説明

通信装置

【課題】ネットワーク上にメッセージ中継サーバを置く遠隔協働システムではネットワークのトラフィック量が増加すること。
【解決手段】この通信装置は、音声通話手段1100と、ブラウザ1200と、メッセージ中継端末サーバ1300とを備える。メッセージ中継端末サーバ1300は、音声通話手段1100から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段1310と、メッセージ記憶手段1320と、ブラウザ1200から送信された送信メッセージを通信相手装置へ送信するとともに、通信相手装置から受信した受信メッセージをメッセージ記憶手段1320に記憶し、ブラウザ1200からのメッセージの問合せ要求に対してメッセージ記憶手段1320に記憶された受信メッセージを送信するメッセージ管理手段1330とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置に関し、特に音声通話機能とメッセージ送受信機能とを有し、遠隔協働作業に利用可能な通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔協働システムは、遠隔地に離れたユーザ同士で、ネットワークを介した共同作業を可能にするシステムである。遠隔協働システムは、遠隔に離れたユーザ同士で、同じ資料を同時に参照し、編集し、あるいはファイルを互いに送受信することを可能にする。
【0003】
このような遠隔協働システムの一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された遠隔協働システムは、図18に示すように、ユーザAによって操作される電話機3001およびクライアント端末3003と、ユーザBによって操作される電話機3002およびクライアント端末3004と、電話機3001と電話機3003との間で行われる音声通話の接続制御を行う回線交換サーバ3005と、クライアント端末3003とクライアント端末3004との間で送受信されるメッセージを中継するメッセージ中継サーバ3006とから構成される。クライアント端末3003、3004は、ファイル交換、チャット、共有ホワイトボード、資料閲覧といった機能を有するパーソナルコンピュータなどである。この遠隔協働システムは、以下のように動作する。
【0004】
ユーザAとユーザBとが電話機3001、3002を使用して音声通話しているとき、回線交換サーバ3005は、電話機3001と電話機3002とが通話中であることをメッセージ中継サーバ3006へ通知する。メッセージ中継サーバ3006は、内部の記憶装置に、電話機3001と電話機3002とが通話中であることを記憶する。
【0005】
その後、通話中のユーザAが、クライアント端末3003に対して電話機3001の電話番号を入力すると、クライアント端末3003は、入力された電話機3001の電話番号をメッセージ中継サーバ3006へ送信する。メッセージ中継サーバ3006は、通知された電話番号の電話機3001が通話中であることを確認し、クライアント端末3003と電話機3001とを関連付ける。同様に、通話中のユーザBが、クライアント端末3004に対して電話機3002の電話番号を入力すると、クライアント端末3004は、入力された電話機3002の電話番号をメッセージ中継サーバ3006へ送信する。メッセージ中継サーバ3006は、通知された電話番号の電話機3002が通話中であることを確認し、クライアント端末3004と電話機3002とを関連付ける。
【0006】
その後、ユーザAのクライアント端末3003から電話機3001の電話番号を付加したメッセージがメッセージ中継サーバ3006に送信されると、メッセージ中継サーバ3006は、電話機3001が電話機3002と通話中であることを内部情報に基づいて特定し、受信したメッセージを電話機3002の電話番号に対応するメッセージ記憶表に記憶する。同様に、ユーザBのクライアント端末3004から電話機3002の電話番号を付加したメッセージがメッセージ中継サーバ3006に送信されると、メッセージ中継サーバ3006は、電話機3002が電話機3001と通話中であることを内部情報に基づいて特定し、受信したメッセージを電話機3001の電話番号に対応するメッセージ記憶表に記憶する。
【0007】
ユーザBのクライアント端末3004は、自端末宛てのメッセージを受信するために、電話機3002の電話番号を付加したメッセージの問合せ要求を定期的にメッセージ中継サーバ3006へ送信する。メッセージ中継サーバ3006は、クライアント端末3004から電話機3002の電話番号を付加したメッセージの問合せ要求を受信すると、電話機3002に対応するメッセージ記憶表に未送出のメッセージが存在するか否かを調べ、存在すればそのメッセージを読み出し、クライアント端末3004へ送信する。
【0008】
同様に、ユーザAのクライアント端末3003は、自端末宛てのメッセージを受信するために、電話機3001の電話番号を付加したメッセージの問合せ要求を定期的にメッセージ中継サーバ3006へ送信する。メッセージ中継サーバ3006は、クライアント端末3003から電話機3001の電話番号を付加したメッセージの問合せ要求を受信すると、電話機3001に対応するメッセージ記憶表に未送出のメッセージが存在するか否かを調べ、存在すればそのメッセージを読み出し、クライアント端末3003へ送信する。
【0009】
以上のような動作が行われることにより、音声通話しているユーザAとユーザBとがクライアント端末3003、3004を使用して、ファイル交換、チャット、共有ホワイトボード、資料閲覧といった共同作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2009/066671
【特許文献2】特開2006-324845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載された遠隔協働システムでは、クライアント端末3003、3004は、メッセージの問合せ要求を送信し、その問合せ要求に対する応答で返されるメッセージを受信するという手法を採用している。この手法は、永続的ポーリングと呼ばれる。永続的ポーリングは、HTTP(Hyper Text Transport Protocol)プロトコルを用いるブラウザが、サーバからメッセージを受信する際に利用される手法である。HTTPプロトコルは、基本的にブラウザがリクエストの送信元となり、サーバはブラウザからのリクエストを受け取ってからそのリクエストに応じた処理を実施する。このため、サーバからブラウザに対して能動的に通信を開始する手段がないので、このような永続的ポーリングが必要になる。
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載された遠隔協働システムのようにネットワーク上にメッセージ中継サーバ3006が介在するシステムでは、永続的ポーリングを使用することによって、メッセージの送受信に必要なネットワークのトラフィック量が増加するという課題がある。その理由は、クライアント端末3003のメッセージがクライアント端末3004で受信されるためには、クライアント端末3003からメッセージ中継サーバ3006へ向けてのメッセージ送信が1回、クライアント端末3004からメッセージ中継サーバ3006への問合せ要求が最低1回、メッセージ中継サーバ3006からクライアント端末3004へのメッセージの送信が1回、必要になるためである。特に、遅延時間を一定時間以内に抑えるためには、メッセージの問合せ要求の送信を一定時間毎に繰り返す必要があるため、ネットワークのトラフィック量はより一層増加する。
【0013】
