えるONU設置局が開示されている。このONU設置局では、予備系のONUの設定情報と現用系のONUの設定情報とが同期されている。このため、現用系のONUの異常が検出されると、光スイッチを切り替えることで現用系と予備系とが速やかに切り替えられ、上位装置であるOLT(Optical Line Terminal)設置局との通信を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−081662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載のONU設置局では、光スイッチによって現用系と予備系とを切り替えるため、現用系及び予備系のそれぞれが、入力光信号と出力光信号とを入出力させる波長合分波フィルタや光電変換素子等の物理層に含まれる設備を備えていなければならない。
【0006】
このため、これら冗長な設備に余計なコストがかかる。加えて、これら設備のメンテナンスにも手間がかかる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、現用系と予備系における冗長な設備を極力少なくすることができる通信装置及びデータ伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信装置は、
ネットワークの物理層を終端するインタフェースカードと、前記ネットワークのデータリンク層を終端する複数の伝送路終端カードとを備え、前記複数の伝送路終端カードのうち、いずれかを現用系として使用し、残りの伝送路終端カードを予備系とする通信装置であって、
前記伝送路終端カードは、
他の伝送路終端カードとの間で、通信のための設定情報を同期する同期部と、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード及び残りの伝送路終端カードに送信する通知部と、
を備え、
前記インタフェースカードは、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信する送信制御部と、
を備える。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係るデータ伝送方法は、
ネットワークの物理層を終端するインタフェースカードと、前記ネットワークのデータリンク層を終端する複数の伝送路終端カードとを備え、前記複数の伝送路終端カードのうち、いずれかを現用系として使用し、残りの伝送路終端カードを予備系とする通信装置におけるデータ伝送方法であって、
前記現用系の伝送路終端カードが前記予備系の伝送路終端カードとの間で、通信のための設定情報を同期する同期工程と、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード及び残りの伝送路終端カードに送信する通知工程と、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信する送信制御工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現用系と予備系において物理層を共有するため、現用系と予備系における冗長な設備を極力少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワーク構成を示す図である。
【図2】MACフレームの構成を示す概念図である。
【図3】図1に示す通信装置のシステム構成の概略を示す図である。
【図4】図1に示す通信装置のシステム構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るフレーム伝送処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る通信装置100は、図1に示すように、ネットワーク回線網2を介して、上位装置1と接続している。上位装置1、ネットワーク回線網2及び通信装置100は、LAN(Local Area Network)規格の1つであるイーサネット(登録商標)により接続されている。
【0013】
イーサネット(登録商標)は、OSI(Open Systems Interconnection)基本参照モデルの最下位の層である物理層とその上位層であるデータリンク層とを規定する。物理層は、各種の伝送媒体を通じてビット単位での伝送を行う層である。物理層では、論理的条件、電気的条件、機械的条件が規定される。
【0014】
データリンク層は、物理層が提供するビット列の伝送機能を使用して、隣接するノード間でデータ伝送を行う層である。データリンク層は、データリンクの確立、データのフレーム化、順序制御、送達確認とフロー制御、伝送誤り制御などの機能を有する。
【0015】
上位装置1と通信装置100とのデータ通信では、データは、所定の大きさ以下に分割されて、データリンク層でMAC(Media Access Control)フレームに組み込まれて送受信される。例えば、図2に示すように、MACフレームのフォーマットは、「プリアンブル」、「SFD(Start Frame Delimiter)」、「宛先アドレス」、「送信元アドレス」、「長さ/タイプ」、「データ」、「FCS(Frame Check Sequence)」で構成される。
【0016】
