説明

通信装置及び小型無線基地局

【課題】災害発生後、無線通信機器を利用者の判断により復旧操作ができる機器制御方法及び無線通信装置を提供する。
【解決手段】本発明は、小型無線基地局201と通信可能な範囲内において、利用者が携帯端末で無線通信機器202の状態を把握でき、利用者の携帯端末からの操作により、災害発生前の状態に戻す制御を実施できる機器制御方法および無線通信装置を提供するものである。災害発生前の状態に戻す際に、制御信号を用いた自動再現による復旧の便利さに加え、利用者の判断による操作を加えることで、利用者の安全に配慮した二次災害防止を誘導することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型無線基地局と通信可能な範囲内の無線通信機器に対して、災害発生前に実施すべき制御および災害発生後に実施すべき制御を携帯端末による利用者の確認が可能であり、利用者の指示に基づいて行うことができる通信装置及び小型無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の緊急速報に対応した機器制御として、ホームネットワークECHONETで緊急制御を行う装置により、家庭内機器に対して制御を行うとともに、二次災害防止にも配慮し、被害が甚大でない場合には再度災害発生前と同様の状態に戻す必要があると考えられている。(例えば、特許文献1参照)このものによれば、外部の電気機器へ電力供給するサービス電源コンセントを有し、緊急速報に対応した電話装置で電力共有制御を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−10893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたものでは、図1に示すように、緊急地震速報を検知すると(S101)、緊急メッセージの送出を行い(S102)、機器制御開始を行う(S103)。その後、再度災害発生前と同様の状態に戻す制御を、センサーによる異常なしを検出する、あるいはタイマー経過により自動的に復旧させてしまう機器制御解除を行っており(S104)、利用者の確認による判断、指示に基づいた制御を反映することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、小型無線基地局の通信範囲内で利用者が携帯端末で無線通信機器の状態を把握でき、利用者の携帯端末からの操作による制御により、災害発生前の状態に戻す制御を実施できる機器制御方法および無線通信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線通信装置は、地震情報を検出する地震情報検出部と、機器の操作を制御する制御信号を生成する機器操作信号制御部と、前記制御信号を送受信する送受信部と、災害発生後に小型無線基地局と通信可能な機器の動作情報を収集し、前記機器の動作状態を把握する機器動作情報管理部を備えた小型無線基地局と、前記小型無線基地局と通信可能な範囲内で前記制御信号を受信する送受信部と、前記制御信号による制御を行う制御部を備えた機器とからなり、前記機器操作信号制御部は、災害終息時に前記機器の操作の制御を解除する制御解除信号を受信すると、前記機器を災害発生前の状態に戻すことを特徴とする、
この構成により、本発明の小型無線基地局と(無線通信)機器は、緊急地震速報検出時に相互通信による制御を自動的に実施することを特徴とし、無線通信機器の一つとして、携帯端末として利用者が利用し、無線通信機器の動作情報の収集と、災害発生前の状態に戻す制御とを小型無線基地局と通信することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の小型無線基地局と機器の構成によれば、災害発生したときに、利用者の携帯端末が自動的に小型無線基地局と通信可能な機器の動作情報を収集するので、利用者は動作情報を確認することができ、利用者が判断する操作を加えることで、利用者の携帯端末から各機器を災害発生前の状態に戻す操作をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来技術における機器制御を説明するフロー図
【図2】本発明の実施の形態1における小型無線基地局、無線通信機器の概略構成図
【図3】本発明の実施の形態1における小型無線基地局の動作を説明するフロー図
【図4】本発明の実施の形態1における無線通信機器の動作を説明するフロー図
【図5】本発明の実施の形態1における小型無線基地局、無線通信機器のシグナリングを説明する概念図
【図6】本発明の実施の形態2における小型無線基地局の動作を説明するフロー図
【図7】本発明の実施の形態2における優先度設定の動作を説明するフロー図
【図8】本発明の実施の形態1、2における小型無線基地局と無線通信機器の制御信号送信方法を説明する説明図
【図9】本発明の実施の形態3における小型無線基地局と無線通信機器の制御信号送信方法を説明する説明図
【図10】本発明の実施の形態4における小型無線基地局に追加した照度機能を説明するフロー図