本発明の目的は、上述した課題、すなわちネットワーク上にメッセージ中継サーバを置く遠隔協働システムではネットワークのトラフィック量が増加する、という課題を解決する通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一形態にかかる通信装置は、音声通話手段と、ブラウザと、メッセージ中継端末サーバとを備え、上記メッセージ中継端末サーバは、上記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段と、メッセージ記憶手段と、上記ブラウザから送信された送信メッセージを上記通信相手装置へ送信するとともに、上記通信相手装置から受信した受信メッセージを上記メッセージ記憶手段に記憶し、上記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して上記メッセージ記憶手段に記憶された上記受信メッセージを送信するメッセージ管理手段とを備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ブラウザからのメッセージの問合せ要求は同じ通信装置内のネットワーク中継端末サーバに出されるため、通信装置間でメッセージの交換を行って遠隔で共同作業を行う際のネットワークのトラフィック量の増加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の第2の実施形態のブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における通話開始時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態における一方の電話機で取得された通話情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における一方の電話機のメッセージ記憶手段の記憶情報の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における他方の電話機で取得された通話情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における他方の電話機のメッセージ記憶手段の記憶情報の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるブラウザ起動時の連携処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態においてブラウザが再起動された際のメッセージ記憶手段の記憶情報の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態におけるメッセージ送信時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態におけるメッセージ中継端末サーバによるメッセージ受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態におけるブラウザによるメッセージ受信時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態における端末操作による通話終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態における通話相手の通話終了による通話終了処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態における通話断の通話情報の一例を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態のブロック図である。
【図18】本発明に関連する遠隔協働システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態にかかる通信装置1000は、音声通話手段1100と、ブラウザ1200と、メッセージ中継端末サーバ1300とから構成されている。
【0018】
音声通話手段1100は、音声通話を行うための手段である。通信装置1000のユーザAは、この音声通話手段1100を使用して、ネットワーク1400に接続された他の通信装置1000との間で音声通話を行うことができる。
【0019】
ブラウザ1200は、HTTPプロトコルによる通信機能、HTML(Hyper Text Markup Language)による画面表示機能、javaScript(登録商標)などで記述されたプログラムを動作させる機能を有する。通信装置1000のユーザは、このブラウザ1200を使用して、ネットワーク1400に接続された他の通信装置1000とメッセージの送受信を行うことができる。
【0020】
メッセージ中継端末サーバ1300は、自装置1000内のブラウザ1200と他の通信装置1000との間のメッセージの送受信を中継する機能を有するサーバである。メッセージ中継端末サーバ1300は、通話管理手段1310、メッセージ記憶手段1320、およびメッセージ管理手段1330を備えている。
【0021】
通話管理手段1310は、音声通話手段1100から音声通話中の他の通信装置1000を特定する識別子、例えば電話番号を取得する機能を有する。
【0022】
メッセージ記憶手段1320は、他の通信装置1000から受信したメッセージを記憶する機能を有する。
【0023】
メッセージ管理手段1330は、通話管理手段1310によって取得された識別子で特定される他の通信装置1000に対して、ブラウザ1200から送信されたメッセージを送信する機能を有する。また、メッセージ管理手段1330は、通話管理手段1310によって取得された識別子で特定される他の通信装置1000から受信したメッセージをメッセージ記憶手段1320に記憶する機能を有する。また、メッセージ管理手段1330は、ブラウザ1200からのメッセージの問合せ要求を受信し、メッセージ記憶手段1320に受信メッセージが記憶されているか否かを確認し、記憶されていればその受信メッセージをブラウザ1200へ送信する機能を有する。
【0024】
他の通信装置1000は、ユーザBが使用する通信装置である。他の通信装置1000は、ユーザAが使用する通信装置1000と同様の構成を有している。
【0025】
次に、本実施形態の通信装置1000の動作を図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の通信装置を2台使用し、ユーザAの通信装置1000AとユーザBの通信装置1000Bとの間で音声通話とメッセージの送受信を行う際のシーケンスを示している。
【0026】
ユーザAとユーザBは、何れか一方が発信側となって他方に電話をかけることにより、それぞれの通信装置1000A、1000Bの音声通話手段1100A、1100Bを使用して音声通話を開始する(S1001)。
【0027】
通信装置1000Aの音声通話手段1100Aは、通信装置1000Bの音声通話手段1100Bとの間で音声通話が開始されると、通話相手装置である通信装置1000Bの識別子をメッセージ中継端末サーバ1300Aへ通知する(S1002)。同様に、通信装置1000Bの音声通話手段1100Bは、通信装置1000Aの音声通話手段1100Aとの間で音声通話が開始されると、通話相手装置である通信装置1000Aの識別子をメッセージ中継端末サーバ1300Bへ通知する(S1003)。音声通話手段1100A、1100Bは、自装置が発信側となる場合、例えばユーザから入力された電話番号を通話相手装置の識別子として検出することができる。また、音声通話手段1100A、1100Bは、自装置が着信側となる場合、例えば発信者電話番号通知機能により通知される電話番号を通話相手装置の識別子として検出することができる。
【0028】
その後、ユーザAによる操作に応じて通信装置1000Aのブラウザ1200Aからメッセージaがメッセージ中継端末サーバ1300Aに送信されたとする(S1004)。メッセージ中継端末サーバ1300Aは、このメッセージaを通信装置1000Bへ直接送信する(S1005)。
【0029】
メッセージ中継端末サーバ1300Aは、通信装置1000Bのネットワーク上のアドレス(例えばIPアドレス)を、通信装置1000Bの識別子である電話番号から任意の方法によって求める。例えば、通信装置の電話番号とその通信装置のネットワーク上のアドレスとの対応表が通信装置内の記憶部あるいはネットワーク上のサーバの記憶部に記憶されている場合、メッセージ中継端末サーバ1300Aは、電話番号から対応表を引いてアドレスを求める。また例えば特許文献2に記載されるように、音声通話信号中に自通信装置のネットワーク上のアドレスを挿入して通信相手装置へ送信する構成を採用している場合、メッセージ中継端末サーバ1300Aは、音声通話信号中から通信相手装置のアドレスを検出する。その他にも、回線交換サーバが通話接続する電話機のネットワーク上のアドレスを管理している構成では、通話手段11がネットワークを経由して通話する際に回線交換サーバから取得するようにしてもよい。
