説明

通信装置

【構成】 ファクシミリ装置2に意見ボタンを設け、このボタンがオンされると、ユーザの意見を受け付けて記憶し、サービスセンター40へキー入力や音声、読取文書などで送信する。
【効果】 ファクシミリ装置の使い勝手などに関する、ユーザの意見を吸い上げることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、ファクシミリ装置などの通信装置に関し、装置の使い勝手や機能などに関するユーザの意見を吸い上げることができるようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】ファクシミリ装置などの通信装置をサービスセンターに電話回線などを通じて接続し、ファクシミリ装置の自己診断結果や、トナーの使用量、プリント枚数などをサービスセンターへ送信することが行われている。ところで、ユーザは通信装置を日頃使うことにより、不便であると感じている点や、以前の装置より改善されていると感じる点など、使い勝手に関して様々な意見を持っているはずである。またこのようなことができたら良いのにと、思っていることもあるはずである。後者の場合は、通信装置にユーザが求めていることができるような機能を追加して欲しい、とのことを感じている場合が多いと思われる。
【0003】しかしながら、通信装置の状況を電話回線などを介してサービスセンターへ送信するようにしても、ユーザの意見をサービスセンターへ伝えることはできない。ファクシミリ装置などの通信装置には、ユーザの意見を受け付けたり入力させたりする、機能が無いからである。
【0004】そこでユーザがファクシミリ装置などにどのようなことを感じているかは、サービスマンがユーザを訪れた際に聞く、サービスセンターにユーザが電話してくれるのを待つ、などのことになる。しかしこれでは、充分にユーザの声を吸い上げることができない。
【0005】
【発明の課題】この発明の基本的課題は、通信装置の使い勝手などに対して、ユーザが意見をサービスセンターへ容易に送ることができるようにすることにある(請求項1〜4)。請求項2の発明での追加の課題は、通信装置の管理者やサービスマンなどが、ユーザの意見を出力できるようにすることにある。請求項3の発明での追加の課題は、ファクシミリ装置へのユーザの意見を容易に入力できるようにし、かつ容易にサービスセンターまで送信できるようにすることにある。請求項4の発明での追加の課題は、ユーザが様々な手段で意見を入力できるようにすることにある。
【0006】
【発明の構成】この発明は、少なくとも通信装置の使い勝手に対する、ユーザの意見情報を入力するための手段と、入力された意見情報をサービスセンターへ送信するための通信手段とを備えた、通信装置にある(請求項1)。
【0007】好ましくは、入力された意見情報を記憶するための手段と、記憶した意見情報を出力するための出力手段とを設ける(請求項2)。
【0008】また好ましくは、前記通信装置がファクシミリ装置であり、ユーザの意見を記載した原稿を読み取ることにより、意見情報を入力するようにし、かつ読み取った意見情報をサービスセンターへファクシミリ送信することにより送信するようにする(請求項3)。特に好ましくは、意見情報の読取の他に、意見情報の音声入力と、キー入力とからも選択自在に、ユーザが意見情報を入力できるようにする(請求項4)。
【0009】
【発明の作用と効果】この発明では、通信装置の使い勝手などに関する意見情報を、ユーザが通信装置に入力できる。意見情報としては、使い勝手の他に、「このような機能が欲しい」などの、その通信装置の機能に関する要望なども考えられる。そこで、使い勝手に関する意見情報と、ユーザの求める機能に関する意見情報などを入力できるようにすることが好ましい。ユーザの意見情報はサービスセンターへ送信されて通信装置の設計者などに伝えられるので、ユーザは通信機器への不満や要望などの意見情報を述べることができ、サービスセンターはこのような意見情報を吸い上げ、サービスセンターから意見情報を伝えられた設計者は、通信装置の改良などに用いることができる(請求項1)。
【0010】請求項2の発明では、入力された意見情報を記憶して出力できるので、通信装置の管理者や通信装置の保守などに訪れたサービスマンが、ユーザの意見情報を出力して、参考にすることができる。
【0011】請求項3の発明では、通信機器をファクシミリ装置とするので、ユーザは意見を記載した原稿をファクシミリ装置に読み取らせると意見情報の入力ができ、これをサービスセンターへファクシミリ送信すると、意見情報の送信ができる。このため、非定型的でキーなどから入力するのに適さない様々な意見を、原稿に記述して読み取らせることにより、ファクシミリ装置に入力できる。またサービスセンターへの送信もファクシミリ通信を利用して簡単にできる。請求項4の発明では、原稿に意見情報を記述すること以外に、音声で入力する、キーから入力することを選択でき、様々な入力手段でユーザが意見情報を入力できる。
