説明

通信装置

【課題】低コストで容易に導入可能な客がオーダーを行うための通信装置を提供することにある。
【解決手段】通信装置30は、客用注文モードに設定され、第2の構成体12が第1の構成体11に対して開いた状態のハンディターミナル3に、第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けて形成される。これにより通信装置30に店員がオーダーを行うハンディターミナル3と同一の短端末が用いられるため、客が注文するための装置に別途に客用注文端末を製作する必要がなくなる。同時に、客用端末を卓上に設置する際の電源工事、LAN工事の必要がなくなる。これにより、低コストで容易に客がオーダーを行うための通信装置30を導入することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレストラン等の飲食店の卓上で客がオーダーを行う際に使用する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レストラン等の飲食店で客の注文を正確かつ迅速に調理人に伝達するための注文管理システムが用いられている。この注文管理システムでは、注文データの入力に店員が個々に携帯するハンディターミナルが用いられている。入力された注文データは、天井などに設置されてハンディターミナルとの無線通信を可能とする無線通信ユニットに送られる。そして、無線通信ユニットからデータが、注文メニュー品目をキッチンの調理人に指示するためのキッチンプリンタ、チェックアウトカウンタに設置される会計装置であるPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末に送られる。
【0003】
また、オペレーションの効率化、人件費の削減等の観点から、客が自らオーダーを行うことができる客用注文端末がそれぞれの卓上に備えられている場合がある。このような客用注文端末は、ハンディターミナルと同様に、無線通信ユニットと無線通信可能となっていて、客用注文端末に入力された注文データは無線通信ユニットに送信される。
【0004】
特許文献1には、客用注文端末を用いた注文処理システムが開示されている。
【0005】
特許文献2には、ハンディターミナル及び客用注文端末の両方を用いた注文管理システムが開示されている。この注文管理システムでは、客数等の店内の状況に応じてハンディターミナルと客用注文端末とを使い分けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、店内の状況に応じてハンディターミナルと客用注文端末を使用する場合、ハンディターミナルと客用注文端末を別個に製作する必要がある。このため、客用注文端末の製作に別途コストが必要となる。また、客用端末を卓上に設置する際に、電源工事、LAN工事が必要となり、これらの工事に手間及びコストがかかってしまう。
【0007】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、低コストで容易に導入可能な客がオーダーを行うための通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の通信装置は、第1の構成体と、前記第1の構成体に対して回動可能な第2の構成体とを有し、前記第2の構成体は、前記第1の構成体に対して開いた状態と、前記第1の構成体に対して閉じた状態との間で開閉動作する店員又は客がオーダーを行うための通信端末と、前記第2の構成体を開いた状態で、外側に露出される前記第1の構成体の表面に設けられる表示部と、前記第2の構成体を開いた状態で、外側に露出される前記第2の構成体の表面に設けられる操作ボタンユニットと、前記第2の構成体が開いた状態の前記通信端末全体を覆うカバーと、を備え、前記カバーは、前記第2の構成体を開いた状態で、前記通信端末の表面側に取り付けられる第1のカバーと、前記第2の構成体を開いた状態で、前記通信端末の裏面側に取り付けられる第2のカバーとを含み、前記第1のカバーは、前記表示部と対応する位置に配置される表示部用窓と、前記操作ボタンユニットと対応する位置に配置される操作ボタンユニット用窓とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低コストで容易に導入可能な客がオーダーを行うための通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の第1の実施形態のオーダーエントリーシステムの概略図。
【図1B】第1の実施形態のオーダーエントリーシステムの通信装置が卓上に配置された状態を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態のハンディターミナルの第2の構成体を開いた状態の表面側から見た斜視図。
【図3】第1の実施形態のハンディターミナルの第2の構成体を閉じた状態の第2の構成体側から見た斜視図。