【0030】
通信装置1000Bのメッセージ中継端末サーバ1300Bは、メッセージaを受信すると、受信したメッセージaをメッセージ記憶手段に記憶する。そして、メッセージ中継端末サーバ1300Bは、ブラウザ1200Bからメッセージ問合せ要求を受信すると(S1006)、メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージaをブラウザ1200Bへ送信する(S1007)。ブラウザ1200Bは、メッセージaを受信し、受信したメッセージaに応じた処理を実行する。
【0031】
その後、ユーザBによる操作に応じてブラウザ1200Bからメッセージbがメッセージ中継端末サーバ1300Bに送信されたとする(S1008)。メッセージ中継端末サーバ1300Bは、このメッセージbを通信装置1000Aへ直接送信する(S1009)。
【0032】
メッセージ中継端末サーバ1300Bは、通信装置1000Aのネットワーク上のアドレス(例えばIPアドレス)を、上述した通信装置1000Aが通信装置1000Bのネットワーク上のアドレスを求めた方法と同じ方法で求めることができる。また、メッセージ中継端末サーバ1300Bは、上記受信したメッセージaの送信元アドレスを通信装置1000Aのネットワーク上のアドレスとしてもよい。
【0033】
通信装置1000Aのメッセージ中継端末サーバ1300Aは、メッセージbを受信すると、受信したメッセージbをメッセージ記憶手段に記憶する。そして、メッセージ中継端末サーバ1300Aは、ブラウザ1200Aからメッセージ問合せ要求を受信すると(S1010)、メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージbをブラウザ1200Aへ送信する(S1011)。
【0034】
このように本実施形態では、通信装置1000Aのブラウザ1200Aが送信したメッセージaが通信装置1000Bのブラウザ1200Bで受信されるためには、ブラウザ1200Aからメッセージ中継端末サーバ1300Aへ向けてのメッセージaの送信が1回、メッセージ中継端末サーバ1300Aからメッセージ中継端末サーバ1300Bへ向けてのメッセージaの送信が1回、ブラウザ1200Bからメッセージ中継端末サーバ1300Bへの問合せ要求が最低1回、メッセージ中継端末サーバ1300Bからブラウザ1200Bへのメッセージaの送信が1回、必要になる。しかし、そのうちネットワーク1400上を流れるトラフィックは1回だけである。通信装置1000Bのブラウザ1200Bが送信したメッセージbが通信装置1000Aのブラウザ1200Aで受信される際にも、ネットワーク1400上を流れるトラフィックは1回だけである。このため、遠隔で共同作業を行う際のネットワークのトラフィック量の増加を抑えることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、通信装置1000間で直接にメッセージa、bが送受信されるため、セキュリティ上の問題が発生する可能性が軽減される。これに対して特許文献1のようにネットワーク上のメッセージ中継サーバを経由する構成では、メッセージ中継サーバにメッセージが一時的に蓄積されるため、セキュリティ上の問題が発生し易い。
【0036】
また、本実施形態によれば、通信装置1000だけで共同作業を行うことができる。これに対して特許文献1ではネットワーク上にメッセージ中継サーバを構築する必要がある。
【0037】
[第2の実施形態]
図3を参照すると、本発明の第2の実施形態は、ユーザ同士が通話するための複数の電話機1とネットワーク2とから構成される。図3では、二つの電話機1がネットワーク2に接続されているが、3つ以上の電話機1が接続されていても構わない。また、電話機1は、それぞれの電話機を区別するための電話番号が付与されている。本実施形態では、ユーザAの電話機1Aには1001の電話番号が付与されているものとする。また、ユーザBの電話機1Bには1002の電話番号が付与されているものとする。
【0038】
また、電話機1は、音声もしくはテレビ電話で会話するための通話手段11と、HTTPプロトコルにより通信するブラウザ12と、ブラウザ12からのメッセージを他の電話機1に中継するためのメッセージ中継端末サーバ13とが設けられている。
【0039】
通話手段11は、一般的な電話機が備える電話番号による他の電話機との通話機能を備えている。
【0040】
ブラウザ12は、上記したHTTPプロトコルによる通信機能の他、一般的なブラウザが備えているHTMLによる画面表示機能と、そのHTML内に記述され、ブラウザ上でプログラムとして動作可能なJavaScriptなどのプログラム動作機能とを備えている。具体的には、このブラウザ12上では、メッセージ中継端末サーバ13とメッセージの送受信を行うためのクライアント側送受信手段121と、ファイル交換やチャット、共有ホワイトボード、資料閲覧機能などの機能をユーザに提供するためのアプリケーションプログラム122とが動作するようになっている。
【0041】
メッセージ中継端末サーバ13は、通話手段11から通話情報を取得するための通話情報取得手段131と、通話情報取得手段131で取得した通話情報を管理するための通話情報管理手段132と、通話情報を記憶しておくための通話情報記憶手段133と、ブラウザ12との間でメッセージの送受信を行うサーバ側送受信手段134と、サーバ側送受信手段134にアクセスしてきたブラウザ12が、自メッセージ中継端末サーバ13にアクセスしても良いかどうかを判断する接続可否判定手段135と、ブラウザ12が送信した、もしくは、他の電話機1から受信したメッセージを蓄積しておくメッセージ記憶手段136と、ブラウザ12から送信されたメッセージを、通話情報管理手段132で管理している通話情報を用いて、送信先の電話機1に送信するためのメッセージ中継手段137と、ブラウザ12からのメッセージ受信要求に対し、該当するメッセージをブラウザ12に送信するためのメッセージ配信手段138とで構成される。
【0042】
次に本実施の形態の動作について詳細に説明する。最初に電話機1による通話開始時における処理について図4を用いて説明する。
【0043】
(通話開始)
ユーザAは通常の電話をかける方法により、電話機1Aの通話手段11Aを用いて他のユーザBが利用している電話機1Bに対して通話を開始する(ステップS201)。一般的にこの方法は電話機1に付属の数字ボタンを押す、アドレス帳に設定されている項目を選択する、などの方法により、相手先の電話番号を指定して開始するが、ここではその方法は問わない。
【0044】
通話情報取得手段131Aは、通話手段11Aにおける通話の開始を検知すると(ステップS202)、通話先の電話番号を取得して(ステップS203)、通話情報として通話情報管理手段132Aに通知する。今の例のように、電話機1Aから電話機1Bに電話をかけた場合、電話機1Aの通話情報取得手段131Aは、図5(a)に示すような通話情報を取得する。図5(a)の通話情報は、電話機1Aは通話中であること、通話相手の電話番号は1002であることを示している。なお、この通話情報における電話番号は、通話開始時にユーザAが入力した電話番号である。
【0045】
通話状態管理手段132Aは通話情報を受け取ると、通話情報の電話番号が示す電話機1Bのネットワーク上のアドレスを第1の実施形態で説明した方法など、任意の方法により取得する(ステップS204)。次に、取得したアドレスを上記の通話情報に加えて通話情報記憶手段133Aに蓄積しておく(ステップS205)。これにより、図5(a)の通話情報は、図5(b)に示すような通話情報として、通話情報記憶手段133Aで蓄積される。図5(b)の通話情報は、電話機1Aは通話中であること、通話相手の電話番号およびアドレスは1002および192.168.0.2であることを示している。この例におけるアドレスはIP通信におけるアドレスを示しているが、通信にIP通信以外を用いる場合は、上記の表記の通りでなくても構わない。なお、ユーザAが通話手段11Aを用いて2者以上のユーザと同時に通話している場合、通話情報記憶手段133Aには2以上の通話情報が記憶されることになる。
【0046】
