説明

通信装置

【課題】 容易に画像データの選択と送信を行えるようにする。
【解決手段】 画像データの表示指示があれば、画像データの表示を行う(S01、S02ステップ)。続いて、送信操作があると(S03ステップ)、表示されている画像データが複数枚であるか1枚であるかを判定し(S05ステップ)、複数枚であれば、表示されている複数枚の画像データを一度に送信する(S06ステップ)、一方、1枚だけであれば、表示されている1枚の画像データを送信する(S07ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の画像を同時に表示可能な通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータから着脱可能な記憶媒体を介して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示可能であり、更に形状が写真たてである表示装置が製品化されている。
【0003】
又、このような表示装置に関する技術も数多く公開されており、例えば特許文献1には、通常の写真とデジタル画像の両方をユーザが見ることが可能な表示装置が記載されている。
【特許文献1】特開2006−65031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような表示装置に画像データを保存するには、先ず、パーソナルコンピュータや携帯電話等の電子機器に着脱可能な記憶媒体を装着し、装着した記憶媒体に選択した画像データを書き込み、書き込み終了後に記憶媒体を電子機器から外し、表示装置に装着し、記憶媒体から表示装置に画像データを書き込む、といった面倒な操作をユーザが行う必要があった。
【0005】
或いは表示装置とパーソナルコンピュータとをケーブルで接続し、ユーザがパーソナルコンピュータに格納されている画像を選択し、選択した画像を表示装置に送信するといった手順を行っていた。
【0006】
いずれの場合も、ユーザはパーソナルコンピュータや携帯電話に格納されている画像から所望の画像を選択しなければならず、その選択方法としては、画像1枚1枚を送信するか否かのチェックを付して、チェックの付された画像のみ表示装置に送信するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような課題を解決するものであり、表示装置への画像データの送信操作をできるだけ容易にした通信装置を提供するものである。
請求項1記載の発明は、複数の画像データを格納可能な格納手段と、当該格納手段に格納されている複数の画像データを一度に表示可能な表示手段と、前記画像データを送信可能な送信手段と、入力手段とを有し、前記表示手段に複数の画像が表示されている状態で、前記入力手段から画像データの送信指示があると、前記表示手段に表示されている画像データに対応する前記格納手段に格納されている画像データを全て前記送信手段が送信することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の通信装置であり、前記入力手段から画像データの送信指示がある際に、前記表示手段に1つの画像データのみ表示されている場合には、表示されている1つの画像データに対応する前記格納手段に格納されている画像データを前記送信手段が送信することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、複数の画像データを格納可能な格納手段と、当該格納手段に格納されている複数の画像データの内、一度に表示可能な枚数の画像データのみ一度に表示可能な表示手段と、前記画像データを送信可能な送信手段と、入力手段とを有し、前記表示手段に複数の画像が表示されている状態で、前記入力手段から画像データの送信指示があると、前記表示手段に表示されている画像データに対応する前記格納手段に格納されている画像データを前記送信手段が送信し、前記表示手段に表示されておらず且つ前記格納手段に格納されている画像データは前記送信手段が送信しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の画像を表示した状態で例えば特定のキーを1回押下するといった簡単な操作で表示されている複数の画像を一度に送信できる為、従来のように一々カーソルを移動させて画像を選択した後に選択した画像を送信するといった面倒な操作を行う必要がない。また、格納手段に格納されている全ての画像データを送信するのではなく、表示手段に表示されている画像データのみ送信するため、ユーザが真に必要とする画像データのみ送信することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本実施例装置である通信装置(例えば携帯電話装置)は、パーソナルコンピュータや着脱可能な記憶媒体から画像データを読み込み表示可能な表示装置に対して、赤外線を用いて画像データを送信可能である。例えば、図1は本実施例装置の使用形態の一例を示す図であるが、図1に示すように、通信装置1を表示装置100に向けて、ユーザが特定の操作を施すことにより、通信装置1に格納されている画像データを赤外線を用いて表示装置100に送信することが可能である。また、送信する画像データは一度に1枚のみでも可能であり、複数枚でも可能である。