【図11】本発明の実施の形態5における小型無線基地局に追加した地震検出機能を説明するフロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について説明する。
【0010】
図2は、本発明の実施の形態における小型無線基地局、無線通信機器の概略構成図である。
【0011】
本発明の実施の形態における小型無線基地局201は、図2に示すように、緊急地震速報を検出する地震情報検出部203と、小型無線基地局201と通信可能な範囲内の無線通信機器202を制御する機器操作信号制御部204と、無線通信機器202の動作状態を把握する機器動作情報管理部205と、無線信号の送受信制御を行う送受信部206と、アンテナ207とを備えている。
【0012】
そして、前記無線通信機器202は、小型無線基地局201と通信を行う構成としてアンテナ208と、無線信号の送受信制御を行う送受信部209と、機器制御を行う制御部210とを備えている。
【0013】
次に、本実施の形態について、その動作を、図3、図4を用いて説明する。
【0014】
図3に示すように、小型無線基地局201では、地震情報検出部203が緊急地震速報情報の判定を行い、緊急地震速報情報を検知すると(S301)、地震情報検出部203が小型無線基地局201と通信可能な利用者の携帯端末へ緊急地震速報情報をシグナリングすることにより(S302)、利用者は緊急地震速報を携帯端末で確認することができる。機器動作情報管理部205が、無線通信機器202の動作確認を行い、動作状態を管理している。
【0015】
小型無線基地局201が、地震情報検出部203からの機器制御開始要請信号を検知すると、機器操作信号制御部204が機器制御開始要請判定を行い(S303)、機器動作情報管理部205で管理している無線通信機器202へ機器制御開始信号を生成する。生成された機器制御開始信号は、送受信部206で、機器制御を開始し(S304)、無線通信機器202へ送信される。
【0016】
また、小型無線基地局201が、利用者の携帯端末からの機器制御解除要請信号を検知すると、機器操作信号制御部204が機器制御解除要請判定を行い(S305)、機器動作情報管理部205で管理している無線通信機器202へ機器制御解除信号を生成する。生成された機器制御解除信号は、送受信部206で、機器制御解除を行い(S306)、無線通信機器202へ送信される。
【0017】
無線通信機器202は、アンテナ208と、無線信号の送受信制御を行う送受信部209と、機器操作信号制御部204で生成された機器制御開始信号に応じた制御と機器動作情報管理部205へ送信する動作状態監視を行う制御部210を備える。図4では、制御部210で行う制御例として避難源、危険物、情報源、光源、熱源、データ源について示す。
【0018】
避難源となる自動ドアでは、通常ドア自動開閉制御を行い(S401)、機器操作信号制御部204が機器制御開始信号判定を行い、機器制御開始信号を検出すると(S402)、ドアを開放することができる(S403)。
【0019】
危険物となるガス栓では、通常ガス開栓制御を行い(S404)、機器操作信号制御部204が機器制御開始信号判定を行い、機器制御開始信号を検出すると(S405)、ガス栓を閉じることができる(S406)。
【0020】
情報源となるTV、ラジオ、光源となる照明機器では、電源OFF制御を行い(S407)、機器操作信号制御部204が機器制御開始信号判定を行い、機器制御開始信号を検出すると(S408)、電源ON制御を行い(S409)、TV、ラジオの情報源からの情報発信、照明機器を点灯することができる。
【0021】
熱源となる電子レンジ、アイロン、ドライヤでは、電源ON制御を行い(S410)、機器操作信号制御部204が機器制御開始信号判定を行い、機器制御開始信号を検出すると、電源OFF制御を行い(S412)、電源OFFにすることができる。
【0022】
データ源となるパソコンでは、電源ON制御を行い(S413)、機器操作信号制御部204が機器制御開始信号判定を行い、機器制御開始信号を検出すると(S414)、データ自動保存、電源OFF制御を行い(S415)、データを保存し、電源OFF制御を行うことができる。
【0023】
なお、本実施の形態では、避難源、危険物、情報源、光源、熱源、データ源を制御例としているが、ここに記載した項目に限らず、利用可能な無線通信機器に対して正常系制御と機器制御開始信号検出後の制御を個別に設定してもよい。
【0024】
図5に示すように、緊急地震速報情報待ち状態では(S501)、小型無線基地局201と通信可脳な範囲内の無線通信機器202の動作状態である。この状態において、小型無線基地局201は、無線通信機器202の動作情報を収集し、収集した動作情報を管理する。
【0025】
緊急地震速報が発生した状態では(S502)、小型無線基地局201が例えば気象庁などの情報配信元であるCBE(Cell Broadcast Entity)などの上位装置(図示しない)から緊急地震速報情報を取得し、利用者の携帯端末に緊急地震速報情報の第一報を通知する。