【0012】
【実施例】図1,図2に実施例を示す。図において、2はファクシミリ装置で、通信装置の例であり、ここでは、ファクシミリとコピーの機能を兼ねたいわゆる複合機であるものとする。4はファクシミリ装置の主制御部で、6はNCU(網制御部)で、公衆電話回線網での呼を確立する。8はモデムで、10は読み取った画像データなどを記憶するための画像メモリである。RAM12の一部を意見情報メモリ14に割り当て、ユーザの入力した意見情報を記憶する。16はROMで、プログラムなどを記憶し、18は音声通信用の送受話器で、音声で意見情報を入力する場合、例えば送受話器18を用い、入力した意見情報は意見情報メモリ14に記憶される。
【0013】20は表示部で、ファクシミリやコピーあるいはプリンタなどとして使用する際の、様々なガイダンスを液晶パネルなどに表示する。操作部22には意見ボタン24を設けて、意見ボタン24にタッチすると、意見情報の入力または意見情報メモリ14に記憶している意見情報の出力のいずれかの選択に進み、ユーザの選択に応じて、意見情報の入力や記憶した意見情報の出力ができる。26はキー入力部で、テンキーとアルファベットでの入力ができる。なおアルファベット入力ができるので、これをローマ字変換すると日本語の入力ができ、意見情報の入力にも用いることができる。
【0014】28はタッチパネルで、表示部20の液晶ディスプレーなどに重ねて設け、ユーザが意見を述べたい部分などを特定するために用いられる。例えばファクシミリ装置2の全体像を表示部20に表示させた状態で、プリントした用紙の出力部にユーザがタッチすると、プリント済みの用紙の取り出し部について、ユーザが意見情報を述べたいことを入力したものと見なすことができる。するとこの場合、ユーザが意見情報を入力しやすいように、「用紙の取り出し幅が狭い」、「詰まった用紙を取り出す際に、手が入りにくい」、「この取り出し部は使いやすい」、「その他」、などの入力項目が表示部20に表示される。これは、ファクシミリ装置2の各部にアンケート調査を行う際に、回答を予測して質問表に回答の選択肢を印刷しておき、印刷された選択肢からユーザに選択させるのと、同様のことである。タッチパネルの表示のいずれかにタッチすることにより、ファクシミリ装置でのプリントした用紙の取り出し部について、ユーザが意見情報を入力したことになる。その入力は、「用紙の取り出し部が狭いので使いづらい」、「詰まった用紙を取り出しにくい」、あるいは「その他の意見がある」などのことである。
【0015】同様に表示部20で行う操作のガイダンスはユーザには大事な事項であり、ガイダンスが分かりやすいかどうかは、使い勝手の点で重要である。意見ボタンを押し、次いで意見入力を選択することにより、意見入力のモードにして、ユーザが表示部のガイダンス事項にタッチすると、タッチされた事項について、ユーザ外見情報を入力しようとしているものみなすことができる。そして表示部の液晶パネルなどの余白などに、「この表示は分かりやすい」、「分かりにくい」、「その他」、などの入力上の選択肢を表示し、このいずれかがタッチされると、表示部のガイダンスの内で、ユーザがタッチした部分について、「分かりやすい」、「分かりにくい」、「その他」などの選択肢が、意見情報として入力されたものとみなす。
【0016】30は読取部で、原稿画像を読み取り、32は記録部で、受信画像を出力する、あるいは読み取った画像を出力してコピー機として用いる際に用いる。34はLANインターフェースで、設けなくてもよく、LAN36を介してパーソナルコンピュータなどのクライアント38に接続して、ネットワークプリンタとしても用いられるようにしたり、インターネットファクシミリが送受信できるようにする。40はサービスセンターで、公衆電話回線網を介して、もしくはLANインターフェース34から図示しないルータなどとインターネットとを介して、ファクシミリ装置2に接続する。サービスセンター40にファクシミリ装置2から、自己診断結果、消耗品に関する情報、意見情報などを送信する。
【0017】図2に、実施例の動作を示す。なお意見入力以外の事項は、ファクシミリ装置とコピー機を兼用したいわゆる複合機として動作するので、説明を省略する。ユーザが意見ボタンを押すと(ステップ1)、意見入力かどうかを表示部などで質問し(ステップ2)、意見入力でない場合、意見情報メモリに記憶している入力済みの意見情報を出力する(ステップ3)。
【0018】入力された意見情報は、入力年月日とユーザの性別や年齢と共に記憶されており、これはいつ入力された意見情報で、入力したユーザはどのようなグループに属する人かを明らかにするためである。従ってユーザの名前自体は必要ではなく、またユーザは性別や年齢の入力は省略してもよい。ユーザの意見情報は、文字情報や画像情報あるいは音声情報として記憶されているので、これらをプリントしたりあるいは音声を再生したりすることにより、出力する。