【0010】
図2は、本実施例装置の斜視図である。図2において、携帯電話装置1は、ディスプレイ42を有する第1の筐体10と、テンキー48を有する第2の筐体20とがヒンジ部を介して閉可能に接続されている。図1(a)は筐体を閉じた状態の斜視図、図2(b)は筐体を開いた状態の斜視図である。
【0011】
図3は、本実施例装置のブロック図を示している。図3に示すように、携帯電話装置1は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0012】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。尚、この通信部12やCDMA処理回路18は電子メールの送受信機能も備えている。
【0013】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0014】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0015】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動や警告音の鳴動も行う。
切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0016】
また、携帯電話装置10は、GPSアンテナ56と接続されたGPS通信部58を備えている。GPS通信部58では、GPSアンテナ56がとらえた現在位置情報に関する電波(GPSデータ)を電気信号に変換処理して制御回路36に出力する。この制御回路36では、GPSデータに基づいて携帯電話装置10の現在位置情報が算出される。なお、制御回路36に出力された携帯電話装置10の現在位置情報は、RAM40に記憶される。
【0017】
また、通信部12、ベースバンド部14、切替回路22及びGPS通信部58には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。また、制御回路36は、制御回路36の動作に必要な所定の情報が記憶されているRAM40と接続されている。
RAM40は、電話番号と氏名とメールアドレス等が対応付けて複数格納された電話帳のデータ、メール本文のデータ、画像データ、音楽データ等が格納されている。
【0018】
制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、各種機能の設定を行う機能キー54と、電源キー64と、を有している。また、制御回路36には、ディスプレイ42のバックライトである照明部46が接続されている。
【0019】
開閉検出部60は筐体の開閉を検出する。尚、この開閉検出部は一方の筐体に磁石を、他方の筐体にホール素子を用いた従来の開閉検出機構である。
【0020】
赤外線通信部は、RAM40に格納されている画像データを赤外線のデータに変換して送信する。また、外部の電子機器(例えば表示装置100)からの赤外線データを受信する機能も有する。
【0021】
次に本実施携帯に係る携帯電話装置1の動作について説明する。図4は、本実施例装置の動作を示すフロー図であり、携帯電話装置1から表示装置100に送信する画像データを選択し、送信する際の動作を示すフロー図である。
まず、S01ステップでは、制御回路36は、入力部からRAM40に格納されている画像データの表示指示があると判定すると、S02ステップへ処理を進める。
S02ステップでは、制御回路36は、ディスプレイ42にRAM40に格納されている画像データを表示する。尚、画像データの表示形態としては、RAM40に格納されている画像が1枚のみであれば、図5に示すようにディスプレイ42の画面いっぱいに画像データが表示される。一方、RAM40に格納されている画像データが複数枚存在すれば(例えば4枚)、図6に示すように、ディスプレイ42には複数の画像が同時に表示されると共に、カーソル43も表示される。ユーザはこのカーソル43を移動し決定操作を施すことにより、画像を選択することも可能であるが、このような構成は従来から行われている構成である。
続くS03ステップでは、制御回路36は、入力部44から画像送信操作(例えば、機能キーを1回押下)があると判定するとS05ステップへ処理を進め、そうでなければ、S04ステップへ処理を進める。
S04ステップでは、制御回路36は、入力部44から画像データの表示及び送信の処理を中止する指示操作があると判定すると処理を終了し、通常の待受状態に戻り、一方、指示操作がなければS03ステップへ処理を戻す。
S05ステップでは、制御回路36は、現在ディスプレイ42に表示されている画像データが複数枚であると判定するとS06ステップへ処理を進め、そうでなければS07ステップへ処理を進める。
S06ステップでは、制御回路36は、図6に示すように、ディスプレイ42に表示されている4つの画像データを全て送信する。具体的には、制御回路36は、ディスプレイ42に表示されている4つの画像に対応する画像データをRAM40から読み込み、赤外線通信部にて赤外線データに変換して送信させる。送信された赤外線データは、表示装置100にて受信させ、全ての赤外線データの送信が完了すると、制御回路36は処理を終了し、待機状態に移る。