【0026】
機器制御開始信号の送信状態では(S503)、小型無線基地局201から無線通信機器202へ機器制御開始信号を送信し、地震発生前に無線通信機器202毎に制御する。
【0027】
地震発生し終息状態では(S504)、利用者が携帯端末から機器動作情報収集信号を小型無線基地局201へ送信する。小型無線基地局201は、機器動作情報収集信号を受信後、無線通信機器202の動作情報を収集し、利用者の携帯端末に動作情報を送信する。利用者は、各無線通信機器の動作を把握し、利用者の判断とタイミングにより、機器制御解除要請信号を小型無線基地局201へ送信する。したがって、小型無線基地局201は無線通信機器202を地震発生前の緊急地震速報情報待ち状態(S501)に移行することができる。
【0028】
このようにすれば、機器制御解除要請信号により、動作確認した無線通信機器202は自動的に動作再現することが可能であるとともに、図1に示す利用者の判断とタイミングによらず、センサー感知、タイマー満了による機器制御解除104を回避することができる。
【0029】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について説明する。
【0030】
次に、本実施の形態について、その動作を、図6、図7を用いて説明する。
【0031】
図6に示すように、小型無線基地局201では、地震情報検出部203が緊急地震速報情報の判定を行い、緊急地震速報情報を検知すると(S601)、地震情報検出部203が小型無線基地局201と通信可能な利用者の携帯端末へ緊急地震速報情報をシグナリングすることにより(S602)、利用者は緊急地震速報を携帯端末で確認することができる。機器動作情報管理部205が、無線通信機器202の動作確認を行い、動作状態を管理している。
【0032】
小型無線基地局201が、地震情報検出部203からの機器制御開始要請信号を検知すると、機器操作信号制御部204が機器制御開始要請判定を行い(S603)、機器動作情報管理部205で管理している無線通信機器202へ機器制御開始信号を生成する。
【0033】
機器動作情報管理部205が、優先度設定を行い(S604)、一刻を争う可能性がある無条件制御対象として、ガス栓、非常口ドア、自動ドアを設定し、条件付制御対象として、情報源、光源、熱源、データ源を制御することで、機器制御開始信号の送信優先度を、前記優先度設定順とすることができる。
【0034】
なお、優先度設定においては、利用者の携帯端末の位置情報を利用して、位置情報から近い機器から優先度設定を行うことができるようにしてもよい。
【0035】
生成された機器制御開始信号は、送受信部206で、機器制御を開始し(S605)、無線通信機器202へ送信される。
【0036】
また、小型無線基地局201が、利用者の携帯端末からの機器制御解除要請信号を検知すると、機器操作信号制御部204が機器制御解除要請判定を行い(S606)、機器動作情報管理部205で管理している無線通信機器202へ機器制御解除信号を生成する。生成された機器制御解除信号は、送受信部206で、機器制御解除を行い(S607)、無線通信機器202へ送信される。
【0037】
図7に示すように、機器動作情報管理部205が優先度設定を行い、制御対象機器である無線通信機器202を設定し(S701)、制御対象機器毎に優先度を設定し(S702)、設定対象となる無線通信機器202の有無を判定する(S703)。
【0038】
実施の形態1及び2について、小型無線基地局201と無線通信機器202間の制御信号送信方法を、図8を用いて説明する。
【0039】
無線信号を用いて制御信号を送信する場合、図8(a)に示すように、小型無線基地局801から無線通信機器802へは、無線信号により直接通知してもよい。また、図8(b)に示すように、小型無線基地局803から無線中継機器804を経由して無線通信機器805へ無線信号を通知してもよい。なお、無線中継機器として利用者の携帯端末を利用するようにしてもよい。
【0040】
有線ケーブルを用いて制御信号を送信する場合、図8(c)に示すように、小型無線基地局806から無線通信機器807へ信号を通知してもよい。
【0041】
赤外線を用いて制御信号を送信する場合、図8(d)に示すように、小型無線基地局808から無線通信機器809へは、赤外線信号により直接通知してもよい。また、図8(e)に示すように、小型無線基地局810から利用者の携帯端末811を経由して無線通信機器812へ通知してもよい。図8(f)に示すように、小型無線基地局813から赤外線発光機器814を経由して無線通信機器815へ通知してもよい。なお、小型無線基地局に赤外線受発光部を設けて、赤外線制御を行うようにしてもよい。
【0042】
前記、無線信号、有線ケーブル、赤外線を組み合わせて通信を行うようにしてもよい。
【0043】
なお、本実施の形態では、機器制御開始要請信号を、地震情報検出部203からの発信としているが、利用者の携帯端末からの発信としてもよい。
