説明

通信路推定を実行するマルチキャリア信号を送信及び受信する方法及び対応するデバイス及びコンピュータ・プログラムプロダクト

本発明は、伝送路を経由して少なくとも1つの送信機によって送信されたマルチキャリア信号に対応する受信信号を受信する方法に関する。上記マルチキャリア信号は、データ要素の集合からなる記号の時間継続によって形成される。上記データ要素の集合は、実数値を有する情報データ要素、及び少なくともある上記記号についてのパイロットを含む。本発明によれば、時間/周波数空間の隣接領域(22)にそれぞれ置かれる少なくとも2つのパイロット(P1、P2)のグループ(221)に起因して、そのような受信方法は、一度パイロットが伝送路を通過すると、隣接領域のグループのパイロットに対応する少なくとも2つの複素値を抽出するステップと、上記複素値に基づいて隣接領域内で上記伝送路を推定するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明の分野は、限定された周波数帯域で、特に高ビットレートで、ディジタル情報を伝送及びブロードキャストする分野である。
【0002】
より具体的には、本発明はマルチキャリア信号を送信及び受信する技法に関する。前記マルチキャリア信号を介して、例えば、無線移動環境で、伝送路の推定が受信時に得られる。
【0003】
本発明の技法は、キャリアがプロトタイプ関数によって形作られるOFDM/OQAM(直交周波数分割多重/オフセット直角振幅変調)型の変調又はBFDM/OQAM(陪直交周波数分割多重/OQAM)型の変調を経たマルチキャリア信号の伝送に特に良好に適している。
【背景技術】
【0004】
2.先行技術
2.1 マルチキャリア変調
2.1.1 OFDM変調
OFDM(直交周波数分割多重)型のマルチキャリア変調は、今日知られている。この種の変調技法は、特に、有線又は無線の複数パス通信路についてブロードキャスト情報の問題へ有効な解決法をもたらす。
【0005】
その結果、OFDMマルチキャリア変調技法は、有線伝送、例えば、ADSL(非対称ディジタル加入者線)又はPLC(電力線通信)における応用、又は無線伝送応用、例えば、DAB(ディジタル・オーディオ・ブロードキャスト)、DVB−T(ディジタル・ビデオ・ブロードキャスト・地上)又はWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)型のシステムために、いくつかの標準及び仕様として選ばれてきた。
【0006】
しかしながら、OFDM変調器によって行われる信号の長方形形状作成は、貧弱な周波数位置の欠点を有する。
【0007】
その結果、代案の解決法が提案され、プロトタイプ関数として知られる関数によって信号が形作られるマルチキャリア変調方式の創作を導き、良好な周波数位置の取得を可能にした。
【0008】
実際、マルチキャリア変調のキャリアの集合は多重を形成し、この多重のキャリアの各々は同じプロトタイプ関数によって形作られ、前記プロトタイプ関数はg(t)と呼ばれてマルチキャリア変調を特徴づける。
【0009】
2.1.2 OFDM/OQAM変調
このようにして、提案された1つの解決法は、2つの継続キャリア周波数について、送信されるべき複素記号の実及び虚部分を半記号時間だけオフセットする変調によって、キャリアの各々の上で実現されるQAM(直角振幅変調)を置換することからなる。
【0010】
この代案は、OFDM/OQAM型マルチキャリア変調を導く。このアプローチは、形状が必ずしもが長方形でないプロトタイプ・フィルタとの直交性の所望の条件を取得することを特に可能にする。
【0011】
実際、OQAM変調によって導入された時間的オフセットは、直交性の制約、より一般的には、陪直交性の制約を緩和する。この変調の種類は、このようにしてOFDM変調の単純な長方形プロトタイプ関数よりも広いプロトタイプ関数の選択を提案する。
【0012】
このようにして、所与の応用について考慮される伝送路の型、例えば、無線移動又は電力線通信(PLC)通信路に依存して、遭遇される歪みの型に適したプロトタイプ関数を選ぶことができる。特に、OFDM変調で使用される基本正弦よりも高い周波数選択性を示すプロトタイプ関数を選ぶことが好ましい。これは、特に無線移動通信路において、ドップラー効果に起因する周波数分散を克服するか、PLC通信路において、より大きな効率で狭帯域雑音現象に耐えるためであり、一般的には伝送マスクの周波数仕様を一層容易に満たすためである。
【0013】
OFDM/OQAM変調は、したがって古典的OFDM変調への代案であり、時間/周波数空間で良好に置かれる必要がある信号のキャリアの各々を変調するプロトタイプ関数の慎重な選択に頼る。
【0014】
特に、図1は、OFDM/OQAM変調によって送信される実数値データ要素及びガード区間を有さない古典的OFDM変調によって送信される複素値データ要素の時間/周波数表現を図解し、OFDM/QAM複素値記号又はOFDM/OQAM実数値記号は、所与の時点tでデータ要素の集合によって形成される。更に、各々の時間/周波数位置は、サブキャリア又は下記の説明では直接にキャリアと呼ばれるキャリア周波数を保有する。
【0015】
この図1において、所与の時点tにおける三角形は、OFDM/QAM記号の複素値データ要素を表現する。所与の時点tにおいて示された円及びアステリスクは、それぞれについてOFDM/OQAM記号の実数値データ要素を表現する。例えば、2つの継続実数値OFDM/OQAM記号の場合、円はOFDM/OQAM変調を使用して送信することが求められるQAM配置から来る複素記号の実部分に対応し、アステリスクは虚部分に対応する。
【0016】
実際、古典的OFDM変調の複素型の場合、QAM配置から来る複素値の実及び虚部分は、記号期間Tごとの区間で同時に送信される。しかしながら、OFDM/OQAM変調の実型の場合、実及び虚部分は1つの複素半記号時間(T/2)の時間オフセットと共に送信される。
【0017】
OFDM/OQAMのスペクトル効率は、ガード区間を有さない古典的OFDMと同じであることが、図1で分かる。実際、νが多重の2つの隣接キャリア間の間隔を表し、τが2つの実数値記号間の時間間隔を表すならば、次のものが同じキャリア間間隔νの間に送信される。
OFDM/OQAMでは、タイムスロットτごとにキャリア当たり1つの実数値、
ガード区間を有さない古典的OFDMでは、2×τ=Tごとに1つの複素値(即ち、2つの実数値)。
【0018】
言い換えれば、OFDM/OQAMのスペクトル効率は、持続時間Tのガード区間を有する古典的OFDMよりも(T+2τ)/2τ倍だけ大きい。
【0019】
2.1.3 BFDM/OQAM変調
更に、伝送に使用されるプロトタイプ関数の必ずしも共役関数ではない復調関数を受信側で有することを選ぶならば、陪直交性の特質を使用して、OFDM/OQAMをBFDM/OQAM変調技法へ一般化することができる。
【0020】
OQAM族に関連するオフセット原理は、BFDM/OQAM型変調の文脈では厳密に同じである。その結果、図1はBFDM/OQAM型変調へも適用され得る。
【0021】
より具体的には、BFDM/OQAM型変調の価値は、プロトタイプ・フィルタの所与の長さについて、伝送方式に起因する遅延の低減を可能にすることである。
【0022】
上記で指摘されたように、BFDM/OQAM変調技法は、OFDM/OQAM変調技法と全く同じように、OFDMが複素値記号を送信する速度の2倍の速度で、実数値記号を送信する。その結果、これら2つの変調は、原理的に同じスペクトル効率を有する。
【0023】
より具体的には、BFDM/OQAM信号はベースバンドにおいて次の形式で表現され得る。
【数1】