さらに、通話状態管理手段132Aは、通話中を示す通話情報を受け取ると、メッセージ中継手段137Aに対して初期化を指示する(ステップS206)。メッセージ中継手段137Aは初期化の指示を受けると、メッセージ記憶手段136Aを初期化する。図6(a)に初期化されたメッセージ記憶手段136Aの一例を示す。メッセージ記憶手段136Aの一つの行は、一つのメッセージに対応し、各列はメッセージの内容、メッセージの送信元、メッセージ送信先に送信したか否かを示す送信状態の3つの項目を持つ。
【0047】
他方、着信側の電話機1Bの通話情報取得手段131Bは、通話手段11Bにおける通話の開始を検知すると(ステップS202)、通話先の電話番号を取得して(ステップS203)、通話情報として通話情報管理手段132Bに通知する。今の例のように、電話機1Bに電話機1Aから電話がかかってきた場合、電話機1Bの通話情報取得手段131Bは、図7(a)に示すような通話情報を取得する。図7(a)の通話情報は、電話機1Bは通話中であること、通話相手の電話番号は1001であることを示している。なお、この通話情報における電話番号は、発信者電話番号通知機能により通知された電話番号である。
【0048】
通話状態管理手段132Bは通話情報を受け取ると、通話情報の電話番号が示す電話機1Aのネットワーク上のアドレスを第1の実施形態で説明した方法など、任意の方法により取得する(ステップS204)。次に、取得したアドレスを上記の通話情報に加えて通話情報記憶手段133Bに蓄積しておく(ステップS205)。これにより、図7(a)の通話情報は、図7(b)に示すような通話情報として、通話情報記憶手段133Bで蓄積される。図7(b)の通話情報は、電話機1Bは通話中であること、通話相手の電話番号およびアドレスは1001および192.168.0.1であることを示している。なお、ユーザBが通話手段11を用いて2者以上のユーザと同時に通話している場合、通話情報記憶手段133Bには2以上の通話情報が記憶されることになる。
【0049】
さらに、通話状態管理手段132Bは、通話中を示す通話情報を受け取ると、メッセージ中継手段137Bに対して初期化を指示する(ステップS206)。メッセージ中継手段137Bは初期化の指示を受けると、メッセージ記憶手段136Bを初期化する。図8(a)に初期化されたメッセージ記憶手段136Bの一例を示す。メッセージ記憶手段136Bの一つの行は、一つのメッセージに対応し、各列はメッセージの内容、メッセージの送信元、メッセージ送信先に送信したか否かを示す送信状態の3つの項目を持つ。
【0050】
(起動時連携処理)
次にブラウザ12の起動時における連携処理について、図9を用いて説明する。
【0051】
ユーザAは、電話機1Aに設けられた所定の起動ボタンを押し下げするなどして、ブラウザ12Aを起動する(ステップS301)。この方法は一般的なものであり、ここではその詳細を省略する。また、ボタンの押し下げを利用せず、通話情報管理手段132Aが通話中の通話情報を受け取った時点で(ステップS204)、ブラウザ12Aを自動的に起動しても構わない。
【0052】
ブラウザ12Aは起動すると、クライアント側送受信手段121Aおよびアプリケーションプログラム122Aを初期化する(ステップS302)。
【0053】
初期化されたクライアント側送受信手段121Aは、メッセージ中継端末サーバ13Aに対して起動通知メッセージを送信する(ステップS303)。以下に起動通知メッセージの一例を示す。
CLIENT=OK
【0054】
メッセージ中継端末サーバ13Aのサーバ側送受信手段134Aは、起動通知メッセージを受け取ると(ステップS304)、この起動通知メッセージの送信元のアドレスを取得する(ステップS305)。このアドレスは、IP通信におけるアドレスであり、サーバ側送受信手段134Aは一般的に公知な手法でこのアドレスを取得できる。本実施形態では、クライアント側送受信手段121Aとメッセージ中継端末サーバ13Aとの通信は、電話機1A内で行われる。すなわち端末内に閉じた通信である。このため、起動通知メッセージの送信元のアドレスは、端末内アドレスとなり、IP通信上の表記では”127.0.0.1”になる。
【0055】
サーバ側送受信手段134Aは、起動通知メッセージを受信すると接続可否判定手段135Aに対してメッセージを受け取るかどうかを送信元アドレスを添えて問い合わせる(ステップS306)。接続可否判定手段135Aは、通話情報管理手段132Aに対して通話情報の取得を要求する(ステップS307)。通話情報管理手段132Aは、通話情報記憶手段133Aに記憶されている通話情報を接続可否判定手段135Aに渡す。接続可否判定手段135Aは、受け取った通話情報の内容を確認し(ステップS308)、通話状態が通信中になっている通話情報が無ければ、現在非通話であると判定し、サーバ側送受信手段134Aはブラウザ12Aに対して、通信拒否メッセージを返信する(ステップS309)。以下に通信拒否メッセージの一例を示す。
CONNECT=FAIL
【0056】
ブラウザ12Aのクライアント側送受信手段121Aは、通信拒否メッセージを受信すると、その処理を終了する(ステップS310)。
【0057】
他方、通話状態が通信中になっている通話情報が有れば、接続可否判定手段135Aは、現在通話中であると判定し、受信したメッセージがサーバ側送受信手段134Aで受信したものであるか否かを確認する(ステップS311)。次に、サーバ側送受信手段134Aで受信したものであれば、さらに、当該メッセージの送信元のアドレスが端末内アドレスであるか否かを確認する(ステップS312)。そして、端末内アドレスでない場合、前記したステップS309以下を実行する。また、端末内アドレスである場合には、接続可否判定手段135Aは、サーバ側送受信手段134Aでの処理続行を通知する。
【0058】
サーバ側送受信手段134Aは、処理続行を通知されると、メッセージ中継手段137Aに起動通知メッセージを通知する。メッセージ中継手段137Aは、起動通知メッセージを受け取ると(ステップS313)、メッセージ記憶手段136Aに保存されているメッセージがあるか否かを確認し(ステップS314)、若しある場合は各メッセージの送信状態を未送信状態にする(ステップS315)。このとき、存在した全てのメッセージの送信状態を未送信状態にしても良いし、送信元が自電話機1A以外であるメッセージの送信状態を未送信状態にしても良い。次に、メッセージ中継手段136Aは、サーバ側送受信手段134を介して、接続完了メッセージをブラウザ12Aに送信する。以下に接続完了メッセージの一例を示す。
CONNECT=OK
【0059】
メッセージ記憶手段136Aは、電話機1Aによる音声通話開始時点で初期化されるため(S206)、音声通話開始後に初めてブラウザ12Aが起動された時点では、メッセージ記憶手段136Aにメッセージが記憶されていることはない。しかし、起動したブラウザ12Aから後述するようにメッセージが送信され、また通話相手の電話機1Bからメッセージを受信することにより、メッセージ記憶手段136Aにメッセージが記憶された後にブラウザ12Aが一度終了し、再度ブラウザ12Aが立ち上げられて起動通知メッセージがブラウザ12Aから送信された場合には、メッセージ記憶手段136Aにはメッセージが記憶されている状況が発生する。このような場合、再立ち上げされたブラウザ12Aが以前に受け取ったメッセージを再度受け取れるようにするために、本実施形態では、メッセージ記憶手段136Aにメッセージが保存されている場合、各メッセージの送信状態を未送信状態にしている(ステップS315)。未送信状態にされたメッセージ記憶手段136Aの一例を図10に示す。この例の1行目は、電話番号1002の電話機1Bから“Hello”というメッセージを受信したことを示し、2行目は、電話番号1003の電話機から“Hi”というメッセージを受信したことを示し、何れのメッセージもブラウザ12Aには未だ送信されていないことを示している。
【0060】
電話機1Bのブラウザ12Bが起動された場合、電話機1Aのブラウザ12Aが起動された場合と同様の動作が行われる。
【0061】
次に、電話機1Aと電話機1Bとの間でメッセージの交換を実施する方法について説明する。
【0062】
(メッセージ送信処理)