【0044】
また、本実施の形態では、設定対象とする無線通信機器202情報を機器動作情報管理部205から収集しているが、小型無線基地局201が故障、無反応な状態には、携帯端末と無線通信機器202間で近距離無線通信により、無線通信機器情報を収集することができるようにしてもよい。
【0045】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について説明する。
【0046】
本実施の形態では、無線通信機器202が複数存在する場合において、各無線通信機器間の制御信号を送信方法について、その動作を、図9を用いて説明する。
【0047】
図9に示すように、小型無線基地局901は、テレビ902に対して制御信号を送信する。テレビ902は、ラジオ903と照明機器904に対して制御信号を送信し、以下同様に他の無線通信機器202に対して無線通信機器間で制御信号の送受信を繰り返し行うことができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、小型無線基地局901が、通信可能な範囲内の無線通信機器と1対1対応による制御信号送信する方法と、無線通信機器間で制御信号を送信する方法を選択して利用することができるようにしてもよく、組み合わせて利用することができるようにしてもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、小型無線基地局901から各無線通信機器の位置情報を用いて、近い無線通信機器から制御信号を送るようにしてもよい。
【0050】
また、実施の形態2に記載の無線通信機器の優先度に応じて、優先度の高い無線通信機器から先に制御信号を送り、優先度の低い無線通信機器へ順次送るようにしてもよい。
【0051】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について説明する。
【0052】
本実施の形態では、小型無線基地局201に照度計を設定し、緊急地震速報発生後に、小型無線基地局201が照明機器を制御する方法について、その動作を、図10を用いて説明する。
【0053】
図10に示すように、地震情報検出部203が照明OFF判定を行い(S1001)、緊急地震速報を検地すると(S1002)、地震情報検出部203が小型無線基地局201に設定された照度計を用いて照度を測定を行う(S1003)。
【0054】
地震情報検出部203が規定以下の照度であるか判定すると(S1004)、機器操作信号制御部204が、無線通信機器202である照明に機器制御開始信号を送信する(S1005)。
【0055】
なお、前記照度計は、いわゆるソーラーパネルを併用して、照明が点灯されている場合に、電源充電の一部として利用することができるようにしてもよい。
【0056】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について説明する。
【0057】
本実施の形態では、小型無線基地局201に地震計を設定し、通信障害による緊急地震速報情報を受信できない場合、あるいは震源地に近く先に検知する場合、緊急地震速報は発令されないが、低度の地震を感知した場合において、小型無線基地局201が無線通信機器202を制御する方法について、その動作を、図11を用いて説明する。
【0058】
図11に示すように、小型無線基地局201に設定された地震計からの地震情報により、地震情報検出部203が地震を検出すると(S1101)、地震情報検出部203が小型無線基地局201と通信可能な利用者の携帯端末へ地震情報をシグナリングする(S1102)ことにより、利用者は地震情報を携帯端末で確認することができる。機器動作情報管理部205では、無線通信機器202の動作確認を行い、動作状態を管理している。
【0059】
小型無線基地局201が、地震情報検出部203からの機器制御開始要請信号を検知すると、機器操作信号制御部204が機器制御開始要請の判定を行い(S1103)、機器動作情報管理部205で管理している無線通信機器202へ機器制御開始信号を生成する。送受信部206が、無線通信機器202へ機器制御開始信号を送信する(S1104)。
【0060】
地震情報検出部203が地震終息検知の判定を行い(S1105)、地震終息を検知すると、機器動作情報管理部205が無線通信機器202から動作情報の収集を行い(S1106)、地震情報検出部203が利用者の携帯端末へ無線通信機器202動作情報をシグナリングする(S1107)。
【0061】
また、地震情報検出部203が、利用者の携帯端末からの機器制御解除要請信号を検知すると、機器操作信号制御部204が機器制御解除要請の判定を行い(S1108)、機器操作信号制御部204が機器制御解除信号を生成する。送受信部206が、無線通信機器202へ機器制御解除信号を送信する(S1109)。
【0062】