「プリアンプル」は、通信インタフェースに受信準備を促す信号である。「SFD」は、同期を取るための符号である。「宛先アドレス」は、MACフレーム受信側の通信インタフェースのMACアドレスである。MACアドレスは、ネットワークのハードウェア毎に割り当てられる固有の物理アドレスである。「送信元アドレス」は、MACフレーム送信側の通信インタフェースのMACアドレスである。「長さ/タイプ」は、上位プロトコルの識別情報である。例えば、上位プロトコルがTCP/IPならば、IPv4(0x0800)に対応する識別情報が格納される。「データ」は、送受信されるデータである。「FCS」は、MACフレームのエラーを検出するための情報である。
【0017】
次に、図3を参照して、通信装置100のハードウェア構成について説明する。通信装置100は、インタフェースカード10と、伝送路終端カード20と、伝送路終端カード30と、スレーブカード40とを備える。伝送路終端カード20、30は、それぞれインタフェースカード10及びスレーブカード40に接続する。伝送路終端カード20と伝送路終端カード30との間は、専用線50を介して接続される。
【0018】
インタフェースカード10は、ネットワーク回線網2に接続する。また、インタフェースカード10は、ネットワークの物理層を終端する。より詳細には、インタフェースカード10は、例えば、上位装置1から受信した光信号を電気信号に変換し、さらにPHY(physical layer)機能で、電気信号をMACフレームに変換して伝送路終端カード20、30にMACフレームを送信する。また、インタフェースカード10は、伝送路終端カード20、30から送信されたMACフレームを電気信号に変換し、電気信号を光信号に変換して上位装置1に送信する。
【0019】
伝送路終端カード20は、ネットワークのデータリンク層を終端し、インタフェースカード10とスレーブカード40との間でMACフレームを中継する。より詳細には、伝送路終端カード20は、データの受信においては、インタフェースカード10から送信されたMACフレームを解析してMACフレームに含まれるデータをスレーブカード40に送信する。また、伝送路終端カード20は、データの送信においては、スレーブカード40から渡されたデータをフレーム化し、インタフェースカード10に送信する。また、伝送路終端カード20は、専用線50を介して、伝送路終端カード30との間で通信が可能である。
【0020】
このように、伝送路終端カード20は、上位装置1とのデータ通信において重要な機能であるデータリンク層の終端とMACフレームの中継とを担う。このため、通信装置100には、故障時の対策として、伝送路終端カード20と同一のハードウェア構成である伝送路終端カード30が予備として備えられている。
【0021】
以下、運用中の伝送路終端カードを現用系の伝送路終端カードとし、現用系の伝送路終端カードの故障時に現用系に代わって運用される伝送路終端カードを予備系の伝送路終端カードとする。以下では、特に言及しない限り、伝送路終端カード20を現用系、伝送路終端カード30を予備系とする。
【0022】
スレーブカード40は、インタフェースカード10及び伝送路終端カード20、30を介して上位装置1とデータを送受信する。スレーブカード40は、データを送受信する手順を制御し、受信したすべてのデータに抜けがないか、また正しくデータを受信できたか等を判断する。
【0023】
次に、図4を参照して、伝送路終端カード20、伝送路終端カード30、インタフェースカード10及びスレーブカード40それぞれのシステム構成を説明する。
【0024】
まず、伝送路終端カード20のシステム構成について詳細に説明する。伝送路終端カード20は、伝送路終端部21と、ホストプロセッサ22とを備える。
【0025】
伝送路終端部21は、インタフェースカード10から受信したMACフレームに含まれるデータをスレーブカード40に送信する。
【0026】
ホストプロセッサ22は、同期部23と、通知部24とを備える。ホストプロセッサ22は、例えば、CPU(Central Processing Unit、不図示)であって、CPUがメモリ(不図示)に記憶されたソフトウェアプログラムを実行制御することにより、同期部23、通知部24の機能を実現する。
【0027】
同期部23は、自カードが現用系の場合、予備系の伝送路終端カード30との間で、通信のための設定情報を同期する。設定情報は、データ通信を行うユーザがアサインされる毎に、ホストプロセッサ22により伝送路終端部21に設定される。例えば、設定情報は、上位装置1とデータ通信を行うために登録されたユーザであるか否かの認証に用いられる認証情報、データ暗号化に必要な暗号キー等の暗号化情報、仮想プライベートネットワーク接続のための情報等である。
【0028】
より詳細には、同期部23は、伝送路終端部21に設定された設定情報を取得し、専用線50を介して、伝送路終端カード30の同期部33に設定情報を送信する。同期部33は、受信した設定情報を伝送路終端部31に設定することによって、設定情報を更新する。
【0029】
通知部24は、自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、インタフェースカード10、スレーブカード40及び伝送路終端カード30に送信する。通知信号は、例えば、現予備信号である。現予備信号には、「High信号」(以下、単に「H信号」とする)と「Low信号」(以下、単に「L信号」とする)の2種類がある。H信号は、自カードが現用系であることを示し、L信号は、自カードが予備系であることを示す。インタフェースカード10、伝送路終端カード30及びスレーブカード40は、伝送路終端カード20からH信号を受信することによって、伝送路終端カード20が現用系であると識別できる。また、インタフェースカード10、伝送路終端カード30及びスレーブカード40は、伝送路終端カード20からL信号を受信することによって、伝送路終端カード20が予備系であると識別できる。