【図4A】第1の実施形態のハンディターミナルの第2の構成体を開いた状態の裏面を示す平面図。
【図4B】第1の実施形態のハンディターミナルの制御システムを示すブロック図。
【図5】第1の実施形態の通信装置の表面側から見た斜視図。
【図6】第1の実施形態の通信装置の裏面の平面図。
【図7】第1の実施形態の通信装置の第1のカバーの表面側から見た斜視図。
【図8】第1の実施形態の通信装置の第1のカバーの裏面の平面図。
【図9】第1の実施形態の通信装置の第2のカバーの裏面側から見た斜視図。
【図10】第1の実施形態の変形例の通信装置の表面側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の実施形態について図1A乃至図9を参照して説明する。
【0012】
図1A及び図1Bは、例えば、レストラン等の飲食店において使用される本実施形態の注文管理システムであるオーダーエントリーシステム1を示す図である。図1Aに示すように、オーダーエントリーシステム1は、店員又は客がオーダーを行う送信端末である複数のハンディターミナル3と、天井などに設置されてハンディターミナル3との無線通信を可能とする無線通信ユニット4と、注文メニュー品目をキッチンの調理人に指示するための調理指示伝票(図示せず)を印字発行するキッチンプリンタ5と、チェックアウトカウンタに設置される会計装置であるPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末6と、システム全体を制御する注文管理制御装置であるコントロールステーション7とを備えている。無線通信ユニット4、キッチンプリンタ5及びPOS端末6は、通信回線8によってコントロールステーション7に接続されている。なお、無線通信ユニット4とキッチンプリンタ5との台数はいずれも任意である。
【0013】
一方、図1Bに示すように、店内のそれぞれの卓100上には、ハンディターミナル3を内蔵した通信装置30が配置されている。通信装置30は、置き台101等の上に着脱可能に取り付けられている。図1Aに示すように、通信装置30はハンディターミナル3を備えるため、無線通信ユニット4と無線通信が可能となっている。このため、客は、通信装置30を用いて自らオーダーを行うことが可能となっている。
【0014】
図2乃至図4Aは、ハンディターミナル3を示す図である。図2に示すように、ハンディターミナル3は、図2で左側に配置される略直方体状の第1の構成体11と、図2で右側に配置される略直方体状の第2の構成体12とを備える。第2の構成体12は、ヒンジ等の止め具18を介して第1の構成体11に回動可能に連結されている。このため、第2の構成体12は、第1の構成体11対して第2の構成体12を閉じた図3に示す状態と、第1の構成体11に対して第2の構成体12を開いた図2に示す状態との間で、第1の構成体11に対して開閉動作する。
【0015】
図2に示すように、第2の構成体を開いた状態で外部に露出される第1の構成体11の露出面(表面)11Aには、メニュー等が表示される表示部15が設けられている。表示部15はタッチパネル形式であり、表示部15をタッチすることにより注文データの入力、データの送信等が可能となっている。また、第2の構成体を開いた状態で外部に露出される第2の構成体12の露出面(表面)12Aには、複数の操作ボタン16Aから構成される操作ボタンユニット16が設けられている。
【0016】
図4Bは、ハンディターミナル3に内蔵されたハンディターミナル3の制御システムを示す図である。図4Bに示すように、操作ボタンユニット16は、ボタン操作検出手段71に接続されている。表示部15は、アプリケーション切替え手段73及び後述する表示部操作検出手段77に接続されている。ボタン操作検出手段71、表示部操作検出手段77及びアプリケーション切替え手段73は、システム全体を制御するコントローラ70に接続されている。ボタン操作検出手段71は、操作ボタンユニット16の操作を検出する。アプリケーション切替え手段73は、店員が個々に携帯してオーダーを行う店員用注文モードと、卓上で客がオーダーを行う客用注文モードとの間でハンディターミナル3のアプリケーションを切り替える。アプリケーション切替え手段73の操作時には、例えば予め設定されたいずれかの切替えボタンを押す等の操作ボタンユニット16の操作を行う。操作ボタンユニット16での入力は、ボタン操作検出手段71で検出され、コントローラ70に送られる。ボタン操作検出手段71からの入力に基づいて、コントローラ70はアプリケーション切替え手段73にアプリケーション切替え命令の制御信号を送る。コントローラ70からのアプリケーション切替えの制御信号に基づいて、アプリケーション切替え手段73はハンディターミナル3のアプリケーションを切り替える。ハンディターミナル3のアプリケーションが切り替わることにより、店員用の表示内容と客用の表示内容との間で表示部15の表示内容が切り替わる。
【0017】