まず、電話機1Aのブラウザ12Aにおいて、アプリケーションプログラム122Aが他の電話機1B上で動作しているアプリケーションプログラム122Bに対してメッセージを送信する際の処理について、図11を参照して説明する。なお、アプリケーションプログラム間で交換されるメッセージは、上述した起動通知メッセージとは種別が相違し、両者は明確に区別できるようになっている。アプリケーションプログラム間で交換されるメッセージは、通信メッセージあるいは単にメッセージと記載する。
【0063】
ブラウザ12A上で動作するアプリケーションプログラム122Aが、クライアント側送受信手段121Aにメッセージを渡すと、クライアント側送受信手段121Aは、メッセージ中継端末サーバ13Aに接続して、サーバ側送受信手段134Aにこのメッセージを送信する(ステップS401)。サーバ側送受信手段134Aはブラウザ12Aから当該メッセージを受信する(ステップS402)。以下にメッセージ中継端末サーバ13Aで受信したメッセージの一例を示す。
MESSAGE=”こんにちわ”
【0064】
上記の例では、ブラウザ12Aから“こんにちわ”というメッセージが送信されたことを示す。
【0065】
サーバ側送受信手段134Aは、ブラウザ12Aからメッセージを受信すると、既に説明したステップS305〜ステップS313の処理を実行し、メッセージが受信可能な場合で、受け取ったメッセージが通信メッセージであるので(ステップS403)、メッセージ中継手段137Aにこのメッセージを渡す。
【0066】
メッセージ中継手段137Aは、受け取ったメッセージが通信メッセージであるため、通話状態管理手段132Aから通話相手のアドレスを取得して(ステップS404)、そのアドレスに対してメッセージを送信する(ステップS405)。例えば、通話情報記憶手段133Aに図5(b)に示したような通話情報が記憶されている場合は、電話番号1002を持つ電話機1Bのアドレス”192.168.0.2”に対してメッセージを送信する。
【0067】
また、メッセージ中継手段137Aは、図6(b)に示すように、送信したメッセージを、送信状態が“済”のメッセージとしてメッセージ記憶手段136Aに記録する(ステップS406)。
【0068】
(メッセージ受信処理)
次に、電話機1B側のメッセージ受信処理を図12を参照して説明する。
【0069】
電話機1Aのメッセージ中継手段137Aから送信されたメッセージは、ネットワークを経由して通話相手の電話機1Bにおけるメッセージ中継手段137Bで受信される(ステップS501)。
【0070】
メッセージを受信したメッセージ中継手段137Bは、メッセージの送信元のアドレスを取得する(ステップS502)。このアドレスは、IP通信におけるアドレスであり、メッセージ中継手段137Bは一般的に公知な手法でこのアドレスを取得できる。なお、前記した例では、このアドレスは電話機1Aのアドレスである”192.168.0.1”になる。
【0071】
次に、メッセージ中継手段137Bは、接続可否判定手段135Bにメッセージを受け取るかどうかを送信元アドレスを添えて問い合わせる(ステップS503)。接続可否判定手段135Bは、通話情報管理手段132Bに対して通話情報の取得を要求し、通話情報管理手段132Bは、通話情報記憶手段133に記憶されている通話状態を接続可否判定手段135Bに渡す(ステップS504)。接続可否判定手段135Bは、受け取った通話情報の内容を確認し(ステップS505)、通話状態が通話中の通話情報がなければ現在非通話であると判定し、メッセージ中継手段137Bにメッセージを受け入れないように指示し、メッセージ中継手段137Bは受け取ったメッセージを廃棄する(ステップS506)。
【0072】
他方、通話状態が通話中の通話情報が記録されている場合は、接続可否判定手段135Bは、現在通話中であると判定する。続いて接続可否判定手段135Bは、受信した通信メッセージがサーバ側送受信手段134Bで受信したものでなく(ステップS507)、メッセージ中継手段137Bで受信したものであれば、当該通信メッセージの送信元のアドレスが通話情報に含まれているか否かを確認する(ステップS508)。送信元アドレスが通話情報に含まれていない場合は、接続可否判定手段135Bは、メッセージ中継手段137Bに対してメッセージを受け入れないように指示し、メッセージ中継手段137Bは受け取ったメッセージを廃棄する(ステップS506)。反対に、通信メッセージの送信元アドレスが通話情報に含まれていれば、接続可否判定手段135Bは、メッセージ中継手段137Bに対して処理の続行を通知する。メッセージ中継手段137Bは、処理の続行を通知されると、図8(b)に示すように、受信した通信メッセージをメッセージ記憶手段136Bに保存する(ステップS509)。なお、上記ステップS504、S505、S507で行われる処理は、ステップS307、S308、S311で行われる処理と同じである。
【0073】
次に、電話機1Bのブラウザ12Bのメッセージ受信処理について図13を参照して説明する。
【0074】
ブラウザ12Bのクライアント側送受信手段121Bは、定期的にサーバ側送受信手段134Bに対して、送信状態が“未”のメッセージがないか否かを問い合わせる(ステップS601)。
【0075】
サーバ側送受信手段134Bは、既に説明したステップS305〜S313、ステップS403の処理を実施して、問い合わせが受信可能である場合、メッセージ配信手段138Bに送信状態が“未”のメッセージを送信するように通知する。
【0076】
メッセージ配信手段138Bは、メッセージ記憶手段136Bから送信状態が未送信状態であるメッセージを取得し(ステップS602)、サーバ側送受信手段134Bを介してクライアント側送受信手段121Bにメッセージを返信する(ステップS603)。さらにメッセージ配信手段138Bは、メッセージ記憶手段133Bの当該配信したメッセージにおける送信状態を“済”に変更する(ステップS604)。
【0077】
例えば、メッセージ記憶手段133Bが図8(b)に示す状態の場合、メッセージ配信手段138Bは、例えば以下のようなメッセージをクライアント側送受信手段121Bに返信する。
PHONE=1001&MESSAGE=“こんにちわ”
【0078】
このメッセージは、メッセージ本文が“こんにちわ”であり、送信元の電話機の電話番号が1001であることを示している。
【0079】
また、上記のメッセージの送信後、メッセージ記憶手段136Bは図8(c)のように更新される。
【0080】
また、メッセージを受信したクライアント側送受信手段121Bは、アプリケーションプログラム122Bに当該メッセージを渡し、メッセージの内容を実行させる(ステップS605)。
【0081】
上述したようなメッセージの交換は、電話機1Aと電話機1Bとが通話中である場合に必要に応じて繰り返される。
【0082】
(通話終了時連携処理)
次に、電話機1Aにおいて通話を終了した際の処理について、図14を用いて説明する。
【0083】
ユーザAは通話中の電話機1Aに対して通話断ボタンを押すなどの操作により、通話を終了する(ステップS701)。通話情報取得手段131Aは通話の終了を検知すると(ステップS702)、通話情報管理手段132Aに通話の終了を通知する。通話情報管理手段132Aは、通話の終了を通知されると、通話情報記憶手段133の各項目を削除する(ステップS703)。また、メッセージ中継手段137Aに対して、メッセージ中継の終了を通知する。
【0084】
メッセージ中継手段137Aは、終了を通知されるとメッセージ記憶手段136Aの全ての項目を削除する(ステップS704)。また、ブラウザ12Aのクライアント側送受信手段121Aからのメッセージ問い合わせに対して、通話が終了したことを通知する終了メッセージを送信する(ステップS705)。以下に終了メッセージの例を示す。
STATUS=bye
【0085】
クライアント側送受信手段121Aは、終了メッセージを受信すると、アプリケーションプログラム122Aに対して通話の終了を通知する(ステップS705)。アプリケーションプログラム122Aは、通話の終了の通知を受けると、通話終了時の処理を開始する(ステップS707)。通話終了時の処理としては、ユーザに対して通話が終了したことを通知する、ブラウザ12Aを終了する、などの処理が考えられるが、その処理はブラウザ12Aの実装に従う。
【0086】
次に、通話を切断された側の電話機1Bの処理について、図15を用いて説明する。
【0087】