【0030】
通信装置100は、伝送路終端カード20または伝送路終端カード30の故障等の異常時における対策として、伝送路終端カード20及び伝送路終端カード30を現用系及び予備系として使い分けることで、システムの冗長構成を実現している。伝送路終端カード20、30は、自カードの状態に応じて、現用系と予備系とを切り替えられる。例えば、通知部24は、自カードが現用系の場合、自カードの異常を検出すると、L信号をインタフェースカード10、伝送路終端カード30及びスレーブカード40に送信する。自カードの異常とは、物理的な損傷に起因する故障、ソフトウェアプログラムのバグ等に起因する故障等である。一方、伝送路終端カード30の通知部34は、自カードが予備系の場合、現用系の伝送路終端カード20から送信されたL信号を受信すると、H信号をインタフェースカード10、伝送路終端カード20及びスレーブカード40に送信する。
【0031】
伝送路終端カード30は、伝送路終端部31と、ホストプロセッサ32とを備える。ホストプロセッサ32は、同期部33と、通知部34とを備える。伝送路終端カード30は、伝送路終端カード20とシステム構成が同じであるため、伝送路終端カード30の説明は省略する。
【0032】
次に、インタフェースカード10のシステム構成について詳細に説明する。インタフェースカード10は、ネットワーク終端処理部11と、送信制御部12とを備える。
【0033】
ネットワーク終端処理部11は、ネットワークの物理層を終端する。また、ネットワーク終端処理部11は、上位装置1から受信したMACフレームを送信制御部12に出力する。また、ネットワーク終端処理部11は、上位装置1にMACフレームを送信する。
【0034】
送信制御部12は、自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カード20又は伝送路終端カード30にMACフレームを送信する。より詳細には、送信制御部12は、例えば、現用系だった伝送路終端カード20の通知部24からL信号を受信し、伝送路終端カード30の通知部34からH信号を受信すると、MACフレームを伝送路終端カード30に送信する。
【0035】
例えば、通信装置100がMACフレームα、βを上位装置1から受信した場合を考える。まず、送信制御部12は、MACフレームαを伝送路終端カード20に送信する。ここで、MACフレームαの送信後に伝送路終端カード20が故障した場合、送信制御部12へ通知部24からL信号が送信され、通知部34からH信号が送信される。送信制御部12は、MACフレームの送信先を、H信号の送信元である伝送路終端カード30に切り替えているので、MACフレームβを伝送路終端カード30に送信する。
【0036】
送信制御部12は、現用系の伝送路終端カード20から受信したMACフレームをネットワーク終端処理部11に出力する。
【0037】
次に、スレーブカード40のシステム構成について詳細に説明する。スレーブカード40は、データ処理部41を備える。データ処理部41は、伝送路終端部21からデータを受信する。また、データ処理部41は、上位装置1に送信するデータを伝送路終端部21に送信する。ここで、データ処理部41は、自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カード20又は伝送路終端カード30にデータを送信する。例えば、伝送路終端カード20の通知部24からL信号を受信し、伝送路終端カード30の通知部34からH信号を受信すると、データ処理部41は、データを伝送路終端カード30に送信する。
【0038】
次に、図5を参照して、本実施形態に係るフレーム伝送処理のフローを詳細に説明する。前提として、伝送路終端カード20が現用系、伝送路終端カード30が予備系とする。
【0039】
伝送路終端カード20の同期部23は、設定情報を伝送路終端カード30に送信する(ステップS1)。設定情報を受信した伝送路終端カード30の同期部33は、設定情報を更新する(ステップS2)。この間にも伝送路終端カード20を用いた通信が行われている。
【0040】
ここで、伝送路終端カード20が故障し、通知部24が異常を検出する(ステップS3)。異常を検出した通知部24は、L信号をインタフェースカード10、伝送路終端カード30及びスレーブカード40に送信する(ステップS4)。次に、L信号を受信した伝送路終端カード30の通知部34は、H信号をインタフェースカード10、伝送路終端カード20及びスレーブカード40に送信する(ステップS5)。続いて、L信号とH信号とを受信した送信制御部12は、MACフレームの送信先を伝送路終端カード30に切り替える(ステップS6)。また、データ処理部41は、データの送信先を伝送路終端カード30に切り替える(ステップS7)。以後、伝送路終端カード20は予備系となり、現用系に切り替えられた伝送路終端カード30を用いて通信が行われる。