図2に示すように、第1の構成体11の図2で左側の側面11Bには、電源スイッチ21が設けられている。店員用注文モードでは、店員が電源スイッチ21を押すことにより、ハンディターミナル3に電源が入る。一方、客用注文モードでは、電源スイッチ21を押すのではなく、客が表示部15をタッチすることにより、ハンディターミナル3の電源が入る。また、客が使用していない際には、ハンディターミナル3の電源が自動的に切れる。ハンディターミナル3の電源がOFFの際、表示部15は何も表示されていない状態となっている。
【0018】
図2に示すように、第1の構成体11の表示部15が設けられる面(表面)11Aと図2で下側の側面11Cとの境界部には、LED23が設けられている。図4Bに示すように、LED23は、LED点灯手段75に接続されている。LED点灯手段75はコントローラ70に接続されている。客用注文モードでは、例えば無線通信ユニット4(図1A参照)にデータ送信指令を行う表示部15の送信ボタン(図示しない)を客が押していない状態等のエラー状態が、表示部操作検出手段77により検出され、コントローラ70に送られる。コントローラ70は、表示部操作検出手段77からの入力に基づいて、LED点灯命令をLED点灯手段75に送る。これにより、LED23が点灯する。すなわち、LED23がハンディターミナル3のエラー状態を確認する警告手段となっている。一方、店員用注文モードでは、LED23は客用注文モードと同様に用いられてもよく、その他の目的で用いられてもよい。
【0019】
図4Aに示すように、第1の構成体11の裏面、すなわち表示部15が設けられる面11Aと反対側の面11Dには、バッテリー装着部25が設けられている。
【0020】
図5及び図6は、客用注文モードのハンディターミナル3を内蔵した通信装置30を示す図である。図5に示すように、通信装置30は、第2の構成体を開いた状態のハンディターミナル3と、金属等の硬質な部材から形成される第1のカバー(表カバー)31、第2のカバー(裏カバー)32とを備える。第1のカバー31は、ハンディターミナル3の第2の構成体12を開いた状態で露出される表面側からハンディターミナル3に取り付けられる。第2のカバー32は、第2の構成体12を開いた状態で露出される側と反対側の裏面側からハンディターミナル3に取り付けられる。第1のカバー31及び第2のカバー32をハンディターミナル3に取り付けることにより、ハンディターミナル3の表面側が第1のカバー31で覆われ、裏面側が第2のカバー32で覆われる。この際、第1のカバー31及び第2のカバー32によりハンディターミナル3の第2の構成体12の開閉動作が規制され、第2の構成体12が第1の構成体11に対して開いた状態が保持される。
【0021】
図7及び図8は第1のカバー31の構成を示す図である。図7に示すように、第1のカバー31は、第2の構成体12を開いた状態のハンディターミナル3の表面側全体を覆う形状に形成され、正面パネル35と、正面パネル35の周囲の4つの側壁36A〜36Dとを有する。第1のカバー31の正面パネル35には、表示部用窓41と、操作ボタンユニット用窓42とが、正面パネル35を貫通して設けられている。図5に示すように、表示部用窓41は、ハンディターミナル3に第1のカバー31及び第2のカバー32を取り付けた際に、表示部15と対応する位置に配置される。同様に、操作ボタンユニット用窓42は、ハンディターミナル3に第1のカバー31及び第2のカバー32を取り付けた際に、操作ボタンユニット16と対応する位置に配置される。また、表示部用窓41と操作ボタンユニット用窓42との間の仕切り壁と対応する位置に、止め具18が配置される。
【0022】
図7に示すように、第1のカバー31の正面パネル35と図7で下側の側壁36Aとの境界部分には、LED用切欠き部45が設けられている。図5に示すように、LED用切欠き部45は、ハンディターミナル3に第1のカバー31及び第2のカバー32を取り付けた際に、LED23と対応する位置に配置される。LED用切欠き部45を設けることにより、ハンディターミナル3に第1のカバー31及び第2のカバー32を取り付けた際でも、LED用切欠き部45からLED23の点灯を確認可能となっている。
【0023】
図8に示すように、第1のカバー31の正面パネル35の裏面(下面)には、4つのねじ穴46が設けられている。
【0024】
図9は、第2のカバー32の構成を示す図である。図9に示すように、第2のカバー32は、第2の構成体12を開いた状態のハンディターミナル3の裏面側全体を覆う形状に形成され、底面パネル51と、底面パネル51の周囲の4つの側壁52A〜52Dとを有する。第2のカバー32の底面パネル51には、バッテリー交換用窓55が設けられている。図6に示すように、バッテリー交換用窓55は、ハンディターミナル3に第1のカバー31及び第2のカバー32を取り付けた際に、バッテリー装着部25と対応する位置に配置される。
【0025】