ここで、
m,n 時点nにおいてキャリアmの上で送信されるべき実データ要素、
M キャリア周波数の数(偶数であることが必要)、
g 変調器によって使用されるプロトタイプ関数、
τ BFDM/OQAM記号の持続時間、
ν キャリア間の間隔、
φm,nは、実部分/虚部分の交替を取得するように選ばれた位相項であって、直交性、又は、より一般的には、陪直交性の取得を可能にする。
【0024】
実際、陪直交の場合、受信時の復調ベースは送信時とは異なっていてよく、次の形式で表現され得る。
【数2】

【0025】
陪直交性の条件は、したがって次の形式で表すことができる。
【数3】

ここで、<.,.>は実スカラー積を示し、R{}は実部分を示す。
【0026】
しかしながら、BFDM/OQAM(又はOFDM/OQAM)型変調技法の1つの欠点は、陪直交性(又は直交性)の条件が、送信されるべき記号の実数値についてのみ取得されることである。これは、受信される記号が複素記号である限り、受信時における推定問題、特に伝送路の推定問題を提起する。
【0027】
2.2 伝送路
下記では、特に無線移動環境における伝送路の特性、及びそのような通信路の推定技法について、短い説明が与えられる。送信されるべき情報から電気信号を形作る方法は、そのような信号が送信される条件に依存することが、実際に想起される。
【0028】
2.2.1 伝送路の特性
無線移動環境において、送信された波は、その進行中に、多くの反射を経験し、受信機は、したがって、送られた信号の遅延版の合計を受信する。これらの版の各々は減衰され、無作為に移相される。この「遅延分散」として知られる現象は、記号間干渉(ISI)を生成する。ISIの用語は、時間記号間及び/又はキャリア間の干渉を特に意味するものと理解される。例えば、都市型の環境において、遅延分散は数マイクロ秒以下の範囲にある。
【0029】
受信機(例えば、自動車運転者の移動無線電話)は移動中であると仮定されるので、ドップラー効果として知られる効果も各パス上に作用し、移動体の移動速度に比例する受信スペクトルの周波数シフトを生じる。
【0030】
これらの効果の結合作用は、ある周波数で深刻なフェージング効果を有する不安定通信路の形態で表される。この種の通信路は、特に周波数選択性通信路と見なす。本発明の文脈で特に価値があるある応用において、伝送帯域は、通信路のコヒーレント帯域(即ち、通信路の周波数応答が、所与の期間にわたって不変であると考えられる帯域)よりも大きな幅を有する。フェージング現象がしたがって帯域の中で現れ、即ち、所与の時点において、ある周波数は高度に減衰する。
【0031】
これらの異なる現象(ISI及びドップラー効果に起因する)を克服するため、ペイロード情報が送信されないガード区間を付加することがOFDM型方式で考えられた。これは、全ての受信情報断片が同じ記号から来ることを確実にするためである。サブキャリアの首尾一貫した復調の場合、通信路によって与えられた歪みは、したがって時間/周波数ネットワークの点ごとに歪みの値を推定することによって補正される。
【0032】
この種のガード区間の導入は、このようにして記号間干渉に関連した現象を低減する。
【0033】
しかしながら、この技法の1つの大きな欠点は、スペクトル効率が限定されることである。それは、ペイロード情報がガード区間で送信されないためである。
【0034】
他方、OFDM/OQAM及びBFDM/OQAM型の変調技法は、ガード区間又は循環接頭辞の導入を必要としないが、同時に古典的OFDM変調と同じスペクトル効率を有する。
【0035】
2.2.2 伝送路の推定
一方では実型マルチキャリア変調及び他方では複素型マルチキャリア変調の別個の特質は、伝送路の推定が遂行されるとき、異なる型の処理を生じる。
【0036】
下記では、実型変調、例えば、OFDM/OQAM又はBFDM/OQAM型変調について、伝送路推定技法の詳細な説明が与えられる。実際、実型マルチキャリア変調の場合、実の意味で変換値の直交性を有する事実は、通信路推定プロセスを一層困難にする。
【0037】
実際、所与のサブキャリア上で通信路の複素利得を推定するためには、考慮されるサブキャリア上で受信信号の複素射影を実行することが適切である。ここで、実の意味での変換値の直交性、及び時間及び周波数の究極範囲へ局所化されるように選ばれたプロトタイプ関数でも2つの軸の少なくとも1つ、即ち、時間軸又は周波数軸の上で無限のサポートを有する事実は、理想的な通信路であっても、(固有の)キャリア間干渉が生成されることを暗示する。
【0038】
実際、プロトタイプ関数の変換値のベースで受信された信号の射影の虚部分は、0でない。妨害を引き起こす項が現れて、復調された信号へ付加され、通信路推定が行われる前に補正されなければならない。したがって、この複素直交性損失を補償し、OFDM/OQAM又はBFDM/OQAM型変調のために、この先行技術の技法の欠点の少なくともいくつかを軽減するように方法を設計する必要がある。
【0039】
例えば、受信された信号y(t)を考える。
【0040】
マルチキャリア変調のパラメータの選択は、各OFDM/OQAM記号の各サブキャリア上で通信路がフラットであると考えられてよいことを保証すると、特に仮定される。通信路は、Hm,nで示されるサブキャリア当たり1つの複素係数によってモデル化され得る。ここで、mはサブキャリアのインデックスであり、nはOFDM/OQAM記号のインデックスである。
【0041】
次いで、時間/周波数空間の点(m,n)におけるマルチキャリア信号の複素射影を使用して、この場所の伝送路
【数4】

を推定する。
【0042】
このようにして、この場所で
【数5】

を送るならば、次式を得る。
【数6】

【0043】
通信路が理想的である(y(t)=s(t))と仮定し、OFDM/OQAM及びBFDM/OQAM変調が実直交性のみを有すると仮定すれば(式(3))、
【数7】

