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通信設備情報収集システム及び通信設備情報収集方法
説明

通信設備情報収集システム及び通信設備情報収集方法

【課題】通信設備内の情報収集用の配線を削減し、また、外部へ情報を送信するタグを駆動する電池容量を小さく抑える。
【解決手段】マンホール400には、その壁面、床面、天井などに、複数のセンサ付きタグ100が配置されている。センサ付きタグ100は、取得した情報を、マンホール400内に設置した送受信タグ200へ、水中での伝搬で減衰が少ない低い周波数を用いて送信する。送受信タグ200は、受信したセンサ情報を、別の(空中での伝搬距離が長い)周波数の電波で送信する。測定用車両500に搭載したリーダ300は、送受信タグ200から所定の時間間隔で送信されるセンサ情報を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホール内部でのセンサなどにより得られた情報を外部へ伝える通信設備情報収集システム及び通信設備情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マンホール内に設置された様々な設備の状況を監視する必要性が年々増加する傾向にある。老朽化するマンホールを新たなものへ代えることが困難なためできずに、今後も安全に使い続けるための監視、マンホールに設置される設備や種類の増加に対応する点検などがある。しかし、対象となる設備が道路の下の地中にあるために、金属製マンホール蓋の開閉などの点検付帯作業を伴い、コスト面からも交通状況からも頻繁に点検することが困難である。
【0003】
そこで、金属製のマンホール蓋を開閉することなく、マンホール内設備の状況を監視する装置として、図12に示すように、親機1、特定小電力無線機の監視装置(子機)2、起動センサ及び起動用回路3、及び各種センサ4、5から構成される安価なマンホール内情報収集装置を用いることが考えられている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
当該監視装置では、まず、外部の親機1の電源をONにし(S1)、ハンマにより金蓋を打撃する(S2)。マンホール内の金蓋近傍に配置された起動センサ3がハンマによる打撃を検知し(S3)、無線機である監視装置(子機)2の電源がONとなる(S4)。監視装置2は、移動量センサ4や漏油センサ5などからの検知信号を収集し、センサ情報として無線で外部に送信する(S5)。外部の親機1は、監視装置2からのセンサ情報を受信し(S6)、受信確認を監視装置2に返信する(S7)。監視装置2は、受信確認を受信後、電源をOFFとする(S8)。
【0005】
このマンホール内情報収集装置は、電源のないマンホール内に設置されることから、数年間は電池交換が不要となるため、省電力化が図られている。この省電力化のための「動作時間を極限まで減らすこと」と、監視装置として「必要なときには、いつでも情報収集が可能であること」との互いに相反する要求を実現するために、起動センサによる方式が考えられている。
【0006】
また、他に、図13に示すように、マンホール10内に設置した様々なセンサ、内部搭載温度計12、外部接続の有毒ガスセンサ13、外部接続の歪みセンサ14、外部接続の水位センサ15からの情報を、タグ11により、地上にあるリーダライタ16とパーソナルコンピュータ17へ伝える手法も考えられている。このような構成のワイヤレスIDタグシステムを用いることにより、地下にある設備に関する情報を、地上にいる作業者が現場にて得ることで、地下の環境を監視できる(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
さらに、図14に示すように、ネットワーク設備保守管理システムでは、マンホール60内の狭い場所にあるクロージャに応答器20が設置され(図14の左側)、あるいは電柱40の高い位置には、センサ30に繋がった応答器20が設置されている。これらの応答器20に対応している質問器50を作業員Mが手に持ったり、自動車60に乗車した作業員が所持したりしている。これらの質問器50により、前述した場所に設置される応答器20から情報を得る。このような方法により、電柱40の上やマンホール60内の管理において、高所に作業者Mが登ったり、地中の狭い場所へ入ったりしなくても、ネットワーク設備での要所の情報を、その付近で把握できる。このようなことから、厳しい場所の点検作業を良好にできる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−85925号公報
【特許文献2】特開平8−191257号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】中部電力 技術開発ニュース 2006年5月(120号)、研究成果 マンホール内保守情報収集システムの開発、<http://www.chuden.co.jp/torikumi/study/library/news/pdf/list120/N12025.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した非特許文献1による従来技術では、マンホール毎に作業員がハンマにより金蓋を打撃する必要があり、非常に手間がかかるという問題がある。この手間として想定されることとしては、例えば作業員が路上にあるマンホールがある位置でその作業する間は暫く留まる必要があるため、マンホールの周囲に作業を可能とする状況、即ちコーンなどを配備して作業区画の設定および通行車両の誘導を行う交通整理員の配置、さらに事前の道路使用許可など申請手続きも必要である。
【0011】
これに対して、特許文献1、2による従来技術では、マンホール内に設置された各種センサからの情報を、タグや応答器などから、マンホール外部へ無線送信することで、地上にあるリーダや質問器などで受信することで、非特許文献1にあったような手間が省けるという利点がある。そこで、特許文献1、2による従来技術を発展させて、より詳細な情報を得るために、マンホール内に複数のセンサとタグを設置することが想定される。
【0012】
図15は、マンホール内に複数のセンサとタグを設置し、マンホール内に設置された各種センサからの情報を、タグや応答器などからマンホール外部へ無線送信する情報収集システムの構成を示す概念図である。図15において、歪みセンサ110は、マンホール400の倒壊を検知するために、マンホール400の床面、側面、天井、出入口などに配置されている。タグ210に渡された情報は、無線で地上を走行する測定用車両500に搭載したリーダ300で受信される。
【0013】
しかしながら、図15に示す情報収集システムでは、これらの多数の歪みセンサ110から情報を、一旦、ロガー220で収集して蓄積するために、それぞれに配線が必要になっている。また、ロガー220を動作するために必要な電池230からの給電ケーブルやロガー220からタグ210へ情報を渡す配線も必要である。このように、多数の歪みセンサ110とロガー220との間に多数の配線が必要となり、さらに、給電ケーブルやロガー220からタグ210へ情報を渡す配線も必要となり、これら配線が故障原因になったり、設置作業やメンテナンス作業など、他の作業の邪魔になるという問題がある。
【0014】
また、測定用車両500に搭載したリーダ300が、マンホール400のタグ210から電波を受けるには、短い送信間隔で、タグ210が送信しなければならず、この場合、タグ210の電池寿命を十分に長く保つためには、大きな電力容量の電池230が必要である。
【0015】
図16(a)、(b)は、各々、測定用車両500に搭載したリーダ300がタグ210の電波を受信する場合でのタグ210からの送信電力の状況と、付近の電話BOXや電柱などに設置されたリーダがタグ210の電波を受信する場合でのタグ210からの送信電力の状況とを示す概念図である。
【0016】
図16(a)に示すように、走行中の測定用車両500に搭載したリーダ300がタグ210の電波を受信する場合には、停止しているときとは違い、例えば、1秒間隔など頻繁にタグ210を動作させるために、多くの電力を消費する。また、リーダ300を付近の電話BOXや電柱などに設置し、該リーダがタグ210の電波を受信する場合には、図16(b)に示すように、1回/日or週or月のように送信間隔は長いが、電波の減衰を考慮すると、図16(a)に比べ、1回毎の送信電力が相当に大きい必要がある。いずれの場合も、タグ210から電波を送信するには、供給する電力も大きくなるため、電池230のサイズも大きくする必要があるという問題がある。
【0017】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、通信設備内の情報収集用の配線を削減することができ、また、外部へ情報を送信するタグを駆動する電池容量を小さく抑えることができる通信設備情報収集システム及び通信設備情報収集方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決するために、本発明は、マンホール内に設置され、マンホール内の状況情報を検知する複数のセンサと該複数のセンサが検知した状況情報を、第1の周波数で送信するタグとからなるセンサ付きタグと、前記マンホール内に設置され、前記センサ付きタグから送信される状況情報を受信し、該受信した状況情報を、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で送信する送受信タグと、測定用車両に搭載され、前記送受信タグから送信される状況情報を受信するリーダとを備えることを特徴とする通信設備情報収集システムである。
【0019】
本発明は、上記の発明において、前記第1の周波数は、水中での伝搬減衰が小さい周波数であり、前記第2の周波数は、前記第1の周波数に比べて、空中での伝搬距離が長い周波数である、ことを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記の発明において、前記送受信タグは、前記マンホールの外の地中に埋め込むように設置されている、ことを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記の発明において、前記リーダは、前記測定用車両の前後に複数設けられている、ことを特徴とする。
【0022】
本発明は、上記の発明において、前記リーダは、前記測定用車両の前後に設けられた指向性を有する複数のアンテナを有する、ことを特徴とする。
【0023】
本発明は、上記の発明において、前記複数のセンサは、マンホール内の配置場所に応じてグループ化され、前記タグは、前記グループ毎に複数設置され、前記グループ内の複数のセンサからの情報を有線で収集し、該収集した状況情報を、第1の周波数で送信する、ことを特徴とする。
【0024】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、マンホール内に設置され、マンホール内の状況情報を検知する複数のセンサと、前記マンホール内に設置され、前記複数のセンサが検知した状況情報を収集して一時記憶するロガーと、前記マンホール内に設置され、前記ロガーに一時記憶された状況情報を送信するタグと、前記マンホール外の近傍にある通信設備に設置され、前記タグが送信する状況情報を受信するリーダと、前記マンホール外に設置され、前記リーダが受信した状況情報を通信設備に敷設されている通信線を介して収集して蓄積するサーバ装置とを備えることを特徴とする通信設備情報収集システムである。
【0025】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、マンホール内に設置され、マンホール内の状況情報を検知する複数のセンサと、前記マンホール内に設置され、前記複数のセンサが検知した状況情報を収集して無線により送信するタグと、前記マンホール内に設置されたクロージャに内蔵され、前記タグが無線により送信する状況情報を受信するリーダと、前記マンホール内に敷設されている通信線を介して、前記マンホール外の近傍にある通信設備に設置され、前記タグが送信する状況情報を受信するリーダと、前記マンホール外に設置され、前記リーダが受信した状況情報を通信設備に敷設されている通信線を介して収集して蓄積するサーバ装置とを備えることを特徴とする通信設備情報収集システムである。
【0026】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、マンホール内に設置された複数のセンサが検知した状況情報を、センサ毎に設けられたタグにより第1の周波数で送信するステップと、前記マンホール内に設置された送受信タグにより、前記タグから前記第1の周波数で送信される状況情報を受信し、該受信した状況情報を、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で送信するステップと、測定用車両に搭載されたリーダにより、前記送受信タグから前記第2の周波数で送信される状況情報を受信するステップとを含むことを特徴とする通信設備情報収集方法である。
【0027】
本発明は、上記の発明において、前記第1の周波数は、水中での伝搬減衰が小さい周波数であり、前記第2の周波数は、前記第1の周波数に比べて、空中での伝搬距離が長い周波数である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、通信設備内の情報収集用の配線を削減することができ、外部へ情報を送信するタグを駆動する電池容量を小さく抑えることができる。これらの効果に加えて、マンホールのある路上での作業という手間を省くことも実現している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態による情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本第1実施形態による、センサ付きタグ100、送受信タグ200、リーダ300間の信号送信を示す概念図である。
【図3】本第1実施形態の第1の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本第1実施形態の第1の変形例による、センサ付きタグ100、送受信タグ200、リーダ300間の信号送信を示す概念図である。
【図5】本第1実施形態の第2の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本第1実施形態の第3の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本第1実施形態の第2の変形例、第3の変形例による、センサ付きタグ100、送受信タグ200、リーダ300間の信号送信を示す概念図である。
【図8】本第1実施形態の第4の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態による情報収集システムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3実施形態による情報収集システムの構成を示すブロック図、及びその効果を説明するための概念図である。
【図11】本第3実施形態において、複数のマンホールに適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図12】従来技術によるマンホール内設備監視方法を説明するための概念図である。
【図13】従来技術による他のマンホール内設備監視方法を説明するための概念図である。
【図14】従来技術による他のマンホール内設備監視システムを説明するための概念図である。
【図15】従来技術による情報収集システムの構成を示す概念図である。
【図16】リーダの設置場所の違いによる送信電力の違いを説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態による情報収集システムの構成を示すブロック図である。自動車が走行する道路(走行車線)の下側、地中に情報を収集する対象となるマンホール400がある。図1に示す例では、マンホール400は、出入口が円筒で、内部は直方体(車線に平行となる方向が直方体の長手方向)となっている。
【0031】
マンホール400内には、センサと無線タグが組み合わされた装置100(以下、センサ付きタグ100と呼ぶ)が多数配置されている。図示の例では、マンホール400には、マンホール400の壁面、床面、天井などにセンサ付きタグ100を配置している。センサ付きタグ100は、例えば、マンホール400の壁面における歪み(傾斜)、温度、圧力(水圧)などの状態を検知する。
【0032】
センサ付きタグ100は、各々、検知したセンサ情報を、マンホール400内に設置した送受信機能を有するタグ200(以下、送受信タグ200と呼ぶ)に送信する。さらに、送受信タグ200は、電波により、地上の道路を走行する測定用車両500に搭載されたリーダ300にそれらのセンサ情報を送信する。
【0033】
送受信タグ200は、マンホール400内に設置した複数のセンサ付きタグ100との間で、水中で減衰しにくい低い周波数(131KHz)の無線信号で通信することで、センサ情報を収集する。さらに、送受信タグ200は、地上へは、別の周波数(426MHzまたは429MHz)で収集したセンサ情報を送信する。ここで、131KHzの無線は、RFID(無線タグ)の規格であるIEEE1902.1−2009(参考文献1:RFID新規格IEEE1902.1−2009準拠 RUBEE 水,土,金属の壁を越えるセンサネットワークを具現化、<http://www.epson.jp/device/application/rubee-090901.pdf>、参考文献2:セイコーエプソン>カタログモール>RFID新規格 IEEE1902.1準拠 センサネットワーク、<http://www.ipros.jp/ipros/contents/catalogDetail.do?prFileId=25367>)に準拠するものである。他方、426MHzまたは429MHzの無線は、日本国内で特定小電力無線と呼ばれ、データ送信を行うことができるものである。
【0034】
マンホール400内で用いる、131KHzの無線は、水中で減衰するが、5m程度の距離であれば到達できるとされており、マンホール400内の送受信タグ200まで十分にセンサ情報を送信することが可能である。因みに、マンホール400の通常サイズについては長手方向で3〜5mであり、特別サイズのものでも送受信タグ200を設置する位置を工夫する(マンホール400の中央の位置に送受信タグ200を配置する)ことでセンサ付きタグ100からの無線が到達可能である。また、マンホール400から地上間の通信としては、例えば、1mW426MHzの特定小電力無線が考えられる。該426MHzの無線では、マンホール内から電波を送信しても地上で半径7〜8m程の円内の範囲で受信可能である。
【0035】
これにより、複数のセンサ付きタグ100と送受信タグ200との間を接続する配線無しに、センサ情報を収集し、マンホール400の外部へ伝えることができる。
【0036】
センサ付きタグ100は、センサ100−1、制御部100−2、送信部100−3、及び電源部100−4から構成されている。センサ100−1は、マンホール400の各部から必要な情報を取得する。必要な情報としては、例えば、温度、湿度、浸水の有無、圧力、歪み、加速度、傾斜度などが考えられる。制御部100−2は、センサ付きタグ100の動作を制御する。具体的には、センサ100−1により得た情報にタグのID(識別情報)を付加して送信部100−3へと送り、無線信号の送信を指示する。送信部100−3は、制御部100−2からの情報と指示を受けて無線信号を送信する。電源部100−4は、上述したセンサ100−1や、制御部100−2、及び送信部100−3を駆動させる電力を供給する。
【0037】
送受信タグ200は、受信部200−1、制御部200−2、送信部200−3、及び電源部200−4から構成されている。受信部200−1は、上記センサ付きタグ100から送信される無線信号を受信し、制御部200−2へ渡す。制御部200−2は、受信部200−1から渡された情報を蓄積し、これらの情報を評価判断し、その結果と送信指示を送信部200−3に供給する。送信部200−3は、上記制御部200−2からの指示により、情報の評価判断の結果を無線信号で送信する。電源部200−4は、上述した受信部200−1、制御部200−2、送信部200−3に電力を供給して動作させる。
【0038】
図2は、本第1実施形態による、センサ付きタグ100、送受信タグ200、リーダ300間の信号送信を示す概念図である。マンホール400内には、複数のセンサ付きタグ100が設置されている。また、同じマンホール400内に送受信タグ200が設置されている。これら複数のセンサ付きタグ100と送受信タグ200間の通信は、131KHzの無線を用いる。また、送受信タグ200とリーダ300間の通信には、10mW429MHz、または1mW426MHzの特定小電力無線が用いられている。
【0039】
ここで、個々のセンサ付きタグ100の無線送信に注目すると、一度、送信した後、ある一定時間ts経過後に、次の送信を行うことを繰り返す。該時間tsには、揺らぎtrが含まれる。従って、送受信タグ200の受信は、あるセンサ付きタグ100からの無線送信を受信すると、次の受信タイミングは、ts−tr/2〜ts+tr/2と想定される。この点を考慮したタイミングで、送受信タグ200は、受信機能を動作させることで、不要に常時受信を動作させる必要がなくなり、適切に受信することができる。
【0040】
仮に、あるタイミングで受信に失敗した場合には、次の受信タイミングを、ts−tr〜ts+trとして受信時間を長くする。さらに、二度以上続けて、センサ付きタグ100からの受信に失敗した場合には、ts−3*tr/2〜ts+3*tr/2を受信する時間として、その後は、受信されるまで何度も同じ受信する時間(ts−3*tr/2〜ts+3*tr/2)の設定を繰り返す。センサ付きタグ100は、送信タイミング揺らぎがあるので、その内に送受信タグ200が受信できる。
【0041】
ここで、例えば、センサ付きタグ100の送信間隔ts=600sec(10分間隔)、及び揺らぎtr=6secと仮定する。上述した送受信タグ200が、次に受信するタイミング「ts−tr/2〜ts+tr/2」は、597〜603[sec]後となる。もし、送受信タグ200が一度受信に失敗した場合、次の受信タイミング「ts−tr〜ts+tr」は、594〜606[sec]後である。さらに、二度以上受信できなかった場合、それ以降から受信タイミング「ts−3*tr/2〜ts+3*tr/2」は、591〜609[sec]後で、繰り返し受信するようにする。
【0042】
なお、送受信タグ200が一度、あるいは何度か受信が失敗すると、上述したように、受信タイミングをts−tr/2〜ts+tr/2からts−tr〜ts+tr、そしてts−3*tr/2〜ts+3*tr/2へと順に変えていくが、その後に受信できると、送受信タグ200の受信タイミングを、ts−tr/2〜ts+tr/2へ戻す。
【0043】
また、センサ付きタグ100の一度の送信時間が200msecとし、このようなセンサ付きタグ100が60個、マンホール400に設置されているとする。統計的に考察すると、センサ付きタグ100の平均的な送信間隔ts=600sec、一回の送信時間が200msecであることから、最大3000個(=600×1000[msec]/200[msec])をリーダ300で読み取ることが可能である。
【0044】
一方で、リーダ300の受信動作は、1つのセンサ付きタグ100に対して、200msecであるが、次の受信タイミングには、センサ付きタグ100が送信する間隔の揺らぎtr=6secを考慮する必要がある。従って、1つのセンサ付きタグ100に対して受信動作を継続する時間は、平均的に3sec=6sec/2となる。
【0045】
なお、リーダ300の受信動作が必要な時間は、0.3=(6[sec]/2÷600[sec])×60[個]となり、平均的に10分の3の受信動作で済む。さらに、仮に、マンホール400にセンサ付きタグ100が10個で済ませられるならば、リーダ300の受信動作時間を、0.05=(6[sec]/2÷600[sec])×10[個]、すなわち20分の1に抑えることもできる。
【0046】
また、送信するときの情報については、最も近いタイミングで収集した情報を反映させるようにする。つまり、マンホール400に設置されたセンサ付きタグ100の数分の最新情報が反映された結果を用いるようにする。このために、あるセンサ付きタグ100に対して新たな情報を受けた場合には、このセンサ付きタグ100の情報を更新すればよい。
【0047】
図3は、本第1実施形態の第1の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。図3と図1に示す構成は、殆ど同じであるが、図1に示す本第1実施形態の第1の変形例では、マンホール400外に送受信タグ200を設置する。マンホール400内には、複数のセンサ付きタグ100が配置されており、それぞれのセンサ情報は、マンホール400外に設置した送受信タグ200へ送信される。
【0048】
送受信タグ200は、電波により地上の道路を走行する測定用車両500に搭載されたリーダ300へそれらのセンサ情報を送信する。送受信タグ200は、マンホール400内に設置した複数のセンサ付きタグ100からの複数のセンサ情報を水中で減衰しにくい低い周波数(131KHz)の無線信号で収集し、さらに、地上へは、別の周波数(426MHz、または429MHz)で送信する。
【0049】
このような構成、及び動作において、地表面の穴(マンホール400外)に送受信タグ200を埋めて、空中の送信距離(送受信タグ200からリーダ300までの距離)を伸張することで、送受信タグ200が、ある送信信号とその次の送信信号とを送信する送信間隔を広げられる。マンホール400内に送受信タグ200を設置した場合よりも、道路のアスファルトや土を掘り、地表近く、地中で別の場所に埋め込むように設置した場合には、送受信タグ200の地上(空中)での送信距離が伸びる。例えば、送受信タグ200の無線信号が1mW426MHzとするならば、一般的に、地表に置かれた場合には、空中を数百mの送信距離があるので、地面の浅い場所に埋められた場合でも、50m程度の送信距離が確保できる。
【0050】
図4は、本第1実施形態の第1の変形例による、センサ付きタグ100、送受信タグ200、リーダ300間の信号送信を示す概念図である。図4を参照して、送受信タグ200をマンホール400外に設置した場合の効果について説明する。図4においても、図2に示すセンサ付きタグ100、送受信タグ200、リーダ300間の信号送信とほぼ同じである。
【0051】
マンホール400内には、複数のセンサ付きタグ100が設置され、マンホール400外に送受信タグ200が設置される。これらセンサ付きタグ100と送受信タグ200間の通信には、131KHz、送受信タグ200とリーダ300間の通信には、10mW429MHz、または1mW426MHzの特定小電力無線が用いられる。図4が図2と異なる点は、送受信タグ200を設置する場所がマンホール400外であり、この結果として、送受信タグ200からリーダ300までの送信距離が長くできることである。
【0052】
図4においては、長くなった送信距離の分、送受信タグ200から送信された信号を受信できる範囲が広がり、リーダ300で受信できる時間幅が同じでも、走行する測定用車両500に搭載されたリーダ300によるその送受信タグ200からの送信信号の受信に関してタイミング的に広がったような状況が生まれる。このため、図2に比べると、図4では、送受信タグ200からの送信間隔を数倍に広げられる(図4では、送受信タグ200の送信が実線のハッチングで示されている箇所のみとなり、破線斜めハッチングで示す箇所では送信しない)。
【0053】
例えば、送受信タグ200から送信する電波が1mW426MHzならば、送信距離が十数mから百数十mと長くなっているので、送受信タグ200の送信間隔(図2で1秒間間隔、この間隔でリーダ300を搭載した測定用車両500の走行距離は16.6m)を、少なくとも数倍(図4で3秒間間隔、測定用車両500の走行距離は50m)にすることができる。
【0054】
図5は、本第1実施形態の第2の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。図5と図3に示す構成は、殆ど同じであるが、図5に示す本第1実施形態の第2の変形例では、測定用車両500の前後に指向性アンテナを持つリーダ300a、300bを設置している。マンホール400内には、複数のセンサ付きタグ100が配置されており、それぞれのセンサ情報は、マンホール400外に設置した送受信タグ200へ送信される。
【0055】
送受信タグ200は、電波により、地上の道路を走行する測定用車両500に搭載されたリーダ300a、300bへそれらのセンサ情報を送信する。送受信タグ200は、マンホール400内に設置した複数のセンサ付きタグ100からの複数のセンサ情報を水中で減衰しにくい低い周波数(131KHz)の無線信号で収集し、さらに、地上へは、別の周波数(426MHz、または429MHz)で送信する。
【0056】
図5において、図3と異なる点としては、測定用車両500の前後に2台リーダ300a、300bを配置し、測定用車両500の前側に設置したリーダ300aには、前方方向に指向性を持つアンテナを付け、測定用車両500の後側に設置したリーダ300bには、後方に指向性があるアンテナを取り付けている。特定の指向性を持つアンテナは、一般的に、オムニアンテナ(全方向に同じ受信レベルを持つアンテナ)に比べて、その方向には、より低いレベルまで受信できるので、その方向からの電波の受信距離を数倍程度伸ばすことができる。
【0057】
図5に示すように、測定用車両500の前側に設置したリーダ300aにより、測定用車両500の前方の受信範囲を広げ、後側のリーダ300bにより、測定用車両500の後方の受信範囲を広げられる。従って、これら2台のリーダ300a、300bにより、測定用車両500の走行方向に対し、広い受信範囲を確保することができる。図5に示す場合で、測定用車両500が走行する方向の受信範囲は、図3に示す場合(数十m)に比べて数倍になるので、百数十mとなる。
【0058】
図6は、本第1実施形態の第3の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。図6と図5に示す構成は、殆ど同じであるが、図6に示す本第1実施形態の第3の変形例では、測定用車両500に1つのリーダ300を設置し、測定用車両500の前後に指向性のある受信アンテナA1、A2を設置している。マンホール400内には、複数のセンサ付きタグ100が配置されており、それぞれのセンサ情報は、マンホール400外に設置した送受信タグ200へ送信される。
【0059】
送受信タグ200は、電波により、地上の道路を走行する測定用車両500に搭載されたリーダ300へそれらのセンサ情報を送信する。送受信タグ200は、マンホール400内に設置した複数のセンサ付きタグ100からの複数のセンサ情報を水中で減衰しにくい低い周波数(131KHz)の無線信号で収集し、さらに、地上へは、別の周波数(426MHz、または429MHz)で送信する。
【0060】
図6において、図5との違いは、測定用車両500に搭載されたリーダ300が1台で済むことである。測定用車両500の前後に搭載した2本の指向性アンテナA1、A2の信号を1台のリーダ300に伝達する。リーダ300は、2本の指向性アンテナA1、A2からの受信信号を合成したり、あるいは、より高いレベルの受信信号を選択したりするダイバーシチ受信を行う。このようにしたことにより、図6の場合には、リーダ300が1台であるが、図5と同様に十分に広い受信範囲を確保することができる。例えば、送受信タグ200が送信する無線信号が、1mW426MHzの場合には、走行方向に対して百数十mとなる。
【0061】
図7は、本第1実施形態の第2の変形例、第3の変形例による、センサ付きタグ100、送受信タグ200、リーダ300間の信号送信を示す概念図である。図7を参照して、上述した本第1実施形態の第2の変形例、第3の変形例による、車両に2台のリーダ300a、300b、またはアンテナA1、A2を搭載した効果について説明する。図7においても、図4を参照して説明した「送受信タグをマンホール外に設置した効果」とほぼ同じである。
【0062】
マンホール400内には、複数のセンサ付きタグ100が設置され、マンホール400外に送受信タグ200が設置される。これらセンサ付きタグ100と送受信タグ200間の通信には、131KHz、送受信タグ200とリーダ300間の通信には、10mW429MHz、または1mW426MHzの特定小電力無線が用いられる。
【0063】
図7が図4と違うのは、測定用車両500に搭載されているリーダ300が図5で示したように、2台(300a、300b)であるか、あるいはリーダ300に接続されるアンテナが図6で示したように、2本(A1、A2)であるかによる。このために、図7では、測定用車両500に搭載されたリーダ300が、前側の受信(リーダ300a/アンテナA1)と後側の受信(リーダ300b/アンテナA2)となり、送受信タグ200からの送信信号をそれらの両方、もしくは片方で受信することできる。
【0064】
このような構成にしたため、図7では、図4に比べて、さらに、送受信タグ200からの送信間隔を広くできる(図7では、送受信タグ200の送信が実線のハッチングで示されている箇所のみとなり、図4に示す送信の数よりも削減することができる。破線斜めハッチングで示す箇所では送信しない)。
【0065】
例えば、送受信タグ200から送信する電波が1mW426MHzならば、送信距離が百数十mからさらに数百mと長くなっているので、送受信タグ200の送信間隔(図4で3秒間間隔とした場合、そのときの測定用車両500の走行距離は50mになる)を、少なくとも数倍(図7で12秒間間隔、測定用車両500の走行距離は200m)にすることができる。
【0066】
図8は、本第1実施形態の第4の変形例による情報収集システムの構成を示すブロック図である。本第1実施形態の第4の変形例では、マンホール400内に設置された複数のセンサ110をその配置場所に応じてグループ化し、グループ毎に設置されたタグ100で、センサ110からの情報を有線で収集する。
【0067】
前述した従来技術において、図15に示すように、複数のセンサ110を全て有線で接続している場合、この配線がマンホール400内での作業などにおいて邪魔になる。一方、これまで述べた本第1実施形態による情報収集では(図1、図3、図5、図6)、マンホール400内に設置された複数のセンサ付きタグ100からの情報が無線によって一旦、送受信タグ200に収集される。ここで、複数のセンサ付きタグ100が電波で情報を送信すると、複数の電波が衝突する可能性がある。このため、受信する側(通常は、リーダ300であるが、ここまでの例では、送受信タグ200)においては、その電波の衝突により、複数のセンサ付きタグ100からの送信情報を受信できなくなる。
【0068】
そこで、図8に示すように、複数のセンサ110を幾つかのグループに分け、グループ毎に設置されたタグ100により有線で情報を収集した後に、その情報をリーダ300に電波で送信する。このように、複数のセンサ110からの情報をグループ毎に有線で収集することで、上述したような電波の衝突をなるべく回避して、送受信タグ200に受信される確率を高くすることができる。
【0069】
また、マンホール400内の作業において、複数のセンサ110からの情報を収集する配線が邪魔にならないよう、例えば、図8に示すようなセンサ110のグループ分け、つまり、マンホール400の左側の側壁に取り付けた複数のセンサ110、右側の側壁に付いた複数のセンサ110、それ以外の場所に付いた幾つかのセンサ110というように、3つのグループに分ける。各グループは、左右側面とそれ以外の場所とにまとめているため、情報収集用の配線も大きな邪魔にならずに済む。このグループのまとめ方や、幾つのグループに分けるかは、どの程度、センサ情報を収集するための無線信号による衝突を避けるか、また、センサ情報を収集するための配線が、作業に対して、どの程度、邪魔にならないようにするかに応じて、様々な形態に変更可能である。
【0070】
上述した第1実施形態によれば、センサ付きタグ100により取得した情報を、マンホール400内に設置した送受信タグ200へ、水中での伝搬で減衰が少ない低い周波数を用いて送信し、送受信タグ200で受信されたセンサ情報を、別の(空中での伝搬距離が長い)周波数の電波で送信し、測定用車両500に搭載したリーダ300により受信するようにしたので、マンホール400内の情報収集用の配線を無くすことができる。
【0071】
また、センサ付きタグ100とは別に設ける送受信タグ200をマンホール400外の別の地上付近に埋設したり、測定用車両500の前後にリーダ300、またはアンテナA1、A2を搭載したりすることにより、地上において受信範囲を拡張し、走行する測定用車両500での受信可能な距離を広げることができ、この結果、送受信タグ200の送信間隔を広げて、駆動電力を節約でき、電池寿命を延ばすことができる。
【0072】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態による情報収集システムの構成を示すブロック図である。図9において、マンホール400内には、複数のセンサ(歪センサなど)110が設置されており、複数のセンサ(歪センサなど)110は、検知した情報を収集し、一旦、蓄積するためのロガー220に有線で接続されている。ロガー220は、電池230からの電力により動作し、複数のセンサ(歪センサなど)110からの情報を収集し、一旦、蓄積する。該ロガー220には、タグ210が接続されている。該タグ210は、ロガー220に一旦蓄積された情報を無線により送信する。
【0073】
公衆電話BOX510には、リーダ300が設置されており、上記タグ210から送信される情報を受信する。該リーダ300は、電柱520などに張り巡らされている通信線420を介して、局舎700に設置されているサーバ600に接続されている。サーバ600は、リーダ300により受信した情報をデータベース(DB)化して定期的に更新・蓄積する。
【0074】
なお、公衆電話BOX510にリーダ300を設置する代わりに、MDA BOXにリーダ300を設置することも考えられる。該MDA BOXは、最大需要電流計(Maximum Demand Ammeter)を収納している箱である。
【0075】
公衆電話BOX510に設置されたリーダ300を駆動する電源を確保するために、公衆電話BOX510の屋根に太陽電池515を設置することが考えられる。このように公衆電話BOX510に設置されたリーダ300は、1日(昼間)に1度動作すれば十分であり、1週間に1度の動作で良い場合もある。従って、太陽電池515により供給される電力でリーダ300が駆動すれば良いことになる。
【0076】
前述した従来技術で説明したように、図16(a)には、測定用車両500に搭載したリーダ300によるタグ210の電波を受信する場合の送信電力が示されており、図16(b)には、公衆電話BOX510、または電柱520に設置したリーダ300によりタグ210の電波を受信する場合の送信電力が示されている。
【0077】
図16(a)では、リーダ300を搭載した測定車が走行してマンホール400を通過する僅かな間に、タグ210の電波が送信されていなければならない。そのため、タグ210が短時間に繰り返し送信する。例えば、1秒間隔(走行車両−測定用車両500の時速が60km/hと仮定すれば、秒速は16.6m/sであり、その分の距離を地上でタグ210から送信する電波が到達すれば良い)でタグ210の送信を行う必要がある。
【0078】
他方で、図16(b)の公衆電話BOX510、または電柱520にリーダ300を設置した場合には、タグ210の電波が届く範囲内にリーダ300が固定して設置されているため、測定車が走行した場合のように、短時間でタグ210が繰り返し送信する必要は全くない。例えば、1日に1度の送信とか、1週間に1度とか、1か月に1回の送信でも確実に公衆電話BOX510、または電柱520に設置したリーダ300で受信することができる。
【0079】
これら1日よりも長い期間に1回というような受信動作を行うならば、上述したように、リーダ300の動作電源としては、太陽電池515などのようなものが活用できる。仮に、ある日の天候が悪く、太陽電池515で受信動作できなくとも、後で述べるように、マンホール400の情報を確認する際には、別途蓄積された情報を見ればよいので、次のタイミングで(別の天気の良い日に)、受信の動作ができればよい。
【0080】
このように、定期的に受信された情報は、通信ケーブルを介して局舎700へ送られる。もし、必要なマンホール400の情報を確認したい場合には、局舎700に設置したサーバ600のデータベース(DB)に定期的に情報が更新・蓄積されているので、該DBへアクセスして調べることで済ませられる。
【0081】
また、マンホール400内に設置されたタグ210側の動作としても、1日よりも長い期間に1回送信の動作をすればよく、その間は、最低限の時計機能(タイマー)のみ動作させる。このタイマーに必要な電力(電流で数μA)は、送信機能(数百mA)と比べる無視できるほど僅かなものである。この結果、タグ210を駆動させるため電力、すなわち、電池230の容量を、(主に送信機能の動作時間の削減比から)1万分の1から100万分の1以下にできる。ここで、当然ながらリーダ300を固定して設置する公衆電話BOX510までタグ210の電波が届く必要がある。例えば、そのためタグ210の送信出力としては、これまでに説明している1mW426MHzであれば、マンホール400内から地上で7〜8mの距離まで電波が到達し、この範囲に公衆電話BOX510などにリーダ300を設置できれば良いことになる。一般に道路の車線は4〜5mなので、道路の中央からでも歩道に存在する公衆電話BOX510にその7〜8mの距離で到達できる。一方で、この1mW426MHzの電波を送信するタグ210では、仮に1日間隔で1回の送信を行うとしても、小型の乾電池を用いても数年間(5年を容易に超える年限)は駆動させることが可能である。
【0082】
上述した第2実施形態によれば、マンホール400内の情報を検知するセンサ110と、該センサ110により検知された情報を、マンホール400内のロガー220に一旦蓄積し、マンホール400の近くに存在する公衆電話BOX510や電柱520に設置したリーダ300により受信し、局舎700に設置したサーバ600に蓄積し、センサ情報を利用者が確認する場合には、サーバ600に蓄積された情報にアクセスするようにしたので、タグ210が消費する電力容量を抑えることができ、小さな電池で駆動して長寿命を保つことができる。また、マンホール400の鉄製の蓋を開けたり、道路の交通規制を設けたりする必要がなくなり、マンホール400の点検検査がより簡便な作業にできる。
【0083】
C.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図10(a)は、本発明の第3実施形態による情報収集システムの構成を示すブロック図であり、図10(b)、(c)は、その効果を説明するための概念図である。本第3実施形態では、マンホール400内に設置されたクロージャ410にリーダ300を内蔵することを特徴としている。図10(a)に示すように、マンホール400内には、複数のセンサ(歪センサ)110が設置されており、これら複数のセンサ110からの情報を、同じくマンホール400内に設置されているタグ210により収集する。タグ210は、収集したセンサ情報を、クロージャ410に内蔵されたリーダ300に送信する。該リーダ300は、クロージャ410に引き込まれている通信線(電話線、あるいは光ファイバ)420と接続されており、図示しない通信局舎700にセンサ情報を伝送する。
【0084】
ここで、上述したタグ210は、電池を内蔵しており、該電池の電力で動作するアクティブ型タグでもよいし、あるいは、電池を搭載せずに、リーダ300からの電力供給を受けて動作するパッシブ型タグでもよい。パッシブ型タグの場合には、クロージャ410に近接した位置にタグ210が設置されていれば、クロージャ410の容器の厚み分だけの情報信号が減衰する程度に抑制でき、リーダ300により情報信号を取得することができる。他方、アクティブ型タグを用いた場合には、タグ210は、クロージャ410から離れて設置されていても、マンホール400内の何処の位置でもよく、クロージャ410内部に設置されたリーダ300は、タグ210の情報を取得することができる。
【0085】
なお、タグ210やリーダ300の代わりに、無線発信器、及びROF(Radio on Fiber:光無線、マイクロ波フォトニクス)を用いることもできる。
【0086】
図10(b)に示すグラフは、通信設備用のマンホール400内にクロージャ410があり、該クロージャ410にリーダ300を内蔵したときの各場所での電波強度について表している。図10(b)に示すグラフの横軸は、タグ210からの距離(場所)を示しており、タグ210からリーダ300までが示されている。また、縦軸は、タグ210から送信される、その場所毎の電波強度である。タグ210から送信された電波は、マンホール400に溜まった水中を、その電波強度を減衰させながら、クロージャ410まで通過する。続いて、クロージャ410内は、空気に満たされているので、水中よりも減衰の仕方は弱いが、若干、電波強度を減衰させながら、クロージャ410内のリーダ300まで電波が届く。
【0087】
他方、図10(c)に示すグラフは、マンホール400内にタグ210があり、地上にリーダ300がある状況において、そのマンホール400に設置されたタグ210からの電波強度がリーダ300に到達するまでどのように減衰しているかを示している。図10(c)に示すグラフにおいても、横軸は、タグ210からの距離(場所)を示しており、タグ210からリーダ300までが示されている。また、縦軸は、タグ210から送信される、その場所毎の電波強度である。
【0088】
この場合も、タグ210から送信された電波は、マンホール400に溜まった水中を、その電波強度を減衰させながら通過する。続いて、マンホール400の天井、もしくは壁に到達した電波は、地上面まで地中を通過することになる。地中は、水中よりも電波強度の減衰が大きくないが、空中よりも減衰が大きくなっている。
【0089】
地上に到達した電波は、さらに、リーダ300まで空中を通過する。このように、タグ210から送信された電波は、マンホール400内では水中を、マンホール400の天井、もしくは壁から地表までは地中を、そして、地表からリーダ300までは空中を通過する。それぞれに、水中、地中、空中を電波が通過する際に、それぞれの電波強度の減衰が生じる。
【0090】
ここで、図10(b)に示す、クロージャ410にリーダ300を内蔵した場合と、図10(c)に示す、地上にリーダ300がある場合とを比較すると、図10(b)に示すように、クロージャ410にリーダ300を内蔵した方が、電波減衰が少なく済んでいる。
【0091】
図11は、本第3実施形態において、複数のマンホールに適用した場合の構成を示すブロック図である。図11において、複数のセンサ110とマンホール400内にあるクロージャ410に内蔵されたロガー220とを有線で接続し、ロガー220から局舎700へは通信ケーブルを利用し、複数のセンサ110で取得した情報は、ロガー220に一旦蓄積され、局舎700に設置されたサーバ600に伝送される。
【0092】