図9に示すように、第2のカバー32の底面パネル51には、4つの貫通孔57が設けられている。それぞれの貫通孔57は、第1のカバー31のねじ穴46と対応する位置に配置されている。ハンディターミナル3に第1のカバー31及び第2のカバー32を取り付ける際には、図6に示すように、ハンディターミナル3を第1のカバー31と第2のカバー32との間に配置した状態で、4つのねじ59を第2のカバー32の貫通孔57に挿通し、第1のカバー31のねじ穴46に挿入する。ねじ59の雄ねじ部(図示しない)がねじ穴46と螺合することにより、第1のカバー31と第2のカバー32とが連結される。この際、ハンディターミナル3の全体が第1のカバー31と第2のカバー32とで覆われ、ハンディターミナル3の第2の構成体12の開閉動作が規制される。
【0026】
次に、本実施形態に係る通信装置30の作用について説明する。
【0027】
店員は、ハンディターミナル3を用いてオーダーを行う。この際、ハンディターミナル3のアプリケーションは、店員用注文モードに設定されている。まず店員は、電源スイッチ21を押すことにより、ハンディターミナル3の電源を入れる。そして、ハンディターミナル3に客の注文データを入力し、無線通信ユニット4に送信する。無線通信ユニット4に送信された注文データは、通信回線8を介して、キッチンプリンタ5と、POS端末6とに送られる。
【0028】
また、店内のそれぞれの卓100上には、第2の構成体12が第1の構成体11に対して開いた状態のハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けて形成される通信装置30が、配置されている。この際、ハンディターミナル3のアプリケーションは客用注文モードに設定されている。まず、客は、通信装置30のハンディターミナル3の表示部15をタッチすることにより、ハンディターミナル3の電源を入れる。そして客は、ハンディターミナル3に注文データを入力し、無線通信ユニット4に送信する。無線通信ユニット4に送信された注文データは、店員用通信モードの場合と同様に、通信回線8を介して、キッチンプリンタ5と、POS端末6とに送られる。客が使用していない際には、ハンディターミナル3の電源が自動的に切れる。
【0029】
店員用注文モードと客用注文モードとの間でのハンディターミナル3のアプリケーションの切り替えは、例えば予め設定されたいずれかの切替えボタンを押す等の操作ボタンユニット16を操作することにより、行われる。操作ボタンユニット16での入力は、ボタン操作検出手段71で検出され、コントローラ70に送られる。ボタン操作検出手段71からの入力に基づいて、コントローラ70はアプリケーション切替え手段73にアプリケーション切替え命令を送る。コントローラ70からの命令に基づいて、アプリケーション切替え手段73はハンディターミナル3のアプリケーションを切り替える。ハンディターミナル3のオーダーモードが切り替わることにより、表示部15の表示内容が切り替わる。
【0030】
また、少なくとも客用注文モードでは、例えば無線通信ユニット4にデータ送信指令を行う表示部15の送信ボタンが押されていない等、ハンディターミナル3のエラー状態が、表示部操作検出手段77により検出され、コントローラ70に送られる。コントローラ70は、表示部操作検出手段77からの入力に基づいて、LED点灯命令をLED点灯手段75に送る。これにより、LED23が点灯する。この際、客は、通信装置30の第1のカバー31に設けられるLED用切欠き部45から、LED23の点灯を確認可能となっている。これにより、客は、ハンディターミナル3のエラー状態を確認する。
【0031】
また、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けた状態でハンディターミナル3のバッテリー装着部25のバッテリーを交換する際は、通信装置30の第2のカバー32のバッテリー交換用窓55からバッテリーの交換を行う。
【0032】
そこで上記構成の通信装置30では、以下の効果を奏する。すなわち、通信装置30は、客用注文モードに設定され、第2の構成体12が第1の構成体11に対して開いた状態のハンディターミナル3に、第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けて形成される。これにより通信装置30に店員がオーダーを行うハンディターミナル3と同一の短端末が用いられるため、客が注文するための装置に別途に客用注文端末を製作する必要がなくなる。同時に、客用端末を卓上に設置する際の電源工事、LAN工事の必要がなくなる。これにより、低コストで容易に客がオーダーを行うための通信装置30を導入することができる。
【0033】
また、通信装置30は、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けたものであるため、従来の客用注文端末に比べ小型化、軽量化が実現される。これにより、通信装置30が配置される卓上で、店員が客に料理等を提供するスペースを確保することができる。