一方、S07ステップでは、制御回路36は、図5に示すように、ディスプレイ42に表示されている1つの画像データを全て送信する。具体的には、制御回路36は、ディスプレイ42に表示されている1つの画像に対応する画像データをRAM40から読み込み、赤外線通信部にて赤外線データに変換して送信させる。送信された赤外線データは、表示装置100にて受信させ、全ての赤外線データの送信が完了すると、制御回路36は処理を終了し、待機状態に移る。
尚、本実施例装置では、S06ステップにおいて、ディスプレイ42に表示されている画像データを全て送信する構成としたが、例えば図7に示すように、RAM40にフォルダ1、フォルダ2、フォルダ3の3つのフォルダが存在し、フォルダ3には画像a〜画像fの6つの画像が存在する場合で、且つディスプレイ42には一度に4つの画像のみ表示可能である場合には、上記の実施例では、画像a〜画像dまでしか一度に送信ができないが、フォルダ3に格納されており且つディスプレイ42に表示されていない画像eと画像fも同時に送信可能な構成としても良い。換言すれば、一度に画像a〜画像fまでの全ての画像を送信可能な構成としても良い。このような構成とする場合は、例えばユーザがフォルダ内の画像データを全て送信したい場合に、簡単な操作で画像データを送信するという効果を奏するものである。
また、次のような構成としても良い。例えば図7のフォルダ2に画像a〜画像hまでの8つの画像データが存在する場合に、まず画像a〜画像dまでの画像データをディスプレイ42に一度に表示した状態で機能キー54が押下されると、画像a〜画像dまでの画像データを送信し、続いて、カーソルを移動させ画像e〜画像hまでの画像データをディスプレイ42に一度に表示した状態で再度機能キー54が押下されると、画像e〜画像hまでの画像データを送信する構成としても良い。このような構成とすることにより、ユーザはカーソルを移動させて一々画像データを1枚1枚選択するといった面倒な操作を行う必要がない。
【0022】
このように、本実施例装置では、例えば、4つの画像を表示した状態で機能キー54を1回押下するといった簡単な操作で4つの画像を一度に送信できる為、従来のように一々カーソルを移動させて画像を選択した後に選択した画像を送信するといった面倒な操作を行う必要がない。また、RAM40或いはフォルダに格納されている全ての画像データを送信するのではなく、ディスプレイ42に表示されている画像データのみ送信するため、ユーザが真に必要とする画像データのみ送信することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置の使用形態図である。
【図2】本実施例装置の斜視図である。
【図3】本実施例装置のブロック図である。
【図4】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【図5】本実施例装置の表示形態を示す図である。
【図6】本実施例装置の表示形態を示す図である。
【図7】本実施例装置のRAM40の画像データの格納形態と、表示形態の一例である。
【符号の説明】
【0024】
1 携帯電話装置
12 通信部
14 ベースバンド部
36 制御回路
40 RAM
42 ディスプレイ
44 入力部
100 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データを格納可能な格納手段と、当該格納手段に格納されている複数の画像データを一度に表示可能な表示手段と、前記画像データを送信可能な送信手段と、入力手段とを有し、
前記表示手段に複数の画像が表示されている状態で、前記入力手段から画像データの送信指示があると、前記表示手段に表示されている画像データに対応する前記格納手段に格納されている画像データを全て前記送信手段が送信することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であり、前記入力手段から画像データの送信指示がある際に、前記表示手段に1つの画像データのみ表示されている場合には、表示されている1つの画像データに対応する前記格納手段に格納されている画像データを前記送信手段が送信することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
複数の画像データを格納可能な格納手段と、当該格納手段に格納されている複数の画像データの内、一度に表示可能な枚数の画像データのみ一度に表示可能な表示手段と、前記画像データを送信可能な送信手段と、入力手段とを有し、
前記表示手段に複数の画像が表示されている状態で、前記入力手段から画像データの送信指示があると、前記表示手段に表示されている画像データに対応する前記格納手段に格納されている画像データを前記送信手段が送信し、前記表示手段に表示されておらず且つ前記格納手段に格納されている画像データは前記送信手段が送信しないことを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−93357(P2010−93357A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258635(P2008−258635)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】