を有することはできない。
【0044】
したがって、
【数8】

を取り、通信路が理想的であると仮定すれば、次式を得る。
【数9】

ここで、<.,.>は複素スカラー積を示す。
【0045】
式(5)は、完璧に送信された信号の複素射影が、Im0,n0で示されるようにOFDM/OQAM及びBFDM/OQAM変調に固有の記号間干渉(ISI)によって影響を受ける事実を表す。
【0046】
特に、この記号間干渉の存在は、伝送路の推定、したがって記号の推定を大きく妨害する。
【0047】
この問題への1つの解決法は、2002年3月28日に公開された特許文書WO 02/25884で特に提案されている。
【0048】
より具体的には、この文書で提案された技法は、伝送時にデータの特定のフレーミングを使用することによって、この干渉が限定されることを可能にする。このようにして、第1リングと呼ばれる時間/周波数ネットワークの3×3ゾーン、又は、より大きいサイズのゾーンを用いて、この技法はパイロットと呼ばれる参照データ要素及び制御データの断片を関連づける。
【0049】
この先行技術の技法の1つの欠点は、送信時及び受信時に行列計算を要求することである。行列のサイズはリングのサイズと共に増加する。
【0050】
この先行技術の技法の他の欠点は、時間/周波数リソースがいくつかのユーザ間で配分される伝送の場合に見られる。この場合、リング関係は、同じリングの全てのデータ要素が同じユーザへ割り当てられることを要求する。この制約はグラニュラリティ及びリソース割り振りの問題をもたらし、送られるパイロットの数は、一般的に2%から5%の間に位置する。
【0051】
記号間干渉項を低減するために使用される他の既存の技法は、プリアンブルを送ることからなる。このプリアンブルはフレーム開始部としてマルチキャリア信号内に挿入され、1つのフレームは、プリアンブルと呼ばれる少なくとも1つの参照記号の集合及びペイロード記号の集合によって形成される。この場合、プリアンブルは3τの最小持続時間を有する。
【0052】
この先行技術の技法の1つの欠点は、プリアンブル送信に関連したスペクトル効率の損失である。
【0053】
したがって、伝送路の一層良好な推定を提供し、マルチキャリア信号によって搬送される情報データ要素の一層正確な推定を与える技法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0054】
3.発明の概要
本発明は、OQAM型変調を実現するマルチキャリア信号に対応する受信信号を受信する方法の形態で、先行技術の欠点を有さない新規な解決法を提案する。前記受信信号は、伝送路を介して少なくとも1つの送信デバイスによって送信され、前記マルチキャリア信号は、データ要素の集合によって形成される記号の時間継続によって形成され、前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素、及び
少なくともある前記記号について、前記マルチキャリア信号の受信を行うように設計された少なくとも1つの受信機に知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素
を備え、
前記データ要素の各々は前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれる。
【0055】
本発明によれば、少なくとも2つのパイロットのグループが実現され、各パイロットは時間/周波数空間内の近隣領域として知られる領域に置かれ、近隣領域は、前記伝送路がほぼ不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備え、前記受信方法は、前記近隣領域の少なくとも1つについて、
前記伝送路を通過した後の前記近隣領域のグループのパイロットに対応する少なくとも2つの複素値を抽出するステップ、
前記複素値から前記近隣領域における前記伝送路の実及び虚部分を推定するステップ
を備える。
【0056】
このようにして、本発明は、実数値データ要素を保有するマルチキャリア信号を実現する伝送方式において、新規で発明的な伝送路推定アプローチに頼る。特に、この種のマルチキャリア信号は、OFDM/OQAM又はBFDM/OQAM型である。
【0057】
「OQAM型変調」の用語は、OFDM/OQAM又はBFDM/OQAM型のマルチキャリア変調を特に意味するものと理解される。
【0058】
伝送路は、時間及び周波数軸に沿ってセルへ細分されることが想起される。時間/周波数空間の各セル又は位置は、専用キャリアを割り当てられる。伝達されるべき情報は、このようにして全てのこれらキャリア上に配分される。
【0059】
より具体的には、本発明に従った技法は、少なくとも2つのパイロットのグループが置かれる近隣領域における伝送路推定の受信側での実現に頼る。
【0060】
特に、近隣領域は、伝送路が、時間及び/又は周波数において変動しないか、ほとんど変動しない領域である。
【0061】
このようにして、この技法は、時間/周波数リソースを無駄にすることなく、近隣領域について伝送路推定を可能にする。それは、グループの各パイロットの直接近隣キャリア(即ち、第1リングと呼ばれる領域に位置する)によって保有されるデータ要素の値に制約を課す必要はないためである。したがって、ISIを低減するために第1リング関係を課す必要はない。
【0062】
実際、先行技術の技法と比較して、本発明の技法は時間/周波数リソースを最適化するために使用され得る。それは、ペイロード情報が送信されないガード区間を使用することも、送られているデータを特別にフレーミングし、同時にパイロットの同じ密度を維持することも必要でないためである。
【0063】
これらのパイロットは、特別にブーストされてよい。
【0064】
本発明の1つの特定の特質によれば、前記グループの各々は1対のパイロットからなる。
【0065】
1つの特定の実施形態によれば、対におけるパイロットのこの配分は、特に前記推定ステップで、前記パイロット対の各々について4つの未知量を有する4つの式の連立方程式の解を実現することが可能である。
【0066】
実際、各対の各パイロットについて、この推定ステップで、本発明は、前記パイロットの時間/周波数位置(位置)で受け取られた複素値、及び伝送路による伝送前の前記パイロットの値、即ち、実数値又は虚数値の知識を使用する。
【0067】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備えるグループについて、前記連立方程式は次の式を実現する。
【数10】