【0034】
また、通信装置30の第1のカバー31には、表示部用窓41と、操作ボタンユニット用窓42とが設けられている。表示部用窓41、操作ボタンユニット用窓42は、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けた際に、表示部15、操作ボタンユニット16と対応する位置に配置される。このため、客は通信装置30のハンディターミナル3の表示部15及び操作ボタンユニット16を操作することによって、容易に注文データの入力、データの送信等を行うことができる。
【0035】
また、店員用注文モードと客用注文モードとの間でのハンディターミナル3のアプリケーションの切り替えは、例えば予め設定されたいずれかの切替えボタンを押す等の操作ボタンユニット16を操作することにより、行われる。このため、容易にハンディターミナル3のアプリケーションを切り替えることができる。
【0036】
また、少なくとも客用注文モードでは、例えば無線通信ユニット4にデータ送信指令を行う表示部15の送信ボタンが押されていない等、ハンディターミナル3のエラー状態を警告する際に、LED23が点灯する。通信装置30には、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けた際に、LED23と対応する位置に配置されるLED用切欠き部45が、第1のカバー31に設けられている。このため、客は、LED用切欠き部45からLED23の点灯を確認することができる。これにより、客が容易にハンディターミナル3のエラー状態を確認することができる。
【0037】
また、通信装置30には、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けた際に、バッテリー装着部25と対応する位置に配置されるバッテリー交換用窓55が、第2のカバー32に設けられている。このため、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けた状態でも、ハンディターミナル3のバッテリー装着部25のバッテリーをバッテリー交換用窓55から容易に交換することができる。
【0038】
さらに、客用注文モードでは、表示部15をタッチすることにより、ハンディターミナル3の電源が入る。また、客が使用していない際には、ハンディターミナル3の電源が自動的に切れる。このため、ハンディターミナル3の省エネ化を実現することができる。
【0039】
なお、ハンディターミナル3は、客用注文モードでは表示部15をタッチすることにより電源が入る構成であるが、変形例として電源スイッチ21を押すことにより電源が入る構成でもよい。この場合、図10に示すように、第1のカバー31と第2のカバー32との境界部に電源スイッチ用孔61が設けられる。電源スイッチ用孔61は、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けた際に、電源スイッチ21と対応する位置に配置される。
【0040】
また、表示部15は、薄い透明のフィルム等で覆われていてもよい。これにより、表示部15を直接タッチすることなく注文データの入力、データの送信等が可能であるため、表示部15の汚れを防止することができる。
【0041】
また、上述した実施形態では、LED23は第1の構成体11の表面11Aと図2で下側の側面11Cとの境界部に設けられているが、例えば面11Aと反対側の裏面11Dと側面11Cとの境界部に設けられてもよい。この場合、ハンディターミナル3に第1のカバー31と第2のカバー32とを取り付けた際に、LED用切欠き部45をLED23と対応する位置に配置するために、LED用切欠き部45は第2のカバー32に設けられる。すなわち、LED用切欠き部45は、LED23の位置に対応して、第1のカバー31ではなく、第2のカバー32又は第1のカバー31と第2のカバー32との境界部に設けられることもある。バッテリー交換用窓55、電源スイッチ用孔61についても、LED用切欠き部45と同様である。すなわち、バッテリー交換用窓55は、バッテリー装着部25の位置に対応して、第2のカバー32ではなく、第1のカバー31又は第1のカバー31と第2のカバー32との境界部に設けられることもある。同様に、電源スイッチ用孔61は、電源スイッチ21の位置に対応して、第1のカバー31と第2のカバー32との境界部ではなく、第1のカバー31又は第2のカバー32に設けられることもある。
【0042】
また、上記実施形態では、ハンディターミナル3のエラー状態を確認するための警告手段としてLEDが用いられているが、ブザー等のその他の手段を用いてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、操作ボタンユニット16の操作を行うことによりハンディターミナル3のアプリケーションが切り替えられるが、表示部15の操作を行うことによりアプリケーションが切り替えられる構成であってもよい。この場合、表示部操作検出手段77からの入力に基づいて、コントローラ70はアプリケーション切替え手段73にアプリケーション切替え命令を送る。同様に、無線通信ユニット4にデータ送信指令を行う送信ボタンが表示部15ではなく、操作ボタンユニット16に設けられてもよい。