【0019】ユーザが意見入力を選択した場合、ユーザの性別と年齢の入力を求め、入力年月日や時刻などと共に記憶する(ステップ4)。なお性別や年齢の入力は省略しても良い。続いて意見入力の方法が、キー操作によるキー入力か、音声入力か、それ以外かを問い合わせ、キー入力の場合,テンキーやアルファベットのキー、もしくはタッチパネルなどから、ファクシミリ装置の使い勝手、特にユーザが改善を求めている点などの入力を求めて、入力した結果をメモリに格納する(ステップ 5,6)。
【0020】音声入力の場合、ファクシミリ装置に備わっている送受話器などを用いてユーザの音声入力を受け付け、あるいは送受話器とは別に設けたマイクロフォンなどから音声入力を受け付ける。そしてユーザの意見や改善点などの音声入力を受け付け、音声のままで図示しないテープなどに記憶するか、もしくは適当なデジタルデータに変換して前記の意見情報メモリに記憶する(ステップ7,8)。キー入力でも音声入力でもない場合、ユーザは意見情報を記述した原稿をファクシミリ装置に読み取らせ、読み取った意見情報は前記の意見情報メモリに記憶される(ステップ9)。
【0021】続いて意見情報をサービスセンターへ通知するか否かを問い合わせ(ステップ10)、通知する場合、意見情報が入力された年月日やユーザの性別並びに年齢と共に、入力された意見情報をサービスセンターへ送信する。入力形態がキー入力の場合、2値データとして、あるいはこれを文字情報に変換して送信すれば良く、入力形態が音声情報の場合、例えば音声データとして公衆電話回線網を介して送信すればよい。さらに入力形態が操作部での読み取りの場合、読み取った画像情報をファクシミリ送信すればよい(ステップ11)。なおセンターに通知しない場合、入力された意見情報を意見情報メモリに残して、意見情報の入力モードを終了する。
【0022】実施例では、意見情報を記載した原稿の読み取り、音声入力、キー入力のいずれからでも、ユーザは意見情報を入力できる。これらの意見情報はサービスセンターに送信されるので、ファクシミリ装置の使い勝手などに関するユーザの意見を吸い上げることができる。またユーザもファクシミリ装置の使い勝手などについて不満などを持っている場合に、それを表現することができる。サービスセンターへ送信されない意見情報でも、意見情報メモリに記憶されるので、ファクシミリ装置の管理者やサービスマンなどがこれを読み出して、参考にするなどのことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のファクシミリ装置の構成を示すブロック図
【図2】 実施例のファクシミリ装置を用いて、ユーザが意見情報を入力する際のアルゴリズムを示すフローチャート
【符号の説明】
2 ファクシミリ装置
4 主制御部
6 NCU(網制御部)
8 モデム
10 画像メモリ
12 RAM
14 意見情報メモリ
16 ROM
18 送受話器
20 表示部
22 操作部
24 意見ボタン
26 キー入力部
28 タッチパネル
30 読取部
32 記録部
34 LANインターフェース
36 LAN
38 クライアント
40 サービスセンター

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも通信装置の使い勝手に対する、ユーザの意見情報を入力するための手段と、入力された意見情報をサービスセンターへ送信するための通信手段とを備えた、通信装置。
【請求項2】 入力された意見情報を記憶するための手段と、記憶した意見情報を出力するための出力手段とを設けたことを特徴とする、請求項1の通信装置。
【請求項3】 前記通信装置がファクシミリ装置であり、ユーザの意見を記載した原稿を読み取ることにより、意見情報を入力するようにし、かつ読み取った意見情報をサービスセンターへファクシミリ送信することにより送信するようにしたことを特徴とする、請求項1または2の通信装置。
【請求項4】 意見情報の読取の他に、意見情報の音声入力と、キー入力とからも選択自在に、ユーザが意見情報を入力できるようにしたことを特徴とする、請求項3の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2003−348233(P2003−348233A)
【公開日】平成15年12月5日(2003.12.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−149333(P2002−149333)
【出願日】平成14年5月23日(2002.5.23)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】