【0041】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、ネットワークの物理層より上位のデータリンク層で現用系と予備系とを切り替えるため、現用系と予備系において物理層を共有することができる。このため、現用系と予備系における冗長なインタフェースカードや回線等の設備を極力少なくすることができる。
【0042】
なお、送信制御部12は、MACフレームの送信中に、現用系の伝送路終端カード20からL信号が送信された場合、現用系に変更された伝送路終端カード30にMACフレームを再送するようにしてもよい。こうすることで現用系と予備系との切り替えによるMACフレームの損失リスクを軽減できる。
【0043】
また、同期部23は、自カードが現用系の場合、予備系の伝送路終端カード30との間で設定情報を同期する。これにより、現用系と予備系とが切り替えられたときに、設定情報を新たに設定しなくてよいため、データ通信に対する切り替えの影響を極力小さくできる。
【0044】
なお、ネットワーク回線網2には、例えば、交換局が介在しており、通信装置100は、交換局を介して上位装置1とデータ通信を行ってもよい。
【0045】
なお、上位装置1と通信装置100とのネットワークは、イーサネット(登録商標)に限らず、ATM(Asynchronous Transfer Mode)等であってもよい。
【0046】
なお、通知部24は、H信号またはL信号を、インタフェースカード10、スレーブカード40及び伝送路終端カード30から要求があった際に、送信するようにしてもよい。こうすることで、インタフェースカード10は、どちらの伝送路終端カードが現用系かを確認できるので、より確実にスレーブカード40にデータを送信することができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、通知部24は、自カードが現用系の場合、自カードの異常を検出したのを契機にL信号を送信するようにしたが、本発明はこれに限られない。例えば、通知部24は、自カードが現用系の場合、ユーザによって設定された時刻にL信号を送信するようにしてもよい。こうすることで、現用系として運用していた伝送路終端カード20が予備系になり、予備系の伝送路終端カード30が現用系となるので、通信装置100の通信を、伝送路終端カード30を用いて維持しながら、伝送路終端カード20を点検できる。
【0048】
なお、上記実施形態では、伝送路終端カードは2つであったが、3つ以上を備え、1つを現用系とし、残りを予備系としてもよい。この場合、例えば、現用系の伝送路終端カードが、専用線50を介して、次に現用系になる伝送路終端カードを設定するようにしてもよい。より具体的には、現用系の伝送路終端カードが、設定情報を同期する際に、所定の予備系の伝送路終端カードに対してのみ、設定情報に次の現用系となる旨を示す情報を付加するようにしてもよい。この情報に基づいて、その伝送路終端カードは、現用系の伝送路終端カードからL信号を受信した場合に、自身が現用系となって、通信を行う。また、所定の予備系の伝送路終端カードに、現用系の伝送終端カードからL信号を受信した場合に現用系になるように、あらかじめ設定しておいてもよい。こうして、現用系の伝送路終端カードに異常が発生した場合でも、複数の予備系の伝送路終端カードのうち、現用系に切り替えられた伝送路終端カードを用いて通信を行うことができる。
【0049】
なお、イーサネット(登録商標)は、例えば、IEEE802.3zに対応する1000Base−SX、1000Base−LX、1000Base−CX、IEEE802.3yに対応する100Base−T2、IEEE802.3uに対応する100Base−T4、100Base−TX、100Base−FX、802.3に対応する10Base−F等であってもよい。
【0050】
なお、上記実施形態において、実行されるソフトウェアプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0051】
また、ソフトウェアプログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0052】
また、上述の機能を、OS(Operation System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションソフトウェアプログラムとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0053】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0054】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0055】
(付記1)
ネットワークの物理層を終端するインタフェースカードと、前記ネットワークのデータリンク層を終端する複数の伝送路終端カードとを備え、前記複数の伝送路終端カードのうち、いずれかを現用系として使用し、残りの伝送路終端カードを予備系とする通信装置であって、
前記伝送路終端カードは、
他の伝送路終端カードとの間で、通信のための設定情報を同期する同期部と、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード及び残りの伝送路終端カードに送信する通知部と、
を備え、
前記インタフェースカードは、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信する送信制御部と、
を備える通信装置。