【0044】
さらに、上記実施形態では、ねじ59の雄ねじ部(図示しない)がねじ穴46と螺合することにより、第1のカバー31と第2のカバー32とが連結されるが、例えば第1のカバー31と第2のカバー32との嵌合部を設ける等して、第1のカバー31と第2のカバー32とを連結してもよい。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
3…ハンディターミナル、 11…第1の構成体、 12…第2の構成体、 15…表示部、 16…操作ボタンユニット、 23…LED、 25…バッテリー装着部、 30…通信装置、 31…第1のカバー、 32…第2のカバー、 41…表示部用窓、 42…操作ボタンユニット用窓、 45…LED用切欠き部、 55…バッテリー交換用窓。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2004−240630号公報
【特許文献2】特開2004−13254号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構成体と、前記第1の構成体に対して回動可能な第2の構成体とを有し、前記第2の構成体は、前記第1の構成体に対して開いた状態と、前記第1の構成体に対して閉じた状態との間で開閉動作する店員又は客がオーダーを行うための通信端末と、
前記第2の構成体を開いた状態で、外側に露出される前記第1の構成体の表面に設けられる表示部と、
前記第2の構成体を開いた状態で、外側に露出される前記第2の構成体の表面に設けられる操作ボタンユニットと、
前記第2の構成体が開いた状態の前記通信端末全体を覆うカバーと、
を備え、
前記カバーは、前記第2の構成体を開いた状態で、前記通信端末の表面側に取り付けられる第1のカバーと、前記第2の構成体を開いた状態で、前記通信端末の裏面側に取り付けられる第2のカバーとを含み、
前記第1のカバーは、前記表示部と対応する位置に配置される表示部用窓と、前記操作ボタンユニットと対応する位置に配置される操作ボタンユニット用窓とを有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信端末は、店員が個々に携帯してオーダーを行う店員用注文モードと、卓上で客がオーダーを行う客用注文モードとの間でアプリケーションを切り替えるアプリケーション切替え手段を有し、
前記アプリケーション切替え手段は、前記操作ボタンユニット又は前記表示部での操作により前記店員用注文モードと前記客用注文モードとの間での前記通信端末の切り替えが行われることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信端末は、店員が個々に携帯してオーダーを行う店員用注文モードと、卓上で客がオーダーを行う客用注文モードとの間でアプリケーションを切り替えるアプリケーション切替え手段と、
少なくとも前記客用注文モードで、前記通信端末のエラー状態を警告する警告手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記警告手段は、前記通信端末のエラー状態を警告する際に点灯するLEDであり、
前記第1のカバー、前記第2のカバー及び前記第1のカバーと前記第2のカバーとの境界部のいずれかには、前記LEDと対応する位置に配置されるLED用切欠き部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信端末は、バッテリー装着部を備え、
前記第1のカバー、前記第2のカバー及び前記第1のカバーと前記第2のカバーとの境界部のいずれかには、前記バッテリー装着部と対応する位置に配置されるバッテリー交換用窓が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信端末は、店員が個々に携帯してオーダーを行う店員用注文モードと、卓上で客がオーダーを行う客用注文モードとの間でアプリケーションを切り替えるアプリケーション切替え手段を有し、
前記客用注文モードの際には、前記表示部をタッチすることにより前記通信端末の電源が入り、客が使用しない状態では自動的に前記通信端末の電源が切れることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−53825(P2011−53825A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200802(P2009−200802)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】