通話情報取得手段131Bは、通話手段11Bにおける電話機1Aとの通話の終了を検知すると(ステップS801)、その旨を示す通話情報を通話状態管理手段132Bに渡す。このときの通話情報の一例を図16に示す。この例の通話情報は、電話番号1001との間の通話が終了したことを示している。
【0088】
通話情報管理手段132Bは、通話断の通話情報を受け取ると、通話情報記憶手段133Bに蓄積されている通話情報のうち、電話番号の項目に設定された電話番号が通話断の通話情報の電話番号と一致する通話情報を削除する(ステップS802)。そして、通話情報管理手段132Bは、通話情報記憶手段133Bに1つも通話情報が残っていなければ(ステップS803)、ステップS704以降の処理を実行して、処理を終了する。他方、通話情報記憶手段133Bに1つ以上の通話情報が残っていれば、そのまま処理を継続する(ステップS804)。
【0089】
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、以下のような効果が得られる。
【0090】
特許文献1に記載のシステムのように電話機による通話と連携して、その電話機と物理的に離れたパーソナルコンピュータ等のクライアント端末からメッセージを送受信する場合、クライアント端末から送信されたメッセージが上記電話機のユーザによるものか否かを確認しなければ、第三者がクライアント端末に入力したメッセージを誤って送信してしまうことになる。また、クライアント端末から送信されたメッセージ問合せ要求が上記電話機のユーザによるものか否かを確認しなければ、第三者に誤ってメッセージを返してしまうことになる。このような誤送信や誤受信を防止するには、クライアント端末の利用者が電話機の利用者であることをログインなどの処理で認証する必要がある。これに対して、本実施形態では、同じ電話機内のブラウザからしかメッセージおよびメッセージ問合せ要求の送信が行えないように、送信元アドレスが端末内アドレスであるか否かを確認するようにしている。このため、ブラウザによるログインなどによる認証を省略しても、電話機ユーザのみによるメッセージの送受信が可能になる。
【0091】
[第3の実施形態]
図17を参照すると、本発明の第3の実施形態にかかる通信装置は、コンピュータ2000で構成される。コンピュータ2000は、主な機能部として、演算処理部2100、記憶部2200、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)2300、音声入出力部2400、操作入力部2500、画面表示部2600を有する。
【0092】
通信I/F部2300は、専用のデータ通信回路からなり、通信回線を介して接続された他のコンピュータなどとの間でデータ通信を行う機能を有している。
【0093】
音声入出力部2400は、ユーザの音声をデジタルな音声信号に変換するマイクロフォンとAD変換器、およびデジタルな音声信号を音声に変換するDA変換器とスピーカからなる。
【0094】
操作入力部2500は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、ユーザの操作を検出して演算処理部2100に出力する機能を有している。
【0095】
画面表示部2600は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部2100からの指示に応じて、操作メニューなどの各種情報を画面表示する機能を有している。
【0096】
記憶部2200は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部2100での各種処理に必要な処理情報やプログラム2220を記憶する機能を有している。プログラム2220は、演算処理部2100に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部2300などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)や記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部2200に保存される。記憶部2200で記憶される主な処理情報として、他のコンピュータと送受信するメッセージ2210がある。
【0097】
演算処理部2100は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部2200からプログラム2220を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム2220とを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。演算処理部2100で実現される主な処理部として、音声通話手段2110とメッセージ中継端末サーバ2120とブラウザ2130とがある。
【0098】
音声通話手段2110は、音声通話を行うための手段であり、通信I/F部2300および音声入出力部2400と合わせて、第1の実施形態の音声通話手段1100または第2の実施形態の通話手段11を構成する。
【0099】
メッセージ中継端末サーバ2120は、音声通話手段2110による通話相手の端末とメッセージの送受信を行う手段であり、通信I/F部2300および記憶部2200と合わせて、第1の実施形態のメッセージ中継端末サーバ1300または第2の実施形態のメッセージ中継端末サーバ13を構成する。
【0100】
ブラウザ2130は、第1の実施形態のブラウザ1200または第2の実施形態のブラウザ12に相当する。
【0101】
このように本実施形態によれば、本発明の通信装置をコンピュータとプログラムとで実現することができる。
【0102】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
音声通話手段と、ブラウザと、メッセージ中継端末サーバとを備え、
前記メッセージ中継端末サーバは、
前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段と、
メッセージ記憶手段と、
前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信するメッセージ管理手段とを備えることを特徴とする通信装置。
(付記2)
前記メッセージ管理手段は、前記送信メッセージの送信元のアドレスが装置内アドレスであるか否かを判定して前記送信メッセージの受付の可否を決定することを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記メッセージ管理手段は、前記メッセージの問合せ要求元のアドレスが装置内アドレスであるか否かを判定して前記メッセージの問合せ要求の受付の可否を決定することを特徴とする付記1または2に記載の通信装置。
(付記4)
前記メッセージ管理手段は、前記音声通話手段による音声通話開始時に前記メッセージ記憶手段を初期化し、前記ブラウザの起動時に前記メッセージ記憶手段に記憶されている受信メッセージを前記ブラウザに対して未だ送信していないメッセージとして管理することを特徴とする付記1乃至3の何れか1項に記載の通信装置。
(付記5)
前記ブラウザは、前記メッセージ中継端末サーバとメッセージの送受信を行うクライアント側送受信手段と、遠隔協働作業を実現するための機能を提供するアプリケーションプログラムとを備えることを特徴とする付記1乃至4の何れか1項に記載の通信装置。
(付記6)
前記通話管理手段は、前記音声通話手段から前記識別子としての電話番号を含む通話情報を取得する通話情報取得手段と、前記通話情報を記憶する通話情報記憶手段と、前記通話情報取得手段で取得された前記通話情報を前記通話情報記憶手段に記憶して管理する通話情報管理手段とを備え、
前記メッセージ管理手段は、前記ブラウザとメッセージの送受信を行うサーバ側送受信手段と、前記サーバ側送受信手段にアクセスしてきた前記ブラウザのアドレスが前記メッセージ中継端末サーバにアクセスしても良いアドレスかどうかを判定する接続可否判定手段と、前記サーバ側送受信手段を通じて前記ブラウザから受信したメッセージを前記通話情報管理手段で管理している通話情報中の電話番号で特定される前記通信相手装置へ送信するとともに前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記通話情報管理手段で管理している通話情報中の電話番号で特定される前記通信相手装置から受信したメッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶するメッセージ中継手段と、前記サーバ側送受信手段を通じて前記ブラウザから受信したメッセージ問合せ要求に対して、前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを前記サーバ側送受信手段を通じて前記ブラウザに送信するメッセージ配信手段とを備えることを特徴とする付記1乃至5の何れか1項に記載の通信装置。