【0056】
(付記2)
前記インタフェースカードを介して上位装置とデータを送受信するスレーブカードをさらに備え、
前記通知部は、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード、前記スレーブカード及び残りの伝送路終端カードに送信し、
前記スレーブカードは、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信するデータ処理部を備える、
ことを特徴とする付記1に記載の通信装置。
【0057】
(付記3)
前記通知部は、
自カードが現用系の場合、自カードの異常を検出すると、自カードが予備系であることを示す通知信号を送信し、
自カードが予備系の場合、前記現用系の伝送路終端カードから送信された予備系であることを示す通知信号を受信すると、自カードが現用系であることを示す通知信号を送信する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の通信装置。
【0058】
(付記4)
ネットワークの物理層を終端するインタフェースカードと、前記ネットワークのデータリンク層を終端する複数の伝送路終端カードとを備え、前記複数の伝送路終端カードのうち、いずれかを現用系として使用し、残りの伝送路終端カードを予備系とする通信装置におけるデータ伝送方法であって、
前記現用系の伝送路終端カードが前記予備系の伝送路終端カードとの間で、通信のための設定情報を同期する同期工程と、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード及び残りの伝送路終端カードに送信する通知工程と、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信する送信制御工程と、
を含むデータ伝送方法。
【符号の説明】
【0059】
1 上位装置
2 ネットワーク回線網
10 インタフェースカード
11 ネットワーク終端処理部
12 送信制御部
20、30 伝送路終端カード
21、31 伝送路終端部
22、32 ホストプロセッサ
23、33 同期部
24、34 通知部
40 スレーブカード
41 データ処理部
50 専用線
100 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークの物理層を終端するインタフェースカードと、前記ネットワークのデータリンク層を終端する複数の伝送路終端カードとを備え、前記複数の伝送路終端カードのうち、いずれかを現用系として使用し、残りの伝送路終端カードを予備系とする通信装置であって、
前記伝送路終端カードは、
他の伝送路終端カードとの間で、通信のための設定情報を同期する同期部と、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード及び残りの伝送路終端カードに送信する通知部と、
を備え、
前記インタフェースカードは、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信する送信制御部と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記インタフェースカードを介して上位装置とデータを送受信するスレーブカードをさらに備え、
前記通知部は、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード、前記スレーブカード及び残りの伝送路終端カードに送信し、
前記スレーブカードは、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信するデータ処理部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通知部は、
自カードが現用系の場合、自カードの異常を検出すると、自カードが予備系であることを示す通知信号を送信し、
自カードが予備系の場合、前記現用系の伝送路終端カードから送信された予備系であることを示す通知信号を受信すると、自カードが現用系であることを示す通知信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
ネットワークの物理層を終端するインタフェースカードと、前記ネットワークのデータリンク層を終端する複数の伝送路終端カードとを備え、前記複数の伝送路終端カードのうち、いずれかを現用系として使用し、残りの伝送路終端カードを予備系とする通信装置におけるデータ伝送方法であって、
前記現用系の伝送路終端カードが前記予備系の伝送路終端カードとの間で、通信のための設定情報を同期する同期工程と、
自カードが現用系であることを示す通知信号又は自カードが予備系であることを示す通知信号を、前記インタフェースカード及び残りの伝送路終端カードに送信する通知工程と、
自カードが現用系であることを示す通知信号を送信した伝送路終端カードに前記データを送信する送信制御工程と、
を含むデータ伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−74341(P2013−74341A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209940(P2011−209940)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】