なお、本実施の形態では、機器制御開始要請信号を、地震情報検出部203からの発信としているが、利用者の携帯端末からの発信としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、小型無線基地局201と通信可能な範囲内において、利用者が携帯端末で無線通信機器202の状態を把握でき、利用者の携帯端末からの操作により、災害発生前の状態に戻す制御を実施できる機器制御方法および無線通信装置を提供するものである。
【0064】
災害発生前の状態に戻す際に、制御信号を用いた自動再現による復旧の便利さに加え、利用者の判断による操作を加えることで、利用者の安全に配慮した二次災害防止を誘導することに有用である。
【0065】
ちなみに本件で利用する緊急地震速報は、3GPP TS 36.331で標準化されているETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)を想定する。本システムでは移動通信システムで理論上実現できる最短時間で移動端末に第1報を配信できることを3GPPの要求条件として規定されている。本システムのネットワーク構成としては、気象庁などの情報配信元をCBE(Cell Broadcast Entity)とする。CBEからの情報は、無線基地局を収容するネットワーク装置であるMME(Mobility Management Entity)を制御するCBC(Cell Broadcast Center)により情報配信の必要な基地局エリアを選択する。無線基地局は、ETWSを示すindicator(ETWS indicator)を設定したページング信号を移動端末に送信し、移動端末は待ち受け中、通話中に関らず受信する。無線基地局は災害情報、詳細データ(ETWS message)を報知情報として移動端末に送信する。移動端末は、ETWS messageの受信により、地震、津波など災害情報を第1報として受信し、その後より詳細な情報を第2報として受信することができる。なお、緊急地震速報の情報取得手段は、記載内容による手段に限られるものではない。
【符号の説明】
【0066】
201 小型無線基地局
202 無線通信機器
203 地震情報検出部
204 機器操作信号制御部
205 機器動作情報管理部
206 送受信部
207、208 アンテナ
209 送受信部
210 制御部
801、803、806、808、810、813 小型無線基地局
802、805、807、809、812、815 無線通信機器
804 無線中継機器
811 携帯端末
814 赤外線発光機器
901 小型無線基地局
902 テレビ
903 ラジオ
904 照明機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震情報を検出する地震情報検出部と、機器の操作を制御する制御信号を生成する機器操作信号制御部と、前記制御信号を送受信する送受信部と、災害発生後に小型無線基地局と通信可能な機器の動作情報を収集し、前記機器の動作状態を把握する機器動作情報管理部を備えた小型無線基地局と、
前記小型無線基地局と通信可能な範囲内で前記制御信号を受信する送受信部と、前記制御信号による制御を行う制御部を備えた機器とからなり、
前記機器操作信号制御部は、災害終息時に前記機器の操作の制御を解除する制御解除信号を受信すると、前記機器を災害発生前の状態に戻すことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
地震情報を検出する地震情報検出部と、機器の操作を制御する制御信号を生成する機器操作信号制御部と、前記制御信号を送受信する送受信部と、災害発生後に小型無線基地局と通信可能な機器の動作情報を収集し、前記機器の動作状態を把握する機器動作情報管理部を備えた小型無線基地局を具備し、
前記機器操作信号制御部は、災害終息時に前記機器の操作の制御を解除する制御解除信号を受信すると、前記機器を災害発生前の状態に戻すことを特徴とする小型無線基地局。
【請求項3】
前記制御信号および前記制御解除信号を送信する手段として、無線信号、ケーブル、赤外線の少なくとも1つであることを特徴とする請求項2記載の小型無線基地局。
【請求項4】
前記地震情報検出部が、利用者の携帯端末へ前記機器の動作情報を通知することを特徴とする請求項2記載の小型無線基地局。
【請求項5】
前記機器操作信号制御部は、災害終息時に利用者の携帯端末から送信された前記機器の操作の制御を解除する制御解除信号を受信すると前記機器を災害発生前の状態に戻すことを特徴とすることを特徴とする請求項2記載の小型無線基地局。
【請求項6】
前記機器動作情報管理部が、災害発生前の状態に戻す際の優先度を機器ごとに設定することを特徴とする請求項2から請求項5記載のいずれかに記載の小型無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−231363(P2012−231363A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99173(P2011−99173)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】