(付記7)
前記メッセージ中継端末サーバは、前記音声通話手段において開始された通話を前記通話情報取得手段において検知し、前記音声通話手段から通話先の電話番号を取得して前記通話情報管理手段に通知し、前記通話情報管理手段は前記電話番号を受け取ると、前記電話番号が示す電話機のネットワーク上のアドレスを取得し、前記電話番号と前記アドレスとを関連づけた前記通話情報として前記通話情報記憶手段に蓄積して、前記メッセージ中継手段に対して初期化を指示し、前記メッセージ中継手段は初期化の指示を受けると、前記メッセージ記憶手段に蓄積されているメッセージを消去する、ことを特徴とする付記6に記載の通信装置。
(付記8)
前記メッセージ中継端末サーバは、前記ブラウザから送信される前記ブラウザの起動を表す起動通知メッセージを前記サーバ側送受信手段で受け取り、前記サーバ側送受信手段は前記起動通知メッセージの送信元のアドレスを取得して、前記接続可否判定手段に前記起動通知メッセージを受け取るかどうかを送信元アドレスと共に問い合わせ、前記接続可否判定手段は、前記通話情報管理手段に前記通話情報が記録されているか否かを確認し、記録されていない場合は現在非通話であると判定して、前記サーバ側送受信手段を経由して前記ブラウザに対して通信拒否メッセージを返信し、前記通話情報が記録されている場合は現在通話中であると判定し、前記受信した起動通知メッセージが前記サーバ側送受信手段で受信したものであるか否かを確認し、前記サーバ側送受信手段で受信したものであれば、前記起動通知メッセージの送信元のアドレスが装置内アドレスであるか否かを確認し、装置内アドレスでない場合、前記サーバ側送受信手段を経由して前記ブラウザに対して通信拒否メッセージを返信し、装置内アドレスである場合、前記サーバ側送受信手段は前記メッセージ中継手段に前記起動通知メッセージを通知し、前記メッセージ中継手段は、前記起動通知メッセージを受け取ると前記メッセージ記憶手段に保存されているメッセージがあるか否かを確認し、ある場合は各メッセージの送信状態を未送信状態にし、前記サーバ側送受信手段を介して、前記ブラウザに接続完了メッセージを返信する、ことを特徴とする付記6または7に記載の通信端末。
(付記9)
前記メッセージ中継端末サーバは、前記ブラウザから送信されたメッセージを前記サーバ側送受信手段で受信し、前記サーバ側送受信手段は前記メッセージの送信元のアドレスを取得して、前記接続可否判定手段に前記メッセージを受け取るかどうかを送信元アドレスと共に問い合わせ、前記接続可否判定手段は、前記通話情報管理手段に前記通話情報が記録されているか否かを確認し、記録されていない場合は現在非通話であると判定して、前記サーバ側送受信手段を経由して前記ブラウザに対して通信拒否メッセージを返信し、前記通話情報が記録されている場合は、現在通話中であると判定し、前記受信したメッセージが前記サーバ側送受信手段で受信したものであるか否かを確認し、前記サーバ側送受信手段で受信したものであれば、前記メッセージの送信元のアドレスが装置内アドレスであるか否かを確認し、装置内アドレスでない場合、前記サーバ側送受信手段を経由して前記ブラウザに対して通信拒否メッセージを返信し、装置内アドレスである場合、前記サーバ側送受信手段は前記メッセージ中継手段に前記メッセージを通知し、前記メッセージ中継手段は、前記通話情報管理手段から通話相手のアドレスを取得し、当該アドレスに対して前記メッセージを送信し、送信したメッセージを前記メッセージ記憶手段に送信状態を送信済として記録する、ことを特徴とする付記6乃至8の何れか1項に記載の通信端末。
(付記10)
前記メッセージ中継端末サーバは、前記通信相手装置から送信されたメッセージを前記メッセージ中継手段で受信し、前記メッセージ中継手段は前記メッセージの送信元のアドレスを取得して、前記接続可否判定手段に前記メッセージを受け取るかどうかを送信元アドレスを添えて問い合わせ、前記接続可否判定手段は、前記通話情報管理手段に通話情報が記録されているか否かを確認し、記録されていない場合は現在非通話であると判定し、前記メッセージ中継手段に前記メッセージを受け入れないように指示して、前記メッセージ中継手段に受け取った前記メッセージを廃棄させ、前記通話情報が記録されている場合は、現在通話中であると判定し、受信した前記メッセージが前記メッセージ中継手段で受信したものであるか否かを確認し、前記メッセージ中継手段で受信したものであれば、当該メッセージの送信元のアドレスが前記通話情報に含まれているか否かを確認し、送信元アドレスが前記通話情報に含まれていない場合は、前記メッセージ中継手段に前記メッセージを受け入れないように指示して、受け取った前記メッセージを廃棄させ、前記送信元アドレスが前記通話情報に含まれている場合、前記メッセージ中継手段は、受信した前記メッセージを前記メッセージ記憶手段に送信状態を未送信として記録する、ことを特徴とする付記6乃至9の何れか1項に記載のメッセージ中継端末サーバ。
(付記11)
前記メッセージ中継端末サーバは、前記ブラウザからのメッセージ問合せ要求を前記サーバ側送受信手段で受信し、前記サーバ側送受信手段はメッセージ問合せ要求の送信元のアドレスを取得して、前記接続可否判定手段に前記メッセージ問合せ要求を受け取るかどうかを送信元アドレスを添えて問い合わせ、前記接続可否判定手段は、前記通話情報管理手段に通話情報が記録されているか否かを確認し、記録されていない場合は現在非通話であると判定して、前記サーバ側送受信手段を経由して前記ブラウザに対して通信拒否メッセージを返信し、前記通話情報が記録されている場合は、現在通話中であると判定し、受信した前記メッセージ問合せ要求が前記サーバ側送受信手段で受信したものであるか否かを確認し、前記サーバ側送受信手段で受信したものであれば、前記メッセージ問合せ要求の送信元のアドレスが装置内アドレスであるか否かを確認し、装置内アドレスでない場合、前記サーバ側送受信手段を経由して前記ブラウザに対して通信拒否メッセージを返信し、装置内アドレスである場合、前記サーバ側送受信手段は前記メッセージ配信手段に前記メッセージ問合せ要求を通知し、前記メッセージ配信手段は、前記メッセージ記憶手段から送信状態が未送信状態であるメッセージを取得して、前記サーバ側送受信手段を介して前記ブラウザに前記メッセージを返信し、前記メッセージ記憶手段の当該メッセージにおける送信状態を送信済みに変更する、ことを特徴とする付記6乃至10の何れか1項に記載の通信端末。
(付記12)
前記メッセージ中継端末サーバは、前記通話情報取得手段で前記音声通話手段の通話の終了を検知すると、前記通話情報管理手段に通話の終了を通知し、前記通話情報管理手段は、通話の終了を通知されると、前記通話情報記憶手段の通話情報を削除して、前記メッセージ中継手段にメッセージ中継の終了を通知し、前記メッセージ中継手段は、終了を通知されると前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを削除し、前記ブラウザからのメッセージ問合せ要求に対して、通話が終了したことを通知する終了メッセージを送信する、ことを特徴とする付記6乃至11の何れか1項に記載の通信端末。
(付記13)
前記メッセージ中継端末サーバは、前記通話情報取得手段で前記音声通話手段の通話の終了を検知すると、前記通話情報管理手段に通話相手との通話の終了を通知し、前記通話情報管理手段は通話相手との通話の終了を通知されると、前記通話情報記憶手段に蓄積されている当該通話相手に関する通話情報を削除し、前記通話情報記憶手段に他の通話相手に関する通話情報が残っていなければ、前記メッセージ中継手段にメッセージ中継の終了を通知し、前記メッセージ中継手段は、終了を通知されると前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージを削除し、前記ブラウザからのメッセージ問合せ要求に対して、通話が終了したことを通知する終了メッセージを送信する、ことを特徴とする付記6乃至12の何れか1項に記載の通信端末。