ここで、
(m,n) 時間/周波数空間の第1の場所、及び、(m,n) 近隣領域における時間/周波数空間の第2の場所。
ym,n(r)及びym,n(i) (m,n)で受信された信号の複素値の実部分及び虚部分にそれぞれ等しい実数値。
m1,n1(r)及びym1,n1(i) 場所(m,n)に位置するキャリアの複素値の実部分及び虚部分にそれぞれ等しい実数値。
m0,n0(r) 場所(m,n)における前記伝送路の複素値の実部分。及び、Hm1,n1(r) 場所(m,n)における前記伝送路の複素値の実部分。Hm1,n1(r)はHm0,n0(r)に等しく、伝送路は前記近隣領域でほぼ不変であると考えられる。
m0,n0(r)及びam0,n0(i) 位置(m,n)における前記近隣領域のグループの前記実数値パイロットの複素値の実部分及び虚部分にそれぞれ等しい実数値。
m1,n1(i) 位置(m,n)における前記近隣領域のグループの前記純虚数値パイロットの近隣にある前記情報要素によって誘導された干渉の虚部分。
jam1,n1(r) 位置(m,n)における前記近隣領域のグループの前記純虚数値パイロットの受信された虚数値。
C 実数。
【0068】
前記パイロットの「近隣」にある情報要素という用語は、パイロットに最も近いデータ要素を意味するものと理解される。
【0069】
特に、前記推定ステップは、前記複素値の前記実及び虚部分の間の比の中間計算を実現する。
【0070】
パイロットの対が実数値パイロット及び純虚数値パイロットを含むとしても、本発明に従った受信方法は、前記純虚数値パイロットによって誘導された固有干渉を削除するステップを備える。
【0071】
本発明の他の実施形態は、伝送路を介して少なくとも1つの送信機から送信された上記で説明されたようなOQAM型変調を実現するマルチキャリア信号に対応する受信信号を受信するデバイスに関する。
【0072】
本発明によれば、少なくとも2つのパイロットのグループが実現され、各パイロットは時間/周波数空間における近隣領域として知られる領域に置かれ、近隣領域は、前記伝送路がほぼ不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備え、この種の受信デバイスは、前記近隣領域の少なくとも1つについて、
前記伝送路を介して通過した後の前記近隣領域のグループのパイロットに対応する少なくとも2つの複素値を抽出する手段、
前記複素値から前記近隣領域における前記伝送路の前記実及び虚部分を推定する手段
を備える。
【0073】
この種の受信デバイスは、上記で説明されたような受信方法を実現するように特に適応される。
【0074】
例えば、この種の受信デバイスは、端末(無線電話、ラップトップ、PDAなど)又は基地局に対応するか、それらに含まれる。
【0075】
本発明の他の態様は、OQAM型変調を実現するマルチキャリア信号を送る方法に関する。前記マルチキャリア信号は、伝送路を経由して送信することを意図され、データ要素の集合によって形成される記号の時間継続によって形成され、前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素、及び
前記記号の中の少なくともある記号について、前記マルチキャリア信号の受信を遂行するように設計された少なくとも1つの受信機に知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素
を備える。
前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれる。
【0076】
本発明によれば、前記方法は、少なくとも2つのパイロットのグループを使用し、各パイロットは時間/周波数空間内で近隣領域として知られる領域に置かれ、近隣領域は、前記伝送路がほぼ不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備える。
【0077】
より具体的には、この技法は少なくとも2つのパイロットのグループ、即ち、少なくとも2つの参照データ要素のグループを送信側で実現することに頼る。前記パイロットは近隣領域に置かれ、前記近隣領域において、情報データ要素も送信可能であり、伝送路はかなり不変であると考えられる。
【0078】
受信側では、したがって近隣領域内の伝送路の推定を行うことができる。
【0079】
本発明の特定の態様によれば、前記グループの各々は一対のパイロットから構成される。
【0080】
特に、1対を構成するパイロットは、時間及び/又は周波数内で配分されてよい。
【0081】
このようにして、伝送路が時間において実質的に不変であれば、対のパイロットは時間において分散されてよく、伝送路が周波数においてほぼ不変であれば、対のパイロットは周波数において分散されてよい。伝送路が時間及び周波数において実質的に不変であれば、パイロットも時間及び周波数において分散されてよい。
【0082】
本発明の特定の態様によれば、前記キャリアの少なくともあるキャリアが、別個のユーザ及び/又はサービスにそれぞれ意図された少なくとも2つのデータ要素を保有するシステムにおいて、この種の送信方法は少なくとも2つのパイロットによって変調された同じキャリアを使用する。各パイロットは前記ユーザ及び/又はサービスの1つに関連づけられる。
【0083】
例えば、そのようなシステムは、あるキャリアを使用し、各ユーザに関連づけられた拡散符号によって、別個のユーザに意図されたデータ要素を搬送できるようにする。
【0084】
このようにして、本発明のこの特定の態様によれば、同じキャリアが少なくとも2つのパイロットによって変調され、各パイロットは別個のユーザに関連づけられ得る。
【0085】
同様に、そのようなシステムは、あるキャリアを使用し、各サービスに関連づけられた拡散符号によって、別個のサービス又はユーザに意図されたデータ要素を搬送できるようにする。
【0086】
このようにして、本発明の他の特定の態様によれば、同じキャリアが少なくとも2つのパイロットによって変調され、各パイロットは別個のサービスに関連づけられ得る。
【0087】
本発明の他の態様によれば、前記対の少なくとも1つは、実数値パイロット及び純虚数値パイロットによって形成される。
【0088】
このようにして、本発明の送信方法は、前記パイロットの性質を決定するステップを備える。前記性質は、実の性質及び純虚の性質を備えるグループに属する。
【0089】
パイロットの対の少なくとも1つが実数値パイロット及び純虚数値パイロットによって構成されるとしても、本発明の送信方法は、前記虚数値パイロットの符号を決定するステップを備える。
【0090】
本発明の特定の態様によれば、前記パイロットの性質及び前記虚パイロットの符号を決定する前記ステップの少なくとも1つは、各々の前記パイロットの近隣にある少なくとも1つの情報データ要素の値に依存する。
【0091】
より具体的には、前記純虚数値パイロットの符号は、前記パイロットの近隣にある前記情報データ要素によって前記パイロット上に誘導された干渉項の値の符号と同じである。
【0092】
本発明の他の実施形態は、更に、上記で説明されたようなOQAM型変調を実現するマルチキャリア信号を送信するデバイスに関する。
【0093】
本発明によれば、この種の送信デバイスは、少なくとも2つのパイロットのグループを実現する手段を備える。各パイロットは時間/周波数空間内で近隣領域として知られる領域に置かれ、近隣領域は、前記伝送路が実質的に不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備える。
【0094】
そのような送信デバイスは、上記で説明されたような送信方法を実現するように特に適応される。
【0095】
特に、送信デバイスは、上記で説明されたような受信デバイスに意図されたこの種のマルチキャリア信号を送信するように適応される。
【0096】
例えば、この種の送信デバイスは、端末(無線電話、ラップトップ、PDAなど)又は基地局に対応するか、それらに含まれる。
【0097】
本発明の更に他の態様は、コンピュータ・プログラムプロダクトに関する。このコンピュータ・プログラムプロダクトは、通信ネットワークからダウンロード可能であり、及び/又はコンピュータ読み取り可能キャリアに記憶され、及び/又はプロセッサによって実行可能であり、上記で説明されたような受信方法を実現するためのプログラム・コード命令を備える。コンピュータ・プログラムプロダクトは、通信ネットワークからダウンロード可能であり、及び/又はコンピュータ読み取り可能キャリアの上に記憶され、及び/又はプロセッサによって実行可能であり、上記で説明されたような送信方法を実現するためのプログラム・コード命令を備える。
【0098】
最後に、本発明の他の態様は、OQAM型変調を実現するマルチキャリア信号に関する。このマルチキャリア信号は、データ要素の集合によって形成された記号の時間継続によって形成され、前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素、及び
少なくともある前記記号について、前記マルチキャリア信号の受信を実行するように設計された少なくとも1つの受信機に知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素
を備え、
前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれる。
【0099】
本発明によれば、データ要素の前記集合は、少なくとも2つのパイロットのグループを備え、各パイロットは時間/周波数空間内で近隣領域として知られる領域に置かれる。近隣領域は、前記伝送路が実質的に不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備える。
【0100】
本発明の特定の態様によれば、前記グループの少なくとも1つは、1つの実数値パイロット及び1つの純虚数値パイロットを備える1対によって構成される。
【0101】
このような信号は、上記で説明されたような送信方法に従って送信されるマルチキャリア信号を特に表してよい。
【0102】
そのような信号は、更に、上記で説明された受信方法に従って受信されてよい。
【0103】
4.図面のリスト
本発明の他の特質及び利点は、単なる非枯渇的及び図解的な例によって与えられる好ましい実施形態の後記の説明、及び添付された図面から、より明瞭に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】先行技術を参照して既に注釈され、古典的OFDM変調に従って送信された複素値記号及び先行技術のOFDM/OQAM変調に従って送信された実数値記号の時間/周波数表現である。
【図2A】本発明の1つの実施形態に従ったマルチキャリア信号の構造を図解する。
【図2B】本発明の実施形態に従ったパイロットの対の特定の分散の例示的例を図解する。
【図2C】本発明の実施形態に従ったパイロットの対の特定の分散の例示的例を図解する。
【図3】本発明の1つの実施形態に従ったマルチキャリア信号のパイロットの位置づけの例を図解する。
【図4】本発明の1つの実施形態に従った受信方法の主なステップを提示する。
【図5】本発明の1つの特定の実施形態に従った完全通信路推定及び通信路推定の比較結果を図解する。
【図6A】本発明の1つの特定の実施形態に従った送信デバイス及び受信デバイスの構造を提示する。
【図6B】本発明の1つの特定の実施形態に従った送信デバイス及び受信デバイスの構造を提示する。
【発明を実施するための形態】
【0105】
5.本発明の1つの実施形態の説明
本発明の一般的原理は、実数値情報データ要素を実現するマルチキャリア信号内のパイロットの少なくとも1つのグループを考慮に入れて、送信機と受信機間の伝送路の推定を受信時に取得することに頼る。
【0106】
より具体的には、本発明は、1つの特定の実施形態において、パイロットの各グループが、伝送路がかなり不変であると見なされる近隣領域として知られる領域内に置かれる事実に頼る。
【0107】
このようにして、本実施形態における伝送路の推定は、前記近隣領域について取得される。
【0108】
下記では、OFDM/OQAM型マルチキャリア変調の文脈で実現される本発明の特定の実施形態について、説明が提供される。
【0109】
送信側では、パイロットの1つ又は複数のグループがマルチキャリア信号の中へ挿入され、グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロット、即ち、参照データ要素を備える。これらのパイロットは受信機に知られ、伝送路が不変であると考えられる近隣領域に置かれる。
【0110】
特に、本発明の本実施形態に従ったパイロットのグループは、通信路が時間及び/又は周波数においてかなり不変であると考えられるかどうかに依存して、時間及び/又は周波数の中に配分される1対のパイロットによって構成される。
【0111】
本実施形態は、当然のことながら包括的ではない。それは、パイロットのグループは、2つを超えるパイロット(例えば、3つ又は4つのパイロット)を含むことができるためである。更に、パイロットのいくつかのグループが考えられるならば、これらのグループは別々の濃度(即ち、各グループ内のパイロットの異なる数)を有してよい。
【0112】
より具体的には、図2Aで図解されるように、記号の時間継続21、21、...、21によって形成されたマルチキャリア信号を考え、これらの記号は、
ブランクの白い円に対応する実数値情報データ要素、及び
前記記号の少なくともいくつかの記号について、マルチキャリア信号の受信の遂行を意図される少なくとも1つの受信機へ知られた英字Pで注釈されたブランクの円に対応するパイロットと呼ばれる参照データ要素
を備えるデータ要素の集合によって構成される。
【0113】
より具体的には、パイロットはマルチキャリア信号の中へ対として挿入され、前記パイロットが送信モードで挿入される領域について、受信時での伝送路の推定を可能にする。
【0114】
例えば、通信路が、点線によって仕切られた近隣領域22内で時間においてかなり不変であると考えられるならば、図2Aの実線で仕切られた対221のパイロットP1及びP2は、領域22の2つの実の時間連続記号の上でマルチキャリア信号へ付加される。
【0115】
伝送路の時間変動に依存して、パイロットは、例えば、対231のパイロットP3及びP4のように、2つの非連続記号の上に挿入されてよい。通信路の推定で考えられる近隣領域23は、点線によって仕切られる。
【0116】
伝送路が周波数において変動しないか、周波数においてほとんど変動しない1つの代案の実施形態によれば、対241(図2Aの実線で仕切られる)のパイロットP5及びP6は、近隣領域24(点線によって仕切られる)の2つの連続周波数の上でマルチキャリア信号へ付加される。
【0117】
同様に、伝送路の周波数変動に依存して、パイロットは2つの非連続周波数の上に挿入されてよい。
【0118】
本発明の他の代案の実施形態によれば、対251のパイロットP7及びP8が、2つの連続記号の上及び2つの連続周波数の上でマルチキャリア信号へ付加される。この場合、通信路は、通信路の推定に考慮される近隣領域25(点線によって仕切られる)で、時間及び周波数においてかなり不変であると考えられる。
【0119】
例えば、対251のパイロットP7は実数値を有し、対251のパイロットP8は純虚数値を有する。
【0120】
代案の実施形態の2つの例が、図2B及び図2Cで図解される。
【0121】
図2Bにおいて、各パイロットが実数値又は純虚数値を有するパイロットの対は、同じ記号の中へ挿入されてプリアンブルを形成する。パイロットの対(P2m−1/P2m)は、時間tで通信路を推定するために使用される。対の少なくとも1つは、実数値を有するパイロット及び純虚数値を有するパイロットを備えることが想起される。
【0122】
図2Cにおいて、各パイロットが実数値又は純虚数値を有するパイロットの対は、時間において連続する記号の上で専用キャリアの中へ挿入される。パイロットの対(P2m−1,P2m)は、周波数mで通信路の推定を可能にする。再び、対の少なくとも1つは、実数値パイロット及び純虚数値パイロットを備える。
【0123】
これら2つの代案の実施形態において、通信路の推定は、3つ以上のパイロットのグループからも行われてよく、このようにして通信路に従った、より良好な推定を可能にする。
【0124】
図3で図解された1つの代案の実施形態によれば、マルチキャリア信号のあるキャリアは、少なくとも2つのデータ要素を保有する。これら2つのデータ要素は、それぞれ別個のユーザ及び/又は別個のサービスに意図される。本発明の送信方法は、この代案の実施形態において、2つのパイロットP9及びP10を同じキャリアの中へ挿入する。このキャリアは、この図において、時間/周波数ブロックとして示される。このブロックにおいて、通信路はかなり不変であると仮定され、これら2つのパイロットP9及びP10は、データと同じ時間に送信され、2つの別々のユーザ及び/又は2つの別々のサービスに意図される。「符号」軸と呼ばれる軸は、符号の各データ要素(情報又は参照データ要素)の関連づけを可能にし、前記符号は受信機に知られており、ユーザ及び/又はサービスを区別するために使用される。
【0125】
受信側では、図4で図解されるように、31で、近隣領域内のグループのパイロットに対応する複素値が、受信信号y(t)から抽出される。例として、1対のパイロットを備えるグループが考えられる。
【0126】
これらの複素値から、4つの未知量を有する4つの式の連立方程式が、パイロットの各対について得られる。
【0127】
先ず第1に、対の2つのパイロットの実及び/又は虚数値、及びそれらの位置で受信されてステップ31で抽出された複素値を考慮に入れて、通信路の実部分と虚部分との間の比について、32で中間計算が遂行される。
【0128】
次いで、連立方程式がステップ33で解かれ、考慮されるパイロットの対の近隣領域について伝送路の推定を取得する。
【0129】
下記では、BFDM/OQAM型変調の文脈で、本発明のこの特定の実施形態の第1の変形に従った受信技法の実現について、第1の例が説明される。
【0130】
より具体的には、受信信号y(t)は、次の形式で書かれ得る。
【数11】

ここで、Hm,n(c)は、各時間/周波数位置における伝送路を表す複素係数であり、mは周波数インデックスであり、nは時間インデックスであり、b(t)は雑音成分である。
【0131】
OFDM/OQAM型変調について既に指定されたように、送信信号及び伝送路は、複素数によってベースバンドでモデル化され、時間/周波数ネットワークの各要素(m,n)について受信時に推定されるべき係数am0,n0(c)も複素数である。
【0132】
式(3)を参照して説明された関数の対(f,g)の陪直交性のために、通信路は時間/周波数空間の所与の領域上で近似的に不変であると仮定すれば、時点nでキャリアm上で受信された信号は、次式によって推定される。
【数12】

【0133】
この式において、項Cm0,n0は、伝送路が不変であると仮定される領域内で作り出された干渉へリンクされ、項Dm0,n0は、伝送路がもはや不変であるとは想定されない領域内で作り出された干渉に関連づけられる。
【0134】
下記の説明では、雑音成分bは省略され、項Dm0,n0は無視されて、式を簡約する。
【0135】
ここで、通信路は時間及び/又は周波数において、即ち、(δn+1)τ及び/又は(δm+1)νにおいて、かなり不変であることが仮定される。δn及びδmは整数である。
【0136】
式(7)は、したがって次のように書かれる。
【数13】

ここで、am0,n0は実数であり、Cm0,n0は純虚数値である。
【0137】
このようにして、時間/周波数ネットワークの任意の場所(m,n)において、受信信号は複素通信路を複素係数で乗じた積として解釈され得ることを考慮する。即ち、
【数14】

ここで、am,n(r)及びam,n(i)は実数値である(指数(r)は複素値の実部分を示し、指数(i)は虚部分を示す)。
【0138】
ここで、通信路が、持続時間2τの間、時間においてかなり不変である実施形態の特定の変形を考える。この例では、パイロットam0,n0及びam0,n0+1が信号内の場所(m,n)及び(m,n+1)へ挿入されて対を形成する。この対は、通信路が時間においてかなり不変であると考えられる近隣領域で通信路を推定するために使用される。
【0139】
受信信号ym,n(c)の実及び虚部分は、Hm,n(c)=Hm,n(r)+jHm,n(i)であると仮定して、次のように書かれる。
【数15】

【0140】
通信路は2τの間不変であると仮定されるので、Hm0,n0(c)=Hm0,n0+1(c)である。Hm0,n0(i)=CHm0,n0(r)であり、Cは実数値であると仮定すれば、4つの未知量を有する4つの式からなる連立方程式が得られる。
【数16】

これから、次式を演繹することができる。
【数17】

【0141】
2つの式の比を取ると、
【数18】

式(8)は次のように書けると仮定すれば、
【数19】

次式を得る。
【数20】

【0142】
これら2つの式の合計を取ると、次式を得る。
【数21】

これから、
【数22】

【0143】
このようにして、通信路がかなり不変であると見なされ、上記で説明された実施形態に従って一対のパイロットが挿入された近隣領域で、通信路の推定を取得する。
【0144】
より一般的には、(m=m+δm、n=n+δn)である限り、2つの実パイロットが任意の位置(m,n)及び(m,n)において信号へ挿入され得る。唯一の制約は、δm+1に対応する多数の周波数及びδn+1に等しい多数の実記号で通信路が事実上不変に残留することである。
【0145】
上記で説明された解法は、この一般的な場合に適用される。
【0146】
下記では、BFDM/OQAM型変調の文脈で、本発明のこの特定の実施形態の第2の変形に従った受信技法の実現について、第2の例が説明される。
【0147】
この例において、通信路が時間においてかなり不変であると見なされる近隣領域で通信路を推定するために使用されるパイロットの対は、位置(m,n)で純虚数値を有する第1のパイロットam0,n0j及び位置(m,n+1)で実数値を有する第2のパイロットam0,n0+1を備える。
【0148】
第2のパイロットの実数値am0,n0+1は受信機へ知られ、第1のパイロットの値am0,n0jも、符号を除いて受信機へ知られる。実際、第1のパイロットと呼ばれる純虚数値を有するパイロットの値の符号は、この第1のパイロットの周りで送信された実数値を有する情報データ要素に依存する。
【0149】
次の関係、
【数23】

から、第1のパイロットの位置(m,n)に関する虚干渉を計算するとき、第1のパイロットam0,n0jの値の符号を決定する方法が、下記で説明される。
ここで、ΩP,Qは点(m,n)に関する時間/周波数平面の近隣に対応し、最大で、時間において±P位置だけ、周波数において±Qだけ発散して、中心要素を除外する。
ここで、βp,qは式であり、この式の実数値は関数g及びf及び位相項φm,nに依存し、この式の主な要素は付録Aで提示される。付録Aは現在の説明の一体的部分である。
【0150】
下記では、P及びQは1に等しいと見なされ、虚パイロットの符号は次のようにして決定される。
m0,n0(i)<0であれば、負号の純虚数値を有するパイロットが位置(m,n)で送信され、そのモジュラスは受信機へ知られる(例えば、−1)。
m0,n0(i)>0であれば、位置(m,n)で正号の純虚数値を有するパイロットが送信され、そのモジュラスは受信機へ知られる(例えば、+1)。
【0151】
一度、純虚数値を有するパイロットam0,n0について符号及び値が選ばれると、位置(m,n+1)で送信された実数値を有するパイロットの値が決定される。
【0152】
一般的に、
【数24】

を有することで十分である。
【0153】
好ましくは、am0,n0+1及びam0,n0は、モジュラスが等しくなるように選ばれる。
【0154】
ここで、時間/周波数ネットワークの任意の場所で受信された信号に焦点を当てて説明する。この信号は、複素通信路を複素係数で乗じた積として解釈されてよい。即ち、
【数25】

ここで、am,n(r)及びam,n(i)は実数値である(指数(r)は複素値の実部分を示し、指数(i)は虚部分を示す)。
【0155】
純虚数値を有するパイロットam0,n0が位置(m,n)で送信され、実数値を有するパイロットam0,n0+1が位置(m,n+1)で送信される例を考える。ここで、
m0,n0j am0,n0(i)と同じ符号を有する虚数値、
m0,n0+1 実数値であり、受信機に知られている。
【0156】
したがって、位置(m,n)及び(m,n+1)で2つのパイロットを有し、受信信号は次のように書ける。
【数26】

及び
【数27】

【0157】
実際、位置(m,n)で純虚数値を有するパイロットを送信する事実は、(m,n+1)で値
【数28】

の干渉を誘導する。この干渉は、下記の説明では固有干渉と呼ばれる。
【0158】
本発明のこの特定の実施形態のこの第2の変形において、第1の変形と同じように、通信路は時間において実質的に不変であると見なされることが想起される。したがって、次のように書くことができる。
【数29】

ここで、Rは通信路のモジュラスであり(したがって正の実数)、φは通信路の位相である。
【0159】
2つのパイロットの位置で受信された信号は、したがって次のように書ける。
【数30】

【0160】
(m,n)(純虚数値を有するパイロットの位置)において、受信信号は次のように書ける。
【数31】

【0161】
φは、(12)に従ったこの受信信号ym0,n0(c)の位相であると考えるならば、次式を得る。
【数32】

【0162】
これは、次の式によって位置(m,n+1)で受信される信号(実数値を有するパイロットの信号)を与える。
【数33】

【0163】
ここで、am0,n0(i)の2つの符号に対応する2つの場合を考える。
(a)am0,n0(i)>0であれば、次のように書ける。
【数34】

これは次式を与える。
【数35】

【0164】
この式から、次の断定を演繹することができる。なぜなら、
【数36】

は、am0,n0+1(r)の符号であることが知られるからである。
m0,n0(r)は正であり、そのモジュラスは受信機に知られ、したがって、その値は受信機に知られる。
通信路の位相は
【数37】

である。
通信路のモジュラスは次のように書ける。
【数38】

(b)am0,n0(i)<0であれば、次のように書ける。
【数39】

これは次式を与える。
【数40】

【0165】
ここで又、この式から次の断定を演繹することができる。それは、
【数41】

は、am0,n0+1(r)と反対の符号を有することが知られるためである。
m0,n0(r)は負であり、そのモジュラスは受信機に知られ、したがって、その値は受信機に知られる。
通信路の位相は
【数42】

である。
通信路のモジュラスは次のように書ける。
【数43】

【0166】
双方の場合に、このようにして通信路の推定を取得し、am0,n0(r)の値の知識は、純虚数値を有するパイロットの位置の周りの干渉を削除することを可能にする。
【0167】
この特定の実施形態のこの第2の変形(実数値のパイロット及び純虚数値のパイロットを有する場合)では、次の連立方程式に基づいて、第1の代案の実施形態(2つの実パイロットを有する場合)と同じ推論を反復することができる。
【数44】

【0168】
図3で図解される特定の場合、上記で既に説明されたように、解決方法は、位置(m,n)で受信されて次のように書けるパイロット値の場合と同じである。
【数45】

ここで、cu(m,n)は、関連したユーザ及び/又はサービスを認識するために使用される拡散符号を示し、dm,nはパイロット値を示す。
【0169】
ここで図5を参照すると、伝送路の完璧な推定51及び本発明の例示的実施形態に従った伝送路推定52を考慮したときのバイナリ誤り率に関して、性能曲線が提示される。
【0170】
空間通信路モードとして知られる無線型通信路を推定するために考慮されたパラメータは、この例によれば、次のとおりである。
中心周波数:2000MHz
モバイルの移動速度:50km/h
パスの数:6
電力プロフィール:−3.0、0.0、−2.0、−6.0、−8.0、−10.0
タイムラグのプロフィール(ns):0、195.315、488.28125、976.5625、2246.09375、4882.8125
【0171】
使用されるプロトタイプ関数は、例えば、仏国特許文書FR2733869で説明されるような長さ4τを有するIOTA関数であり、各キャリアは位相変調によって変調される。曲線52は、本発明の特定の実施形態に従った通信路の推定を考慮に入れたときの受信時のバイナリ誤り率を表す。本実施形態において、通信路は2つの連続周波数にわたって実質的に不変であると仮定され、パイロットの対はフレームの全体に配分される。他の曲線51は、送信時における伝送路の完璧な知識を考慮に入れたときの受信時のバイナリ誤り率を表す。
【0172】
ここで図6A及び図6Bを参照すると、上記で説明された特定の実施形態に従った送信及び受信デバイスの簡単な構造が提示される。
【0173】
図6Aで図解されるように、この種の送信デバイスは、メモリ61、及び、例えば、マイクロプロセッサμPを装備して本発明に従った送信方法を実現するコンピュータ・プログラム63によって駆動される処理ユニット62を備える。
【0174】
初期化において、コンピュータ・プログラム63のコード命令は、例えば、RAMの中へロードされ、次いで処理ユニット62のプロセッサによって実行される。入力時に、処理ユニット62は情報データ要素の形態で送信されるデータを受け取る。処理ユニット62のマイクロプロセッサは、上記で説明された送信方法のステップを実現し、少なくとも2つの実数値パイロットのグループを備えるマルチキャリア信号を構築する。各パイロットは、時間/周波数空間内の近隣領域として知られる領域に置かれる。前記近隣領域は、前記伝送路がかなり不変であると考えられる領域である。
【0175】
これを目的として、送信デバイスは、少なくとも2つの実数値パイロットのグループを実現する手段を備える。これらの手段は、処理ユニット62のマイクロプロセッサによって駆動される。
【0176】
処理ユニット62は、上記のマルチキャリア信号を出力する。
【0177】
図6Bで図解されるように、この種の受信デバイスは、メモリ64、及び、例えば、マイクロプロセッサμPを装備して本発明に従った受信方法を実現するコンピュータ・プログラム66によって駆動される処理ユニット65を備える。
【0178】
初期化において、コンピュータ・プログラム66のコード命令は、例えば、RAMの中へロードされ、次いで処理ユニット65のプロセッサによって実行される。入力時に、処理ユニット65は、受信されたマルチキャリア信号y(t)を受け取る。処理ユニット65のマイクロプロセッサは、コンピュータ・プログラム66の命令に従って上記で説明された受信方法のステップを実現し、伝送路を推定して受信データを復号する。これを目的として、受信デバイスは、前記伝送路を通過した後の前記近隣領域のグループのパイロットに対応する少なくとも2つの複素値を抽出する手段、及び前記複素値から前記近隣領域内で前記伝送路の実及び虚部分を推定する手段を備える。これらの手段は、処理ユニット65のマイクロプロセッサによって駆動される。
【0179】
付録A
基礎変調関数及び位相に関連した定数
【数46】

の計算
下記では、実定数
【数47】

を計算する方法、例えば、
【数48】

を提示する。
ここで、
【数49】


【数50】

の虚部分を示す。
【0180】
先ず第1に、送られたマルチキャリア信号は、次の形式で書かれ得ることが想起される。
【数51】

【0181】
伝送路が完全であると仮定されるならば、それが(1)に等しいとして、少なくとも局所的に、送信された係数の推定値は、次式によって与えられる。
【数52】

【0182】
次のように仮定すると、
【数53】

陪直交関数f及びgについて、
【数54】

を得る。これは次式を与える。
【数55】

【0183】
したがって、βm’,n’を評価するとき近隣P×Qにおける任意のパイロット(am0,n0)について評価可能な干渉項が残る。
【0184】
更に、
【数56】

であることが注意される。
【0185】
基礎変調関数及び復調関数の式を展開すると、次式を得る。
【数57】

【0186】
(m,n)の近隣P×Qにおいて、この式はm=m、n=n、m’=m+p、及びn’=n+qとして書き直され、次式を与える。
【数58】

【0187】
したがって、係数βは、陪直交の場合には、f及びgの交差曖昧度関数から得られ、直交の場合には、gの曖昧度関数から得られることが注意される。
【0188】
その数値評価のために、f及びgは有限長フィルタを用いて得られる。この計算は、離散形式で直接行われるならば、より正確である。
【数59】

ここで、D=αN−γ及びM=2Nである。
【0189】
トランスマルチプレクサの受信側でそれを移植するため、これらの係数はα個の標本の遅延を考慮に入れて適用されるべき事実を考慮に入れることが好ましい。
【0190】
下記では、実及び偶数パリティ連続プロトタイプ関数を有するOFDM/OQAM型変調の文脈で、係数βを決定する2つの例を提示する。
1.
【数60】

によって定義される位相
次のように仮定する。
【数61】

式(22)は、次のようになる。
【数62】

【0191】
次いで、上記で言及された特許文書WO02/25884で使用された注記を有する関数xの曖昧度関数を導入する。
【数63】

【0192】
式(26)で変数
【数64】

を変更すると、次式を得る。
【数65】

【0193】
【数66】

が知られているため、次式が得られる。
【数67】

【0194】
まさにこの場合に、関数Aは実であると仮定すれば、係数βp,qは純虚数値であることを検証することができる。
2.
【数68】

によって定義される位相
【数69】

と仮定して、上記と同じ計算を遂行すると、次式を得る。
【数70】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送路を介して少なくとも1つの送信デバイスによって送信されたOQAM型変調を実現するマルチキャリア信号に対応する受信信号を受信する方法であって、
前記マルチキャリア信号が、データ要素の集合によって形成された記号の時間継続によって形成され、前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素と、
前記記号の少なくともある記号について、前記マルチキャリア信号の受信を行うように設計された少なくとも1つの受信機へ知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素と
を備え、
前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれ、
少なくとも2つのパイロット(P1、P2)のグループ(221)が実現され、各パイロットは時間/周波数空間内で近隣領域(22)として知られる領域内に置かれ、近隣領域は前記伝送路がほぼ不変と考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つ実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備え、
当該受信方法は、
前記近隣領域(22)の少なくとも1つについて、
前記伝送路を通過した後の前記近隣領域のグループのパイロットに対応する少なくとも2つの複素値を抽出するステップ(31)と、
前記複素値から前記近隣領域における前記伝送路の実及び虚部分を推定するステップ(33)と
を備える、受信方法。
【請求項2】
前記グループの各々が一対のパイロットからなることを特徴とする、請求項1に記載の受信方法。
【請求項3】
前記推定ステップは、パイロットの前記対の各々について4つの未知量を有する4つの式からなる連立方程式の解を実現することを特徴とする、請求項2に記載の受信方法。
【請求項4】
前記連立方程式は、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備える前記グループについて次の式を実現し、
【数1】

ここで、
(m,n)は時間/周波数空間の第1の場所であり、(m,n)は近隣領域における時間/周波数空間の第2の場所であり、
m0,n0(r)及びym0,n0(i)は、それぞれ(m,n)で受信された信号の複素値の実部分及び虚部分に等しい実数値であり、
m1,n1(r)及びym1,n1(i)は、それぞれ場所(m,n)に位置するキャリアの複素値の実部分及び虚部分に等しい実数値であり、
m0,n0(r)は場所(m,n)における前記伝送路の複素値の実部分であり、Hm1,n1(r)は場所(m,n)における前記伝送路の複素値の実部分であり、Hm1,n1(r)はHm0,n0(r)に等しく、伝送路は前記近隣領域でほぼ不変であると考えられ、
m0,n0(r)及びam0,n0(i)は、それぞれ位置(m,n)における前記近隣領域のグループの前記実数値パイロットの複素値の実部分及び虚部分に等しい実数値であり、
m1,n1(i)は、位置(m,n)における前記近隣領域のグループの前記純虚数値パイロットの近隣にある前記情報要素によって誘導された干渉の虚部分であり、
jam1,n1(r)は、位置(m,n)における前記近隣領域のグループの前記純虚数値パイロットの受信された虚数値であり、
Cは実数である、
ことを特徴とする、請求項3に記載の受信方法。
【請求項5】
前記推定ステップは、前記複素値の前記実部分と虚部分との間の比の中間計算(32)を実現することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の受信方法。
【請求項6】
前記純虚数値パイロットによって誘導された固有干渉を削除するステップを備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の受信方法。
【請求項7】
伝送路を介して少なくとも1つの送信機によって送出されたOQAM型変調を実現するマルチキャリア信号に対応する受信信号を受信するデバイスであって、
マルチキャリア信号が、データ要素の集合によって形成された記号の時間継続によって形成され、前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素と、
前記記号の少なくともある記号について、前記マルチキャリア信号の受信を遂行するように設計された少なくとも1つの受信機へ知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素と
を備え、
前記データ要素の各々は前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれ、
少なくとも2つのパイロット(P1 P2)のグループ(221)が実現され、各パイロットは時間/周波数空間で近隣領域(22)として知られる領域に置かれ、近隣領域は、前記伝送路がほぼ不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備え、
当該受信デバイスは、
前記近隣領域の少なくとも1つについて、
前記伝送路を介して通過した後の前記近隣領域のグループのパイロットに対応する少なくとも2つの複素値を抽出する手段(31)と、
前記複素値から前記近隣領域で前記伝送路の前記実及び虚部分を推定する手段(33)と
を備える、受信デバイス。
【請求項8】
通信ネットワークからダウンロード可能であり、及び/又はコンピュータ読み取り可能なキャリアに記憶され、及び/又はプロセッサによって実行可能なコンピュータ・プログラムプロダクトであって、請求項1から6のいずれか一項に記載の受信方法を実現するためのプログラム・コード命令を備えるコンピュータ・プログラムプロダクト。
【請求項9】
OQAM型変調を実現するマルチキャリア信号を送信する方法であって、
前記マルチキャリア信号は、伝送路を介して伝送されることを意図されると共にデータ要素の集合によって形成された記号の時間継続によって形成され、前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素と
前記記号の少なくともある記号について、前記マルチキャリア信号の受信を実行するように設計された少なくとも1つの受信機へ知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素と
を備え、
前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれ、
当該送信する方法は、
少なくとも2つのパイロット(P1、P2)のグループ(221)を実現し、各パイロットは時間/周波数空間で近隣領域(22)として知られる領域に置かれ、近隣領域は、前記伝送路がほぼ不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備える、送信方法。
【請求項10】
前記グループの各々は1対のパイロットからなることを特徴とする、請求項9に記載の送信方法。
【請求項11】
前記パイロットの性質を決定するステップを備え、前記性質は、実の性質及び純虚の性質を備えるグループに属することを特徴とする、請求項9又は10に記載の送信方法。
【請求項12】
前記虚数値パイロットの符号を決定するステップを備えることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の送信方法。
【請求項13】
前記パイロットの性質及び前記虚数値パイロットの符号を決定する前記ステップの少なくとも1つが、各々の前記パイロットの近隣にある少なくとも1つの情報データ要素の値に依存することを特徴とする、請求項11及び12のいずれか一項に記載の送信方法。
【請求項14】
前記純虚数値パイロットの符号は、前記パイロットの近隣にある前記情報データ要素によって前記パイロット上に誘導される干渉項の値の符号と同じであることを特徴とする、請求項12又は13に記載の送信方法。
【請求項15】
OQAM型変調を実現するマルチキャリア信号を送信する送信デバイスであって、
前記マルチキャリア信号は、伝送路を介して伝送を意図されると共にデータ要素の集合によって形成された記号の時間継続によって形成され、前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素と
前記記号の少なくともある記号について、前記マルチキャリア信号の受信を実行するように設計された少なくとも1つの受信機へ知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素と
を備え、
前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれ、
当該送信デバイスは、
少なくとも2つのパイロット(P1、P2)のグループ(221)を実現する手段を備え、各パイロットは時間/周波数空間で近隣領域(22)として知られる領域に置かれ、近隣領域は、前記伝送路がほぼ不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備える、送信デバイス。
【請求項16】
通信ネットワークからダウンロード可能であり、及び/又はコンピュータ読み取り可能キャリアに記憶され、及び/又はプロセッサによって実行可能なコンピュータ・プログラムプロダクトであって、請求項9から14のいずれか一項に記載の送信方法を実現するためのプログラム・コード命令を備えるコンピュータ・プログラムプロダクト。
【請求項17】
データ要素の集合によって形成された記号の時間継続によって形成された、OQAM型変調を実現するマルチキャリア信号であって、
前記データ要素の集合は、
実数値情報データ要素と
前記記号の少なくともある記号について、前記マルチキャリア信号の受信を実行するように設計された少なくとも1つの受信機へ知られたパイロットと呼ばれる参照データ要素とを備え、
前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調し、前記データ要素の1つによって変調されたキャリア周波数はキャリアと呼ばれ、
データ要素の前記集合は、少なくとも2つのパイロット(P1、P2)のグループ(221)を備え、各パイロットは時間/周波数空間で近隣領域(22)として知られる領域に置かれ、隣接領域は、前記伝送路がほぼ不変であると考えられる領域であり、前記グループの少なくとも1つは、少なくとも1つの実数値パイロット及び少なくとも1つの純虚数値パイロットを備える1対のパイロットからなる、マルチキャリア信号。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2009−543492(P2009−543492A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518939(P2009−518939)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051653
【国際公開番号】WO2008/007030
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】