図11に示すように、複数のマンホール(M1)400−1、…、(Mn−1)400−(n−1)、(Mn)400−nがあり、これら複数マンホール400−1〜400−nの各々に設置されたセンサ110、110、…からの情報を、マンホール(Mn)400−nのクロージャ410内に設置されたロガー220で一旦蓄積する。その後、ロガー220から局舎700に設置されているサーバ600へ集約した情報を送信して蓄積する。このように、クロージャ410から局舎700へ送信する際に、数箇所のマンホール400からの情報を一度集約してから局舎700へ送るようにすると、局舎700への送信頻度を抑制することができる。
【0093】
上述した第3実施形態によれば、マンホール400内に設置されるセンサ110により検知された情報を有線でタグ210に送信し、該タグ210から無線で送信した情報を、クロージャ410に内蔵したリーダ300で受信し、リーダ300により受信された情報を、クロージャ410内を通過する通信線420により局舎700まで伝送するようにしたので、電波減衰を少なくすることができ、送信電力の低減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
マンホール内での作業が必要とされている保守点検や検査作業などに対して、地上においてマンホール外から容易に対象とする情報を得られるようになる。さらに、走行する測定用車両500からもマンホール内の情報を得られ、営業活動など別の業務で外回りをする際に、マンホール400の点検情報を取得することも可能になる。
【0095】
あるいは、マンホール内の情報を、無線により近くの電話BOX510、電柱520やマンホール内のクロージャ410で受信し、その受信した情報を局舎700内にあるサーバ600へ蓄積されるので、このサーバ600にアクセスすれば、マンホール内の状況を常時確認できる。これらいずれかの方法を用いることにより、定期的な点検の頻度を大幅に増加させることができ、マンホール内にある保守対象に対して経過観察を必要とするような点検項目についても、よりきめ細かな確認把握が可能になる。
【符号の説明】
【0096】
100 センサ付きタグ
110 センサ、歪センサ
200 送受信タグ
210 タグ
220 ロガー
230 電池
300、300a、300b リーダ
400 マンホール
410 クロージャ
420 通信線
500 測定用車両
510 公衆電話BOX
515 太陽電池
520 電柱
600 サーバ
700 局舎

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホール内に設置され、マンホール内の状況情報を検知する複数のセンサと該複数のセンサが検知した状況情報を、第1の周波数で送信するタグとからなるセンサ付きタグと、
前記マンホール内に設置され、前記センサ付きタグから送信される状況情報を受信し、該受信した状況情報を、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で送信する送受信タグと、
測定用車両に搭載され、前記送受信タグから送信される状況情報を受信するリーダと
を備えることを特徴とする通信設備情報収集システム。
【請求項2】
前記第1の周波数は、水中での伝搬減衰が小さい周波数であり、
前記第2の周波数は、前記第1の周波数に比べて、空中での伝搬距離が長い周波数である、
ことを特徴とする請求項1記載の通信設備情報収集システム。
【請求項3】
前記送受信タグは、前記マンホールの外の地中に埋め込むように設置されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信設備情報収集システム。
【請求項4】
前記リーダは、前記測定用車両の前後に複数設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の通信設備情報収集システム。
【請求項5】
前記リーダは、前記測定用車両の前後に設けられた指向性を有する複数のアンテナを有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の通信設備情報収集システム。
【請求項6】
前記複数のセンサは、マンホール内の配置場所に応じてグループ化され、
前記タグは、前記グループ毎に複数設置され、前記グループ内の複数のセンサからの情報を有線で収集し、該収集した状況情報を、第1の周波数で送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信設備情報収集システム。
【請求項7】
マンホール内に設置され、マンホール内の状況情報を検知する複数のセンサと、
前記マンホール内に設置され、前記複数のセンサが検知した状況情報を収集して一時記憶するロガーと、
前記マンホール内に設置され、前記ロガーに一時記憶された状況情報を送信するタグと、
前記マンホール外の近傍にある通信設備に設置され、前記タグが送信する状況情報を受信するリーダと、
前記マンホール外に設置され、前記リーダが受信した状況情報を通信設備に敷設されている通信線を介して収集して蓄積するサーバ装置と
を備えることを特徴とする通信設備情報収集システム。
【請求項8】
マンホール内に設置され、マンホール内の状況情報を検知する複数のセンサと、
前記マンホール内に設置され、前記複数のセンサが検知した状況情報を収集して無線により送信するタグと、
前記マンホール内に設置されたクロージャに内蔵され、前記タグが無線により送信する状況情報を受信するリーダと、
前記マンホール内に敷設されている通信線を介して、
前記マンホール外の近傍にある通信設備に設置され、前記タグが送信する状況情報を受信するリーダと、
前記マンホール外に設置され、前記リーダが受信した状況情報を通信設備に敷設されている通信線を介して収集して蓄積するサーバ装置と
を備えることを特徴とする通信設備情報収集システム。
【請求項9】
マンホール内に設置された複数のセンサが検知した状況情報を、センサ毎に設けられたタグにより第1の周波数で送信するステップと、
前記マンホール内に設置された送受信タグにより、前記タグから前記第1の周波数で送信される状況情報を受信し、該受信した状況情報を、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で送信するステップと、
測定用車両に搭載されたリーダにより、前記送受信タグから前記第2の周波数で送信される状況情報を受信するステップと
を含むことを特徴とする通信設備情報収集方法。
【請求項10】
前記第1の周波数は、水中での伝搬減衰が小さい周波数であり、
前記第2の周波数は、前記第1の周波数に比べて、空中での伝搬距離が長い周波数である、
ことを特徴とする請求項9記載の通信設備情報収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−154629(P2011−154629A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16958(P2010−16958)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】