(付記14)
ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の通信装置から構成され、
前記通信装置は、音声通話手段と、ブラウザと、メッセージ中継端末サーバとを備え、
前記メッセージ中継端末サーバは、
前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段と、
メッセージ記憶手段と、
前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信するメッセージ管理手段とを備えることを特徴とする通信システム。
(付記15)
音声通話手段とブラウザとメッセージ中継端末サーバとメッセージ記憶手段とを備えた通信装置における通信方法であって、
前記メッセージ中継端末サーバが、前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得し、
前記メッセージ中継端末サーバが、前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信する
ことを特徴とする通信方法。
(付記16)
ブラウザとメッセージ記憶手段とを備えたコンピュータを、
音声通話手段と、
前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段と、前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信するメッセージ管理手段とを備えるメッセージ中継端末サーバと
して機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0103】
1 電話機
2 ネットワーク
11 通話手段
12 ブラウザ
13 メッセージ中継端末サーバ
121 クライアント側送受信手段
122 アプリケーションプログラム
131 通話情報取得手段
132 通話情報管理手段
133 通話情報記憶手段
134 サーバ側送受信手段
135 接続可否判定手段
136 メッセージ記憶手段
137 メッセージ中継手段
138 メッセージ配信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話手段と、ブラウザと、メッセージ中継端末サーバとを備え、
前記メッセージ中継端末サーバは、
前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段と、
メッセージ記憶手段と、
前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信するメッセージ管理手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記メッセージ管理手段は、前記送信メッセージの送信元のアドレスが装置内アドレスであるか否かを判定して前記送信メッセージの受付の可否を決定することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記メッセージ管理手段は、前記メッセージの問合せ要求元のアドレスが装置内アドレスであるか否かを判定して前記メッセージの問合せ要求の受付の可否を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記メッセージ管理手段は、前記音声通話手段による音声通話開始時に前記メッセージ記憶手段を初期化し、前記ブラウザの起動時に前記メッセージ記憶手段に記憶されている受信メッセージを前記ブラウザに対して未だ送信していないメッセージとして管理することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記ブラウザは、前記メッセージ中継端末サーバとメッセージの送受信を行うクライアント側送受信手段と、遠隔協働作業を実現するための機能を提供するアプリケーションプログラムとを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通話管理手段は、前記音声通話手段から前記識別子としての電話番号を含む通話情報を取得する通話情報取得手段と、前記通話情報を記憶する通話情報記憶手段と、前記通話情報取得手段で取得された前記通話情報を前記通話情報記憶手段に記憶して管理する通話情報管理手段とを備え、
前記メッセージ管理手段は、前記ブラウザとメッセージの送受信を行うサーバ側送受信手段と、前記サーバ側送受信手段にアクセスしてきた前記ブラウザのアドレスが前記メッセージ中継端末サーバにアクセスしても良いアドレスかどうかを判定する接続可否判定手段と、前記サーバ側送受信手段を通じて前記ブラウザから受信したメッセージを前記通話情報管理手段で管理している通話情報中の電話番号で特定される前記通信相手装置へ送信するとともに前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記通話情報管理手段で管理している通話情報中の電話番号で特定される前記通信相手装置から受信したメッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶するメッセージ中継手段と、前記サーバ側送受信手段を通じて前記ブラウザから受信したメッセージ問合せ要求に対して、前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを前記サーバ側送受信手段を通じて前記ブラウザに送信するメッセージ配信手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記メッセージ中継端末サーバは、前記音声通話手段において開始された通話を前記通話情報取得手段において検知し、前記音声通話手段から通話先の電話番号を取得して前記通話情報管理手段に通知し、前記通話情報管理手段は前記電話番号を受け取ると、前記電話番号が示す電話機のネットワーク上のアドレスを取得し、前記電話番号と前記アドレスとを関連づけた前記通話情報として前記通話情報記憶手段に蓄積して、前記メッセージ中継手段に対して初期化を指示し、前記メッセージ中継手段は初期化の指示を受けると、前記メッセージ記憶手段に蓄積されているメッセージを消去する、ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
ネットワークを介して相互に通信可能に接続された複数の通信装置から構成され、
前記通信装置は、音声通話手段と、ブラウザと、メッセージ中継端末サーバとを備え、
前記メッセージ中継端末サーバは、
前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段と、
メッセージ記憶手段と、
前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信するメッセージ管理手段とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
音声通話手段とブラウザとメッセージ中継端末サーバとメッセージ記憶手段とを備えた通信装置における通信方法であって、
前記メッセージ中継端末サーバが、前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得し、
前記メッセージ中継端末サーバが、前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信する
ことを特徴とする通信方法。
【請求項10】
ブラウザとメッセージ記憶手段とを備えたコンピュータを、
音声通話手段と、
前記音声通話手段から音声通話中の通信相手装置を特定する識別子を取得する通話管理手段と、前記ブラウザから送信された送信メッセージを前記通信相手装置へ送信するとともに、前記通信相手装置から受信した受信メッセージを前記メッセージ記憶手段に記憶し、前記ブラウザからのメッセージの問合せ要求に対して前記メッセージ記憶手段に記憶された前記受信メッセージを送信するメッセージ管理手段とを備えるメッセージ中継端末サーバと
して機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate